JP5084368B2 - アリールアミン組成物の精製方法、および、電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
アリールアミン組成物の精製方法、および、電子写真感光体の製造方法 Download PDFInfo
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Description
該アリールアミン組成物100質量部に対して100〜250質量部のシリカゲルを充填したカラムに該アリールアミン組成物溶液を投入し、該アリールアミン組成物溶液作製工程において使用されるアルキルシクロヘキサン溶媒と同一または異なるアルキルシクロヘキサン溶媒にて該シリカゲル中に展開させた後、該カラムから排出される溶液を回収するシリカゲル処理工程と
を有するアリールアミン組成物の精製方法であって、
該アリールアミン組成物溶液作製工程において該アリールアミン組成物を溶解させるために使用される該アルキルシクロヘキサン溶媒には、メチルシクロヘキサンが溶媒全質量に対して80〜100質量%含まれ、
該アリールアミン組成物溶液作製工程において該アリールアミン組成物を溶解させるために使用される該アルキルシクロヘキサン溶媒の質量をx[g]とし、該シリカゲル処理工程において使用される該シリカゲルの質量をy[g]とし、該シリカゲル処理工程において該シリカゲル中を該アリールアミン組成物溶液が移動する距離をz[cm]としたとき、x、yおよびzが下記関係式
4[cm]≦z×y/x≦25[cm]
を満たすことを特徴とするアリールアミン組成物の精製方法である。
上記構造式(5)で示されるアミン化合物と上記構造式(6)または(7)で示される芳香族ハロゲン化物とを反応させて得られたアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物を、上記精製方法で精製する工程、ならびに、
該精製する工程で精製されたアリールアミン組成物を用いて該感光層を形成する工程
を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
本発明の精製方法で精製の対象となるアリールアミン組成物は、下記一般式(1)で示されるアミン化合物と下記一般式(2)で示される芳香族ハロゲン化物とを反応させて得られたアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物である。該アリールアミン組成物には、該アリールアミン化合物以外に、分解や重合によって生成した不純物が含有されている。以下、下記一般式(1)で示されるアミン化合物と下記一般式(2)で示される芳香族ハロゲン化物とを反応させて得られたアリールアミン化合物を本発明に係るアリールアミン化合物ともいう。また、本発明に係るアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物を本発明に係るアリールアミン組成物ともいう。
本発明に係るアリールアミン組成物の精製は、上記のとおり、シリカゲルを充填したカラム(以下「シリカゲルカラム」ともいう。)を用い、主としてアリールアミン組成物溶液作製工程およびシリカゲル処理工程を経て行われる。
本発明に係るアリールアミン組成物を、下記一般式(3)で示されるアルキルシクロヘキサンが溶媒全質量に対して80〜100質量%含まれるアルキルシクロヘキサン溶媒に溶解させて、アリールアミン組成物溶液を作製する。このとき使用するアルキルシクロヘキサン溶媒の量は、本発明に係るアリールアミン組成物100質量部(シリカゲル処理前質量)に対して700〜2500質量部である。アルキルシクロヘキサン溶媒の量が少なすぎると、十分な不純物除去効果が得られない。この理由として、本発明者らは、アルキルシクロヘキサン溶媒の量が少ない高濃度溶液だと、シリカゲルカラム中でアリールアミン組成物同士が互いに溶媒のように作用するためではないかと考えている。一方、アルキルシクロヘキサン溶媒の量が多すぎると、アリールアミン組成物に対するアリールアミン組成物溶液の量が増加するため、該溶液をシリカゲル中に全量投入し終える前にシリカゲルカラム内で保持されていた不純物が排出されてしまう可能性がある。
次に、シリカゲルカラムにアリールアミン組成物溶液作製工程で作製されたアリールアミン組成物溶液を投入し、シリカゲル中に展開させた後、シリカゲルカラムから排出される溶液を回収する。このときシリカゲルカラムに充填するシリカゲルの量は、アリールアミン組成物溶液作製工程で使用した本発明に係るアリールアミン組成物100質量部(精製前質量)に対して100〜250質量部とする。シリカゲルの量が多すぎると、大量の溶媒が必要となるとともに作業時間も長くなってしまう。また、シリカゲルカラムから回収できるアリールアミン化合物の収率も低下してしまう。一方、シリカゲルの量が少なすぎると、アリールアミン組成物中の不純物を十分に除去することができなくなる。また、シリカゲルとしては、市販のものを使用することができる。
4[cm]≦z×y/x≦25[cm]
本発明の精製方法で精製されたアリールアミン組成物は、電子写真感光体の感光層用材料として好適に使用され、その中でも電荷輸送物質として特に好適に使用される。
本発明において、HPLC純度の測定は、次の条件で行った。
使用測定機:HEWLETT PACKARD社製、SERIES1100
HPLCカラム:Shodex社製、ODSpak F−411
展開液:MeOH/THF=80/20 (体積比)
展開速度:1.5mL/min
検出波長:310nm
サンプル注入量:0.8μL
測定用サンプル:測定対象材料10mgを溶媒としてTHF0.5mlに溶解させ、調製した。
本発明において、X線回折の測定は、CuKα線を用いて次の条件で行った。
使用測定機:マック・サイエンス社製、全自動X線回折装置MXP18
X線管球:Cu
管電圧:50kV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:2deg./min
サンプリング間隔:0.020deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):40deg.
ダイバージェンススリット:0.5deg.
スキャッタリングスリット:0.5deg.
レシービングスリット:0.3deg.
湾曲モノクロメーター使用
・アリールアミン組成物溶液の作製
上記構造式(e)で示されるアミン化合物と上記構造式(B)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−7)で示されるアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)を準備した。このアリールアミン組成物を吸着剤(商品名:ミズカライフF−1G、水澤化学工業社製)とともにo−ジクロロベンゼン中に10分間分散させることによって吸着剤処理を行った。吸着剤処理後、その液を濾過し、濾液からエバポレーターで溶媒を留去した。その後、60℃に加温したDMF/メタノール=1/3(質量比)の混合溶媒に溶解させ、0℃まで冷却することによって晶析処理を行った。
シリカゲル250g(y)を、外周壁が中空構造を有していて内径が4cmのガラス製円筒状カラムに充填して、シリカゲル中をアリールアミン組成物溶液が移動する距離(z)が40cmとなるシリカゲルカラムを作製した。用いたシリカゲルは、富士シリシア製のBW−200k(商品名)(比表面積:500±50m2/g、細孔容積:0.725±0.075ml/g、pH:7.0±1.0、含水率:1.2質量%以下、平均粒径:60±5μm、細孔径:6nm)である。
上記アリールアミン組成物溶液を上記シリカゲルカラムに投入して、シリカゲル処理を行った。上記アリールアミン組成物溶液をシリカゲルカラムに投入する際の該アリールアミン組成物溶液の温度は65℃であった。その後、展開液としてメチルシクロヘキサン10kgを用いて1cm/minの線流速でシリカゲル中に上記アリールアミン組成物溶液を展開させた。シリカゲルカラムから排出される溶液の温度は55℃であった。回収した溶液を濃縮乾固させて、精製後のアリールアミン組成物を得た。この精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度は99.0%であり、収率は95%であった。
カラムの内径などの各条件を表1に示すようにした以外は、実施例1と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度および収率を表1に示す。
アリールアミン組成物溶液をシリカゲルカラムに投入する際の該アリールアミン組成物溶液の温度を58℃とした以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度は98.8%であり、収率は80%であった。
シリカゲルカラムから排出される溶液の温度が45℃になるようにした以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度は98.8%であり、収率は85%であった。
アリールアミン組成物溶液をシリカゲルカラムに投入する際の該アリールアミン組成物溶液の温度を25℃として、かつ、シリカゲルカラムから排出される溶液の温度が25℃になるようにした以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度98.8%であり、収率は75%であった。
用いるカラムを外周壁が中空構造を有していない内径が4cmのガラス製円筒状カラムに変更して、かつ、カラムの周囲に巻きつけたリボンヒーターによってカラムを保温するようにした以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度99.0%であり、収率は97%であった。
・アリールアミン組成物溶液の作製
上記構造式(e)で示されるアミン化合物と上記構造式(B)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−7)で示されるアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)を準備した。このアリールアミン組成物を吸着剤(商品名:ミズカライフF−1G、水澤化学工業社製)とともにo−ジクロロベンゼン中に10分間分散させることによって吸着剤処理を行った。吸着剤処理後、その液を濾過し、濾液からエバポレーターで溶媒を留去した。その後、60℃に加温したDMF/メタノール=1/3(質量比)の混合溶媒に溶解させ、0℃まで冷却することによって晶析処理を行った。
シリカゲル0.5g(y)を、内径が0.21cmのガラス製キャピラリー状カラムに充填して、シリカゲル中をアリールアミン組成物溶液が移動する距離(z)が30cmとなるシリカゲルカラムを作製した。用いたシリカゲルは、富士シリシア製のBW−200k(商品名)(比表面積:500±50m2/g、細孔容積:0.725±0.075ml/g、pH:7.0±1.0、含水率:1.2質量%以下、平均粒径:60±5μm、細孔径:約6nm)である。
上記アリールアミン組成物溶液を上記シリカゲルカラムに投入して、シリカゲル処理を行った。上記アリールアミン組成物溶液をシリカゲルカラムに投入する際の該アリールアミン組成物溶液の温度は65℃であった。その後、展開液としてメチルシクロヘキサン20gを用いて1cm/minの線流速でシリカゲル中に上記アリールアミン組成物溶液を展開させた。シリカゲルカラムから排出される溶液の温度は55℃であった。回収した溶液を濃縮乾固させて、精製後のアリールアミン組成物を得た。この精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度は98.8%であり、収率は90%であった。
アリールアミン組成物溶液の作製の際、アリールアミン組成物の晶析処理を行わなかった以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度98.0%であり、収率は93%であった。
アリールアミン組成物溶液の作製の際、アリールアミン組成物の吸着剤処理を行わなかった以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度98.8%であり、収率は93%であった。
アリールアミン組成物溶液の作製の際、アリールアミン組成物の吸着剤処理および晶析処理を行わなかった以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度98.0%であり、収率は90%であった。
アリールアミン組成物溶液の作製の際、アリールアミン組成物を溶解させる溶媒をジメチルシクロヘキサン(純度98.0%、容器開封直後使用)に変更し、展開液としてジメチルシクロヘキサン10kgを用いた以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度98.8%であり、収率は90%であった。
アリールアミン組成物溶液の作製の際、アリールアミン組成物を溶解させる溶媒をメチルシクロヘキサン/ヘプタン=4/1(質量比)に変更し、展開液としてメチルシクロヘキサン/ヘプタン=4/1(質量比)の混合液10kgを用いた以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度98.5%であり、収率は85%であった。
精製対象材料を、上記構造式(k)で示されるアミン化合物と上記構造式(A)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−12)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度99.0%であり、収率は80%であった。
精製対象材料を、上記構造式(d)で示されるアミン化合物と上記構造式(A)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−4)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度99.0%であり、収率は85%であった。
精製対象材料を、上記構造式(l)で示されるアミン化合物と上記構造式(D)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−5)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度99.0%であり、収率は85%であった。
精製対象材料を、上記構造式(e)で示されるアミン化合物と上記構造式(G)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−5)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度99.0%であり、収率は87%であった。
精製対象材料を、上記構造式(m)で示されるアミン化合物と上記構造式(E)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−8)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度99.0%であり、収率は90%であった。
精製対象材料を、上記構造式(e)で示されるアミン化合物と上記構造式(A)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−5)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度99.0%であり、収率は90%であった。
・アリールアミン組成物溶液の作製
上記構造式(k)で示されるアミン化合物と上記構造式(A)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−12)で示されるアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)を準備した。このアリールアミン組成物を吸着剤(商品名:ミズカライフF−1G、水澤化学工業社製)とともにo−ジクロロベンゼン中に10分間分散させることによって吸着剤処理を行った。吸着剤処理後、その液を濾過し、濾液からエバポレーターで溶媒を留去した。その後、60℃に加温したDMF/メタノール=1/3(質量比)の混合溶媒に溶解させ、0℃まで冷却することによって晶析処理を行った。
シリカゲル95g(y)を、外周壁が中空構造を有していて内径が4cmのガラス製円筒状カラムに充填して、シリカゲル中をアリールアミン組成物溶液が移動する距離(z)が15cmとなるシリカゲルカラムを作製した。用いたシリカゲルは、富士シリシア製のBW−200k(商品名)(比表面積:500±50m2/g、細孔容積:0.725±0.075ml/g、pH:7.0±1.0、含水率:1.2質量%以下、平均粒径:60±5μm、細孔径:約6nm)である。
上記アリールアミン組成物溶液を上記シリカゲルカラムに投入して、シリカゲル処理を行った。上記アリールアミン組成物溶液をシリカゲルカラムに投入する際の該アリールアミン組成物溶液の温度は65℃であった。その後、展開液としてメチルシクロヘキサン3.8kgを用いて1cm/minの線流速でシリカゲル中に上記アリールアミン組成物溶液を展開させた。シリカゲルカラムから排出される溶液の温度は55℃であった。回収した溶液を濃縮乾固させて、精製後のアリールアミン組成物を得た。この精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度は97.5%であり、収率は80%であった。
精製対象材料を、上記構造式(d)で示されるアミン化合物と上記構造式(A)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−4)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、比較例1と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度97.5%であり、収率は85%であった。
精製対象材料を、上記構造式(l)で示されるアミン化合物と上記構造式(D)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−5)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、比較例1と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度97.5%であり、収率は85%であった。
精製対象材料を、上記構造式(e)で示されるアミン化合物と上記構造式(G)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−5)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、比較例1と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度97.5%であり、収率は87%であった。
精製対象材料を、上記構造式(m)で示されるアミン化合物と上記構造式(E)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−7)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、比較例1と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度97.5%であり、収率は90%であった。
精製対象材料を、上記構造式(e)で示されるアミン化合物と上記構造式(A)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−5)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、比較例1と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度97.5%であり、収率は90%であった。
精製対象材料を、上記構造式(e)で示されるアミン化合物と上記構造式(B)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−7)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、比較例1と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度97.5%であり、収率は90%であった。
カラムの内径などの各条件を表2に示すようにした以外は、比較例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度および収率を表2に示す。
・アリールアミン組成物溶液の作製
上記構造式(e)で示されるアミン化合物と上記構造式(B)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−7)で示されるアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)を準備した。このアリールアミン組成物を吸着剤(商品名:ミズカライフF−1G、水澤化学工業社製)とともにo−ジクロロベンゼン中に10分間分散させることによって吸着剤処理を行った。吸着剤処理後、その液を濾過し、濾液からエバポレーターで溶媒を留去した。その後、60℃に加温したDMF/メタノール=1/3(質量比)の混合溶媒に溶解させ、0℃まで冷却することによって晶析処理を行った。
シリカゲル49gを、外周壁が中空構造を有していて内径が2cmのガラス製円筒状カラムに充填して、シリカゲル中をアリールアミン組成物溶液が移動する距離(z)が30cmとなるシリカゲルカラムを作製した。用いたシリカゲルは、富士シリシア製のBW−200k(商品名)(比表面積:500±50m2/g、細孔容積:0.725±0.075ml/g、pH:7.0±1.0、含水率:1.2質量%以下、平均粒径:60±5μm、細孔径:6nm)である。
上記アリールアミン組成物溶液を上記シリカゲルカラムに4回に分けて投入して、シリカゲル処理を行った。4回の投入ごとに、展開液としてメチルシクロヘキサン0.875kgを用いて1cm/minの線流速でシリカゲル中に上記アリールアミン組成物溶液を展開させた。上記アリールアミン組成物溶液をシリカゲルカラムに投入する際の該アリールアミン組成物溶液の温度は65℃であった。シリカゲルカラムから排出される溶液の温度は55℃であった。回収した溶液を濃縮乾固させて、精製後のアリールアミン組成物を得た。この精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度97.5%であり、収率は90%であった。
アリールアミン組成物溶液の作製の際、アリールアミン組成物を溶解させる溶媒をヘキサン(純度99.0%、容器開封直後使用)に変更し、展開液としてヘキサン10kgを用いた以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度98.8%であり、収率は40%であった。
アリールアミン組成物溶液の作製の際、アリールアミン組成物を溶解させる溶媒をメチルシクロヘキサン/ヘプタン=7/3(質量比)の混合液に変更し、展開液としてメチルシクロヘキサン/ヘプタン=7/3(質量比)の混合液10kgを用いた以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度98.8%であり、収率は50%であった。
・電子写真感光体の作製
干渉縞防止層用塗布液の調製
10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粉体50部と、レゾール型フェノール樹脂25部と、メチルセロソルブ20部と、メタノール5部と、シリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部とを、直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置に入れ、分散処理を2時間行うことによって、干渉縞防止層用塗布液を調製した。
支持体としてのアルミニウムシリンダー(直径30mm、引き抜き管)上に、上記干渉縞防止層用塗布液を浸漬塗布し、これを30分間140℃で乾燥させることによって、膜厚が20μmの干渉縞防止層を形成した。
ナイロン6−66−610−12四元ナイロン共重合体樹脂(商品名:CM8000、東レ社製)2.5部およびN−メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス製、メトキシメチル化率:28〜33質量%)7.5部を、メタノール100部およびブタノール90部の混合溶媒に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。
上記下引き層用塗布液を上記干渉縞防止層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が1μmの下引き層を形成した。
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.3°および28.1°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン10.5部と、シクロヘキサノン30部と、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業社製)5.3部をシクロヘキサノン100部に溶解させてなる液とを、直径1mmのガラスビーズ506部を用いたサンドミル装置に入れ、18℃の冷却水で冷却しつつ、回転数は1800rpmで、分散処理を4時間行った。分散処理後の液に酢酸エチル300部およびシクロヘキサノン160部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
上記電荷発生層用塗布液を上記下引き層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.17μmの電荷発生層を形成した。
実施例1で得られた精製後のアリールアミン組成物10部およびポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱ガス化学(株)製)10部を、モノクロロベンゼン70部およびジメトキシメタン20部の混合溶媒に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
上記電荷輸送層用塗布液を上記電荷発生層上に浸漬塗布し、これを30分間130℃で乾燥させることによって、膜厚が24μmの電荷輸送層を形成した。
上述のようにして作製した電子写真感光体の表面電位測定を、ジェンテック社製のドラム試験機:CYNTHIA59を用いて行った。電子写真感光体の表面の帯電にはスコロトロン式コロナ帯電器を用いた。1次電流を100μAに設定し、グリッド電圧は電子写真感光体の表面の印加電圧が−630Vとなるように設定した。前露光の光源にはハロゲンランプを用い、白色光光量をNDフィルタを用いて像露光光量の4倍の光量に調節した。サイクルスピードは1sec/cycleとした。電子写真感光体に対する電位測定プローブの位置は電子写真感光体の軸方向において中央とし、電子写真感光体の表面からのギャップは3mmとした。
実施例1で得られた精製後のアリールアミン組成物10部を、それぞれ、実施例2〜40で得られた精製後のアリールアミン組成物10部に変更した以外は、実施例41と同様にして電子写真感光体を作製した。また、作製した電子写真感光体を実施例41と同様にして評価した。
実施例7で得られた精製後のアリールアミン組成物10部を、実施例7で得られた精製後のアリールアミン組成物5部および実施例40で得られた精製後のアリールアミン組成物5部に変更した以外は、実施例41と同様にして電子写真感光体を作製した。また、作製した電子写真感光体を実施例41と同様にして評価した。
実施例40で得られた精製後のアリールアミン組成物10部を、実施例40で得られた精製後のアリールアミン組成物5部および参考例39で得られた精製後のアリールアミン組成物5部に変更した以外は、実施例80と同様にして電子写真感光体を作製した。また、作製した電子写真感光体を実施例41と同様にして評価した。
実施例1で得られた精製後のアリールアミン組成物10部を、それぞれ、比較例1〜25で得られた精製後のアリールアミン組成物10部に変更した以外は、実施例41と同様にして電子写真感光体を作製した。また、作製した電子写真感光体を実施例41と同様にして評価した。
102 シリカゲル
111 上断面
112 下断面
113 シリカゲル中をアリールアミン組成物溶液が移動する距離z
200 支持体
201 下引き層
202 電荷発生層
203 電荷輸送層
204 感光層
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
Claims (3)
- 下記構造式(5)で示されるアミン化合物と下記構造式(6)または(7)で示される芳香族ハロゲン化物とを反応させて得られたアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物を、該アリールアミン組成物100質量部に対して700〜2500質量部のアルキルシクロヘキサン溶媒に溶解させて、アリールアミン組成物溶液を作製するアリールアミン組成物溶液作製工程と、
該アリールアミン組成物100質量部に対して100〜250質量部のシリカゲルを充填したカラムに該アリールアミン組成物溶液を投入し、該アリールアミン組成物溶液作製工程において使用されるアルキルシクロヘキサン溶媒と同一または異なるアルキルシクロヘキサン溶媒にて該シリカゲル中に展開させた後、該カラムから排出される溶液を回収するシリカゲル処理工程と
を有するアリールアミン組成物の精製方法であって、
該アリールアミン組成物溶液作製工程において該アリールアミン組成物を溶解させるために使用される該アルキルシクロヘキサン溶媒には、メチルシクロヘキサンが溶媒全質量に対して80〜100質量%含まれ、
該アリールアミン組成物溶液作製工程において該アリールアミン組成物を溶解させるために使用される該アルキルシクロヘキサン溶媒の質量をx[g]とし、該シリカゲル処理工程において使用される該シリカゲルの質量をy[g]とし、該シリカゲル処理工程において該シリカゲル中を該アリールアミン組成物溶液が移動する距離をz[cm]としたとき、x、yおよびzが下記関係式
4[cm]≦z×y/x≦25[cm]
を満たすことを特徴とするアリールアミン組成物の精製方法。
- 前記zが20〜40[cm]である請求項1に記載のアリールアミン組成物の精製方法。
- 支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体を製造する方法において、
前記構造式(5)で示されるアミン化合物と前記構造式(6)または(7)で示される芳香族ハロゲン化物とを反応させて得られたアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物を、請求項1または2に記載の精製方法で精製する工程、ならびに、
該精製する工程で精製されたアリールアミン組成物を用いて該感光層を形成する工程
を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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