JP5065648B2 - 研削盤 - Google Patents
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Description
推測された経過時間とワークの熱変形量との間の関係は、当該ワークの熱変化量を収束させてから求めるものではなく、熱変化量の収束を待たずに推測している。そして、ワークは再度スパークアウトの過程に戻されるが、当該ワークにより求めた関係を利用して、当該ワークに対して、目標寸法となるような極めて高精度な研削加工を実行させることができる。
図1は円筒体やカムなどを研削するさいに使用される一般的なCNC研削盤を示し、1はベッド、2はベッド1上に左右方向(Z軸方向)の移動自在に設けられたワーク支持テーブル、3はベッド1上に前後方向(X軸方向)の移動自在に設けられた砥石台である。
先ず、モータ12が回転され、研削砥石10が回転駆動される。また、必要に応じサーボモータ4が回転され、ワーク支持テーブル2がZ軸方向へ移動される。これによりワークwが主軸台6などと共に移動され、研削すべきワークwはX軸方向上で研削砥石10と対向した状態となされる。続いて、砥石台3はX軸方向の機械座標上で、図4に示すように、予めプログラムで特定されている基準位置である座標位置p1に位置される。
即ち、研削砥石10を前進させる前にAEセンサ16を作動状態とする。このとき、研削砥石10はワークwに接触していないため空転していて空気を研削している状態となる。したがってAEセンサ16は研削砥石10の研削抵抗(研削抵抗と研削主分力qsの比は研削条件が同一であれば定数となるため、研削主分力qsでもよい。ここに、研削主分力qsとは研削点に作用する研削抵抗の分力の一つで研削点を通る砥石半径方向に直交した砥石接線方向の力を言うものである。)が殆どゼロであることを示すゼロ出力を発し、このゼロ出力が送信部17及び受信部18を経て数値制御装置21に伝達される。
先ず熱変形量検出機能部25の作動について図6及び図7を参照して説明する。
即ち、図6のステップ(1)に示すように、例えば図4に示すような研削条件でワークwを精研終了直前(スパークアウト直前)まで切込み,そのときの研削抵抗(研削主分力qs又は研削背分力でもよい)に対応した力データをAEセンサ16による測定により取得しておき、次に図6のステップ(2)に移行し、精研終了後に砥石台3を極微小量(20μm程度)急速後退させて、ワークwから研削砥石10を離反させる。その状態でワークwに回転を与えたまま研削液をこれまで同様に注ぎ続ける作動を維持させる。
即ち、実際の熱変形量d′θwと、砥石台3が急速後退した後からの時間Tの経過との関係は図7(c)に示すように次式、即ちd′θw=dθk−f(T)で表される。図7(c)中の実際の熱変形量d′θwを表す曲線の形状から判断すると、それは明らかに指数関数である。
d′θw=dθk−f(T)=dθk・αT ・・・(s1)
ただし、0<α<1である。
式(s1)から次式、即ち、f(T)=dθk(1−αT)が得られる。
dθw=f(T)=dθk(1−αT) ・・・(s2)
したがって、この熱変形量検出機能部25は式(s2)を使用して、この式(s2)中のαとdθkの値(定数)を図7(b)中の、0<T<Tkの領域の、既に測定された熱変形量dθwから得られた曲線に基づいて、最小自乗法により算出するのである。
次に寸法誤差最小化研削機能部26の作動について図8及び図9を参照して説明する。
この機能部26は先の熱変形量検出機能部25により熱変形量を測定された後のワークwを寸法誤差の最小化されるように研削するためのものであって、熱変形量検出機能部25の測定した熱変形量d′θwに基づいて寸法誤差最小化研削を実行するものである。
この演算値d′θwは図8(b)中に記載された式、即ち、
d′θw=dθk − f(Tg+t)=dθk ・αTg+t ・・・(s3)
により演算される。ここでのTgは実際上の最研削開始時間である。
Rr=R十d′θw ・・・(s4)
この式(s4)を用いることで熱変形量d′θwが収束した状態のワークwの寸法(実寸法Rr)、即ち熱変形量d′θwを考慮した研削砥石10の切込み位置が定量的に精度よく推則される。
次に2個目以降であるi個目のワークwについての寸法誤差最小化研削機能部27の作動について図10〜図15を参照して説明する。
先ず、この機能の前提となる関係、即ち熱変形量dθkと、研削抵抗(研削主分力qs又は研削背分力でもよい。)との関係について説明する。
この式(s5)が意味するところは、1個目のワークwと比較して、研削抵抗が大きければ、スパークアウト開始点の熱変形量dθkが比例関係に大きくなることである。実際の変化過程とは異なっているのである。
即ち、実際の熱変形量d′θwの変化過程は図12に示すとおりとなる。
図12(a)においては、切込み研削過程のプランジ速度Vpが大きいほどスパークアウト開始点の熱変形量d′θwは大きくなるのであるが、図11(b)に示す場合のように単純に縦方向へ拡大した形態ではない。図12(b)は図12(a)のスパークアウト過程だけの熱変形量d′θwを示す各曲線を横方向(時間軸)に対し平行に移動させて重ねた図を示しており、明確に1本の曲線にすべて重なる。
この事実は、図12(a)のスパークアウト過程だけの熱変形量d′θwを示す各曲線はいずれも式dθk(1)・ατで表されてその曲がり形状は変化せずに、スパークアウト開始点がそれぞれ移動したものになることを意味するものである。
d′θw(1)= dθk(1)・ατ ・・・(s6)
dθk(i)=dθk(1)・qs(i)/qs(1) ・・・(s7)
このτk(i)(<0)の解は数学的には、式(s6)の左辺がdθk(1)・qs(i)/qs(1)となるτの値となり、次式(s8)で表される。
τk(i)=logα(qs(i)/qs(1)) ・・・(s8)
d′θw(i)=dθk(1)・ατ+τk(i) (s9)
この式(s9)が図13(b)の曲線となる。以上で寸法誤差最小化研削機能のすべての定式化が完了した。
逆に、qs(i)<qs(1)の場合も、各式はそのまま満足して、解析結果はτk(i)>0となることから、スパークアウト開始点の熱変形量d′θw(i)は間違いなく小さくなる。
Rr=R十d′θw(i) ・・・(s10)
この式(s10)を用いることで熱変形量d′θw(i)が収束した状態になったとしたときのワークwの被研削箇所の外径寸法である実寸法Rr、即ち熱変形量d′θw(i)を考慮したワークwの寸法が図15に曲線で示すように定量的に精度よく推則される。
次に表面粗さ改善研削機能部28の作動について図17〜図21を参照して説明する。
一般のスパークアウト過程では砥石台3の送り移動を停止させるが、これとは異なって、スパークアウト過程で砥石台3を停止させずに、極微小切込み速度で送り込むことで、表面粗さの劇的な改善が可能となることは発明者等により確認されている。
この表面粗さ改善研削機能部28の改善機能を有効に実現するために必要な要件は、どれだけの切込み量をどれくらいの時間で送り込むかということである。
以後は各ワークwについてステップ(5)〜(9)が繰り返される。
7 心押し台(ワーク支持手段)
9 主軸(ワーク支持回転手段)
10 研削砥石
11 砥石軸
13a 主軸センタ(ワーク支持手段)
14 心押しセンタ(ワーク支持手段)
16 研削抵抗検出手段(AEセンサ)
25 熱変形量検出機能部
26 寸法誤差最小化研削機能部
27 寸法誤差最小化研削機能部
28 表面粗さ改善研削機能部
τg 設定時間(時間データ)
dθw 熱変形量(熱収縮量)
d′θw 熱変形量
qs 研削主分力
Rk 目標寸法
Rr 実寸法
w ワーク
Claims (2)
- ワークを支持し特定中心線回りへ回転させるワーク支持回転手段と、砥石軸回りへ回転されワークに対しワーク回転半径方向へ相対変位される研削砥石とを備えた研削盤において、
スパークアウト直前に、ワークに回転を与えかつ研削液を注ぎ続けた状態で前記ワークから研削砥石を離反させ、前記ワークの熱変化量が収束する以前に当該離反状態の下で時間経過に伴って前記ワークの外径を継続測定して、経過時間とワークの熱変形量との間の関係を熱変化量が収束するまで推測する熱変形量検出機能部と、
熱変化量が収束する以前に当該離反状態の前記ワークを再度前記研削砥石に接触させ、前記離反した間の時間Tg分だけ前記関係の時間をずらし、ずらした時間位置からスパークアウト開始後の時間経過に伴う前記関係に基づいた熱変形量の演算とワークの外径測定とを繰返し実行して熱変形量が収束したときのワーク外径を推測しながら研削砥石の後退開始を制御する寸法誤差最小化研削機能部とを備えたことを特徴とする研削盤。
- ワークを支持し特定中心線回りへ回転させるワーク支持回転手段と、砥石軸回りへ回転されワークに対しワーク回転半径方向へ相対変位される研削砥石とを備えた研削盤において、
ワーク研削中の研削主分力に対応した力データを検出する研削抵抗検出手段と、
1本目のワークに回転を与えかつ研削液を注ぎ続けた状態で当該ワークから研削砥石を離反させ、当該離反状態の下で時間経過に伴って当該ワークの外径を継続測定して、経過時間とワークの熱変形量との間の関係を取得する熱変形量検出機能部と、
前記1本目のワークのスパークアウト開始点での力データとi番目のワークのスパークアウトの開始時の力データに基づき、i番目のワークのスパークアウトの開始時の熱変形量を演算し、且つ前記演算された熱変形量となる時間位置から前記関係に基づいた熱変形量の演算とワークの外径測定とを繰返し実行して熱変形量が収束したときのワーク外径を推測しながら研削砥石の後退開始を制御する寸法誤差最小化研削機能部とを備えたことを特徴とする研削盤。
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