JP5070852B2 - シート状物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、外観、風合いに優れ、かつ環境に配慮したシート状物の製造方法、およびシート状物に関するものである。
主として極細繊維とポリウレタンからなるシート状物は天然皮革にない優れた特徴を有しており、種々の用途に広く利用されている。
かかるシート状物を製造するにあたっては、極細繊維からなる不織布に、ポリウレタンの有機溶剤溶液を含浸せしめた後、該繊維シート状物をポリウレタンの非溶媒である水または有機溶剤水溶液中に浸漬してポリウレタンを湿式凝固せしめる工程が一般的に採用されている。かかる有機溶剤としては、ポリウレタンの有機溶剤としてはN,N’−ジメチルホルムアミド等の水混和性有機溶剤が用いられる。
また、不織布を構成する極細繊維の製造方法としては極細繊維を直接紡糸する方法や、剥離型複合繊維や海島型複合繊維といった極細繊維発生型繊維からなる不織布を極細化処理して極細繊維を発生させる方法が挙げられる。ここで、直接紡糸法と極細繊維発生型繊維を用いる方法を比較すると、前者よりも後者の方が細繊度の極細繊維を得られることから、シート状物の表面品位や触感は良好となりやすい。しかし、極細繊維発生型繊維の極細化処理では、トルエン、トリクロロエチレン等の有機溶剤を使用する。
すなわち、従来のシート状物の製造方法は、ポリウレタンの溶剤や繊維の極細化処理において、有機溶剤を使用する方法が主に用いられたものであった。しかし、有機溶剤は人体や環境への有害性が高いことから、シート状物の製造に際しては、有機溶剤を使用しない手法が強く求められていた。
近年、このような背景からポリウレタンの有機溶剤使用に関しては、従来の有機溶剤タイプのポリウレタンに代えて水中にポリウレタンを分散させたポリウレタン水分散液を用い、繊維極細化工程に関しては、極細繊維発生型繊維に熱水可溶成分やアルカリ水溶液可溶成分を溶出成分として用いることで、熱水やアルカリ水溶液を用いて繊維の極細化を行う方法が検討されている。
ここで、ポリウレタン液を不織布に含浸して凝固する際、有機溶剤溶液のポリウレタンの場合はポリウレタンの非溶媒である水または有機溶剤水溶液中に浸漬してポリウレタンを凝固せしめる湿式凝固を行うと、ポリウレタン部分の構造は多孔構造となるが、一般的にポリウレタン水分散液の場合は、凝固する方法は乾熱凝固や湿熱凝固、熱水凝固等が挙げられるが、いずれであってもポリウレタン部分は無孔構造となる。また、加熱乾燥時にポリウレタン水分散液の水分がシート状物最表面に移動する際に、ポリウレタンも最表面近傍に集中する、いわゆるマイグレーション現象が発生する。これによって、水分散性ポリウレタンを用いると得られるシート状物の風合いは非常に硬くなることが知られており、風合いの柔軟化を目指した検討が進められている。
例えば、特許文献1では、撥水処理していない繊維材料基体に感熱ゲル化性ポリウレタンエマルジョンを付与しており、エマルジョン液に予め柔軟撥水剤を添加することで、柔軟な皮革様シート材料を得ることが記載されている。しかし、柔軟撥水剤として用いているシリコーンオイルによって繊維とポリウレタンの滑りを向上し、柔軟化を図る技術であるため、当然最終形態としてシリコーンオイルが付着していなければ柔軟化効果は得られないものである。よって、シリコーンオイルを付与後の洗浄や染色、洗濯等の水中での取り扱いや、摩擦等の要因により、シリコーンオイルが除去されると柔軟化効果は大きく減少、または消失する課題がある技術である。
また、特許文献2では、柔軟剤処理した不織布への感熱ゲル化性ポリウレタンエマルジョンの付与による柔軟化技術が記載されている。柔軟撥水剤としてシリコーンオイルを用いているため、特許文献1の場合と同様に、洗浄や染色、洗濯等の水中での取り扱いや、摩擦等の要因により、シリコーンオイルが除去されると柔軟化効果は大きく減少、または消失する課題がある技術である。
このように環境に配慮し、有機溶剤を用いないプロセスで得られるシート状物において、柔軟な風合いと良好な外観を有するものはまだ得られていない。
特開2006−200115号公報 特開2000−17581号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、外観、風合いに優れ、かつ環境に配慮したシート状物の製造方法を提供するものである。
すなわち、本発明のシート状物の製造方法は、「次の(1)〜(3)の工程をこの順番で経ることを特徴とするシート状物の製造方法。
(1)熱水またはアルカリ水溶液に対する溶解性の異なる2種類以上の高分子物質の組み合わせからなる極細繊維発生型繊維を用いて不織布を作成する工程。
(2)造膜性シリコーンを含有する自己乳化型ポリウレタン水分散液を不織布に含浸する工程。
(3)該自己乳化型ポリウレタン水分散液を含浸した不織布を熱水またはアルカリ水溶液で処理して極細繊維を発現せしめる工程。」である。
本発明によれば、外観、風合いに優れ、かつ環境に配慮したシート状物の製造方法、およびシート状物を得ることができる。
本発明のシート状物の製造方法は、(1)〜(3)を順に経るものである。
(1)熱水またはアルカリ水溶液に対する溶解性の異なる2種類以上の高分子物質の組み合わせからなる極細繊維発生型繊維を用いて不織布を作成する工程。
(2)造膜性シリコーンを含有する自己乳化型ポリウレタン水分散液を不織布に含浸する工程。
(3)該自己乳化型ポリウレタン水分散液を含浸した不織布を熱水またはアルカリ水溶液で処理して極細繊維を発現せしめる工程。
(1)〜(3)の順に実施することで、自己乳化型ポリウレタンと極細繊維間、極細繊維と極細繊維間、または自己乳化型ポリウレタンと極細繊維間および極細繊維と極細繊維間、に空隙を生成することができ、非常に柔軟なシート状物を得ることができる。特に極細繊維発生型繊維が海島型複合繊維であると、自己乳化型ポリウレタンと極細繊維は実質的に密着していない構造を形成するため、さらに柔軟なシート状物を得ることができ、好ましい。工程の順序が(1)〜(3)の順でない場合、例えば(1)(3)(2)の順であると、自己乳化型ポリウレタンと極細繊維間に空隙がなく、実質的に密着した構造を形成するため、シート状物の風合いは非常に硬くなる。
ここでいう実質的に密着していないとは、シート状物の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を倍率300倍で観察した際に、自己乳化型ポリウレタンが極細繊維に接着しておらず、自己乳化型ポリウレタンと極細繊維の間に空隙が存在することを確認できることをいう。部分的には接している場合もあるが、基本的には空隙があるものである。
また、ここでいうシート状物とは、天然皮革のようなスエード、ヌバック、銀面等の優れた表面外観を有してなるものであり、好ましくはスエードやヌバックといった立毛調の外観において、滑らかなタッチと優れたライティングエフェクトを有するものである。
また、本発明において、「シート」とは不織布に造膜性シリコーンを含有する自己乳化型水分散液を含浸したもののことをいい、その後、シートの繊維を極細化したものを「シート状物」という。
最初に工程(1)について説明する。
不織布を構成する極細繊維を得る手段としては極細繊維発生型繊維を用いる。極細繊維発生型繊維をあらかじめ絡合した後に繊維の極細化を行うことによって、極細繊維が絡合してなる不織布を得ることができる。
極細繊維発生型繊維としては、熱水またはアルカリ水溶液に対する溶解性の異なる2種類以上の熱可塑性高分子成分を海成分・島成分とし、海成分を熱水またはアルカリ水溶液を用いて溶解除去することによって島成分を極細繊維とする海島型複合繊維や、2成分の熱可塑性高分子成分を繊維断面を放射状または多層状に交互に配置し、各成分を剥離分割することによって極細繊維に割繊する剥離型複合繊維などを採用することができる。中でも、海島型複合繊維は、海成分を除去することによって島成分間、すなわち繊維束内部の極細繊維間に適度な空隙を付与することができるので、基材の柔軟性や風合いの観点からも好ましい。
海島型複合繊維には、海島型複合用口金を用い、海・島の2成分を相互配列して紡糸する高分子相互配列体方式と、海・島の2成分を混合して紡糸する混合紡糸方式などを用いることができるが、均一な繊度の極細繊維が得られる点で高分子配列体方式による海島型複合繊維がより好ましい。
本発明における熱水またはアルカリ水溶液に対する溶解性の異なるとは、極細繊維を発現せしめる条件下で溶解速度が20倍以上、より好ましくは40倍以上異なることをいう。20倍未満であれば、極細繊維を発現せしめる際に溶解性の低い熱可塑性高分子成分の繊度を制御することが困難になるので好ましくない。
なお、熱水またはアルカリ水溶液に対する溶解速度は、JIS K6911法(1995)の耐薬品性試験(試験液:90℃熱水、または水酸化ナトリウム10%)に準じて処理時間を1時間として得た重量比より算出できる。
熱水またはアルカリ水溶液に対する溶解性の高い海島型複合繊維の海成分としては、熱水またはアルカリ水溶液に対する溶解速度と紡糸安定性の観点から、ポリビニルアルコール、またはポリビニルアルコールを主成分とする共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルに5−スルホイソフタル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ビスフェノールA化合物、イソフタル酸、アジピン酸、ドデカジオン酸、シクロヘキシルカルボン酸等を5〜12mol%共重合した共重合ポリエステルや、ポリ乳酸などを用いることができる。特に耐熱性、熱水またはアルカリ水溶液への溶解性から、ポリビニルアルコール、またはポリビニルアルコールを主成分とする共重合体、5−スルホイソフタル酸ナトリウムを5〜12mol%共重合したポリエチレンテレフタレート共重合体やポリ乳酸を用いることが好ましい。また、これらの共重合体は2元のみならず、3元以上の多元共重合体であってもよい。
熱水またはアルカリ水溶液に対する溶解性の低い海島型複合繊維の島成分が、本発明のシート状物を構成する不織布を構成する極細繊維となる。
本発明のシート状物を構成する不織布を構成する極細繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどのポリエステル、6−ナイロン、66−ナイロンなどのポリアミド、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの各種合成繊維を用いることができる。中でも、強度、寸法安定性、耐光性、染色性の観点からポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル繊維を用いることが好ましい。
また、不織布は異なる素材の極細繊維が混合されて構成されていてもよく、また不織布の内部に、強度を向上させるなどの目的で、織物や編物を挿入してもよい。なお、織物や編物を構成する繊維の平均単繊維繊度は特に限定はなく、0.001dtex以上1dtex以下の極細繊維であってもよい。
不織布を構成する極細繊維の平均単繊維繊度としては、シートの柔軟性や立毛品位の観点から0.001dtex以上0.5dtex以下であることが好ましい。より好ましくは0.3dtex以下、より好ましくは0.2dtex以下である。一方、染色後の発色性やサンドペーパーなどによる研削など起毛処理時の繊維の分散性、さばけ易さの観点からは、0.005dtex以上であることが好ましい。
なお、不織布を構成する極細繊維の平均単繊維繊度は、極細繊維の断面が円形または円形に近い楕円形の場合は、シート状物(もしくは不織布)表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を倍率2000倍で撮影し、極細繊維をランダムに100本選び、繊維径を測定して素材ポリマーの比重から繊度に換算し、さらにその100本の平均値を計算することで算出される。一方、不織布を構成する極細繊維が異形断面の場合は、同様にして、異形断面の外周円直径を繊維径として算出する。さらに、円形断面と異形断面が混合している場合、繊度が大きく異なるものが混合している場合等は、それぞれが同数程度となるように100本を選び、算出する。
不織布を構成する極細繊維の繊度の均一性に関しては、繊維束内の繊度CVが10%以下であることが好ましい。ここで繊度CVとは、繊維束を構成する繊維の繊度標準偏差を束内平均繊度で割った値を百分率(%)表示したものであり、値が小さいほど均一であることを示すものである。繊度CVを10%以下とすることで、シート状物表面の立毛の外観は優美となり、また染色も均質で良好なものとすることができる。極細繊維の断面が円形または円形に近い楕円形でない場合の繊度CVは、平均単繊維繊度の算出と同様の方法による。
極細繊維の断面形状としては、丸断面でよいが、楕円、扁平、三角などの多角形、扇形、十字型などの異形断面のものを採用してもよい。
本発明のシート状物を構成する不織布は、短繊維不織布、長繊維不織布のいずれでもよいが、風合いや品位を重視する場合には、短繊維不織布が好ましい。
極細繊維発生型繊維は捲縮加工を施し、所定長にカットして不織布の原綿を得るものであることが好ましい。捲縮加工やカット加工は通常の方法を用いることができる。
短繊維不織布の場合、繊維長は絡合による耐摩耗性を考慮して25mm以上90mm以下であることが好ましい。
得られた原綿を、クロスラッパー等によりウエブとし、次いで繊維を絡合して不織布とする。
繊維を絡合させ不織布を得る方法としては、ニードルパンチ、ウォータージェットパンチ等の通常の方法を用いることができる。
得られた前記不織布には、繊維の緻密感向上のために、熱水やスチーム処理による収縮処理や、熱プレス等の圧縮処理を施してもよい。
また、前記不織布は、自己乳化型ポリウレタン水分散液を付与する前に、不織布厚み方向に半裁(2枚に分割すること)、ないしは数枚に分割されて得られるものでもよい。
次に、工程(2)について説明する。
自己乳化型ポリウレタン水分散液を前記不織布に付与するにあたっては、不織布に当該ポリウレタン水分散液を含浸、または付与し乾熱凝固する方法、不織布に当該ポリウレタン水分散液を含浸後、湿熱凝固して加熱乾燥する方法、熱水中で湿式凝固して加熱乾燥する方法、およびその組み合わせがあるが、特に限定することはない。
なお、乾燥温度は低すぎると乾燥時間が長時間となり、高すぎると自己乳化型ポリウレタンの熱劣化の原因となる可能性があることから、80℃以上180℃以下が好ましい。より好ましくは90℃以上160℃以下である。
本発明の製造に使用するポリウレタン水分散液は水中に分散してエマルジョンとしてあるポリウレタン水分散液であり、界面活性剤等の乳化剤を含有しない自己乳化型のポリウレタン水分散液である。
界面活性剤等の乳化剤を含有する強制乳化型のポリウレタン水分散液を用いた場合、得られたシート状物の表面は乳化剤に起因するベトツキ等が発生するため、洗浄工程が必要となり、加工工程が増加してコストアップに繋がる。さらには、強制乳化型のポリウレタン水分散液では、乳化剤の存在により、皮膜化したポリウレタン膜の耐水性が低下するため、ポリウレタンを含有するシート状物の染色において、ポリウレタンの染色液への脱落が発生しやすく、好ましくない。
本発明に使用するポリウレタン水分散液は自己乳化型ポリウレタン水分散液であるが、自己乳化型ポリウレタン水分散液とは、界面活性剤等の乳化剤を用いなくても安定に水分散しているポリウレタン水分散液のことであり、自己乳化型ポリウレタン分子構造内に親水性の、いわゆる内部乳化剤を有するものである。
なお、自己乳化型ポリウレタンは、通常、水に分散した状態で取り扱われ、メーカーからもこの状態で入手できるが、これは一旦乾燥すると再度水に分散させることが不可能となるためである。
本発明に使用する自己乳化型ポリウレタン水分散液には、貯蔵安定性や製膜性向上のために水溶性有機溶剤を水分散液に対して40重量%以下含有していてもよいが、製膜時の加熱による大気中への有機溶剤の放出や最終製品への有機溶剤の残留等の懸念から、有機溶剤の含有量は1重量%以下であることが好ましい。
自己乳化型ポリウレタンとしては水に分散している水分散液であれば特に限定されないが内部乳化剤、ポリオール、ポリイソシアネート、鎖伸長剤から主に構成されるものである。
内部乳化剤は、4級アミン塩等のカチオン系、スルホン酸塩、カルボン酸塩等のアニオン系、ポリエチレングリコール等のノニオン系、およびカチオン系とノニオン系の組み合わせ、アニオン系とノニオン系の組み合わせのいずれでもよいが、カチオン系内部乳化剤は、黄変等の耐光性に劣り、アニオン系内部乳化剤は、中和剤による弊害が発生する可能性があるため、ノニオン系内部乳化剤であることが好ましい。
すなわち、アニオン系内部乳化剤を使用する場合は中和剤が必要となるが、例えば、中和剤がアンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリメチルアミン、ジメチルエタノールアミン等の第3級アミンである場合は、製膜・乾燥時の熱によってアミンが発生・揮発し、系外へ放出される。そのため、大気放出や作業環境の悪化を抑制するために揮発するアミンを回収する装置の導入が必須となる。また、アミンは加熱によって揮発せずに最終製品であるシート状物中に残留した場合、製品の焼却時等に環境へ排出されることも考えられるが、ノニオン系内部乳化剤は中和剤を使用しないため、アミン回収装置を導入する必要はなく、アミンのシート状物中への残留の心配もない。また、中和剤が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属、またはアルカリ土類金属の水酸化物等である場合、自己乳化型ポリウレタン部分が水に濡れるとアルカリ性を示すこととなるが、ノニオン系内部乳化剤は中和剤を使用しないため、自己乳化型ポリウレタンの加水分解による劣化を心配する必要もない。
ポリオールとしては、ポリカーボネート系ジオール、ポリエステル系ジオール、ポリエーテル系ジオール、シリコーン系ジオール、フッ素系ジオールや、これらを組み合わせた共重合体を用いてもよい。中でも耐加水分解性の観点から、ポリカーボネート系ジオール、ポリエーテル系ジオールを用いることが好ましく、さらに耐光性、耐熱性といった観点から、ポリカーボネート系ジオールがより好ましい。
ポリカーボネート系ジオールは、アルキレングリコールと炭酸エステルのエステル交換反応、あるいはホスゲンまたはクロル蟻酸エステルとアルキレングリコールとの反応などによって製造することができる。アルキレングリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、などの直鎖アルキレングリコールや、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオールなどの分岐アルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオールなどの脂環族ジオール、ビスフェノールAなどの芳香族ジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。それぞれ単独のアルキレングリコールから得られるポリカーボネートジオールでも2種類以上のアルキレングリコールから得られる共重合ポリカーボネートジオールのいずれでも良い。
ポリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の脂肪族系、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族系が挙げられ、またこれらを組み合わせて用いてもよい。中でも、耐光性の観点から、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等の脂肪族系が好ましい。
鎖伸長剤としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メチレンビスアニリン等のアミン系、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、テトラエチレングリコール等のジオール系、さらにはポリイソシアネートと水を反応させて得られるポリアミンを用いることができる。
また、シートの内部空間に存在する自己乳化型ポリウレタンは架橋構造を有すると、自己乳化型ポリウレタンの耐加水分解性等の耐久性を飛躍的に向上することができることから、自己乳化型ポリウレタンに架橋構造を導入するために、複数の反応性基を有する化合物(外部架橋剤と称する)を自己乳化型ポリウレタン水分散液に添加して用いてもよく、自己乳化型ポリウレタン分子構造内に反応性基を導入し、製膜時に架橋構造とする内部架橋剤を用いてもよい。中でも自己乳化型ポリウレタン水分散液の液安定性を考慮すると、内部架橋剤を用いることが好ましい。
外部架橋剤としては、複数の反応性基を有している化合物であれば特に限定はないが、例えばメラミン樹脂、オキサゾリン系化合物、エポキシ系化合物、カルボジイミド系化合物、イソシアネート系化合物、シラノール系化合物等が挙げられる。
内部架橋剤としては、自己乳化型ポリウレタン分子構造内に導入できれば特に限定はなく、導入する反応性基は例えばオキサゾリン基、エポキシ基、カルボジイミド基、イソシアネート基、シラノール基または製膜時にシラノール基を生成することの可能な加水分解性ケイ素基等が挙げられる。中でも、自己乳化型ポリウレタン水分散液の液安定性から、シラノール基または製膜時にシラノール基を生成することの可能な加水分解性ケイ素基であることが好ましい。シラノール基を自己乳化型ポリウレタン分子構造内に導入することで、不織布の内部空間に存在する自己乳化型ポリウレタンはシロキサン結合による架橋構造を有することとなる。
シラノール基含有自己乳化型ポリウレタン水分散液中のシラノール基は、周囲に十分な水が存在するので、シラノール基同士が反応してシロキサン結合を形成する段階には到らず、水中で安定に存在する。
シラノール基含有自己乳化型ポリウレタン中に含まれるシラノール基は、シラノール基含有自己乳化型ポリウレタン分子の両端の少なくとも一方、または中間部分のいずれか、または両方に結合していてもよいが、架橋構造が製膜後の自己乳化型ポリウレタンの耐水性、物性等に影響を与えることから、シラノール基含有自己乳化型ポリウレタン分子の中間部分にシラノール基を含有することが好ましい。
シラノール基を自己乳化型ポリウレタン分子構造内に導入するために用いる化合物とは、1分子内に少なくとも1個のイソシアネート基と反応可能な活性水素基と加水分解性ケイ素基とを含有する化合物のことである。
加水分解性ケイ素基とは、水分により加水分解を受ける加水分解性基がケイ素原子に結合している基のことをいい、加水分解性基の具体例としては、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等の一般に使用されている基が挙げられる。中でも、加水分解性が低く、比較的取扱が容易なアルコキシ基が好ましい。加水分解性基は、1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合しているが、加水分解性シリル基の反応性、耐水性等から、2〜3個結合しているものが好ましい。
イソシアネート基と反応可能な活性水素基とは、メルカプト基、水酸基、アミノ基等が挙げられる。
活性水素基としてメルカプト基を有し、加水分解性基としてアルコキシ基を有する加水分解性ケイ素基含有化合物は、例えばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ―メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられ、活性水素基としてアミノ基を有し、加水分解性基としてアルコキシ基を有する加水分解性ケイ素基含有化合物は、例えばγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルジエトキシシラン等が挙げられる。中でも耐候性、耐加水分解性の観点から、自己乳化型ポリウレタン分子の中間部分に加水分解性ケイ素基を導入することが好ましく、さらに2個以上の活性水素基を有する加水分解性ケイ素基含有化合物が好ましい。
シロキサン結合による架橋量の目安となるシリコン原子の含有量は、シロキサン結合による架橋構造は多いほど自己乳化型ポリウレタンの耐加水分解性等の耐久性は向上するが、多すぎると自己乳化型ポリウレタンの柔軟性は低下することから、自己乳化型ポリウレタン重量に対して0重量%よりも多く、1重量%以下であることが好ましい。
自己乳化型ポリウレタン水分散液の濃度(自己乳化型ポリウレタン水分散液に対する自己乳化型ポリウレタンの含有量)は、自己乳化型ポリウレタン水分散液の貯蔵安定性の観点から、10重量%以上50重量%以下が好ましい。
また、自己乳化型ポリウレタン水分散液は感熱ゲル化温度を有することが好ましい。感熱ゲル化温度を有することで、不織布に含浸し、乾燥する際のポリウレタンのマイグレーション現象を抑制することができる。ただ、感熱ゲル化温度は低すぎるとポリウレタン水分散液の貯蔵においてゲル化する可能性が高く、高すぎるとマイグレーション現象を抑制することができなくなることから、55℃以上90℃以下であることが好ましい。
自己乳化型ポリウレタン水分散液は、単独で感熱ゲル化性を有することが好ましいが、自己乳化型ポリウレタン水分散液に感熱ゲル化性を付与する、または感熱ゲル化温度を低下させる目的で、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の無機塩を添加してもよい。
自己乳化型ポリウレタン水分散液は自己乳化型ポリウレタン単独、または無機塩等による感熱ゲル化を容易とするために、自己乳化型ポリウレタン全重量に対して3重量%以上30重量%以下のポリエチレングリコールを有してもよい。特に、ノニオン系内部乳化剤によって自己乳化している自己乳化型ポリウレタンの場合、少なすぎると自己乳化しにくくなり、多すぎると耐水性の低下やポリウレタン膜の強力等の物性の低下が発生しやすいことから、ポリウレタン全重量に対するポリエチレングリコールの含有量はより好ましくは5重量%以上20重量%以下である。
本発明における自己乳化型ポリウレタン水分散液には造膜性シリコーンエマルジョンを添加して用いることで、シートの柔軟化を図る。
造膜性シリコーンとは、加熱によって3次元架橋構造となって皮膜化し、水へ再分散できなくなるシリコーンのことであり、造膜性があることによって造膜性シリコーン付与後にシートを洗浄や染色、洗濯等の水中での取り扱いや摩擦等の外的要因があったとしてもシートからのシリコーンの脱落がなく、シートの柔軟性を発現することができる。また、詳細は後述するが、本発明の製造方法では造膜性シリコーンエマルジョンを含有する自己乳化型ポリウレタン水分散液をシートに含浸後、シートを熱水、および/またはアルカリ水溶液で処理して繊維を極細化するものであるが、シリコーンに造膜性があることによって本発明の製造方法であってもシートの柔軟性を発現できるものである。なお、本発明における「造膜性シリコーンが繊維の極細化処理後もシートに残存している」とは、極細化処理後のシートの重量実測値と理論計算値を比較し、その差が30%以内であることをいう。
なお、シートの柔軟性はJIS L1096−8.19.1(2005年度版)記載のA法(45°カンチレバー法)に基づき、タテ方向とヨコ方向へそれぞれ2cm×15cmの試験片を5枚作成し45℃の斜面を有する水平台へ置き、試験片を滑らせて試験片の一端の中央点が斜面と接したときのスケールを読み、5枚の平均値を求めることによって評価できる。
自己乳化型ポリウレタン水分散液中の造膜性シリコーンエマルジョンの添加量は、シートが柔軟化できれば特に限定はないが、少なすぎると十分な柔軟化ができず、多すぎると柔軟化しすぎて手持ち感悪くなることから、自己乳化型ポリウレタン固形分に対し、造膜性シリコーン固形分0.5重量%以上30重量%以下であることが好ましい。
造膜性シリコーンエマルジョンを添加した自己乳化型ポリウレタン水分散液を不織布に含浸する際、不織布重量に対する固形分(自己乳化型ポリウレタンと造膜性シリコーン)の含有量は20重量%以上200重量%以下であることが好ましい。20重量%以上とすることで、シート強度を得て、かつ繊維の脱落を防ぐことができ、200重量%以下とすることで、風合いが必要以上に硬くなるのを防ぎ、目的とする柔軟な風合いと良好な立毛品位を得ることができる。より好ましくは30重量%以上180重量%以下である。
造膜性シリコーンは、加熱によって造膜できれば特に限定はないが、より柔軟な風合いを得られることから、アミノ変性シリコーンであることが好ましい。
自己乳化型ポリウレタン水分散液は、必要に応じてカーボンブラック等の顔料、染料、防カビ剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの耐光剤、難燃剤、浸透剤や滑剤、シリカや酸化チタン等のアンチブロッキング剤、帯電防止剤、抗菌剤、消臭剤、シリコーンオイル等の消泡剤、セルロース等の充填剤、ポリウレタン凝固調整剤等を添加して用いてもよい。
最後に工程(3)について説明する。
本発明のシート状物の製造方法は、自己乳化型ポリウレタン水分散液を含浸した極細繊維発生型繊維からなるシートを熱水、および/またはアルカリ水溶液で処理して極細繊維を発現せしめるものである。
本発明でいう熱水とは、好ましくは60℃以上の水のことをいうが、より高温である方が繊維の極細化処理が短時間でできることから、より好ましくは80℃以上である。
アルカリ水溶液は、特に限定はないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水溶液、アンモニア塩等を用いることができる。
アルカリ水溶液の濃度は極細繊維が発現できれば特に限定はないが、0.05mol/L以上10mol/L以下が好ましい。
熱水またはアルカリ水溶液での処理は、自己乳化型ポリウレタン付与後の極細繊維発生型繊維からなるシートを浸漬し、窄液を行うものであり、剥離型複合繊維の場合は、熱水またはアルカリ水溶液処理と揉み作用等の物理力で分割し、海島型複合繊維の場合は、熱水またはアルカリ水に溶解する海成分を溶出して極細繊維を発生させるものであることから、方法に特に限定はないが、例えば液流染色機や精錬装置等、さらにはそれらの組み合わせを用いての処理が挙げられる。
液流染色機を用いた処理での温度、時間はそれぞれ50℃以上140℃以下、5分以上90分以下であることが好ましい。
なお、極細繊維の発生を効率化する目的で、適宜加熱処理やスチーム処理、界面活性剤等の浸透剤を添加しての処理を行ってもよく、さらにはpH3以下の酸性水溶液による処理をあらかじめ行った後にアルカリ水溶液で処理してもよい。
このようにして得られたシート状物は、少なくとも片面に極細繊維の立毛を有している立毛調の皮革様シート状物としてもよい。
シート状物表面に立毛を形成するための起毛処理は、サンドペーパーやロールサンダーなどを用いて、研削する方法などにより施すことができる。本発明のシート状物の製造方法では、シート状物は造膜性シリコーンを含有するため、シートが柔軟であると同時に、表面研削による起毛が容易に可能となり、表面品位や触感は非常に良好となる。
起毛処理の前に帯電防止剤を付与することは、研削によってシート状物から発生した研削粉がサンドペーパー上に堆積しにくくなる傾向にあり好ましい。
また、シート状物は、起毛処理を行う前に、シート厚み方向に半裁、ないしは数枚に分割されて得られるものでもよい。
さらに、シート状物は、染色してもよい。染色方法は、シート状物を染色すると同時に揉み効果を与えてシート状物をさらに柔軟化することができることから、液流染色機を用いることが好ましい。液流染色機は、通常の液流染色機を使用することができる。
染色温度は高すぎると自己乳化型ポリウレタンや造膜性シリコーンが劣化する場合があり、逆に低すぎると繊維への染着が不十分となるため、繊維の種類により変更するのがよく、一般に80℃以上150℃以下が好ましく、110℃以上130℃以下がより好ましい。
染料は特に限定はなくシート状物を構成する極細繊維にあわせて選択すればよいが、例えばポリエステル系極細繊維であれば分散染料、ポリアミド系極細繊維であれば酸性染料や含金染料といった染料、及びそれらを組み合わせた染料を用いることができる。
分散染料で染色した場合は、染色後に還元洗浄を行ってもよい。
また、染色の均一性や再現性をアップする目的で染色時に染色助剤を使用することは好ましい。さらにシリコーン等の柔軟剤、帯電防止剤、撥水剤、難燃剤、耐光剤、消臭剤、ピリング防止剤等の仕上げ剤処理を施してもよく、仕上げ処理は染色後でも、染色と同浴でもよい。
本発明の製造方法で得られるシート状物は、家具、椅子、壁材や、自動車、電車、航空機などの車輛室内における座席、天井、内装などの表皮材として非常に優美な外観を有する内装材、シャツ、ジャケット、カジュアルシューズ、スポーツシューズ、紳士靴、婦人靴等の靴のアッパー、トリム等、鞄、ベルト、財布等、及びそれらの一部に使用した衣料用資材、ワイピングクロス、研磨布等の工業用資材として好適に用いることができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
[評価方法]
(1)平均単繊維繊度
不織布、またはシート状物表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を倍率2000倍で撮影し、円形または円形に近い楕円形の繊維をランダムに100本選び、繊維径を測定して繊維の素材ポリマーの比重から繊度に換算し、さらに100本の平均値を計算することで算出した。
(2)繊度CV
不織布、またはシート状物の内部の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて倍率2000倍で観察し、その写真から、束状繊維の1つの束内を構成する極細繊維の繊維径を測定し、繊維径から各単繊維の繊度に換算して、繊維束を構成する繊維の繊度標準偏差を束内平均繊度で割った値を百分率(%)で表した。5つの束状繊維について、同様の測定を行い、平均値を繊度CVとした。
(3)シート状物構造
シート状物の内部の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて倍率300倍で観察し、その写真からポリウレタンと極細繊維の密着状態、ポリウレタン部分の構造を判断した。
(4)シート状物への造膜性シリコーンの残存
極細化処理後のシートの重量実測値と理論計算値を比較し、その差が30%以内であれば、残存していると判断した。
(5)自己乳化型ポリウレタン分子構造内のシリコン原子含有量の定量
自己乳化型ポリウレタンの元素分析を3回行い、その平均値をシリコン原子の含有量とした。
(6)ポリエチレングリコールの確認
自己乳化型ポリウレタンのNMRによる測定を実施し、基準物質に起因するピークとポリエチレングリコールに起因するピーク(例えば、酸素原子隣のエチレン鎖部分のプロトン)の面積を比較した。2回測定を行い、その平均値を含有量とした。
(7)自己乳化型ポリウレタン水分散液の感熱ゲル化温度
試験管に固形分濃度10重量%の自己乳化型ポリウレタン水分散液を10g入れ、95℃の恒温熱水浴中で昇温し、自己乳化型ポリウレタン水分散液が流動性を失ってゲル化・凝固するときの温度を感熱ゲル化温度とした。
(8)自己乳化型ポリウレタン水分散液の含有有機溶剤量
含浸に使用する固形分濃度のポリウレタン水分散液において、分散媒のガスクロマトグラフィー分析(HITACHI製263−50、カラム:有機溶剤の種類によって異なるが、N,N−ジメチルホルムアミドの場合はPEG20Mを使用。)にて含有有機溶剤量を定量した。
(9)外観品位
シート状物の表面品位は目視と官能評価にて下記のように評価した。
○:立毛長・繊維の分散状態共に良好である。
△:立毛長は良好であるが、繊維の分散は不良である。
×:立毛がほとんど無く不良である。
(10)柔軟性
JIS L1096−8.19.1(2005年度版)記載のA法(45°カンチレバー法)に基づき、タテ方向とヨコ方向へそれぞれ2×15cmの試験片を5枚作成し45℃の斜面を有する水平台へ置き、試験片を滑らせて試験片の一端の中央点が斜面と接したときのスケールを読み、5枚の平均値を求めた。
[化学物質の表記]
各実施例・比較例で用いた化学物質の略号の意味は以下の通りである。
PHC:ポリヘキサメチレンカーボネートポリオール
H12MDI:ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
PET:ポリエチレンテレフタレート
Ny6:6−ナイロン
PEG:ポリエチレングリコール。
[ポリウレタン種]
実施例、比較例で用いたポリウレタン水分散液の組成は下記の通りである。また、各溶液の固形分濃度は30重量%とした。さらに、各ポリウレタンの特性を表1に示した。
(1)自己乳化型ポリウレタン水分散液I(PU−I)
ポリイソシアネート:H12MDI
ポリオール :PHC
内部乳化剤 :側鎖にポリエチレングリコールを有するジオール化合物
鎖伸長剤 :エチレンジアミン
内部架橋剤 :γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン
含有有機溶剤 :0.1重量%
シリコーン :造膜性アミノ変性シリコーン
“BY22−856EX”(東レ・ダウコーニング社製商品名)
(2)自己乳化型ポリウレタン水分散液II(PU−II)
ポリイソシアネート:H12MDI
ポリオール :PHC
内部乳化剤 : ジメチロールプロピオン酸トリエチルアミン塩
鎖伸長剤 :エチレンジアミン
内部架橋剤 :γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン
含有有機溶剤 :0.5重量%
シリコーン :造膜性アミノ変性シリコーン
“FZ4658”(東レ・ダウコーニング社製商品名)
(3)自己乳化型ポリウレタン水分散液III(PU−III)
ポリイソシアネート:HDI
ポリオール :PHC
内部乳化剤 :側鎖にポリエチレングリコールを有するジオール化合物
鎖伸長剤 :エチレンジアミン
内部架橋剤 :なし
含有有機溶剤 :0.2重量%
シリコーン :造膜性ポリジメチルシリコーン
“BY22−826EX”(東レ・ダウコーニング社製商品名)
(4)自己乳化型ポリウレタン水分散液IV(PU−IV)
ポリイソシアネート:H12MDI
ポリオール :PHC
内部乳化剤 :側鎖にポリエチレングリコールを有するジオール化合物
鎖伸長剤 :エチレンジアミン
内部架橋剤 :γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン
含有有機溶剤 :0.1重量%
シリコーン :なし
(5)自己乳化型ポリウレタン水分散液V(PU−V)
ポリイソシアネート:H12MDI
ポリオール :PHC
内部乳化剤 :側鎖にポリエチレングリコールを有するジオール化合物
鎖伸長剤 :エチレンジアミン
内部架橋剤 :γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン
含有有機溶剤 :0.1重量%
シリコーン :ポリジメチルシリコーンオイル
“SM7036EX”(東レ・ダウコーニング社製商品名)
(6)強制乳化型ポリウレタン水分散液VI(PU−VI)
ポリイソシアネート:H12MDI
ポリオール :PHC
内部乳化剤 :なし
外部乳化剤 :ノニオン系界面活性剤
内部架橋剤 :なし
含有有機溶剤 :0.8重量%
シリコーン :造膜性アミノ変性シリコーン
“BY22−856EX”(東レ・ダウコーニング社製商品名)。
[実施例1]
5−スルホイソフタル酸ナトリウムを8mol%共重合したポリエチレンテレフタレートを海成分として45部、島成分としてPETが55部からなる割合で、1フィラメント中に円形の島成分が36島含まれる形態であり、平均繊度が2.8dtexの海島型繊維のステープル(繊維長51mm)を用いて、カード、クロスラッパーを通してウェブを形成し、ニードルパンチ処理により、不織布とした。
この不織布を90℃の湯中で2分処理して収縮させ、100℃5分で乾燥した。次いで、ポリウレタン水分散液I(PU−I)を含浸し、乾燥温度125℃で10分熱風乾燥することで、不織布の島成分重量に対するポリウレタン重量が80重量%となるようにポリウレタンを付与したシートを得た。
次にこのシートを90℃に加熱した濃度15g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して30分処理を行い、海島型繊維の海成分を除去した脱海シートを得た。脱海シート表面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、平均単繊維繊度は0.04dtex、繊度CVは7.4%であることを確認した。また、シート断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、ポリウレタンと極細繊維は密着していないことを確認した。さらに、極細化処理後のシートの重量実測値と理論計算値を比較して、その差が5.6%であったことから、シート状物への造膜性シリコーンの残存を確認した。
そして、脱海シートを厚さ方向に半裁し、半裁面と反対となる面を240メッシュのエンドレスサンドペーパーを用いた研削によって起毛処理した後、サーキュラー染色機にて分散染料により染色を行い、本発明のシート状物を得た。
得られたシート状物の外観品位、柔軟性は良好であった。
[実施例2]
ポリエチレン−ポリ酢酸ビニル−ポリビニルアルコール共重合体を海成分として45部、島成分としてPETが55部からなる割合で、1フィラメント中に円形の島成分が36島含まれる形態であり、平均繊度が2.4dtexの海島型繊維のステープル(繊維長51mm)を用いて、カード、クロスラッパーを通してウェブを形成し、ニードルパンチ処理により、不織布とした。
この不織布を190℃で2分乾熱処理して収縮させた。次いで、ポリウレタン水分散液I(PU−I)を含浸し、乾燥温度125℃で10分熱風乾燥することで、不織布の島成分重量に対するポリウレタン重量が70重量%となるようにポリウレタンを付与したシートを得た。
次にこのシートを90℃の熱水に浸漬して30分処理を行い、海島型繊維の海成分を除去した脱海シートを得た。脱海シート表面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、平均単繊維繊度は0.06dtex、繊度CVは7.3%であることを確認した。また、シート断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、ポリウレタンと極細繊維は密着していないことを確認した。さらに、極細化処理後のシートの重量実測値と理論計算値を比較して、その差が6.3%であったことから、シート状物への造膜性シリコーンの残存を確認した。
そして、脱海シートを厚さ方向に半裁し、半裁面と反対となる面を240メッシュのエンドレスサンドペーパーを用いた研削によって起毛処理した後、サーキュラー染色機にて分散染料により染色を行い、本発明のシート状物を得た。
得られたシート状物の外観品位、柔軟性は良好であった。
[実施例3]
ポリ乳酸を海成分として20部、島成分としてNy6が80部からなる割合で、1フィラメント中に円形の島成分が16島含まれる形態であり、平均繊度が3.8dtexの海島型繊維のステープル(繊維長51mm)を用いて、カード、クロスラッパーを通してウェブを形成し、ニードルパンチ処理により、不織布とした。
この不織布を90℃の湯中で2分処理して収縮させ、100℃5分で乾燥した。次いで、ポリウレタン水分散液II(PU−II)を含浸し、乾燥温度100℃で10分熱風乾燥することで、不織布重量に対するポリウレタン重量が85重量%となるようにポリウレタンを付与したシートを得た。
次にこのシートを90℃に加熱した濃度40g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して30分処理を行い、海島型繊維の海成分を除去した脱海シートを得た。脱海シート表面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、平均単繊維繊度は0.2dtex、繊度CVは7.5%であることを確認した。また、シート断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、ポリウレタンと極細繊維は密着していないことを確認した。さらに、極細化処理後のシートの重量実測値と理論計算値を比較して、その差が7.0%であったことから、シート状物への造膜性シリコーンの残存を確認した。
そして、脱海シートを厚さ方向に半裁し、半裁面と反対となる面を240メッシュのエンドレスサンドペーパーを用いた研削によって起毛処理した後、サーキュラー染色機にて分散染料により染色を行い、本発明のシート状物を得た。
得られたシート状物の外観品位、ピリング評価、柔軟性は良好であった。
[実施例4]
ポリウレタン水分散液III(PU−III)を用いた以外は、実施例1と同様の処理を行い、シート状物を得た。得られたシート状物は外観品位、柔軟性は良好であった。
[比較例1〜3]
比較例1および2は、造膜性シリコーンを含有しないポリウレタン水分散液IV(PU−IV)、V(PU−V)、を用いた以外は、実施例1と同様の処理を行い、シート状物を得た。
比較例3は強制乳化型ポリウレタン水分散液VI(PU−VI)を用いた以外は、実施例1と同様の処理を行い、シート状物を得た。
得られたシート状物はいずれも外観品位、柔軟性に劣るものであった。
Figure 0005070852
Figure 0005070852

Claims (9)

  1. 次の(1)〜(3)の工程をこの順番で経ることを特徴とするシート状物の製造方法。
    (1)熱水またはアルカリ水溶液に対する溶解性の異なる2種類以上の高分子物質の組み合わせからなる極細繊維発生型繊維を用いて不織布を作成する工程。
    (2)造膜性シリコーンを含有する自己乳化型ポリウレタン水分散液を不織布に含浸する工程。
    (3)該自己乳化型ポリウレタン水分散液を含浸した不織布を熱水またはアルカリ水溶液で処理して極細繊維を発現せしめる工程。
  2. 前記造膜性シリコーンがアミノ変性シリコーンであることを特徴とする請求項1に記載のシート状物の製造方法。
  3. 前記自己乳化型ポリウレタンの分子構造内のシリコン原子の含有量が当該自己乳化型ポリウレタン全重量に対して0重量%よりも多く、1重量%以下であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のシート状物の製造方法。
  4. 前記自己乳化型ポリウレタンが、自己乳化型ポリウレタン全重量に対して3重量%以上30重量%以下のポリエチレングリコールを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシート状物の製造方法。
  5. 前記自己乳化型ポリウレタンが内部乳化剤を含み、かつ該内部乳化剤がノニオン系であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシート状物の製造方法。
  6. 前記極細繊維発生型繊維が海島型複合繊維であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシート状物の製造方法。
  7. 前記海島型複合繊維の海成分が、テレフタル酸とエチレングリコールを主たる構成成分とし、かつ全酸成分に対し5〜12mol%の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを含有する共重合ポリエステルからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシート状物の製造方法。
  8. 前記自己乳化型ポリウレタン水分散液が55℃以上90℃以下の感熱ゲル化温度を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のシート状物の製造方法。
  9. 前記自己乳化型ポリウレタン水分散液の有機溶剤含有量が1重量%以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のシート状物の製造方法。
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