JP7006637B2 - 外乱抑制装置、外乱抑制方法、およびプログラム - Google Patents

外乱抑制装置、外乱抑制方法、およびプログラム Download PDF

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Description

この発明は、外乱抑制装置、外乱抑制方法、およびプログラムに関し、たとえば、制御系に対する外乱による影響を抑制することが可能な、外乱抑制装置、外乱抑制方法、およびプログラムに関する。
制御系に対して印加される外乱を予測し、当該制御系に対する当該外乱による影響を低減する技術が、存在する(たとえば、特許文献1:特開2000-227801号公報)。特許文献1には、外乱操作量予測手段および外乱操作量印加手段が、記載されている。外乱操作量予測手段は、外乱を打ち消すための外乱操作量を予測する。そして、外乱操作量印加手段は、外乱が印加された時、当該外乱を打ち消すように、上記外乱操作量を、PID制御手段からの操作量に加える。これにより、制御対象に対して、外乱の影響を抑制することを図っている。
特開2000-227801号公報
しかしながら、時間の経過とともに、上記制御系において、システム変動が生じ得る。ここで、当該制御系がヒータを含む場合には、当該ヒータの劣化により、システム変動が生じる。また、システム変動は、夏-冬間の周囲温度の変化、および処理対象のワークの変動等によっても、生じ得る。そして、精度のよい外乱抑制を達成するためには、システム変動が発生する前に予測した外乱操作量を、システム変動が発生した後においても使用することは、適切ではないと考えられる。
そこで、この発明の課題は、外乱抑制装置において、システム変動が生じたとしても、精度の高い外乱抑制を行うことが可能な、外乱抑制装置、外乱抑制方法、およびプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するため、この開示に係る外乱抑制装置は、
制御系に印加される外乱の抑制を行う外乱抑制装置であって、
上記制御系は、
制御対象と、
目標値と制御量との偏差をなくすように、上記制御対象に対してPID操作量を出力するPID制御部とを含み、
上記外乱抑制装置は、
上記制御系に印加される外乱に対応して、当該外乱を打ち消すように作用する外乱操作量を予測して作成する外乱操作量予測部と、
上記外乱操作量を上記PID操作量に印加し得る、外乱操作量印加部と、
上記制御系について、時期に応じて、上記PID制御部の制御パラメータを調整する調整処理を行って、比例帯を表す情報を取得する、比例帯情報取得部と、
第1の時期に、上記比例帯情報取得部により情報取得された第1の比例帯と、上記第1の時期よりも後の第2の時期に、上記比例帯情報取得部により情報取得された第2の比例帯との間の、比例帯変化率を求め、当該比例帯変化率を用いて、上記制御系のシステム変動率を決定する、システム変動率決定部と、
上記第1の時期について上記外乱操作量予測部が作成した上記外乱操作量を、上記システム変動率で除算することにより、上記第2の時期についての外乱操作量を作成する、外乱操作量補正部とを、備える、ことを特徴とする。
本明細書で、PID制御(部)とは、フィードバック制御の一種であって、比例制御(P制御)、積分制御(I制御)、および、微分制御(D制御)を行うものをいう。
また、「外乱操作量」とは、外乱を打ち消すために、印加される操作量を意味する。外乱による上記フィードバック制御系に対する影響が、時間の経過に伴って定形化されたものであれば、外乱操作量も時間の経過に伴って定形化(パターン化)される。
また、「比例帯」とは、操作量を0から100%まで変化させるために必要な制御量の幅を意味する。また、「比例帯変化率」とは、比例帯の変化率を意味する。
この開示に係る外乱抑制装置では、外乱操作量予測部は、外乱を打ち消すように作用する外乱操作量を予測・作成する。比例帯情報取得部は、時期に応じて、PID制御部の制御パラメータを調整する調整処理を行って、比例帯を表す情報を取得する。システム変動率決定部は、第1の時期に、比例帯情報取得部により情報取得された第1の比例帯と、上記第2の時期に、比例帯情報取得部により情報取得された第2の比例帯との間の、比例帯変化率を求め、当該比例帯変化率を用いて、上記システム変動率を決定する。外乱操作量補正部は、第1の時期について外乱操作量予測部が作成した外乱操作量を、上記システム変動率で除算することにより、上記第2の時期についての外乱操作量を作成する。ここで、比例帯変化率は、システム変動率に比例する。したがって、比例帯変化率を用いて、上記システム変動率が決定され、上記外乱操作量を、上記システム変動率で除算することにより、システム変動後において、より適切な外乱操作量を決定することができる。よって、上記制御系においてシステム変動が生じたとしても、精度の高い外乱抑制を行うことができる。
なお、上記調整処理が時期に応じて順次複数回実施される場合、例えば、上記第1の時期は第1回の時期に相当し、上記第2の時期は第2回の時期に相当する。
一実施形態の外乱抑制装置では、
上記比例帯情報取得部は、
上記調整処理を時期に応じて順次複数回実施して、上記比例帯を表す情報を順次複数回取得し、
上記システム変動率決定部は、nを3以上の整数としたとき、
第(n-1)回の時期に、上記比例帯情報取得部により情報取得された第(n-1)の比例帯と、上記第(n-1)回の時期の次の第n回の時期に、上記比例帯情報取得部により情報取得された第nの比例帯との間の、上記比例帯変化率を求め、当該比例帯変化率を用いて、上記システム変動率を決定し、
上記外乱操作量補正部は、
上記第(n-1)回の時期について当該外乱操作量補正部が作成した上記外乱操作量と、上記システム変動率とを用いて、上記第n回の時期についての外乱操作量を作成する、
ことを特徴とする。
この一実施形態の外乱抑制装置により、外乱操作量補正部が1度、外乱操作量を作成した後、当該外乱操作量補正部が新たに外乱操作量を作成する際に、外乱操作量予測部が作成した外乱操作量を用いる必要がなくなる。したがって、外乱操作量補正部が1度、外乱操作量を作成した後、外乱操作量予測部で、外乱操作量を作成する必要がなくなる。よって、システム変動が発生した後の外乱操作量予測部による外乱チューニングが、不要となる。
一実施形態の外乱抑制装置では、
上記比例帯情報取得部は、
上記調整処理を時期に応じて順次複数回実施して、上記比例帯を表す情報を順次複数回取得し、
上記システム変動率決定部は、nを3以上の整数としたとき、
上記第1の比例帯と、第n回の時期に、上記比例帯情報取得部により情報取得された第nの比例帯との間の、上記比例帯変化率を求め、当該比例帯変化率を用いて、上記システム変動率を決定し、
上記外乱操作量補正部は、
上記システム変動率と、上記外乱操作量予測部が作成した上記外乱操作量を用いて、上記第n回の時期についての外乱操作量を作成する、ことを特徴とする。
この一実施形態の外乱抑制装置により、外乱操作量予測部が作成した外乱操作量を用いて、外乱操作量補正部は第n回の時期についての外乱操作量を作成することができる。したがって、外乱操作量補正部は、第n回の時期について外乱操作量を、精度よく、決定することができる。
一実施形態の外乱抑制装置は、
上記比例帯変化率が、予め設定された閾値を超えたとき、その旨を通知する、通知装置を、さらに備える、ことを特徴とする。
この一実施形態の外乱抑制システムでは、比例帯情報取得部が異常な値の比例帯を取得したときに、その旨を、ユーザに知らせることができる。よって、当該異常な比例帯を用いて外乱操作量補正部で作成された、不適切な外乱操作量を、PID制御部からの操作量に印加することを、事前に防止することができる。
別の局面では、この開示の外乱抑制方法は、
制御系に印加される外乱の抑制を行う外乱抑制方法であって、
上記制御系は、
制御対象と、
目標値と制御量との偏差をなくすように、上記制御対象に対してPID操作量を出力するPID制御部とを含み、
上記外乱抑制方法は、
第1の時期に、
上記制御系に印加される外乱に対応して、当該外乱を打ち消すように作用する外乱操作量を予測して作成し、上記外乱操作量を上記PID操作量に印加するとともに、
上記制御系について、上記PID制御部の制御パラメータを調整する調整処理を行って、比例帯としての第1の比例帯を表す情報を取得し、
上記第1の時期よりも後の第2の時期に、
上記制御系について、上記調整処理を行って、上記比例帯としての第2の比例帯を表す情報を取得し、
上記第1の比例帯と上記第2の比例帯との間の、比例帯変化率を求め、この比例帯の変化率を用いて、上記制御系のシステム変動率を決定し、
上記第1の時期についての上記外乱操作量を、上記システム変動率で除算することにより、上記第2の時期についての外乱操作量を作成し、
上記第2の時期についての上記外乱操作量を、上記PID操作量に印加する、ことを特徴とする。
この発明の外乱抑制方法では、外乱を打ち消すように作用する外乱操作量が予測・作成される。第1の時期に、上記調整処理を行って、第1の比例帯を表す情報が取得される。上記第2の時期に、上記調整処理を行って、第2の比例帯を表す情報が取得される。上記第1の比例帯と上記第2の比例帯との間の、比例帯変化率が求められ、当該比例帯の変化率を用いて、上記システム変動率が決定される。上記第1の時期についての上記外乱操作量を、上記システム変動率で除算することにより、上記第2の時期についての外乱操作量が作成される。そして、上記第2の時期についての上記外乱操作量が、PID操作量に印加される。ここで、比例帯変化率は、システム変動率に比例する。したがって、比例帯変化率を用いて、上記システム変動率が決定され、上記外乱操作量を、上記システム変動率で除算することにより、システム変動後において、より適切な外乱操作量を決定することができる。よって、外乱抑制システムにおいてシステム変動が生じたとしても、精度の高い外乱抑制を行うことができる。
さらに別の局面では、この開示のプログラムは、外乱抑制方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
この開示のプログラムをコンピュータに実行させることによって、上記外乱抑制方法を実施することができる。
以上より明らかなように、この開示の、外乱抑制システムおよび外乱抑制方法によれば、システム変動が生じたとしても、精度の高い外乱抑制を行うことができる。また、この開示のプログラムをコンピュータに実行させることによって、上記外乱抑制方法を実施することができる。
実施の形態に係るシステム全体の概略構成を示す図である。 実施の形態に係る外乱抑制装置が適用された温度制御装置の構成を示す図である。 外乱により温度が時系列的に変化する場合に、当該外乱を打消すように作成された外乱操作量の一例を示す図である。 上記温度制御装置における、外乱抑制のための準備処理動作の流れを示す図である。 図3の準備処理動作に含まれる外乱チューニング動作の流れを示す図である。 温度制御装置で実施される外乱操作量を作成する動作の流れを示す図である。 システム変動前後における、温度の変化および外乱操作量の変化を例示する図である。 直前に作成された外乱操作量を用いて、新たに外乱操作量を作成する方法により作成された、各時期に対応する外乱操作量を例示する図である。 外乱操作量予測部で作成された外乱操作量を用いて、新たに外乱操作量を作成する方法により作成された、各時期に対応する外乱操作量を例示する図である。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る制御システムの構成を、示している。当該制御システムは、システム制御装置100、一実施形態の外乱抑制装置が適用された温度制御装置200、制御対象としての加熱装置(以下、単に「加熱装置」と称する)300、およびワーク搬送装置400を含む。図1に示すように、システム制御装置100は、温度制御装置200およびワーク搬送装置400と、通信可能に接続されている。また、温度制御装置200は、加熱装置300と、通信可能に接続されている。ここで説明した接続方法は、有線による接続であっても、無線による接続であってもよい。
図1に示すシステムでは、ワーク搬送装置400により、被加熱体(図示せず)が、加熱装置300へ搬送される。そして、当該加熱装置300が当該被加熱体に対して加熱処理を行うことにより、加熱処理後の物品が生成される。
システム制御装置100は、システム全体の制御を担っている。当該システム制御装置100は、温度制御装置200に対して、加熱制御に関する各信号を送信し、ワーク搬送装置400に対して、上記被加熱体および加熱処理後の物品の搬送制御に関する搬送信号CSを送信する。当該搬送信号CSに基づいて、ワーク搬送装置400は、システム外から加熱装置300への被加熱体移動、および加熱装置300からシステム外への加熱処理後の物品の移動を、制御する。加熱装置300は、当該加熱装置300に搬送されてくる被加熱体に対して、熱処理を施す。
温度制御装置200は、加熱装置300において、所望の温度での加熱処理が実現されるように、当該加熱装置300が有する加熱体300aの温度制御を行う。なお、加熱装置300は、加熱処理の温度を検出することが可能な温度センサ300bを有している。温度センサ300bの検出値は、制御量としての温度T(以下、単に「温度T」と称する)である。温度制御装置200は、上記温度Tが目標値TOとなるように、PID操作量Oを含む信号を、加熱装置300に送信する。そして、当該加熱装置300は、受信したPID操作量Oを含む信号を用いて、加熱処理の温度Tが上記目標値TOとなるように、加熱体300aの加熱を制御する。
図2は、温度制御装置200の具体的な構成例を示す。温度制御装置200は、メモリ10、プロセッサ50、および通知装置60を含む。プロセッサ50は、PID制御部15、外乱操作量予測部20、外乱操作量印加部25、比例帯情報取得部30、システム変動率決定部35、および外乱操作量補正部40としての機能を、実現する。後述する外乱抑制方法を含む、温度制御装置200を制御するためのプログラムが、メモリ10に、格納されている。プロセッサ50は、メモリ10と通信可能に接続されており、メモリ10からプログラムを読み込む。これにより、プロセッサ50は、外乱抑制方法を含む各種動作を、実行する。なお、プロセッサ50は、通知装置60と、通信可能に接続されている。
図2に示すように、温度制御装置200内のPID制御部15は、制御対象としての加熱装置300を制御する制御系を構成している。なお、「制御系」は、加熱装置300とPID制御部15とを含む。PID制御部15は、目標値TOと温度T(上述したように、温度センサ300bの検出温度T)との偏差(TO-T)をなくすように、加熱装置300に対してPID操作量Oを出力する。
ところで、図1に示すシステムの運転を開始し、被加熱体の当該システム内への搬送が開始されると、図2に示すように、当該運転開始に伴う外乱要素70による外乱Dが生じる。ここで、外乱要素70としては、被加熱体のシステムの侵入に伴う当該システム内への空気の流入、被加熱体が加熱体300aに接触することによる、加熱体300aの温度の低下等がある。ここで、このシステムでは、当該外乱要素70は、予知可能である。したがって、上記制御系に印加される、各外乱要素70に対応する各外乱Dも、予め予測できる。
そこで、温度加熱装置200内の外乱操作量予測部20は、上記制御系に印加される外乱Dに対応して、当該外乱Dを打ち消すように作用する外乱操作量DO(図1,2参照)を予測する。また、図2に示すように、外乱操作量印加部25は、外乱操作量予測部20が予測した外乱操作量DOを、上記PID操作量Oに印加し得る。
ここで、図3の下段に示すように、外乱操作量DOとは、外乱Dを打ち消すために、印加される操作量である。外乱Dによる上記制御系に対する影響が、時間の経過に伴って定形化されたものであれば、当該外乱操作量DOも時間の経過に伴って定形化(パターン化)される。図3の例では、階段状のパターンになっている(つまり、外乱操作量DOは、複数のセグメントSa~Sdから構成される)。なお、図3の上段には、外乱Dの印加により、温度Tが時系列的に変化する様子を示している。外乱要素70、外乱D、外乱操作量DO、PID制御部15の動作、外乱操作量予測部20の動作、および外乱操作量印加部25の動作等は、たとえば特開2000-227801号公報に詳細に記載されている。
図2に示すように、本実施の形態に係る温度制御部200は、比例帯情報取得部30と、システム変動率決定部35と、外乱操作量補正部40とを、機能ブロックとして、有している。比例帯情報取得部30は、上記制御系について、時期に応じて、PID制御部15の制御パラメータを調整する調整処理を行って、比例帯を表す情報を取得する(以下単に、比例帯を取得すると称する)。システム変動率決定部35は、比例帯変化率(上記で取得された二つの比例帯の比)を求め、当該比例帯変化率を用いて、上記制御系のシステム変動率SRを決定する。また、外乱操作量補正部40は、外乱操作量予測部20が作成した外乱操作量DOを、上記システム変動率SRで除算することにより、補正された外乱操作量DOを作成する。
以下、本実施の形態に係る温度制御装置200の動作について説明する。当該動作は、二つの処理に大別される。一方は、準備処理であり、他方は、加熱装置制御処理である。
(準備処理の動作)
図4は、上記温度制御装置200における、外乱抑制のための準備処理動作の流れを示している。まず、ステップS1において、図2に示すPID制御部15に対するPIDチューニングが、実施される。加熱装置300を含む制御系に対応する、PID制御部15の制御パラメータ(ゲイン、比例帯、積分時間、および微分時間など)を調整するために、当該PIDチューニングは実施される。ここで、PIDチューニングとしては、たとえば、特開2005-284828号公報に詳述されているような、リミットサイクル法によるオートチューニングを採用することができる。なお、ステップ応答法によるオートチューニング、最小2乗法によるシステム同定法などによって、制御パラメータを調整してもよい。
上記のように、準備処理のステップS1において(第1回の時期において)、上述したPIDチューニング(PID制御部15の制御パラメータを調整する調整処理)が実施される。比例帯情報取得部30は、上記PIDチューニングを行うことにより、比例帯Kpを取得する(ステップS1)。ここで、上記第1回の時期に、比例帯情報取得部30により取得された比例帯Kpを、比例帯Kp1と称する。当該比例帯Kp1は、メモリ10に格納される。なお、PIDチューニングにより、比例帯Kpを取得することは、たとえば、特開2018-112954号公報に、記載されている。
次に、図4のステップS2において、図2に示す外乱操作量予測部20は、外乱チューニングを行う。上述したように、図2に示す外乱要素70は、加熱装置300およびワーク搬送システム400を用いた、被加熱体に対する処理(搬送および加熱)の運転開始に伴って生じ、当該外乱要素70は、予め特定することができる。外乱操作量予測部20は、上記処理の運転開始によって印加される予期可能な外乱Dに対応した、外乱操作量DOを予測するため、当該外乱操作量予測部20は、上記外乱チューニングを実施する。
なお、後述する加熱装置制御処理において、外乱操作量DOは、フィードフォワード的に、PID操作量Oに加えられる。これにより、加熱装置制御処理の際に、外乱Dを打ち消すような操作信号O,DOを、加熱装置300に与えることができる。
ここで、図4のステップS2の外乱チューニングにより、外乱操作量DOが決定される動作を、図5を用いて説明する。図5は、外乱チューニングの各動作を示している。
まず、上述した制御系において、温度Tが目標値TOと略一致している状態を、作り出す。その後、外乱操作量予測部20は、上記外乱チューニングを開始する。具体的に、準備処理において、被加熱体に対する処理(搬送および加熱)の運転が、開始される(図3の「システム運転開始」参照)。システム制御装置100が、温度制御装置200に対して、当該システム運転開始に係る信号を送信することにより、外乱操作量予測部20は、当該運転開始の時点を、認識することができる。そして、当該信号の受信により、外乱操作量予測部20は、外乱チューニングを開始する。
その後、外乱Dを打ち消す処理を行わず、通常のPIDフィードバック制御のみが実施される。つまり、当該運転開始後、制御系に外乱Dが印加された状態で、温度T、目標値TOおよびPID操作量Oを用いた、PID制御(つまり、温度Tと目標値TOとを一致させるフィードバック制御)のみが、上記制御系において実施される。このように、上記運転開始後、外乱Dが印加され、上記フィードバック制御が実施される。
上記運転開始後、上記フィードバック制御中において、外乱操作量予測部20は、外乱開始時点ti(図3の上段参照)を検知する(図5のステップS11)。ここで、外乱開始時点tiとは、上記運転開始後、目標値TOと温度Tとの間の温度偏差|TO-T|が、予め設定した温度閾値Tthを、上回った時点を意味する。
ステップS11の後、外乱操作量予測部20は、上記フィードバック制御を行いながら、温度TおよびPID操作量Oを、時系列に、メモリ10にロギング(記録)する(ステップS12)。そして、外乱操作量予測部20が、外乱終了時点tf(図3の上段参照)を検知する(ステップS13)。ここで、外乱終了時点tfとは、ステップS11後、温度偏差|TO-T|が、予め設定した温度閾値Tthを下回った時点を意味する。なお、ステップS13後、温度TおよびPID操作量Oのロギング(記録)は、終了する。
ステップS13後、外乱操作量予測部20は、ステップS12において記録した、各温度Tおよび各PID操作量Oを用いて、図3の下段に示すような外乱操作量DOを作成(予測)する(ステップS14)。準備処理において、外乱操作量予測部20で作成された上記外乱操作量(第1回の時期に関して外乱操作量予測部20が作成した、外乱操作量と把握できる)DOは、メモリ10に格納される。なお、第1回の時期に関して、外乱操作量予測部20が作成した外乱操作量DOを、外乱操作量FF1と称する。ここで、外乱操作量予測部20における、外乱操作量DOの作成および外乱チューニングは、たとえば、特開2000-227801号公報に詳述されている。
このようにして、外乱チューニング(図4のステップS2)を終了する。そして、図4に示す準備処理も終了する。
(加熱装置制御処理)
次に、上記準備処理後に実施される、加熱装置制御処理の動作を説明する。概して言うと、当該加熱装置制御処理では、温度制御装置200は、PID操作量Oに外乱操作量DOをフィードフォワード的に印加した操作量O,DOを、加熱装置300へ送信する。また、本実施の形態に係る温度制御装置200は、外乱操作量補正部40で作成(補正)された外乱操作量DOを、フィードフォワード的に、PID操作量Oに印加することも可能である。
図6を用いて、加熱装置制御処理を詳述する。なお、図6は、加熱装置制御処理の動作を示している。
上記準備処理後、上述した制御系において、温度Tが目標値TOと略一致している状態を、作り出す。その後、被加熱体に対する処理(搬送および加熱)の運転が、開始される。当該開始の時点で、システム制御装置100は、温度制御装置200に対して、上述した運転開始に係る信号を送信する。被加熱体に対するシステム内への搬送が開始されると、外乱要素70による外乱Dが上述した制御系に印加される。一方で、温度制御装置200は、加熱装置300の温度センサ300bで検出した温度Tを受信する。温度制御装置200のPID制御部15は、目標値TOと受信した温度Tとの差分を、受信する。そして、PID制御部15は、当該差分に応じたPID操作量Oを出力する。つまり、PID制御部15は、準備処理で実施されたPIDチューニングにより決定された各パラメータを用いて、目標値TOと温度Tとの間の温度偏差|TO-T|をなくすように、PID操作量Oを出力する。
また、温度制御装置200が運転開始に関する信号を受信した後、所定のタイミングで、外乱操作量印加部25は、PID操作量Oに対して、外乱操作量DOを印加し、外乱抑制処理が実行される(図6のステップS21)。ここで、ステップS21における外乱抑制処理では、外乱操作量印加部25は、準備処理で外乱操作量予測部20が作成した外乱操作量FF1を、PID操作量Oに、フィードフォワード的に印加する。
ところで、上述したように、時間の経過とともに、上記制御系において、システム変動が生じ得る。システム変動の一例として、当該加熱装置300が有する加熱体300aの劣化が想定される。そこで、本実施の形態では、たとえば、システム変動が生じた可能性がある場合には、ユーザは、上記制御系について、PIDチューニングを再度実施する(ステップS22)。そして、当該PIDチューニングにより、比例帯情報取得部30は、第2回の時期において、比例帯Kp2を取得する(ステップS22)。当該比例帯Kp2は、メモリ10に格納される。当該第2回の時期は、上記第1回の時期の次に、PIDチューニングが実施される時期である。
次に、システム変動率決定部35は、上述した比例帯Kp1と、上述した比例帯Kp2との間の、比例帯変化率(Kp2/Kp1)を求める。そして、システム変動率決定部35は、当該比例帯変化率(Kp2/Kp1)を、第2回の時期に関する、上記制御系のシステム変動率SRとして決定する(ステップS23)。
次に、ステップS24において、外乱操作量補正部40は、上述した、第1回の時期について外乱操作量予測部20が作成した外乱操作量FF1と、上記システム変動率(Kp2/Kp1)とを用いて、第2回の時期についての外乱操作量DOを作成する。より具体的に、上記外乱操作量FF1を、システム変動率(Kp2/Kp1)で除算することにより、第2回の時期についての外乱操作量DOが作成される。なお、第2回の時期に関して、外乱操作量補正部40が作成した外乱操作量DOを、外乱操作量FF2と称する。当該外乱操作量FF2は、メモリ10に格納される。また、たとえば、以後、外乱操作量FF1および比例帯Kp1を用いない場合には、外乱操作量FF1および比例帯Kp1は、メモリから削除される。
そして、ステップS25において、外乱操作量印加部25は、外乱操作量FF1でなく、外乱操作量FF2を、PID操作量Oに、フィードフォワード的に印加する。なお、図7は、システム変動前後の温度Tの時系列的変化と、システム変動前後の外乱操作量FOの変化とを、例示している。
ところで、第2回の時期後においても、上記制御系においてシステム変動が生じる可能性がある。このような場合には、外乱操作量補正部40は、新たに外乱操作量DOを作成する。ここで、第3回の時期以降に関して、外乱操作量DOを作成する態様として、たとえば、第1の態様と第2の態様とがある。以下、例として、当該第1の態様および第2の態様による、外乱操作量DOの作成方法について、説明する。
(第1の態様)
第2回の時期後において、システム変動が生じた可能性がある場合には、ユーザは、上記制御系について、三度目のPIDチューニングを実施する(図6のステップS22参照)。そして、当該PIDチューニングにより、比例帯情報取得部30は、第3回の時期において、比例帯Kp3を取得する(ステップS22)。当該比例帯Kp3は、メモリ10に格納される。当該第3回の時期は、上記第2回の時期の次に、PIDチューニングが実施される時期である。
次に、システム変動率決定部35は、上述した比例帯Kp2と、上述した比例帯Kp3との間の、比例帯変化率(Kp3/Kp2)を求める。そして、システム変動率決定部35は、当該比例帯変化率(Kp3/Kp2)を用いて、第3回の時期に関して、システム変動率SRを決定する(ステップS23)。ここでは、外乱操作量補正部40は、上記比例帯変化率(Kp3/Kp2)を、第3回の時期に関するシステム変動率SRとして決定する。
次に、ステップS24において、外乱操作量補正部40は、外乱操作量補正部40が作成した、第2回の時期に関する上記外乱操作量FF2と、第3回の時期に関するシステム変動率(Kp3/Kp2)とを用いて、第3回の時期についての外乱操作量DOを作成する。なお、第3回の時期に関して、外乱操作量補正部40が作成した外乱操作量DOを、外乱操作量FF3と称する。たとえば、外乱操作量補正部40は、外乱操作量FF2を、システム変動率(Kp3/Kp2)で除算することにより、第3回の時期についての外乱操作量FF3を作成する。当該外乱操作量FF3は、メモリ10に格納され、たとえば、外乱操作量FF2および比例帯Kp2は、メモリから削除される。そして、ステップS25において、外乱操作量印加部25は、外乱操作量FF1,FF2でなく、外乱操作量FF3を、PID操作量Oに、フィードフォワード的に印加する。
同様に、第3回の時期後において、システム変動が生じた可能性がある場合には、ユーザは、上記制御系について、四度目のPIDチューニングを実施する(図6のステップS22参照)。そして、当該PIDチューニングにより、比例帯情報取得部30は、第4回の時期において、比例帯Kp4を取得する(ステップS22)。当該比例帯Kp4は、メモリ10に格納される。当該第4回の時期は、上記第3回の時期の次に、PIDチューニングが実施される時期である。
次に、システム変動率決定部35は、上述した比例帯Kp3と、上述した比例帯Kp4との間の、比例帯変化率(Kp4/Kp3)を求める。そして、システム変動率決定部35は、当該比例帯変化率(Kp4/Kp3)を用いて、第4回の時期に関するシステム変動率SRを決定する(ステップS23)。ここでは、外乱操作量補正部40は、上記比例帯変化率(Kp4/Kp3)を、第4回の時期に関するシステム変動率SRとして決定する。
次に、ステップS24において、外乱操作量補正部40は、外乱操作量補正部40が作成した第3回の時期に関する外乱操作量FF3と、第4回の時期に関するシステム変動率(Kp4/Kp3)とを用いて、第4回の時期についての外乱操作量DOを作成する。なお、第4回の時期に関して、外乱操作量補正部40が作成した外乱操作量DOを、外乱操作量FF4と称する。たとえば、外乱操作量補正部40は、外乱操作量FF3を、システム変動率(Kp4/Kp3)で除算することにより、第4回の時期についての外乱操作量FF4を作成する。当該外乱操作量FF4は、メモリ10に格納され、たとえば、外乱操作量FF3および比例帯Kp3は、メモリから削除される。そして、ステップS25において、外乱操作量印加部25は、外乱操作量FF1,FF2,FF3でなく、外乱操作量FF4を、PID操作量Oに、フィードフォワード的に印加する。
図8は、第1の態様が実施された場合の、比例帯Kp、システム変動率SR、および外乱操作量DOとの関係を、例示している。図8の例では、第1回の時期において、比例帯Kp1として、4が取得され、第2回の時期において、比例帯Kp2として、2が取得され、第3回の時期において、比例帯Kp3として、8が取得され、第4回の時期において、比例帯Kp4として、1が取得される。また、図8の例では、第2回の時期に関して、システム変動率SRは、Kp2/Kp1=2/4=0.5であり、第3回の時期に関して、システム変動率SRは、Kp3/Kp2=8/2=4であり、第4回の時期に関して、システム変動率SRは、Kp4/Kp3=1/8=0.125である。よって、第1の態様を例示する図8では、第2回の時期に関する外乱操作量FF2は、FF2=FF1/0.5であり、第3回の時期に関する外乱操作量FF3は、FF3=FF2/4であり、第4回の時期に関する外乱操作量FF4は、FF4=FF3/0.125である。
このように、第1の態様では、nを3以上の整数としたとき、外乱操作量補正部40は、第(n-1)回の時期に関して当該外乱操作量補正部40が作成した外乱操作量FF(n-1)と、第(n-1)回の時期の次の第n回の時期に関するシステム変動率SRとを用いて、第n回の時期についての外乱操作量FFnを作成する。
(第2の態様)
次に、第2の態様について、説明する。第2回の時期後において、システム変動が生じた可能性がある場合には、ユーザは、上記制御系について、三度目のPIDチューニングを実施する(図6のステップS22参照)。そして、当該PIDチューニングにより、比例帯情報取得部30は、第3回の時期において、比例帯Kp3を取得する(ステップS22)。当該比例帯Kp3は、メモリ10に格納される。当該第3回の時期は、上記第2回の時期の次に、PIDチューニングが実施される時期である。
次に、システム変動率決定部35は、上述した比例帯Kp1と、上述した比例帯Kp3との間の、比例帯変化率(Kp3/Kp1)を求める。そして、システム変動率決定部35は、当該比例帯変化率(Kp3/Kp1)を用いて、第3回の時期に関するシステム変動率SRを決定する(ステップS23)。ここでは、外乱操作量補正部40は、上記比例帯変化率(Kp3/Kp1)を、第3回の時期に関するシステム変動率SRとして決定する。
次に、ステップS24において、外乱操作量補正部40は、外乱操作量予測部20が作成した第1回の時期に関する上記外乱操作量FF1と、第3回の時期に関するシステム変動率(Kp3/Kp1)とを用いて、第3回の時期についての外乱操作量DOを作成する。なお、ここでは、第3回の時期に関して、外乱操作量補正部40が作成した外乱操作量DOを、外乱操作量FF3’と称する。たとえば、外乱操作量補正部40は、外乱操作量FF1を、システム変動率(Kp3/Kp1)で除算することにより、第3回の時期についての外乱操作量FF3’を作成する。当該外乱操作量FF3’は、メモリ10に格納される。そして、ステップS25において、外乱操作量印加部25は、外乱操作量FF1,FF2でなく、外乱操作量FF3’を、PID操作量Oに、フィードフォワード的に印加する。
同様に、第3回の時期後において、システム変動が生じた可能性がある場合には、ユーザは、上記制御系について、四度目のPIDチューニングを実施する(図6のステップS22参照)。そして、当該PIDチューニングにより、比例帯情報取得部30は、第4回の時期において、比例帯Kp4を取得する(ステップS22)。当該比例帯Kp4は、メモリ10に格納される。当該第4回の時期は、上記第3回の時期の次に、PIDチューニングが実施される時期である。
次に、システム変動率決定部35は、上述した比例帯Kp1と、上述した比例帯Kp4との間の、比例帯変化率(Kp4/Kp1)を求める。そして、システム変動率決定部35は、当該比例帯変化率(Kp4/Kp1)を用いて、第4回の時期に関するシステム変動率SRを決定する(ステップS23)。ここでは、外乱操作量補正部40は、上記比例帯変化率(Kp4/Kp1)を、第4回の時期に関するシステム変動率SRとして決定する。
次に、ステップS24において、外乱操作量補正部40は、外乱操作量予測部20が作成した第1回の時期に関する上記外乱操作量FF1と、第4回の時期に関するシステム変動率(Kp4/Kp1)とを用いて、第4回の時期についての外乱操作量DOを作成する。なお、ここでは、第4回の時期に関して、外乱操作量補正部40が作成した外乱操作量DOを、外乱操作量FF4’と称する。たとえば、外乱操作量補正部40は、外乱操作量FF1を、システム変動率(Kp4/Kp1)で除算することにより、第4回の時期についての外乱操作量FF4’を作成する。当該外乱操作量FF4’は、メモリ10に格納される。そして、ステップS25において、外乱操作量印加部25は、外乱操作量FF1,FF2,FF3’でなく、外乱操作量FF4’を、PID操作量Oに、フィードフォワード的に印加する。
図9は、第2の態様が実施された場合の、比例帯Kp、システム変動率SR、および外乱操作量DOとの関係を、例示している。図9の例では、各時期に取得される比例帯Kpは、図8の例と同じである。図9の例では、第2回の時期に関して、システム変動率SRは、Kp2/Kp1=2/4=0.5であり、第3回の時期に関して、システム変動率SRは、Kp3/Kp1=8/4=2であり、第4回の時期に関して、システム変動率SRは、Kp4/Kp1=1/4=0.25である。よって、第2の態様を例示する図9では、第2回の時期に関する外乱操作量FF2は、FF2=FF1/0.5であり、第3回の時期に関する外乱操作量FF3’は、FF3’=FF1/2であり、第4回の時期に関する外乱操作量FF4’は、FF4’=FF1/0.25である。
このように、第2の態様では、nを3以上の整数としたとき、外乱操作量補正部40は、第1回の時期に関して外乱操作量予測部20が作成した外乱操作量FF1と、第n回の時期に関するシステム変動率SRとを用いて、第n回の時期についての外乱操作量FOを作成する。
ここで、各時期における比例帯変化率が、予め設定された閾値を超える場合には、温度制御装置200が備える通知装置が、比例帯変化率が当該閾値を超える旨を、通知してもよい。
(効果)
本実施の形態に係る外乱抑制装置が適用された温度制御装置200は、比例帯情報取得部30は、上記制御系について、時期に応じて、PIDチューニングを行って、比例帯Kpを取得する。システム変動率決定部35は、第1回の時期に、比例帯情報取得部30により取得された比例帯Kp1と、第1回の時期よりも後の第2回の時期に、比例帯情報取得部30により取得された比例帯Kp2との間の、比例帯変化率を求め、当該比例帯変化率を用いて、システム変動率SRを決定する。そして、外乱操作量補正部20は、第1回の時期について外乱操作量予測部20が作成した外乱操作量FF1を、システム変動率SRで除算することにより、第2回の時期についての外乱操作量FF2を作成する。
ここで、比例帯変化率は、システム変動率SRに比例する。したがって、比例帯変化率を用いて、システム変動率SRが決定され、外乱操作量FOを、上記システム変動率SRで除算することにより、システム変動後において、より適切な外乱操作量FOを決定することができる。よって、上記制御系においてシステム変動が生じたとしても、精度の高い外乱抑制を行うことができる。
また、本実施形態に係る温度制御装置200では、nを3以上の整数としたとき、外乱操作量補正部40は、第(n-1)回の時期に関して当該外乱操作量補正部40が作成した外乱操作量FF(n-1)と、第(n-1)回の時期の次の第n回の時期に関するシステム変動率SRとを用いて、第n回の時期についての外乱操作量FFnを作成する(第1の態様参照)。
したがって、外乱操作量補正部40が1度、外乱操作量FOを作成した後、当該外乱操作量補正部40が新たに外乱操作量FOを作成する際に、外乱操作量予測部20が作成した外乱操作量FO(FF1)を用いる必要がなくなる。したがって、外乱操作量補正部40が1度、外乱操作量FOを作成した後、外乱操作量予測部20で、外乱操作量を作成する必要がなくなる。よって、システム変動が発生した後の外乱操作量予測部20による外乱チューニングが、不要となる。
また、本実施形態に係る温度制御装置200では、nを3以上の整数としたとき、外乱操作量補正部40は、第1回の時期に関して外乱操作量予測部20が作成した外乱操作量FF1と、第n回の時期に関するシステム変動率SRとを用いて、第n回の時期についての外乱操作量FOを作成してもよい(第2の態様参照)。
したがって、外乱操作量予測部20が作成した外乱操作量FO(FF1)を用いて、外乱操作量補正部40は、第n回の時期についての外乱操作量FOを作成することができる。したがって、外乱操作量補正部40は、第n回の時期について外乱操作量FOを、精度よく、決定することができる。
本実施形態に係る温度制御装置200では、上記比例帯変化率が、予め設定された閾値を超えたとき、その旨を通知する、通知装置60をさらに備える。したがって、比例帯情報取得部30が異常な値の比例帯を取得したときに、その旨を、ユーザに知らせることができる。よって、当該異常な比例帯を用いて外乱操作量補正部40で作成された、不適切な外乱操作量FOを、PID制御部15からの操作量Oに印加することを、事前に防止することができる。
以上の実施の形態は例示であり、この発明の範囲から離れることなく様々な変形が可能である。上述した複数の実施の形態は、それぞれ単独で成立し得るものであるが、実施の形態同士の組みあわせも可能である。また、異なる実施の形態の中の種々の特徴も、それぞれ単独で成立し得るものであるが、異なる実施の形態の中の特徴同士の組みあわせも可能である。
15 PID制御部
20 外乱操作量予測部
25 外乱操作量印加部
30 比例帯情報取得部
35 システム変動率決定部
40 外乱操作量補正部
60 通知装置
200 温度制御装置(外乱抑制装置)
300 加熱装置(制御対象)

Claims (6)

  1. 制御系に印加される外乱の抑制を行う外乱抑制装置であって、
    前記制御系は、
    制御対象と、
    目標値と制御量との偏差をなくすように、前記制御対象に対してPID操作量を出力するPID制御部とを含み、
    前記外乱抑制装置は、
    前記制御系に印加される外乱に対応して、当該外乱を打ち消すように作用する外乱操作量を予測して作成する、外乱操作量予測部と、
    前記外乱操作量を前記PID操作量に印加し得る、外乱操作量印加部と、
    前記制御系について、時期に応じて、前記PID制御部の制御パラメータを調整する調整処理を行って、比例帯を表す情報を取得する、比例帯情報取得部と、
    第1の時期に、前記比例帯情報取得部により情報取得された第1の比例帯と、前記第1の時期よりも後の第2の時期に、前記比例帯情報取得部により情報取得された第2の比例帯との間の、比例帯変化率を求め、当該比例帯変化率を用いて、前記制御系のシステム変動率を決定する、システム変動率決定部と、
    前記第1の時期について前記外乱操作量予測部が作成した前記外乱操作量を、前記システム変動率で除算することにより、前記第2の時期についての外乱操作量を作成する、外乱操作量補正部とを、備える、
    外乱抑制装置。
  2. 請求項1に記載の外乱抑制装置であって、
    前記比例帯情報取得部は、
    前記調整処理を時期に応じて順次複数回実施して、前記比例帯を表す情報を順次複数回取得し、
    前記システム変動率決定部は、nを3以上の整数としたとき、
    第(n-1)回の時期に、前記比例帯情報取得部により情報取得された第(n-1)の比例帯と、前記第(n-1)回の時期の次の第n回の時期に、前記比例帯情報取得部により情報取得された第nの比例帯との間の、前記比例帯変化率を求め、当該比例帯変化率を用いて、前記システム変動率を決定し、
    前記外乱操作量補正部は、
    前記第(n-1)回の時期について当該外乱操作量補正部が作成した前記外乱操作量と、前記システム変動率とを用いて、前記第n回の時期についての外乱操作量を作成する、
    ことを特徴とする外乱抑制装置。
  3. 請求項1に記載の外乱抑制装置であって、
    前記比例帯情報取得部は、
    前記調整処理を時期に応じて順次複数回実施して、前記比例帯を表す情報を順次複数回取得し、
    前記システム変動率決定部は、nを3以上の整数としたとき、
    前記第1の比例帯と、第n回の時期に、前記比例帯情報取得部により情報取得された第nの比例帯との間の、前記比例帯変化率を求め、当該比例帯変化率を用いて、前記システム変動率を決定し、
    前記外乱操作量補正部は、
    前記システム変動率と、前記外乱操作量予測部が作成した前記外乱操作量を用いて、前記第n回の時期についての外乱操作量を作成する、
    ことを特徴とする外乱抑制装置。
  4. 請求項1に記載の外乱抑制装置であって、
    前記比例帯変化率が、予め設定された閾値を超えたとき、その旨を通知する、通知装置を、さらに備える、
    ことを特徴とする外乱抑制装置。
  5. 制御系に印加される外乱の抑制を行う外乱抑制方法であって、
    前記制御系は、
    制御対象と、
    目標値と制御量との偏差をなくすように、前記制御対象に対してPID操作量を出力するPID制御部とを含み、
    前記外乱抑制方法は、
    第1の時期に、
    前記制御系に印加される外乱に対応して、当該外乱を打ち消すように作用する外乱操作量を予測して作成し、前記外乱操作量を前記PID操作量に印加するとともに、
    前記制御系について、前記PID制御部の制御パラメータを調整する調整処理を行って、比例帯としての第1の比例帯を表す情報を取得し、
    前記第1の時期よりも後の第2の時期に、
    前記制御系について、前記調整処理を行って、前記比例帯としての第2の比例帯を表す情報を取得し、
    前記第1の比例帯と前記第2の比例帯との間の、比例帯変化率を求め、この比例帯の変化率を用いて、前記制御系のシステム変動率を決定し、
    前記第1の時期についての前記外乱操作量を、前記システム変動率で除算することにより、前記第2の時期についての外乱操作量を作成し、
    前記第2の時期についての前記外乱操作量を、前記PID操作量に印加する、
    外乱抑制方法。
  6. 請求項5に記載の外乱抑制方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
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