JP4444312B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱調理器に関し、特に水蒸気により調理室内を100℃以下の温度で一定に制御する加熱調理器に関する。
従来、電気ヒータあるいはマグネトロンなどの加熱手段に加え、水蒸気による加熱調理を可能とする加熱調理器が提供されている。調理室に供給される水蒸気は、例えば特許文献1に開示されているように、調理室またはその近傍に水を貯える貯水部を設け、この貯水部に貯えられている水を加熱し沸騰させることにより発生する。特許文献1には、調理室の設定温度と実温度とを比較して、その結果に基づいて水蒸気の発生量を変更する加熱調理器が開示されている。
ところで、調理室の温度は、対象となる食品の調理メニューによって、100℃以下に維持されることがある。例えばパン生地を発酵させる場合、調理室の温度は30℃から50℃の範囲に維持される。また、例えばプリンなどを蒸し焼きする場合、調理室の温度は80℃程度に維持される。さらに、近年では、野菜などの食品中を収容した調理室の温度を40℃から50℃の範囲に維持することにより、食品中のビタミンCを増加させることが知られている。
特開2005−308315号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている加熱調理器では、水蒸気による加熱調理を100℃以下で行う場合、調理室の温度を設定温度に厳密に制御することは困難である。これは、特許文献1の場合、貯水部に貯えられている水の温度を迅速に変化させることができないからである。貯水部から発生する水蒸気の量は、貯水部に貯えられている水の温度に依存する。そのため、貯水部に貯えられている水の温度変化が迅速でないと、発生する水蒸気の量を精密に制御できない。すなわち、特許文献1に開示されているように貯水部に貯えられている水を単純に沸騰させる場合、貯水部から発生する水蒸気の量を精密に制御できず、結果として調理室の温度の精密な制御は困難になる。
例えば調理室の温度を上昇させる場合のように、水蒸気の発生量を増大させたいとき、貯水部に貯えられている水の温度を上昇させる必要がある。この場合、水温の上昇速度は、水の比熱と加熱に用いるエネルギーによって決定される。しかし、水の比熱は大きく、かつ加熱調理器などの家庭用電化製品では消費可能な電力に限度があるため、水温の上昇速度には限度がある。一方、水蒸気の発生量を減少させる場合、水温も低下させる必要がある。しかし、水の比熱は大きいため、水温の低下は緩慢であり、水温の低下速度にも限度がある。
これらのように、貯水部の水を加熱し沸騰させることにより水蒸気を発生する場合、水蒸気の発生量を制御する際の応答性が悪化する。そのため、水蒸気の発生量を制御することにより調理室の温度を100℃以下の所望の設定値に制御しようとしても、発生する水蒸気量の変化の応答性は悪化する。その結果、調理室の温度は、設定値を挟んで上下し、変化が大きくなるという問題がある。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、発生する水蒸気の量を精密に制御することにより、調理室の温度が100℃以下の所望の設定温度に精密に制御される加熱調理器を提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明の加熱調理器は、調理物を収容する調理室を形成する本体と、前記調理室の温度を設定温度として設定する調理室温度設定手段と、前記調理室の温度を実温度として検出する調理室温度検出手段と、水を貯える貯水部、前記貯水部へ水を補給する補給部および前記貯水部を加熱する加熱部を有し、前記加熱部で前記貯水部を加熱することにより水蒸気を生成し、生成した水蒸気を前記調理室へ供給する水蒸気供給手段と、前記調理室の温度を100℃以下に制御する場合、前記設定温度に応じて前記貯水部の温度を制御する制御部と、を備えることを特徴とする
調理室へ発生した水蒸気を供給する水蒸気供給手段は、調理室の温度を100℃以下に制御する場合、貯水部の温度を制御する。貯水部で発生する水蒸気の量は、貯水部の温度によって変化する。そのため、貯水部の温度を制御することにより、調理室へ供給される水蒸気の量は迅速に制御される。したがって、発生する水蒸気の量を精密に制御することができ、調理室の温度を100℃以下の所望の設定温度に迅速かつ精密に制御することができる。
以下、本発明による加熱調理器の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の一実施形態による加熱調理器を図1に示す。図1は、加熱調理器の主要部の構成を示す模式図である。なお、説明を容易にするため、図1では前面に設けられている扉および操作ボタンなどの周知の外装部材は省略している。
加熱調理器10は、箱状の本体11を備えている。本体11は、内部に調理室12を形成している。調理の対象となる食品は、調理室12に収容される。加熱調理器10は、調理室12に収容された食品を加熱調理するための加熱手段としてのヒータ13を備えている。ヒータ13は、調理室12を形成する本体11の後壁に設けられている。ヒータ13は、図1に示すように矩形状あるいは円形状など任意の枠状に形成されている。この枠状のヒータ13の内側に循環ファン14が配置されている。循環ファン14は、調理室12に気流を形成し、調理室12の温度を概ね均一に保持する。
循環ファン14が駆動されると、調理室12の空気はヒータ13の近傍を通過しながら調理室12を循環する。これにより、ヒータ13に通電されているとき、調理室12の空気はヒータ13によって加熱され、調理室12も加熱される。一方、ヒータ13に通電されていないとき、調理室12の空気はヒータ13によって加熱されることなく調理室12を循環する。
加熱調理器10は、水蒸気供給手段としてスチーム供給装置20を備えている。スチーム供給装置20は、貯水部21、補給部22、加熱部23、貯水部温度検出手段としてのサーミスタ24および予熱部25を有している。本実施の形態の場合、貯水部21は、本体11の底壁に設けられている。貯水部21は、補給部22から供給された水を貯える容器状に形成されている。補給部22は、給水タンク26、給水ポンプ27および給水パイプ28などを有している。給水タンク26は、本体11から着脱可能に設けられ、貯水部21に供給される水が貯えられている。給水ポンプ27は、給水タンク26に貯えられている水を貯水部へ供給する。給水ポンプ27によって給水タンク26から吸入された水は、給水パイプ28を経由して貯水部21へ供給される。サーミスタ24は、貯水部21に設けられており、貯水部21の水の温度を検出する。図2に示す制御部30は、サーミスタ24で検出した貯水部21の温度に基づいて、加熱部23への通電を制御する。予熱部25は、給水タンク26から貯水部21に供給される水を加熱する。これにより、給水タンク26から貯水部21に供給される水は、貯水部21に流入する前に所定の温度まで予熱される。
加熱部23は、貯水部21に設けられている。貯水部21はアルミニウムダイカストなどにより容器状に形成され、加熱部23を構成するヒータが取り付けられている。そのため、加熱部23に通電することにより、貯水部21に貯えられている水は加熱される。これにより、貯水部21では、水蒸気が生成される。生成した水蒸気は、本体11の底壁側から調理室12へ供給される。
なお、加熱調理器10は、上述の加熱手段に加えて、例えばマグネトロンやグリル用の面状のヒータを備える構成としてもよい。マグネトロンは、調理室12を形成する本体11の外側に設けられ、高周波を発生する。マグネトロンで発生した高周波は、例えば導波管を通して本体11の底壁側から調理室12へ照射される。また、面状のヒータは、調理室12を形成する本体11の天壁側に設けられ、赤外線などの電磁波を発生する。ヒータで発生した電磁波は、例えば本体11の天壁側から調理室12へ照射される。
加熱調理器10は、図示しない換気手段を備えている。換気手段は、図示しない吸気口、排気口および換気用ファンなどを有している。換気手段は、換気用ファンを駆動することにより、調理室12に外気を導入するとともに、調理室12の空気を外部へ排出する。調理室12には、調理室温度検出手段としての温度センサ15が設けられている。温度センサ15は、例えばサーミスタなどを有し、調理室12の実際の温度すなわち実温度を検出する。
次に、図2に基づいて加熱調理器10の電気的な構成の要部を説明する。なお、図2は、特にスチーム供給装置20に関連した電気的構成を示し、例えばマグネトロンやグリル用ヒータなどの他の加熱手段の構成は省略している。加熱調理器10の全体を制御する制御部30は、CPU、RAMおよびROMなどを有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。制御部30は、ROMに格納された制御プログラムにしたがって加熱調理器10の各部を制御する。具体的には、制御部30は、例えばキーやスイッチなど本体11の外側に設けられている操作部31から選択的に実施される操作入力に基づいて、あらかじめ設定された調理メニューに応じて加熱調理器10全体を制御する。そのため、制御部30には、操作部31のキーやスイッチなどの操作による各種の入力信号、温度センサ15からの温度検出信号、およびサーミスタ24からの温度検出信号などが入力される。また、制御部30は、操作部31の操作によって調理室12の設定温度が入力される。すなわち、使用者は、調理室温度設定手段としての操作部31を操作することにより、調理メニューを入力する。制御部30は、操作部31を経由して入力された調理メニューに基づいて、調理温度すなわち調理室12の温度を設定温度として設定する。
一方、制御部30の出力側には、循環ファン14、補給部22の給水ポンプ27、加熱部23、予熱部25およびヒータ13などが接続している。これら循環ファン14、給水ポンプ27、加熱部23、予熱部25およびヒータ13は、それぞれ図示しない駆動回路などを経由して制御部30によって制御される。
次に、上記構成の加熱調理器10の作動について説明する。
本実施形態に示す加熱調理器10では、周知の使用方法として操作部31の調理メニューなどの設定操作に基づいて、制御部30は図示しないマグネトロンによる高周波加熱調理あるいは天壁側に設けられた図示しないグリル用ヒータによる輻射熱を利用した加熱調理、さらには循環する熱風を生成するヒータ13および循環ファン14による熱風オーブン加熱調理などを選択的に実行可能である。その際、温度センサ15が検出した調理室12の実温度に基づいて、制御部30は調理室12を予めプログラムされた設定温度に制御する。これにより、調理室12に収容された食品の加熱調理が実施される。
上述のような本実施形態の加熱調理器10の場合、スチーム供給装置20を加熱手段として用いることにより、単独あるいは他の加熱手段を併用して種々の調理メニューの調理を実施することができる。具体的には、加熱調理器10のスチーム供給装置20を単独または他の加熱手段と併用することにより、例えば「鶏の照り焼き」、「ハンバーグ」、「茶碗蒸し」および「ご飯や肉まんなどのあたため」などの調理をはじめ、「プリン」および「野菜などのビタミンCの増加が見込める調理(以下、「ビタミンC増加調理」と称する。)」などメニューにふさわしいスチーム調理を可能としている。
そこで、本実施形態に示す制御部30は、選択設定された調理メニューに応じて、例えば調理室12の温度(調理温度に相当)を水の沸点である100℃より高く設定する高温調理と、同じく沸点以下に設定する低温調理とに二分した動作内容を制御可能である。例えば上記の調理メニューのうち、「鶏の照り焼き」及び「ハンバーグ」などのスチーム調理メニューは、調理室12の温度が水の沸点より高い高温度のスチーム調理モードに該当する。一方、「茶碗蒸し」、「ご飯や肉まんなどのあたため」、「プリン」および「ビタミンC増加調理」などのスチーム調理メニューは、調理室の温度が水の沸点以下の低温度のスチーム調理モードに該当する。
調理を実施する場合、調理開始に先立って調理室12に所望の食品が収容され、操作部31からスチームによる加熱調理の条件などが選択設定される。制御部30は、入力された操作部31からの信号により予め設定されたプログラムに基づいて加熱調理を制御する。具体的には、加熱調理が開始されると、選択設定された調理メニューや食品の重量などの条件設定入力に基づいて、制御部30は選択設定された調理メニューに用いる設定温度が水の沸点より高い高温調理であるか水の沸点以下の低温調理であるかを判定する。
例えば、「鶏の照り焼き」の調理メニューが選択設定されている場合、この調理メニューは高温調理に該当する。そのため、制御部30は、循環ファン14を定常回転駆動し、調理室12にヒータ13で加熱された空気を供給する。これにより、調理室12では、熱風の循環が行われる。また、「鶏の照り焼き」の調理メニューが選択設定されているとき、スチーム供給装置20からは、飽和温度以上のいわゆる過熱水蒸気が調理室12へ供給され、いわゆるスチーム調理が実施される。
具体的には、制御部30は、加熱部23に通電することにより、加熱部23によって貯水部21を例えば120℃程度まで加熱する。制御部30は、サーミスタ24により貯水部21の温度が120℃に達したことを検出すると、補給部22の給水ポンプ27を駆動する。これにより、給水タンク26から少量の水が給水パイプ28を経由して間欠的に貯水部21へ供給される。高温度に加熱された貯水部21に供給された水は加熱されて蒸発し、100℃以上の水蒸気が調理室12へ供給される。調理室12は、上述のように熱風の循環が行われている。そのため、この熱風とともに水蒸気も循環し、ヒータ13によって繰り返し加熱される。その結果、調理室12の水蒸気は、飽和温度以上に加熱された過熱水蒸気として生成される。制御部30は、温度センサ15で検出した調理室12の実温度に基づいて調理室12を設定温度に維持する。これにより、過熱水蒸気による加熱調理が実施される。
一方、例えば「プリン」や「ビタミンC増加調理」メニューなどが選択設定されている場合、これらの調理メニューは低温調理に該当する。そのため、制御部30は、循環ファン14を定常回転よりも低速度で回転駆動し、ヒータ13への通電をオフにする。そして、制御部30は、スチーム供給装置20によって低温度の水蒸気を生成し、調理室12へ供給する。
このように調理室12の温度を水の沸点である100℃以下に制御する場合、制御部30は、調理室12へ水蒸気を導入し、この水蒸気の熱量と、調理室12に導入される外気や外部への放熱による熱量とを均衡させることによって、調理室12を100℃以下に制御する。水蒸気は熱容量が大きいため、水蒸気の温度安定性は高い。そのため、調理室12へ水蒸気を導入することにより、調理室12の温度の制御は容易になる。例えば調理メニューとして「プリン」が選択されている場合、調理室12は80℃に制御される。また、調理メニューとして「ビタミンC増加調理」が選択されている場合、調理室12は40℃から50℃に制御される。
調理室12を設定温度に制御するために必要な水蒸気の発生量は、図3に示すように調理室21の平衡温度に依存している。例えば、調理室12の設定温度が高くなるほど、加熱調理器10の外気温との差が大きくなり、調理室12は冷却されやすくなる。そのため、調理室12を設定温度に維持するためには、より多くの水蒸気の熱量が必要となる。したがって、設定温度によって必要となる水蒸気の発生量が決定され、設定温度に応じて水蒸気の発生量を変化させることにより調理室12は当該設定温度に制御される。
ここで、水蒸気の発生量は、貯水部21の温度により制御される。貯水部21の温度が100℃以下の場合、貯水部21に貯えられている水の表面積が同一であれば、図4に示すように貯水部21の温度が高くなるほど水蒸気の発生量は増加する。ここで、貯水部21の温度とは、貯水部21に貯えられた水の温度を意味し、サーミスタ24で検出した貯水部21の容器の温度から検出してもよいし、または貯水部21に貯えられた水から直接検出してもよい。貯水部21の水が沸騰状態にあるとき、気化熱によって100℃の水蒸気が発生する。このように、貯水部21の温度を100℃以下の所定の温度に制御することにより、貯水部21から発生する水蒸気の量が制御される。例えば80℃から40℃のように設定温度が低くなるにしたがって、貯水部21の温度も例えば95℃から85℃のように低くなるように制御する。これによって、各々の設定温度に適した量の水蒸気が供給され、調理室12の温度を一定に維持しやすくなる。貯水部21の温度を100℃に維持しているとき水蒸気の発生量は最大となり、貯水部21の温度を95℃、90℃、・・・と下げていくことにより、水蒸気の発生量は低下する。なお、貯水部21の温度を100℃未満にすると、沸騰時に比較して水蒸気の発生量が低下する。そこで、水蒸気の量を確保するために、例えば貯水部21の温度が100℃での沸騰を2秒継続した後、100℃未満での非沸騰を5秒継続とするように、沸騰状態と非沸騰状態とを時間的に分割して繰り返すことにより、水蒸気の発生量を制御してもよい。
制御部30は、設定温度に応じて貯水部21の温度を制御する。制御部30は、図5に示すように貯水部21に貯えられている水が単位時間当たりで沸騰状態にある時間割合を変更することにより、貯水部21の温度を制御する。貯水部21の水が単位時間当たり常に沸騰状態にあれば、沸騰割合は100%となり、発生する水蒸気量は最大となる。一方、単位時間当たりの沸騰状態の割合が減少するにしたがって、貯水部21から発生する水蒸気量は低下する。したがって、設定温度に対して調理室12の実温度が高くなると、設定温度を維持するために必要となる水蒸気量が減少し、沸騰状態の割合も低下する。また、設定温度に対して実温度が低くなると、設定温度を維持するために必要となる水蒸気量が増加し、沸騰状態の割合も上昇する。このように、制御部30は、設定温度に応じて貯水部21の単位時間当たりの沸騰状態の割合を変更することにより、貯水部21の温度とともに調理室12の温度を制御している。
ところで、例えば加熱調理器10が設置されている環境において外気温の変化が生じたり、調理の対象となる食品の熱吸収量が異なると、設定温度が同一であっても必要となる熱量が変化する。そのため、設定温度に応じた水蒸気量を発生させるために必要な貯水部21の温度は、最適な値から変動することがある。そこで、制御部30は、温度センサ15で検出した調理室12の実温度と設定温度との差に基づいて、貯水部21の温度を微調整する。貯水部21の温度は、図6に示すように貯水部21における単位時間当たりの沸騰状態の割合を変化させることにより制御される。例えば、設定温度に応じて設定されている貯水部21の温度制御の設定最適値が沸騰2秒および非沸騰4秒であるとしたとき、調理室12の実温度が設定温度よりも低くなると、沸騰時間を2秒以上に延長または非沸騰時間を4秒以下に短縮することにより、水蒸気の発生量を増加させる。一方、この条件で調理室12の実温度が設定温度よりも高くなると、沸騰時間を2秒以下に短縮または非沸騰時間を4秒以上に延長することにより、水蒸気の発生量を減少させる。このように、制御部30は、貯水部21における沸騰時間の割合を変化させることにより、実温度に応じて調理室12を設定温度に精密に制御する。
また、調理室12の温度を室温から所望の設定温度まで上昇させる場合、調理室12の温度制御は、室温から設定温度まで上昇する温度上昇時と、設定温度で維持する温度維持時とに区分される。制御部30は、図7に示すように温度上昇時のとき、貯水部21における沸騰割合を高くして調理室12へ供給する水蒸気量を増大させ、調理室12の温度の上昇を促進する。そして、調理室12の実温度が設定温度に近づくにつれて、設定温度で均衡するように貯水部21の温度を変化させることにより貯水部21における沸騰割合を段階的に低下させて水蒸気の発生量を低減する。さらに、制御部30は、調理室12の実温度が設定温度に達すると、上述の図6で示したように調理室12を所定の設定温度に維持する。なお、水蒸気の発生量は、調理室12の実温度が設定温度に近づくにつれて段階的に低減させてもよいし、所定の変化率で連続的に低減させてもよい。また、温度上昇時では、スチーム供給装置20からの水蒸気の供給によって調理室12の加熱するだけでなく、例えば補助的にヒータ13へ通電し、調理室12の加熱を促進する構成としてもよい。
発生する水蒸気の量は、上述のように貯水部21における沸騰時間の割合を変化させるだけでなく、貯水部21に貯える水の量を変化させることにより制御してもよい。貯水部21の加熱部23に供給するエネルギーが同一であれば、貯水部21に貯えられている水の量によって水の温度変化に要する時間は変化する。例えば貯水部21に貯えられている水の量が少ないと、水の温度の上昇または低下に必要な時間は短く、すなわち温度の変化速度は大きくなる。一方、貯水部21に貯えられている水の量が多いと、水の温度の上昇または低下に必要な時間は長く、すなわち温度の変化速度は小さくなる。したがって、貯水部21に貯えられている水の量が少ないとき短時間で発生する水蒸気量が増大するのに対し、貯水部21に貯えられている水の量が多いとき発生する水蒸気量の増大には時間を要する。
また、例えば図8に示すように貯水部21の底部および加熱部23を水平方向に対し傾斜させることにより、貯水部21に貯えられている水の表面積すなわち蒸発面の面積は変化する。具体的には、図8(A)に示すように貯えられている水の量が少ないとき、貯えられている水の表面積は小さくなり、図8(B)に示すように貯えられている水の量が多いとき、貯えられている水の表面積は大きくなる。そのため、貯水部21に貯えられている水の量が少なく表面積が小さいとき、蒸発する水蒸気の量は多くなり、貯水部21に貯えられている水の量が多く表面積が大きいとき、蒸発する水蒸気の量は少なくなる。
以上のように貯水部21に導入する水の量を制御することによって、水蒸気の発生量および発生量の変化速度は制御される。したがって、図9に示すように、制御部30は、設定温度に応じて貯水部21に貯える水の量を制御する。なお、設定温度と貯水部21に貯える水の量との関係は、図9に示すように段階的に設定してもよいし、連続的に変化するように設定してもよい。また、図8に示した貯水部21の形状は一例であり、例えば貯水部21の形状を任意に設定することにより、貯水部21の液面位置によって蒸発面の面積が変化する構成としてもよい。
さらに、制御部30は、上述したように温度上昇時と温度維持時とで貯水部21に貯える水の量を変更してもよい。具体的には、図10に示すように、温度上昇時のとき、貯水部21に貯える水の量および調理室12へ供給する水蒸気量を多くし、調理室12の温度の上昇を促進する。そして、設定温度に近づくにつれて、設定温度で均衡するように貯水部21に貯える水の量すなわち水蒸気の発生量を段階的に低減させる。なお、貯水部21に貯える水の量は、設定温度に近づくにつれて段階的に低減させてもよいし、所定の変化率で連続的に低減させてもよい。設定温度に近い温度では貯水部21に貯える水の量を低減することにより、水蒸気の発生量および水蒸気の発生速度はより精密に制御される。これにより、本実施形態の場合、設定温度付近では、図11に示すように調理室12の実温度の変化いわゆるリップルが従来例と比較して低減される。
貯水部21から水蒸気を発生させることにより、貯水部21に貯えられている水の量は減少する。そのため、制御部30は、貯水部21から調理室12へ供給する所定の水蒸気量を維持するように、貯水部21へ供給する水の量を制御する。制御部30は、給水ポンプ27の稼働時間すなわち給水ポンプ27への通電時間に基づいて、給水タンク26から貯水部21へ供給された水の量を検出する。なお、貯水部21に水量センサを設け、制御部30は水量センサの出力信号から貯水部21の水の量を検出する構成としてもよい。
このように給水タンク26から貯水部21へ供給される水は、通常予熱部25によって予熱される。予熱部25は、室温に近い温度で給水タンク26に貯えられている水を、貯水部21の温度まで加熱する。給水タンク26に貯えられている水は、ほぼ室温であり、貯水部21に比較して温度が低い。そのため、給水タンク26の水をそのまま貯水部21に供給すると、貯水部21の温度は低下し、貯水部21から発生する水蒸気量の精密な制御の妨げとなるおそれがある。そこで、予熱部25は、貯水部21に供給する水を、貯水部21に近い温度まで加熱する。これにより、給水タンク26から貯水部21に水を供給しても、貯水部21の温度変化は低減される。また、制御部30は、調理室12の設定温度、または設定温度と実温度との差に基づいて予熱部25で加熱する水の温度を制御してもよい。このように、予熱部25で加熱する水の温度を制御することにより、設定温度および実温度に基づいて調理室12の温度がより精密に制御される。
一方、図7および図10に示すように調理室12の温度状態を温度上昇時と温度維持時とに区分して制御する場合、図12(A)に示すように温度上昇時では加熱時間に応じて調理室12の実温度は設定温度まで上昇するのに対し、温度維持時では加熱時間にかかわらず調理室12の実温度は設定温度でほぼ一定に維持される。そのため、図12(B)に示すように、温度上昇時で必要となる水蒸気量に対し、温度維持時で必要となる水蒸気量は少なくなる。このように、調理室12の実温度が設定温度に到達し、温度上昇時から温度維持時に移行するとき、要求される水蒸気量は大きく変化する。
上述の図4で説明したように、貯水部21で発生する水蒸気の量は、貯水部21の温度によって変化する。そのため、温度上昇時から温度維持時に移行することにより、要求される水蒸気量が減少したとき、貯水部21の温度は温度維持時で必要となる水蒸気量に応じて低下させる必要がある。しかし、水の比熱は大きく、温度上昇時では比較的多量の水が貯水部21に貯えられているため、加熱部23への通電を停止しただけでは貯水部21の温度の低下は緩やかになる。
そこで、本実施形態では、温度上昇時から温度維持時に移行するとき、制御部30は予熱部25への通電を停止しつつ、給水タンク26から貯水部21へ水を供給する。これにより、給水タンク26から貯水部21へ供給される水は、予熱部25によって加熱されず、貯水部21の温度に比較して低温の室温付近の温度となる。このとき、制御部30は、給水ポンプ27によって貯水部21へ供給する水の量を通常よりも増加させ、貯水部21の温度の低下をより促進してもよい。
このように、温度上昇時と温度維持時との間に予熱部25による加熱を停止しつつ、かつ給水ポンプ27による給水量を増加させることにより、貯水部21には室温付近の水が通常よりも多く供給される。その結果、貯水部21の温度は迅速に低下する。これにより、温度上昇時から温度維持時に移行するとき、貯水部21の温度は迅速に低下し、貯水部21で発生する水蒸気量は迅速に減少する。したがって、調理室12の温度は、設定温度に精密に維持される。
さらに、本実施形態では、図13に示すように本体11を冷却する冷却手段としての冷却ファン16を設けてもよい。冷却ファン16は、調理室12を形成する本体11の外壁に送風し、本体11を冷却する。これにより、本体11が形成する調理室12は、冷却され、温度が低下する。冷却ファン16は、図2に示す制御部30に図示しない冷却ファン駆動回路を経由して接続されている。これにより、制御部30は、例えば設定温度に基づいて冷却ファン16の駆動をオンまたはオフする。
例えば「ビタミンC増加調理」メニューなどのように、調理室12の温度を100℃以下、特に室温に近い温度に制御する場合、調理室12の温度と室温との差が小さくなる。そのため、スチーム供給装置20から調理室12へ少量の水蒸気を供給しただけで調理室12の温度が設定温度に到達する。その結果、調理室12へ多量の水蒸気を供給することが困難となり、比熱の大きな水蒸気を用いた均一な温度制御が妨げられるおそれがある。一方、調理室12の温度の低下を目的として室温の外気を導入すると、調理室12の外気導入部に近い場所と遠い場所とで温度に差が生じたり、調理室12における水蒸気の割合が低下する。その結果、上述のように比熱の大きな水蒸気を用いた均一な温度制御が妨げられるおそれがある。
そこで、本実施形態では、冷却ファン16によって調理室12を形成する本体11を冷却している。これにより、調理室12を形成する本体11は、外側が冷却ファン16から送風される外気によって均一に冷却される。そのため、本体11からの放熱が促進され、調理室12の温度が低下しやすくなる。調理室12の温度が低下することにより、スチーム供給装置20から調理室12へ供給可能な水蒸気量が増加する。その結果、水蒸気の密度が上昇し、調理室12の均一かつ安定した温度制御が可能となる。なお、冷却手段は、冷却ファン16に限らず、例えばペルチェ素子や冷媒などを用いてもよい。
上述のように、特に「ビタミンC増加調理」メニューのように、調理室12の温度を40℃程度に維持する場合、冷却ファン16による冷却効果が大きくなる。ここで、調理室12の温度を40℃程度の低温に維持するスチーム調理モードを利用した「ビタミンC増加調理」メニューについて詳細に説明する。
この「ビタミンC増加調理」なるメニューは、上記したように制御部30により調理室12の温度が低温度に制御されたスチーム調理モードであり、食品に含まれるビタミンCを増加させつつ調理することを可能としたメニューである。このビタミンCを増加させる食品として、緑黄色野菜であるほうれん草(40g)を用いて、上記低温スチーム調理モードの有効性、およびビタミンC増加の根拠などについて説明する。
ビタミンCを増加させる調理手段は、予め実験によって判明したデータに基づいてプログラムされ、基本的な制御動作に基づいて調理が実行される。図14は、ほうれん草40gを飽和水蒸気のもとで各種調理温度を変えて実験したデータを示すグラフである。図14では、調理前のビタミンCの含有量を「1」とし、各調理温度に達した後の加熱調理の開始により、調理前のビタミンCがどの程度増加または減少したかを示している。図14では、縦軸がビタミンCの増加率を示しており、横軸が調理時間(各々設定温度に到達した時点を0としている。)を示している。なお、ここでのビタミンCは、還元型のビタミンCである。
図14に示す実験データからも明らかなように、調理室12の温度と同一である調理温度が20℃から35℃の条件であるグラフ曲線A、B、Cは、いずれもビタミンCの含有量が「1」を超えることはなく、時間の経過とともにビタミンCの含有量が減少する傾向にあることが分かる。また、調理温度が50℃から100℃の条件であるグラフ曲線F、G、H、Iも、ビタミンCの含有量がいずれも調理前に比較して減少していることが分かる。このうち、例えば調理温度が50℃のグラフ曲線Fの場合、調理時間が約15分を経過したとき、ビタミンCの含有量が極大値に達するものの、調理前のビタミンCの含有量以上に増加することはない。
これに対し、調理温度が40℃、45℃の条件であるグラフ曲線D、Eは、いずれも設定温度に到達した後すぐにビタミンCの含有量が増加する傾向を示していることが分かる。そして、ビタミンCの含有量は、徐々に増加し、調理開始後10分を経過したとき、調理温度が40℃の曲線Dでは「1.25」まで増加し、調理温度45℃の曲線Eでは「1.3」まで増加し、極大値に達している。これら曲線Dおよび曲線Eでは、ビタミンCの含有量が極大値に達した後、急激に減少していく傾向を示している。このように、図14に示す実験結果によれば、調理前におけるほうれん草のビタミンCの含有量に比較して、約1.25倍から約1.3倍のビタミンCを含むほうれん草を作ることができる。
すなわち、この図14に示す実験データによると、ほうれん草の場合、ある所定の温度雰囲気すなわち40℃から45℃の好適な温度雰囲気で低温水蒸気により加熱調理を実施することにより、ビタミンCが増加する現象が起こる。一方、その好適な温度雰囲気を維持した状態で所定の時間が経過すると、含まれるビタミンCが急激に減少する現象が起こる。
そのため、この実験データに基づいて「ビタミンC増加調理」メニューのプログラムを設定することにより、供給された水蒸気によって調理対象の食品が所定の雰囲気温度で凝縮伝熱加熱され、ビタミンCが極大となるときに調理が停止、すなわち水蒸気の供給が停止される。これにより、ビタミンCの含有量が最大となったときに、調理の対象であるほうれん草を取り出すことが可能となる。したがって、この状態のほうれん草を使用者が食することにより、調理前のほうれん草に比較してビタミンCが増加し、使用者がよりヘルシーな調理物を容易に入手することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、ほうれん草の重量に応じて調理条件を若干変更することが望ましい。例えば、30gおよび40gのほうれん草を40℃の調理温度で調理した場合、ビタミンCが極大値に達するまでの時間は、40gでは30gのほうれん草よりも長い時間を要する傾向にあることが実験的に明らかになっている。したがって、図14に示したデータに対し、さらに重量に応じたデータを加味することにより、最良の調理時間が設定される。
このように、ほうれん草など緑黄色野菜の調理物を、所定温度の低温の水蒸気雰囲気中で調理してストレスを加えることにより、ビタミンCが増加するという実験データに基づいて、加熱調理器10で低温水蒸気による調理を設定可能としている。そのため、使用者は、食品に含まれるビタミンCを調理前に比較して増加させることが可能となり、使用者にとってビタミンCの摂取が手軽かつ簡単にできる。特に、食品が緑黄色野菜の場合、調理室12の温度が40℃から50℃未満の範囲になるように水蒸気で加熱することにより、緑黄色野菜のビタミンCを増加させることができる。
以上説明した本発明の一実施形態では、次のような作用効果を奏する。
制御部30は、調理室12の設定温度が100℃以下の低温であるとき、加熱部23によって貯水部21の温度を制御することにより、調理室12へ供給する水蒸気の量を制御している。これにより、貯水部21の温度は、調理室12の設定温度に応じて迅速かつ精密に制御され、発生する水蒸気の量も精密に制御される。水蒸気の熱容量は大きいため、水蒸気の発生量を制御して調理室12の温度を制御することにより、調理室12の温度は均一に制御される。また、熱容量の大きな水蒸気の量で調理室12の温度を制御することにより、設定温度付近での温度の変化が小さくなる。すなわち、調理室12の温度は、設定温度付近での微小な温度変化、いわゆるリップルが低減される。したがって、調理室12の設定温度が100℃以下の場合でも、調理室12の温度を均一かつ精密に設定温度に制御することができる。
制御部30は、調理室12の設定温度と温度センサ15で検出された調理室12の実温度とを比較し、その差に基づいて貯水部21の温度を制御している。貯水部21の温度は、例えば貯水部21の水を沸騰状態または非沸騰状態にする時間の割合によって制御される。貯水部21の温度を制御することにより、調理室12へ供給される水蒸気の量、ひいては調理室12の温度が制御される。これにより、調理室12の温度は、調理する対象の熱負荷の影響、あるいは調理室12と外気との温度差の影響などを含めて制御される。したがって、水蒸気の発生量および調理室12の温度を精密に制御することができる。
制御部30は、調理室12を設定温度まで加熱する温度上昇時と、調理室12の温度を設定温度で維持する温度維持時とで貯水部21の制御温度を変更している。調理室12を設定温度まで加熱する温度上昇時は、設定温度と実温度との差が大きい。そのため、この温度上昇時の場合、温度維持時に比較して貯水部21の温度を高めに設定することにより、水蒸気の発生が促進される。一方、調理室12の温度を維持する温度維持時の場合、設定温度と実温度との差に基づいて貯水部21の温度を制御する。したがって、温度上昇時は調理室12の温度を迅速に設定温度まで立ち上げることができるとともに、温度維持時は設定温度で精密に温度を制御することができる。
また、制御部30は、設定温度に応じて貯水部21に貯える水の量を制御し、貯水部21から発生する水蒸気の量を制御してもよい。この場合、設定温度が高いとき、あるいは設定温度と実温度との差が大きいとき、貯水部21に貯える水の量およびその蒸発面の面積を増大させる。これにより、多量の水蒸気が発生する。その結果、温度上昇時のように設定温度と実温度との差が大きなとき、多量の水蒸気により調理室12の温度は迅速に上昇する。一方、設定温度が低いとき、あるいは設定温度と実温度との差が小さいとき、貯水部21に貯える水の量およびその蒸発面の面積を減少させる。これにより、少量の水蒸気が発生するとともに、貯水部21の温度変化が迅速になる。その結果、温度維持時のように設定温度と実温度との差が小さなとき、貯水部21の温度変化にともなう水蒸気の発生量の変化が迅速になり、調理室12の温度制御の応答性が向上する。したがって、調理室12の温度の迅速な上昇と、設定温度付近でのリップルが低減された精密な温度制御とを両立して達成することができる。
給水タンク26から貯水部21に供給される水は、予熱部25によって予め加熱される。制御部30は、調理室12の設定温度、または設定温度と実温度との差に基づいて、予熱部25によって加熱される水の温度を制御する。これにより、貯水部21に供給される水は、貯水部21とほぼ同一の温度まで加熱される。そのため、貯水部21に水が供給されても、貯水部21の温度の変化は低減され、貯水部21は水の補給にかかわらず均一な温度を維持する。したがって、貯水部21の温度、発生する水蒸気の量、および調理室12の温度を精密に制御することができる。
さらに、制御部30は、温度上昇時から温度維持時までの間に、貯水部21へ常温の水を供給する。温度上昇時から温度維持時に移行するとき、貯水部21の温度の変化は大きくなる。すなわち、上述のように温度上昇時には貯水部21では多量の水が高温に維持されるのに対し、温度維持時には貯水部21では少量の水が比較的低温に維持される。そのため、温度上昇時から温度維持時へ移行するとき、貯水部21へ常温の水を供給することにより、貯水部21の温度は迅速に温度維持に必要な温度に低下する。このとき、制御部30は、予熱部25による水の加熱を停止する。したがって、温度上昇時から温度維持時へ移行するとき、貯水部21の温度を精密に制御することができる。
さらに、本実施形態では、調理室12を形成する本体11を冷却ファン16によって外部から冷却してもよい。これにより、調理室12の温度が低下しやすくなり、調理室12にはより多くの水蒸気を供給することができる。特に、例えばビタミンC増加調理メニューを実施する場合のように、調理室12の温度を40℃程度の室温付近に維持する場合、わずかな水蒸気を供給しただけで調理室12の温度は設定温度に到達する。そのため、本体11を冷却し、調理室12の温度を低下させることにより、調理室12にはより多くの水蒸気を供給することができる。
(変形例)
上述の実施形態において水蒸気を生成するスチーム供給装置は、以下に説明するように変形してもよい。なお、上記の実施形態と同一の構成部位には同一の符号を付している。
図15に示す変形例の場合、水蒸気を生成するスチーム供給装置20は、本体11の外部に設けられている。スチーム供給装置20は、貯水部21で発生した水蒸気を導入パイプ41に設けられた導入ファン42によって調理室12へ供給している。これにより、図15に示す変形例の場合、貯水部21で発生した水蒸気は、調理室12を形成する本体11の側壁から調理室12へ導入される。
また、図16に示す変形例のように、水蒸気を生成するスチーム供給装置20は、調理室12を形成する本体11の側壁に設けてもよい。貯水部21は、例えばアルミダイカストなどにより容器状に形成されており、加熱部23のヒータが埋設されている。貯水部21で発生した水蒸気は、調理室12を形成する本体11の側壁に設けられた吹き出し口51から調理室12へ導入される。
以上のように、スチーム供給装置20の位置は、調理室12の底壁側に限らず、任意の位置に設定することができる。
本発明の一実施形態による加熱調理器を示す模式図 本発明の一実施形態による加熱調理器の電気的な構成を示すブロック図 蒸気発生量と調理室の温度との関係を示す図 貯水部の温度と水蒸気発生量との関係を示す図 単位時間当たりの沸騰状態時間割合と水蒸気発生量との関係を示す図 設定温度付近での温度制御を説明する図 温度上昇時と温度維持時との温度制御を単位時間当たりの沸騰状態時間割合の変化に基づいて説明する図 本発明の一実施形態による加熱調理器においてスチーム供給装置の構造を示す模式図 設定温度と貯水部に貯えられている水の量との関係を示す図 温度上昇時と温度維持時との温度制御を貯水部に貯える水の量の変化に基づいて説明する図 加熱を開始してからの経過時間と実温度との関係を示す図 (A)は加熱を開始してからの経過時間と実温度との関係を示す図であり、(B)は加熱を開始してからの経過時間と水蒸気供給量との関係を示す図 本発明の一実施形態による加熱調理器に冷却ファンを設けた模式図 ほうれん草のビタミンC含有量と各種調理温度との関係を示す実験データに基づくグラフ 本発明の一実施形態による加熱調理器の変形例 本発明の一実施形態による加熱調理器の変形例
符号の説明
図面中、10は加熱調理器、11は本体、12は調理室、15は温度センサ(調理室温度検出手段)、16は冷却ファン(冷却手段)、20はスチーム供給装置(水蒸気供給手段)、21は貯水部、22は補給部、23は加熱部、25は予熱部、26は給水タンク(補給部)、27は給水ポンプ(補給部)、28は給水パイプ(補給部)、30は制御部(調理室温度設定手段)、31は操作部(調理室温度設定手段)を示す。

Claims (7)

  1. 調理室を形成する本体と、
    前記調理室の温度を設定温度として設定する調理室温度設定手段と、
    前記調理室の温度を実温度として検出する調理室温度検出手段と、
    水を貯える貯水部、前記貯水部へ水を補給する補給部および前記貯水部を加熱する加熱部を有し、前記加熱部で前記貯水部を加熱することにより水蒸気を生成し、生成した水蒸気を前記調理室へ供給する水蒸気供給手段と、
    前記調理室の温度を100℃以下に制御する場合、前記設定温度に応じて前記貯水部の温度を制御する制御部と、
    を備え
    前記水蒸気供給手段は、前記補給部から前記貯水部へ供給する水を加熱する予熱部を有し、
    前記制御部は、前記設定温度が高くなるほど、または前記設定温度と前記実温度との差が大きくなるほど、前記予熱部で加熱される水の温度を高めることを特徴とする加熱調理器。
  2. 前記制御部は、前記調理室の温度を100℃以下に制御する場合、前記設定温度と前記実温度との差に基づいて、前記貯水部の温度を制御することを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  3. 前記制御部は、前記調理室の温度を100℃以下に制御する場合、前記調理室の温度を前記設定温度まで上昇させる温度上昇時における前記貯水部の温度を、前記調理室の温度を前記設定温度に維持する温度維持時における前記貯水部の温度よりも高くすることを特徴とする請求項1または2記載の加熱調理器。
  4. 前記制御部は、前記調理室の温度を100℃以下に制御する場合、前記設定温度と前記実温度との差が大きくなるほど、前記貯水部に貯えられている水の量を増加させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の加熱調理器。
  5. 前記制御部は、前記調理室の温度を100℃以下に制御する場合、前記設定温度と前記実温度との差が大きくなるほど、前記補給部から前記貯水部へ供給する水の量を増加させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の加熱調理器。
  6. 前記制御部は、前記調理室の温度を100℃以下に制御する場合、前記調理室の温度を前記設定温度まで上昇させる温度上昇時と、前記調理室の温度を前記設定温度に維持する温度維持時との間に、前記補給部から前記貯水部へ水を供給し、前記貯水部の温度を低下させることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか記載の加熱調理器。
  7. 前記本体の壁部を外側から冷却する冷却手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか記載の加熱調理器。
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