JP2010112664A - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】焼き過ぎを防止し美味しく調理することに対して満足のいく加熱調理器を提供すること。
【解決手段】ヒータ2,3の温度を直接検出して、ヒータ2,3の温度を直接制御することでヒータ2,3からの輻射熱を制御でき、ヒータ2,3の通電率を高くして輻射熱による効果を高くすることができるので、安定して高い調理性能を発揮し、調理時間の短い加熱調理器を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】ヒータ2,3の温度を直接検出して、ヒータ2,3の温度を直接制御することでヒータ2,3からの輻射熱を制御でき、ヒータ2,3の通電率を高くして輻射熱による効果を高くすることができるので、安定して高い調理性能を発揮し、調理時間の短い加熱調理器を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ヒータを備えた加熱調理器に関する。
従来、この種の加熱調理器は、一般的に加熱室内にヒータを備え、被加熱物を網の上に置き、加熱室内の温度が一定になるようにヒータを温度調節器により制御し、加熱していた。
被加熱物の焼け具合などの出来上がりや調理時間は、加熱室内の温度とヒータからの輻射熱でほぼ決定される。加熱室内の温度は、被加熱物の種類により最適な温度が決定される。被加熱物である食品の種類によっても異なるが、早くから焦げ目がつき過ぎないようにしたいものと、例えば肉調理のような表面に素早く焦げ目をつけて内部の旨味を逃さないように加熱したいものとがある。焦げ目を早くつけるように加熱するには、加熱の初期に輻射熱の強い加熱が必要で、良い出来映えの調理を可能にするには、加熱初期の輻射熱を制御してやらなければならない。
また、調理時間を短くするためには、ヒータからの輻射熱を高めることが有効である。そして輻射熱は、ヒータ表面の絶対温度の4乗に比例することが周知である。従って、輻射熱を高めるためには、ヒータがより連続的に通電される状態、すなわちヒータの通電率を上げることが有効である(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−349556号公報
しかしながら、前記従来の構成では、ヒータは加熱室内の温度が一定になるように温度調節器で制御されているので、輻射熱を制御することができなかった。そのため、焦げ目をきれいにつけ、美味しく調理することに対して満足のいくものではないという課題を有していた。
また、庫内温度が上昇してしまうとヒータが制御されて通電量が下がる。加熱調理器の種類、加熱室内の温度などによっても異なるが、一般的には、加熱室内の温度を例えば280℃に保つ場合のヒータは、25〜30%といった低い通電率になる。これによりヒータの温度が下がるため、ヒータからの輻射熱が下がり調理性能の低下、すなわち調理時間が延長する。従って、輻射熱が比較的低い状態で動作し、調理時間を短くできないという課題を有していた。
そして、庫内温度を280℃に保つ場合のヒータ通電率の制御方法として、例えば上下20degのディファレンシャルを取ったオンオフ制御、すなわち庫内温度が300℃を超えればヒータへの電源供給を遮断、260℃を下回れば電源供給を開始するといった制御方法を用いた場合には、庫内温度260℃近辺のときに加熱調理開始になると、ヒータ温度がかなり低下していて、輻射熱が小さくなってしまう。
一方、庫内温度がヒータ電源遮断時の300℃近辺で加熱調理を開始すると、ヒータ温度が最高レベルにあり、輻射熱が大きくなり焦げ目がつきやすいことになる。加熱調理器の条件にもよるが、この程度のディファレンシャルの場合、およそ数十秒から2〜3分の間隔でヒータへの電源遮断と電源供給とが繰り返されており、すなわちこの時間間隔で輻射熱が大きくなったり小さくなったりして、調理開始のタイミングによって調理性能が安
定しないという課題もあった。
定しないという課題もあった。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、調理性能の大幅に向上した加熱調理器を提供することを目的とするものである。
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は、加熱調理するためのヒータの温度を検出するヒータ温度検出手段と、加熱室内の温度を検出する庫内温度検出手段と、ヒータの加熱量を制御する制御手段とを備え、ヒータ温度検出手段と庫内温度検出手段の出力に基づき、所定のヒータ設定温度を超えないようにヒータ加熱量を制御するものである。
これによって、ヒータの温度を直接検出することができるため、ヒータの温度制御を正確かつ安定して行うことができる。よって、ヒータの温度を直接制御してヒータからの輻射熱を制御することができるので、安定して高い調理性能を発揮でき、輻射熱を高めて調理時間を短くすることもできる。
本発明の加熱調理器は、ヒータの温度を直接検出してヒータの温度を直接制御し、ヒータからの輻射熱を制御することができるので、安定して高い調理性能を発揮できる。そして、ヒータの温度を直接制御しヒータ温度が過度に上昇することを防止できるのでヒータの劣化を防止できる。
また、ヒータへの通電率を変化させる構成を備えることにより、ヒータの通電率を高くして輻射熱による効果を高くすることができるので、調理時間を短くすることもできる。
第1の発明は、食品を加熱する加熱室と、加熱調理するためのヒータと、前記ヒータの温度を検出するヒータ温度検出手段と、前記加熱室内の温度を検出する庫内温度検出手段と、ヒータの加熱量を制御する制御手段とを備え、所定のヒータ設定温度と所定の庫内設定温度の両者どちらも超えないように、前記ヒータ温度検出手段の出力と前記庫内温度検出手段の出力とに基づきヒータ加熱量を制御するようにしたことにより、ヒータの温度を直接検出することができるため、ヒータの温度制御を正確かつ安定して行うことができる。よって、肉調理やトーストなどの焼き調理において、理想に近い焼き方とされる一定温度による均一な焼調理ができる。そして、ヒータの温度を直接制御してヒータからの輻射熱を制御することができるので、安定して高い調理性能を発揮でき、輻射熱を高めて調理時間を短くすることもできる。また、庫内温度が過度に上昇することを防止できるので、食品の炭化や焦げやすくなることを防止でき、調理性能が安定する。
第2の発明は、特に第1の発明において、加熱室内上部、下部にそれぞれ上ヒータと下ヒータとを設け、前記上ヒータ、前記下ヒータのそれぞれに上ヒータ温度検出手段、下ヒータ温度検出手段を備えて、制御手段は、前記上、下ヒータ温度検出手段の出力に基づき、前記上ヒータと前記下ヒータの各々のヒータ加熱量を制御するようにしたことにより、食品の厚みや食品とヒータとの距離が変化しても、上ヒータと下ヒータの各々のヒータの温度を直接検出することができるため、各々の上、下ヒータの温度制御を正確かつ安定して行うことができ、安定した庫内温度の条件で、ヒータの温度を直接制御する加熱調理が可能となり、上ヒータと下ヒータの各々のヒータからの輻射熱を制御して安定して高い調理性能を発揮でき、輻射熱を高めて調理時間を短くすることもできる。
第3の発明は、特に第1または第2のいずれか1つの発明において、加熱室内の空気を
換気するための送風機を備え、少なくとも加熱調理開始直後から前記送風機を運転するようにしたことにより、調理中に送風機を運転することで庫内換気を促進できるので、庫内温度を一定に制御するためにヒータの加熱量を減少させてヒータ表面温度が低下することを避け、ヒータ表面温度を高温に維持できるのでヒータからの輻射熱を高く保ち調理時間を短くすることができる。また、ヒータの温度を直接制御してヒータからの輻射熱を制御することができるので、安定して高い調理性能を発揮でき、庫内温度が過度に上昇することも防止できる。
換気するための送風機を備え、少なくとも加熱調理開始直後から前記送風機を運転するようにしたことにより、調理中に送風機を運転することで庫内換気を促進できるので、庫内温度を一定に制御するためにヒータの加熱量を減少させてヒータ表面温度が低下することを避け、ヒータ表面温度を高温に維持できるのでヒータからの輻射熱を高く保ち調理時間を短くすることができる。また、ヒータの温度を直接制御してヒータからの輻射熱を制御することができるので、安定して高い調理性能を発揮でき、庫内温度が過度に上昇することも防止できる。
第4の発明は、特に第3の発明において、加熱室内を換気する送風機を通過した空気を加熱室外へ排気する排気通路と、前記空気に含まれる臭気成分を除去する臭気除去手段とを備えたことにより、調理中の臭気や油煙を含んだ庫内の空気を、臭気成分を除去して加熱室外へ排気することができるので、加熱調理器からの臭気を気にすることなく調理中の庫内換気を促進でき、庫内温度一定化制御におけるヒータ表面温度の低下を避けてヒータ表面温度を高温に維持できるので、臭気成分除去に効果的に作用するとともに、ヒータからの輻射熱を高く保ち調理時間を短くすることができる。また、ヒータの温度を直接制御してヒータからの輻射熱を制御することができるので、安定して高い調理性能を発揮でき、庫内温度が過度に上昇することも防止できる。
第5の発明は、特に第1〜第4のいずれか1つの発明のヒータをシーズヒータにし、制御手段は、一定の所定時間内で連続した電源供給時間を設定し残り時間を電源遮断時間とする、所定時間での通電率を変化させることで加熱量を制御するようにしたことにより、数秒から数十秒までの時間内の通電率を変化させて加熱量を制御し温度制御できるので、庫内温度を設定温度としてこの設定温度を超えると電源遮断、設定温度を下回ると電源供給という二者択一の制御方法のように数十秒から2〜3分の間隔でヒータへの電源遮断と電源供給を繰り返すことなく、短時間の通電率変化でヒータ自身の温度変動幅を小さく抑えることができ、その結果ヒータからの輻射熱の変動を小さくすることで、安定した高い調理性能を発揮させることができる。
第6の発明は、特に第1〜第4のいずれか1つの発明のヒータをシーズヒータにし、制御手段は、前記シーズヒータへの供給電源の交流正弦波の一部を切り欠いて通電率を変化させることで加熱量を制御するようにしたことにより、供給交流電源の一波長内で通電率を変化させて加熱量を制御し温度制御できるので、ヒータ自身の温度変動幅を小さく抑えることができ、その結果ヒータからの輻射熱の変動を小さくすることで、安定した高い調理性能を発揮させることができる。
第7の発明は、特に第1〜第6のいずれか1つの発明のヒータ温度検出手段を熱電対にしたことにより、発熱部の温度を直接測定するような高温での使用においても耐久性と繰り返し信頼性に優れ、確実にヒータの温度を直接検出することができるため、ヒータの温度制御を正確かつ安定して行うことができる。よって、調理性能が向上し、ヒータからの輻射熱を制御して安定して高い調理性能を発揮でき、輻射熱を高めて調理時間を短くすることもできる。
第8の発明は、特に第1〜第6のいずれか1つの発明のヒータ温度検出手段を赤外線等の波長を検出する赤外線検出器にしたことにより、赤外線検出器によってヒータの表面温度を非接触で検出可能となり、確実にヒータの温度を検出することができるため、ヒータの温度制御を正確かつ安定して行うことができる。よって、調理性能が向上し、ヒータからの輻射熱を制御して安定して高い調理性能を発揮でき、輻射熱を高めて調理時間を短くすることもできる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の
形態によって本発明が限定されるものではない。
形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態を図1から図4を参照して説明する。
本発明の第1の実施の形態を図1から図4を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の側面から見た断面図を示したものである。
図1において、加熱室1内に上ヒータ2と下ヒータ3が設けられ、網4の上に載せられた食品5を上ヒータ2と下ヒータ3とで挟むように加熱する。加熱室1の後方にはマイクロ波(高周波電波)を発生するマグネトロン6が設けられ、マイクロ波と上下のヒータの輻射熱や対流熱の少なくともいずれかを供給して、食品を加熱処理することができるようになっている。
上ヒータ2には、その表面に接触するように上ヒータ熱電対7(上ヒータ温度検出手段)が設けられ、マグネトロン6からのマイクロ波の影響を受けないように金属管で覆われて、上ヒータ2のヒータ温度検出手段を構成している。また、下ヒータ3の表面には、下ヒータ熱電対8が同様に設けられて、下ヒータ温度検出手段となっている。加熱室1の壁面には、庫内温度検出手段であるサーミスタ9が固定されており、上ヒータ熱電対7と下ヒータ熱電対8とサーミスタ9は制御手段10に電気的に接続され、それぞれの出力に基づき、上ヒータ2と下ヒータ3への通電を制御して加熱量を加減制御できるようになっている。
マグネトロン6より発生したマイクロ波を受ける位置には、電波撹拌手段としての回転アンテナ11が設けられている。そして、マグネトロン6からのマイクロ波を回転アンテナ11に照射することにより、この回転アンテナ11によって、マイクロ波を加熱室1内に撹拌しながら供給するようになっている。なお、マグネトロン6や回転アンテナ11は、加熱室1の後方と上面に設けているが、これに限らず加熱室1底部や側面側に設けることもできる。
加熱室1内の側壁の上部に設けられた排気口12は、加熱室1内の空気を換気するため送風機13を介して外部と連通する排気通路14とつながっている。そして送風機13上流の排気通路14内には臭気除去手段である触媒15が配置され、加熱室1内の空気は上ヒータ2の近傍を通るときに加熱された後に、触媒15の作用でそこに含まれる臭気成分を分解・除去した後、加熱調理器外に排出できるようになっている。
以上のように構成された加熱調理器の基本動作について、以下その動作・作用を説明する。図2、図3は、加熱調理を行うときの使用者と制御手段10の動作を示すフローチャートである。以下、図2、図3を参照しながら、使用者が本発明の加熱調理器を用いて食品の加熱調理を行うときの制御手段10の動作について説明する。
まず、使用者は入力操作部(図示せず)を操作して、予熱の有無を選択する(ステップS101)。予熱ありの加熱調理が使用者によって選択されると、制御手段10は予熱運転を開始させ(S102)、上ヒータ2と下ヒータ3の加熱量制御を後述のヒータ制御サブルーチンに従って行い(S103)、サーミスタ9の出力から庫内温度が所定の庫内設定温度(例えば使用者が設定した予熱280℃)に到達した場合に、予熱完了と判定して報知する(S104)。
このときのヒータ制御(S103)は図3に示すように、まずヒータ温度検出手段である上ヒータ熱電対7と下ヒータ熱電対8のそれぞれの出力から、ヒータ温度thを検出し
(S301)、ヒータ温度thがあらかじめ記憶していた所定の設定温度th0(例えば600℃)になっているか比較する(S302)。
(S301)、ヒータ温度thがあらかじめ記憶していた所定の設定温度th0(例えば600℃)になっているか比較する(S302)。
ステップS302において、ヒータ温度thが設定温度th0(600℃)より低い場合は、上ヒータ2と下ヒータ3への通電率をそれぞれ加減することで加熱量を加減制御し(S303)、次にサーミスタ9の出力から庫内温度tcを検出する(S304)。
このステップS303における加熱量加減の制御は、設定温度600℃よりもthが低い場合は加熱量を増加させ、thが設定温度より高い場合は加熱量を減少させる、すなわち、ヒータ温度thと目標温度である設定温度th0の偏差を元にした比例制御(P制御)を基本として、偏差を元にした公知のPID制御などを用いて、ヒータ加熱量のフィードバック制御が行われる。
ここでの制御定数である比例ゲインや積分係数や微分係数は、制御の応答性と安定性を両立するための最適な値を予め設定しておく必要がある。なお、フィードバック制御は、PI制御でもP制御でもファジーやニューロ制御でもよい。
ヒータ温度thが設定温度th0(600℃)と等しい場合は、そのまま次のステップに移行してサーミスタ9の出力から庫内温度tcを検出する(S304)。また、ヒータ温度thが設定温度th0(600℃)より高い場合は、上ヒータ2と下ヒータ3への通電率を減少させて加熱量を減少制御することでヒータ設定温度を超えないようにし(S305)、制御手段10は再び上ヒータ熱電対7と下ヒータ熱電対8のそれぞれの出力からヒータ温度thを検出するステップS301に戻る。
ステップS304において庫内温度tcを検出した後、庫内温度tcが所定の設定温度tc0(例えば使用者が設定した予熱300℃)になっているか比較する(S306)。
ステップS306において、庫内温度tcが設定温度tc0(300℃)より低い場合は、上ヒータ2と下ヒータ3への通電率をそれぞれ加減することで加熱量を加減制御する(S307)。
このステップS307における加熱量加減の制御は、前述のステップS303における加熱量加減制御と同じフィードバック制御でよい。このような加熱量のフィードバック制御が行われた後、制御手段10は再びステップS304に戻って、サーミスタ9の出力から庫内温度tcを検出する。
庫内温度tcが設定温度tc0(300℃)より高い場合は、上ヒータ2と下ヒータ3への通電率を減少させて加熱量を減少制御することで庫内設定温度を超えないようにし(S308)、制御手段10は再びサーミスタ9の出力から庫内温度tcを検出するステップS304に戻る。
ステップS306において、庫内温度tcが設定温度tc0(300℃)と等しくなると、ヒータ制御のサブルーチンを抜けて、予熱完了と判定して報知するのである(S104)。
使用者が予熱完了を確認すると、被加熱物である食品5を加熱室1内の網4の上に載せ、開閉扉16を閉じる(S105)。入力操作部(図示せず)を操作して加熱方法、加熱時間、加熱温度等の諸設定を行い、スタートボタンを押下すると、制御手段10の動作によって自動的に加熱調理が開始される(S106)。
一方、ステップS101において、予熱なしの加熱調理を使用者によって選択されると、制御手段10は予熱運転を開始させずに、使用者の次の操作を待つ。そして使用者が食品5を加熱室1内に投入し、開閉扉16を閉じる(S107)。次に入力操作部を操作して加熱方法、加熱時間、加熱温度等の諸設定を行い、スタートボタンを押下すると、制御手段10の動作によって自動的に予熱なしの加熱調理が開始される(S108)。
次のステップS110においては、S103と同じヒータ制御サブルーチンに従って、制御手段10は上ヒータ2と下ヒータ3の加熱量制御を行う。このヒータ制御(S110)の加熱時間が入力時の設定時間を経過すると、ヒータ制御サブルーチンを繰り返して温度を維持する加熱調理のループを抜けて、調理終了の報知を行い(S111)、終了する。
なお、ここでは上ヒータ2と下ヒータ3のヒータ温度thとヒータ設定温度th0とを簡単のため一つの値として説明したが、上ヒータ2と下ヒータ3のそれぞれが、上ヒータ熱電対7と下ヒータ熱電対8のそれぞれの出力から別々の温度thを有するものであり、それぞれが別々の設定値th0を有してよい。
図4は、上ヒータ2と下ヒータ3への加熱量を加減するための通電率の加減制御を説明する、ヒータ入力のタイムチャートである。以下、図4を参照しながら、ヒータの加熱量を制御するときの制御手段10の動作について説明する。
図4において、横軸は時間、縦軸は上ヒータ2と下ヒータ3へのそれぞれへの入力電圧である。そして制御手段10は、図に示すように、一定の所定時間である2秒の内で、連続した電源供給時間を例えば1.5秒に設定し、残り時間0.5秒を電源遮断時間とすることにより、所定時間の2秒での通電率を75%と設定することができる。そしてこの2秒の所定時間の中で、連続した電源供給時間を0秒から2秒まで変化させることで、通電率を0〜100%に変化させることができる。このヒータ2,3への電源供給と電源遮断のON/OFFは、図示しない電磁リレーやSSRと呼ばれるような半導体リレーを、制御手段10がON/OFFさせることで可能となるものである。
上記構成により、2秒の所定時間の中で連続した電源供給時間を設定し、残り時間を電源遮断時間として、通電率を変化させることで加熱量を制御するようにしたことにより、2秒という短時間で通電率を変化させて加熱量を制御し温度制御できる。したがって、設定温度を目標温度として現在温度がこの設定温度を超えると電源遮断、そして設定温度を下回ると電源供給という二者択一の制御方法のように数十秒から2〜3分の間隔でヒータ2,3への電源遮断と電源供給を繰り返すことなく、数十秒以下、ここでの例では2秒という短時間の通電率変化を行うことにより、ヒータ2,3自身の温度変動幅を小さく抑えることができ、その結果ヒータ2,3からの輻射熱の変動を小さくすることで、安定した高い調理性能を発揮させることができる。
また、食品5を加熱する加熱室1と、加熱調理するための上ヒータ2と下ヒータ3と、上ヒータ熱電対7と下ヒータ熱電対8と、加熱室1内の温度を検出するサーミスタ9と、上ヒータ2および下ヒータ3の加熱量を制御する制御手段10とを備え、所定のヒータ設定温度th0と所定の庫内設定温度tc0の両者どちらも超えないように、上ヒータ熱電対7の出力と下ヒータ熱電対8の出力とサーミスタ9の出力とに基づきヒータ加熱量を制御するので、ヒータ2,3の温度thを直接検出することができるため、ヒータ2,3の温度制御を正確かつ安定して行うことができる。よって、肉調理やトーストなどの焼き調理において、理想に近い焼き方とされる一定温度による均一な焼調理ができる。そして、ヒータ2,3の温度thを直接制御して、ヒータ2,3からの輻射熱を制御することができるので、安定して高い調理性能を発揮でき、輻射熱を高めて調理時間を短くすることも
できる。また、ヒータ温度が過度に上昇することを防止できるので、ヒータ2,3を高寿命化できる。
できる。また、ヒータ温度が過度に上昇することを防止できるので、ヒータ2,3を高寿命化できる。
また、上ヒータ2と下ヒータ3を加熱室1内の上部と下部のそれぞれに食品5を挟むように対向して設け、上ヒータ2と下ヒータ3の各々に、上ヒータ熱電対7と下ヒータ熱電対8とを備えて、上ヒータ2と下ヒータ3の各々のヒータ加熱量を制御手段10によって制御するようにしたことにより、食品の厚みによって食品5と上ヒータ2との距離が変化しても、上ヒータ2と下ヒータ3の各々のヒータ温度を直接検出することができるため、各々のヒータ2,3の温度制御を正確かつ安定して行うことができ、安定した庫内温度の条件でヒータ温度を直接制御する加熱調理が可能となり、上ヒータ2と下ヒータ3の各々からの輻射熱を制御して安定して高い調理性能を発揮でき、輻射熱を高めて調理時間を短くすることもできる。
また、上記構成により加熱室内の空気を換気するための送風機13を備え、少なくとも加熱調理開始直後から送風機13を運転するようにしたことにより、調理中に送風機13を運転することで庫内換気を促進できるので、庫内温度tcを一定に制御するためにヒータ2,3の加熱量を減少させてヒータ表面温度が低下することを避け、ヒータ表面温度を高温に維持できるのでヒータ2,3からの輻射熱を高く保ち調理時間を短くすることができる。また、ヒータ温度を直接制御してヒータからの輻射熱を制御することができるので、安定して高い調理性能を発揮でき、庫内温度が過度に上昇することも防止できる。
また、加熱室1内を換気するために、送風機13を通過した空気を加熱室1外へ排気する排気通路14と、この排気空気に含まれる臭気成分を除去する触媒15とを備えたことにより、調理中の臭気や油煙を含んだ加熱室1内の空気を、臭気成分を分解・除去して加熱室1外へ排気することができるので、加熱調理器からの臭気を気にすることなく調理中の庫内換気を促進でき、庫内温度一定化制御におけるヒータ表面温度の低下を避けてヒータ表面温度を高温に維持できる。
これにより、加熱室1内の空気は上ヒータ2の近傍を通るときに加熱されて触媒15の臭気成分除去に効果的に作用するとともに、ヒータからの輻射熱を高く保ち調理時間を短くすることができる。また、ヒータの温度を直接制御してヒータからの輻射熱を制御することができるので、安定して高い調理性能を発揮でき、庫内温度が過度に上昇することも防止できる。
また、上ヒータ2および下ヒータ3の温度検出手段をそれぞれ、上ヒータ熱電対7と下ヒータ熱電対8とで構成したことにより、発熱部の温度を直接測定するような高温での使用においても耐久性と繰り返し信頼性に優れ、確実にヒータ2,3の温度を直接検出することができるため、ヒータ2,3の温度制御を正確かつ安定して行うことができる。よって、調理性能が向上し、ヒータ2,3からの輻射熱を制御して安定して高い調理性能を発揮でき、輻射熱を高めて調理時間を短くすることもできる。
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態を図5および図6を参照して説明する。なお、以下の説明では、上述した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本発明の第2の実施の形態を図5および図6を参照して説明する。なお、以下の説明では、上述した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5は本発明の実施の形態2における加熱調理器の側面から見た断面図を示したもので、図6は本発明の同実施の形態における上ヒータ2と下ヒータ3への加熱量を加減するための通電率の加減制御を説明するヒータ入力のタイムチャートである。
本実施の形態が第1の実施の形態と相違する点は、図5、図6に示すように、上ヒータ
2および下ヒータ3の温度を検出するヒータ温度検出手段として赤外線等の波長域の光を検出する赤外線検出器であるIRセンサ21が設けられたことと、制御手段10が上ヒータ2および下ヒータ3への供給電源の交流正弦波の一部を切り欠いて通電率を変化させることで、加熱量を制御するようにしたことにある。
2および下ヒータ3の温度を検出するヒータ温度検出手段として赤外線等の波長域の光を検出する赤外線検出器であるIRセンサ21が設けられたことと、制御手段10が上ヒータ2および下ヒータ3への供給電源の交流正弦波の一部を切り欠いて通電率を変化させることで、加熱量を制御するようにしたことにある。
IRセンサ21は、加熱室1の壁面に揺動自在に配置されている。そして、複数箇所(例えば8箇所)の温度を同時に測定可能で、IRセンサ21を揺動させるスキャン動作により、加熱室1の壁面に設けた検出用孔を通じて、加熱室1内の複数の測定点の温度を測定することができるとともに、上ヒータ2および下ヒータ3のそれぞれの表面温度を測定できるようになっている。
そして、制御手段10はIRセンサ21の出力に基づき、所定のヒータ設定温度を超えないようにヒータ加熱量を制御する際に、図6の横軸は時間、縦軸は上ヒータ2と下ヒータ3へのそれぞれへの入力電圧のタイムチャートに示すように、ヒータ2,3への供給電源の交流正弦波の一部を切り欠いて通電率を変化させることで加熱量を制御する。
このように、供給交流電源の一波長内で通電率を変化させて加熱量を制御し温度制御できるので、ヒータ2,3自身の温度変動幅を小さく抑えることができ、その結果ヒータ2,3からの輻射熱の変動を小さくすることで、安定した高い調理性能を発揮させることができる。
また、上記構成により、ヒータ温度検出手段を赤外線等の波長を検出するIRセンサ21にしたことにより、赤外線検出器によってヒータ2,3の表面温度を非接触で検出可能となり、確実にヒータ温度を検出することができるため、ヒータ2,3の温度制御を正確かつ安定して行うことができる。よって、調理性能が向上し、ヒータ2,3からの輻射熱を制御して安定して高い調理性能を発揮でき、輻射熱を高めて調理時間を短くすることもできる。さらに食品5自身の表面温度も検出できることから、出来上がり温度を検出することが可能な優れた加熱調理器を提供できる。
以上のように本発明によれば、被加熱体を輻射熱を高めて短時間で加熱することができるので、オーブンやグリル機能を使用する調理器具としてのオーブン電子レンジ、電気オーブン、業務用の各種オーブン加熱、解凍装置であるとか、乾燥装置などの工業分野での加熱装置、陶芸加熱、焼結あるいは生体化学反応等の用途に適用できる。
1 加熱室
2 上ヒータ
3 下ヒータ
5 食品
7 上ヒータ熱電対(上ヒータ温度検出手段)
8 下ヒータ熱電対(下ヒータ温度検出手段)
9 サーミスタ(庫内温度検出手段)
10 制御手段
13 送風機
14 排気通路
15 触媒(臭気除去手段)
21 IRセンサ(赤外線検出器)
2 上ヒータ
3 下ヒータ
5 食品
7 上ヒータ熱電対(上ヒータ温度検出手段)
8 下ヒータ熱電対(下ヒータ温度検出手段)
9 サーミスタ(庫内温度検出手段)
10 制御手段
13 送風機
14 排気通路
15 触媒(臭気除去手段)
21 IRセンサ(赤外線検出器)
Claims (8)
- ヒータを設け食品を加熱調理する加熱室と、前記ヒータの温度を検出するヒータ温度検出手段と、前記加熱室内の温度を検出する庫内温度検出手段と、前記ヒータの加熱量を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記ヒータ温度検出手段の出力と前記庫内温度検出手段の出力とに基づき、所定のヒータ設定温度と所定の庫内設定温度のどちらも超えないようにヒータ加熱量を制御する加熱調理器。
- 加熱室内上部、下部にそれぞれ上ヒータと下ヒータとを設け、前記上ヒータ、前記下ヒータのそれぞれに上ヒータ温度検出手段、下ヒータ温度検出手段を備えて、制御手段は、前記上、下ヒータ温度検出手段の出力に基づき、前記上ヒータと前記下ヒータの各々のヒータ加熱量を制御する請求項1記載の加熱調理器。
- 加熱室内の空気を換気するための送風機を備え、制御手段は、少なくとも加熱調理開始直後から前記送風機を運転する請求項1また2記載の加熱調理器。
- 加熱室内を換気する送風機を通過した空気を加熱室外へ排気する排気通路と、前記空気に含まれる臭気成分を除去する臭気除去手段とを備えた請求項3記載の加熱調理器。
- ヒータはシーズヒータであり、制御手段は、前記シーズヒータへ連続して電源供給する電源供給時間が所定時間に対する割合である通電率を変化させるものであり、前記通電率を変化させることでヒータ加熱量を制御する請求項1〜4のいずれか1項記載の加熱調理器。
- ヒータはシーズヒータであり、制御手段は、前記シーズヒータへの供給電源の交流正弦波の一部を切り欠いて通電率を変化させることでヒータ加熱量を制御する請求項5記載の加熱調理器。
- ヒータ温度検出手段は熱電対である請求項1〜6のいずれか1項記載の加熱調理器。
- ヒータ温度検出手段は赤外線領域の光を受光して電気信号に変換し信号出力する赤外線検出器である請求項1〜6のいずれか1項記載の加熱調理器。
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-
2008
- 2008-11-10 JP JP2008287336A patent/JP2010112664A/ja active Pending
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