JP7489588B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、食品を加熱する加熱調理器に関するものである。
従来から、庫内を撮影する撮影部を有する加熱調理器がある。例えば、特許文献1には、加熱庫の天井部に撮影部を有する加熱調理器が開示されている。その加熱調理器は、被加熱物を適切に撮影するために加熱庫内の底壁に被加熱物を載置する位置を示すガイドマーク部を備えている。
特開2017-15383号公報
しかしながら、例えばガイドマーク部を加熱庫内の底壁部に設けて被加熱物をカメラで撮影する場合に、そのガイドマーク部が加熱庫内の底壁部のより後方に位置する場合には、使用者が被加熱物を奥の方まで入れないといけない、かつ、そのガイドマーク部が加熱庫内の奥の方にあるほど使用者には見にくいという課題があった。
本発明は、極力、使用者が被加熱物を載置しやすい、かつ使用者に見やすい位置である、加熱庫内のより前方にガイドマーク部を設けて、カメラで被加熱物を撮影する加熱調理器を提供することを目的とする。
本発明における加熱調理器は、前面開口を有する加熱庫と、前記前面開口を開閉する扉と、前記加熱庫内に収納される被加熱物を加熱する加熱部と、前記加熱庫の上壁に配置されているカメラと、前記加熱庫の底壁に被加熱物を載置する位置を示すガイドマーク部を有し、前記カメラは、前記加熱庫の上壁において、上面視における前記加熱庫の略中央よりも前側に配置され、前記カメラの光軸が鉛直方向に対して前記加熱庫の後方に向けて傾斜している
さらに、上面視における前記ガイドマーク部の略中央は、前記カメラの光軸と前記加熱庫の底壁との交点より前方に位置し、かつ前記加熱庫の底壁略中央より前方に位置する。
本発明は、使用者が被加熱物を載置しやすい、かつ使用者に見やすい位置である、加熱庫内のできるだけ前方にガイドマーク部を設けて、カメラで被加熱物を撮影することができる。これにより、使用者が被加熱物を正しく容易にガイドマーク部に載置することができる。
本開示の一態様に係る加熱調理器の斜視図 本開示の一態様に係る扉を開いた状態における加熱調理器の斜視図 本開示の一態様に係る扉を取り外した加熱調理器の正面図 本開示の一態様に係る筐体の一部を取り除いた加熱調理器の斜視図 本開示の一態様に係る筐体の一部を取り除いた加熱調理器の上面図 本開示の一態様に係る側面断面図 本開示の一態様に係る側面断面図 本開示の一態様に係る正面断面図 本開示の一態様に係る下方からの断面図 本開示の一態様に係る加熱庫内底壁の上面図 本開示の一態様に係る構成を説明する側面視における説明図 本開示の一態様に係る構成を説明する側面視における説明図 本開示の一態様に係る構成と比較するための側面視における説明図 本開示の一態様に係る構成を比較するための側面視における説明図
本開示の一態様によれば、加熱調理器は、前面開口を有する加熱庫と、前記加熱庫内に収納される被加熱物を加熱する加熱部と、前記加熱庫の上壁に配置されているカメラと、前記加熱庫の底壁に被加熱物を載置する位置を示すガイドマーク部を有し、上面視における前記ガイドマーク部の略中央は、前記加熱庫の底壁略中央より前方に位置する。これにより、使用者が被加熱物を載置しやすい、かつ使用者に見やすい位置である、加熱庫内のできるだけ前方にガイドマーク部を設けて、カメラで被加熱物を撮影することができ、使用者が被加熱物を正しく容易にガイドマーク部に載置することができる。また、被加熱物の高さが高い場合や、被加熱物が幅方向に広い場合であっても、カメラの視野範囲として捉えることができ、カメラで読み取れなくなる可能性を極力減らすことができる。
また上記において、前記カメラは、前記加熱庫の上壁において、上面視における前記加熱庫の略中央よりも前側に配置されている。これにより、使用者が被加熱物を載置しやすい、かつ使用者に見やすい位置である、加熱庫内のできるだけ前方にガイドマーク部を設けることができる。
また上記において、前記カメラの光軸は、鉛直方向に対して前記加熱庫の後方に向けて傾斜している。これにより、使用者が被加熱物を載置しやすい、かつ使用者に見やすい位置である、加熱庫内のできるだけ前方にガイドマーク部を設けることができる。また、前面から入射する外部光が、撮影に影響することを抑制できる。
また上記において、前記加熱部または/および前記加熱部からマイクロ波が放射されるアンテナは、上面視における前記加熱庫の前記カメラの配置された位置よりも後側に配置されている。これにより、加熱部やアンテナをカメラよりも後方の位置で配置する場所を確保することができ、マイクロ波からカメラへのノイズ等の悪影響を極力避けることができる。
また、本開示の他の態様によれば、加熱調理器は、前面開口を有する加熱庫と、前記加熱庫内に収納される被加熱物を加熱する加熱部と、前記加熱庫の上壁に配置されているカメラと、前記加熱庫の底壁に被加熱物を載置する位置を示すガイドマーク部を有し、上面視における前記ガイドマーク部の略中央は、前記カメラの光軸と前記加熱庫の底壁との交点より前方に位置する。これにより、使用者が被加熱物を載置しやすい、かつ使用者に見やすい位置である、加熱庫内のできるだけ前方にガイドマーク部を設けて、カメラで被加熱物を撮影することができ、使用者が被加熱物を正しく容易にガイドマーク部に載置することができる。また、被加熱物の高さが高い場合や、被加熱物が幅方向に広い場合であっても、カメラの視野範囲として捉えることができ、カメラで読み取れなくなる可能性を極力減らすことができる。
また上記において、前記カメラは、前記加熱庫の上壁において、上面視における前記加
熱庫の略中央よりも前側に配置されている。これにより、使用者が被加熱物を載置しやすい、かつ使用者に見やすい位置である、加熱庫内のできるだけ前方にガイドマーク部を設けることができる。
また上記において、前記カメラの光軸が鉛直方向に対して前記加熱庫の後方に向けて傾斜している。これにより、使用者が被加熱物を載置しやすい、かつ使用者に見やすい位置である、加熱庫内のできるだけ前方にガイドマーク部を設けることができる。また、前面から入射する外部光が、撮影に影響することを抑制できる。
また上記において、前記加熱部または/および前記加熱部からマイクロ波が放射されるアンテナは、上面視における前記加熱庫の前記カメラの配置された位置よりも後側に配置されている。これにより、加熱部やアンテナをカメラよりも後方の位置で配置する場所を確保することができ、マイクロ波からカメラへの電波やノイズ等の悪影響を極力避けることができる。
また上記において、上面視における前記ガイドマーク部の略中央は、前記加熱庫の底壁略中央より前方に位置する。これにより、使用者が被加熱物を載置しやすい、かつ使用者に見やすい位置である、加熱庫内のできるだけ前方にガイドマーク部を設けて、カメラで被加熱物を撮影することができ、使用者が被加熱物を正しく容易にガイドマーク部に載置することができる。
(実施の形態1)
[全体構成]
図1から図14に、本開示の一態様に係る加熱調理器を示す。
図1から図3に示すように、本開示の形態に係る加熱調理器1は、筐体100と、筐体100内に配置された加熱庫110と、筐体100の前面となる前枠101に設けられた前面開口102を開閉可能に覆う扉120と、を有している。
本開示の説明では、加熱調理器1の前面開口102側を前側とし、反対側の奥面側を後側とする。前側から見て、すなわち正面視において、加熱調理器1の天面側を上側とし、底面側を下側とする。
また、加熱調理器1の正面視において右方向をX方向とし、左方向を-X方向とする。加熱調理器1の後方向をY方向とし、前方向を-Y方向とする。加熱調理器1の上方向をZ方向とし、下方向を-Z方向とする。
加熱庫110は、上部に配置された上壁111aと、両側部に配置された左側壁111bと右側壁111cと、後部に配置された奥壁111dと、下部に配置された底壁111eと、を有し、その内部に空間を形成している。
扉120は、前面開口102の左側において、垂直方向の回転中心で、筐体100に開閉可能に取り付けられている。扉120は、前面の右端部にハンドル121を有している。ハンドル121が使用者により引かれることにより、扉120が回転操作されて前面開口102が開放される。また、ハンドル121が使用者により押されることにより、前面開口102が閉じられる。扉120には、加熱庫110内の状況を使用者が確認できるように、ガラス窓122が設けられている。
筐体100の前面上部、かつ、扉120の上方には、正面視において横長形状の操作部130が設けられている。操作部130は、使用者が調理内容を設定するための複数の操
作スイッチ131と、使用者に操作状況を表示するための複数の表示部132を有している。各々の操作スイッチ131は、各種の情報を選択するボタンや、加熱調理を開始させるためのスタートボタンなどである。表示部132には、加熱調理器1の運転状態や、操作スイッチ131による操作状況などが表示される。各々の操作スイッチ131および表示部は、制御部105により制御される。制御部は、例えば、CPUやマイコンやハードウェアロジックにより構成して良い。
加熱調理器1は、マイクロ波(高周波)と、輻射熱と、熱風と、蒸気のうち少なくとも1つを供給して、加熱庫110内の底部に載置された被加熱物を加熱する。そのために、加熱調理器1は、マイクロ波を発生するマグネトロン106を備えた高周波発生部(不図示)と、輻射熱で被加熱物を加熱する上ヒータユニット(不図示)と、加熱庫110内に熱風を循環させるコンベクションヒータユニット(不図示)と、加熱庫110内に蒸気を発生させる蒸気発生部(不図示)のうち少なくとも1つを加熱手段である加熱部として有している。本開示においては、後述するように、加熱部として2つのマグネトロン106を備えている。勿論、マグネトロン106は1つであってもよい。
図4から図9を用いて、撮影部150と送風部160と照明部(上照明170a、左照明170b、右照明170c)と天板部140の配置等について説明する。
図4は加熱調理器1において筐体100の上面と側面を取り除いた状態の斜視図であり、図5は筐体100の上面と側面を取り除いた状態の上面図である。
図6は図5におけるC1-C1間の断面図であり、図7は図5におけるC2-C2間の断面図であり、図8にC3-C3間の断面図であり、図9は図6におけるC4-C4の断面図である。
加熱調理器1の後部には、2個のマグネトロン106が上下に備えられている。各々のマグネトロン106は、マイクロ波を伝送する各々の導波管107に接続されている。各々の導波管107は、上面視において加熱庫110内の略中央に配置された各々の放射開口108に接続されている。
マグネトロン106により発生されたマイクロ波は、各々の導波管107と放射開口108を介して、上下方向から加熱庫110内にマイクロ波を放射する。マイクロ波を上下方向から放射することにより、被加熱物を均一に加熱することができる。
放射開口108近傍には、放射開口108から放射されるマイクロ波を撹拌し、被加熱物をより均一に加熱するため回転するアンテナであるスタラ109が設けられている。
上側のスタラ109の下方には、スタラ109の回転範囲を下方から覆うように、アンテナカバー145が設けられている。
アンテナカバー145の下方には、加熱庫110の上壁111aと平行するように、天板部140が設けられている。天板部140は、前方側かつ撮影部150の下方の位置に、天板開口141が設けられている。
加熱庫110の上方には、撮影部150と送風部160が設けられている。
加熱庫110の上方および側方には、庫内を照明するための照明部(上照明170a、左照明170b、右照明170c)が設けられている。
撮影部150は、支持フレーム151と、カメラ基板と、カメラ154と、シャッターと、駆動モータと、を有している。
撮影部150は、加熱庫110の上面の壁面凹部113を、支持フレーム151により覆うように設けられている。撮影部150は、加熱庫110の上壁111aの前方側から、加熱庫110内を臨むように取り付けられている。
カメラ基板は略矩形の平板形状であり、支持フレーム151が加熱庫110の上壁111aに設置された際に下側となる面の略前側中央に、カメラ154が取り付けられている。
カメラ154は、撮像面が略円形で形成されている。カメラ154の撮像素子としては、例えばCCDやCMOS等が用いられている。カメラ154は、制御部105からの指示に基づき、加熱庫110内を撮影する。
カメラ154の撮影方向、すなわち、光軸157方向に、撮影開口と、凹底部開口114と、壁面開口112とが、並ぶように、カメラ基板が支持フレーム151に取り付けられている。
これにより、カメラ154は、加熱庫110内を臨むことができ、加熱庫110内の画像を撮影することができる。
撮影部150は、被加熱物からの蒸気や飛散物からカメラ154を保護するために、駆動モータにより回動されるシャッターを備えている。
撮影部150が、加熱庫110の上側の壁、すなわち、天井側に設けられていることにより、撮影部150は、加熱庫110を下方に向けて見下ろす角度と位置において画像を撮影できる。これにより、被加熱物の上側の状態をより高い精度、すなわち高い解像度かつ少ない台形歪みで撮影することができる。
このように加熱庫110の上壁から撮影する構成は、被加熱物の上面に記載された文字や記号などを高い精度で認識する用途や、被加熱物の食材の種類の認識や、加熱物の形状や大きさの認識や、被加熱物の加熱状態の認識などの用途において、特に有効である。
本開示における加熱調理器1により、コンビニエンスストアなどの業務用や家庭用の用途において、使用者の利便性を高めることができる。
また、撮影部150は、加熱庫110の上壁111aの前方側に設けられている。さらに、撮影方向を加熱庫110の底壁111eの略中央方向に向かうように、カメラ154の撮影面を水平面に対して傾斜するように設けられている。すなわち、撮影部150は、カメラ154の撮影方向である光軸157を、加熱庫110の鉛直方向よりも後方側に向かうように傾斜して設けられている。これにより、加熱部の一例であるマイクロ波を放射する放射開口108などが配置されている上面視における略中央付近を避けて、撮影部150を狭い空間に配置できる。また、中央付近を避けながら、加熱庫110内の中央方向を高精度に撮影できる。
また、撮影部150が、撮影方向を鉛直方向よりも後方側に向けて傾斜して設けられていることにより、扉120のガラス窓122から入射する外部光が、撮影に影響することを抑制できる。すなわち、ガラス窓122から入射する外部光が、高い輝度にて直接または間接的にカメラ154が撮影する画像に写り込んでしまい、撮影精度を低下させること
を避けることができる。
送風部160は、ファンケースと、ファンと、排気口と、を有している。
ファンケースの内部には、ファンが設けられている。ファンケースは、送風用の排気口を有している。ファンは、DCモータにより駆動され、撮影部150に向かう気流を発生させる。ファンは、制御部105からの指示に基づいて駆動される。
加熱庫110の上方および側方には、庫内を照明するための照明部が設けられている。
照明部は、上照明170aおよび左照明170bおよび右照明170cを有している。
また照明部の光源としてLEDを用いることにより、高い信頼性において、より多くの光量を、加熱庫110内へ供給することができる。
[要部構成]
図10から図12を用いて、底壁111eとカメラ154とその周辺について詳細に説明する。
図10は、加熱庫110内の底壁111eの上面図である。
底壁111eには被加熱物200を載置する位置を示すガイドマーク部182が付されている。ガイドマーク部182により被加熱物を使用者が載置する位置をガイドまたは想起させるようなマーキングをしている。本態様では4つのカッコ型のガイドマーク部182を付し、その中央付近にガイドマーク部の中心点181を付している。ガイドマーク部182で囲まれたガイド領域180内に使用者が被加熱物200を載置するようにガイドする構成となっている。
図10における7本の破線について説明する。破線Tは底壁の左方向(X方向)のガイド領域180の範囲を示す、破線Vは底壁の右方向(-X方向)のガイド領域180の範囲を示す、破線Uはガイドマーク部の中心点181上かつY方向に横切る線を示す。本態様では、破線Uは加熱庫110内の底壁111eを左右方向(Y~-Y方向)に2等分する線でもある。
破線Rは底壁111eの後方向(Y方向)のガイド領域180の範囲を示す、破線Pは底壁111eの前方向(-Y方向)のガイド領域180の範囲を示す、破線Qはガイドマーク部の中心点181上かつX方向に横切る線を示す、破線Sは加熱庫110内の底壁111eを前後方向(Y~-Y方向)に2等分する線を示す。したがって、破線Qは破線Sよりも前側(-Y方向側)であり、ガイドマーク部の中心点181は、加熱庫110内の底壁111eを前後方向(Y~-Y方向)に2等分する破線Sより前側に付されている。
図11は、撮影部150に係る撮影方向の関係を説明する側方からの模式図である。
前記したとおり、撮影部150は、加熱庫110の上壁111aの前方側に設けられている。さらに、撮影方向を加熱庫110の底壁111eの略中央方向に向かうように、カメラ154の撮影面を水平面に対して傾斜するように設けられている。すなわち、撮影部150は、カメラ154の撮影方向である光軸157を、加熱庫110の鉛直方向よりも後方側に向かうように傾斜して設けられている。
底壁111eの幅(Y方向)は約310mm程度、底壁111eから天板部140までの高さは約180mm程度としているが、それに限定されるものではない。
図11において図10と同様に、破線Rは底壁111eの後方向(Y方向)のガイド領域180の範囲を示す、破線Pは底壁111eの前方向(-Y方向)のガイド領域180の範囲を示す、破線Qはガイドマーク部の中心点181上かつX方向に横切る線を示す、破線Sは加熱庫110内の底壁111eを前後方向(Y~-Y方向)に2等分する線を示す。したがって、破線Qは破線Sよりも前側(-Y側)であり、ガイドマーク部の中心点181は、加熱庫110内の底壁111eを前後方向(Y~-Y方向)に2等分する破線Sより前側に付されている。
カメラ154は、加熱庫110の上壁111aに設置される際に略前側中央に取り付けられているが、図10における破線Uの上方位置かつ破線Sより前方(-Y方向)である上壁111aに取り付けられていることが望ましい。
また、カメラ154の撮影方向である光軸157と底壁111eとの交点をTとしている。破線Qはこの交点Tよりよりも前側(-Y側)であり、ガイドマーク部の中心点181は、この交点Tよりも前側(-Y側)に位置する。
撮影部150が、加熱庫110の上側の壁、すなわち、天井側に設けられていることにより、撮影部150は、加熱庫110を下方に向けて見下ろす角度と位置において画像を撮影できる。これにより、被加熱物の上側の状態をより高い精度、すなわち高い解像度かつ少ない台形歪みで撮影することができる。
使用者は、ガイドマーク部182やガイドマーク部の中心点181を目印に被加熱物200を加熱庫110内の底壁111eに載置する。
これにより、使用者が被加熱物200を載置しやすい、かつ使用者に斜め上方からみて死角になりにくい見やすい位置である、加熱庫110内のできるだけ前方にガイドマーク部182を設けて、カメラ154で被加熱物200を撮影することができ、使用者が被加熱物200を正しく容易にガイドマーク部182に載置することができる。
このように加熱庫110の上壁から撮影する構成は、被加熱物200の上面に記載された文字や記号などを高い精度で認識する用途で特に有効である。
また、マグネトロン106やスタラ109は、上面視における加熱庫110のカメラ154の配置された位置よりも後側(Y方向側)に配置されているのが望ましい。
これにより、マグネトロン106やスタラ109をカメラ154よりも後方の位置で配置する場所を確保することができ、マイクロ波からカメラ154への電波やノイズ等の悪影響を極力避けることができる。
図12は、撮影部150に係る視野角の関係を説明する側方からの模式図である。
図12に示すように、撮影部150は、光軸157を、加熱庫110の鉛直方向よりも後方側に向かうように傾斜して設けられている。
撮影部150は、上壁111aに設けられている壁面開口112を介し、さらに、天板部140に設けられている天板開口141を介して、加熱庫110内に臨んでいる。
図12に示すように、視野範囲158は、撮影部150が撮影する範囲を示している。その他の構成は図11と同様である。
また、光軸157と直交する線Nが、カメラ154が加熱庫110内に臨んでいる面と同一面となるが、光軸157と直交する線Nと上壁111aとの角度は、鋭角側で68度度程度、鈍角側で112度程度としている。また、視野範囲158における前後方向の視野角は、光軸を中心に60度程度としている。
またカメラ154は前面開口102の端部から42mm程度後方に設けている。なお、底壁111eから天板部140までの高さは180mm程度、前面開口102から奥壁111dまでの距離は310mm程度、底壁111eからカメラ154までの高さは240mm程度としているが、これに限らない。
カメラ154の撮影方向である光軸157と底壁111eとの交点をTとしている。破線Qはこの交点Tよりよりも前側(-Y側)であり、ガイドマーク部の中心点181は、この交点Tよりも前側(-Y側)に位置するので、撮影部150は加熱庫110内の広い範囲を撮影することができる。また、撮影部150は加熱庫110内に載置された、より背の高い被加熱物200をも撮影できる。
天板部140に天板開口141が設けられていることにより、撮影部150は加熱庫110内に載置された被加熱物200を撮影することができる。
天板開口141の前方側の端部の位置は、撮影部150のカメラ154の位置を基点とし天板開口141の前方側の端部を通る直線が、加熱庫110の底壁111eの面と交わるように形成されている。
すなわち、カメラ154の視野範囲158の前端が、前面開口102と交わらないように形成されている。
図11および図12に示すように、上面視において、天板開口141の前後方向の中心は、撮影部150の中心よりも後側に設けられている。
これにより、撮影部150が加熱庫110の後方にむけて傾斜して配置されている構成においても、前面開口102からの外光の入射を抑制しながら、視野範囲158を広くできる。
すなわち、撮影部150は、加熱庫110内の広い範囲に載置される被加熱物200を撮影することができる。
しかしながら、天板部140に天板開口141が設けられることにより、加熱調理器1の使用者が加熱庫110内の上部に配置されたスタラ109に触れる可能性が生じる。
本開示においては、スタラ109を下方から覆うアンテナカバー145が設けられている。図11、図12に示すように、上下方向の透過的な視点において、天板開口141と、撮影部150の撮影面と、アンテナカバー145の一部は、重なるように配置されている。
これにより、加熱調理器1の使用者が、スタラ109に触れることを防ぐことができる。
しかしながら、加熱庫110の上壁111aの下方に、スタラ109を覆うようにアンテナカバー145を設けると、同じく加熱庫110の上壁111aに設けられた撮影部1
50の視野範囲158を狭めてしまう。
本開示においては、図11、図12に示すように、アンテナカバー145の前側、すなわち、撮影部150側には、斜面145aが設けられている。
斜面145aは、視野範囲158の後側角度に沿うように、アンテナカバー145の前側に設けられている。
これにより、アンテナカバー145に邪魔されることなく、カメラ154の視野範囲158の後端は、撮影部150のカメラ154の位置を基点とし天板開口141の後方側の端部を通る直線とすることができる。
つまり、天板開口141の後方側の端部の位置は、撮影部150のカメラ154の位置を基点とし天板開口141の後方側の端部を通る直線が、加熱庫110の奥壁111dの面と交わるように形成されている。
これにより、撮影部150は加熱庫110内の広い範囲を撮影することができる。また、撮影部150は加熱庫110内に載置された、より背の高い被加熱物200をも撮影できる。
このように、本開示においては、外光からの入射を抑制しながら、加熱庫110内の広い範囲を撮影することができる。これにより、様々な高さの被加熱物200を、撮影することができる。また、加熱庫110の底面における様々な位置に載置される被加熱物200を、撮影することができる。
加熱庫110の上壁111aの上面視における略中央には、マイクロ波を撹拌するための回転アンテナであるスタラ109が設けられている。
スタラ109は、加熱庫110のマイクロ波を撹拌するために、上壁111aよりも下方、すなわち、加熱庫110内に設けられている。
さらに、スタラ109の回転範囲を下方から覆うように、上壁111aの加熱庫110側の面に、アンテナカバー145が設けられている。アンテナカバー145は、撮影部150よりも下方、かつ、天板部140よりも上方に設けられている。
アンテナカバー145は、ポリプロピレン素材により形成されている。
これにより、高温となる加熱庫110の壁面に接するように配置可能であり、また、加熱庫110内に放射されるマイクロ波を透過することができる。
アンテナカバー145は、下方にむけてテーパー状となる有底の碗状をしており、上部は開口している。アンテナカバー145は、上部の開口の端部を上壁111aに接するように取りつけられている。
アンテナカバー145の前方側には、加熱庫110の鉛直方向に対して傾斜している、斜面145aが設けられている。
斜面145aは、下方側が、加熱庫110の後側に向けて傾斜している。
図11および図12に示すように、上壁111aの下方には、上壁111aとの間に隙間を設け、かつ、上壁111aと平行するように、略平板状の天板部140が設けられて
いる。
また、天板部140は、アンテナカバー145の下方に設けられている。
天板部140は、主面である平板と、その周縁により形成されている。天板部140の主面である平板は、ガラスクロスおよびシリコンによる積層板により形成されている。これにより、光を柔らかく拡散して透過させるとともに、マイクロ波をも透過することができる。天板部140の平板の周縁部は、ポリプロピレン素材で形成されている。これにより、高温となる加熱庫110の壁面に接するように配置可能であり、また、加熱庫110内に放射されるマイクロ波を透過することができる。
従って、天板部140は、加熱庫110内に放射されるマイクロ波を透過する。
なお、天板部140は、加熱庫110内における気流をガイドする風路の一部としても構成されている。
天板部140は、平板部が半透明、かつ、面方向に導光性を有する素材で形成されているため、輝度の高い光を拡散させ、柔らかく面照明を行うことができる。
天板部140の前側には、開口として天板開口141が設けられている。
天板部140に天板開口141が設けられているため、加熱庫110の上壁111aに配置されている撮影部150は、加熱庫110内を撮影できる。
しかしながら、加熱庫110内を撮影するために天板部140に天板開口141を設ける場合、加熱調理器1の使用者が、天板開口141を介して上壁111aに配置されたスタラ109に触れる可能性が生じる。
これを防ぐために、スタラ109と天板部140の間に、アンテナカバー145が設けられている。
図11に示すように、上面視における天板開口141の開口内には、アンテナカバー145が位置している。
このようにアンテナカバー145が配置されていることにより、加熱調理器1の使用者が、スタラ109に触れることを防ぐことができる。
(比較例)
図13は、本開示の一態様に係る構成と比較するための側面視における説明図である。
図13において、破線Rは底壁111eの後方向(Y方向)のガイド領域180の範囲を示す、破線Pは底壁111eの前方向(-Y方向)のガイド領域180の範囲を示す、破線Qはガイドマーク部の中心点181上かつX方向に横切る線を示す、破線Sは加熱庫110内の底壁111eを前後方向(Y~-Y方向)に2等分する線を示す。したがって、破線Qは破線Sよりも後側(-Y側)であり、ガイドマーク部の中心点181は、加熱庫110内の底壁111eを前後方向(Y~-Y方向)に2等分する破線Sより後側に付されている。
このような場合だと、被加熱物200の高さがかなり高い場合に、視野範囲158に入らない部分190ができてしまい。そこに読み取るべき文字などがある場合にはカメラで読み取ることが困難となる。
図14は、本開示の一態様に係る構成と比較するための側面視における説明図である。
図14において、破線Rは底壁111eの後方向(Y方向)のガイド領域180の範囲を示す、破線Pは底壁111eの前方向(-Y方向)のガイド領域180の範囲を示す、破線Qはガイドマーク部の中心点181上かつX方向に横切る線を示す、破線Sは加熱庫110内の底壁111eを前後方向(Y~-Y方向)に2等分する線を示す。したがって、破線Qは破線Sよりも後側(-Y側)であり、ガイドマーク部の中心点181は、加熱庫110内の底壁111eを前後方向(Y~-Y方向)に2等分する破線Sより後側に付されている。
このような場合だと、被加熱物200の広さがかなり広い場合(この場合は前後方向に広い場合)に、視野範囲158には入るものの、カメラ154との距離が遠いために、台形歪みで撮影すると読み取りにくい部分190ができてしまい、そこに読み取るべき文字などがある場合にはカメラで読み取ることが困難となる場合がある。
これらの比較例に対して、本発明は読み取り困難となる場合を極力減らす効果を有する。
なお、ガイドマーク部182を多少外れて被加熱物200を載置したとしても、カメラ154の視野範囲に入るようであれば対象物を認識することはできる。ただし、視野範囲158の光軸により近くて、カメラとの距離が一定程度近いほど認識精度が高く、視野範囲158の光軸により遠く(視野範囲158の端部に近づく)、カメラとの距離が一定距離より遠くなるほど認識精度が低くなる。すなわち、被加熱物200の上面に付記・記載された文字や記号などを高い精度で認識する場合などでは、視野範囲の端部に近づくほど認識精度が多少低下することとなる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、上記実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
上記実施の形態においては、シャッターにより撮影部150を、被加熱物からの蒸気や飛散物から保護する構成とした。しかしながら、ガラス板など撮影部150の撮影方向側に設けることにより、撮影部150を被加熱物からの蒸気や飛散物から保護する構成としても良い。
上記実施の形態においては、ガイドマーク部182は本態様のようにカッコ型を用いたが、領域を示すように塗りつぶしてもよいし、四角に囲ってもよい。また、四角形を想起させなくても円形を想起させるものでもよいし形は特に規定するものではない。使用者が被加熱物200のおおよその載置場所の領域を想起できるのであれば、ガイドマーク部の中心点181がなくてもよい。またその逆で、領域を示さずにガイドマーク部の中心点181のみでもよい。また、本発明による「ガイドマーク部」は、その「中心点」のみの構成も含むものとする。
上記実施の形態においては、光源としてLEDを用いた。しかしながら、LED以外に、レーザー光源や、ハロゲン光源などの光量が多く輝度の高い光源を用いても良い。
また、照明部として、3個の照明、すなわち、上照明170aおよび左照明170bおよび右照明170cを有する構成を示した。しかしながら、照明の個数は1個以上の任意個数としても良い。
上記実施の形態においては、上照明170aを、加熱庫110の上壁111aの上側に設ける構成を示した。しかしながら、上照明170aは天板部140よりも上側に配置され、天板部140側に向けて照明する構成であれば良い。
上記実施の形態においては、天板部140は、主面である平板を、ガラスクロスおよびシリコンによる積層板により形成した。しかしながら、光を柔らかく拡散して透過する半透明の素材であれば良い。
また、天板部140は、主面を平板により形成されている。しかしながら、主面を曲面や複数の平面からり形成されていても良い。
上記実施の形態においては、アンテナカバー145は、ポリプロピレン素材により形成した。しかしながら、アンテナカバー145は、マイクロ波を透過する難燃性の素材であれば良い。
また、アンテナカバー145は、上面視において略円形に形成されている。しかしながら、アンテナカバー145は、加熱庫110の上壁の下方に露出するように設けられた、スタラ109や加熱部を覆う形状であれば良い。
本開示は、撮影部により庫内を撮影する加熱調理器に適用可能である。
1 加熱調理器
100 筐体
101 前枠
102 前面開口
105 制御部
106 マグネトロン(加熱部)
107 導波管(加熱部)
108 放射開口(加熱部)
109 スタラ(アンテナ)
110 加熱庫
111a 上壁
111b 左側壁
111c 右側壁
111d 奥壁
111e 底壁
112 壁面開口
113 壁面凹部
114 凹底部開口
115a、115b、115c 照明開口
120 扉
121 ハンドル
122 ガラス窓
130 操作部
131 操作スイッチ
132 表示部
140 天板部
141 天板開口
145 アンテナカバー
145a 斜面
150 撮影部
151 支持フレーム
154 カメラ
157 光軸
158 視野範囲
160 送風部
170a 上照明(第1の照明)
170b 左照明(第2の照明)
170c 右照明(第3の照明)
171 拡散シート
180 ガイド領域
181 ガイドマーク部の中心点
182 ガイドマーク部
200 被加熱物

Claims (2)

  1. 前面開口を有する加熱庫と、
    前記前面開口を開閉する扉と、
    前記加熱庫内に収納される被加熱物を加熱する加熱部と、
    前記加熱庫の上壁に配置されているカメラと、
    前記加熱庫の底壁に被加熱物を載置する位置を示すガイドマーク部を有し、
    前記カメラは、前記加熱庫の上壁において、上面視における前記加熱庫の略中央よりも前側に配置され、前記カメラの光軸が鉛直方向に対して前記加熱庫の後方に向けて傾斜し、上面視における前記ガイドマーク部の略中央は、前記カメラの光軸と前記加熱庫の底壁との交点より前方に位置し、かつ前記加熱庫の底壁略中央より前方に位置する、
    加熱調理器。
  2. 前記加熱部または/および前記加熱部からマイクロ波が放射されるアンテナは、上面視における前記加熱庫の前記カメラの配置された位置よりも後側に配置されている、
    請求項1に記載の加熱調理器。
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