JP5097387B2 - 人工皮膚 - Google Patents

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Description

本発明は人工皮膚に関するものであり、詳しくは毛包の再構成された人工皮膚、その製造方法、当該人工皮膚を応用した育毛・発毛成分の評価系に関するものである。
毛髪は人間の容姿を大きく左右することから、種々の原因による脱毛部位への人工皮膚の移植は、医学上、美容上注目される措置の一つである。このような、脱毛部位への移植用の人工皮膚について、様々な研究が進められている。しかしながら、移植後に実際に育毛・発毛作用を発揮する人工移植片を調製することは非常に困難であった。
特許文献1には、毛乳頭細胞スフェロイドを含有する発毛誘導剤が記載されている。しかし、これらの技術においては、毛包様の物質が生成したとの記述があるが、ヘアケラチンなどの毛包由来のタンパク質を指標にして確認しているわけではないため、該構造物が毛包であることを証明するためには更なる検証が必要である。
特許文献2には、毛乳頭細胞及び上皮系細胞を特定の比率で含んでなる組成物を、レシピエント動物に移植することにより毛包を再生させることができる旨が記載されている。しかしながら特許文献2の技術ではレシピエント動物を使う必要があるため、ヒトへの移植目的を考えた場合、感染症や免疫拒絶反応などの面から安全性の課題が大きい。また、本方法でも移植後に毛包様の物質が生成したことを確認するに留まり、ヘアケラチンなどの毛包由来タンパク質を指標にして確認しているわけではないため、特許文献1と同様に該構造物が毛包であることを証明するためには更なる検証が必要である。
以上の点からも、従来技術では、試験管内で何らかの構造物ができているものの、それが毛包であることは示されておらず、必ずしも毛様構造ができたとは言いがたいといわざるを得ない。特に組織再生技術においては、様々な細胞に分化するという幹細胞を使用するという性質上、分化異常や癌化を防ぐためにも、細胞分化の初期段階において、その方向性が確かめられていることが重要な意味を持つ。
またこのような人工皮膚の使用目的は、移植用皮膚としてばかりではなく、経皮吸収試験や安全性試験における動物代替法としても注目されている。これまでも人工皮膚を用いた試験は行われていたものの、既存品には毛包が存在しないため、経皮吸収に関して寄与の大きい毛包を介した薬剤の吸収を評価できていない。
一方で脱毛部への毛包再生に着目した技術としては、特許文献3には、患者の頭部組織から分離培養した毛乳頭細胞を、その患者自身の脱毛部位に移植する方法が記載されている。しかし、本手法は注射器で一つ一つ埋め込んでいく必要があるため、手技が煩雑にならざるを得ない。また、火傷等で失われた皮膚の移植に関して、移植と同時に毛包を注入していくことは、患者側の負担を考えると適切ではなく、毛包再生のためには2度に分けた手術が必要になることが予想される。
特開平11−180878号公報 特開2005−132813号公報 特開2001−302520号公報
本発明は、上記の問題点に鑑みて、毛包が再構成され優れた育毛・発毛作用を発揮する人工皮膚、及びその製造方法、並びに育毛・発毛成分の評価系を提供することを目的とする。
本発明者らが検討を重ねた結果、毛乳頭細胞に発毛・育毛成分のコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチドを導入した上で、幹細胞を多くケラチノサイトとともに真皮代替物を足場として培養させることにより、移植などに用いることのできる人工皮膚を製造することができることを見出した。更に、この人工皮膚を応用して、育毛・発毛効果を有する可能性のある試料を導入して人工皮膚を作製し、人体への安全性、薬物一般の経皮吸収性も含めて、育毛・発毛効果を評価するための評価系としても利用できることを見出した。本発明は係る知見に基づくものである。
本発明は、以下の発明を提供するものである。
〔1〕 育毛・発毛成分のコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチドが導入された毛乳頭細胞と、幹細胞を含むケラチノサイトとが、真皮代替物を足場として培養されていることを特徴とする人工皮膚。
〔2〕 前記育毛・発毛成分が、Wnt5aである〔1〕に記載の人工皮膚。
〔3〕 前記毛乳頭細胞が、不死化毛乳頭細胞である〔1〕または〔2〕に記載の人工皮膚。
〔4〕 前記幹細胞を含むケラチノサイトが、CD200マーカー陽性細胞を7%以上含むケラチノサイトである〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の人工皮膚。
〔5〕 前記真皮代替物が、線維芽細胞を含むものである〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の人工皮膚。
〔6〕 下記の工程を備えることを特徴とする、人工皮膚の製造方法。
(a)毛乳頭細胞に育毛・発毛成分のコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチドを導入する工程、
(b)前記(a)において得られる育毛・発毛成分のコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチドが導入された毛乳頭細胞を、幹細胞を含むケラチノサイトと共に真皮代替物を足場として培養する工程。
〔7〕 前記(b)工程において、育毛・発毛成分のコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチドが導入されてなる毛乳頭細胞をスフェロイドとして、当該スフェロイドと幹細胞を含むケラチノサイトとを真皮代替物を足場として培養することを特徴とする〔6〕に記載の製造方法。
〔8〕 前記(b)工程において、育毛・発毛成分が導入されてなる毛乳頭細胞を中心に、その外側にケラチノサイトが取り囲むスフェロイドを作製し、当該スフェロイドを真皮代替物を足場として培養することを特徴とする〔6〕に記載の製造方法。
〔9〕 更に(c)上層にケラチノサイトの重層化を誘導する工程を備えることを特徴とする、〔6〕〜〔8〕のいずれか一項に記載の製造方法。
〔10〕 前記(c)工程において、半気相培養により重層化を誘導することを特徴とする、〔9〕に記載の製造方法。
〔11〕 前記育毛・発毛成分が、Wnt5aである〔6〕〜〔10〕のいずれか一項に記載の製造方法。
〔12〕 前記毛乳頭細胞が、不死化毛乳頭細胞である〔6〕〜〔11〕のいずれか一項に記載の製造方法。
〔13〕 前記幹細胞を含むケラチノサイトが、CD200マーカー陽性細胞を7%以上含むケラチノサイトである〔6〕〜〔12〕のいずれか一項に記載の製造方法。
〔14〕 前記真皮代替物が、線維芽細胞を含むものである〔6〕〜〔13〕のいずれか一項に記載の製造方法。
〔15〕 試料のコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチドが導入されてなる毛乳頭細胞と、幹細胞を含むケラチノサイトとが、真皮代替物を足場として培養されている人工皮膚を作製し、当該人工皮膚において育毛・発毛効果を確認することを特徴とする、育毛・発毛成分の選抜方法。
〔16〕 前記人工皮膚が、下記の工程により製造されることを特徴とする〔15〕に記載の育毛・発毛成分の選抜方法。
(a)毛乳頭細胞に試料のコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチドを導入する工程、
(b)前記(a)において得られる育毛・発毛成分が導入された毛乳頭細胞を、幹細胞を含むケラチノサイトと共に真皮代替物を足場として培養する工程。
本発明の人工皮膚は、皮膚に移植した際にも毛包再生能が維持され、育毛・発毛機能を発揮するので、脱毛症や、火傷等外傷による皮膚損傷の際等の移植用皮膚として利用することができる。また、本発明は上述の人工皮膚の効率的な製造方法をも提供するものである。
また、本発明は、試料の育毛・発毛効果、すなわち、育毛・発毛作用、生体への安全性、経皮吸収性等育毛・発毛成分の評価、選抜(検索、評価を含む)に応用することもできる。よって、本発明は、再生医療をはじめとする医学、美容のほか、生化学、生物学等の生体を取り扱う各分野において有用である。
本発明の人工皮膚は、育毛・発毛成分のコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチドが導入されてなる毛乳頭細胞と、幹細胞を含むケラチノサイトとが、真皮代替物を足場として培養されていることを特徴とする。
本発明において使用することのできる毛乳頭細胞やケラチノサイト(表皮角化細胞)は、哺乳動物のものであればよく、特に、マウス、ラット等の実験動物、ヒトなどに由来するものが好ましい。また、動物の月齢、性別も特に問わないほか、採取部位についても毛乳頭細胞やケラチノサイトが存在する部位であれば特に問わない。以下は、各細胞としてヒト由来のものを用いた場合について示すが、他の動物由来の細胞についても、ヒゲなど毛包を材料として、当分野の研究者に一般的に良く知られている方法にて確保することが可能である。
毛乳頭細胞は、特許文献5などに示されるとおり、手術等により確保された頭皮から外科的に採取した毛乳頭細胞を初代培養することで確保できる。ラット由来毛乳頭細胞としてはTMTRPC−001(TMセルリサーチ社)、ヒト頭髪毛乳頭細胞としてはTHPC−001(東洋紡績株式会社)など市販品を利用する事も可能である。また、毛乳頭細胞は、初代培養から得られたものをそのまま使用する事ができるほか不死化した毛乳頭細胞を用いることも可能である。ヌクレオチドの導入効率の点では、不死化した毛乳頭細胞を用いる事が望ましい。不死化した毛乳頭細胞の作製は、初代培養した毛乳頭細胞に不死化に関する遺伝子(例えばSV40遺伝子、HPV16遺伝子)、或いは前記遺伝子を含むベクター(例えばSV40 ori−mutant DNA、pSHPV16s(Tissue Cult.Res.Commun.vol.11,13−24(1992))等)を導入する方法、或いはウイルスベクターを用いて前記遺伝子を感染させる方法等によることができる。感染させるためのウイルスベクターとしては、例えば、アデノウイルスベクターΔEI/X(文献:Dorenら、J.Virol.vol.50,606−614(1984))中のEIA領域を、複製開始点を欠失させたSV40 Large T抗原ウイルスにより置換したベクター(Dorenら、Mol.Cell.Biol.1653−1656(1984))、あるいはレトロウイルスベクターpZIPNeoSV(X)1(C.L.Cepcoら、Cell Vol.37,1053−1062(1984))に、温度感受性ポリオーマウイルスLarge T抗原(Plttsa)をコードする遺伝子を組み込んだレトロウイルスベクターpZITtsa(W.Filsellら、Journal of Cell Science Vol.107,1761−1772(1994))を用いる事ができる。ウイルスベクターを感染させる場合の条件を、ウイルスベクターの例として上述したSV40 Large T抗原遺伝子により置換したウイルスを挙げて説明すると次の通りである。まず、ヒト毛乳頭細胞を無血清培地等で培養し、途中で(例えば、コンフルエントの50〜70%まで培養した時点で)ウイルスを1〜100MOI(multiplication of infection)の量で感染させ、通常通りに継代培養を続ける。通常の細胞が増殖を停止するまで継代培養を行った後、クローニングを行い新鮮な培地中で培養して増殖の良好なクローンを選択する。
このような不死化した毛乳頭細胞の作製は、具体的には例えば、特開平11−89565号公報や分子生物学研究のための培養細胞実験法(黒木登志夫、許 南浩、千田和広 編)第11章 変異細胞と不死化細胞の分離 (2)HPV、SV40による不死化 (安本 茂)羊土社 p191−200 1995年発行の記載に基づき行うことができる。
一方、ケラチノサイトについても、哺乳動物から外科的に採取した皮膚などから初代培養を行うことで、確保する事ができる。また、NHEK(F)(クラボウ)、大日本住友製薬などから購入可能な市販品などを用いる事も可能である。ケラチノサイトは、毛髪ケラチノサイトに分化したものをその一部に含むものであってもよい。
本発明で用いるケラチノサイトは、幹細胞を含むことが必要である。効率よい毛包形成のためには、幹細胞を多く含む細胞を使用することが好ましい。ケラチノサイトの幹細胞とは、最終分化段階に至っていないケラチノサイトと定義される。すなわち、胚性幹細胞(ES細胞)以降の各段階の体性幹細胞を指す。皮膚・毛髪における体性幹細胞ケラチノサイトは、毛包バルジ部に多く存在するとされる。使用するケラチノサイトにおける体性幹細胞ケラチノサイトの割合は、指標とする幹細胞マーカーによって違ってくるものの、マーカーの一つであるCD200の陽性細胞として8%前後、同様にCD34陽性細胞として6%前後であり、好ましくはCD200の陽性細胞として7%以上、中でも10%以上、特に15%以上、同様にCD34陽性細胞として10%以上である。幹細胞を含む細胞群としては、手術等により確保された頭皮から外科的に採取したものについて、初代培養を行って間もないもの、すなわち、継代数にて2〜3代目のものを使うのが望ましいが、市販のケラチノサイトについて幹細胞の含有量を確認し、必要に応じて適宜調製して使用することができる。幹細胞を含むことの確認は、FACS(Fluorescence activated cell sorter)などを用いて、幹細胞のマーカーとして知られているCD34、CD200等の陽性細胞の含有割合を調べる方法や、ヘキスト33342等の細胞透過性蛍光核酸染色試薬を用いたSP(side population)Cell回収方法を利用する事ができる。尚、幹細胞の含有割合は、幹細胞の性質上、継代された結果、増殖・分化が進行することによって経時的に減少することから、人工皮膚に使用する直前に測定されることが望ましい。また、測定された細胞はFACSにより物理的なダメージを受けていることから、製造に関しては測定したものを同様の条件で培養されたものを用いて、なおかつ速やかに人工皮膚製造に供されることが望ましい。
ケラチノサイトの培養は、ケラチノサイト用の培地にて常法に沿って行うことができる。ケラチノサイト用の培地としては、例えば、MCDB153、HuMedia−KG2(クラボウ)、KGM2(三光純薬)、Keratinocyte−SFM(インビトロジェン)を挙げることができる。
本発明において育毛・発毛成分は、育毛・発毛作用を有するタンパク質を広く含む。育毛・発毛成分としては、育毛・発毛効果(機能)を有する物質、該効果を少なくともその一部に有する組成物等を挙げることができる。各種のタンパク質を挙げることができるが、毛包の形成に関与するタンパク質、毛乳頭細胞で多く発現しているタンパク質、ケラチノサイトを毛髪ケラチノサイトに分化させるタンパク質等がよい。代表例としてはWntタンパク質を挙げることができる。Wntタンパク質には様々なタイプのものがある。育毛・発毛機能を持つものであれば、いずれのタイプでも構わないが、発毛を制御していると考えられている毛乳頭細胞に発現している唯一のWntタンパク質であることからWnt5aが望ましい。我々は、該タンパク質のコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチドを導入することにより、発毛機能の強化ができるものと考えた。
本発明において育毛・発毛成分のコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチドは、その塩基配列中に、育毛・発毛成分であるタンパク質のアミノ酸配列に対応する塩基配列からなるポリヌクレオチド、或いは該塩基配列を含むポリヌクレオチドである。このようなポリヌクレオチドの調製方法は特に限定されず、天然の生物から抽出して利用することもできるし、人工的に作製することもできる。例えば育毛・発毛成分の遺伝子情報をNCBI、DDBJ等のデータベースから入手し、該タンパク質のコード領域の塩基配列を含むように設計することができる。例えば育毛・発毛成分がWnt5Aの場合には、NCBIのNM_003392(配列表の配列番号1参照)のコード領域を含むポリヌクレオチドを用いることができる。
上記ポリヌクレオチドは、育毛・発毛成分をコードする塩基部分を少なくとも含んでいればよく、該部分の前後に、育毛・発毛成分の発現に影響しない範囲でその他の塩基配列を含むものであってもよい。また、ポリヌクレオチドの形態は問わず、例えば1本鎖または2本鎖の別、また直鎖状または環状の別、塩基長を問わない。
尚、育毛・発毛成分のコード領域は、育毛・発毛成分を実質的にコードする領域であってもよい。すなわち、発現するタンパク質が育毛・発毛機能を発揮する条件で、育毛・発毛成分のアミノ酸配列中に欠失、付加、置換、挿入等の変異を有するアミノ酸配列をコードする塩基配列であってもよい。その場合には、変異前のアミノ酸配列と変異後のアミノ酸配列との間で、一般に80%以上、特に90%以上、中でも95%以上、更に97%以上のホモロジーを有することが好ましい。また、育毛・発毛成分のアミノ酸配列のコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチドと相補的な塩基配列ならなるポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドであっても、育毛・発毛機能を有するタンパク質をコードするものであれば用いることができる。ハイブリダイズはストリンジェントな条件、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。この条件を明確に数値化することは困難であるが、一例を示せば、相同性が高いポリヌクレオチド同士、例えば50%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、中でも好ましくは95%以上、更により好ましくは97%以上の相同性を有するポリヌクレオチド同士がハイブリダイズし、それより相同性が低いポリヌクレオチド同士がハイブリダイズしない条件、あるいは通常のサザンハイブリダイゼーションの洗いの条件である60℃、1×SSC、0.1%SDS、好ましくは、0.1×SSC、0.1%SDSに相当する塩濃度でハイブリダイズする条件が挙げられる。
育毛・発毛成分のコード領域を少なくとも含むヌクレオチドの毛乳頭細胞への導入法としては、育毛・発毛成分を一過性に発現するように導入する方法でも、定常的に発現するように導入する方法でもよいが、本発明の人工皮膚を評価系として用いる場合には、定常的に発現させるほうが望ましい。ポリヌクレオチドの導入は、タンパク質発現ベクター、ウィルスベクターを用いる方法など、当分野の行われている一般的な方法を用いる事ができる。使用するタンパク質発現ベクターは、哺乳動物細胞で機能するものであれば、限定されるものではない。例えば、プロモーターとして、CMV(human cytomegalovirus) major immediate−early gene promotor、SV40(simian virus 40) early promotorなどを用いる事ができる。また、市販のものとしては、pCI Mammalilan Expression Vector、pSI Mammalilan Expression Vector(プロメガ)などのものを用いる事ができる。
本発明に用いる真皮代替物は、毛乳頭細胞やケラチノサイトとともに人工的な真皮構造を構成する物質または組成物であれば特に限定されない。例えば、収縮コラーゲンゲルや、ポリグリコール酸、ポリ乳酸などの合成高分子、ヒトや他の動物の真皮から生細胞を除去する事によって得られる無細胞真皮(例えば、アドマトリックスTM:株式会社ビーシーエス)などを使用する事ができる。これらの中では、線維芽細胞を包含ないしは共培養するものが好ましい。特に真皮構造中に細胞を自由な種類、濃度で包埋することができる点で収縮コラーゲンゲルの使用が好ましい。
収縮コラーゲンゲルは、例えば、コラーゲンの主にI、III、IV型など、好ましくはI型を主成分として構成されるものを混合し、線維芽細胞を内包させて培養する事で作製されるものを用いることができる。コラーゲンは、ヒト、ウシ、ブタ、ニワトリなどの動物から、調製する事が可能である。また、市販のコラーゲン、例えば、Cellmatrix(新田ゼラチン)、ブタ皮膚性コラーゲン(ニッポンハム)なども使用できる。
収縮コラーゲンゲルの作製は、具体的には例えばBlanpain et al.,Cell(2004),vol.118,pp635−648や、分子生物学研究のための新培養細胞実験法(黒木登志夫、許 南浩、千田和広 編)第6章 細胞社会 (4)細胞マトリックス三次元培養(西山 敏夫)羊土社 p173−188の記載に従って行うことができる。ゲル中のコラーゲンの最終濃度は、ゲル化が起こりやすい条件で適宜定めることができ、通常は0.5mg/ml〜3mg/ml、望ましくは1.0mg/ml〜1.5mg/mlとすることができる。培地の種類は、適宜変更してよいが、DMEM、ケラチノサイト用の培地などや、それらのうち2種類以上の混合物を用いる事ができる。2種類以上の培地を用いることもできるが、少なくとも収縮操作中はDMEMを用いることが望ましい。必要に応じて培地に混入することのできるウシ胎児血清(FBS)の量は、あまり多いとゲル化に支障をきたすため、20%以下が良く、望ましくは1〜10%の範囲が良い。また、必要に応じて収縮コラーゲンゲルに増殖因子を混和することができる。増殖因子は、一般的に毛成長に関連があるといわれているものを適宜選択して用いることができる。例えば、ウシ脳下垂体(BPE)、肝細胞増殖因子(HGF)、ケラチノサイト増殖因子(KGF)、インシュリン様増殖因子(IGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、骨形成蛋白(BMP)、ウィント(Wnt)、ソニックヘッジホッグ(Shh)、エフリン(Ephrin)がよい。これらの増殖因子群は、ゲル中への浸透性が高いため、培養中に加えることができる。尚、後述するように本発明の人工皮膚の製造においてケラチノサイトを重層化する場合には、これらの増殖因子群も培地に加えることができる。濃度に関しては、それぞれの増殖因子によって違うが、おおよそ1ng/ml〜10μg/mlの範囲がよい。
線維芽細胞の培地への添加量は、収縮コラーゲンゲル中の最終濃度が、通常1.0×103〜1.0×105、好ましくは5.0×103〜3.0×104cells/mLとなるような範囲とすることができる。線維芽細胞を混合したコラーゲンゲルを収縮させるための培養日数は、通常は7日間から21日間が良いが、基本的には、収縮後の直径で判断する事が望ましい。即ち、その後の半気相培養でさらに収縮しない程度まで収縮させてから、その後の実験に供するのがよい。目安としては、直径35mmのディッシュに線維芽細胞混合コラーゲン溶液を7.5ml入れて収縮ゲルの作製を開始した場合、直径が2cm以下になってからの使用が望ましい。
本発明の人工皮膚は、育毛・発毛成分のコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチドが導入された毛乳頭細胞と、幹細胞を含むケラチノサイトとが、真皮代替物を足場として培養されているものである。両細胞は真皮代替物上における位置関係は、両者が接するように配置されることが、毛包誘導能向上の点から好ましい。そのため、両細胞の少なくともいずれかがスフェロイド(三次元細胞塊)形態を取るか、或いは両細胞を含む二重スフェロイドの形態を取らせて内包させることが操作上好ましい。一つの例としては、毛乳頭細胞のスフェロイドの周囲部にケラチノサイトを配置させる形態が挙げられる。また他の例としては、毛乳頭細胞とケラチノサイトの二重スフェロイドを内包させる形態も挙げられる。後者の場合には、二重スフェロイドの中心部に毛乳頭細胞、その周囲にケラチノサイトとなる形態が好ましい。また、本発明の人工皮膚においては、各細胞が真皮代替物中に埋設されていてもよいし、表面に露出していてもよいが、細胞、好ましくはケラチノサイトのうち少なくとも一部が表面に露出していることが好ましい。
本発明の人工皮膚は、育毛・発毛成分が導入されてなる毛乳頭細胞と、幹細胞を含むケラチノサイトとを、真皮代替物を足場として培養することにより製造される。例えば、以下の工程を備える方法により製造することができる。
(a)毛乳頭細胞に育毛・発毛成分のコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチドを導入する工程、
(b)前記(a)において得られる育毛・発毛成分のコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチドが導入された毛乳頭細胞を、幹細胞を含むケラチノサイトと共に真皮代替物を足場として培養する工程。
本発明の製造方法においては、まず(a)毛乳頭細胞に育毛・発毛成分のコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチドを導入する。毛乳頭細胞、育毛・発毛成分、該成分のコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチド、ポリヌクレオチドの導入方法については、本発明の人工皮膚の説明において例示したとおりである。
続いて、本発明の製造方法においては、(b)前記(a)工程において得られる育毛・発毛成分のコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチドが導入された毛乳頭細胞を、幹細胞を含むケラチノサイトと共に真皮代替物を足場として培養する。幹細胞、それを含むケラチノサイト、真皮代替物については、本発明の人工皮膚の説明において例示したとおりである。
真皮代替物を足場として細胞を共に培養する際には、そのまま混合して、或いは別々に真皮代替物に播種する方法によることが可能である。いずれかの細胞、或いは両細胞の細胞混合物を真皮代替物の材料と混ぜる事により、真皮代替物中に足場を作り出すことができるので好ましい。例えば、真皮代替物が収縮コラーゲンゲルの場合にはコラーゲンと事前に混合した後に収縮コラーゲンゲル上に播くことが好ましい。さらに毛乳頭細胞の播種形態としては、毛乳頭細胞を予めスフェロイドとして、ケラチノサイトと混合して播く形態(b−1)が挙げられる。このようにすることで生体に近い状態をあらかじめ構成した毛乳頭細胞塊を、ケラチノサイトと同時に埋め込むことができる。人工皮膚中の毛乳頭細胞とケラチノサイトの割合は、1:50〜1:1、好ましくは1:10とすることができる。また、真皮代替物に対する各細胞の割合は、毛乳頭細胞は1.0×103〜1.0×106cells/cm2、ケラチノサイトは5.0×104〜1.0×106cells/cm2、好ましくは、毛乳頭細胞は3.0×104〜5.0×104cells/cm2、ケラチノサイトは3.0×105〜5.0×105cells/cm2とすることができる。
一方、中心に毛乳頭細胞を、外側にケラチノサイドを配置した二重スフェロイドにして包埋する形態(b−2)も挙げられる。これにより、ケラチノサイトを毛乳頭細胞に近接して播種する事ができ、幹細胞ケラチノサイトの使用細胞数を少なくできるという点で、望ましい。
スフェロイドは、スフェロイド作製用の培養容器を用いて作製することができる。例えば、スミロンセルタイト スフェロイド(住友ベークライト)に、細胞を5.0×102〜1.0×105程度播種することにより形成される。
特に、(b−2)のように二重スフェロイドを作製する場合、まず、96穴のステロイド作成用の培養容器に毛乳頭細胞を5.0×102〜1.0×104cells/ウェル程度播種し、12〜24時間後に、毛乳頭細胞によるスフェロイドが形成されたことを顕微鏡観察により確認した後、更に、ケラチノサイトを同一のウェルに、5.0×102〜1.0×105cells/ウェル播種する事により、形成される。毛乳頭細胞とケラチノサイトの播種比率は、1:10〜10:1がよく、好ましくは2:1〜1:2、より好ましくは1:1とすることができる。また、真皮代替物に対する各細胞の割合は、毛乳頭細胞のスフェロイドとして10〜250個/cm2、好ましくは50〜150個/cm2とすることができる。
スフェロイド形成後は、速やかに3次元培養に供する事が良く、望ましくは12〜24時間後に、3次元培養系への導入を行うのがよい。
毛乳頭細胞とケラチノサイトとを真皮代替物上に播くにあたりその順序等には特に制限はない。真皮代替物の作製と細胞を播くのとを同時に行うことができ、例えば真皮代替物が収縮コラーゲンゲルの場合で、さらに上記(b−1)の場合にはそのようにすることが好ましい。具体例を示すと、収縮コラーゲンゲル作成用の培地に、該ゲルの材料であるコラーゲンとともに毛乳頭細胞のスフェロイドを播き収縮コラーゲンゲルを作製した後に、ケラチノサイトを播き培養することができる。このようにすることにより、人工皮膚上層へのケラチノサイトの重層化(下記(c)工程参照)も同時に行うことができる利点もある。
(b)工程において2種類の細胞を播き埋め込んだ後の人工皮膚には、必要に応じて、(c)上層(表面)にケラチノサイトの重層化を誘導してもよい。(c)工程を行うことで、得られる人工皮膚をより生体皮膚に近づけることができるので好ましい。重層化は、当分野で一般に知られている方法に沿って行うことができ、例えば、分子生物学研究のための新・培養細胞実験法(黒木登志夫、許 南浩、千田 和広編)第6章(4)細胞−マトリックス三次元培養(西山 敏夫)羊土社に示されるとおり、半気相培養法、即ち、表面を空気に暴露し、培養する方法によることが好ましい。その際使用する培地はDMEMとケラチノサイト用培地の1:1混合物、ないしはケラチノサイト用培地の使用が望ましい。また、添加物の条件は、収縮コラーゲンの項目に示した通りであり、使用する種類、濃度の調整を行うことができる。おおよそ1週間以上の半気相培養により重層化が起こる。
本発明の人工皮膚が毛包再生能を有することは、人工皮膚中において毛乳頭細胞の毛包誘導能が亢進していること、すなわち、毛髪ケラチノサイトに分化した細胞が存在するかどうかを調べることにより確認可能である。例えば、ヘアケラチンを認識可能な抗体を用いた免疫染色法によることができる。
このような本発明の人工皮膚は、皮膚に移植した際にも毛包再生能が維持され、育毛・発毛機能を発揮するので、脱毛症や、火傷等外傷による皮膚損傷の際等の移植用皮膚や、外用育毛・発毛剤の有効性を試すための試験用皮膚として、医学的、美容学的に、特に再生医療分野で利用することができる。一方、本発明の人工皮膚は、育毛・発毛成分の選抜(検索、評価を含む)に応用することもできる。すなわち、育毛・発毛成分としての有用性の調査対象である試料のコード領域を少なくとも含むタンパク質が導入された毛乳頭細胞と、幹細胞を含むケラチノサイトとが、真皮代替物中に含まれる人工皮膚を作製し、当該人工皮膚において育毛・発毛効果、すなわち、育毛・発毛作用、生体への安全性、経皮吸収性等の評価に応用することもできる。
実施例1
1、新生児マウス由来ケラチノサイト(KC)の初代培養
C57Bl/6新生仔(出生後24時間)の背部皮膚を採取した。これを0.25%トリプシン−EDTA(GIBCO:インビトロジェン)中で、4℃、一夜反応させた。血清により反応を停止させた後、実体顕微鏡下で表皮と真皮を分離した。真皮部分をHuMedia−KG2(クラボウ)中に移し、ピペッティングした。そのまま同培地中で3日間培養を行った。得られたケラチノサイトは、CD200陽性細胞を11.2%含んでいた。
2、Wnt5aのクローニングおよびタンパク質発現ベクターへの組み込み
Wnt5a遺伝子情報(NM_003392 Homo sapiens wingless−type MMTV integration site family,member 5A (WNT5A),mRNA)はNCBIより入手した。本情報から、配列番号2に示すアミノ酸配列からなるタンパク質コード領域を含む塩基部分(配列番号1に記載の塩基配列中塩基番号316−1662の部分)を以下の通り、クローニングした。
RNAは、HeLa細胞から、RNeasy Mini Kit(QIAGEN)、およびRNase−Free DNase Set(QIAGEN)を用いて調製した。操作は添付プロトコールに従った。cDNAは、上述の通り調整したRNAから、プライマーとしてOligo(dT)20(RT Primer)(東洋紡績株式会社)、および逆転写酵素(ReverTra Ace:東洋紡績株式会社)により合成した。操作はプロトコールに従い行った。クローニングは、委託合成(シグマジェノシス)により入手したプライマー(F:GCCATGAAGAAGTCCATTGGAA(配列番号3)、R:CACCCCCATTATTGCCAAAT(配列番号4))を用いて、正確性の高いPCR酵素であるKOD plus(東洋紡績株式会社)により、合成を行った。PCR条件は、94℃2分間、(94℃:30秒間,60℃:30秒間,72℃:1.5分間)×30サイクル、72℃5分間とした。シングルバンドで増幅してきたPCR産物を、DNA pCR BLUNTII−TOPO(Invitrogen)にクローニングした。PCR産物がクローニングされたと思われるコロニーを、コロニーダイレクトPCR法によりピックアップし、シークエンシングにより確認クローニング領域の配列を確認した(東洋紡績株式会社への委託)。配列に間違いないことを確認し、タンパク質発現ベクターであるpSI Mammalian Expression Vector、ならびにpCI Mammalian Expression Vector(共にPromega)に制限酵素EcoRIサイトでクローニングを行った。
完成したベクターは、それぞれ、pSIW5a、pCIW5aと命名した。
これらpSIW5a、pCIW5aをエンドトキシンフリーで回収するために、EndoFree Plasmid Maxi Kit(QIAGEN)を用いた。回収されたこれらのプラスミドを下記の細胞実験に供した。
3、不死化毛乳頭細胞の作製
初代培養したヒト頭皮由来毛乳頭細胞(Lot.1389、47歳男性由来)は東洋紡績株式会社から購入した。不死化毛乳頭細胞の作製は成書(分子生物学研究のための培養細胞実験法(黒木登志夫、許 南浩、千田和広 編)第11章 変異細胞と不死化細胞の分離 (2)HPV、SV40による不死化(安本 茂)羊土社 p191−200 1995年発行)を参考にして行った。4型コラーゲンにより、コートした60mmディッシュに、3.7×105cellの細胞を播種した。24時間後におよそ70%コンフルエントとなったところで、FuGENE6(ロシュ・ダイアグノティクス)により2.5μgのSV40 ori-mutant DNA(財団法人ヒューマンサイエンス事業財団より入手)の導入を行った。約1ヶ月間に渡り、継代培養を繰り返す事で、不死化細胞の確保を行った。本毛乳頭細胞の性質を把握するため、当業界では一般的な手法による蛍光免疫染色法によりバーシカン〔1次抗体:抗バーシカン抗体(Affinity Bioreagents)200倍希釈、2次抗体:anti−rabbit Ig Fluorescein linked whole antibody(from donkey)(アマシャム・ファルマシア)500倍希釈〕、および男性ホルモン受容体〔1次抗体:抗Androgen receptor(Affinity Bioreagents)200倍希釈、2次抗体:anti−rabbit Ig Fluorescein linked whole antibody(from donkey)(アマシャム・ファルマシア)500倍希釈〕がいずれも発現することを確認した。バーシカンの発現は、本細胞に毛包誘導する能力があることが期待される結果であり、また、男性ホルモン受容体の発現は、本細胞が男性ホルモンに対する感受性を有する可能性を期待させる結果であった。
4、Wnt5a強発現不死化毛乳頭細胞の作製
Wnt5a発現ベクター(pSIW5aならびにpCIW5a)を、前記3で得られた不死化毛乳頭細胞に導入した。すなわち、FuGENE6(ロシュ・ダイアグノティクス)により、遺伝子導入を行った。60mmの培養用シャーレ(住友ベークライト製)に、3.0x105cellsの不死化毛乳頭細胞を播種した。24時間後、FuGENE6により、2μgの当該ベクターの導入を行った。導入効率を確認するために、蛍光免疫染色法により、Wnt5aを検出した(1次抗体Wnt5a(C−16)(サンタクルーズ):1/20希釈、2次抗体:bovine anti−goat IgG−FITC:1/500希釈)。
その結果、本ベクターによる遺伝子導入により、Wnt5aを強く発現している毛乳頭細胞の確保ができた。
5.3次元混合培養方法
Wnt5a導入毛乳頭細胞をスフェロイド状にしてコラーゲンに混合し、その後にケラチノサイトを播いて、3次元混合培養を行った。
スフェロイド作製のために、Wnt5a発現ベクター(pSIW5aならびにpCIW5a)を、FuGENE6(ロシュ・ダイアグノティクス)により、不死化毛乳頭細胞に導入し、Wnt5a遺伝子導入毛乳頭細胞を作製した。60mmの培養用シャーレ(住友ベークライト製)に、3.0x105cellsの不死化毛乳頭細胞を播種。24時間後、FuGENE6により、2μgの当該ベクターの導入を行った。
スフェロイド作製のために、スミロンセルタイト スフェロイド(住友ベークライト)に、1ウェルあたり5.0×103cellsのWnt5a導入不死化毛乳頭細胞を播種し、翌日にスフェロイドが形成されているのを確認後、回収した。コラーゲンI溶液(Cellmatrix:新田ゼラチン):通常の5倍濃度に溶解したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM:SIGMA):コラーゲンゲル再構成用緩衝液(2.2%NaHCO3及び200mM HEPESを含む0.05N NaOH)=3:6:1の混合液に、回収後のスフェロイドを混和し、24穴用カルチャーインサート(ファルコン:BD)に分注後、37℃、CO2インキュベータ内で、2時間ゲル化を行った。ゲルをインサートより剥がし、10%FBS含有DMEM培地中で2日間培養した。このように作製した人工真皮を取り出し、その上から事前に調製しておいたマウス新生仔皮膚由来ケラチノサイトを0.9×105cells播種した。培地は、5%FBS含有DMEMに、HuMedia−KG2の添加剤〔インシュリン、hEGF、ハイドロコーチゾン、抗菌剤(ゲンタマイシン、アンフォテリシン)、BPE〕、HGF 25ng/ml、Ephrin 1.5μg/ml、KGF 100ng/ml、EGF 300ng/mlを添加したものを使用し、半気相培養法により1週間培養した。
完成した人工皮膚においてヘアケラチン発現を調べるために、免疫染色法により確認を行った。1次抗体としては、皮膚ケラチノサイトのマーカーとして、ケラチン14の検出抗体〔KERATIN 14 EPITOPE SPECIFIC RABBIT ANTIBODY(SPRING BIOSCIENCE)〕を、また、毛髪ケラチノサイトのマーカーとしては、ヘアケラチンの1−4までを認識する事のできる抗体〔Mouse Anti−Cytokeratin from Hair Cortex,AE13(ImmuQuest)〕を用いて、毛髪ケラチノサイトへの分化誘導について、確認を行った。
免疫染色法については、当分野において知られている一般的な方法で行った。簡潔に述べるとパラフィン切片を作製し、脱パラフィン操作を行った後、クエン酸による抗原の賦活化を行った。1%スキムミルク/Tween20 0.1%含有TBS溶液でブロッキングを行い、上述の1次抗体をそれぞれ100倍希釈し、4℃一夜反応を行った。洗浄後、2次抗体(K14抗体に対しては、Ant−Rabbit IgG(H&L),Affinity Purified,Conjugated to Rhodamine,Preabsorbed against Bovine,Chicken,Goat,Guinea Pig,Hamster,Horse,Human,Mouse,Rat,and Sheep proteins(Cortex Biochem)を、ヘアケラチン抗体に対しては、Ant−Mouse IgG,Affinity Purified,Conjugated to Flourescein,Preabsorbed against Bovine,Chicken,Goat,Guinea Pig,Hamster,Horse,Human,Rabbit,Rat,and Goat Serum proteins(Cortex Biochem)を、500倍希釈したものと室温3時間反応させ、洗浄後、最終的にDAPI/Antifade Solution(ケミコン)にて、各染色を行い、蛍光顕微鏡による観察を行った。
その結果、いずれの発現ベクターを用いた場合でも、皮膚ケラチノサイトを重層した上層側では、増殖性ケラチノサイトのマーカーであるケラチン14の発現が主であるのに対して、埋め込んだ毛乳頭があった部分(緑矢印)にはヘアケラチンの発現が主となっている。
本実施例の結果は、Wnt5aが毛乳頭細胞の毛包誘導能を亢進した結果であると考えることができる。
実施例2
実施例1にて作製したWnt5A導入不死化毛乳頭細胞とケラチノサイトとを用いて、以下のように中心に毛乳頭細胞、外側にケラチノサイトを用いたスフェロイドにして包埋する方法で3次元混合培養を行った。
実施例1と同様に、pSIW5aならびにpCIW5aベクターのそれぞれを用いて、Wnt5a発現不死化毛乳頭細胞を作製した。スフェロイド作製のために、スミロンセルタイト スフェロイド(住友ベークライト)に、1ウェルあたり5.0×103cellsのWnt5a導入不死化毛乳頭細胞を播種した。翌日にスフェロイドが形成されているのを確認後、さらにヒト新生仔包皮由来ケラチノサイト(クラボウ)を、5.0×103cells/ウェルずつ追加した。培地はHuMedia−KG2:DMEM=1:1の基礎培地に、5%FBSを添加したものを使用した。このように作製した毛乳頭細胞とケラチノサイトからなるスフェロイド(二重スフェロイド)を、あらかじめ作製しておいた収縮コラーゲンゲル上に播種し、固定のためにコラーゲンを重層し、更にその上から、ヒト新生仔包皮由来ケラチノサイトを3.0×105cells播種した。培地は、5%FBS含有DMEMに、HuMedia−KG2の添加剤〔インシュリン、hEGF、ハイドロコーチゾン、抗菌剤(ゲンタマイシン、アンフォテリシン)、BPE〕を添加したものを使用し、半気相培養法により1週間培養した。
尚、収縮コラーゲンゲルは、分子生物学研究のための新培養細胞実験法(黒木登志夫、許 南浩、千田和広 編)第6章 細胞社会 (4)細胞マトリックス三次元培養(西山 敏夫)羊土社 p173−188に従い作製した。6穴プレート(スミロン:住友ベークライト)に、コラーゲンI溶液(Cellmatrix:新田ゼラチン):5倍濃度DMEM(SIGMA):コラーゲンゲル再構成用緩衝液(2.2%NaHCO3及び200mM HEPESを含む0.05NNaOH)=3:6:1の混合液7.5mlに、ヒト線維芽細胞(クラボウ)1.0×105cellを懸濁したものを注ぎ、CO2インキュベータ中で、2−3週間培養する事で得られる。
確認のための免疫染色法については、前述の方法と同様に行った。
その結果、Wnt5a毛乳頭細胞とケラチノサイトで作製した二重スフェロイドの部分のみ、ヘアケラチンを発現している状態へと分化していることが示された。すなわち、二重スフェロイドにすることが、皮膚ケラチノサイトから毛髪ケラチノサイトへの分化を効率的に誘導する手法であることが示された。
これらの結果より、本発明によれば毛髪誘導可能な3次元培養系としての人工皮膚が提供されることが分かる。また、本発明は、皮膚ケラチンを毛髪ケラチンに効率よく分化するかどうかを確認することによる、育毛・発毛成分の評価系としての応用が可能であることが示された。
実施例3
ヒト表皮ケラチノサイト(クラボウ:継代数 P=4)を、HuMedia−KG2(クラボウ)を用いて、I型コラーゲンでコートしたφ60mmディッシュ上で培養した後、トリプシンを用いて細胞を回収した。回収した細胞は、1.0×107cells/mlになるように、PBS(pH7.4)+20mM グルコース+1%牛血清アルブミンからなる緩衝液(PBS/BSA)で希釈した。この細胞懸濁液100μl(=1.0×108cells)に対し、10μlのPE結合CD200抗体(セロテック)を添加し、よく混ぜ、30分間室温で暗所静置した。その後、20mlのPBS/BSAを添加し、よく混ぜ、400×gで5分間の遠心操作により回収し、200μlのPBS/BSAで再懸濁を行った。本細胞懸濁液の一部を、Fluorescence activated cell sorter:BD FACSCaliburHG フローサイトメーター(BD)に供した。得られた各細胞数、およびCD200陽性細胞率の結果を、表1に示す。
Figure 0005097387
このように、本実施例における再構成皮膚に用いた培養ケラチノサイトには、おおよそ8〜13%程度のCD200陽性細胞が存在することが明らかとなった。

Claims (12)

  1. Wnt5aのコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチドが導入された毛乳頭細胞と、幹細胞を含むケラチノサイトとが、真皮代替物を足場として培養されていることを特徴とする人工皮膚。
  2. 前記毛乳頭細胞が、不死化毛乳頭細胞である請求項1に記載の人工皮膚。
  3. 前記幹細胞を含むケラチノサイトが、CD200マーカー陽性細胞を7%以上含むケラチノサイトである請求項1または2に記載の人工皮膚。
  4. 前記真皮代替物が、線維芽細胞を含むものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の人工皮膚。
  5. 下記の工程を備えることを特徴とする、人工皮膚の製造方法。
    (a)毛乳頭細胞にWnt5aのコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチドを導入する工程、
    (b)前記(a)において得られるWnt5aのコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチドが導入された毛乳頭細胞を、幹細胞を含むケラチノサイトと共に真皮代替物を足場として培養する工程。
  6. 前記(b)工程において、Wnt5aのコード領域を少なくとも含むポリヌクレオチドが導入されてなる毛乳頭細胞をスフェロイドとして、当該スフェロイドと幹細胞を含むケラチノサイトとを真皮代替物を足場として培養することを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記(b)工程において、Wnt5aが導入されてなる毛乳頭細胞を中心に、その外側にケラチノサイトが取り囲むスフェロイドを作製し、当該スフェロイドを真皮代替物を足場として培養することを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  8. 更に(c)上層にケラチノサイトの重層化を誘導する工程を備えることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 前記(c)工程において、半気相培養により重層化を誘導することを特徴とする、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記毛乳頭細胞が、不死化毛乳頭細胞である請求項5〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 前記幹細胞を含むケラチノサイトが、CD200マーカー陽性細胞を7%以上含むケラチノサイトである請求項5〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 前記真皮代替物が、線維芽細胞を含むものである請求項5〜11のいずれか一項に記載の製造方法。
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