JP5446889B2 - 研削盤および研削方法 - Google Patents

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Description

本発明は、円筒状ワークの外周または内周を研削する研削盤および研削方法に関するものである。
従来、円筒状ワークの外周または内周を研削する研削盤として、特開平7−214466号公報(特許文献1)および特開平8−168957号公報(特許文献2)に記載されたものがある。特許文献1,2には、後退研削を行うことが記載されている。後退研削とは、砥石車を円筒状ワークに押し付ける方向に移動させて行う前進研削の後に、砥石車を円筒状ワークから引き離す方向へ移動させながら行う研削加工である。前進研削では、砥石車を円筒状ワークに押し付けるため、円筒状ワークに撓みが生じる。さらに、前進研削においては、円筒状ワークの回転位相θによって、研削残し量が異なる。そして、後退研削においては、前進研削において生じた円筒状ワークの撓み量を減少させながら、前進研削における研削残しの部分を研削加工する。このように、後退研削を行うことで、全て前進研削により行う研削加工に比べて、研削時間を大きく短縮することができるようになる。
特開平7−214466号公報 特開平8−168957号公報
本発明は、特許文献1,2に記載の後退研削を利用して、より高精度な研削加工を行うことができる研削盤および研削方法を提供することを目的とする。
(研削盤)
上記の課題を解決するため、請求項1に係る研削盤の発明の特徴は、
円筒状ワークの外周または内周を研削する研削盤であって、
砥石車と、
前記円筒状ワークを回転可能に支持し且つ駆動するワーク支持手段と、
前記円筒状ワークと前記砥石車とが接近または離間するように前記円筒状ワークと前記砥石車とを相対移動させる移動手段と、
前記砥石車を前記円筒状ワークに押し付ける方向へ相対移動させて、前記円筒状ワークの撓み量と前記砥石車の撓み量の合計値である撓み量合計値δ(t)を増加させる前進研削を実行する前進研削制御手段と、
前記前進研削の後であって、前記砥石車を前記円筒状ワークから引き離す方向へ相対移動させて前記円筒状ワークおよび前記砥石車の前記撓み量合計値δ(t)を減少させながら行う後退研削の際に、前記円筒状ワークの現在の回転位相θtから目標の回転位相θeに達するまでの間において、時刻tにおける前記円筒状ワークおよび前記砥石車の目標撓み量合計値δ(t)を生成する目標撓み量生成手段と、
前記目標撓み量合計値δ(t)に基づいて、時刻tにおける前記円筒状ワークに対する前記砥石車の相対的な位置指令値Xref(t)を生成する位置指令値生成手段と、
前記位置指令値Xref(t)に基づいて前記移動手段を制御して、前記後退研削を実行する後退研削制御手段と、
を備えることである。
請求項2に係る発明の特徴は、前記研削盤が、前記円筒状ワークおよび前記砥石車の前記撓み量合計値δ(t)を検出する撓み量検出手段をさらに備え、前記位置指令値生成手段が、前記前進研削の終了時点tnにおける前記撓み量合計値δ(tn)に基づいて、前記位置指令値Xref(t)を生成することである。
請求項3に係る発明の特徴は、前記研削盤が、前記前進研削の終了時点tnにおける前記撓み量合計値δ(tn)と、前記前進研削の開始時点t0から終了時点tnまでにおける前記円筒状ワークの第二研削量E(tn)との関係を示す比例定数βを推定する比例定数推定手段をさらに備え、前記目標撓み量生成手段は、前記比例定数βに基づいて、前記目標撓み量合計値δ(t)を生成することである。
請求項4に係る発明の特徴は、前記研削盤が、前記前進研削の際に、前記撓み量合計値δ(t)が増加している間ti-1〜tiにおける前記円筒状ワークの第一研削量E(ti)を検出する研削量検出手段と、前記前進研削の際に、前記撓み量合計値δ(t)が増加している間ti-1〜tiにおける前記円筒状ワークに対する前記砥石車の移動量ΔXd (ti)を検出する移動量検出手段と、をさらに備え、前記比例定数推定手段が、前記第一研削量E(ti)と前記移動量ΔXd (ti)とに基づいて、前記比例定数βを推定することである。
請求項5に係る発明の特徴は、前記研削盤が、前記前進研削の際に、前記撓み量合計値δ(t)が増加している間ti-1〜tiにおける前記円筒状ワークの第一研削量E(ti)を検出する研削量検出手段と、前記前進研削の際に、前記撓み量合計値δ(t)が増加している間ti-1〜tiにおける前記円筒状ワークに対する前記砥石車の移動量ΔXd (ti)を検出する移動量検出手段と、をさらに備え、前記撓み量検出手段は、前記第一研削量E(ti)と前記移動量ΔXd (ti)とに基づいて、前記前進研削の終了時点tnにおける前記円筒状ワークおよび前記砥石車の前記撓み量合計値δ(tn)を算出することである。
請求項6に係る発明の特徴は、前記目標撓み量合計値δ(t)が、前記円筒状ワークと前記砥石車との間におけるクーラント液による動圧効果分に相当する撓み量合計値δcを除いた値であることである。
請求項7に係る発明の特徴は、前記前進研削制御手段が、前記円筒状ワークの少なくとも一部において仕上径Dfまで前記前進研削を実行することである。
請求項8に係る発明の特徴は、前記研削盤が、前記円筒状ワークの直径を検出する定寸装置をさらに備え、前記前進研削制御手段が、予め記憶されたNCデータに基づいて前記前進研削を実行し、前記後退研削制御手段が、前記定寸装置により検出された前記円筒状ワークの直径D(t)が設定された値Dthに達した時に、前記前進研削から前記後退研削へ切り替えることである。
(研削方法)
請求項9に係る研削方法の発明の特徴は、
砥石車と、
前記円筒状ワークを回転可能に支持し且つ駆動するワーク支持手段と、
前記円筒状ワークと前記砥石車とが接近または離間するように前記円筒状ワークと前記砥石車とを相対移動させる移動手段と、
を備える研削盤において、前記円筒状ワークの外周または内周を研削する研削方法であって、
前記砥石車を前記円筒状ワークに押し付ける方向へ相対移動させて、前記円筒状ワークの撓み量と前記砥石車の撓み量の合計値である撓み量合計値δ(t)を増加させる前進研削を実行する前進研削工程と、
前記前進研削の後であって、前記砥石車を前記円筒状ワークから引き離す方向へ相対移動させて前記円筒状ワークおよび前記砥石車の前記撓み量合計値δ(t)を減少させながら行う後退研削の際に、前記円筒状ワークの現在の回転位相θtから目標の回転位相θeに達するまでの間において、時刻tにおける前記円筒状ワークおよび前記砥石車の目標撓み量合計値δ(t)を生成する目標撓み量生成工程と、
前記目標撓み量合計値δ(t)に基づいて、時刻tにおける前記円筒状ワークに対する前記砥石車の相対的な位置指令値Xref(t)を生成する位置指令値生成工程と、
前記位置指令値Xref(t)に基づいて前記移動手段を制御して、前記後退研削を実行する後退研削制御工程と、
を備えることである。
上記のように構成した請求項1に係る発明によれば、筒状ワークおよび砥石車の目標撓み量合計値δ(t)に基づいて筒状ワークに対する砥石車の相対的な位置指令値Xref(t)を生成して後退研削を実行している。ここで、筒状ワークおよび砥石車の撓み量合計値δ(t)と研削量E(t)とは比例の関係を有することが分かっている。つまり、撓み量合計値を指標として、筒状ワークと砥石車の相対的な位置を変化させることで、所望の研削量とすることができるため、高精度な後退研削を実現できる。
請求項2に係る発明によれば、位置指令値Xref(t)を確実に生成できる。請求項3に係る発明によれば、比例定数βを推定することにより、確実に、撓み量合計値δ(t)と研削量E(t)との関係を明確にすることができる。これにより、後退研削において確実に所望の研削量とすることができる。ここで、円筒状ワークの研削量とは、所定時間におけるワークWの半径減少量であって、所定時間におけるワークWに対する砥石車の径方向の切込量に相当する。
請求項4に係る発明によれば、前進研削を行っている際に比例定数βを推定している。従って、当該前進研削の後に行う後退研削における比例定数βを高精度に取得することができる。例えば、比例定数βは、円筒状ワークの種類が異なることによって、または、砥石車の切れ味が変化することによって、変化する。しかし、後退研削の直前である前進研削の際に比例定数βを推定しているため、高精度な比例定数βとなる。その結果、後退研削においてより確実に所望の研削量とすることができる。
請求項5に係る発明によれば、前進研削の終了時点t4における撓み量合計値δ(tn)を確実に得ることができる。
請求項6に係る発明によれば、クーラント液による動圧の影響を考慮することで、目標撓み量合計値δ(t)により高精度に後退研削を行うことができる。つまり、砥石車により円筒状ワークを研削加工している際に、クーラント液による動圧の影響により生じる抵抗成分により円筒状ワークおよび砥石車が撓むとしても、確実にクーラント液による動圧の影響を排除して高精度な研削加工を行うことができる。
請求項7に係る発明によれば、後退研削を一回転で終了させることができる。つまり、加工を短時間で行うことができる。請求項8に係る発明によれば、定寸装置を用いて前進研削から後退研削への切り替えを行っている。これにより、確実かつ容易に前進研削から後退研削への切り替えを行うことができる。
請求項9に係る研削方法の発明によれば、上述した研削盤に係る発明と同様の効果を奏することができる。また、当該研削方法の発明において、上述した研削盤の発明における他の特徴についても同様に適用することができ、同様の効果を奏する。
第一実施形態:研削盤の平面図である。 経過時間tに対する、砥石台42の位置、ワーク外径D(t)、研削抵抗F(t)、撓み量合計値δ(t)を示すグラフである。 前進研削の終了時点t4におけるワークと砥石車の位置を示す図である。 制御装置70における制御ブロック図である。 図5(a)は、前進研削の開始時点t1から前進研削の終了時点t4までの間について、研削によるワークWの半径減少量(研削量)E(t)の模式的な挙動を示す。図5(b)は、期間(t1〜t4)について、研削抵抗F(t)の模式的な挙動を示す。また、図5(c)は、期間(t1〜t4)について、撓み量合計値δ(t)を示す。 図6(a)は、後退研削における目標研削量E(t)を示し、図6(b)は、目標撓み量合計値δ(t)を示す。 後退研削を行っている際のワークと砥石車の位置を示す図である。
(研削盤の構成)
本実施形態の研削盤の一例として、砥石台トラバース型円筒研削盤を例に挙げて説明する。そして、当該研削盤の加工対象のワークWは、カムシャフトやクランクシャフトなどの円筒状ワークを例に挙げる。ただし、ワークWは、円筒状であれば、カムシャフトやクランクシャフトの他にも適用可能である。なお、ここでいう「円筒状」とは、軸直交方向の断面の外周面形状が円形である場合、軸直交方向の断面の内周面形状が円形である場合、前記の両者を持つ場合を含む意味である。すなわち、円筒状ワークWには、円柱状のワークを含む。
当該研削盤について、図1を参照して説明する。図1に示すように、研削盤1は、ベッド10と、主軸台20と、心押台30と、砥石支持装置40と、定寸装置60と、制御装置70とから構成される。
ベッド10は、ほぼ矩形状からなり、床上に配置される。ただし、ベッド10の形状は矩形状に限定されるものではない。このベッド10の上面には、一対の砥石台用ガイドレール11a,11bが、図1の左右方向(Z軸方向)に延びるように、且つ、相互に平行に形成されている。一対の砥石台用ガイドレール11a,11bは、砥石支持装置40を構成する砥石台トラバースベース41が摺動可能なレールである。さらに、ベッド10には、一対の砥石台用ガイドレール11a,11bの間に、砥石台トラバースベース41を図1の左右方向に駆動するための、砥石台用Z軸ボールねじ11cが配置され、この砥石台用Z軸ボールねじ11cを回転駆動する砥石台用Z軸モータ11dが配置されている。
主軸台20(本発明の「ワーク支持手段」に相当)は、主軸台本体21と、主軸22と、主軸モータ23と、主軸センタ24とを備えている。主軸台本体21は、ベッド10の上面のうち、図1の左下側に固定されている。ただし、主軸台本体21は、ベッド10に対するZ軸方向位置を僅かに調整することが可能である。この主軸台本体21の内部には、主軸22が軸周り(図1のZ軸周り)に回転可能に挿通支持されている。この主軸22の図1の左端には、主軸モータ23が設けられ、主軸22は、主軸モータ23により主軸台本体21に対して回転駆動される。この主軸モータ23はエンコーダを有しており、エンコーダにより主軸モータ23の回転角を検出することができる。また、主軸22の右端に、軸状のワークWの軸方向一端を支持する主軸センタ24が取り付けられている。
心押台30(本発明の「ワーク支持手段」に相当)は、心押台本体31と、心押センタ32とを備えている。心押台本体31は、ベッド10の上面のうち、図1の右下側に固定されている。ただし、心押台本体31は、ベッド10に対するZ軸方向位置を僅かに調整することが可能である。この心押台本体31には、心押台本体31に対して回転不能に心押センタ32が設けられている。この心押センタ32の回転軸は、主軸22の回転軸と同軸上に位置している。
そして、この心押センタ32は、ワークWの軸方向他端を支持する。つまり、心押センタ32は、主軸センタ24に対向するように配置されている。そして、主軸センタ24と心押センタ32とにより、ワークWの両端を回転可能に支持している。さらに、心押センタ32は、心押台本体31の左端面からの突出量を変更可能である。つまり、ワークWの位置に応じて、心押センタ32の突出量を調整することができる。このように、ワークWは、主軸センタ24および心押センタ32により、主軸軸周り(Z軸周り)に回転可能に保持されている。
砥石支持装置40は、砥石台トラバースベース41と、砥石台42と、砥石車43と、砥石回転用モータ44と、リニアスケール45とを備えている。砥石台トラバースベース41は、矩形の平板状に形成されており、ベッド10の上面のうち、一対の砥石台用ガイドレール11a,11b上を摺動可能に配置されている。砥石台トラバースベース41は、砥石台用Z軸ボールねじ11cのナット部材に連結されており、砥石台用Z軸モータ11dの駆動により一対の砥石台用ガイドレール11a,11bに沿って移動する。この砥石台用Z軸モータ11dはエンコーダを有しており、エンコーダにより砥石台用Z軸モータ11dの回転角を検出することができる。
この砥石台トラバースベース41の上面には、砥石台42が摺動可能な一対のX軸ガイドレール41a,41bが、図1の上下方向(X軸方向)に延びるように、且つ、相互に平行に形成されている。さらに、砥石台トラバースベース41には、一対のX軸ガイドレール41a,41bの間に、砥石台42を図1の上下方向に駆動するための、X軸ボールねじ41cが配置され、このX軸ボールねじ41cを回転駆動するX軸モータ41dが配置されている。
砥石台42は、砥石台トラバースベース41の上面のうち、一対のX軸ガイドレール41a,41b上を摺動可能に配置されている。そして、砥石台42は、X軸ボールねじ41cのナット部材に連結されており、X軸モータ41dの駆動により一対のX軸ガイドレール41a,41bに沿って移動する。つまり、砥石台42は、ベッド10、主軸台20および心押台30に対して、X軸方向(プランジ送り方向)およびZ軸方向(トラバース送り方向)に相対移動可能となる。
そして、この砥石台42のうち図1の下側部分には、図1の左右方向に貫通する穴が形成されている。この砥石台42の貫通孔に、砥石車回転軸部材(図示せず)が、砥石中心軸周り(Z軸周り)に回転可能に支持されている。この砥石車回転軸部材の一端(図1の左端)に、円盤状の砥石車43が同軸的に取り付けられている。つまり、砥石車43は、砥石台42に対して、片持ち支持されている。具体的には、砥石車43の図1の右端側を砥石台42に支持され、砥石車43の図1の左端側は自由端となる。この砥石車43の回転軸は、主軸22の回転軸に平行に設けられている。また、砥石台42の上面には、砥石回転用モータ44が固定されている。そして、砥石車回転軸部材の他端(図1の右端)と砥石回転用モータ44の回転軸とにプーリが懸架されることで、砥石回転用モータ44の駆動により、砥石車43が砥石軸周りに回転する。
リニアスケール45は、X軸ガイドレール41aに沿って設けられ、砥石台トラバースベース41に対する砥石台42のX軸方向位置を検出することができる。つまり、リニアスケール45は、砥石台トラバースベース41に対する砥石車43のX軸方向位置を検出できる。定寸装置60は、加工位置におけるワークWの外径(本発明の「研削径」に相当)D(t)を計測している。この定寸装置60により計測されるワークWの外径D(t)は、制御装置70へ出力される。
制御装置70は、各モータを制御して、ワークWを主軸周りに回転させ、砥石車43を回転させ、且つ、ワークWに対する砥石車43のZ軸方向およびX軸方向の相対的な位置を変更することにより、ワークWの外周面の研削加工を行う。詳細は後述する。
(研削方法の基本説明)
次に、本実施形態における研削方法の基本について、図2を参照して説明する。まず、前進研削を開始する。ここで、前進研削は、図2の時刻t0〜t4間に対応する。すなわち、前進研削は、砥石車43をワークWに押し付ける方向へ相対移動させて、ワークWおよび砥石車43の撓み量合計値δ(t)を増加させて行う研削である。詳細には、図2の砥石台42の位置にて示すように、砥石台42を一定の速度にてX軸方向であり且つワークWに押し付ける方向に移動させている。なお、撓み量合計値δ(t)については後述する。
そして、図2の時刻t0〜t1間においては、まだ砥石車43がワークWに接触していない。砥石台42をワークWに向かう方向へ移動させると、図2の時刻t2において、砥石台42の位置とワークWの外径D(t)に示すように、砥石車43がワークWに接触する。このとき、ワークWの回転中心は、主軸中心に一致している。
続いて、図2の時刻t2〜t3に至るまでの間、研削抵抗F(t)は、急激に増加する。同時に、ワークWおよび砥石車43の撓み量合計値δ(t)も増加する。ここで、前進研削において、研削抵抗F(t)が変化している状態、すなわち図2の時刻t2からt3までの間を過渡状態という。
続いて、図2の時刻t3からt4に至るまでの間、研削抵抗F(t)は、一定となる。同時に、ワークWおよび砥石車43の撓み量合計値δ(t)も一定となる。ここで、前進研削において、研削抵抗F(t)が一定となる状態、すなわち図2の時刻t3からt4までの間を定常状態という。
そして、ワークWの外径D(t)が設定値Dthに達すると前進研削を終了し、後退研削を開始する。後退研削とは、砥石車43をワークWから引き離す方向へ相対移動させて、ワークWおよび砥石車43の撓み量合計値δ(t)を減少させながら行う研削である。
後退研削は、図2の時刻t4からt5に至るまでの間行う。時刻t4からt5までにおいて、ワークWが1回転するようにして、ワークWが1回転した時点において後退研削を終了する。つまり、前進研削の終了時点t4におけるワークWの回転位相θtから、後退研削の終了時点t5のワークWの回転位相θeに達するまでが、ワークWの1回転分となる。ここで、後退研削を終了する時点t5において、ワークWおよび砥石車43の撓み量合計値δ(t)がゼロとなるように制御される。
(撓み量合計値δ(t)についての説明)
ワークWおよび砥石車43の撓み量合計値δ(t)について、図3を参照して説明する。ここで、砥石車43によりワークWの外周を研削する場合をモデル化すると図3のように表すことができる。ただし、定常状態を考えると容易であるため、前進研削の終了時点t4について以下説明する。
ここで、ワークWおよび砥石車43の実際の撓み量合計値δtotal (t)は、式(1)に示すように、ワークWの撓み量δwork(t)と砥石車43の撓み量δtool (t)との和となる。そして、前進研削の終了時点t4においては、フックの法則より、式(1)は、式(2)のように表される。なお、合成バネ定数kmは、研削加工において、ワークWの支持系のバネ定数kwと砥石車43の支持系のバネ定数kGを合成したものである。つまり、合成バネ定数kmの逆数が、ワークWの支持系のバネ定数kwの逆数と砥石車43の支持系のバネ定数kGの逆数を加算した値となる。
Figure 0005446889
また、研削加工を行う際にクーラント液を用いる。そのため、実際の撓み量合計値δtotal (t)は、研削抵抗F(t)によって生じる撓み量合計値δ(t)の他に、クーラント液による動圧効果分に相当する撓み量合計値δcが含まれている。つまり、これらの関係は、式(3)のように表される。従って、式(2)と式(3)より式(4)を導くことができ、さらに式(4)を式(5)のように表すことができる。
Figure 0005446889
(研削方法の詳細説明)
次に、本実施形態における研削方法の詳細について、図4〜図7を参照して説明する。まず、制御装置70の制御ブロック図について、図4を参照して説明する。図4に示す制御装置70の制御ブロック図は、前進研削に用いる部分と、後退研削に用いる部分とが含まれている。
前進研削においては、切替器101と、減算器102と、モータ制御部103と、リニアスケール45と、定寸装置60と、砥石台移動量算出部104と、研削量算出部105と、比例定数推定部106と、撓み量パラメータ設定部107とを用いる。
切替器101は、定寸装置60から出力される定寸信号に基づいて、前進研削を行う場合と後退研削を行う場合とを切り替える。具体的には、切替器101は、定寸装置60により検出されるワークWの外径D(t)が設定値Dthに達するまでは、前進研削を行い、制御装置70に記憶されているNCデータにおける砥石台42のX軸位置指令値Xref(t)を入力する。一方、切替器101は、ワークWの外径D(t)が設定値Dthに達した場合には、後退研削を行い、後述する目標砥石台位置生成部110にて生成された砥石台42のX軸位置指令値Xref(t)を入力する。
減算器102は、切替器101から出力されるNCデータにおけるX軸位置指令値Xref(t)と、リニアスケール45により検出される砥石台42のX軸位置Xd (t)との差ΔX(t)を算出する。モータ制御部103は、減算器102にて算出される値ΔX(t)に基づいて、例えば比例積分制御を行って、X軸モータ41dを駆動する。つまり、リニアスケール45により検出される現在の砥石台42のX軸位置Xd(t)が、X軸位置指令値Xref(t)となるように位置制御される。ここで、切替器101がNCデータ側に接続されている場合において、減算器102およびモータ制御部103が、本発明における前進研削制御手段に相当する。
砥石台移動量算出部104(本発明の「移動量検出手段」に相当する)は、リニアスケール45により検出される砥石台42のX軸位置Xd(ti)に基づいて、ある時間における砥石台42のX軸方向の移動量ΔXd(ti)を算出する。つまり、移動量ΔXd(ti)とは、ある時間にNCデータに基づいてワークWに対して砥石台42がX軸方向に移動する量である。具体的には、砥石台移動量算出部104は、過渡状態(図2における時刻t2〜t3)の撓み量合計値δ(t)が増加している間の各時刻ti-1から時刻ti(ただし、iは1〜N)間において、NCデータに基づいて移動する砥石台42のX軸方向の移動量ΔXd(ti)を算出し続ける。つまり、移動量ΔXd(ti)は、式(6)により表される。
Figure 0005446889
研削量算出部105(本発明の「研削量検出手段」に相当する)は、定寸装置60により検出されるワークWの外径D(t)に基づいて、ある時間において研削によるワークWの半径減少量E(ti),E(t4)を算出する。第一研削量E(ti)は、過渡状態(図2における時刻t2〜t3)の撓み量合計値δ(t)が増加している間の各時刻ti-1から時刻ti(ただし、iは1〜N)間における、ワークWの半径減少量である。この第一研削量E(ti)は、式(7)により表される。また、第二研削量E(t4)は、前進研削を開始する前(t0)の状態のワークWの外径D(t0)から、前進研削の終了時点(t4)におけるワークWの外径D(t4)までにおける、ワークWの半径減少量である。この第二研削量E(t4)は、式(8)により表される。なお、第一研削量E(ti)および第二研削量E(t4)は、所定時間におけるワークWに対する砥石車43の径方向の切込量に相当する。
Figure 0005446889
比例定数推定部106は、前進研削の終了時点t4における撓み量合計値δ(t4)とワークWの第二研削量E(t4)との関係を示す比例定数βを推定する。以下に、比例定数βの推定方法について、図5を参照して説明する。図5(a)は、前進研削の開始時点t1(図2に示す)から前進研削の終了時点t4(図2に示す)までの間について、研削によるワークWの半径減少量(研削量)E(t)の模式的な挙動を示す。図5(b)は、同じ期間(t1〜t4)について、研削抵抗F(t)の模式的な挙動を示す。また、図5(c)は、同じ期間(t1〜t4)について、撓み量合計値δ(t)を示す。
図5(a)より、前進研削の終了時点を考えると、研削抵抗F(t4)と研削量E(t4)との関係は、第二研削量E(t4)と研削抵抗F(t4)が比例関係にあることと、クーラント液による動圧効果分による研削抵抗Fdを考慮すると、式(9)のように表すことができる。ここで、αは、比例定数である。さらに、式(9)と式(5)より、式(10)のように表すことができる。この式(10)より、第二研削量E(t4)と撓み量合計値δ(t4)は、比例関係にあることが分かる。
Figure 0005446889
このように、第二研削量E(t4)と撓み量合計値δ(t4)が比例関係にあることは分かったが、式(10)からは、比例定数βの算出ができない。そこで、比例定数βの同定を、前進研削における過渡状態、すなわち、前進研削を開始してから研削量E(t)が一定かつ撓み量合計値δ(t)が一定となる状態までの間にて行う。この間の各時刻tiにおいて、研削残し量Erest(ti)は、移動量ΔXd (ti)と研削量E(ti)との差により表される。そして、各時刻tiの総和をとると、式(11)のように表される。
Figure 0005446889
ここで、ΔXd (ti)は、上述した砥石台移動量算出部104にて算出できる。また、研削量E(ti)は、研削量算出部105にて算出できる。
また、研削残し量Erest(ti)の各時刻tiの総和は、移動量ΔXd (ti)の総和に対する逃げ量に相当するので、撓み量合計値δ(t4)に等しいと考えられる。これらの情報を基に、比例定数βの同定を行う。比例定数βは、式(12)のように表す。そして、前進研削の終了時点t4における研削抵抗F(t4)、および、クーラント液による動圧効果分による研削抵抗Fdを用いると、比例定数βは式(13)のように表される。つまり、比例定数βは、前進研削の終了時点t4における第二研削量E(t4)、および、移動量ΔXd (ti)と研削量E(ti)との差により表され、同定できることが分かる。
ここで、比例定数βは、例えば、ワークWが異なる場合や、砥石車43の切れ味が変化した場合に変化する。そこで、本実施形態においては、後退研削を行う直前である前進研削において、その都度、比例定数βを推定している。
Figure 0005446889
撓み量パラメータ設定部107は、砥石台移動量算出部104にて算出される移動量ΔXd (ti)、研削量算出部105にて算出される研削量E(ti)、比例定数推定部106にて推定される比例定数βを入力し、記憶している。そして、撓み量パラメータ設定部107は、これらの情報に基づいて、前進研削の終了時点t4における撓み量合計値δ(t4)を算出する。前進研削の終了時点t4における撓み量合計値δ(t4)は、式(14)のように表される。
Figure 0005446889
次に、後退研削において説明する。後退研削においては、図4の制御ブロック図における、目標撓み量生成部108と、減算器109と、目標砥石台位置生成部110と、切替器101と、減算器102と、モータ制御部103と、リニアスケール45とを用いる。
目標撓み量生成部108は、撓み量パラメータ設定部107に記憶された、前進研削の終了時点t4における撓み量合計値δ(t4)に基づいて、目標撓み量合計値δ(t)を生成する。この目標撓み量合計値δ(t)について、図6を参照して説明する。図6(a)は、後退研削における目標研削量E(t)を示し、図6(b)は、目標撓み量合計値δ(t)を示す。
ここで、前進研削の終了時点t4における削り残しを除去するための撓み量合計値δ(t)を考える。前進研削の終了時点t4における削り残しは、前進研削の終了時点t4におけるワークWの回転位相θtから、1回転して後退研削を終了する時点の回転位相θeまで、線形的に減少するものとし、かつ、回転位相θeの時点においては、削り残しがゼロとなるものとする。
そうすると、図6(a)に示すように、ワークWを一定速度の回転とした場合には、経過時間に対して、研削量E(t)が線形的に減少することになる。このことを、数式で表すと、式(15)のようになる。そして、E(t)=β・δ(t)の関係を用いると、式(16)のように表すことができる。式(16)を、撓み量合計値δ(t)を表す式に変換すると、式(17)のように表される。
Figure 0005446889
このことから、後退研削において、撓み量合計値δ(t)を制御することにより、研削量を目標値に一致するように、すなわち、削り残しを除去できることが分かる。そして、式(17)より、前進研削の終了時点t4における撓み量合計値δ(t4)を算出しておけば、目標撓み量合計値δ(t)を得ることができる。そして、前進研削の終了時点t4における撓み量合計値δ(t4)は、撓み量パラメータ設定部107に記憶している。
減算器109は、目標撓み量生成部108にて生成された目標撓み量合計値δ(t)から、撓み量パラメータ設定部107に記憶している前進研削の終了時点t4における撓み量合計値δ(t4)を減算する。
目標砥石台位置生成部110は、減算器109により算出された値と、リニアスケール45により検出された前進研削の終了時点t4における砥石台42のX軸位置Xd (t4)とに基づいて、後退研削における砥石台42のX軸位置指令値Xref(t)を生成する。この生成方法について、図3および図7を参照して説明する。図3は、前進研削の終了時点における砥石車43とワークWの位置を示す図である。図7は、後退研削を行っている際における砥石車43とワークWの位置を示す図である。
前進研削の終了時点t4において、幾何学的な関係より、式(18)を導くことができる。また、後退研削を行っている際においても、同様に、幾何学的な関係より、式(19)を導くことができる。
Figure 0005446889
ここで、前進研削の終了時点t4においては、ワークWの一部において仕上径Dfまで研削されている。そして、ワークWの残りの回転位相θにおいて、後退研削を実行する。つまり、後退研削を行っている際における砥石車43とワークWの中心間距離ε(t)は、前進研削の終了時点t4における砥石車43とワークWの中心間距離ε(t4)と同一となる。つまり、式(20)を導くことができる。
Figure 0005446889
この式(20)を式(18)および式(19)に代入して、式(18)と式(19)の両辺の差分をとると、式(21)を導くことができる。そして、この式(21)を、X軸位置指令値Xref(t)を表す式に変換すると、式(22)のように表すことができる。目標砥石台位置生成部110は、式(22)に従って、後退研削における砥石台42のX軸位置指令値Xref(t)を生成する。
Figure 0005446889
そして、切替器101は、目標砥石台位置生成部110から砥石台42のX軸位置指令値Xref(t)を入力するように、切り換える。この切替は、定寸装置60により検出されるワークWの外径D(t)が設定値Dthに達した時点に行う。また、減算器102、モータ制御部103の動作は、上述した前進研削における動作と同様である。
以上説明した構成によれば、後退研削において、撓み量合計値δ(t)を指標として、ワークWと砥石車43の相対的な位置を変化させることで、所望の研削量とすることができるため、高精度な後退研削を実現できる。また、前進研削を行っている際に比例定数βを推定している。従って、当該前進研削の後に行う後退研削における比例定数βを高精度に取得することができる。例えば、比例定数βは、円筒状ワークの種類が異なることによって、または、砥石車の切れ味が変化することによって、変化する。しかし、後退研削の直前である前進研削の際に比例定数βを推定しているため、高精度な比例定数βとなる。その結果、後退研削においてより確実に所望の研削量とすることができる。
さらに、クーラント液による動圧の影響を考慮することで、目標撓み量合計値δ(t)により高精度に後退研削を行うことができる。つまり、砥石車43によりワークWを研削加工している際に、クーラント液による動圧の影響により生じる抵抗成分によりワークWおよび砥石車43が撓むとしても、確実にクーラント液による動圧の影響を排除して高精度な研削加工を行うことができる。
さらに、定寸装置60やリニアスケール45の他にセンサを用いることなく、撓み量合計値δ(t)を算出している。これにより、低コスト化を図ることができる。
<その他>
また、上記実施形態においては、撓み量合計値δ(t)を定寸装置60およびリニアスケール45により検出された情報に基づいて算出した。この他に、撓み量合計値δ(t)を直接検出できるセンサを設置することも可能である。この場合、比例定数βの同定についても、このセンサにより検出される撓み量合計値δ(t)を用いることができる。
また、前進研削においては、撓み量合計値δ(t)を何ら用いることなく、NCデータに基づいて実行した。この他に、上述したように、本実施形態においては、撓み量合計値δ(t)を算出または検出できる。そこで、前進研削の際に、撓み量合計値δ(t)を用いて、砥石台42の位置を制御することができる。これにより、撓み量に起因するテーパ誤差を抑制できる。
また、上記実施形態においては、円筒状ワークWの外周面を研削する場合について説明した。この他に、円筒状ワークWの内周面を研削する場合にも、本発明を同様に適用することができる。
1:研削盤、 10:ベッド、 20:主軸台、 21:主軸台本体
22:主軸、 23:主軸モータ、 24:主軸センタ
30:心押台、 31:心押台本体、 32:心押センタ
40:砥石支持装置、 41:砥石台トラバースベース
42:砥石台、 43:砥石車、 45:リニアスケール
60:定寸装置、 70:制御装置

Claims (9)

  1. 円筒状ワークの外周または内周を研削する研削盤であって、
    砥石車と、
    前記円筒状ワークを回転可能に支持し且つ駆動するワーク支持手段と、
    前記円筒状ワークと前記砥石車とが接近または離間するように前記円筒状ワークと前記砥石車とを相対移動させる移動手段と、
    前記砥石車を前記円筒状ワークに押し付ける方向へ相対移動させて、前記円筒状ワーク撓み量と前記砥石車の撓み量の合計値である撓み量合計値δ(t)を増加させる前進研削を実行する前進研削制御手段と、
    前記前進研削の後であって、前記砥石車を前記円筒状ワークから引き離す方向へ相対移動させて前記円筒状ワークおよび前記砥石車の前記撓み量合計値δ(t)を減少させながら行う後退研削の際に、前記円筒状ワークの現在の回転位相θtから目標の回転位相θeに達するまでの間において、時刻tにおける前記円筒状ワークおよび前記砥石車の目標撓み量合計値δ(t)を生成する目標撓み量生成手段と、
    前記目標撓み量合計値δ(t)に基づいて、時刻tにおける前記円筒状ワークに対する前記砥石車の相対的な位置指令値Xref(t)を生成する位置指令値生成手段と、
    前記位置指令値Xref(t)に基づいて前記移動手段を制御して、前記後退研削を実行する後退研削制御手段と、
    を備えることを特徴とする研削盤。
  2. 請求項1において、
    前記研削盤は、前記円筒状ワークおよび前記砥石車の前記撓み量合計値δ(t)を検出する撓み量検出手段をさらに備え、
    前記位置指令値生成手段は、前記前進研削の終了時点tnにおける前記撓み量合計値δ(tn)に基づいて、前記位置指令値Xref(t)を生成することを特徴とする研削盤。
  3. 請求項1または2において、
    前記研削盤は、前記前進研削の終了時点tnにおける前記撓み量合計値δ(tn)と、前記前進研削の開始時点t0から終了時点tnまでにおける前記円筒状ワークの第二研削量E(tn)との関係を示す比例定数βを推定する比例定数推定手段をさらに備え、
    前記目標撓み量生成手段は、前記比例定数βに基づいて、前記目標撓み量合計値δ(t)を生成することを特徴とする研削盤。
  4. 請求項3において、
    前記研削盤は、
    前記前進研削の際に、前記撓み量合計値δ(t)が増加している間ti-1〜tiにおける前記円筒状ワークの第一研削量E(ti)を検出する研削量検出手段と、
    前記前進研削の際に、前記撓み量合計値δ(t)が増加している間ti-1〜tiにおける前記円筒状ワークに対する前記砥石車の移動量ΔXd (ti)を検出する移動量検出手段と、
    をさらに備え、
    前記比例定数推定手段は、前記第一研削量E(ti)と前記移動量ΔXd (ti)とに基づいて、前記比例定数βを推定することを特徴とする研削盤。
  5. 請求項2において、
    前記研削盤は、
    前記前進研削の際に、前記撓み量合計値δ(t)が増加している間ti-1〜tiにおける前記円筒状ワークの第一研削量E(ti)を検出する研削量検出手段と、
    前記前進研削の際に、前記撓み量合計値δ(t)が増加している間ti-1〜tiにおける前記円筒状ワークに対する前記砥石車の移動量ΔXd (ti)を検出する移動量検出手段と、
    をさらに備え、
    前記撓み量検出手段は、前記第一研削量E(ti)と前記移動量ΔXd (ti)とに基づいて、前記前進研削の終了時点tnにおける前記円筒状ワークおよび前記砥石車の前記撓み量合計値δ(tn)を算出することを特徴とする研削盤。
  6. 請求項1〜5の何れか一項において、
    前記目標撓み量合計値δ(t)は、前記円筒状ワークと前記砥石車との間におけるクーラント液による動圧効果分に相当する撓み量合計値δcを除いた値であることを特徴とする研削盤。
  7. 請求項1〜6の何れか一項において、
    前記前進研削制御手段は、前記円筒状ワークの少なくとも一部において仕上径Dfまで前記前進研削を実行することを特徴とする研削盤。
  8. 請求項1〜7の何れか一項において、
    前記研削盤は、前記円筒状ワークの直径を検出する定寸装置をさらに備え、
    前記前進研削制御手段は、予め記憶されたNCデータに基づいて前記前進研削を実行し、
    前記後退研削制御手段は、前記定寸装置により検出された前記円筒状ワークの直径D(t)が設定された値Dthに達した時に、前記前進研削から前記後退研削へ切り替えることを特徴とする研削盤。
  9. 砥石車と、
    前記円筒状ワークを回転可能に支持し且つ駆動するワーク支持手段と、
    前記円筒状ワークと前記砥石車とが接近または離間するように前記円筒状ワークと前記砥石車とを相対移動させる移動手段と、
    を備える研削盤において、前記円筒状ワークの外周または内周を研削する研削方法であって、
    前記砥石車を前記円筒状ワークに押し付ける方向へ相対移動させて、前記円筒状ワークの撓み量と前記砥石車の撓み量の合計値である撓み量合計値δ(t)を増加させる前進研削を実行する前進研削工程と、
    前記前進研削の後であって、前記砥石車を前記円筒状ワークから引き離す方向へ相対移動させて前記円筒状ワークおよび前記砥石車の前記撓み量合計値δ(t)を減少させながら行う後退研削の際に、前記円筒状ワークの現在の回転位相θtから目標の回転位相θeに達するまでの間において、時刻tにおける前記円筒状ワークおよび前記砥石車の目標撓み量合計値δ(t)を生成する目標撓み量生成工程と、
    前記目標撓み量合計値δ(t)に基づいて、時刻tにおける前記円筒状ワークに対する前記砥石車の相対的な位置指令値Xref(t)を生成する位置指令値生成工程と、
    前記位置指令値Xref(t)に基づいて前記移動手段を制御して、前記後退研削を実行する後退研削制御工程と、
    を備えることを特徴とする研削方法。
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