JP4431781B2 - 幹細胞の標識方法、分離方法、活性制御方法並びに皮膚組織の作製方法 - Google Patents

幹細胞の標識方法、分離方法、活性制御方法並びに皮膚組織の作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、幹細胞の標識方法、分離方法、活性制御方法並びに皮膚組織の作製方法に関する。
熱傷治療や組織補填等の再生医療や遺伝子治療など、先端的医療における皮膚細胞の必要性は極めて高い。また、生体分子生産に用いうる皮膚細胞の必要性も高い。しかし、このような必要性を満たすための細胞やその幹細胞を供給するには、困難性がある。すなわち、これまで、皮膚細胞の幹細胞の特異的マーカーとなる分子及びその活性を特異的に制御する方法が存在せず、複数の困難性が存在する。また、細胞の数が不足する問題などの困難性が存在する。そのため、上述したような問題を解決し、必要な皮膚細胞を作製する方法を開発することが、当技術分野において大きな課題となっている。
さらに皮膚再生の不全を問題とする疾病に関しては、皮膚の中に存在する幹細胞から皮膚構成細胞が形成される仕組みを理解して、それを制御することが必要であるが、そのような方法は存在せず、困難性が存在する。そのため、この問題を解決し、皮膚再生を直接制御する方法を開発することが、当技術分野において大きな課題となっている。
また養毛、脱毛に関しては、皮膚の中に存在する毛胞により幹細胞から毛髪が形成される原理を利用して、毛髪の生成を調節する方法は存在せず、複数の困難性が存在する。そのため、この問題を解決し、毛胞細胞の機能を直接制御する方法を開発することが、当技術分野において大きな課題となっている。
上述したような幹細胞を同定する方法に関連して、現在までにいくつかの報告がある。例えば、CD34抗原は、皮膚の幹細胞に存在することが報告されている(非特許文献1)。しかしながら、このCD34抗原は皮膚の血管内皮細胞や血液系幹細胞にも存在するため、CD34の存在によって、皮膚から皮膚幹細胞を標識・分離する方法としては特異性が不十分である。さらに、CD34抗原の存在を利用して細胞の活性を制御する方法は報告されていない。
また、マウス上皮基底層の上皮細胞に特異的な特定のケラチン抗原は、幹細胞に近い性質を有する未分化型の上皮細胞のマーカーとして報告されている(非特許文献2)が、この抗原によってバルジ領域の幹細胞を標識・分離する方法としては特異性が不十分である。さらに、これら特定のケラチン抗原の存在を利用して細胞の活性を制御する方法は報告されていない。従って、皮膚の幹細胞、特にバルジ領域の幹細胞を、大量かつ簡便に、標識・分離し、その活性を制御する手法が望まれていた。
Trempus C.S. et al., J. Invest. Dermatol. 2003, April; 120(4): 501-511. "Enrichment for living murine keratinocytes from the hair follicle bulge with the cell surface marker CD34" Lyle S. et al., J. Investig. Dermatol. Symp. Proc. 1999, December; 4(3): 296-301. "Human hair follicle bulge cells are biochemically distinct and possess an epithelial stem cell phenotype."
そこで、本発明は、特異性に優れた幹細胞の標識方法及び分離方法、活性制御方法並びに当該標識方法及び/又は分離方法を用いた皮膚組織の作製方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため本発明者が鋭意検討した結果、皮膚幹細胞において、FHF-2の全長又は部分ペプチドを含む感作抗原を用いて作製した抗血清に含まれる抗体に結合する抗原(以下、この抗原を「F2抗原」を称する)を特異的に有することを見出し、これをマーカーとして皮膚幹細胞を標識及び分離できることを見いだした。さらに本発明者らは、F2抗原の活性を中和すると、幹細胞の活性が抑制されることを見いだした。従って本発明者は、F2抗原の有無により、皮膚から皮膚幹細胞を各種細胞に分化可能な細胞を作製することができるという知見と、F2抗原の操作により、皮膚幹細胞の活性を制御する事が出来るという知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
(1)FHF-2の全長又は部分ペプチドを含む感作抗原を用いて作製した抗血清により認識される抗原を標識する、幹細胞の標識方法。
(2)上記抗血清を対象の幹細胞に接触させることで上記抗原を標識することを特徴とする(1)記載の幹細胞の標識方法。
(3)上記幹細胞が皮膚毛胞のバルジ領域の細胞であることを特徴とする(1)記載の標識方法。
(4)上記幹細胞が皮膚上皮基底層の細胞であることを特徴とする(1)記載の標識方法。
(5)上記抗原はFHF-2であることを特徴とする(1)記載の標識方法。
(6)FHF-2の全長又は部分ペプチドを含む抗原を用いて作製した抗血清により認識される抗原を標識する工程と、標識された抗原を有する幹細胞を、当該抗原を有しない細胞と分離する工程とを含む、幹細胞の分離方法。
(7)上記抗血清を対象の幹細胞に接触させることで上記抗原を標識することを特徴とする(6)記載の幹細胞の分離方法。
(8)上記幹細胞が皮膚毛胞のバルジ領域の細胞であることを特徴とする(6)記載の分離方法。
(9)上記幹細胞が皮膚上皮基底層の細胞であることを特徴とする(6)記載の分離方法。
(10)上記抗原はFHF-2であることを特徴とする(6)記載の分離方法。
(11)FHF-2の全長又は部分ペプチドを含む抗原を用いて作製した抗血清により認識される抗原の活性を調節する、幹細胞の活性制御方法。
(12)上記幹細胞が皮膚毛胞のバルジ領域の細胞であることを特徴とする(11)記載の活性制御方法。
(13)上記幹細胞が皮膚上皮基底層の細胞であることを特徴とする(11)記載の活性制御方法。
(14)上記抗原はFHF-2であることを特徴とする(11)記載の活性制御方法。
(15)(6)乃至(10)いずれかに記載の分離方法により分離された幹細胞を培養する、皮膚細胞の作製方法。
(16)(6)乃至(10)いずれかに記載の分離方法により分離された幹細胞を培養する、皮膚組織の作製方法。
(17)FHF-2の全長又は部分ペプチドを含む抗原を用いて作製した抗血清に含まれる抗体と反応する抗原の活性を促進及び/又は抑制することを特徴とする(16)記載の皮膚組織の作製方法。
本発明によれば、皮膚の幹細胞を、大量かつ簡便に、特異的に標識・分離することができる。また、本発明によれば、皮膚幹細胞の活性を制御することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明を適用することによって、皮膚幹細胞を特異的に標識することが可能な標識方法を提供することができる。また、皮膚幹細胞を特異的に標識できることで、当該標識に基づいて皮膚幹細胞を高精度に分離する方法を提供することができる。さらに、本発明を適用することによって、皮膚幹細胞の活性を制御する方法を提供することができる。さらに、皮膚組織を作製することができる。
1.皮膚幹細胞の標識
本発明に係る標識方法においては、皮膚幹細胞に含まれるF2抗原をターゲットとして、皮膚幹細胞を標識する。F2抗原とは、FHF-2の全長又は部分ペプチドを含む感作抗原を用いて作製した抗血清に含まれる抗体に反応する(を認識する)抗原を意味する。ここで、FHF-2とは、別名FGF-13とも呼ばれているが、現在FGF-17として整理されているものの命名上の混乱期においていったんFGF-13と称された分子/遺伝子とは、まったく独立別個の分子/遺伝子である(例えば、国際公開番号WO96/39508(特表平11-507504))。FHF-2は、例えば、「Smallwood P. M. et al., Proc. Natl. Acad. Sci U S A. 1996, September 3; 93(18): 9850-9857.」、「Hartung H. et al., Mech. Dev. 1997, Jun; 64(1-2): 31-39.」及び「Olsen S. K. et al., J. Biol. Chem. 2003, Jun 17 “FHFs share structural but not functional homology to FGFs.”(印刷中)」に開示されている。
特に、「Smallwood P. M. et al., Proc. Natl. Acad. Sci U S A. 1996, September 3; 93(18): 9850-9857.」において、FHF-2は、脳、眼及び腎臓で発現していることが示されている。
ここで、FHF-2としては、特に限定されず如何なる哺乳類動物由来のFHF-2を用いても良い。例えば、本発明において使用できるFHF-2としては、特に限定されないが、例えば、ヒト由来FHF-2、マウス由来FHF-2、ラット由来FHF-2、ニワトリ由来FHF-2及び七面鳥由来FHF-2を挙げることができる。
ヒト由来FHF-2のアミノ酸配列及び塩基配列をそれぞれ配列番号1及び2に示す。
マウス由来FHF-2のアミノ酸配列及び塩基配列をそれぞれ配列番号3及び4に示す。
ラット由来FHF-2のアミノ酸配列及び塩基配列をそれぞれ配列番号5及び6に示す。
ニワトリ由来FHF-2のアミノ酸配列及び塩基配列をそれぞれ配列番号7及び8に示す。
七面鳥由来FHF-2のアミノ酸配列及び塩基配列をそれぞれ配列番号9及び10に示す。
また、FHF-2の部分ペプチドとは、上述したような各種動物由来のFHF-2における連続した領域を意味する。抗血清を得るためには、全長FHF-2を抗原として使用する必要はなく、疎水性、二次構造及び他のタンパク質との差別化等を考慮して、全長FHF-2における連続した所定の領域を抗原として使用することができる。例えば、FHF-2の部分ペプチドとしては、マウス由来FHF-2における一部の領域であるGSKKRRRRRPEP(配列番号11)及びGEIMKGNHVKKNK(配列番号12)を使用することができる。これらマウス由来FHF-2部分ペプチドは、一方のみを使用しても良いし両方を使用しても良い。すなわち、抗血清を作製する際には、異なる複数のFHF-2部分ペプチドを抗原として使用しても良い。
さらに、全長FHF-2において、1又は複数のアミノ酸が欠失、置換及び付加してなるアミノ酸配列からなり、全長FHF-2と同じ抗原性を保持するタンパク質であっても、抗血清を作製する際の抗原として使用することができる。例えば、配列番号1に示すヒト由来FHF-2におけるN末端の62番目までが、他のアミノ酸と置換していても構わない(J Biol Chem 275, 2589-2597, 2000)。
さらに、FHF-2部分ペプチドにおいても、1又は複数のアミノ酸が欠失、置換及び付加してなるアミノ酸配列からなり、FHF-2部分ペプチドと同じ抗原性を保持するペプチドであっても、抗血清を作製する際の抗原として使用することができる。例えば、配列番号X及び配列番号Yに示すペプチドにおいて、N末端にシステイン残基が付加されたペプチドであってもよい。すなわち、BSA、KLH(keyhole lympet hemocyanin)、OVA等のキャリアータンパク質とコンジュゲートするため、FHF-2部分ペプチドのN末端に所望のアミノ酸を付加したペプチドを、抗血清を作製する際の抗原として使用することができる。
FHF-2の全長又は部分ペプチドを含む抗原を用いて抗血清を作成する方法としては、と君限定されないが、例えば、以下の方法又は当該方法に準じた方法を適宜使用することができる。
すなわち、先ず、一次構造上、他のタンパク質との相同性の低い領域を選び、さらに、生理的な環境下でタンパク質三次構造を形作ったときに外側に露出する可能性の高い親水性領域を選び、さらに二次構造予測により、ターン構造を形成する領域を選んで、これを抗原ペプチドの配列として決定する。次に、この配列に加えN末端またはC末端にシステイン残基を有する抗原ペプチドを化学合成によって作製する。そして、キャリアータンパク質として選択した高等動物には存在しないKLHに抗原ペプチドをシステイン残基を介して結合させる。このようにして作製した抗原を、アジュバントとともにウサギ皮下に注射(免疫)する。このようにして、免疫されたウサギは、その血液中にFHF-2抗原に対する抗体を持つようになる。抗体の力価は、例えば、免疫途中でモニターすることにより、確認することができる。このようにして作製された抗血清は、このまま用いても良いが、IgGとしてさらに精製した後に用いてもよい。
本発明に係る標識方法では、以上のようにして得られた抗血清を用いて皮膚幹細胞を特異的に標識することができる。本発明においては、如何なる動物由来の皮膚幹細胞であっても対象とされる。すなわち、皮膚幹細胞は、特に限定されず、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、サル、ウシ、ウマ、ブタ、ニワトリ、ヒツジ、ミンク、キツネ、イタチ等いかなる哺乳動物由来の皮膚幹細胞を挙げることができる。
本発明において「皮膚幹細胞」とは、分化機能を有する皮膚の構成細胞になるための前駆細胞を意味する。分化機能を有する皮膚の構成細胞としては、例えば、皮膚表皮細胞、表皮基底層細胞、真皮構成細胞、脂肪細胞、毛胞構成細胞、毛乳頭細胞などが挙げられる。
具体的に、哺乳動物から採取した皮膚切片を、上述したようにして得られた抗血清と接触させることによって、皮膚幹細胞を標識することができる。あるいは、哺乳動物から採取した皮膚をコラゲナーゼ酵素などで処理することで液内に剥がれ落ちる細胞を上述したようにして得られた抗血清と接触させることによって、皮膚幹細胞を標識することができる。
標識されたか否かの確認は、従来公知の如何なる手法を適用して行っても良い。例えば、得られた抗体を蛍光色素などで光学的に識別することで皮膚幹細胞を標識することができ、蛍光色素に由来する蛍光を観察する皮膚幹細胞が標識されたか否かを確認することができる。また、ビオチン-アビヂン結合などを利用して抗体を磁気ビーズに物理的に結合させることで、皮膚幹細胞が標識されたか否かを確認することができる。
一方、皮膚幹細胞を標識する際には、抗血清を用いる方法に限定されず、例えば、F2抗原を特異的に認識するモノクローナル抗体を用いてもよい。モノクローナル抗体は、従来公知の手法によって、当業者であれば適宜作製することができる。この他に、実験動物などの場合、FHF-2の転写を制御する制御領域(例えば、プロモーター領域)と、その下流に転写制御されうる形で連結されたリポーター遺伝子と組み込んだトランスジェニック動物を作製することにより、リポーター遺伝子の発現の有無によって標識されているか否かを判別できるようにしてもよい。
2.皮膚幹細胞の分離
上記「1.皮膚幹細胞の標識」で説明したように標識された幹細胞を、当該標識を利用して分離することができる。ここで「標識を利用して分離する」とは、標識された皮膚幹細胞を物理的方法により、他の細胞から分離することを意味する。上述したように、F2抗原を標識することで皮膚幹細胞を特異的に標識することができるため、他の細胞から皮膚幹細胞を高精度に分離することができる。
具体的に、標識された皮膚幹細胞を分離する方法としては、標識細胞を分離するために一般的に使用されている方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、FACS(蛍光標識細胞分離装置)や、マグネットビーズを利用した細胞分離方法などが挙げられる。
例えば、抗体を蛍光色素などで標識した場合には、一般的な方法でFACS(蛍光利用細胞分画装置)を用いて皮膚幹細胞を分離することができる。また、ビオチン-アビヂン結合などを利用して皮膚幹細胞を磁気ビーズに物理的に結合させた場合には、強力なマグネットを用いた磁気ビーズ分離装置などを利用することにより、皮膚幹細胞を分離することができる。
中でも、上述した抗血清を用いて標識した場合、標識された皮膚幹細胞は、分離後の細胞の生存を高いレベルで確保し、さらなる培養や増殖・分化誘導に適した性質を保持することが可能な方法によって分離することが好ましい。
3.分離した皮膚幹細胞の培養
上記「2.皮膚幹細胞の分離」で説明したようにして分離した皮膚幹細胞を、定法に従って培養することができる。皮膚幹細胞培養の培地としては、特に限定されず、基本的細胞培養液ならばいずれも使用可能である。皮膚幹細胞培養の培地としては、例えば、ダルベッコ変法MEM培地に10%牛胎仔血清(DMEM10%FCS)を添加した培地やMCDB153培地を用いることができる。
また、培地に対しては、増殖因子を添加しても良い。増殖因子としては、当業者であれば適宜設定することが可能であり、特に限定されない。例えば増殖因子としてkeratinocyte growth factor (KGF)を用いる場合、KGF濃度は約10〜300ng/mlとすることが好ましい。
さらに、培地に対しては、その他の成分を添加しても良い。その他の成分としては、皮膚幹細胞または当該細胞から派生する細胞を培養する目的で適切な成分を選択する。例えば、ウシ胎児血清、ヘパリン、カナマイシン(抗生物質)などを培地に対して添加することが当技術分野で公知である。ここで、皮膚幹細胞から派生する細胞とは、皮膚幹細胞から分化した細胞及び分離した皮膚幹細胞の子孫を含む意味である。皮膚幹細胞から分化した細胞としては、皮膚表皮の上皮細胞、皮膚上皮基底層の細胞、毛胞を構成する各種細胞、真皮の細胞及び脂肪細胞等を意味する。
さらにまた、培養条件としては、特に限定されないが、皮膚幹細胞または当該細胞から派生する細胞を培養するため目的で適宜条件を設定することができる。例えば、約37℃にて、約10〜40日間、好ましくは14〜35日間にわたり必要に応じて培地や容器を交換することで、分離した皮膚幹細胞を培養することができる。
以上のようにして、皮膚幹細胞及び当該細胞から派生する細胞を培養することによって、例えば、再生医療や脱毛治療などの目的のために最初に十分な量の皮膚細胞や毛胞構成細胞等を得ることが可能となる。また、皮膚幹細胞及び当該細胞から派生する細胞を得ることによって、当該細胞を詳細に分析し、分子機構を解明することが可能となる。その結果、皮膚再生の不良を伴う皮膚潰瘍や、皮膚の異常増殖を伴う各種生体の疾病として、皮膚幹細胞の分化や増殖の制御の不全がある可能性が考えられるが、本発明本発明により解明された分子機構により、これら疾病の治療及び/又は改善に役立つ知見を得ることができる。
4.皮膚組織の作製
上記「2.皮膚幹細胞の分離」で説明したようにして分離した皮膚幹細胞を、定法に従って培養することで、皮膚組織を作製することができる。ここで、皮膚組織とは、分離した皮膚幹細胞を培養することによって得られる、皮膚の各種の細胞からなる組織を意味する。皮膚の各種の細胞とは、特に限定されないが、皮膚表皮の上皮細胞、皮膚上皮基底層の細胞、毛胞を構成する各種細胞、真皮の細胞及び脂肪細胞等を意味する。
先ず、皮膚幹細胞からの皮膚の各種細胞への分化を制御する方法としては、特に確立された技術がため、本発明においては特に限定されない。例えば、自然分化(spontaneous differentiation)が起きた段階において異なる発現を示す増殖因子受容体を利用し、それぞれに対応するリガンド増殖因子を培地中に加えることにより、異なった分化方向を有する細胞を選択的に増幅することができる。異なった分化方向を有する細胞を選択的に増幅した後、皮膚組織を作製することができる。
人工皮膚組織の作製方法としては、特に定まった技術はないため、本発明においては限定されないが、例えば、上皮細胞だけを培養し層状に仕上げる方法、繊維芽細胞など真皮の構成細胞により真皮層を形成した後、上皮細胞を重層させて一体化する方法、その後上皮細胞の表面を空気に暴露することにより表皮化を促進させる方法、真皮層の変わりに、生物分解が可能な成分により形成された層状フィルムを用いる方法、など、様々な方法をとることができる。また、本発明は、ヒトから採取した皮膚組織から、上記「2.皮膚幹細胞の分離」で説明したようにして皮膚幹細胞を分離し、分離した皮膚幹細胞を用いて皮膚組織を作製するといった、いわゆる再生医療における皮膚組織の作製方法も適用される。このとき、新たに作製した皮膚組織は、採取したヒトと同一人に対して治療のために戻すことを前提としても良いし、採取したヒトと異なる他人に対して治療のために移植することを前提するものであってもよい。
5.幹細胞の活性制御方法
本発明によれば、皮膚幹細胞中のF2抗原の活性を調節(すなわち、阻害及び促進)することによって、皮膚幹細胞及び当該細胞から派生した細胞自体の活性を制御することができる。ここで、皮膚幹細胞及び当該細胞から派生した細胞の活性とは、皮膚幹細胞及び当該細胞から派生した細胞の増殖活性及び分化活性を意味する。
F2抗原の活性を阻害する方法としては、F2抗原に対する抗体を投与する方法が挙げられる。例えば、FHF-2の全長又は部分ペプチドを含む感作抗原を用いて作製した抗血清を投与することによって、当該抗血清に含まれる抗体を皮膚幹細胞内のF2抗原と反応させ、F2抗原の活性を阻害することができる。
また、F2抗原の活性を阻害する方法としては、F2抗原と構造的または機能的に類似した物質を共存させることにより、F2抗原とその受容体など相互作用分子の結合を阻害する方法がありうる。また、F2抗原の受容体によるシグナル伝達を阻害する物質によってF2抗原の活性を阻害することもできる。
一方、F2抗原の活性を促進する方法としては、FHF-2自体を投与する方法や別の物質を投与する方法が挙げられる。別の物質としては、FHF-2の部分ペプチド、及びその類似活性を示す物質を挙げることができる。
上述した方法によって、F2抗原の活性を阻害することで、皮膚幹細胞の増殖及び/又は分化を抑制することができる。したがって、例えば、上述した方法によりF2抗原の活性を阻害することで、皮膚の再生現象を遅延させることができる。皮膚の再生現象を遅延させることができれば、例えば、上皮細胞の過剰増殖により起こるケロイド状の創傷治癒過程を防ぐことができ、その結果、望ましい治癒過程へと制御することができる。
一方、上述した方法によって、F2抗原の活性を促進することで、皮膚幹細胞の増殖及び/又は分化を促進することができる。したがって、例えば、上述した方法によりF2抗原の活性を促進することで、皮膚の再生現象を促進することができる。
さらに、上述した方法によって、F2抗原の活性の促進及び阻害を適宜調節しながら制御することにより、皮膚幹細胞の分化の方向性を制御できると期待される。したがって、F2抗原の活性促進及び阻害を適宜調節しながら制御することで、上皮細胞への分化・増殖と、毛胞細胞への分化・増殖とのバランスを制御することができる。この技術を用いれば、毛髪の成長を抑制しつつ皮膚再生を促進したり、皮膚再生を抑制しつつ毛髪の成長を促進したりすることが可能となる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
〔参考例〕
先ず、モデル動物であるマウス(C3H/Heマウス…雄)の皮膚において、FHF-2のmRNA量を解析することで、FHF-2が高発現していることを以下のようにして確認した。毛周期における成長期にある皮膚サンプルを、5匹のマウスから採取した。具体的には、先ず、休止期(テロジェン)にある生後8週齢のマウスの背部体毛を抜去し、テロジェンを同調させた後、8日目に成長期(IV期〜VI期)となったところで安楽死させた。その後、皮膚サンプルを採取した。
採取した皮膚サンプルから以下のようにして全量RNAを抽出した。すなわち、皮膚サンプルを採取した後、直ちに背部皮膚を切除し、液体窒素中で凍結した後、ニッポンジーン社のアイソジェン試薬を用い、常法に基づいて、RNAを抽出し精製した。
次に、(dT)12-18をプライマーとして逆転写反応を行った。逆転写反応はギブコ社のSuperScriptIIを用い、メーカー指定の条件に従って行った。この逆転写反応によって、様々なcDNAがプールされたcDNA溶液を得た。
次に、得られたcDNA溶液に含まれるcDNAを鋳型とし、FHF-2をコードする遺伝子を特異的に増幅するプライマーを用いてPCRを行った。PCRはSTRATAGENE社のPfu plymeraseを用い、メーカー推奨の条件で行った。
プライマーとしては、以下の配列のものを使用した。
プライマー配列;5'-GGCAATGAACAGCGAGGGATACTTGTACAC-3'(配列番号13)
プライマー配列;5'-CGGATTGCTGCTGACGGTAGATCATTGATG-3'(配列番号14)
PCR産物をアガロースゲル電気泳動にかけた結果を図1に示す。図1においてMレーンは100bpラダーマーカーである。図1の結果より、PCR産物にFHF-2をコードするcDNAの存在を確認することができ、皮膚にFHF-2が発現していることが明らかとなった。
一方、得られたcDNA溶液に含まれるcDNAを鋳型として、各種のFGFをコードする遺伝子を特異的に増幅するプライマーを用いてPCRを行った。なお、各種のFGFとして、FGF-1、FGF-2、FGF-5、FGF-7、FGF-10、FHF-2(FGF-13)及びFGF-22について検討した。その後、標準プラスミドの連続希釈法によって、各種のFGFのコピー数を算出した。その結果を図2に示す。図2の結果より、皮膚において、FHF-2(FGF-13)が多量に発現していることが明らかとなった。
さらに、In situハイブリダイゼーション法によって、以下のようにFHF-2のmRNAの分布を確認した。先ず、8週齢C3H/Heマウスの休止期にある背部体毛を抜毛した後、8日間通常の飼育条件下で飼育した。飼育後、抜毛部分の皮膚を採取し、採取した皮膚サンプルを凍結し、厚さ4μmで切った。In situハイブリダイゼーションは、FHF-2のmRNAに特異的にハイブリダイズするアンチセンス・リボプローブ(ジゴキシゲニンでラベル)を使用した。また、比較のために、FGF-1のmRNAに特異的にハイブリダイズするアンチセンス・リボプローブ(ジゴキシゲニンでラベル)も準備した。さらに、対照のために、FHF-2及びFGF-1のセンス・リボプローブ(ジゴキシゲニンでラベル)も準備した。
皮膚サンプルに対するハイブリダイゼーションは、“Komminoth P: Digopxygenin as an alternative probe labeling for in situ hybridization. Diag. Mol. Pathol. 1:142-150, 1992”に記載された方法及び条件に従って行った。
そして、リボプローブとmRNAとのハイブリダイゼーションは、アルカリホスファターゼとコンジュゲートした抗ジゴキシゲニン抗体を用いて行い、BM Purpleを用いて可視化した。
結果を図3A〜Fに示す。図3A及びBはFHF-2のmRNAに特異的にハイブリダイズするアンチセンス・リボプローブを用いたときの結果を示す写真であり、図3CはFHF-2のmRNAのセンス・リボプローブを用いたときの結果を示す写真である。また、図3D及びEはFGF-1のmRNAに特異的にハイブリダイズするアンチセンス・リボプローブを用いたときの結果を示す写真であり、図3FはFGF-1のmRNAのセンス・リボプローブを用いたときの結果を示す写真である。図3A〜Fに示す結果より、FHF-2は毛包のバルジ領域に特異的に発現していることが明らかとなった。
〔実施例1〕抗血清の作製
本例では、FHF-2部分ペプチドを感作抗原として用いて抗血清を作製した。
先ず、マウス由来FHF-2における一部の領域であるGSKKRRRRRPEP(配列番号11)及びGEIMKGNHVKKNK(配列番号12)を、それぞれ含む2種類のFHF-2部分ペプチド(「CGSKKRRRRRPEP(配列番号15)」及び「CGEIMKGNHVKKNK(配列番号16)」)を合成した。なお、N末端のシステイン残基は、各FHF-2部分ペプチドをKLHとコンジュゲートするために付加している。本例では、上記各FHF-2部分ペプチドとKLHとをコンジュゲートしたものを抗原として使用した。
化学合成により作製した抗原を、アジュバントとともにウサギ皮下に注射(免疫)する。このようにして、免疫されたウサギは、その血液中にFHF-2抗原に対する抗体を持つようになる。抗体の力価は、免疫途中でモニターすることにより確認した。以上のようにして本例では、F2抗原を特異的に認識する抗血清を調製した。なお、この抗血清は、F2抗原と特異的に反応することを、ELISAのアッセイ系で確認した。
〔実施例2〕マウス皮膚幹細胞の標識方法
1.標識方法
C3H/Heマウス雄8週令の実験動物の背部体毛を抜毛した後、通常の飼育条件下で、0日、8日、18日、20日、及び22日飼育を継続した。飼育後、抜毛部分の皮膚を採取した。皮膚は凍結して皮膚試料としても良いし、固定後パラフィン包埋して皮膚試料としても良いが、本例ではフォルマリン固定後パラフィン包埋したものを皮膚試料とした。
得られた皮膚試料を、通常の方法により適切な厚さ(4μm)に切り、観察用試料とした。そして、得られた観察用試料に対して、実施例1で調製した抗血清で染色した。具体的には、皮膚切片を張り付けたスライドグラスを0.01Mクエン酸pH6.0液中で1分間煮沸することにより抗原活性化を行い、その後、実施例1で調製した抗血清と接触させて室温、2時間反応させた。反応後、PBSで洗浄し、続いて切片をbiotinylated goat anti-rabbitIgGと反応させ、その後、ZymedLaboratories社のHistostain-SPキットにより、発色させた(赤褐色)。切片はさらにヘマトキシリンでcounter染色をした(青)。
その結果を図4A、B及びCに示す。図4Bは図4Aを拡大したものである。図4CはFHF-2陽性の上皮細胞を示している。なお、比較のため、過剰量のエピトープペプチドを共存させて抗血清で染色した結果を図4Dに示し、また、通常の抗血清(F2抗原を認識しない抗血清)を用いて染色した結果を図4Eに示す。これら図4A〜Eに示すように、F2抗原は、成長期にある毛包のバルジ領域及び上皮における基底層に特異的に存在していることが明らかとなった。
2.毛周期におけるFHF-2発現
本例で示した皮膚幹細胞の標識方法によって、毛周期(休止期、成長期及び退行期)におけるFHF-2の発現パターンを検証した。C3H/Heマウスより、休止期、成長期及び退行期の各段階で皮膚を採取し、上記「1.標識方法」で説明した方法と同様にして、皮膚切片を作製し、染色を行った。
その結果を、図5A〜Jに示す。図5A〜Fは毛包部分の皮膚切片であり、図5G〜Jは上皮部分の皮膚切片である。図5Aは休止期(飼育0日目)、図5Bは成長期第5ステージ(飼育8日目)、図5Cは成長期第6ステージ(飼育18日目)、図5Dは退行期(飼育20日目)、図5E及びFは休止期(飼育22日目)である。なお、図5Fは毛包部分の横断面である。また、図5Gは成長期第5ステージ(飼育8日目)、図5Hは成長期第6ステージ(飼育18日目)、図5Iは退行期(飼育20日目)、図5Jは休止期(飼育22日目)である。
図5A〜Jから判るように、FHF-2を発現する皮膚幹細胞は、毛周期のいずれのフェーズにおいても発現しており、特に休止期(テロジェン)の毛包でその存在が広範囲にわたることが明らかとなった。
〔実施例3〕マウス皮膚幹細胞の分離方法
C3H/Heマウス雄8週令の実験動物の背部体毛を抜毛した後、通常の飼育条件下で、0日、8日、18日、20日、及び22日飼育を継続した。飼育後、抜毛部分の皮膚を採取した。次に、採取した皮膚に対して酵素処理を施し、公知の文献(Morris, R. J., Fisher, S. M., Slaga, T. J.; cancer research 46, 3061-3066, 1986)の方法に従って、皮膚細胞を単細胞レベルに分離した。
この酵素処理によって、皮膚組織を構成する細胞が単細胞となった皮膚細胞浮遊液を調製することができた。次に、この皮膚細胞浮遊液に実施例1で調製した抗血清を接触させ、抗血清に含まれる抗F2抗原抗体と細胞に含まれるF2抗原とを反応させた。
次に、ウサギ抗体を結合する表面処理を予め施した磁気ビーズと混合した。これにより、磁気ビーズ表面にF2抗原を有する細胞を、ビオチン-アビヂン結合を介して吸着させることができた。最後に、磁気ビーズ表面に吸着した細胞を分離する処理を施した。その結果、マウス皮膚幹細胞を他の細胞から分離することができた。
〔実施例4〕マウス皮膚幹細胞の活性制御による皮膚再生の抑制
本実施例においては、皮膚幹細胞がF2抗原陽性であり、その増殖分化活性にF2抗原が重要であることを用いて、F2抗原の活性を阻害して、皮膚の再生を抑制できることを実証した。
先ず、C3H/Heマウス雄8週令の実験動物の背部体毛を抜毛し、背部に直径8mmの全層欠損創傷を作製した。次に、傷周囲の皮膚の皮下に実施例1で調製した抗血清を投与した。実施例1で投与した抗血清は、F2抗原活性を中和する活性を有する抗体が含まれていることを予め確認した。
その後、通常の飼育条件下で、飼育を継続しつつ、創傷の治癒過程を撮影した。治癒の評価として創傷の直径を経時的に測定した。全層欠損創傷を作製後、この創傷の治癒過程で傷口の短径及び長径から面積を算定し、統計処理した数値をグラフ化したもの図6である。
図6から判るように、実施例1で調製した抗血清を投与した場合には、創傷の治癒過程が遅延していた。この結果から、皮膚組織において、F2抗原の活性を阻害する事によって皮膚幹細胞の増殖及び分化を抑制できることが明らかとなった。
〔実施例5〕マウス皮膚幹細胞の活性制御による毛髪成長の制御
本実施例においては、皮膚幹細胞がF2抗原陽性であり、その増殖分化活性にF2抗原が重要であることを用いて、F2抗原の活性を促進して、毛髪の成長を調節できることを実証した。
C3H/Heマウス雄8週令の実験動物の背部体毛を抜毛し、背部皮下にF2抗原を投与した。その後、通常の飼育条件下で、飼育を継続しつつ、経時的に体毛の成長過程を撮影した。そして、体毛の成長過程及び体毛の色素化を評価することにより、体毛の成長に対するF2抗原の効果を評価した。その結果からは、F2抗原は、体毛の成長に影響を与え、調節作用があることが判明した。
さらに、F2抗原の活性を阻害して、毛髪の成長を調節できることを実証した。すなわち、C3H/Heマウス雄8週令の実験動物の背部体毛を抜毛し、背部皮下に抗F2抗原中和抗体を投与した。その後、通常の飼育条件下で、飼育を継続しつつ、7日目に皮膚を採取し、切片標本を作成して体毛の成長過程を評価したものが図7である。Aは対照として正常血清を投与したもの、BとCは抗F2抗原中和抗体を投与したものである。図7に示すように、抗F2抗原中和抗体の投与により、毛の成長を正に制御すること(図7B)も、或いは負に制御すること(図7C)も可能であり、F2抗原の活性を阻害することで、毛包の形態や大きさに影響を与え得ることが明らかとなった。
C3H/Heマウス皮膚におけるFHF-2の発現を確認するために行ったアガロースゲル電気泳動の結果を示す写真である。 C3H/Heマウス皮膚における各種FGF及びFHF-2の発現量を比較した結果を示す特性図である。 C3H/Heマウス皮膚におけるFHF-2の発現を確認するために行ったIn situハイブリダイゼーション法の結果を示す写真である。 実施例2の「1.標識方法」で行った実験の結果を示す写真である。 実施例2の「2.毛周期におけるFHF-2発現」で行った実験の結果を示す写真である。 FHF-2活性が創傷の治癒過程に及ぼす影響を検討した結果を示す特性図である。 F2抗原の活性を阻害して体毛の成長を制御する実験の結果を示す写真である。

Claims (2)

  1. 配列番号15に示すアミノ酸配列からなるペプチド及び/又は配列番号16に示すアミノ酸配列からなるペプチドからなる感作抗原を用いて作製した抗血清により認識される抗原を標識する、毛包のバルジ領域及び/又は上皮基底層に特異的に存在する細胞の標識方法。
  2. 配列番号15に示すアミノ酸配列からなるペプチド及び/又は配列番号16に示すアミノ酸配列からなるペプチドからなる感作抗原を用いて作製した抗血清により認識される抗原を標識する工程と、
    標識された抗原を有する細胞を、当該抗原を有しない細胞と分離する工程とを含む、毛包のバルジ領域及び/又は上皮基底層に特異的に存在する細胞の分離方法。
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