JP3951148B2 - 皮膚付属器官様構造体を含む人工皮膚及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は医薬品、化粧品の薬効試験、安全性試験、または生体材料として利用するのに適した皮膚付属器官様構造体を含む人工皮膚およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より医薬品、化粧品など人体に直接適用される物質については、その開発段階において種々の薬効試験、薬理試験、安全性試験が行われている。通常、これらの試験ではマウス、ラットなどを用いた動物実験が行われているが、経費、時間、データの信頼性などの問題に加え、最近では動物愛護の観点から、動物実験の見直しが求められている。これを受け、様々な動物実験代替法が開発されている。これらの方法のうち、培養細胞を用いた細胞試験では単層に培養した単一種類の細胞が用いられることが多い。しかし、体内では単一種類の細胞が孤立して存在しているわけではなく、種々の細胞が相互に作用して、それぞれの細胞の生存と機能保持を行っている。そこで、より生体に近い結果を得るためには、多種類の細胞の相互作用を重視し、細胞の三次元配列をも考慮したモデル系を用いる必要がある。また、さらに高次な組織間の作用を検出する場合は、複数の組織器官を含んだ、より高次な組織モデル系も必要とされる。
【0003】
一方、臨床の場においては、創傷、熱傷の被覆材として、また整形用移植器材として、人工材料を用いた種々の人工臓器の開発が行われ、適用されてきた。しかし、これらは人工物であるがゆえ、生体適合性や治癒後の形状等の点において問題が指摘されている。これを受け、近年の細胞生物学の進歩に伴い、人工臓器作製のため積極的に細胞培養技術を応用しようとする試みが行われつつある。
【0004】
このような状況により、現在までに培養細胞を用いた種々の人工臓器モデルや、その製造方法が開発されてきた。例えば、皮膚のモデルである人工皮膚を例に挙げると、表皮角化細胞を多層上のシート上に培養したもの(Gallico,G.G.,et al., Eng.J.Med., 311, p448, 1984)、繊維芽細胞をコラーゲンゲル内で培養し、ゲルが収縮した後に、そのゲルの上に表皮角化細胞を播種、培養したもの(米国特許第4,485,096 号明細書)、やナイロンメッシュに繊維芽細胞を播種、培養してメッシュ空孔が繊維芽細胞の分泌物により埋まった時点でその上に表皮角化細胞を播種、培養したもの(Slivka,S.R.,et al. J.Invest.Dermatol. 96:544A, 1991 )、あるいはコラーゲンスポンジに繊維芽細胞を播種、培養した後、フィルム状のコラーゲンスポンジを重ね、さらに表皮角化細胞を播種、培養したもの(特開平6-292568号公報)などがある。
【0005】
生体内において皮膚は、層状に分化した表皮角化細胞により構成される表皮層と、繊維芽細胞とコラーゲンにより構成される真皮層からなり、さらに毛包、汗腺、皮脂腺、爪などの皮膚付属器官を含んでいる。しかしながら、上記人工皮膚は表皮角化細胞もしくは表皮角化細胞と繊維芽細胞の2種類の細胞によってのみ構成されているため、表皮層及び真皮層は認められるが、皮膚付属器官は存在せず、これら皮膚付属器官をも含めた人工皮膚を構築するに至っていない。よって、このような人工皮膚では皮膚付属器官を標的とした薬効性試験、安全性試験を行うことはできず、また、移植材として適用しても皮膚付属器官の再生は困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の問題点を解消すべく皮膚付属器官様構造体を含む人工皮膚を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、表皮角化細胞からなる表皮層を構成要素として有する人工皮膚に、細胞凝集塊を組み込むことにより皮膚付属器官様構造体を形成させた新規な人工皮膚を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は人工皮膚の真皮層を構成する支持体の一部に、皮膚付属器官様構造体を有し、さらに、該支持体の上に表皮層を有することを特徴とする皮膚付属器官様構造体を含む人工皮膚である。
【0009】
また、本発明は人工皮膚の真皮層を構成する支持体の中またはその上に、皮膚付属器官を構成する細胞の凝集塊を置き、必要により培養し、その表面に表皮角化細胞を播種し、次いで培養することを特徴とする皮膚付属器官様構造体を含む人工皮膚の製造方法である。
【0010】
【発明の実施態様】
本発明における人工皮膚の真皮層を形成する支持体とは、播種した表皮角化細胞の培養、分化に好適な、真皮層に相当する基底材であって、例えばコラーゲン、フィブロネクチン、コンドロイチン硫酸などの生体親和性高分子により被覆された培養器やそれら生体親和性高分子からなるゲルやスポンジ、または繊維芽細胞を播種、あるいは内封した前記生体親和性高分子などがある。また、ベルらの開発した人工皮膚では支持体として、繊維芽細胞とコラーゲン溶液の混合物を平板状にゲル化させたものを用いているが、本発明においても、これを支持体として用いることにより、細胞塊の組み込みを好適に行うことができる。このようなコラーゲンゲルの特に好ましい様態としては、コラーゲン溶液に1〜10×104 細胞/mlの繊維芽細胞を混合し、適当な容器内にてゲル化し、細胞の作用によりコラーゲンゲルが平板状に収縮し、コラーゲン密度が20〜100mg/mlになるまで培養することにより得られる。
【0011】
人工皮膚の真皮層を構成する支持体の一部とは、平板状の該真皮層の上面に接する状態であるか、あるいはその内部に含まれた状態に位置するものであって、該一部に皮膚付属器官様構造体を有するとは、平板状の真皮層に対して上記状態に位置する皮膚付属器官様構造体を意味する。
【0012】
本発明における皮膚付属器官とは、例えば、毛包、汗腺、乳腺、爪などの本体となる皮膚組織に属した器官を指す。また、皮膚付属器官様構造体とは、かかる皮膚付属器官に形態的および/あるいは生化学的に類似した性質を有する構造体を指し、本発明においては、該皮膚付属器官を構成する細胞の凝集塊を人工皮膚とともに培養して形成されるものである。該構造体は、さらに具体的には人工皮膚の真皮層を構成する支持体の中またはその上に、皮膚付属器官を構成する細胞の凝集塊を置き、必要により培養し、その表面に表皮角化細胞を播種し、次いで培養して形成される。
【0013】
本発明に用いられる皮膚付属器官を構成する細胞の凝集塊とは、生体内において毛包、汗腺、乳腺、爪などの皮膚付属器官を構成する細胞を分離、培養したものを人工的に凝集させた細胞塊を意味する。このような細胞種としては、毛乳頭細胞、乳腺細胞、汗腺細胞等が挙げられる。
該凝集塊は、細胞を遠心操作などにより物理的に作製することもできるが、より好ましくは細胞を細胞間の作用により自発的に集積させて作製することが望ましい。このように作製した多細胞性球状凝集塊は、一般にスフェロイドと呼ばれる。
また、スフェロイドを作製する方法としては、適当な細胞を基材に接着させず、培養液中に浮遊した状態で培養することにより行う。そのために用いられる培養基材は種々考案されており、市販のスフェロイド培養用培養容器等を用いて作製することができる。このように作製したスフェロイドは、通常の単層培養時と異なり、生体と類似した構造、機能を保持していることが知られている。
【0014】
本発明における新規な人工皮膚は、人工皮膚の真皮層を構成する支持体の一部に、皮膚付属器官様構造体を有し、さらに、該支持体の表面に表皮層を有することを特徴とする。本発明おける、表皮層は表皮角化細胞を支持体上に播種し、培養することにより、分化し、多層化したシート状の細胞層を形成させることにより作製する。その一例としては、繊維芽細胞を内封したコラーゲンゲルからなる支持体の一部に毛包様構造体を有し、さらに、該コラーゲンゲルの上に表皮を有する人工皮膚がある。
【0015】
本発明の製法は、人工皮膚の真皮層を構成する支持体の中またはその上に、皮膚付属器官を構成する細胞の凝集塊を組み込み、必要により培養し、その表面に表皮角化細胞を播種し、次いで培養して、皮膚付属器官様構造体を含む人工皮膚の製造する方法である。
皮膚付属器官を構成する細胞の凝集塊を上記支持体に組み込む方法としては、あらかじめ前記細胞凝集塊を上記支持体に接着あるいは内封させることにより行う。その後、表皮角化細胞を真皮層を構成する支持体の表面に播種、培養することにより、多層化したシート状の表皮角化層下に細胞凝集塊を組み込む。
細胞凝集塊を支持体に接着あるいは内封させる方法としては、例えば、支持体上に細胞凝集塊をのせ、湿潤状態下で接着させる。また、支持体がコラーゲン等の生体親和性高分子からなるゲルである場合は、コラーゲン溶液と細胞凝集塊の混合液を支持体上に重層することにより内封することができる。
細胞塊の大きさは人工皮膚に組み込める大きさであれば、特に限定しないが、好ましくは0.1〜10×104 細胞/塊のものを用い、支持体に対して、1〜50個/cm2 の密度で接着、あるいは内封させる。また、表皮角化細胞については、支持体に対して、好ましくは、0.5〜1×105 細胞/cm2 の密度で播種する。
【0016】
本発明においては、上記細胞凝集塊を組み込んだ支持体に表皮角化細胞を播種した後、適当な条件下で維持、培養することにより、皮膚付属器官様構造体を形成させる。これは細胞凝集塊を構成する細胞(皮膚付属器官を構成する細胞)と人工皮膚を構成する細胞(表皮角化細胞)の相互作用により、内因的に形態変化、分化誘導が起こった結果、生じたものであり、発生学的な器官形成と類似した作用によるものと考えられる。
該構造体を形成させる培養条件としては、使用した細胞に応じて適宜、選択する必要があるが、表皮角化細胞を空気中で露出させた状態で培養するエアーリキッドインターフェイス培養法などがあげられる。
このような培養条件としては、例えば、真皮層が培養液下で、かつ、表皮角化細胞が空気中に出るよう培地を添加し、37℃、10%CO2 下で10〜15日間培養して行う。
本発明では、例えば、細胞凝集塊を構成する細胞として毛乳頭細胞を用いた場合、皮膚付属器官様構造体として毛包様構造体形成させることができる。
【0017】
本発明方法の一実施態様は、下記工程を含む。
a.繊維芽細胞を含むコラーゲン溶液をゲル化させ、
b.スフェロイドを該コラーゲンゲルに接着あるいは内封させ、
c.該スフェロイドを接着あるいは内封させたコラーゲンゲルに表皮角化細胞を播種し、
d.該スフェロイドに含まれた細胞と該表皮角化細胞との生長により、皮膚付属器官様構造物を形成するに充分な条件下に維持する。
【0018】
【実施例】
次に、本発明を具体的に実施例にて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
参考例1 毛乳頭細胞スフェロイドの作製
実体顕微鏡下でラット頬髭毛包より毛乳頭を分離し、コラーゲンでコート処理した35mmプラスチックシャーレ(コースター社製)を用い、10%牛血清含有ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)にて毛乳頭細胞の分離培養を行った。細胞がコンフレントに達したところで継代し、7〜8継代目のものについて、同培地にて細胞を回収し、毛乳頭細胞懸濁液を得た。毛乳頭細胞懸濁液をスフェロイド培養用96穴プレート(住友ベークライト社製)に細胞が0.5〜2x104 個/穴になるよう播種し、37℃、5%CO2 下で3〜5日間培養し、毛乳頭細胞スフェロイドを作製した。
【0019】
参考例2 人工皮膚支持体コラーゲンゲルの作製
コラーゲンゲル作製方法はベルらの方法(Bell,E., et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 76,1274-,1979)に準じて行った。オルガノジェネシス社から購入したヒト繊維芽細胞を10%牛血清含有DMEMにて培養し、サブコンフレントに達した後、同培地にて細胞を回収し、繊維芽細胞懸濁液を得た。4℃において、9容量のコラーゲン溶液(オルガノジェネシス社製)に1容量の10倍濃度のイーグル最小必須培地(ギブコ社製)を加え、重曹をpHが中性付近になるまで攪拌しながら加えた。さらに10%量の牛血清を加えた後、上記繊維芽細胞懸濁液を、最終細胞濃度が2.5x104 個/mlになるようゆっくり加え、良く攪拌した。かかる混合溶液を6穴プレートに入ったトランスウェル(コースター社製)の内側に3mlずつ加え、室温にて15分間静置し、ゲル化させた。コラーゲンがゲル化した後、トランスウェルに10%牛血清含有DMEMを静かに添加し、37℃、10%CO2 下で5〜7日間培養し、繊維芽細胞の作用によってコラーゲンゲルを収縮させた後、人工皮膚の支持体に供した。
【0020】
実施例1 毛包様構造体を含む人工皮膚の作製
トランスウェルから培地を抜き取った後、作製した毛乳頭細胞スフェロイドを約10個ずつ、該コラーゲンゲル上に播種した。これを37℃、5%CO2 下で約1時間静置させることにより、スフェロイドをコラーゲンゲルに接着させた。次いで表皮角化細胞の播種、培養はベルらの方法(Parenteau,N.L.,etal.,J.Cellular Biochem.,45,245-,1991 )に従い、行った。すなわち、オルガノジェネシス社から購入したヒト表皮角化細胞をCa無添加DMEM:ハムF12培地=3:1を基礎とする培地、エピダーマリゼイション用培地(東洋紡社製)に懸濁して細胞懸濁液を得た。上記スフェロイドを接着させたコラーゲンゲル上に該細胞懸濁液を、細胞が0.5〜1×105 個/cm2 になるように添加した。
次いで、同培地をトランスウェルに静かに添加し、37℃、10%CO2 下で3〜5日間培養し、表皮角化細胞を充分、伸展させた。次に、Ca無添加DMEM:ハムF12培地=1:1を基礎とする培地、メインテナンス用培地(東洋紡社製)を、真皮層が培養液下で、かつ、表皮角化細胞が空気中に出るよう添加し、37℃、10%CO2 下で10〜15日間培養した。その結果、毛包様構造体を含む人工皮膚が得られた。
【0021】
実施例2 皮膚付属器官様構造体の確認
実施例1にて得られた毛包様構造体を含む人工皮膚をホルマリン固定し、組織切片を作製後、HE染色を行った。得られた組織切片像を図1および図2に示す。これらの図は毛包様構造体を含む人工皮膚のHE染色像を示した図面に代わる写真であり、図1では表皮層/真皮層境界部に毛乳頭細胞スフェロイドが組み込まれた像を示しており、図2では表皮層部に毛幹様の角化した領域が形成されていることを示している。図1および2から明らかなように、人工皮膚は天然皮膚に非常によく似た形態を示し、さらに、毛包様構造体として、表皮層/真皮層境界部に細胞が毛包状の毛乳頭細胞スフェロイドが組み込まれている像や、表皮層部に毛幹様の角化した領域があるのが確認された。さらに、得られた組織切片を毛乳頭細胞のマーカータンパク質の1つであるマウス抗ヒトタイプIVコラーゲン抗体(モノサン社製)と反応させ、アビジンービオチン法(ベクター社製キット使用)にて毛乳頭細胞の局在を調べた。得られた染色像を図3に示す。ここに示すように、毛包様の毛乳頭細胞スフェロイドが真皮層/表皮層境界に存在することが示された。
【0022】
【発明の効果】
本発明の人工皮膚は、生体組織と形態的におよび/あるいは生化学的に類似した皮膚付属器官様構造体を含む。したがって、これを動物実験代替のモデル系として利用することにより、より生体に近い様態で、薬効試験、安全性試験を行うことができる。さらに、移植用の生体材料としても好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】毛包様構造体を含む人工皮膚のHE染色像を示した図面に代わる写真であり、表皮層/真皮層境界部に毛乳頭細胞スフェロイドが組み込まれた像を示す。
【図2】毛包様構造体を含む人工皮膚のHE染色像を示した図面に代わる写真であり、表皮層部に毛幹様の角化した領域が形成されていることを示す。
【図3】毛包様構造体を含む人工皮膚のマウス抗ヒトタイプIVコラーゲン抗体の免疫染色像を示した図面に代わる写真である。
Claims (7)
- 下記工程を含むことを特徴とする皮膚付属器官様構造体を含む人工皮膚の製造方法。
a.繊維芽細胞を含むコラーゲン溶液をゲル化させ、b.皮膚付属器官を構成する細胞のスフェロイドを該コラーゲンゲルに接着あるいは内封させ、c.該スフェロイドを接着あるいは内封させたコラーゲンゲルに表皮角化細胞を播種し、d.真皮層が培養液下で、かつ、表皮角化細胞が空気中に出るよう培地を添加し、37℃、10%CO 2 下で10〜15日間培養して、該スフェロイドに含まれた細胞と該表皮角化細胞との生長により、皮膚付属器官様構造物を形成する。 - 人工皮膚の真皮層を構成する支持体の一部に、皮膚付属器官様構造体を有し、さらに、該支持体の上に表皮層を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法により製造された、皮膚付属器官様構造体を含む人工皮膚。
- 人工皮膚の真皮層を構成する支持体が、生体親和性高分子または繊維芽細胞を播種、あるいは内封した生体親和性物質からなる物質である請求項2記載の人工皮膚。
- 生体親和性高分子がコラーゲンまたはコラーゲンゲルである請求項3記載の人工皮膚。
- 皮膚付属器官が毛包、汗腺、乳腺または爪である請求項2記載の人工皮膚。
- 表皮層が表皮角化細胞からなる請求項2記載の人工皮膚。
- 繊維芽細胞を内封したコラーゲンゲルからなる支持体の一部に毛包様構造体を有し、さらに、該コラーゲンゲルの上に表皮を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法により製造された、皮膚付属器官様構造体を含む人工皮膚。
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