JP5084368B2 - アリールアミン組成物の精製方法、および、電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

アリールアミン組成物の精製方法、および、電子写真感光体の製造方法 Download PDF

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本発明は、特定の原料を反応させて得られたアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物の精製方法、および、該精製方法で精製されたアリールアミン組成物を用いて感光層を成する電子写真感光体の製造方法に関する。
有機光導電性物質を用いた電子写真感光体(有機感光体)は、無機光導電性物質を用いた電子写真感光体(無機感光体)に比べて製造が容易であり、また、構成材料の多様性から設計の自由度が高いという利点を有する。
一般に、有機感光体は、電荷発生物質、電荷輸送物質および結着樹脂などで構成されている。この電荷輸送物質に関しては、これまでに様々なアリールアミン化合物が提案されている。たとえば、特許文献1で開示されているアリールアミン化合物は、電子写真感光体の電荷輸送物質として用いた場合に優れた特性を示すことで知られている。
上記のような電荷輸送物質の優れた特性を十分に発現させるためには、その製造の段階で、できる限り不純物を除去した高純度の状態にすることが好ましい。不純物を除去する方法としては、たとえば、反応工程で得られたアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物を活性白土などの吸着剤で処理する方法が知られている(特許文献2および3)。また、活性白土以外の吸着剤としてシリカゲルを用いた方法も知られている。また、その処理方法に関しても、シリカゲルと精製対象材料とを一緒に分散させる分散処理以外に、シリカゲルを充填したカラム中に精製対象材料を投入し、展開させるカラムクロマトグラフィー処理が知られている。また、特許文献4には、シリカゲルを用いた吸着処理をアリールアミン組成物の精製に適用した例が開示されている。
特開昭51−93224号公報 特開2002−145835号公報 特開2002−14478号公報 特開平8−268981号公報
本発明者らは、下記一般式(1)で示されるアミン化合物と下記一般式(2)で示される芳香族ハロゲン化物とを反応させてアリールアミン化合物を合成する工程の検討を行った。
Figure 0005084368
(一般式(1)中、ArおよびArは、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換のアリール基を示す。RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を示す、あるいは、RとRとは互いに結合して環を形成してもよい。RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を示す。)
Figure 0005084368
(一般式(2)中、Arは置換もしくは無置換のアリール基を示す。Xは、塩素原子、臭素原子、または、ヨウ素原子を示す。)
検討の結果、本発明者らは、この工程でアリールアミン化合物を合成する場合、目的とするアリールアミン化合物以外にも、分解や重合によって生成する不純物(特に二量体などの高分子量の不純物)が生成することを見いだした。また、この不純物を十分に除去しないままのアリールアミン組成物を電子写真感光体の感光層に用いた場合、十分な電子写真特性が得られないことがわかった。
そこで、本発明者らは、アリールアミン組成物から上記不純物を除去すべく検討を行ったが、従来の活性白土などの吸着剤を用いた吸着剤処理では、上記不純物を十分に除去することができなかった。
また、従来のカラムクロマトグラフィー処理は、アリールアミン組成物の量に対して大量のシリカゲルと大量の展開液を必要とするために高コストで煩雑であり、また、上記不純物を十分に除去することがやはりできなかった。
本発明の目的は、上記特定の原料を反応させて得られたアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物の精製方法に関して、低コストで簡便であり、かつ、十分な不純物除去効果が得られる精製方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、該精製方法で精製されたアリールアミン組成物を用いて感光層を成する電子写真感光体の製造方法を提供することにある。
本発明は、下記構造式()で示されるアミン化合物と下記構造式(6)または(7)で示される芳香族ハロゲン化物とを反応させて得られたアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物を、該アリールアミン組成物100質量部に対して700〜2500質量部のアルキルシクロヘキサン溶媒に溶解させて、アリールアミン組成物溶液を作製するアリールアミン組成物溶液作製工程と、
該アリールアミン組成物100質量部に対して100〜250質量部のシリカゲルを充填したカラムに該アリールアミン組成物溶液を投入し、該アリールアミン組成物溶液作製工程において使用されるアルキルシクロヘキサン溶媒と同一または異なるアルキルシクロヘキサン溶媒にて該シリカゲル中に展開させた後、該カラムから排出される溶液を回収するシリカゲル処理工程と
を有するアリールアミン組成物の精製方法であって、
該アリールアミン組成物溶液作製工程において該アリールアミン組成物を溶解させるために使用される該アルキルシクロヘキサン溶媒には、メチルシクロヘキサンが溶媒全質量に対して80〜100質量%含まれ、
該アリールアミン組成物溶液作製工程において該アリールアミン組成物を溶解させるために使用される該アルキルシクロヘキサン溶媒の質量をx[g]とし、該シリカゲル処理工程において使用される該シリカゲルの質量をy[g]とし、該シリカゲル処理工程において該シリカゲル中を該アリールアミン組成物溶液が移動する距離をz[cm]としたとき、x、yおよびzが下記関係式
4[cm]≦z×y/x≦25[cm]
を満たすことを特徴とするアリールアミン組成物の精製方法である。
Figure 0005084368
Figure 0005084368
また、本発明は、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体を製造する方法において、
上記構造式()で示されるアミン化合物と上記構造式(6)または(7)で示される芳香族ハロゲン化物とを反応させて得られたアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物を、上記精製方法で精製する工程、ならびに、
該精製する工程で精製されたアリールアミン組成物を用いて該感光層を形成する工程
を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
本発明によれば、上記特定の原料を反応させて得られたアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物の精製方法に関して、低コストで簡便であり、かつ、十分な不純物除去効果が得られる精製方法を提供することができる。
また、本発明によれば、該精製方法で精製されたアリールアミン組成物を用いて感光層を成する電子写真感光体の製造方法を提供することができる。
(アリールアミン化合物の合成)
本発明の精製方法で精製の対象となるアリールアミン組成物は、下記一般式(1)で示されるアミン化合物と下記一般式(2)で示される芳香族ハロゲン化物とを反応させて得られたアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物である。該アリールアミン組成物には、該アリールアミン化合物以外に、分解や重合によって生成した不純物が含有されている。以下、下記一般式(1)で示されるアミン化合物と下記一般式(2)で示される芳香族ハロゲン化物とを反応させて得られたアリールアミン化合物を本発明に係るアリールアミン化合物ともいう。また、本発明に係るアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物を本発明に係るアリールアミン組成物ともいう。
Figure 0005084368
上記一般式(1)中、ArおよびArは、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換のアリール基を示す。RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を示す、あるいは、RとRとは互いに結合して環を形成してもよい。RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を示す。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基(n−プロピル基、iso−プロピル基)などが挙げられる。また、該アリール基としては、フェニル基などが挙げられる。また、RとRとが互いに結合して形成される環としては、環を形成する炭素原子の数が5または6で形成される環などが挙げられる。
Figure 0005084368
上記一般式(2)中、Arは置換もしくは無置換のアリール基を示す。Xは、塩素原子、臭素原子、または、ヨウ素原子を示す。該アリール基としては、フェニル基、ビフェニリル基、フルオレニル基などが挙げられる。また、該アリール基が有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基(n−プロピル基、iso−プロピル基)などのアルキル基や、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。
上記一般式(1)で示されるアミン化合物の中でも、特に、下記一般式(4)で示されるアミン化合物が好ましい。
Figure 0005084368
上記一般式(4)中、ArおよびArは、水素原子、または、置換もしくは無置換のアリール基を示す。該アリール基としては、フェニル基、ビフェニリル基、フルオレニル基などが挙げられる。また、該アリール基が有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基(n−プロピル基、iso−プロピル基)などのアルキル基や、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。
上記一般式(4)で示されるアミン化合物の中でも、特に、上記一般式(4)中のArおよびArが置換もしくは無置換のアリール基であるものが好ましく、さらに、ArおよびArが9,9−ジメチルフルオレニル基であるものがより好ましい。
以下に、下記一般式(1)で示されるアミン化合物の好適例を示す。
Figure 0005084368
Figure 0005084368
Figure 0005084368
これらの中でも、上記構造式(e)で示されるアミン化合物が特に好ましい。
以下に、下記一般式(2)で示される芳香族ハロゲン化物の好適例を示す。
Figure 0005084368
これらの中でも、上記構造式(A)および(B)で示される芳香族ハロゲン化物が特に好ましい。
上記一般式(1)で示されるアミン化合物と上記一般式(2)で示される芳香族ハロゲン化物と反応させて本発明に係るアリールアミン化合物を合成する際は、触媒として酢酸パラジウムや炭酸カリウムなどの塩基を用いてもよい。
また、上記合成を行う際は、沸点が100℃以上の溶媒を用いることが好ましく、沸点が160℃以上の溶媒を用いることが好ましい。溶媒の具体的としては、たとえば、o−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、メシチレンなどが挙げられる。
また、上記合成を行う際の反応温度は、100℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましい。
以下に、本発明に係るアリールアミン化合物の具体例を示す。
Figure 0005084368
Figure 0005084368
Figure 0005084368
(アリールアミン組成物の精製)
本発明に係るアリールアミン組成物の精製は、上記のとおり、シリカゲルを充填したカラム(以下「シリカゲルカラム」ともいう。)を用い、主としてアリールアミン組成物溶液作製工程およびシリカゲル処理工程を経て行われる。
・アリールアミン組成物溶液作製工程
本発明に係るアリールアミン組成物を、下記一般式(3)で示されるアルキルシクロヘキサンが溶媒全質量に対して80〜100質量%含まれるアルキルシクロヘキサン溶媒に溶解させて、アリールアミン組成物溶液を作製する。このとき使用するアルキルシクロヘキサン溶媒の量は、本発明に係るアリールアミン組成物100質量部(シリカゲル処理前質量)に対して700〜2500質量部である。アルキルシクロヘキサン溶媒の量が少なすぎると、十分な不純物除去効果が得られない。この理由として、本発明者らは、アルキルシクロヘキサン溶媒の量が少ない高濃度溶液だと、シリカゲルカラム中でアリールアミン組成物同士が互いに溶媒のように作用するためではないかと考えている。一方、アルキルシクロヘキサン溶媒の量が多すぎると、アリールアミン組成物に対するアリールアミン組成物溶液の量が増加するため、該溶液をシリカゲル中に全量投入し終える前にシリカゲルカラム内で保持されていた不純物が排出されてしまう可能性がある。
Figure 0005084368
上記一般式(3)中、Rは無置換のアルキル基を示す。nは、シクロヘキサン環に結合する置換基Rの数を示し、1以上12以下の整数である。nが2以上のとき、n個の置換基Rは同一であってもよいし、異なっていてもよい。該アルキル基としては、メチル基、エチル基などが挙げられる。また、nは、1以上2以下であることが好ましい。
上記一般式(3)で示されるアルキルシクロヘキサンとしては、たとえば、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサン、1,3−ジメチルシクロヘキサン、1,4−ジメチルシクロヘキサン、1,2,4−トリメチルシクロヘキサンなどが挙げられる。
また、本発明に係るアリールアミン組成物を溶解させるために用いるアルキルシクロヘキサン溶媒は、上記一般式(3)で示されるアルキルシクロヘキサンとそれ以外の溶媒とから調製してもよい。すなわち、本発明において、アルキルシクロヘキサン溶媒とは、上記一般式(3)で示されるアルキルシクロヘキサンのみからなる溶媒であってもよいし、上記一般式(3)で示されるアルキルシクロヘキサンとそれ以外の溶媒とからなる混合溶媒であってもよい。上記一般式(3)で示されるアルキルシクロヘキサン以外の溶媒としては、たとえば、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−プロピルエーテル、アニソール、アセトン、メチルエチルケトン、n−プロピルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサンなどが挙げられる。
なお、アリールアミン組成物溶液作製工程においてアリールアミン組成物を溶解させるために用いるアルキルシクロヘキサン溶媒を上記一般式(3)で示されるアルキルシクロヘキサンとそれ以外の溶媒とから調製する場合、該アルキルシクロヘキサンの割合は溶媒全質量に対して80質量%以上にする必要がある。
また、本発明に係るアリールアミン組成物を溶解させる際、その溶解度を向上させるためには、上記一般式(3)で示されるアルキルシクロヘキサンが溶媒全質量に対して80〜100質量%含まれるアルキルシクロヘキサン溶媒を60℃以上にすることが好ましい。
・シリカゲル処理工程
次に、シリカゲルカラムにアリールアミン組成物溶液作製工程で作製されたアリールアミン組成物溶液を投入し、シリカゲル中に展開させた後、シリカゲルカラムから排出される溶液を回収する。このときシリカゲルカラムに充填するシリカゲルの量は、アリールアミン組成物溶液作製工程で使用した本発明に係るアリールアミン組成物100質量部(精製前質量)に対して100〜250質量部とする。シリカゲルの量が多すぎると、大量の溶媒が必要となるとともに作業時間も長くなってしまう。また、シリカゲルカラムから回収できるアリールアミン化合物の収率も低下してしまう。一方、シリカゲルの量が少なすぎると、アリールアミン組成物中の不純物を十分に除去することができなくなる。また、シリカゲルとしては、市販のものを使用することができる。
そしてさらに、本発明では、以下のように定義されるx、yおよびzが下記関係式を満たすことを特徴とする。
4[cm]≦z×y/x≦25[cm]
上記関係式中、xは、アリールアミン組成物溶液作製工程において本発明に係るアリールアミン組成物を溶解させるために用いる、上記一般式(3)で示されるアルキルシクロヘキサンが溶媒全質量に対して80〜100質量%含まれるアルキルシクロヘキサン溶媒の質量[g]である。yは、シリカゲル処理工程において使用されるシリカゲルカラムに充填されたシリカゲルの質量[g]である。zは、シリカゲル処理工程において、シリカゲルカラムに充填されたシリカゲル中をアリールアミン組成物溶液が移動する距離[cm]である。
上記x、yおよびzが上記関係式を満たすことによって、本発明に係るアリールアミン化合物のシリカゲルに対する吸着能と上記不純物のそれとが似通っていても、アリールアミン化合物の収率の低下は抑えつつ、不純物を特異的に除去することができる。
上記z、すなわち、シリカゲル中をアリールアミン組成物溶液が移動する距離[cm]とは、シリカゲルカラムに充填したシリカゲルの上断面から下断面までの距離をカラムの形状に沿って測った長さ[cm]であり、分子振動による移動距離は考えない。なお、シリカゲルの上断面とは、アリールアミン組成物溶液が投入される側の断面である。シリカゲルの下断面とは、アリールアミン組成物溶液が排出される側の断面である。具体的には、図1(a)に示すようにして上記z[cm]を決定する。シリカゲルカラムが傾いている場合は、図1(b)に示すように、シリカゲルカラムの傾きを正した場合のシリカゲルの上断面と下断面から長さを決定する。キャピラリー状のカラムの際は、図1(c)に示すように、キャピラリーを一直線にした場合のシリカゲルの上断面と下断面から長さを決定する。アリールアミン化合物の収率の低下を抑えつつ、上記不純物を効果的に除去する観点から、上記zは20〜40[cm]であることが好ましい。
シリカゲルカラムの形状としては、たとえば、円筒状、円錐状、キャピラリー状などが挙げられる。また、シリカゲルカラムの材質としては、有機溶媒に侵されにくく、低温(たとえば100℃以下)では溶融しないものが好ましく、たとえば、ガラス、ステンレスなどが挙げられる。
また、アリールアミン組成物溶液をシリカゲルカラムに投入する際の該アリールアミン組成物溶液の温度は60℃以上であることが好ましい。
また、上記のとおり、アリールアミン組成物溶液のすべてをシリカゲルカラムに投入した後は、シリカゲル中に該アリールアミン組成物溶液を展開させる。その際に用いる展開液としては、アリールアミン組成物溶液作製工程においてアリールアミン組成物を溶解させるために用いた溶媒と同じものが好ましいが、異なるものであってもよい。ただし、異なるものである場合は、アリールアミン組成物溶液作製工程と同様、上記一般式(3)で示されるアルキルシクロヘキサンが溶媒全質量に対して80〜100質量%含まれるアルキルシクロヘキサン溶媒であることが好ましい。
展開液の温度は、シリカゲルカラムから排出される溶液の温度が50℃以上となるような温度が好ましく、60℃以上となるような温度がより好ましい。また、アリールアミン組成物溶液を展開させる際には、シリカゲルカラムを保温することが好ましい。具体的な保温方法としては、たとえば、シリカゲルカラムの周囲に熱源(ヒーターなど)を接触させてシリカゲルカラムの中を保温する方法や、シリカゲルカラムの外壁を中空構造として断熱効果を与える方法などが挙げられる。また、展開液がシリカゲル中を流れる速度は、線流速で0.1〜10cm/minであることが好ましい。展開液の速度が遅すぎると、分子拡散によって分離能が低下する場合がある。一方、展開液の速度が速すぎると、十分な吸脱着作用が得られない場合がある。
シリカゲルカラム内の圧力は、一般には常圧とするが、任意の方法で投入口側から加圧したり、排出口側から減圧したりすることによって、展開液の速度を制御してもよい。
また、本発明においては、アリールアミン組成物溶液作製工程においてアルキルシクロヘキサン溶媒にアリールアミン組成物を溶解させる前に、本発明に係るアリールアミン組成物をシリカゲル以外の吸着剤にて吸着剤処理しておいてもよい。吸着剤処理で用いる吸着剤としては、活性白土、活性炭、酸性白土、二酸化ケイ素などが挙げられる。この吸着剤処理は、それ自体は上記の高分子量の不純物を除去する効果は小さいものの、本発明の精製方法の効果をより高める補助的な効果がある。
また、本発明においては、アリールアミン組成物溶液作製工程においてアルキルシクロヘキサン溶媒にアリールアミン組成物を溶解させる前に、本発明に係るアリールアミン組成物を有機溶媒にて晶析処理しておいてもよい。晶析処理で用いる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、トルエン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、アセトニトリルおよびトリエチルアミンなどが挙げられる。これらは、1種類だけを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。この晶析処理もまた、それ自体は上記の高分子量の不純物を除去する効果は小さいものの、本発明の精製方法の効果をより高める補助的な効果がある。
(電子写真感光体)
本発明の精製方法で精製されたアリールアミン組成物は、電子写真感光体の感光層用材料として好適に使用され、その中でも電荷輸送物質として特に好適に使用される。
以下、本発明の電子写真感光体の構成について詳しく述べる。
本発明の電子写真感光体は、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体である。
本発明の電子写真感光体の支持体は、導電性を有するもの(導電性支持体)であればよい。支持体の材質としては、たとえば、アルミニウム、ステンレスおよびニッケルなどの金属や、表面に導電性の被膜を設けたを設けた金属、プラスチックおよび紙などが挙げられる。また、支持体の形状としては、円筒状およびフィルム状などが挙げられる。特に、材質がアルミニウムであって形状が円筒状の支持体が、機械強度、電子写真特性およびコストの点で優れている。これらの支持体は、素管のまま用いてもよいが、切削およびホーニングなどの物理処理や、陽極酸化処理または酸などを用いた化学処理を表面に施したものを用いてもよい。
また、感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層および電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層した積層型(機能分離型)であっても、電荷発生物質と電荷輸送物質とを同一層中に分散させた単層型であってもよい。電子写真特性の観点からは、積層型の感光層が好ましく、特には、支持体側から電荷発生層および電荷輸送層をこの順に積層した構成の積層型感光層が好ましい。図2は、積層型感光層を有する電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。図2中、200は支持体であり、202は電荷発生層であり、203は電荷輸送層である。また、図2で示した例では、支持体200と電荷発生層202との間に下引き層201がさらに設けられている。
支持体と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、干渉縞防止層(図2には不図示)を設けてもよい。支持体を素管のまま用いた場合、この表面に塗工などにより干渉縞防止層を形成することによって、簡便な方法で干渉縞防止機能を付与できるため、生産性、コストの面から非常に有用である。支持体自体に干渉縞防止機能を持たせた場合には、干渉縞防止機能は必ずしも必要ではない。
干渉縞防止層は、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、硫酸バリウムなどの無機粒子をフェノール樹脂などの結着樹脂とともに適当な溶媒に分散させて塗布液を作製し、これを支持体上に塗布し、乾燥させることによって形成することができる。
干渉縞防止層の膜厚は1〜30μmであることが好ましい。
また、支持体と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、図2で示したような下引き層を設けてもよい。下引き層は、樹脂を溶媒に溶解させて得られる下引き層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
下引き層に用いる樹脂としては、たとえば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂などが挙げられる。
また、下引き層用塗布液に用いる溶媒としては、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジオキサン、メチラール、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、メトキシプロパノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
下引き層の膜厚は、5μm以下であることが好ましく、0.1〜4μmであることがより好ましい。
感光層(電荷発生層)に用いる電荷発生物質としては、たとえば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料や、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリレン顔料や、アンスラキノン、ピレンキノン、ジベンズピレンキノンなどの多環キノン顔料や、スクワリリウム色素や、ピリリウム塩や、チアピリリウム塩や、トリフェニルメタン色素や、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコンなどの無機物質や、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料や、キノシアニンなどのシアニン染料や、アントアントロン顔料や、ピラントロン顔料や、キサンテン色素や、キノンイミン色素や、スチリル色素や、硫化カドミウムや、酸化亜鉛などが挙げられる。これら電荷発生物質は1種類のみ用いてもよく、2種類以上用いてもよい。また、これら電荷発生物質の中でも、感度の観点から、フタロシアニン顔料やアゾ顔料が好ましい。また、フタロシアニン顔料の中でも、特にヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。また、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの中でも、特にCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4±0.3°および28.2°±0.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニンがより好ましい。また、アゾ顔料の中でも、特にジスアゾ顔料が好ましい。
感光層が積層型感光層の場合、電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂とともに溶媒中に分散させて得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。電荷発生物質を分散させる方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機などを用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との割合は、0.3:1〜10:1(質量比)の範囲が好ましい。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、たとえば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、ナイロン、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂などが挙げられる。また、これら樹脂の中でも、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂が好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種類または2種類以上用いることができる。
電荷発生層用塗布液に用いる溶媒としては、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジオキサン、メチラール、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、メチルセロソルブ、メトキシプロパノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの有機溶媒が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、0.1〜3μmであることがより好ましい。
また、電荷発生層には、増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
本発明の場合、電荷輸送物質としては、本発明の精製方法にて精製されたアリールアミン組成物を用いる。アリールアミン組成物は1種類のみ用いてもよく、2種類以上用いてもよい。また、他の電荷輸送物質と併用してもよい。
感光層が積層型感光層の場合、電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶媒に溶解させて得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、たとえば、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。また、これら樹脂の中でも、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂が好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種類または2種類以上用いることができる。
電荷輸送層の塗布液に用いる溶媒はたとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジメトキシメタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジオキサン、メチラール、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、メチルセロソルブ、メトキシプロパノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの有機溶媒が挙げられる。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の量は、電荷輸送層全質量に対して40〜67質量%であることが好ましい。
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましい。
また、電荷輸送層には、増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、有機粒子、無機粒子などを必要に応じて添加することができる。
感光層上には、感光層を保護することを目的として保護層を設けてもよい。保護層は、たとえば、高硬度な熱可塑性樹脂を含有する塗布液を感光層上に塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、保護層は、熱、光または放射線照射によってラジカルなどの活性点が発生して硬化反応をすることが可能な化合物を含有する塗布液を感光層上に塗布し、これに熱、光または放射線を照射し硬化させることによって形成することもできる。熱や光照射による硬化反応には、通常、反応開始剤が必要とされるが、放射線照射による硬化反応には反応開始剤が必ずしも必要とされない。よって、放射線照射による硬化反応を採用することが好ましい。
硬化のために照射される放射線とは、電子線およびγ線などが挙げられる。装置の大きさ、コスト、汎用性などの点からは電子線が好ましい。電子線照射をする場合、加速器としては、たとえば、スキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型およびラミナー型などが挙げられる。また、電子線の加速電圧は200kV以下が好ましい。また、電子線の吸収線量は1〜100Mrad(1×10〜1×10Gy)の範囲が好ましい。
放射線照射(電子線照射)による硬化反応が可能な化合物としては、重合性官能基を有する樹脂モノマーが挙げられ、具体的には、フェノール樹脂やメラミン樹脂などが挙げられる。重合性官能基としては、たとえば、アクリル基、メタクリル基、アルコキシシリル基などが挙げられる。また、電子写真特性の観点から、放射線照射による硬化反応が可能な化合物は、電荷輸送性構造を併有することが好ましい。保護層を形成する際に、重合性官能基および電荷輸送性構造を併有する化合物を用いれば、電荷輸送物質を別途用いる必要がないため、高純度な3次元架橋構造の保護層を形成することができる。重合性官能基および電荷輸送性構造を有する化合物としては、たとえば、特開2004−240304号公報に記載されている材料が挙げられる。
また、保護層には、シリコーン樹脂粒子、フッ素原子含有樹脂粒子などの有機粒子や、シリカ粒子、アルミナ粒子などの無機粒子や、重合開始剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤などを必要に応じて添加することができる。
保護層の膜厚は、0.5〜10μmであることが好ましい。
図3に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図3において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、まず、帯電手段(一次帯電手段)3により、その周面に正または負の所定電位の均一帯電を受ける。次いで、電子写真感光体1は、露光手段(不図示)から露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面には、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
形成された静電潜像は、正規または反転現像方式の現像手段5内のトナーでトナー像として現像される。次いで、不図示の給紙部から電子写真感光体1の回転と同期して取り出され、電子写真感光体1と転写手段6との間に給送された転写材7(紙やフィルムなど)に、電子写真感光体1の周面に形成されているトナー像が転写手段6によって順次転写されていく。このとき、転写手段6には、電源(不図示)からトナーの電荷とは逆極性の電圧が印加される。転写方式は、中間転写方式であってもよい。
トナー像の転写を受けた転写材7は、電子写真感光体の周面から分離されて定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受けることによって画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の周面は、クリーニング手段9によって転写残トナーなどの付着物の除去を受けて清浄面化される。なお、近年、クリーナレスシステムも研究されており、転写残トナーを直接現像器などで回収するように構成することもできる。
その後、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理され、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、クリーニング手段9などから選択される構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に構成し、このプロセスカートリッジを電子写真装置本体に着脱自在に構成してもよい。例えば、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9の少なくとも1つを電子写真感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレールなどの案内手段12を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
また、露光光4は、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読み取って信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動または液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
本発明の電子写真感光体は、複写機、レーザービームプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶シャッター式プリンターなどの電子写真装置一般に適用しうる。また、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版およびファクシミリなどの装置にも幅広く適用しうる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の「%」および「部」は、それぞれ「質量%」および「質量部」を意味する。
(HPLC純度の測定条件)
本発明において、HPLC純度の測定は、次の条件で行った。
使用測定機:HEWLETT PACKARD社製、SERIES1100
HPLCカラム:Shodex社製、ODSpak F−411
展開液:MeOH/THF=80/20 (体積比)
展開速度:1.5mL/min
検出波長:310nm
サンプル注入量:0.8μL
測定用サンプル:測定対象材料10mgを溶媒としてTHF0.5mlに溶解させ、調製した。
(X線回折の測定条件)
本発明において、X線回折の測定は、CuKα線を用いて次の条件で行った。
使用測定機:マック・サイエンス社製、全自動X線回折装置MXP18
X線管球:Cu
管電圧:50kV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:2deg./min
サンプリング間隔:0.020deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):40deg.
ダイバージェンススリット:0.5deg.
スキャッタリングスリット:0.5deg.
レシービングスリット:0.3deg.
湾曲モノクロメーター使用
(実施例1)
・アリールアミン組成物溶液の作製
上記構造式(e)で示されるアミン化合物と上記構造式(B)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−7)で示されるアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)を準備した。このアリールアミン組成物を吸着剤(商品名:ミズカライフF−1G、水澤化学工業社製)とともにo−ジクロロベンゼン中に10分間分散させることによって吸着剤処理を行った。吸着剤処理後、その液を濾過し、濾液からエバポレーターで溶媒を留去した。その後、60℃に加温したDMF/メタノール=1/3(質量比)の混合溶媒に溶解させ、0℃まで冷却することによって晶析処理を行った。
晶析処理後のアリールアミン組成物(HPLC純度:88.0%)100gを、80℃に加温したメチルシクロヘキサン(純度98.5%、容器開封後30日経過)700g(x)に溶解させ、アリールアミン組成物溶液を作製した。
・シリカゲルカラムの作製
シリカゲル250g(y)を、外周壁が中空構造を有していて内径が4cmのガラス製円筒状カラムに充填して、シリカゲル中をアリールアミン組成物溶液が移動する距離(z)が40cmとなるシリカゲルカラムを作製した。用いたシリカゲルは、富士シリシア製のBW−200k(商品名)(比表面積:500±50m/g、細孔容積:0.725±0.075ml/g、pH:7.0±1.0、含水率:1.2質量%以下、平均粒径:60±5μm、細孔径:6nm)である。
以上の条件から、z×y/x=14.3であった。
・シリカゲル処理
上記アリールアミン組成物溶液を上記シリカゲルカラムに投入して、シリカゲル処理を行った。上記アリールアミン組成物溶液をシリカゲルカラムに投入する際の該アリールアミン組成物溶液の温度は65℃であった。その後、展開液としてメチルシクロヘキサン10kgを用いて1cm/minの線流速でシリカゲル中に上記アリールアミン組成物溶液を展開させた。シリカゲルカラムから排出される溶液の温度は55℃であった。回収した溶液を濃縮乾固させて、精製後のアリールアミン組成物を得た。この精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度は99.0%であり、収率は95%であった。
(実施例2〜24)
カラムの内径などの各条件を表1に示すようにした以外は、実施例1と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度および収率を表1に示す。
Figure 0005084368
(実施例25)
アリールアミン組成物溶液をシリカゲルカラムに投入する際の該アリールアミン組成物溶液の温度を58℃とした以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度は98.8%であり、収率は80%であった。
(実施例26)
シリカゲルカラムから排出される溶液の温度が45℃になるようにした以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度は98.8%であり、収率は85%であった。
(実施例27)
アリールアミン組成物溶液をシリカゲルカラムに投入する際の該アリールアミン組成物溶液の温度を25℃として、かつ、シリカゲルカラムから排出される溶液の温度が25℃になるようにした以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度98.8%であり、収率は75%であった。
(実施例28)
用いるカラムを外周壁が中空構造を有していない内径が4cmのガラス製円筒状カラムに変更して、かつ、カラムの周囲に巻きつけたリボンヒーターによってカラムを保温するようにした以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度99.0%であり、収率は97%であった。
(実施例29)
・アリールアミン組成物溶液の作製
上記構造式(e)で示されるアミン化合物と上記構造式(B)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−7)で示されるアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)を準備した。このアリールアミン組成物を吸着剤(商品名:ミズカライフF−1G、水澤化学工業社製)とともにo−ジクロロベンゼン中に10分間分散させることによって吸着剤処理を行った。吸着剤処理後、その液を濾過し、濾液からエバポレーターで溶媒を留去した。その後、60℃に加温したDMF/メタノール=1/3(質量比)の混合溶媒に溶解させ、0℃まで冷却することによって晶析処理を行った。
晶析処理後のアリールアミン組成物(HPLC純度:88.0%)0.2gを、80℃に加温したメチルシクロヘキサン(純度98.5%、容器開封後30日経過)3.6g(x)に溶解させ、アリールアミン組成物溶液を作製した。
・シリカゲルカラムの作製
シリカゲル0.5g(y)を、内径が0.21cmのガラス製キャピラリー状カラムに充填して、シリカゲル中をアリールアミン組成物溶液が移動する距離(z)が30cmとなるシリカゲルカラムを作製した。用いたシリカゲルは、富士シリシア製のBW−200k(商品名)(比表面積:500±50m/g、細孔容積:0.725±0.075ml/g、pH:7.0±1.0、含水率:1.2質量%以下、平均粒径:60±5μm、細孔径:約6nm)である。
以上の条件から、z×y/x=4.2であった。
・シリカゲル処理
上記アリールアミン組成物溶液を上記シリカゲルカラムに投入して、シリカゲル処理を行った。上記アリールアミン組成物溶液をシリカゲルカラムに投入する際の該アリールアミン組成物溶液の温度は65℃であった。その後、展開液としてメチルシクロヘキサン20gを用いて1cm/minの線流速でシリカゲル中に上記アリールアミン組成物溶液を展開させた。シリカゲルカラムから排出される溶液の温度は55℃であった。回収した溶液を濃縮乾固させて、精製後のアリールアミン組成物を得た。この精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度は98.8%であり、収率は90%であった。
(実施例30)
アリールアミン組成物溶液の作製の際、アリールアミン組成物の晶析処理を行わなかった以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度98.0%であり、収率は93%であった。
(実施例31)
アリールアミン組成物溶液の作製の際、アリールアミン組成物の吸着剤処理を行わなかった以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度98.8%であり、収率は93%であった。
(実施例32)
アリールアミン組成物溶液の作製の際、アリールアミン組成物の吸着剤処理および晶析処理を行わなかった以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度98.0%であり、収率は90%であった。
(実施例33)
アリールアミン組成物溶液の作製の際、アリールアミン組成物を溶解させる溶媒をジメチルシクロヘキサン(純度98.0%、容器開封直後使用)に変更し、展開液としてジメチルシクロヘキサン10kgを用いた以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度98.8%であり、収率は90%であった。
(実施例34)
アリールアミン組成物溶液の作製の際、アリールアミン組成物を溶解させる溶媒をメチルシクロヘキサン/ヘプタン=4/1(質量比)に変更し、展開液としてメチルシクロヘキサン/ヘプタン=4/1(質量比)の混合液10kgを用いた以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度98.5%であり、収率は85%であった。
参考例35)
精製対象材料を、上記構造式(k)で示されるアミン化合物と上記構造式(A)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−12)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度99.0%であり、収率は80%であった。
参考例36)
精製対象材料を、上記構造式(d)で示されるアミン化合物と上記構造式(A)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−4)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度99.0%であり、収率は85%であった。
(実施例37)
精製対象材料を、上記構造式(l)で示されるアミン化合物と上記構造式(D)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−5)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度99.0%であり、収率は85%であった。
(実施例38)
精製対象材料を、上記構造式(e)で示されるアミン化合物と上記構造式(G)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−5)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度99.0%であり、収率は87%であった。
参考例39)
精製対象材料を、上記構造式(m)で示されるアミン化合物と上記構造式(E)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−8)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度99.0%であり、収率は90%であった。
(実施例40)
精製対象材料を、上記構造式(e)で示されるアミン化合物と上記構造式(A)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−5)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度99.0%であり、収率は90%であった。
(比較例1)
・アリールアミン組成物溶液の作製
上記構造式(k)で示されるアミン化合物と上記構造式(A)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−12)で示されるアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)を準備した。このアリールアミン組成物を吸着剤(商品名:ミズカライフF−1G、水澤化学工業社製)とともにo−ジクロロベンゼン中に10分間分散させることによって吸着剤処理を行った。吸着剤処理後、その液を濾過し、濾液からエバポレーターで溶媒を留去した。その後、60℃に加温したDMF/メタノール=1/3(質量比)の混合溶媒に溶解させ、0℃まで冷却することによって晶析処理を行った。
晶析処理後のアリールアミン組成物(HPLC純度:88.0%)38gを、80℃に加温したメチルシクロヘキサン(純度98.5%、容器開封後30日経過)950g(x)に溶解させ、アリールアミン組成物溶液を作製した。
・シリカゲルカラムの作製
シリカゲル95g(y)を、外周壁が中空構造を有していて内径が4cmのガラス製円筒状カラムに充填して、シリカゲル中をアリールアミン組成物溶液が移動する距離(z)が15cmとなるシリカゲルカラムを作製した。用いたシリカゲルは、富士シリシア製のBW−200k(商品名)(比表面積:500±50m/g、細孔容積:0.725±0.075ml/g、pH:7.0±1.0、含水率:1.2質量%以下、平均粒径:60±5μm、細孔径:約6nm)である。
以上の条件から、z×y/x=1.5であった。
・シリカゲル処理
上記アリールアミン組成物溶液を上記シリカゲルカラムに投入して、シリカゲル処理を行った。上記アリールアミン組成物溶液をシリカゲルカラムに投入する際の該アリールアミン組成物溶液の温度は65℃であった。その後、展開液としてメチルシクロヘキサン3.8kgを用いて1cm/minの線流速でシリカゲル中に上記アリールアミン組成物溶液を展開させた。シリカゲルカラムから排出される溶液の温度は55℃であった。回収した溶液を濃縮乾固させて、精製後のアリールアミン組成物を得た。この精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度は97.5%であり、収率は80%であった。
(比較例2)
精製対象材料を、上記構造式(d)で示されるアミン化合物と上記構造式(A)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−4)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、比較例1と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度97.5%であり、収率は85%であった。
(比較例3)
精製対象材料を、上記構造式(l)で示されるアミン化合物と上記構造式(D)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−5)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、比較例1と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度97.5%であり、収率は85%であった。
(比較例4)
精製対象材料を、上記構造式(e)で示されるアミン化合物と上記構造式(G)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−5)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、比較例1と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度97.5%であり、収率は87%であった。
(比較例5)
精製対象材料を、上記構造式(m)で示されるアミン化合物と上記構造式(E)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−7)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、比較例1と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度97.5%であり、収率は90%であった。
(比較例6)
精製対象材料を、上記構造式(e)で示されるアミン化合物と上記構造式(A)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−5)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、比較例1と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度97.5%であり、収率は90%であった。
(比較例7)
精製対象材料を、上記構造式(e)で示されるアミン化合物と上記構造式(B)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−7)で示されるアリールアミン化合物含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)に変更した以外は、比較例1と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度97.5%であり、収率は90%であった。
(比較例8〜22)
カラムの内径などの各条件を表2に示すようにした以外は、比較例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度および収率を表2に示す。
Figure 0005084368
(比較例23)
・アリールアミン組成物溶液の作製
上記構造式(e)で示されるアミン化合物と上記構造式(B)で示される芳香族ハロゲン化物を反応させて得られた上記構造式(aa−7)で示されるアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物(HPLC純度:85.0%)を準備した。このアリールアミン組成物を吸着剤(商品名:ミズカライフF−1G、水澤化学工業社製)とともにo−ジクロロベンゼン中に10分間分散させることによって吸着剤処理を行った。吸着剤処理後、その液を濾過し、濾液からエバポレーターで溶媒を留去した。その後、60℃に加温したDMF/メタノール=1/3(質量比)の混合溶媒に溶解させ、0℃まで冷却することによって晶析処理を行った。
晶析処理後のアリールアミン組成物(HPLC純度:88.0%)35gを、80℃に加温したメチルシクロヘキサン(純度98.5%、容器開封後30日経過)140gに溶解させ、アリールアミン組成物溶液を作製した。
・シリカゲルカラムの作製
シリカゲル49gを、外周壁が中空構造を有していて内径が2cmのガラス製円筒状カラムに充填して、シリカゲル中をアリールアミン組成物溶液が移動する距離(z)が30cmとなるシリカゲルカラムを作製した。用いたシリカゲルは、富士シリシア製のBW−200k(商品名)(比表面積:500±50m/g、細孔容積:0.725±0.075ml/g、pH:7.0±1.0、含水率:1.2質量%以下、平均粒径:60±5μm、細孔径:6nm)である。
以上の条件から、z×y/x=42であった。
・シリカゲル処理
上記アリールアミン組成物溶液を上記シリカゲルカラムに4回に分けて投入して、シリカゲル処理を行った。4回の投入ごとに、展開液としてメチルシクロヘキサン0.875kgを用いて1cm/minの線流速でシリカゲル中に上記アリールアミン組成物溶液を展開させた。上記アリールアミン組成物溶液をシリカゲルカラムに投入する際の該アリールアミン組成物溶液の温度は65℃であった。シリカゲルカラムから排出される溶液の温度は55℃であった。回収した溶液を濃縮乾固させて、精製後のアリールアミン組成物を得た。この精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度97.5%であり、収率は90%であった。
(比較例24)
アリールアミン組成物溶液の作製の際、アリールアミン組成物を溶解させる溶媒をヘキサン(純度99.0%、容器開封直後使用)に変更し、展開液としてヘキサン10kgを用いた以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度98.8%であり、収率は40%であった。
(比較例25)
アリールアミン組成物溶液の作製の際、アリールアミン組成物を溶解させる溶媒をメチルシクロヘキサン/ヘプタン=7/3(質量比)の混合液に変更し、展開液としてメチルシクロヘキサン/ヘプタン=7/3(質量比)の混合液10kgを用いた以外は、実施例7と同様の手順で精製を行った。精製後のアリールアミン組成物のHPLC純度98.8%であり、収率は50%であった。
(実施例41)
・電子写真感光体の作製
干渉縞防止層用塗布液の調製
10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粉体50部と、レゾール型フェノール樹脂25部と、メチルセロソルブ20部と、メタノール5部と、シリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部とを、直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置に入れ、分散処理を2時間行うことによって、干渉縞防止層用塗布液を調製した。
干渉縞防止層の形成
支持体としてのアルミニウムシリンダー(直径30mm、引き抜き管)上に、上記干渉縞防止層用塗布液を浸漬塗布し、これを30分間140℃で乾燥させることによって、膜厚が20μmの干渉縞防止層を形成した。
下引き層用塗布液の調製
ナイロン6−66−610−12四元ナイロン共重合体樹脂(商品名:CM8000、東レ社製)2.5部およびN−メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス製、メトキシメチル化率:28〜33質量%)7.5部を、メタノール100部およびブタノール90部の混合溶媒に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。
下引き層の形成
上記下引き層用塗布液を上記干渉縞防止層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が1μmの下引き層を形成した。
電荷発生層用塗布液の調製
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.3°および28.1°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン10.5部と、シクロヘキサノン30部と、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業社製)5.3部をシクロヘキサノン100部に溶解させてなる液とを、直径1mmのガラスビーズ506部を用いたサンドミル装置に入れ、18℃の冷却水で冷却しつつ、回転数は1800rpmで、分散処理を4時間行った。分散処理後の液に酢酸エチル300部およびシクロヘキサノン160部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
電荷発生層の形成
上記電荷発生層用塗布液を上記下引き層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.17μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送層用塗布液の調製
実施例1で得られた精製後のアリールアミン組成物10部およびポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱ガス化学(株)製)10部を、モノクロロベンゼン70部およびジメトキシメタン20部の混合溶媒に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
電荷輸送層の形成
上記電荷輸送層用塗布液を上記電荷発生層上に浸漬塗布し、これを30分間130℃で乾燥させることによって、膜厚が24μmの電荷輸送層を形成した。
以上のようにして、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
・電子写真感光体の評価
上述のようにして作製した電子写真感光体の表面電位測定を、ジェンテック社製のドラム試験機:CYNTHIA59を用いて行った。電子写真感光体の表面の帯電にはスコロトロン式コロナ帯電器を用いた。1次電流を100μAに設定し、グリッド電圧は電子写真感光体の表面の印加電圧が−630Vとなるように設定した。前露光の光源にはハロゲンランプを用い、白色光光量をNDフィルタを用いて像露光光量の4倍の光量に調節した。サイクルスピードは1sec/cycleとした。電子写真感光体に対する電位測定プローブの位置は電子写真感光体の軸方向において中央とし、電子写真感光体の表面からのギャップは3mmとした。
23℃/50%RHの環境下にて、電子写真感光体の前露光照射後300ミリ秒後の表面電位を残留電位として測定した。
評価結果を表3に示す。
(実施例42〜80)
実施例1で得られた精製後のアリールアミン組成物10部を、それぞれ、実施例2〜40で得られた精製後のアリールアミン組成物10部に変更した以外は、実施例41と同様にして電子写真感光体を作製した。また、作製した電子写真感光体を実施例41と同様にして評価した。
評価結果を表3に示す。
(実施例81)
実施例7で得られた精製後のアリールアミン組成物10部を、実施例7で得られた精製後のアリールアミン組成物5部および実施例40で得られた精製後のアリールアミン組成物5部に変更した以外は、実施例41と同様にして電子写真感光体を作製した。また、作製した電子写真感光体を実施例41と同様にして評価した。
評価結果を表3に示す。
(実施例82)
実施例40で得られた精製後のアリールアミン組成物10部を、実施例40で得られた精製後のアリールアミン組成物5部および参考例39で得られた精製後のアリールアミン組成物5部に変更した以外は、実施例80と同様にして電子写真感光体を作製した。また、作製した電子写真感光体を実施例41と同様にして評価した。
評価結果を表3に示す。
(比較例26〜50)
実施例1で得られた精製後のアリールアミン組成物10部を、それぞれ、比較例1〜25で得られた精製後のアリールアミン組成物10部に変更した以外は、実施例41と同様にして電子写真感光体を作製した。また、作製した電子写真感光体を実施例41と同様にして評価した。
評価結果を表3に示す。
Figure 0005084368
シリカゲル処理工程においてシリカゲル中をアリールアミン組成物溶液が移動する距離zを決定する一例を示す図である。 積層型感光層を有する電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
符号の説明
101 カラム
102 シリカゲル
111 上断面
112 下断面
113 シリカゲル中をアリールアミン組成物溶液が移動する距離z
200 支持体
201 下引き層
202 電荷発生層
203 電荷輸送層
204 感光層
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段

Claims (3)

  1. 下記構造式()で示されるアミン化合物と下記構造式(6)または(7)で示される芳香族ハロゲン化物とを反応させて得られたアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物を、該アリールアミン組成物100質量部に対して700〜2500質量部のアルキルシクロヘキサン溶媒に溶解させて、アリールアミン組成物溶液を作製するアリールアミン組成物溶液作製工程と、
    該アリールアミン組成物100質量部に対して100〜250質量部のシリカゲルを充填したカラムに該アリールアミン組成物溶液を投入し、該アリールアミン組成物溶液作製工程において使用されるアルキルシクロヘキサン溶媒と同一または異なるアルキルシクロヘキサン溶媒にて該シリカゲル中に展開させた後、該カラムから排出される溶液を回収するシリカゲル処理工程と
    を有するアリールアミン組成物の精製方法であって、
    該アリールアミン組成物溶液作製工程において該アリールアミン組成物を溶解させるために使用される該アルキルシクロヘキサン溶媒には、メチルシクロヘキサンが溶媒全質量に対して80〜100質量%含まれ、
    該アリールアミン組成物溶液作製工程において該アリールアミン組成物を溶解させるために使用される該アルキルシクロヘキサン溶媒の質量をx[g]とし、該シリカゲル処理工程において使用される該シリカゲルの質量をy[g]とし、該シリカゲル処理工程において該シリカゲル中を該アリールアミン組成物溶液が移動する距離をz[cm]としたとき、x、yおよびzが下記関係式
    4[cm]≦z×y/x≦25[cm]
    を満たすことを特徴とするアリールアミン組成物の精製方法。
    Figure 0005084368

    Figure 0005084368
  2. 前記zが20〜40[cm]である請求項1に記載のアリールアミン組成物の精製方法。
  3. 支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体を製造する方法において、
    前記構造式()で示されるアミン化合物と前記構造式(6)または(7)で示される芳香族ハロゲン化物とを反応させて得られたアリールアミン化合物を含むアリールアミン組成物を、請求項1または2に記載の精製方法で精製する工程、ならびに、
    該精製する工程で精製されたアリールアミン組成物を用いて該感光層を形成する工程
    を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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