JP2970794B2 - 繊維素材生地 - Google Patents
繊維素材生地Info
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Description
材生地に関する。詳しくは、繊維素材生地の通気性を損
なわず、繊維素材生地を構成する繊維に吸放湿性と天然
素材感を付与することのできる繊維素材生地に関する。
分野において、素材に柔軟性、伸縮性、防シワ性等を付
与するため、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリア
クリル系樹脂、フッソ系樹脂等が使用されている。なか
でも、超ソフト加工にはシリコン樹脂、ポリウレタン樹
脂が用いられ、風合い加工の主流をなしている。シリコ
ン樹脂としてはアミノ変性シリコンが柔軟効果に優れ、
超ソフト感、ドレ−プ性、ストレッチバック性を示すこ
とからよく用いられ、ボリュ−ム感、反発感、ドライ感
を付与する目的でポリウレタン樹脂が用いられている。
水阻害が強く、素材の吸汗性を低下させてしまう。ま
た、吸水効果に優れるものに、エチレンオキサイドを付
加したタイプや乳化剤を添加したタイプがあるが、耐久
性が得られなかったり、エチレンオキサイド鎖や乳化剤
の影響で良好な柔軟性が得られないものが多い。さらに
耐久性を上げるため、メチロ−ル基を導入したものもあ
るが、ホルマリンを含むため、直接肌に触れる素材には
適さない。このような吸汗性の低下などを補う目的で一
般柔軟剤が併用されたり、ドライ感を付与する目的で硬
仕上剤が併用されたりしている。
地の通気性を損なうことなく、吸放湿性と耐久性に優
れ、天然素材様のドライタッチ感を付与することができ
る繊維素材生地を提供せんとするものである。
繊維素材生地は、通気性を有する繊維素材生地であっ
て、該繊維素材生地を構成する繊維そのものに合成樹脂
エマルジョンおよび親水性有機系天然物微粉末からなる
繊維処理剤組成物を通気性を損なわないように処理した
ことを特徴とする。
シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル系樹脂
やフッソ系樹脂のエマルジョンタイプ、あるいは、これ
ら各樹脂の混合エマルジョンタイプのものであり、シリ
コン樹脂はアミノ変性したもの、なかでもシリコンの固
形分がフイルム化するタイプ(一般のアミノ変性シリコ
ンはオイル状である)のものがさらに好ましく、親水性
有機系天然物微粉末の粉落ち防止性、すなわち、繊維に
対する付着力、繊維の耐洗濯性に優れる。
パク質微粉末用にコラ−ゲン類、エラスチン、ケラチ
ン、シルクパウダ−、海綿パウダ−等の硬タンパク質や
羊毛を、植物微粉末用に木綿、麻、パルプ、海藻等のセ
ルロ−スをそれぞれ用いる。これら微粉末の粒径は、標
準偏差3μmで平均粒径が7μm以下である。なお、好
ましくは平均粒径が4μm以下であり、これにより繊維
に対する付着性が向上し、タッチ感に優れたものが得ら
れる。平均粒径が7μmを越えるときは、繊維に対する
付着性が低下し、ざらつき感が生じて好ましくない。天
然タンパク質微粉末の色彩は、好ましくは、平均粒径5
μmの微粉末の場合、白色度70%以上の白色である。
同じ微粉末であっても、平均粒径の大小により白色度は
異なる。微粉末自体に色付きがあると、繊維あるいは織
物の白さを損なう。
ルジョン90〜99重量部、親水性有機系天然物微粉末
1〜10重量部からなるものを、たとえばボールミルに
より攪拌、分散処理して用いる。合成樹脂エマルジョン
は、親水性有機系天然物微粉末重量の8倍以上の重量の
水成分で構成されているものを用いる。水成分が8倍以
下だと、親水性有機系天然物微粉末がこれを吸水するた
め膨潤し、2成分を混合したときにエマルジョンを得る
ことができない。これら2成分を通常の攪拌程度で混合
しただけでは、微粉末の分散がわるく、微粉末の凝集物
を生じたり、繊維から脱落を生じやすく不充分なので、
これらの弊害を生じない混合手段をとる。すなわち、た
とえば、これら2成分に対してボールミルによる処理を
施したものは、微粉末の分散性に優れ、また、微粉末に
圧力が加えられることにより、合成樹脂成分の微粉末へ
の浸透あるいは密着性が促進され、さらに繊維への付着
性が向上する。また、ボールミルにより処理すること
で、原料の親水性有機系天然物微粉末がより細かくな
り、風合いの向上にもつながる。このように、2成分の
混合にはボールミル程度の効果を有する微粉砕混合が望
まれるので、媒体攪拌ミルなども使用可能である。
は、パッド法、スプレ−法等により繊維あるいは織物に
塗布し、乾燥工程にかける。
好ましくは、100℃以上、120℃以下である。親水
性有機系天然物は含水状態で乾燥温度が高いと、加水分
解が促進され、異臭を放ったり、色変化を生じる。乾燥
温度が低すぎると、乾燥時間が長くなり、作業性が低下
する。
らに具体的に説明する。 (実施例1)固形分がフイルム化するアミノ変性シリコ
ン系樹脂のエマルジョンタイプとして、シリコンAMZ
(合成樹脂成分13%、日華化学製)100gに水24
7gを添加し希釈して得られたエマルジョン溶液に、平
均粒径5μmのコラ−ゲン微粉末13gを加え、この混
合物をボ−ルミル(セイシン企業製、遊星ボ−ルミル)
を用いて、回転数150rpmにて10分間処理をおこ
なった。ナイロン製のストッキング用素材27g分を、
このボ−ルミル処理した混合物に含浸させ、ロ−ル間圧
力1kg/cm2 のマングル(一方が金属ロ−ル、他方
がゴムロ−ルで構成された2本のロ−ル間に濡れたもの
を挿入し、水を絞り出す絞り機)を通し余分な処理剤を
排除した(パッド法)。この結果、ストッキング用素材
に被覆された処理剤の量は36g(固形分2.6g)で
あった。得られたストッキング用素材を乾燥機に入れ、
120℃で5分間乾燥させた。
実施例および比較例についても実施例1と同様におこな
い、ストッキング用素材の処理をおこなった。これらの
内容を第1表および第2表に示す。実施例3では、実施
例1のパッド法による含浸処理にかえて、霧吹きにて、
処理剤が垂れない程度にスプレ−コ−トをおこなった
(スプレ−法)。被覆された処理剤の量は36gであっ
た。実施例で使用した他の合成樹脂エマルジョンを下記
する。 アミノ変性シリコン樹脂 SM8702:(東レ・ダウ
コ−ニング・シリコ−ン製) アミノ変性していないシリコン樹脂 SH8710:
(東レ・ダウコ−ニング・シリコ−ン製) ポリウレタン樹脂 ス−パ−フレックスE2000:
(第一工業製薬製) アクリル樹脂 ビニブラン1225:(日信化学工業
製) フッ素系樹脂 NKガ−ドFG−270(日華化学製) ポリエステル・ポリウレタン樹脂 エバファノ−ルN−
20:(日華化学製)
ストッキング用素材について、評価をおこない、結果を
第3表に示す。評価項目のなかで処理剤の分散性は、処
理剤を200メッシュフィルタ−でろ過し、フィルタ−
上の残存パウダ−量で評価した。付着性は、処理後の試
料を黒紙の上で指で強くはじき、どの程度粉落ちするか
で評価した。タッチ性は天然素材感をドライ感で、また
シリコン独自の風合いをぬめり感として10人の官能評
価にもとずいて求めた。判定の値は、良い順に、5(か
なり良い)、4(やや良い)、3(普通)、2(やや悪
い)、1(かなり悪い)とした。吸放湿性については、
40℃、90%RH(吸湿条件)と23℃、30%RH
(放湿条件)でそれぞれをおこない、評価はブランクを
3とした。
5〜9、11〜17)では、すべてきわめて良好な結果
が得られた。ただし、通常の攪拌をおこなった実施例2
では、付着性とタッチ性がわずか劣り、微粉末の平均粒
径が大きかった実施例4では付着性が、繊維の処理後、
乾燥温度が高かった実施例10では色変化が、それぞれ
わずか劣ったものの、これらも良好な結果が得られた。
これに対し、親水性有機系天然物微粉末を使用しなかっ
たもの(比較例1)や、繊維処理剤組成物を一切使用し
なかったもの(比較例2)、微粉末の平均粒径が大きす
ぎたもの(比較例3、4)、合成樹脂エマルジョンとし
て水分の少なかったもの(比較例6)、繊維を処理後、
乾燥温度が高すぎたり、低すぎたもの(比較例7〜1
0)はいずれも良好な結果が得られなかった。ただし、
微粉末の量が多すぎたもの(比較例5)はやや良好であ
ったが、効果のない量であった。
素材生地を構成する繊維そのものに合成エマルジョンお
よび親水性有機系天然物微粉末からなる繊維処理剤組成
物が処理されているので、繊維素材生地が本来もつ性能
および素材感を失うことなく、天然素材様のドライタッ
チ感や吸放湿性を付与することができる。しかも、繊維
素材生地の通気性を損なうこともない。さらに、繊維そ
のものに対する付着性が高いことは、耐久性のあること
を意味し、吸放湿性は吸汗、放汗性に等しい。
Claims (3)
- 【請求項1】通気性を有する繊維素材生地であって、 該繊維素材生地を構成する繊維そのものに、合成樹脂エ
マルジョンおよび親水性有機系天然物微粉末からなる繊
維処理剤組成物を通気性を損なわないように処理したこ
とを特徴とする繊維素材生地。 - 【請求項2】請求項1に記載の繊維素材生地において、 前記親水性有機系天然物微粉末は、粒径が標準偏差3μ
mで平均が7μm以下のものであることを特徴とする繊
維素材生地。 - 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の繊維素材
生地において、 前記親水性有機系天然物微粉末の平均粒径は4μm以下
であることを特徴とする繊維素材生地。
Priority Applications (1)
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JP5043329A JP2970794B2 (ja) | 1992-02-19 | 1993-02-09 | 繊維素材生地 |
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JP4-69762 | 1992-02-19 | ||
JP5043329A JP2970794B2 (ja) | 1992-02-19 | 1993-02-09 | 繊維素材生地 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2970794B2 true JP2970794B2 (ja) | 1999-11-02 |
Family
ID=26383085
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP5043329A Expired - Lifetime JP2970794B2 (ja) | 1992-02-19 | 1993-02-09 | 繊維素材生地 |
Country Status (1)
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JPS5530434A (en) * | 1978-08-21 | 1980-03-04 | Kanebou Kenshi Kk | Silk fibroinnpolyurethane finished silk yarn and method |
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-
1993
- 1993-02-09 JP JP5043329A patent/JP2970794B2/ja not_active Expired - Lifetime
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