JP2008208499A - シート状物、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非石油系原料である植物由来原料を用いることで環境負荷を低減したポリウレタンを不織布内部に含有する風合いの非常に柔軟なシート状物、及び環境に配慮して製造工程における有機溶剤の使用を抑えた非常に柔軟なシート状物の製造方法を提供する。
【解決手段】平均単繊維繊度が0.001dtex以上0.5dtex以下の極細繊維の繊維束が絡合してなる不織布と、その内部空間に存在する水分散型ポリウレタンを主成分とした高分子弾性体とから構成されるシート状物であって、該水分散型ポリウレタンが一般式(1)で示される植物由来の構造と、スルホン酸塩、カルボン酸塩、ポリエチレングリコール、4級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1つ以上の親水性構造を含有することを特徴とするシート状物。
【選択図】なし

Description

本発明は、環境への負荷が少なく、かつ柔軟な風合いを有するシート状物、及びその製造方法に関するものである。
主として極細繊維と高分子弾性体からなるシート状物は天然皮革にない優れた特徴を有しており、衣料や椅子張り、自動車内装材用途等にその使用が年々広がってきた。ところが近年、世界的な地球環境への配慮の動向から、あらゆる製品、材料等に対して環境負荷の低減が求められており、環境負荷の高いものは使用されなくなる傾向にある。これは、シート状物においても例外ではない。
環境負荷の低減の取り組みとしては、地球温暖化防止を目的に循環型社会の構築をめざした技術開発や、有機溶剤の環境への流出を防止する技術開発の取り組みが世界規模で行われている。
循環型社会の構築を目指した技術開発に関しては、二酸化炭素は地球温暖化の原因ガスの一つであることから、その排出量の削減を目的としたものである。
石油や石炭といった石油系原料は、有限で再生が不可能な資源であり、燃焼廃棄により大気中の二酸化炭素量を増加させるものである。シート状物は、ポリエステルやポリアミド等の不織布と高分子弾性体の組み合わせから構成されるものであるが、従来のシート状物は不織布と高分子弾性体の両方とも石油系原料のみから合成されるものであって、地球温暖化を促進するものであった。
一方、非石油系原料である植物由来物質は、植物が大気中の二酸化炭素量を取り込んで生産される再生可能な資源であり、焼却しても大気中の二酸化炭素量は増加しない。このようなことから、石油や石炭といった石油系原料に代わって、非石油系原料である植物由来物質を使用する動きがある。
非石油系原料である植物由来物質から得られるポリマーとしては、例えばトウモロコシ等の農作物から、100%原料を得て合成されるポリ乳酸等が挙げられ、特許文献1では、ポリ乳酸からなる極細繊維とポリウレタンの組み合わせによるシート状物が記載されている。ポリ乳酸は植物由来物質から得られるポリマーであることから、シート状物への適用した場合、極細繊維に関しては焼却しても大気中の二酸化炭素量は増加せず、低環境負荷となる。ところが、ポリウレタンは、主にポリオール、ポリイソシアネート、鎖伸長剤から構成されるが、いずれの原料も石油系原料から得られるものであるため、焼却した際に大気中の二酸化炭素量が増加する。すなわち、これまではポリウレタンに関して、焼却時の大気中への二酸化炭素放出に配慮したシート状物は得られていない。
また、環境負荷低減への取り組みである有機溶剤の環境への流出を防止する技術開発に関しては、シート状物を得る製造工程において、有機溶剤を使用しない方法が提案されている。
従来のシート状物、特に極細繊維からなるシート状物を製造するにあたっては、極細繊維発生型繊維からなる不織布を有機溶剤で処理して極細繊維を発生させる工程と、不織布にポリウレタンの有機溶剤溶液を含浸せしめた後、該シート状物をポリウレタンの非溶媒である水または有機溶剤水溶液中に浸漬してポリウレタンを湿式凝固せしめる工程の組み合わせが一般的に採用されている。
これに対し、製造工程に有機溶剤を使用しない方法としては例えば、極細繊維を得る工程に関しては、極細繊維を直接紡糸により得る方法や、極細繊維発生型繊維にアルカリ水溶液可溶成分や熱水可溶成分等を用いることで、アルカリ水溶液、熱水等を用いて繊維の極細化を行う方法が挙げられ、また、ポリウレタンの有機溶剤使用に関しては、従来の有機溶剤タイプのポリウレタンに代えて水中にポリウレタンを分散させたポリウレタン水分散液を用いる方法が検討されている。
例えば、特許文献2では、直接紡糸により得た極細繊維を用いた不織布に、ポリウレタン水分散液を含浸する方法が記載されている。非晶性カーボネート系ポリオールを用いた柔軟なポリウレタンを用いることで、シート状物の風合いの柔軟化を行っているが、直接紡糸した極細繊維を用いた不織布にポリウレタン水分散液を含浸すると、極細繊維とポリウレタンが直接接着した構造となるため、繊維の交絡点をポリウレタンが固定し、シート状物の風合いは硬くなるものである。また、前記した焼却時の大気中への二酸化炭素放出の観点から考えると、該ポリウレタンは植物原料に関する記載がなく、環境負荷は大きいものであると言える。
特開2001−214380号公報 特開平05−32756号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、非石油系原料である植物由来原料を用いることで環境負荷を低減したポリウレタンを不織布内部に含有する風合いの非常に柔軟なシート状物、及び環境に配慮して製造工程における有機溶剤の使用を抑えた非常に柔軟なシート状物の製造方法を提供するものである。
本発明のシート状物は、前記課題を達成するため、次の構成を有する。
すなわち、本発明のシート状物は、平均単繊維繊度が0.001dtex以上0.5dtex以下の極細繊維の繊維束が絡合してなる不織布と、その内部空間に存在する水分散型ポリウレタンを主成分とした高分子弾性体とから構成されるシート状物であって、該水分散型ポリウレタンが一般式(1)で示される植物由来の構造と、スルホン酸塩、カルボン酸塩、ポリエチレングリコール、4級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1つ以上の親水性構造とを含有することを特徴とするシート状物である。
Figure 2008208499
(式中nは正の整数である。)
また、本発明のシート状物の製造方法は、前記のシート状物の製造方法であって、次の(1)〜(3)の工程をこの順番で有することを特徴とするシート状物の製造方法である。
(1)アルカリ水溶液に対する溶解性の異なる2種類以上の高分子物質の組み合わせからなる極細繊維発生型繊維を用いてシートを作成する工程。
(2)前記(1)で作成されたシートに、上記一般式(1)で示される植物由来の構造とスルホン酸塩、カルボン酸塩、ポリエチレングリコール、4級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1つ以上の親水性構造とを含有する水分散型ポリウレタンの水分散液を含浸して、高分子弾性体を付与する工程。
(3)該高分子弾性体を付与した前記(2)のシートをアルカリ水溶液で処理して極細繊維を発現せしめる工程。
本発明によれば、非石油系原料である植物由来原料を用いることで環境負荷を低減したポリウレタンを不織布内部に含有する風合いの非常に柔軟なシート状物、及び環境に配慮して製造工程における有機溶剤の使用を抑えた非常に柔軟なシート状物の製造方法を提供することができる。
本発明のシート状物は、平均単繊維繊度が0.001dtex以上0.5dtex以下の極細繊維の繊維束が絡合してなる不織布と、その内部空間に存在するポリウレタンを主成分とした高分子弾性体とからなる。
本発明でいうシート状物とは、天然皮革のようなスエード、ヌバック、銀面等の優れた表面外観を有してなるものであり、好ましくはスエードやヌバックといった立毛調の外観において、滑らかなタッチと優れたライティングエフェクトを有するものである。
不織布を構成する極細繊維の素材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル、6−ナイロン、66−ナイロンなどのポリアミド、アクリルなどの溶融紡糸可能な熱可塑性樹脂を用いることができる。中でも、強度、寸法安定性、耐光性の観点からポリエステルを用いることが好ましく、植物を出発原料とする1,3−プロパンジオールを用いたポリトリメチレンテレフタレートや、同じく植物由来の原料から得ることのできるポリ乳酸であることが環境負荷低減の観点からより好ましい。ここで、植物を出発原料とするポリトリメチレンテレフタレートやポリ乳酸を得る方法としては、前者は例えばとうもろこしを分解,糖化し,遺伝子修飾によりグリセリンに転化して微生物によって発酵させることで製造する1,3−プロパンジオールと,石油成分のテレフタル酸を重合することで得てもよく、後者は例えばトウモロコシや馬鈴薯などのでんぷんを乳酸菌により発酵させて得た乳酸を脱水重合して得てもよい。不織布を構成する極細繊維の素材としては、得られるシート状物を染色した際の発色性が良好なことから、特に好ましくは、ポリトリメチレンテレフタレートである。また、不織布は、異なる素材の極細繊維が混合して構成されていてもよい。また、不織布は、異なる素材の極細繊維が混合して構成されていてもよい。
不織布を構成する極細繊維の平均単繊維繊度としては、シートの柔軟性や立毛品位の観点から0.001dtex以上0.5dtex以下であることが重要である。好ましくは0.3dtex以下、より好ましくは0.2dtex以下である。一方、染色後の発色性やサンドペーパーなどによる研削など立毛処理時の束状繊維の分散性、さばけ易さの観点からは、0.005dtex以上であることが好ましく、より好ましくは0.01dtex以上である。
なお、不織布を構成する極細繊維の平均単繊維繊度は、極細繊維の断面が円形または円形に近い楕円形の場合は、シート状物(もしくは不織布)表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を倍率2000倍で撮影し、極細繊維をランダムに100本選び、繊維径を測定して素材ポリマーの比重から繊度に換算し、さらにその100本の平均値を計算することで算出される。一方、不織布を構成する極細繊維が異形断面の場合は、同様にして、異形断面の外周円直径を繊維径として算出する。さらに、円形断面と異形断面が混合している場合、繊度が大きく異なるものが混合している場合等は、それぞれが同数程度となるように100本を選び、算出する。
不織布を構成する極細繊維の繊度の均一性に関しては、繊維束内の繊度CVが10%以下であることが好ましい。ここで繊度CVとは、繊維束を構成する繊維の繊度標準偏差を束内平均繊度で割った値を百分率(%)表示したものであり、値が小さいほど均一であることを示すものである。繊度CVを10%以下とすることで、シート状物表面の立毛の外観は優美となり、また染色も均質で良好なものとすることができる。極細繊維の断面が円形または円形に近い楕円形でない場合の繊度CVは、平均単繊維繊度の算出と同様の方法による。
極細繊維の断面形状としては、丸断面でよいが、楕円、扁平、三角などの多角形、扇形、十字型などの異形断面のものを採用してもよい。
本発明のシート状物を構成する不織布は、短繊維不織布、長繊維不織布のいずれでもよいが、風合いや品位を重視する場合には、短繊維不織布が好ましい。また、不織布の内部には、強度を向上させるなどの目的で、織物や編物を挿入してもよい。
本発明のシート状物において高分子弾性体の主成分として用いる水分散型ポリウレタンは、下記一般式(1)で示される植物由来の構造を分子鎖中に含むものである。
Figure 2008208499
ただし、式中nは正の整数である。
一般式(1)で示される構造を分子鎖中に含むことで、ポリウレタンの結晶性は低下して、低モジュラスの柔軟なポリウレタンを得ることができる。また、その構造は植物由来原料から得るものであることによって、ポリウレタン自体の焼却時における大気中への二酸化炭素放出量の増加がなく、環境負荷を低減するものである。
さらに、本発明における水分散型ポリウレタンは、一般式(1)で示される植物由来の構造のみならず、スルホン酸塩、カルボン酸塩、ポリエチレングリコール、4級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1つ以上の親水性構造をも有するものである。このようなポリウレタンは、一般式(1)で示される構造を有する分子鎖の両末端に水酸基を有するポリオール、有機ポリイソシアネート、鎖伸長剤、及びスルホン酸塩、カルボン酸塩、ポリエチレングリコール、4級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1つ以上の親水性構造を含有する内部乳化剤との反応により得られる構造を主成分とすることが好ましい。
一般式(1)で示される構造を有する分子鎖の両末端に水酸基を有するポリオールは、植物由来原料である1,3−プロパンジオールを原料とするポリオールであることが好ましい。
1,3−プロパンジオールは植物を出発原料としていれば、それを得る方法は特に限定はないが、例えば植物を出発原料として遺伝子修飾により糖をグリセリンに転化し、それを微生物によって変換するものであってもよい。例えば、特表2006−512907号公報、特表2002−514426号公報、特表2003−507022号公報、特表2001−503636号公報などに記載の方法を用いることができる。
ポリオールは、一般式(1)で示される構造を有する分子鎖の両末端に水酸基を有するものであれば、エーテル系、エステル系、カーボネート系のいずれであってもよいが、ポリウレタンが非常に柔軟になることから、エーテル系ポリオールであることが好ましい。
なお、ここでいうエーテル系とは、エーテル結合を介して連結される高分子鎖を形成するものであり、エーテル系ポリオールとは、当該高分子鎖の両末端にそれぞれ1個以上の水酸基を有するものである。
また、本発明におけるエーテル系ポリウレタンとは、ポリオールとしてエーテル系ポリオールを適用したポリウレタンのことをいう。
ポリオールの数平均分子量(Mn)は、500〜3,000が好ましく、より好ましくは1,500〜2,500である。数平均分子量を500以上とすることで、風合いが硬くなるのを防ぎ、3,000以下とすることで、ポリウレタンとしての強度を維持することができる。
ポリウレタンの合成に用いる有機ポリイソシアネートは、特に制限はないが、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、パラキシレンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートを挙げることができる。中でも、得られるポリウレタンの耐光性の観点から、脂環式ジイソシアネートや脂肪族ジイソシアネート、特に4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートや1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを用いることが好ましい。また、ポリイソシアネートはこれらを複数組み合わせて用いてもよい。
ポリオールと有機ポリイソシアネートとの比率は、両者のモル比率が1:2〜1:5となるようにするのが好ましい。またこの範囲内において、得られるポリウレタンの柔軟性を重視する場合には有機ポリイソシアネートの比率を低くし、強度、耐熱性、耐久性などを重視する場合には有機ポリイソシアネートの比率を多くすることによって調整が可能である。
ポリウレタンの合成に用いる鎖伸長剤としては、特に制限はなく、活性水素を2個以上有する化合物を用いることができ、有機ジオール、有機トリオール等のグリコール系、有機ジアミン、トリアミン等のアミン系、ヒドラジン誘導体などを用いることができる。
グリコール系の例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、メチルペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどの脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、水添キシリレングリコールなどの脂環式ジオール、キシレングリコールなどの芳香族ジオールを挙げることができる。
アミン系の例としては、エチレンジアミン、イソホロンジアミン、キシレンジアミン、フェニルジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどを挙げることができる。
ヒドラジン誘導体の例としては、ヒドラジン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジドなどを挙げることができる。
ポリウレタンの耐加水分解性を重視する場合は、グリコール系を用いることが好ましく、中でもポリウレタンの強度や耐熱性、耐黄変性を鑑みるとアルキル鎖の炭素数が2〜6の脂肪族ジオール、特にエチレングリコールが好ましい。
また、ポリウレタンの耐熱性を重視する場合は、アミン系を用いることが好ましく、中でも4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミンのような脂環族ジアミンを用いることが好ましい。4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミンは、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートに水を添加してイソシアネート基をアミノ基に変換したものであってもよい。
ポリウレタンの合成に用いる内部乳化剤は、スルホン酸塩、カルボン酸塩、ポリエチレングリコール、4級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1つ以上の親水性構造を含有する物質であれば特に制限はなく、活性水素を2個以上有する化合物を用いることができ、有機ジオール、有機トリオール等のグリコール系、有機ジアミン、トリアミン等のアミン系等を用いることができる。
親水性構造を有する内部乳化剤は、スルホン酸塩、カルボン酸塩、ポリエチレングリコール、4級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1つ以上を用い、また複数種を組み合わせて用いてもよいが、光による黄変等の心配がなく、中和剤による弊害が発生する可能性のないポリエチレングリコールであることが最も好ましい。
すなわち、スルホン酸塩やカルボン酸塩を使用する場合は中和剤が必要となるが、例えば、中和剤がアンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリメチルアミン、ジメチルエタノールアミン等の第3級アミンである場合は、製膜・乾燥時の熱によってアミンが発生・揮発し、系外へ放出される。そのため、大気放出や作業環境の悪化を抑制するために揮発するアミンを回収する装置の導入が必須となる。また、アミンは加熱によって揮発せずに最終製品であるシート状物中に残留した場合、製品の焼却時等に環境へ排出されることも考えられるが、ポリエチレングリコールは中和剤を使用しないため、アミン回収装置を導入する必要はなく、アミンのシート状物中への残留の心配もない。また、中和剤が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属、またはアルカリ土類金属の水酸化物等である場合、ポリウレタン部分が水に濡れるとアルカリ性を示すこととなるが、ポリエチレングリコールは中和剤を使用しないため、ポリウレタンの加水分解による劣化を心配する必要もない。
ポリウレタンの合成には、触媒として、例えば、トリエチルアミン、テトラメチルブタンジアミンなどのアミン類、酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、チタンテチライソプロポキサイド、オクチル酸スズなどの金属化合物などを用いてもよい。

ポリウレタンの重量平均分子量(Mw)としては、100,000〜300,000が好ましく、より好ましくは150,000〜250,000である。重量平均分子量(Mw)を、100,000以上とすることにより、製膜した膜の膜強度が向上し、耐摩耗性が良好となる。また、300,000以下とすることで、ポリウレタン溶液の粘度の増大を抑えて不織布への含浸を行いやすくすることができる。
本発明におけるポリウレタンは水分散型ポリウレタンであれば、強制乳化型であっても自己乳化型であってもよい。
ここで、「水分散型ポリウレタン」とは、水にエマルジョンとして分散するポリウレタンのことをいう。このポリウレタンは水中にエマルジョンとして分散した状態にあるポリウレタン水分散液から水分を除去して得ることのできるものである。
「強制乳化型ポリウレタン」とは、ポリウレタン水分散液内に界面活性剤を含有し、主に界面活性剤によってポリウレタンを水中に分散させたポリウレタンのことをいう。なお、該ポリウレタンはポリウレタン分子構造内に水分散性を向上する目的で親水性基である内部乳化剤を含有していてもよい。
「自己乳化型ポリウレタン」とは、ポリウレタン分子構造内に親水性部分を含有し、ポリウレタン水分散液の状態において界面活性剤を含有しなくともポリウレタン単独で水中に分散した状態を保つことができるポリウレタンのことを言う。
本発明では、界面活性剤が存在しないことにより、製膜時のポリウレタンエマルジョン同士の融着が十分進行してポリウレタン膜の膜強度は高くなりやすく、その結果、シート状物の耐摩耗性が良好となりやすいことから、自己乳化型ポリウレタンであることが好ましい。
本発明のシート状物を構成する高分子弾性体は、主成分としてポリウレタンを用いるが、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリオレフィン系などのエラストマー樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂などが含まれていてもよく、各種の添加剤、例えば、オキサゾリン系、カルボジイミド系、エポキシ系、メラミン系、イソシアネート系、シラノール系などの架橋剤、カーボンブラックなどの顔料、リン系、ハロゲン系、シリコーン系、無機系などの難燃剤、フェノール系、イオウ系、リン系などの酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、シアノアクリレート系、オキザリックアシッドアニリド系などの紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系などの光安定剤、可塑剤、耐電防止剤、界面活性剤、柔軟剤、撥水剤、凝固調整剤、染料などを含有していてもよい。
本発明にかかる該不織布においては、その内部空間に存在する該水分散型ポリウレタンを主成分とした高分子弾性体は、該不織布を構成する極細繊維と実質的に密着せず、また、高分子弾性体は無孔構造であることが好ましい。すなわち、極細繊維と高分子弾性体が実質的に密着していないことにより、高分子弾性体が極細繊維の動きを阻害することがないため、シート状物は非常に柔軟となる。
ここでいう「実質的に密着していない」とは、シート状物の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を倍率300倍で観察した際に、高分子弾性体が極細繊維と一体化がされておらず、高分子弾性体と極細繊維の間に空隙が存在することを確認できることをいう。部分的には接している場合もあるが、基本的には空隙がある状態をいうものである。
本発明におけるこの「極細繊維と高分子弾性体が実質的に密着していない状態」は、アルカリ水溶液に対する溶解性の異なる2種類以上の高分子物質の組み合わせからなる極細繊維発生型繊維を用いて不織布を作成し、該不織布にポリウレタン水分散液を含浸して高分子弾性体を付与した後、アルカリ水溶液で処理して極細繊維を発現せしめることによりその状態を実現できるものである。なお、該手法により、極細繊維束内の極細繊維同士の間にも空隙が存在するようになる。ただし、部分的には極細繊維同士が接している部分が存在していても構わない。
また、高分子弾性体が無孔構造であることにより、多孔構造である場合に比べ、揉み等の物理力に強くなることから、シート状物の耐ピリング性、耐摩耗性等は良好となる。ここでいう「無孔構造」とは、シート状物の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を倍率300倍で観察した際に、高分子弾性体部分において、5μm以上の孔が見えないこと、すなわち、存在が確認できないことをいう。
このように「該高分子弾性体を無孔構造とせしめること」は、例えば、不織布に該ポリウレタン水分散液を含浸、または付与し乾熱凝固する方法、不織布に該ポリウレタン水分散液を含浸後、湿熱凝固して加熱乾燥する方法、熱水中で湿式凝固して加熱乾燥する方法、およびそれらの組み合わせによりその状態を実現できるものである。
本発明のシート状物においては、基材全重量に対する該高分子弾性体の含有量は20重量%以上200重量%以下であることが好ましい。20重量%以上とすることにより、シート強度を得て、かつ繊維の脱落を防ぐことができ、200重量%以下とすることにより、風合いが必要以上に硬くなるのを防ぎ、目的とする良好な立毛品位を得ることができる。より好ましくは30重量%以上180重量%以下である。
本発明のシート状物は、各種の機能性薬剤、例えば、染料、顔料、柔軟剤、風合い調整剤、ピリング防止剤、抗菌剤、消臭剤、撥水剤、耐光剤、あるいは耐候剤等の機能性薬剤を含んでいてもよい。
本発明のシート状物は、少なくとも片面に極細繊維の立毛を有する立毛調皮革様シート状物として好適に用いてもよく、さらに、シート状物は、染色してあってもよい。
本発明のシート状物の柔軟性はJIS L1096−8.19.1(2005年度版)記載のA法(45°カンチレバー法)に基づき、タテ方向とヨコ方向へそれぞれ2cm×15cmの試験片を5枚作成し45℃の斜面を有する水平台へ置き、試験片を滑らせて試験片の一端の中央点が斜面と接したときのスケールを読み、5枚の平均値を求めることによって評価できる。
本発明のシート状物、特にシートの少なくとも片面に極細繊維を起毛させて得られる立毛調皮革様シート状物は、家具、椅子、壁材や、自動車、電車、航空機などの車輛室内における座席、天井、内装などの表皮材として非常に優美な外観を有する内装材、シャツ、ジャケット、カジュアルシューズ、スポーツシューズ、紳士靴、婦人靴等の靴のアッパー、トリム等、鞄、ベルト、財布等、及びそれらの一部に使用した衣料用資材、ワイピングクロス、研磨布、CDカーテン等の工業用資材として好適に用いることができる。
次に本発明のシート状物の製造方法について説明する。
本発明のシート状物の製造方法は前記した本発明のシート状物を製造する方法であって、次の(1)〜(3)の工程をこの順番で有するものである。
(1)アルカリ水溶液に対する溶解性の異なる2種類以上の高分子物質の組み合わせからなる極細繊維発生型繊維を用いてシートを作成する工程。
(2)前記(1)で作成されたシートに一般式(1)で示される植物由来の構造と、スルホン酸塩、カルボン酸塩、ポリエチレングリコール、4級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1つ以上の親水性構造とを含有する水分散型ポリウレタンの水分散液を含浸して、高分子弾性体を付与する工程。
(3)該高分子弾性体を付与した前記(2)のシートをアルカリ水溶液で処理して極細繊維を発現せしめる工程。
Figure 2008208499
(式中nは正の整数である。)
かかる(1)〜(3)の工程をこの順番に実施することで、高分子弾性体と極細繊維間、または極細繊維と極細繊維間に空隙を生成することができ、非常に柔軟なシート状物を得ることができる。特に極細繊維発生型繊維が海島型複合繊維であると、高分子弾性体と極細繊維は実質的に密着していない構造を形成するため、さらに柔軟なシート状物を得ることができ、好ましい。
不織布を構成する極細繊維を得る手段としては極細繊維発生型繊維を用いる。極細繊維発生型繊維をあらかじめ絡合した後に繊維の極細化を行うことによって、極細繊維が絡合してなる不織布を得ることができる。
極細繊維発生型繊維としては、熱水、またはアルカリ水溶液に対する溶解性の異なる2種類以上の熱可塑性高分子成分を海成分・島成分とし、海成分を熱水、またはアルカリ水溶液を用いて溶解除去することによって島成分を極細繊維とする海島型複合繊維や、2成分の熱可塑性高分子成分を繊維断面を放射状または多層状に交互に配置し、各成分を剥離分割することによって極細繊維に割繊する剥離型複合繊維などを採用することができる。中でも、海島型複合繊維は、海成分を除去することによって島成分間、すなわち繊維束内部の極細繊維間に適度な空隙を付与することができるので、基材の柔軟性や風合いの観点からも好ましい。
海島型複合繊維には、海島型複合用口金を用い、海・島の2成分を相互配列して紡糸する高分子相互配列体方式と、海・島の2成分を混合して紡糸する混合紡糸方式などを用いることができるが、均一な繊度の極細繊維が得られる点で高分子配列体方式による海島型複合繊維がより好ましい。
本発明における熱水、またはアルカリ水溶液に対する溶解性の異なるとは、極細繊維を発現せしめる条件下で溶解速度が20倍以上、より好ましくは40倍以上異なることをいう。20倍未満であれば、極細繊維を発現せしめる際に溶解性の低い熱可塑性高分子成分の繊度を制御することが困難になるので好ましくない。
なお、熱水、またはアルカリ水溶液に対する溶解速度は、JIS K6911法(1995)の耐薬品性試験(試験液:90℃熱水、または水酸化ナトリウム10%)に準じて処理時間を1時間として得た重量比より算出できる。
熱水、またはアルカリ水溶液に対する溶解性の高い海島型複合繊維の海成分としては、熱水、またはアルカリ水溶液に対する溶解速度と紡糸安定性の観点から、ポリビニルアルコール、またはポリビニルアルコールを主成分とする共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルに5−スルホイソフタル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ビスフェノールA化合物、イソフタル酸、アジピン酸、ドデカジオン酸、シクロヘキシルカルボン酸等を5〜12mol%共重合した共重合ポリエステルや、ポリ乳酸などを用いることができる。特に耐熱性、熱水、および/または弱アルカリ水溶液への溶解性から、ポリビニルアルコール、またはポリビニルアルコールを主成分とする共重合体、5−スルホイソフタル酸ナトリウムを5〜12mol%共重合したポリエチレンテレフタレート共重合体やポリ乳酸を用いることが好ましく、これらの共重合体は2元のみならず、3元以上の多元共重合体であってもよい。
特に好ましい海成分としては植物由来原料から得られるポリ乳酸であり、本発明のシート状物では、同様に植物を出発原料として得られるポリトリメチレンテレフタレートとの組み合わせとして、ポリ乳酸を主成分とするポリエステルと、ポリトリメチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルとから構成される極細繊維発生型複合繊維を用いることが最も好ましい。
シート状物を構成する不織布は、短繊維不織布、長繊維不織布のいずれでもよいが、風合いや品位を重視する場合には、短繊維不織布が好ましい。
極細繊維発生型繊維は捲縮加工を施し、所定長にカットして不織布の原綿を得るものであることが好ましい。捲縮加工やカット加工は通常の方法を用いることができる。
短繊維不織布の場合、繊維長は絡合による耐摩耗性を考慮して25mm以上90mm以下であることが好ましい。
得られた原綿を、クロスラッパー等によりウエブとし、次いで繊維を絡合して不織布とする。繊維を絡合させ不織布を得る方法としては、ニードルパンチ、ウォータージェットパンチ等の通常の方法を用いることができる。
得られた前記不織布には、繊維の緻密感向上のために、熱水やスチーム処理による収縮処理や、熱プレス等の圧縮処理を施してもよい。また、前記不織布は、ポリウレタン水分散液を付与する前に、不織布厚み方向に半裁(2枚に分割すること)、ないしは数枚に分割されて得られるものでもよい。
ポリウレタン水分散液を前記不織布に付与するにあたっては、不織布に当該ポリウレタン水分散液を含浸、または付与し乾熱凝固する方法、不織布に当該ポリウレタン水分散液を含浸後、湿熱凝固して加熱乾燥する方法、熱水中で湿式凝固して加熱乾燥する方法、およびその組み合わせがあるが、特に限定することはない。
なお、乾燥温度は低すぎると乾燥時間が長時間となり、高すぎるとポリウレタンの熱劣化の原因となる可能性があることから、80℃以上180℃以下が好ましい。より好ましくは90℃以上160℃以下である。
ポリウレタン水分散液には、貯蔵安定性や製膜性向上のために水溶性有機溶剤を水分散液に対して40重量%以下含有していてもよいが、製膜時の加熱による大気中への有機溶剤の放出や最終製品への有機溶剤の残留等の懸念から、有機溶剤の含有量は1重量%以下であることが好ましい。
ポリウレタン水分散液の濃度(ポリウレタン水分散液に対するポリウレタンの含有量)は、ポリウレタン水分散液の貯蔵安定性の観点から、10重量%以上50重量%以下が好ましい。
また、ポリウレタン水分散液は感熱ゲル化温度を有することが好ましい。感熱ゲル化温度を有することで、不織布に含浸し、乾燥する際のポリウレタンのマイグレーション現象を抑制することができる。ただ、感熱ゲル化温度は低すぎるとポリウレタン水分散液の貯蔵においてゲル化する可能性が高く、高すぎるとマイグレーション現象を抑制することができなくなることから、55℃以上90℃以下であることが好ましい。
ポリウレタン水分散液は、単独で感熱ゲル化性を有することが好ましいが、ポリウレタン水分散液に感熱ゲル化性を付与する、または感熱ゲル化温度を低下させる目的で、ノニオン系界面活性剤、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の無機塩を添加してもよい。
また、ポリウレタン水分散液は感熱ゲル化剤以外に、必要に応じてカーボンブラック等の顔料、染料、防カビ剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの耐光剤、難燃剤、浸透剤や滑剤、シリカや酸化チタン等のアンチブロッキング剤、帯電防止剤、抗菌剤、消臭剤、シリコーンオイル等の消泡剤、セルロース等の充填剤、ポリウレタン凝固調整剤等を添加して用いてもよい。
本発明のシート状物の製造方法は、ポリウレタン水分散液を含浸した極細繊維発生型繊維からなるシートを熱水、またはアルカリ水溶液で処理して極細繊維を発現せしめるものである。
本発明でいう熱水とは、好ましくは60℃以上の水のことをいうが、より高温である方が繊維の極細化処理が短時間でできることから、より好ましくは80℃以上である。
アルカリ水溶液は、特に限定はないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水溶液、アンモニア塩等を用いることができる。
アルカリ水溶液の濃度は極細繊維が発現できれば特に限定はないが、0.05mol/L以上10mol/L以下が好ましい。
熱水、またはアルカリ水溶液での処理は、高分子弾性体付与後の極細繊維発生型繊維からなるシートを浸漬し、窄液を行うものであり、剥離型複合繊維の場合は、熱水、またはアルカリ水溶液処理と揉み作用等の物理力で分割し、海島型複合繊維の場合は、熱水、またはアルカリ水に溶解する海成分を溶出して極細繊維を発生させるものであることから、方法に特に限定はないが、例えば液流染色機や精練装置等、さらにはそれらの組み合わせを用いての処理が挙げられる。
液流染色機を用いた処理での温度、時間はそれぞれ50℃以上140℃以下、5分以上90分以下であることが好ましい。
なお、極細繊維の発生を効率化する目的で、適宜加熱処理やスチーム処理、界面活性剤等の浸透剤を添加しての処理を行ってもよく、さらにはpH3以下の酸性水溶液による処理をあらかじめ行った後にアルカリ水溶液で処理してもよい。
このようにして得られたシート状物は、少なくとも片面に極細繊維の立毛を有している立毛調の皮革様シート状物としてもよい。
シート状物表面に立毛を形成するための起毛処理は、サンドペーパーやロールサンダーなどを用いて、研削する方法などにより施すことができる。
起毛処理の前に帯電防止剤を付与することは、研削によってシート状物から発生した研削粉がサンドペーパー上に堆積しにくくなる傾向にあり好ましい。また、起毛処理の前に滑剤としてシリコーン等を付与することは、表面研削による起毛が容易に可能となり、表面品位が非常に良好となるため、好ましい。
シート状物は、起毛処理を行う前に、シート厚み方向に半裁、ないしは数枚に分割されて得られるものでもよい。
さらに、シート状物は、染色してもよい。染色方法は、シート状物を染色すると同時に揉み効果を与えてシート状物をさらに柔軟化することができることから、液流染色機を用いることが好ましい。液流染色機は、通常の液流染色機を使用することができる。
染色温度は高すぎると高分子弾性体が劣化する場合があり、逆に低すぎると繊維への染着が不十分となるため、繊維の種類により変更するのがよく、一般に80℃以上150℃以下が好ましく、110℃以上130℃以下がより好ましい。
染料は特に限定はなくシート状物を構成する極細繊維にあわせて選択すればよいが、例えばポリエステル系極細繊維であれば分散染料、ポリアミド系極細繊維であれば酸性染料や含金染料といった染料、及びそれらを組み合わせた染料を用いることができる。
分散染料で染色した場合は、染色後に還元洗浄を行ってもよい。
また、染色の均一性や再現性をアップする目的で染色時に染色助剤を使用することは好ましい。さらにシリコーン等の柔軟剤、帯電防止剤、撥水剤、難燃剤、耐光剤、消臭剤、ピリング防止剤等の仕上げ剤処理を施してもよく、仕上げ処理は染色後でも、染色と同浴でもよい。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
[評価方法]
(1)平均単繊維繊度
不織布、またはシート状物表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を倍率2000倍で撮影し、円形または円形に近い楕円形の繊維をランダムに100本選び、繊維径を測定して繊維の素材ポリマーの比重から繊度に換算し、さらに100本の平均値を計算することで算出した。
(2)繊度CV
不織布、またはシート状物の内部の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて倍率2000倍で観察し、その写真から、束状繊維の1つの束内を構成する極細繊維の繊維径を測定し、繊維径から各単繊維の繊度に換算して、繊維束を構成する繊維の繊度標準偏差を束内平均繊度で割った値を百分率(%)で表した。5つの束状繊維について、同様の測定を行い、平均値を繊度CVとした。
(3)シート状物構造
シート状物の内部の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて倍率300倍で観察し、その写真から高分子弾性体と極細繊維の密着状態、高分子弾性体部分の構造を判断した。
(4)ポリウレタン水分散液の含有有機溶剤量
含浸に使用する固形分濃度のポリウレタン水分散液において、分散媒のガスクロマトグラフィー分析(HITACHI製263−50、カラム:有機溶剤の種類によって異なるが、N,N−ジメチルホルムアミドの場合はPEG20Mを使用。)にて含有有機溶剤量を定量した。
(5)柔軟性
JIS L1096−8.19.1(2005年度版)記載のA法(45°カンチレバー法)に基づき、タテ方向とヨコ方向へそれぞれ2×15cmの試験片を5枚作成し45℃の斜面を有する水平台へ置き、試験片を滑らせて試験片の一端の中央点が斜面と接したときのスケールを読み、5枚の平均値を求めた。
(6)環境への配慮
下記分類で評価した。
◎:不織布、ポリウレタンともに植物原料を用いており、かつ製造工程において揮発性有機物質の発生がほとんどない。
○:ポリウレタンが植物原料を用いているが、製造工程において少量の揮発性有機物質の発生がある。または、ポリウレタンに植物原料を用いていないが、製造工程において揮発性有機物質の発生がほとんどない。
×:不織布、ポリウレタンともに石油系原料を用いており、かつ製造工程において多量の揮発性有機物質の発生がある。
[化学物質の表記]
各実施例・比較例で用いた化学物質の略号の意味は以下の通りである。
PTT :植物由来の1,3−プロパンジオールを原料として用いたポリトリメチレンテレフタレート
PET :ポリエチレンテレフタレート
PLA :ポリ乳酸
H12MDI:4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
MDI :4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
NMP :N−メチルピロリドン
DMF :N,N−ジメチルホルムアミド
PPG :植物由来の1,3−プロパンジオールから誘導される数平均分子量2,000のポリプロピレングリコール
PHC :1,6−ヘキサンジオールから誘導される数平均分子量2,000のポリカーボネートジオール。
[ポリウレタン種]
実施例、比較例で用いたポリウレタン水分散液の組成は下記の通りである。各ポリウレタンの特性を表1に示した。
(1)ポリウレタン水分散液A(固形分濃度:30重量%)
ポリウレタンタイプ:自己乳化型
ポリイソシアネート:H12MDI
ポリオール :PPG
内部乳化剤 :側鎖にポリエチレングリコールを有するジオール化合物
鎖伸長剤 :エチレンジアミン
含有有機溶剤 :0.1重量%
(2)ポリウレタン水分散液B(固形分濃度:30重量%)
ポリウレタンタイプ:強制乳化型
ポリイソシアネート:H12MDI
ポリオール :PPG
内部乳化剤 :ジメチロールブタン酸のナトリウム塩
鎖伸長剤 :エチレンジアミン
含有有機溶剤 :10重量%(NMP)
(3)ポリウレタン水分散液C(固形分濃度:30重量%)
ポリウレタンタイプ:自己乳化型
ポリイソシアネート:H12MDI
ポリオール :PHC
内部乳化剤 :ジメチロールブタン酸のトリメチルアミン塩
鎖伸長剤 :エチレンジアミン
含有有機溶剤 :0.1重量%
(4)ポリウレタン水分散液D(固形分濃度:10重量%)
ポリウレタンタイプ:溶剤系(DMF溶媒)
ポリイソシアネート:MDI
ポリオール :PHC
内部乳化剤 :なし
鎖伸長剤 :水
含有有機溶剤 :100重量%。
[実施例1]
PLAを海成分として20部、島成分として植物を出発原料とした1,3−プロパンジオールを用いたPTTが80部からなる割合で、1フィラメント中に島成分が16島含まれる形態であり、平均繊度が3.8dtexの海島型繊維のステープル(繊維長51mm)を用いて、カード、クロスラッパーを通してウェブを形成し、ニードルパンチ処理により、不織布とした。
この不織布を90℃の湯中で2分処理して収縮させ、100℃5分で乾燥した。次いで、ポリウレタン水分散液Aを含浸し、乾燥温度100℃で10分熱風乾燥することで、不織布重量に対する高分子弾性体重量が70重量%となるように高分子弾性体を付与したシートを得た。
次にこのシートを90℃に加熱した濃度40g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して30分処理を行い、海島型繊維の海成分を除去した脱海シートを得た。脱海シート表面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、平均単繊維繊度は0.2dtex、繊度CVは7.3%であることを確認した。また、シート断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、高分子弾性体と極細繊維は密着せず、かつ高分子弾性体部分は無孔構造であることを確認した。
そして、脱海シートを厚さ方向に半裁し、半裁面と反対となる面を240メッシュのエンドレスサンドペーパーを用いた研削によって起毛処理した後、サーキュラー染色機にて青色の分散染料により染色を行い、シート状物を得た。
得られたシート状物の風合いは非常に良好であり、不織布、ポリウレタンともに植物原料を用いているため、低環境負荷であった。
[実施例2]
5−スルホイソフタル酸ナトリウムを8mol%共重合したPETを海成分として45部、島成分としてPETが55部からなる割合で、1フィラメント中に島成分が36島含まれる形態であり、平均繊度が2.8dtexの海島型繊維のステープル(繊維長51mm)を用いて、カード、クロスラッパーを通してウェブを形成し、ニードルパンチ処理により、不織布とした。
この不織布を90℃の湯中で2分処理して収縮させ、100℃5分で乾燥した。次いで、ポリウレタン水分散液Bを含浸し、乾燥温度125℃で10分熱風乾燥することで、不織布の島成分重量に対する高分子弾性体重量が70重量%となるように高分子弾性体を付与したシートを得た。
次にこのシートを90℃に加熱した濃度15g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して30分処理を行い、海島型繊維の海成分を除去した脱海シートを得た。脱海シート表面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、平均単繊維繊度は0.04dtex、繊度CVは7.5%であることを確認した。また、シート断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、高分子弾性体と極細繊維は密着せず、かつ高分子弾性体部分は無孔構造であることを確認した。
そして、脱海シートを厚さ方向に半裁し、半裁面と反対となる面を240メッシュのエンドレスサンドペーパーを用いた研削によって起毛処理した後、サーキュラー染色機にて焦げ茶色の分散染料により染色を行い、シート状物を得た。
得られたシート状物の風合いは非常に良好であり、ポリウレタンに植物原料を用いているため、低環境負荷であった。
[比較例1]
実施例1において、ポリウレタン水分散液Aに替わり、ポリウレタン水分散液Cを用いた以外は実施例1と同様に行い、シート状物を得た。
シート断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、高分子弾性体と極細繊維は密着せず、かつ高分子弾性体部分は無孔構造であることを確認した。
得られたシート状物の風合いは硬く、またポリウレタンに植物原料を用いていないため、焼却によって大気中の二酸化炭素量が増加する環境負荷の高いものであった。
[比較例2]
海成分として共重合ポリスチレン、島成分としてPETを用い、島数16島の海島型複合用口金を用いて、海成分55重量%、島成分45重量%の複合比率にて海島型複合繊維を紡糸した後、延伸、捲縮加工、カットして不織布の原綿を得た。
得られた原綿を、クロスラッパーを用いてウエブとし、ニードルパンチ処理により不織布とした。
この海島型複合繊維からなる不織布を、鹸化度87%のポリビニルアルコール10%水溶液に含浸した後、乾燥した。その後、トリクロロエチレン中で海成分であるポリスチレンを抽出除去し、乾燥を行って、平均単繊維繊度0.1dtexの極細繊維からなる繊維束が絡合した不織布を得た。繊度CVは7.3%であった。
この不織布をポリウレタン溶液Dに浸漬し、絞りロールにてポリウレタン溶液の付着量を調節した後、30℃のDMF濃度30%の水溶液中でポリウレタンを凝固せしめた。その後、90℃の熱水にてポリビニルアルコール及びDMFを除去し、乾燥後、ポリウレタン含有量が32重量%のシート状物を得た。
シート表面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、平均単繊維繊度は0.04dtex、繊度CVは7.5%であることを確認した。また、シート断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、高分子弾性体と極細繊維は密着している部分が存在し、かつ高分子弾性体部分は多孔構造であることを確認した。
得られたシート状物を厚さ方向に半裁し、半裁面と反対となる面を240メッシュのエンドレスサンドペーパーを用いた研削によって起毛処理した後、サーキュラー染色機にて焦げ茶色の分散染料により染色を行い、シート状物を得た。
得られたシート状物は柔軟な風合いを有していたが、製造工程に有機溶剤を使用し、かつポリウレタンに植物原料を用いていないため、焼却によって大気中の二酸化炭素量が増加する環境負荷の高いものであった。
Figure 2008208499

Claims (9)

  1. 平均単繊維繊度が0.001dtex以上0.5dtex以下の極細繊維の繊維束が絡合してなる不織布と、その内部空間に存在する水分散型ポリウレタンを主成分とした高分子弾性体とから構成されるシート状物であって、該水分散型ポリウレタンが一般式(1)で示される植物由来の構造と、スルホン酸塩、カルボン酸塩、ポリエチレングリコール、4級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1つ以上の親水性構造とを含有することを特徴とするシート状物。
    Figure 2008208499
    (式中nは正の整数である。)
  2. 前記水分散型ポリウレタンがエーテル系ポリウレタンであることを特徴とする請求項1に記載のシート状物。
  3. 前記水分散型ポリウレタンが自己乳化型ポリウレタンであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のシート状物。
  4. 前記極細繊維が、ポリエステルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシート状物。
  5. 前記極細繊維がポリトリメチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルであることを特徴とする請求項4に記載のシート状物。
  6. 前記不織布内部空間に存在する高分子弾性体部分が無孔構造であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシート状物。
  7. 前記高分子弾性体と前記極細繊維とが実質的に密着していないことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシート状物。
  8. 次の(1)〜(3)の工程をこの順番で有することを特徴とするシート状物の製造方法。
    (1)アルカリ水溶液に対する溶解性の異なる2種類以上の高分子物質の組み合わせからなる極細繊維発生型繊維を用いてシートを作成する工程。
    (2)前記(1)で作成されたシートに、一般式(1)で示される植物由来の構造とスルホン酸塩、カルボン酸塩、ポリエチレングリコール、4級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1つ以上の親水性構造とを含有する水分散型ポリウレタンの水分散液を含浸して、高分子弾性体を付与する工程。
    (3)該高分子弾性体を付与した前記(2)のシートをアルカリ水溶液で処理して極細繊維を発現せしめる工程。
    Figure 2008208499
    (式中nは正の整数である。)
  9. 前記極細繊維発生型繊維がポリ乳酸を主成分とするポリエステルと、ポリトリメチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルとから構成される極細繊維発生型複合繊維であることを特徴とする請求項8に記載のシート状物の製造方法。
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