JP5071073B2 - モータ制御装置、プリンタおよび駆動制御方法 - Google Patents

モータ制御装置、プリンタおよび駆動制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、モータ制御装置、プリンタおよび駆動制御方法に関する。
インクジェット式のプリンタにおいては、印刷媒体を搬送するための搬送駆動ローラ等を具備しており、この搬送駆動ローラは、DCモータ等のモータ(以下、PFモータとする。)により駆動させられる。また、印刷ヘッドを搭載しているキャリッジも、DCモータ等のモータ(以下、CRモータとする。)により駆動させられる。これらPFモータ、CRモータの駆動制御は、比例要素、積分要素および微分要素を組み合わせたPID制御が用いられることが多い。このPID制御では、目標速度と実際の速度との間の速度偏差(速度差)を算出し、その偏差に基づいて比例要素、積分要素および微分要素の計算を行い、PFモータの制御値(Duty比)を決定している(特許文献1〜3参照)。
特開2006−240212号公報 特開2003−79177号公報 特開2003−48351号公報
ところで、上述のPFモータ、CRモータ等の駆動制御は、ロータリエンコーダやリニアエンコーダ等のエンコーダを用いて行われる。エンコーダを用いた検出では、エンコーダエッジをよぎる場合(エンコーダエッジが検出される場合)に、位置情報が新たなものへと更新され、更にこの更新された位置情報とエンコーダエッジ間に要する時間に基づいて速度が算出される。
ここで、上記のPID制御の演算は、所定のPID演算周期毎に行われるが、そのPID演算周期は、通常はエンコーダエッジ間の時間(以下、ENC周期とする。)よりも短くなっている。そのため、次の(新たな)エンコーダエッジが計測されるまでの間、前回のENC周期を用いて、PID制御の演算を、所定のPID演算周期毎に行っている。また、場合によっては、最初は前回のエッジ間に要した時間を用いるが、途中から速度をゼロとしてPID演算を行う場合もある。
しかしながら、例えばPFモータやCRモータの停止間際のように、非常に速度が遅い場合、新たなENC周期が大きくなってしまう。そのため、PID演算において用いられる速度は、現在の速度から大きくずれて、正しい速度とはなっていない。また、PID演算が、正しい速度に基づいていないため、モータの停止位置精度が良好とならない、という問題がある。
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、停止位置の精度を良好にすることが可能なモータ制御装置、プリンタおよびモータ制御方法を提供しよう、とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、被搬送物を搬送する駆動力を与えるモータと、モータの駆動による被搬送物の移動に伴ってスケールに設けられているパターンまたは当該スケール上に設けられているパターンに応じてレベル変化する出力信号を発生させる信号出力手段と、出力信号がレベル変化した時点から、次に出力信号がレベル変化するまでのレベル変化間の時間を周期として算出する周期算出手段と、被搬送物の現在速度は、モータのフィードバック制御の演算を行うフィードバック演算周期が到来する度に算出すると共に、フィードバック演算周期が到来する度に、当該フィードバック演算周期間の時間を当該フィードバック演算周期の1つ前のフィードバック演算周期で計測した待ち時間に加算することにより、当該フィードバック演算周期の到来する以前のレベル変化点の中で当該フィードバック演算周期の直近のレベル変化点から当該フィードバック演算周期が到来する時点までの時間を計測する待ち時間計測手段と、当該フィードバック演算周期の到来以前のレベル変化点の中で当該フィードバック演算周期の直近のレベル変化点と当該フィードバック演算周期の直近のレベル変化点の1つ前のレベル変化点との間の上記周期をしきい値周期として選択するしきい値選択手段と、待ち時間としきい値周期とを比較し、待ち時間がしきい値周期よりも小さいか、またはしきい値周期以下の場合にはしきい値周期を速度計算用周期として選択すると共に、待ち時間がしきい値周期以上であるか、またはしきい値周期よりも大きい場合には待ち時間を速度計算用周期として選択する周期選択手段と、周期選択手段で選択された速度計算用周期を用いて被搬送物の現在速度を算出する速度算出手段と、速度算出手段により算出される現在速度に基づいて、モータをフィードバック制御するモータ制御手段と、を具備するものである。
このように構成する場合、周期選択手段により、待ち時間としきい値周期との大小が比較され、そのうち大きい方が速度計算用周期として選択され、この速度計算用周期を用いて被搬送物の速度が算出され、算出された速度に基づいて、モータがフィードバック制御される。ここで、例えばモータの速度が非常に遅くなるような場合のように、出力信号のレベル変化が長い時間検出されない場合には、周期選択手段によって待ち時間が選択される。そのため、実際には遅いにも拘わらず、しきい値周期を用いてモータの速度が算出されるような不具合を防止することが可能となり、モータの正しい速度を推定することが可能となる。それにより、被搬送物の停止位置精度を向上させることが可能となる。
また、このように構成する場合、フィードバック演算周期が到来する度に、そのフィードバック演算周期間の時間当該フィードバック演算周期の1つ前のフィードバック演算周期で計測した待ち時間に加算して、待ち時間が算出される。そして、この待ち時間としきい値周期とが比較されるので、比較的細かなタイミングでモータの正しい速度を推定可能となり、被搬送物の停止位置を向上可能となる。
さらに、このように構成する場合、速度算出手段は、現在計測しているレベル変化間の周期の1つ前のレベル変化間の周期をしきい値周期とする。そのため、待ち時間は、出力信号の間近のレベル変化間の周期と比較される。それにより、モータの速度が間近で変動する場合に、当該モータの正しい速度を推定可能となる。それにより、被搬送物の停止位置精度を一層向上可能となる。また、例えばエンコーダの分解能が粗い場合においては、出力信号にレベル変化が生じない時間が比較的長く、誤った速度でモータが駆動される時間も比較的長いが、本発明を適用すれば、正しい速度を推定することが可能となる。そのため、エンコーダの分解能が粗い場合には、停止位置精度を一層向上させることが可能となる。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、待ち時間計測手段は、出力信号にレベル変化が生じた場合、計測している待ち時間を初期値へと更新するものである。
このように構成する場合、出力信号のレベル変化間の周期を計測した後に、次のレベル変化間の周期の計測を行える状態となる。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、速度算出手段は、モータが減速している領域において待ち時間としきい値周期とを比較するものである。
このように構成する場合、モータが減速している領域では、間近に計測したレベル変化間の周期よりも、現在計測しているレベル変化間の周期の方が大きくなる。そのため、待ち時間と間近に計測したレベル変化間の周期とを比較して、大きい方を用いれば、モータの速度を一層正確に推定することが可能となり、停止位置精度を一層向上させることが可能となる。
さらに、他の発明は、プリンタが上述の各発明に係るモータ制御装置を備えるものである。
このように構成する場合、周期選択手段により、待ち時間としきい値周期との大小が比較され、そのうち大きい方が速度計算用周期として選択され、この速度計算用周期を用いて被搬送物の速度が算出され、算出された速度に基づいて、モータがフィードバック制御される。ここで、例えばモータの速度が非常に遅くなるような場合のように、出力信号のレベル変化が長い時間検出されない場合には、周期選択手段によって待ち時間が選択される。そのため、実際には遅いにも拘わらず、しきい値周期を用いてモータの速度が算出されるような不具合を防止することが可能となり、モータの正しい速度を推定することが可能となる。それにより、被搬送物の停止位置精度を向上させることが可能となる。
また、他の発明は、被搬送物を搬送する駆動力を与えるモータを制御する駆動制御方法であって、モータの駆動による被搬送物の移動に伴ってスケールに設けられているパターンまたは当該スケール上に設けられているパターンに応じてレベル変化する出力信号を信号出力手段から発生させ、出力信号がレベル変化した時点から、次に出力信号がレベル変化するまでのレベル変化間の時間を周期として算出する周期算出手段と、被搬送物の現在速度は、モータのフィードバック制御の演算を行うフィードバック演算周期が到来する度に算出すると共に、フィードバック演算周期が到来する度に、当該フィードバック演算周期間の時間を当該フィードバック演算周期の1つ前のフィードバック演算周期で計測した待ち時間に加算することにより、当該フィードバック演算周期の到来する以前のレベル変化点の中で当該フィードバック演算周期の直近のレベル変化点から当該フィードバック演算周期が到来する時点までの時間を計測する待ち時間計測ステップと、当該フィードバック演算周期の到来以前のレベル変化点の中で当該フィードバック演算周期の直近のレベル変化点と当該フィードバック演算周期の直近のレベル変化の1つ前のレベル変化点との間の周期をしきい値周期として選択するしきい値選択ステップと、待ち時間としきい値周期とを比較し、待ち時間がしきい値周期よりも小さいか、またはしきい値周期以下の場合にはしきい値周期を速度計算用周期として選択すると共に、待ち時間がしきい値周期以上であるか、またはしきい値周期よりも大きい場合には待ち時間を速度計算用周期として選択する周期選択ステップと、周期選択ステップで選択された速度計算用周期を用いて被搬送物の現在速度を算出する速度算出ステップと、速度算出ステップにより算出される現在速度に基づいて、上記モータをフィードバック制御するモータ制御ステップと、を具備するものである。
このように構成する場合、周期選択ステップにより、待ち時間としきい値周期との大小が比較され、そのうち大きい方が速度計算用周期として選択され、この速度計算用周期を用いて被搬送物の速度が算出され、算出された速度に基づいて、モータがフィードバック制御される。ここで、例えばモータの速度が非常に遅くなるような場合のように、出力信号のレベル変化が長い時間検出されない場合には、周期選択ステップによって待ち時間が選択される。そのため、実際には遅いにも拘わらず、しきい値周期を用いてモータの速度が算出されるような不具合を防止することが可能となり、モータの正しい速度を推定することが可能となる。それにより、被搬送物の停止位置精度を向上させることが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態に係るモータ制御装置(主として制御部100)を備えるプリンタ10および駆動制御方法について、図1から図9に基づいて説明する。なお、本実施の形態のプリンタ10は、インクジェット式のプリンタであるが、かかるインクジェット式プリンタは、インクを吐出して印刷可能な装置であれば、いかなる吐出方法を採用した装置でも良い。
また、以下の説明においては、下方側とは、プリンタ10が設置される側を指し、上方側とは、設置される側から離間する側を指す。また、印刷媒体Pが供給される側を給送側(後端側)、印刷媒体Pが排出される側を排紙側(手前側)として説明する。
<プリンタ10の概略構成>
図1に示すように、プリンタ10は、不図示の筐体部と、キャリッジ駆動機構20と、用紙搬送機構30と、ロータリエンコーダ40と、リニアエンコーダ50と、制御部100と、を主要な構成要素としている。
これらのうち、キャリッジ駆動機構20は、キャリッジ21と、キャリッジモータ(CRモータ22)と、ベルト23と、歯車プーリ24、従動プーリ25およびキャリッジ軸26を備えている。キャリッジ21は、各色のインクカートリッジ27を搭載可能としている。また、図1および図2に示すように、キャリッジ21の下面には、インク滴を吐出可能な印刷ヘッド28が設けられている。また、ベルト23は、無端ベルトであり、その一部がキャリッジ21の背面に固定されている。このベルト23は、歯車プーリ24と従動プーリ25とによって張設されている。
上述の印刷ヘッド28には、各インクに対応づけられた不図示のノズル列が設けられていて、このノズル列を構成するノズルには、不図示のピエゾ素子が配置されている。このピエゾ素子の作動により、インク通路の端部にあるノズルからインク滴を吐出することが可能となっている。なお、印刷ヘッド28は、ピエゾ素子を用いたピエゾ駆動方式に限られず、例えばインクをヒータで加熱し、発生する泡の力を利用するヒータ方式、磁歪素子を用いる磁歪方式、ミストを電界で制御するミスト方式等を採用しても良い。また、カートリッジ27に充填されるインクは、染料系インク/顔料系インク等、いずれの種類のインクを搭載しても良い。
図1等に示すように、用紙搬送機構30は、被搬送物としての印刷媒体P等を搬送するための、モータおよび搬送モータとしてのPFモータ31、および普通紙等の給紙に対応する給紙ローラ32を具備している。また、給紙ローラ32よりも排紙側には、印刷媒体Pを搬送/挟持するためのPFローラ対33が設けられている。また、PFローラ対33の排紙側には、プラテン34および上述の印刷ヘッド28が上下に対向する様に配設されている。プラテン34は、載置部に対応すると共に、PFローラ対33によって印刷ヘッド28の下へ搬送されてくる印刷媒体Pを、下方側から支持する。また、プラテン34よりも排紙側には、上述のPFローラ対33と同様の、排紙ローラ対35が設けられている。この排紙ローラ対35のうち、排紙駆動ローラ35aには、PF駆動ローラ33aと共に、PFモータ31からの駆動力が伝達される。なお、CRモータ22およびPFモータ31は、DCモータとなっている。
また、図1に示すように、ロータリエンコーダ40(信号出力手段に相当)は、位置検出手段に対応し、円盤状スケール41と、ロータリセンサ42と、を具備している。これらのうち、円盤状スケール41は、その周方向に沿って一定の間隔毎に、光を透過させる透光部と、光の透過を遮断する遮光部とを有している。この円盤状スケール41は、PFモータ31によって回転させられる。
また、ロータリセンサ42は、不図示の発光素子と、同じく不図示の受光素子とを主要な構成要素としている。これらのうち、発光素子は、例えば発光ダイオードといった光を出射させることが可能な部材から構成されている。また、発光素子と、受光素子との間には、不図示のコリメータレンズが介在している。そして、発光素子から出射される光は、コリメータレンズの通過により平行光に整形された後に、円盤状スケール41に入射される。
また、受光素子に入力される光は、所定の光電変換を行って電気信号に変換された後に、不図示の信号処理回路において処理され、さらに不図示のコンパレータに処理後の信号が出力される。また、コンパレータでは、入力されるそれぞれの信号を比較し、その比較によって、図3に示すように、HレベルとLレベルとの間でレベル変化するパルス信号(A相のENC信号,B相のENC信号;出力信号に対応)を出力する。ここで、出力されるA相のENC信号、B相のENC信号は、互いに位相が90度だけ異なっている。そのため、CRモータ22が正転状態にあるとき(キャリッジ21がホームポジションから離れる向きに移動しているとき)、A相のENC信号は、B相のENC信号よりも90度だけ位相が進行する。また、CRモータ22が逆転状態にあるとき、A相のENC信号は、B相のENC信号よりも90度だけ位相が遅れる。
また、リニアエンコーダ50は、プリンタ10の副走査方向に沿って延伸するリニアスケール51を具備すると共に、上述のロータリエンコーダ40と同様のフォトセンサ(リニアセンサ52)を具備している。このリニアエンコーダ50においては、リニアスケール51が長尺状である以外は、ロータリエンコーダ40と同様の構成となっているため、その詳細についての説明は省略する。
なお、プリンタ10は、その他、印刷媒体Pの幅を検出する紙幅検出センサ、印刷ヘッド28とプラテン34との間の距離を検出するギャップ検出センサ等、その他のセンサを備えている。
次に、制御部100について、図4、図5等に基づいて説明する。制御部100は、各種の制御を行う部分である。この制御部100は、上述のロータリセンサ42、リニアセンサ52、不図示の紙幅検出センサ、不図示のギャップ検出センサ、プリンタ10の電源をオン/オフする電源スイッチ等の各出力信号が入力される。
図1に示すように、制御部100は、CPU101、ROM102、RAM103、PROM104、ASIC105、モータドライバ106等を具備していて、これらが例えばバス等の伝送路107を介して接続されている。そして、これらのハードウエアと、ROM102やPROM104に記憶されているソフトウエアおよび/またはデータの協働、または特有の処理を行う回路や構成要素の追加等によって、図4のブロック図に示す構成(速度制御手段120)、および図5のブロック図に示す構成(位置制御手段140)が機能的に実現される。加えて、更には位置制御手段140中の待ち時間計測手段(主としてタイマ145および時間演算部146が相当)、周期選択手段(主として時間演算部146が相当)、速度算出手段(主として速度演算部142が相当)、モータ制御手段(図5のブロック図のうち第3減算部149以降の構成が相当)、周期算出手段(主としてENC周期計測部143が相当)が実現される。
また、CPU101は、速度制御手段120、または位置制御手段140のいずれで制御を行うかの切り替えを行う。この切り替えは、CPU101がROM102またはPROM104から所定のプログラムおよびデータを読み込むことにより行われる。より具体的には、CPU101には、ASIC105の位置演算部(図4の位置演算部121、図5の位置演算部141と同様)で算出される、現在位置を示す信号が入力される。そして、CPU101では、この現在位置を示す信号に基づいて、目標停止位置(図7参照)から規定だけ手前の切り替え位置に到達したか否かを判断し、到達したと判断される場合には、図4に示す速度制御手段120に基づく制御から、位置制御手段140に基づく制御へと、PFモータ31の制御を切り替える。
図4に示すように、速度制御手段120は、位置演算部121と、速度演算部122と、第1減算部123と、目標速度発生部124と、第2減算部125と、比例要素126と、積分要素127と、微分要素128と、比例補正部129と、積分補正部130と、微分補正部131と、加算部132と、PWM信号出力部133と、を具備している。
これらのうち、位置演算部121は、ロータリセンサ42から入力される、矩形波である出力信号(図3参照)のエッジをカウントすることにより、印刷媒体P(被搬送物に対応)の送り量を算出する。また、速度演算部122には、ロータリセンサ42から入力される、矩形波である出力信号のエッジをカウントすると共に、不図示のタイマ(図5におけるタイマと同等のもの)で計測される時間(周期)に関する信号も入力される。そして、カウントしたエッジと時間(周期)に基づいて、印刷媒体Pの送り速度を算出する。
また、第1減算部123は、位置演算部121から出力される送り量(現在位置)に関する情報と、ROM102またはPROM104等のメモリから出力される目標位置(目標停止位置)に関する情報とに基づき、目標位置(目標停止位置)から現在位置を減算して位置偏差を算出する。目標速度発生部124には、第1減算部123から出力される位置偏差に関する情報が入力される。そして、目標速度発生部124は、この位置偏差に応じた目標速度に関する情報を出力する。なお、この目標速度に関する情報は、図7に示すような速度テーブルに関するものである。
第2減算部125は、目標速度から現在のPFモータ31の送り速度(現在速度)を減算して、速度偏差ΔVを算出し、比例要素126、積分要素127および微分要素128にそれぞれ出力する。比例要素126、積分要素127および微分要素128は、入力される速度偏差ΔVに基づいて、以下の比例制御値QPと、積分制御値QIと、微分制御値QDとを算出する。
QP(j)=ΔV(j)×Kp …(式1)
QI(j)=QI(j−1)+ΔV(j)×Ki …(式2)
QD(j)={ΔV(j)−ΔV(j−1)}×Kd …(式3)
ここで、jは、時間であり、Kpは比例ゲイン、Kiは積分ゲイン、Kdは微分ゲインである。
また、比例補正部129には、比例要素126から(式1)の比例制御値QPが入力されると共に、積分補正部130から補正後の積分制御値QI’が入力される。比例補正部129は、比例要素126からの比例制御値QPと、積分補正部130からの補正後の積分制御値QI’に所定の比率(例えば、0.95)を掛けた値との大小関係を比較する。そして、補正後の積分制御値QI’に所定の比率を掛けた値よりも比例制御値QPの方が小さい場合は、その比例制御値QPを加算部132へ出力する一方、補正後の積分制御値QI’に所定の比率を掛けた値の方が小さい場合は、その値を加算部132へ出力する。
微分補正部131には、微分制御値QDが微分要素から入力されると共に、積分補正部130から補正後の積分制御値QI’が入力される。微分補正部131は、微分要素128からの微分制御値QDと、積分補正部130からの補正後の積分制御値QI’に所定の比率(例えば、0.95)を掛けた値との大小関係を比較する。そして、補正後の積分制御値QI’に所定の比率を掛けた値よりも微分制御値QDの方が小さい場合は、その微分制御値QDを加算部132へ出力する一方、補正後の積分制御値QI’に所定の比率を掛けた値の方が小さい場合は、その値を加算部132へ出力する。
また、積分補正部130は、本実施の形態では、積分要素127から入力される信号をそのまま加算部132へ出力する。
加算部132は、比例補正部129、積分補正部130、および微分補正部131から出力される制御値を加算し、その加算により求めた制御値の和をPWM信号出力部133へ出力する。PWM信号出力部133は、加算部132から供給される制御値の和を換算して得たデューティー比のPWM信号を出力する。なお、このPWM信号出力部133には、デューティー比の上限値が設定されており、制御値を換算して得たデューティー比がその上限値(例えば、95パーセント)を超えたときは、その上限値のデューティー比を出力する。
また、モータドライバ106は、PWM信号出力部133から出力されるPWM信号に基づいて、PFモータ31をPWM制御にて、制御駆動する。
また、図5に示すように、位置制御手段140は、位置演算部141と、速度演算部142と、ENC周期計測部143と、メモリ144と、タイマ145と、時間演算部146と、第1減算部147と、位置ゲイン乗算部148と、第3減算部149と、比例要素150と、積分要素151と、微分要素152と、比例補正部153と、積分補正部154と、微分補正部155と、加算部156と、PWM信号出力部157と、を具備している。
これらのうち、位置演算部141、第1減算部147、比例要素150、積分要素151、微分要素152、比例補正部153、積分補正部154、微分補正部155、加算部156、PWM信号出力部157は、上述の速度制御手段120の対応する構成(位置演算部121、速度演算部122、第1減算部123、比例要素126、積分要素127、微分要素128、比例補正部129、積分補正部130、微分補正部131、加算部132、PWM信号出力部134)と同様であるため、その説明を省略する。
ただし、速度演算部142は、ロータリセンサ42からの出力信号に基づいた印刷媒体Pの送り速度の算出は行わずに、時間演算部146からの出力(速度計算用周期)に基づいて、印刷媒体Pの送り速度を算出する。
ENC周期計測部143は、ロータリセンサ42からの出力信号が入力される。このENC周期計測部143では、図3に示す出力信号のいずれかのエッジが入力されると、次の出力信号のエッジが入力されるまでの間、クロック信号のカウントを開始する。そして、クロック信号のカウントに基づいて、隣り合うエッジ間の時間を算出する。すなわち、図3のA相のENC信号、B相のENC信号におけるそれぞれ立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジのうち、最も近接する2つのエッジ間における時間(以下、ENC周期とする。)を計測する。なお、ENC周期計測部143で計測されたENC周期は、メモリ144に記憶されると共に、メモリ144に記憶されるENC周期は、時間演算部146によって読み出される。
また、メモリ144は、ENC周期を一時的に記憶する部分であり、RAM102やPROM104のような部分が該当するが、その他、専用のRAM、PROM等を設けるように構成しても良い。タイマ145は、不図示のクロックからの信号を受信する。そして、例えば100μsec等のような、所定のPID演算周期が到来すると、そのPID演算周期ごとに、時間演算部146にタイマ信号を出力する。
時間演算部146は、タイマ145からPID演算周期(例えば100μsec)に関するタイマ信号を受信して、待ち時間の計測を行う。例えば、時間演算部146は、前回の初期値(例えば50μsec)への更新が行われたときから、2回タイマ信号を受信すると250μsec、3回タイマ信号を受信すると350μsec等のように待ち時間を計測する。また、時間演算部146には、ロータリセンサ42からのENC信号も入力される。そして、時間演算部146では、図3に示すENC信号のいずれかのエッジが入力されると、待ち時間を初期値へとインクリメントする。すなわち、図3のA相またはB相のENC信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジのうち、いずれか1つも検出されると、時間演算部146では、待ち時間を初期値にインクリメントする。
また、時間演算部146では、メモリ144からENC周期を読み出して、ENC周期と待ち時間とを比較する。そして、待ち時間がENC周期以下、または待ち時間がENC周期よりも小さい場合には、時間演算部146は、速度演算部142に出力する速度計算用周期(時間情報に関する信号)として、ENC周期を出力する。逆に、待ち時間がENC周期よりも大きい場合、または待ち時間がENC周期以下の場合には、時間演算部146は、速度演算部142に出力する速度計算用周期として、待ち時間に関する情報を出力する。
位置ゲイン乗算部148は、第1減算部147で算出された位置偏差ΔL(=目標停止位置−現在位置)に、所定の位置ゲインを乗じた値を算出する部分である。また、第3減算部149は、第1減算部147で算出された値から、現在速度を減算して、偏差ΔHを算出する部分である。なお、位置ゲインをG、現在速度をV、現在周期をTとすると、偏差ΔHを式に示すと、以下のようになる。
ΔH=ΔL(j)×G−V(j) …(式4)
=ΔL(j)×G−1/T(j)
<PFモータ31の制御方法>
以上のような構成を有するプリンタ10における、PFモータ31の制御方法について、図6のフローに基づきながら以下に説明する。
プリンタ10の電源オン中に、例えば印刷の実行等に際して、CPU101からPFモータ31に駆動指令が発せられると、当該PFモータ31は、図6に示すような速度テーブルに従って、駆動させられる。すると、CPU101は、最初に、速度制御手段120でPFモータ31を制御駆動させる。それにより、PFモータ31は、目標速度と現在速度との間の速度偏差ΔVに基づく、速度PID制御により制御駆動させられる。すなわち、PFモータ31は、図7に示す目標速度の速度テーブルに収束するようにPID制御させられる。
そして、PFモータ31の加速領域、および定速領域の間は、速度PID制御が為されると共に、減速領域においても、図7に示す切り替え位置の手前側(左側;図7では実線で示される部分)までは、速度PID制御が為される。
また、PFモータ31の駆動に際しては、CPU101には、ASIC105の位置演算部(図4等の位置演算部121と同様)で算出される、現在位置を示す信号が入力される。そして、CPU101では、この現在位置を示す信号に基づいて、目標停止位置(図7参照)から規定だけ手前の切り替え位置に到達したか否かを判断する。すなわち、位置演算部121でのカウント値が規定の値に達したか否かを、CPU101は判断する。なお、この切り替え位置は、速度テーブルにおける減速領域となるように設定されている。
この判断において、切り替え位置に到達したと判断される場合、CPU101は、速度制御手段120に基づく制御から、位置制御手段140に基づく制御へと、PFモータ31の制御を切り替える。
そして、切り替えの後は、式(4)に基づいて偏差ΔHを算出する。この式(4)等から明らかなように、切り替え後、位置偏差ΔLは、PFモータ31が進行するにつれて、徐々に小さくなっていく。また、一般に、PID制御は、偏差が0(ゼロ)となるように制御するものなので、上述の式(4)の位置PID制御においては、位置偏差ΔLが小さくなっていけば、その位置偏差ΔLを解消する(ゼロとする)ための現在速度も小さくなっていく。なお、切り替え後は、速度テーブルに基づく制御駆動ではなくなるため、図7では、切り替え後の速度と位置との関係を、仮想的なものとして破線で示している。
この破線で示される状態において、タイマ145からPID演算周期に関するタイマ信号を時間演算部146が受信すると、まず、最新(現在)のPID演算周期において位置演算部141で算出されている位置に関するカウント値と、1つ前のPID演算周期において位置演算部141で算出されていた位置に関するカウント値との差を求める(S01)。続いて、この位置の差がゼロとなっているか否かを判断する(S02)。
なお、通常は、PID演算周期は、図8に示すようにENC周期よりも小さいため、カウント値がゼロである場合も十分に生じ得る状態となっている。また、カウント値の差がゼロである場合、最新(現在)のPID演算周期におけるENC信号のカウント値と、1つ前のPID演算周期におけるカウント値との間に変化はない。そのため、制御部100における判断は、同じ位置に留まっている、というものとなる。
ここで、S02の判断において位置に関するカウント値の差がゼロでないと判断される場合(Noの場合)、位置に関するカウント値に差があることになり、新たにENC信号のエッジを検出していることになる。このとき、ENC周期計測部143で計測されたENC周期を取得する(S03)。そして、時間演算部146では、速度計算用周期としてENC周期を選択し、速度演算部142では、取得されたENC周期を用いて、印刷媒体Pの搬送速度を算出する(S04)。この搬送速度の算出後、次のENC周期の計測に備えるために、待ち時間を初期値に設定する(S05)。ここで、PID演算周期が、例えば図8に示すように100μsecのとき、そのPID演算周期のどの時点でENC信号が検出されるか分からない。そのため、初期値をPID演算周期の中間値(例えば50μsec)に設定する。なお、このS05の処理の後は、当該PID演算周期における処理は終了し、次のPID演算周期の到来後に、同じ処理が繰り返される。
また、上述のS02の判断において、位置に関するカウント値の差がゼロであると判断される場合(Yesの場合)、メモリ144に記憶されているENC周期を読み出す(S06)。また、上記のS02の判断においてYesの場合、ENC信号のエッジは検出されずに、時間演算部146は同じ位置に留まり続けているものと判断することになる。その場合、時間演算部146は、前回のPID演算周期における待ち時間に、さらに今回のPID演算周期の時間(例えば、PID演算周期が100μsecの場合には、100μsec)を加算する(S07)。
次に、時間演算部146は、上述の待ち時間と直近のENC周期とを比較し、待ち時間がENC周期よりも大きいか否かを判断する(S08)。この判断において、待ち時間がENC周期よりも小さいと判断される場合(Noの場合)、時間演算部146は、速度計算用周期としてENC周期を選択し、速度演算部142では、S04と同様に、取得されたENC周期を用いて、印刷媒体Pの搬送速度を算出する(S09)。すなわち、この場合、図8のしきい値周期よりも手前側の状態となり、ENC信号のエッジは検出されてはいないが、前回のエッジの検出からさほど時間が経っていない状態に相当する。そのため、エッジが検出されていないのが通常であるので、その場合は、前回計測されたENC周期を用いて、印刷媒体Pの搬送速度を算出する。なお、このS09の処理の後は、当該PID演算周期における処理は終了し、次のPID演算周期の到来後に、同じ処理が繰り返される。
また、上述のS08の判断において、待ち時間がENC周期以上であると判断される場合(Yesの場合)、時間演算部146は、待ち時間を速度計算用周期に設定する(S10)。そして、この計算用周期が速度演算部142に出力され、速度演算部142では、この計算用周期である待ち時間を用いて、印刷媒体Pの搬送速度を算出する(S11)。
以上の処理を、PID演算周期が到来する度に、繰り返して行う。なお、上述のS02、S08における判断では、イコールの場合を含むようにしても良く、イコールの場合を含まないようにしても良い。
<本発明の適用による効果>
上述のような構成のプリンタ10によると、時間演算部146により、待ち時間とENC周期との大小が比較され、そのうち大きい方に関する情報が、速度演算部142に出力される。そして、速度演算部142では、かかる大きい方を用いて、印刷媒体P(PFモータ31)の搬送速度を算出し、算出された搬送速度を第3減算部149で減算し、その後PFモータ31がフィードバック制御される。このため、例えばPFモータ31の速度が非常に遅くなるような場合のように、ENC信号のエッジが長い時間検出されない場合、時間演算部146では待ち時間を選択するため、実際にはPFモータ31が遅いにも拘わらず、前回のENC周期を用いてPFモータ31の速度が算出されるような不具合を防止することが可能となる。それにより、印刷媒体P(PFモータ31)の正しい速度を推定することが可能となり、印刷媒体Pの停止位置精度を向上させることが可能となる。
図9は、停止間際の状態において従来技術を適用した場合と、本発明を適用した場合とを比較して示す図である。この図9においては、従来技術として、前回の速度を用いる場合と、最初は前回の速度を用いているが、途中から速度をゼロとした場合が示されている。一方、実際の速度は二点鎖線で示されていて、今回の発明に関するものが実線で示されている。この図9に示すように、従来技術の2つの場合は、共に実際の速度から大きく異なっている。これに対して、今回の発明のように、待ち時間とENC周期との大小が比較され、そのうち大きい方に関する情報を、速度演算部142で用いる場合、実際の速度に近い速度が算出されている。
この図9の様子は、図8からも容易に理解可能となっている。すなわち、今回の発明を適用した場合における速度は、エッジ間距離/速度計算用周期によって求められる。ここで、PFモータ31が遅くなって、分母のエッジ間の時間(すなわちENC周期)が大きくなると、今回の発明では、速度計算用周期として、しきい値周期(前回のENC周期)を超えた時点から、実際のENC周期に近い値である待ち時間が適用される。そのため、算出される速度は、実際の速度に近いものとなる。
また、時間演算部146では、PID演算周期が到来する度に、そのPID演算周期を加算して、待ち時間を算出していて、この待ち時間とENC周期とを比較している。そのため、比較的短いタイミングで、印刷媒体P(PFモータ31)の正しい速度を推定可能となり、印刷媒体Pの停止位置精度を一層向上させることが可能となる。
さらに、本実施の形態においては、時間演算部146は、現在計測しているENC周期の1つ前のENC周期をしきい値時間として用いている。そのため、待ち時間は、ENC信号の間近のエッジ間の周期と比較される。それにより、PFモータ31の速度が間近で変動する場合に、当該PFモータ31の正しい速度を推定可能となり、印刷媒体Pの停止位置精度を一層向上させることが可能となる。また、例えばエンコーダの分解能が粗い場合においては、ENC信号にレベル変化が生じない時間が比較的長く、誤った速度でPFモータ31が駆動される時間も比較的長い。しかしながら、待ち時間と前回のENC周期とを比較して、大きい方を選択するという、本発明を適用すれば、正しい速度を推定可能となる。そのため、特にエンコーダの分解能が粗い場合においては、停止位置精度を一層向上させることが可能となる。
また、本実施の形態では、ENC信号のエッジが検出された場合、計測している待ち時間を初期値へとインクリメント(更新)している。そのため、ENC信号のエッジ間の周期を計測した後に、次のエッジ間のENC周期の計測を行える状態となる。
また、本実施の形態では、PFモータ31が減速している領域において、図6に示す処理フローが実行されている。ここで、PFモータ31が減速している領域では、間近に計測されたENC周期よりも、現在計測しているENC周期の方が大きくなる。そのため、待ち時間と間近に計測されたENC周期とを比較して、大きい方を用いれば、PFモータ31の速度を一層正確に推定することが可能となり、停止位置精度を一層向上させることが可能となる。
<変形例>
以上、本発明の一実施の形態について述べたが、本発明は、種々変形可能である。以下、それについて述べる。
上述の実施の形態においては、PFモータ31を制御する場合について述べている。しかしながら、上述の図4、図5に示す制御部100においては、PFモータ31とCRモータ22を置き換えるように構成しても良い。なお、CRモータ22の駆動制御を行う場合、ロータリセンサ42から出力されるENC信号ではなく、リニアセンサ52から出力されるENC信号を用いて、同様の制御が為される。
また、PFモータ31およびCRモータ22以外にも、印刷ヘッド28を吸引するポンプを駆動するためのポンプモータ、その他、必要に応じて設けられる、給紙モータ、プラテンギャップ用モータ等に対して、上述したような駆動制御を実行するようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、出力信号(ENC信号)のレベル変化を検出する場合、A相およびB相の2つのENC信号を用いている。しかしながら、出力信号のレベル変化を検出するのに際して、1つのみのENC信号、または位相が互いに異なる3つ以上のENC信号を用いるように構成しても良い。
また、上述の実施の形態においては、図5に示す位置制御手段140に本発明が適用された場合について説明している。しかしながら、本発明は、図4に示す速度制御手段120に適用するようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、図6に示す処理フローは、PFモータ31(モータ)の減速領域において実行されている。しかしながら、図6の処理フローは、PFモータ31(モータ)の減速領域のみならず、図7に示すような速度が一定となる定速領域や加速領域に本発明を適用するようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、待ち時間と比較されるしきい値周期として、前回の(間近に計測された)ENC周期を用いている。しかしながら、しきい値周期は、前回の(間近に計測された)ENC周期には限られない。例えば、ENC周期に所定の値を加算/減算したものをしきい値周期として用いるようにしても良く、ENC周期に所定の係数を乗算したものをしきい値周期として用いるようにしても良い。また、ENC周期ではなく、ENC周期に最も近い時間となるPID演算周期の個数分をしきい値周期として用いるようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、制御部100は、CPU101と、ASIC104とを備えている。しかしながら、制御部100としては、ASIC104のみでPFモータ31の制御を司るように構成しても良く、また、これら以外に種々の周辺機器が組み込まれた1チップマイコン等を組み合わせて、制御部100を構成するようにしても良い。
さらに、上述の実施の形態では、速度制御手段120および位置制御手段140は、PID制御を行うように構成されている。しかしながら、PFモータ31の制御は、PID制御には限られない。PID制御以外の制御としては、PI制御、PD制御、P制御等のフィードバック制御、その他、フィードフォワード制御とフィードバック制御の併用等がある。
また、上述の実施の形態では、切り替え位置に到達したか否かを判断して、速度制御手段120での制御から位置制御手段140での制御に切り替えるようにしている。しかしながら、かかる制御の切り替えは、切り替え位置に到達したか否かではなく、別のトリガ(例えば、規定の時間が経過したか否か等)を用いるようにしても良い。また、上述の実施の形態では、モータ制御装置は、プリンタ10に適用されている。しかしながら、モータ制御装置は、プリンタへの適用には限られず、モータを用いる種々の装置(例えば、スキャナ、デジタルカメラ等)に適用可能である。
また、上述の実施の形態では、速度PID制御と位置PID制御の組み合わせのみについて述べているが、その他、オープン制御を組み合わせるようにしても良い。
本発明の一実施の形態に係るプリンタの側面構成を示す概略図である。 図1のプリンタのリア給送機構の外観を示す斜視図である。 ENC信号を示す図である。 速度制御手段の概略構成を示すブロック図である。 速度制御手段の概略構成を示すブロック図である。 PID演算周期ごとに実行されるシーケンスを示す処理フローである。 速度テーブルの速度と位置の関係を示す図である。 ENC周期とPID演算周期との関係の概略を示す図である。 各種の速度と時間との関係を示す図である。
符号の説明
10…プリンタ、20…キャリッジ機構、30…用紙搬送機構、31…PFモータ(モータに対応)、32…給紙ローラ、40…ロータリエンコーダ(信号出力手段に対応)、50…リニアエンコーダ、100…制御部(位置算出手段、速度算出手段、切替手段に対応)、101…CPU、120…速度制御手段、140…位置制御手段、142…速度演算部(速度算出手段に対応)、143…ENC周期計測部、144…メモリ、145…タイマ(待ち時間計測手段の一部に対応)、146…時間演算部(待ち時間計測手段の一部、周期選択手段に対応)、P…印刷媒体(被搬送物に対応)

Claims (6)

  1. 被搬送物を搬送する駆動力を与えるモータと、
    上記モータの駆動による上記被搬送物の移動に伴ってスケールに設けられているパターンまたは当該スケール上に設けられているパターンに応じてレベル変化する出力信号を発生させる信号出力手段と、
    上記出力信号がレベル変化した時点から、次に上記出力信号がレベル変化するまでのレベル変化間の時間を周期として算出する周期算出手段と、
    上記被搬送物の現在速度は、上記モータのフィードバック制御の演算を行うフィードバック演算周期が到来する度に算出すると共に、
    上記フィードバック演算周期が到来する度に、当該フィードバック演算周期間の時間を当該フィードバック演算周期の1つ前のフィードバック演算周期で計測した待ち時間に加算することにより、当該フィードバック演算周期の到来する以前のレベル変化点の中で当該フィードバック演算周期の直近のレベル変化点から当該フィードバック演算周期が到来する時点までの時間を計測する待ち時間計測手段と、
    当該フィードバック演算周期の到来以前のレベル変化点の中で当該フィードバック演算周期の直近のレベル変化点と当該フィードバック演算周期の直近のレベル変化点の1つ前のレベル変化点との間の上記周期をしきい値周期として選択するしきい値選択手段と、
    上記待ち時間と上記しきい値周期とを比較し、上記待ち時間が上記しきい値周期よりも小さいか、または上記しきい値周期以下の場合にはしきい値周期を速度計算用周期として選択すると共に、上記待ち時間が上記しきい値周期以上であるか、またはしきい値周期よりも大きい場合には上記待ち時間を上記速度計算用周期として選択する周期選択手段と、
    上記周期選択手段で選択された上記速度計算用周期を用いて上記被搬送物の現在速度を算出する速度算出手段と、
    上記速度算出手段により算出される上記現在速度に基づいて、上記モータをフィードバック制御するモータ制御手段と、
    を具備することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記モータ制御手段におけるフィードバック制御がPID制御であることを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 前記待ち時間計測手段は、前記出力信号に前記レベル変化が生じた場合、計測している前記待ち時間を初期値へと更新することを特徴とする請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記速度算出手段は、前記モータが減速している領域において前記待ち時間と前記しきい値周期とを比較することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  5. 請求項1から いずれか1項に記載のモータ制御装置を具備することを特徴とするプリンタ。
  6. 被搬送物を搬送する駆動力を与えるモータを制御する駆動制御方法であって、
    上記モータの駆動による上記被搬送物の移動に伴ってスケールに設けられているパターンまたは当該スケール上に設けられているパターンに応じてレベル変化する出力信号を信号出力手段から発生させ、上記出力信号がレベル変化した時点から、次に上記出力信号がレベル変化するまでのレベル変化間の時間を周期として算出する周期算出ステップと、
    上記被搬送物の現在速度は、上記モータのフィードバック制御の演算を行うフィードバック演算周期が到来する度に算出すると共に、上記フィードバック演算周期が到来する度に、当該フィードバック演算周期間の時間を当該フィードバック演算周期の1つ前のフィードバック演算周期で計測した待ち時間に加算することにより、当該フィードバック演算周期の到来する以前のレベル変化点の中で当該フィードバック演算周期の直近のレベル変化点から当該フィードバック演算周期が到来する時点までの時間を計測する待ち時間計測ステップと、
    当該フィードバック演算周期の到来以前のレベル変化点の中で当該フィードバック演算周期の直近のレベル変化点と当該フィードバック演算周期の直近のレベル変化点の1つ前のレベル変化点との間の上記周期をしきい値周期として選択するしきい値選択ステップと、
    上記待ち時間と上記しきい値周期とを比較し、上記待ち時間が上記しきい値周期よりも小さいか、または上記しきい値周期以下の場合にはしきい値周期を速度計算用周期として選択すると共に、上記待ち時間が上記しきい値周期以上であるか、またはしきい値周期よりも大きい場合には上記待ち時間を上記速度計算用周期として選択する周期選択ステップと、
    上記周期選択手段で選択された上記速度計算用周期を用いて上記被搬送物の現在速度を算出する速度算出ステップと、
    上記速度算出手段により算出される上記現在速度に基づいて、上記モータをフィードバック制御するモータ制御ステップと、
    を具備することを特徴とする駆動制御方法。
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