JP5086127B2 - パラメータ調整装置および調整方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プロセス制御技術に係り、特に制御対象に一定振幅の操作量を繰り返し出力するリミットサイクルを発生させて、この操作量の出力に応じた制御対象の応答に基づいてPID等の制御機器の制御パラメータを調整するオートチューニングの機能を備えたパラメータ調整装置および調整方法に関するものである。
温調計などの制御機器では、リミットサイクル方式のオートチューニング(以下、ATとする)機能が広く採用されており、これによりPID制御演算のためのPIDパラメータ値が自動決定される(例えば特許文献1参照)。このリミットサイクル式のATは、制御対象に出力する操作量MVに上限値と下限値を予め設定し、操作量振幅が一定のリミットサイクルを発生させて、PIDパラメータ値を調整するようにしたものである。
特開2006−106925号公報
特許文献1に開示された従来のATでは、操作量が指定された回数だけ上下動するリミットサイクルを発生させてATを終了するようになっている。しかしながら、予め指定された回数だけ操作量を上下動させる従来のATの場合、高次の制御対象では操作量の上下動回数が不足することがあり得る。
そのための対策として、必要な上下動回数をオペレータが判断して設定する方法も利用されているが、専門的な判断がオペレータに要求されることになる。また、ATを起動する際の条件に依存して、操作量の必要な上下動回数が変化することもある。すなわち、操作量の上下動回数をオペレータが設定したとしても、上下動回数が不足することがあり得ることに変わりはない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、従来よりも確実に必要な回数だけ操作量を上下動させることができるパラメータ調整装置および調整方法を提供することを目的とする。
本発明は、制御対象に一定振幅の操作量を繰り返し出力するリミットサイクルを発生させて、この操作量の出力に応じた前記制御対象の応答に基づいて制御機器の制御パラメータを算出するオートチューニングの機能を備えたパラメータ調整装置において、前記リミットサイクルを発生させるオートチューニング実行手段と、前記操作量の出力に応じた制御量の上下動幅を検出する上下動検出手段と、前記制御量の上下動幅の増幅の停止とこの上下動幅の減衰の停止とを別個に確認できたときに、前記オートチューニングを完了可能な状況であると判定するオートチューニング完了可否判定手段と、前記オートチューニングを開始した後に、前記制御量の上下動回数が予め規定された最低限の上下動回数を経過したときにパラメータ算出開始通知を行う上下動回数判定手段と、前記操作量の出力に応じた制御量の応答に基づき制御パラメータを算出して制御機器に設定するパラメータ値算出手段とを備え、前記パラメータ値算出手段は、前記パラメータ算出開始通知を受けた後、前記制御パラメータの算出に必要な制御量の応答が得られる度に、前記制御パラメータの算出と設定を行い、前記オートチューニング実行手段と前記パラメータ値算出手段とは、前記オートチューニング完了可否判定手段がオートチューニングを完了可能な状況であると判定した後に、前記オートチューニングを終えるようにしたものである
また、本発明のパラメータ調整方法は、前記リミットサイクルを発生させるオートチューニング実行手順と、前記操作量の出力に応じた制御量の上下動幅を検出する上下動検出手順と、前記制御量の上下動幅の増幅の停止とこの上下動幅の減衰の停止とを別個に確認できたときに、前記オートチューニングを完了可能な状況であると判定するオートチューニング完了可否判定手順と、前記オートチューニングを開始した後に、前記制御量の上下動回数が予め規定された最低限の上下動回数を経過したときにパラメータ算出開始通知を行う上下動回数判定手順と、前記操作量の出力に応じた制御量の応答に基づき制御パラメータを算出して制御機器に設定するパラメータ値算出手順とを備え、前記パラメータ値算出手順は、前記パラメータ算出開始通知が行われた後、前記制御パラメータの算出に必要な制御量の応答が得られる度に、前記制御パラメータの算出と設定を行い、前記オートチューニング完了可否判定手順でオートチューニングを完了可能な状況であると判定した後に、前記オートチューニングを終えるようにしたものである
本発明によれば、制御量の上下動幅の増幅が停止したことと、制御量の上下動幅の減衰が停止したことを別個に確認できたときに、制御量の安定した上下動波形が得られたと判断してオートチューニングを終了するようにしたので、高次の制御対象の場合でも操作量の上下動回数が不足することがなくなり、制御機器のオートチューニングにおいて従来よりも確実に必要な回数だけ操作量を上下動させることができる。
また、本発明では、オートチューニングを開始した後に、制御量の上下動回数が予め規定された最低限の上下動回数を経過したときから、制御パラメータの算出に必要な制御量の応答が得られる度に、制御パラメータの算出と設定を行うようにしているので、オートチューニングを何らかの事情により途中で終了せざるを得ない状況が発生したとしても、制御機器には理想的な値に近い制御パラメータが既に設定されている確率が高くなる。その結果、本発明では、オートチューニングを中断する場合に、それまでのリミットサイクルに要した時間と手間が無駄になる確率を低減することができる。
[発明の原理1]
図1〜図5は本発明の原理を説明するための図であり、図1〜図3、図5はAT実行時の操作量出力に応じた制御量PVの変化の例を示す波形図、図4はマルチループの温度制御系の例を示す図である。図1〜図3において、SPは設定値である。図1は上下動する操作量出力に応じて制御量PVの上下動幅が増幅しながら安定する例を示し、図2は制御量PVの上下動幅が減衰しながら安定する例を示し、図3はAT開始後に制御量PVがすぐに安定する例を示している。
図4の例は、焼成炉10の内部の温度を温調計13−1〜13−5によって制御するものである。温度センサ12−1〜12−5は、それぞれヒータ11−1〜11−5によって加熱されるゾーンZ1〜Z5の温度を測定する。温調計13−1〜13−5は、それぞれ温度センサ12−1〜12−5によって測定された温度が設定値と一致するように操作量を算出する。電力機器14−1〜14−5は、それぞれ温調計13−1〜13−5から出力された操作量に応じた電力をヒータ11−1〜11−5に供給する。図4の例では、ゾーンZ1,Z3,Z5(温調計13−1,13−3,13−5)のみATを実行しているところを示している。
図5(A)はAT実行時に温調計13−3から出力された操作量に応じて焼成炉10のゾーンZ3の温度PV3が上下動する例を示し、図5(B)は温調計13−1から出力された操作量に応じて焼成炉10のゾーンZ1の温度PV1が上下動する例を示している。図5(A)、図5(B)において、SP3はゾーンZ3の温度設定値、SP1はゾーンZ1の温度設定値である。図5(A)、図5(B)は、ゾーンZ3の温度PV3やヒータ11−1のオン/オフの影響でゾーンZ1の温度PV1の上下動の中心点が安定せず、温度PV1の上下動幅が微妙に増幅と減衰を繰り返してしまう例を示している。
高次の制御対象の場合に、従来のATにおいて操作量MVの上下動回数が不足する理由は、制御量PVの上下動の状態が安定するまでに操作量MVの複数回の上下動を要するためであり、操作量MVの必要な上下動回数を予め想定することは難しい。原理的には、制御量PVの安定した上下動は、その振幅も周期も制御対象により概ね一定である。ここで、ATの起動条件によっては、制御量PVの上下動幅が徐々に増幅していきながら安定した上下動に近づく図1の場合や、制御量PVの上下動幅が徐々に減衰していきながら安定した上下動に近づく図2の場合や、制御量PVの安定した上下動が得られやすい条件に偶然近い状況から始まる図3の場合があることに、発明者は着眼した。
さらに重要なポイントとして、例えば図4に示したマルチループの温度制御系(ゾーン制御系)においては、隣接ゾーンでなくても多少の温度干渉のある複数のゾーンでATを同時に起動する場合があり、図5(B)に示したように時定数の関係によっては制御量PVの上下動幅が微妙に増幅と減衰を繰り返してしまう場合があることに、発明者は着眼した。
そして、図1〜図4、図5(A)、図5(B)のあらゆるケースを想定すると、制御量PVの上下動幅の増幅が停止したことと、制御量PVの上下動幅の減衰が停止したことを別個に確認できたときに、操作量MVの必要な上下動回数による制御量PVの安定した上下動波形が得られたと判断してATを終了すれば、課題解決のために有効であることに、発明者は想到した。換言すれば、制御量PVの安定した上下動波形を検出しようとすることは現実的ではなく、増幅のみの継続が終了したことと、減衰のみの継続が終了したことを、「別個に確認する」ことが、汎用的な制御機器において十分に実用的なリミットサイクル波形の検出方法だということである。なお、「別個に確認する」とは、制御量PVの上下動幅の減衰停止を確認した後に制御量PVの上下動幅の増幅停止を確認するか、あるいは制御量PVの上下動幅の増幅停止を確認した後に制御量PVの上下動幅の減衰停止を確認することをいう。
[発明の原理2]
上記のように制御量PVの上下動幅の増幅停止や減衰停止を確認してATを終了すると、操作量MVの上下動回数が多くなるケースが想定される。操作量MVの上下動回数が多くなると、何らかの事情によりATを中断する場合に、途中で終了せざるを得ないという状況が発生しやすくなる。制御量PVの上下動幅の増幅停止や減衰停止を確認する場合、完全な確認がとれなくても、確認がとれる以前の段階で制御量PVの上下動は理想的な状態に近づいている。したがって、制御量PVの最低限の上下動回数が得られたときから、中間判断として段階的にPIDパラメータ値を算出して記憶するようにすれば、ATを中断する場合に、それまでの上下動が無駄になる確率を低減できることに、発明者は着眼した。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図6は本発明の第1の実施の形態に係るパラメータ調整装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態は、上記発明の原理1に対応するものである。
パラメータ調整装置1は、制御対象に一定振幅の操作量MVを繰り返し出力するリミットサイクルを発生させるAT実行部3と、この操作量MVの出力に応じた制御量PVの上下動幅(ピークトゥピーク)を検出する上下動検出部4と、制御量PVの上下動幅の増幅の停止とこの上下動幅の減衰の停止とを別個に確認できたときに、ATを完了可能な状況であると判定するAT完了可否判定部5と、AT完了可否判定部5がATを完了可能な状況であると判定した後に、制御量PVの上下動回数が予め規定された上下動回数を経過したときにAT完了通知を行う上下動回数判定部6と、操作量MVの出力に応じた制御量PVの応答に基づきPIDパラメータを算出してPID制御機器2に設定するPIDパラメータ値算出部7とを有する。
図7は本実施の形態のパラメータ調整装置1およびPID制御機器2を適用する温度制御系の1例を示す図である。図7の例では、加熱処理炉111の内部にヒータ112と温度センサ113とが設置されている。温度センサ113は、ヒータ112によって加熱される空気の温度PVを測定する。温調計100は、温度PVが設定値SPと一致するように操作量MVを算出する。電力調整器114は、操作量MVに応じた電力を決定し、この決定した電力を電力供給回路115を通じてヒータ112に供給する。こうして、温調計100は、加熱処理炉111内の温度を制御する。パラメータ調整装置1およびPID制御機器2は、この温調計100の内部に設けられるものである。
以下、パラメータ調整装置1およびPID制御機器2の動作を説明する。図8はパラメータ調整装置1の動作を示すフローチャート、図9は本実施の形態で用いるリミットサイクル式のATを説明するための波形図である。
設定値SPは、オペレータによって設定され、パラメータ調整装置1とPID制御機器2に入力される。制御量PVは、図示しないセンサによって検出され、パラメータ調整装置1とPID制御機器2に入力される。
例えばオペレータの指示によりAT機能が起動すると(図8ステップS1)、AT実行部3は、リミットサイクルを発生させる(ステップS2)。つまり、AT実行部3は、制御量PVが設定値SPより大きい場合、予め定められた操作量下限設定値ALを操作量MVとして制御対象に出力し、制御量PVが設定値SP以下の場合、予め定められた操作量上限設定値AUを操作量MVとして制御対象に出力することを、一定の動作周期毎に繰り返し行う。こうして、図9に示すように操作量MVの振幅が一定のリミットサイクルが発生する。なお、図7の例の場合、操作量MVの出力先が電力調整器114であることは言うまでもない。
次に、上下動検出部4は、制御量PVの上下動幅を検出する(ステップS3)。上下動検出部4は、設定値SPと制御量PVとの偏差(SP−PV)が正の値になるとき(制御量PVが設定値SPより小さいとき)に検出される最大の偏差絶対値である|Era|=|SP−PV|を検出し、また偏差(SP−PV)が負の値になるとき(制御量PVが設定値SPより大きいとき)に検出される最大の偏差絶対値である|Erb|=|SP−PV|を検出する。そして、上下動検出部4は、次式により制御量PVの上下動幅ΔPVを算出する。
ΔPV=|Era|+|Erb| ・・・(1)
そして、上下動検出部4は、制御量PVの上下動幅ΔPVの値をAT完了可否判定部5と上下動回数判定部6に通知する。さらに、上下動検出部4は、設定値SPと制御量PVの極値との偏差(SP−PV)である極値偏差Erと、この極値偏差Erの直前に偏差(SP−PV)の正負が逆転した時刻から極値偏差Erが得られた時刻までの時間である操作量切換経過時間ThとをPIDパラメータ値算出部7に通知する。上記の最大偏差絶対値|Er|は、極値偏差Erの絶対値であることは言うまでもない。
なお、上下動検出部4は、一定の動作周期毎に動作するが、上下動幅ΔPVの算出は動作周期毎とは限らない。上下動幅ΔPVが算出されるのは、図9に示すように最大偏差絶対値|Erb|が検出された後に最大偏差絶対値|Era|が検出されたとき、あるいは最大偏差絶対値|Era|が検出された後に最大偏差絶対値|Erb|が検出されたときのいずれかである。
続いて、AT完了可否判定部5は、最新の上下動幅ΔPVnと直前の上下動幅ΔPVn-1とから、ATを完了可能な状況であるかどうかを判定する(ステップS4)。まず、AT完了可否判定部5は、直前の上下動幅ΔPVn-1に対する最新の上下動幅ΔPVnの割合が式(2)を満たすときに、制御量PVの上下動幅が増幅していると判定する(すなわち、上下動幅の減衰が停止したと判定する)。
ΔPVn/ΔPVn-1>1−ξ ・・・(2)
ξは上下動幅の増幅や減衰を検出するためのマージンであり、例えば0.05である。マージンξをもって上下動幅の増幅を検出するということは、制御量PVの上下動幅が減衰し続ける状況が停止して、これ以上は減衰しなくなった状態であることを検出することを意味する。
また、AT完了可否判定部5は、直前の上下動幅ΔPVn-1に対する最新の上下動幅ΔPVnの割合が式(3)を満たすときに、制御量PVの上下動幅が減衰していると判定する(すなわち、上下動幅の増幅が停止したと判定する)。
ΔPVn/ΔPVn-1<1+ξ ・・・(3)
マージンξをもって上下動幅の減衰を検出するということは、制御量PVの上下動幅が増幅し続ける状況が停止して、これ以上は増幅しなくなった状態であることを意味する。
AT完了可否判定部5は、AT開始時点から現時点までの間に式(2)と式(3)のうち少なくとも一方が成立したことがない場合、ATを完了可能な状況でないと判定する(ステップS4においてNO)。ATを完了可能な状況でないと判定された場合は、ステップS2に戻る。こうして、ステップS2〜S4の処理が一定の動作周期毎に繰り返し実行される。この動作周期は、通常、PID制御機器2の制御周期と同じでよい。
そして、AT完了可否判定部5は、AT開始時点から現時点までの間に式(2)が成立して制御量PVの上下動幅の減衰停止を検出した後に式(3)が成立して制御量PVの上下動幅の増幅停止を検出した場合、あるいはAT開始時点から現時点までの間に制御量PVの上下動幅の増幅停止を検出した後に制御量PVの上下動幅の減衰停止を検出した場合、ATを完了可能な状況であると判定する(ステップS4においてYES)。
図1の例の場合、制御量PVの上下動幅が徐々に増幅していきながら安定した上下動に近づくので、ATの開始当初に式(2)が成立して制御量PVの上下動幅の減衰停止が検出され、その後に式(3)が成立して制御量PVの上下動幅の増幅停止が検出されることになる。また、図2の例の場合、制御量PVの上下動幅が徐々に減衰していきながら安定した上下動に近づくので、ATの開始当初に制御量PVの上下動幅の増幅停止が検出され、その後に制御量PVの上下動幅の減衰停止が検出されることになる。図3や図5(B)の場合は、そのときの状況に応じて式(2)、式(3)の順、あるいは式(3)、式(2)の順で成立することになる。
AT完了可否判定部5は、ATを完了可能な状況であると判定した場合、AT完了可能通知信号を上下動回数判定部6とPIDパラメータ値算出部7に出力する(ステップS5)。
続いて、上下動回数判定部6は、AT完了可能通知信号を受けた時点から現時点までの間に制御量PVの上下動回数が予め規定された上下動回数(通常は3回程度)を経過したかどうかを判定する(ステップS6)。予め規定された上下動回数を経過していない場合は、ステップS7に進み、リミットサイクルを継続する。ステップS7のリミットサイクルの継続とステップS8の上下動幅の検出は、それぞれステップS2,S3の処理と同じである。こうして、ステップS6〜S8の処理が一定の動作周期毎に繰り返し実行される。
上下動回数判定部6は、AT完了可能通知信号を受けた時点から現時点までの間に制御量PVの上下動回数が予め規定された上下動回数を経過したと判定した場合(ステップS6においてYES)、AT完了通知信号をAT実行部3とPIDパラメータ値算出部7に出力する(ステップS9)。
AT完了通知信号を受けたAT実行部3は、リミットサイクルを終了する。また、AT完了通知信号を受けたPIDパラメータ値算出部7は、PIDパラメータを算出する(ステップS10)。図10はPIDパラメータ値算出部7の動作を説明するための波形図である。
PIDパラメータ値算出部7は、AT完了可能通知信号の受信時刻からAT完了通知信号の受信時刻(図10のt7)までの間に、PIDパラメータ値を算出するために必要な情報として、設定値SPと制御量PVの最新の極値との偏差である第1の極値偏差Er1、設定値SPと制御量PVの2番目に新しい極値との偏差である第2の極値偏差Er2、第1の極値偏差Er1の直前に偏差の正負が逆転した時刻t5から第1の極値偏差Er1が得られた時刻t6までの時間である第1の操作量切換経過時間Th1、第2の極値偏差Er2の直前に偏差の正負が逆転した時刻t3から第2の極値偏差Er2が得られた時刻t4までの時間である第2の操作量切換経過時間Th2を、上下動検出部4から取得している。
そして、PIDパラメータ値算出部7は、上下動検出部4から取得した情報と、PIDパラメータ値算出用に予め定められた算出係数α,β,γ(例えばα=1、β=1、γ=1)により、PIDパラメータを以下のように算出する(ステップS10)。
Pb=100.0α|Er2−Er1|/{0.9(AU−AL)} ・・・(4)
Ti=β(Th1+Th2) ・・・(5)
Td=0.21γ(Th1+Th2) ・・・(6)
PIDパラメータ値算出部7は、算出した比例帯Pb、積分時間Tiおよび微分時間TdをPID制御機器2に設定する。以上でATが完了する。なお、ATの詳細については、例えば特許文献1や特開2003−330504号公報などに開示されている。
ATの完了後、PID制御機器2は、設定値SPと制御量PVに基づいて、次式のように操作量MVを算出して制御対象に出力することを制御周期毎に行う。
MV=(ζ/Pb){1+(1/Tis)+Tds}(SP−PV) ・・・(7)
式(7)において、sはラプラス演算子、定数ζは例えば100である。ATの場合と同様に、図7の例の場合、操作量MVの出力先が電力調整器114であることは言うまでもない。
以上のように、本実施の形態では、制御量PVの上下動幅の増幅が停止したことと、制御量PVの上下動幅の減衰が停止したことを別個に確認できたときに、制御量PVの安定した上下動波形が得られたと判断してオートチューニングを終了するようにしたので、高次の制御対象の場合でも操作量MVの上下動回数が不足することがなくなり、従来よりも確実に必要な回数だけ操作量MVを上下動させることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上記発明の原理2に対応するものである。本実施の形態においても、パラメータ調整装置1とPID制御機器2の構成は第1の実施の形態と同様であるので、図6の符号を用いて説明する。図11は本実施の形態のパラメータ調整装置1の動作を示すフローチャートである。
図11のステップS1〜S3の処理は第1の実施の形態と同じである。次に、上下動回数判定部6は、AT開始時点から現時点までの間に制御量PVの上下動回数が予め規定された最低限の上下動回数(例えば極大と極小を2回ずつ)を経過したかどうかを判定する(ステップS11)。予め規定された最低限の上下動回数を経過していない場合は、ステップS4に進む。ステップS4の処理は第1の実施の形態と同じである。
こうして、第1の実施の形態と同様にステップS2,S3,S11,S4,の処理が一定の動作周期毎に繰り返し実行され、制御量PVの上下動回数が予め規定された最低限の上下動回数を経過すると(ステップS11においてYES)、上下動回数判定部6は、パラメータ算出開始通知信号をPIDパラメータ値算出部7に出力する。
パラメータ算出開始通知信号を受けたPIDパラメータ値算出部7は、PIDパラメータを算出し、算出したPIDパラメータをPID制御機器2に設定する(ステップS12)。このステップS12の処理はステップS10と同様である。
次に、ステップS4〜S10の処理は第1の実施の形態と同じである。AT完了可否判定部5がAT完了可能通知信号を出力した後、上下動回数判定部6がAT完了通知信号を出力するまでの間、第1の実施の形態と同様にステップS6〜S8のループが繰り返される。
こうして、本実施の形態では、制御量PVの最低限の上下動回数が得られたときから、PIDパラメータを算出してPID制御機器2に設定するようにしているので、ATを何らかの事情により途中で終了せざるを得ない状況が発生したとしても、PID制御機器2には理想的な値に近いPIDパラメータが既に設定されている確率が高くなる。その結果、本実施の形態では、ATを中断する場合に、それまでのリミットサイクルに要した時間と手間が無駄になる確率を低減することができる。
図12〜図15は本実施の形態におけるPIDパラメータ算出の状況を示す波形図である。制御量PVの上下動幅が徐々に増幅していきながら安定した上下動に近づく図12の例では、AT開始時点から制御量PVの極大と極小が2回ずつ経過した時点で、PIDパラメータの算出が開始され、計4回PIDパラメータが算出されたところでATが完了した例を示している。制御量PVの上下動幅が徐々に減衰していきながら安定した上下動に近づく図13の例の場合も、計4回PIDパラメータが算出されたところでATが完了した例を示している。
AT開始後に制御量PVがすぐに安定する図14の例では、1回PIDパラメータが算出された時点でATが完了した例を示している。制御量PVの上下動幅が微妙に増幅と減衰を繰り返す図15の例では、計2回PIDパラメータが算出されたところでATが完了した例を示している。
なお、第1、第2の実施の形態で説明したパラメータ調整装置1およびPID制御機器2は、CPU、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1、第2の実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、PID等の制御機器のパラメータ調整に適用することができる。
オートチューニング実行時の操作量出力に応じた制御量の変化の例を示す波形図である。 オートチューニング実行時の操作量出力に応じた制御量の変化の他の例を示す波形図である。 オートチューニング実行時の操作量出力に応じた制御量の変化の他の例を示す波形図である。 マルチループの温度制御系の例を示す図である。 オートチューニング実行時の操作量出力に応じた制御量の変化の他の例を示す波形図である。 本発明の第1の実施の形態に係るパラメータ調整装置の構成を示すブロック図である。 図6のパラメータ調整装置およびPID制御機器を適用する温度制御系の1例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係るパラメータ調整装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態で用いるリミットサイクル式のオートチューニングを説明するための波形図である。 本発明の第1の実施の形態に係るパラメータ調整装置のPIDパラメータ値算出部の動作を説明するための波形図である。 本発明の第2の実施の形態に係るパラメータ調整装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態におけるPIDパラメータ算出の状況を示す波形図である。 本発明の第2の実施の形態におけるPIDパラメータ算出の状況を示す波形図である。 本発明の第2の実施の形態におけるPIDパラメータ算出の状況を示す波形図である。 本発明の第2の実施の形態におけるPIDパラメータ算出の状況を示す波形図である。
符号の説明
1…パラメータ調整装置、2…PID制御機器、3…AT実行部、4…上下動検出部、5…AT完了可否判定部、6…上下動回数判定部、7…PIDパラメータ値算出部。

Claims (2)

  1. 制御対象に一定振幅の操作量を繰り返し出力するリミットサイクルを発生させて、この操作量の出力に応じた前記制御対象の応答に基づいて制御機器の制御パラメータを算出するオートチューニングの機能を備えたパラメータ調整装置において、
    前記リミットサイクルを発生させるオートチューニング実行手段と、
    前記操作量の出力に応じた制御量の上下動幅を検出する上下動検出手段と、
    前記制御量の上下動幅の増幅の停止とこの上下動幅の減衰の停止とを別個に確認できたときに、前記オートチューニングを完了可能な状況であると判定するオートチューニング完了可否判定手段と、
    前記オートチューニングを開始した後に、前記制御量の上下動回数が予め規定された最低限の上下動回数を経過したときにパラメータ算出開始通知を行う上下動回数判定手段と
    前記操作量の出力に応じた制御量の応答に基づき制御パラメータを算出して制御機器に設定するパラメータ値算出手段とを備え、
    前記パラメータ値算出手段は、前記パラメータ算出開始通知を受けた後、前記制御パラメータの算出に必要な制御量の応答が得られる度に、前記制御パラメータの算出と設定を行い、
    前記オートチューニング実行手段と前記パラメータ値算出手段とは、前記オートチューニング完了可否判定手段がオートチューニングを完了可能な状況であると判定した後に、前記オートチューニングを終えることを特徴とするパラメータ調整装置。
  2. 制御対象に一定振幅の操作量を繰り返し出力するリミットサイクルを発生させて、この操作量の出力に応じた前記制御対象の応答に基づいて制御機器の制御パラメータを算出するオートチューニングの機能を備えたパラメータ調整方法において、
    前記リミットサイクルを発生させるオートチューニング実行手順と、
    前記操作量の出力に応じた制御量の上下動幅を検出する上下動検出手順と、
    前記制御量の上下動幅の増幅の停止とこの上下動幅の減衰の停止とを別個に確認できたときに、前記オートチューニングを完了可能な状況であると判定するオートチューニング完了可否判定手順と、
    前記オートチューニングを開始した後に、前記制御量の上下動回数が予め規定された最低限の上下動回数を経過したときにパラメータ算出開始通知を行う上下動回数判定手順と、
    前記操作量の出力に応じた制御量の応答に基づき制御パラメータを算出して制御機器に設定するパラメータ値算出手順とを備え、
    前記パラメータ値算出手順は、前記パラメータ算出開始通知が行われた後、前記制御パラメータの算出に必要な制御量の応答が得られる度に、前記制御パラメータの算出と設定を行い、
    前記オートチューニング完了可否判定手順でオートチューニングを完了可能な状況であると判定した後に、前記オートチューニングを終えることを特徴とするパラメータ調整方法。
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