JP5935568B2 - 研削盤および研削方法 - Google Patents

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Description

本発明は、研削盤および研削方法に関するものである。
被加工物を砥石車により研削する場合、発熱を抑制するために研削液を供給しながら行う。例えば、特許文献1には、工程毎に、研削液の供給量を切り替えることが記載されている。また、特許文献2には、研削液を大流量から小流量に切り替える前に、バックオフ、すなわち砥石車を被加工物から離すことを行っている。
ところで、被加工物の研削方法として、荒研削の後に被加工物に対して砥石車を後退させながら研削する後退研削を行い、後退研削の後に仕上研削を行うことについて、特許文献3に記載されている。
特開平10−244465号公報 特開2011−31366号公報 特開2011−93017号公報
しかし、工程毎に研削液の供給量を切り替える場合に、バックオフを実行すると、研削開始から研削終了までの時間(全研削時間)が長くなってしまう。後退研削を適用することにより全研削時間の短縮化を図ることができるとしても、バックオフの分を短縮することはできない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、バックオフを行うことなく研削液の供給量を切り替えることにより、全研削時間の短縮を図ることができる研削盤および研削方法を提供することを目的とする。
(請求項1)本手段に係る研削盤は、被加工物に対して砥石車を前進させる荒研削制御手段と、荒研削の後に、前記被加工物に前記砥石車を後退させることで、前記荒研削における前記被加工物のたわみ量を低減させながら研削する後退研削制御手段と、後退研削の後に、前記被加工物に対して前記砥石車を前進させる研削またはスパークアウトを行う仕上研削制御手段と、前記荒研削における研削液の供給量を仕上研削における研削液の供給量より多くし、前記後退研削において前記荒研削時の研削液の供給量から前記仕上研削時の研削液の供給量へ切り替える研削液制御手段とを備える。
(請求項2)また、前記後退研削制御手段は、前記後退研削時の前記研削液の供給量に基づいて前記被加工物に対する前記砥石車の位置を制御してもよい。
(請求項3)また、前記研削液制御手段は、前記後退研削時に前記研削液の供給量の変化を連続的に行ってもよい。
(請求項4)また、前記被加工物の研削面には研削されない凹所を有してもよい。
(請求項5)また、本手段に係る研削方法は、被加工物に対して砥石車を前進させる荒研削工程と、前記荒研削工程の後に、前記被加工物に前記砥石車を後退させることで、前記荒研削工程における前記被加工物のたわみ量を低減させながら研削する後退研削工程と、前記後退研削工程の後に、前記被加工物に対して前記砥石車を前進させる研削またはスパークアウトを行う仕上研削工程と、を備え、前記荒研削工程における研削液の供給量を前記仕上研削工程における研削液の供給量より多くし、前記後退研削工程において前記荒研削工程時の研削液の供給量から前記仕上研削工程時の研削液の供給量へ切り替える。
(請求項1,5)本手段によれば、後退研削の際に、研削液の供給量を切り替えている。従って、バックオフを行わないため、全研削時間の短縮を図ることができる。ここで、本手段のように後退研削時に研削液の供給量を変化させる場合と、荒研削時に研削液の供給量を変化させる場合について比較する。荒研削は大きな切込速度にて砥石車を前進させて行うため、荒研削時に研削液の供給量を変化させると、研削液による十分な冷却が行われず、研削焼けが発生する。これに対して、後退研削は、被加工物のたわみ量を低減しながら(たわみを開放しながら)研削量を徐々に減少させつつ研削しているため、前進研削である荒研削時に比べると、必要な研削液の供給量を少なくしていくことができる。特に、後退研削時に研削量に応じて研削液の供給量を変化させることで、研削焼けの発生を抑えた研削加工が可能となる。
(請求項2)後退研削時において、研削液の供給量の変化に伴って動圧が変化して、結果として研削量が変化するおそれがある。しかし、研削液の供給量に基づいて被加工物に対する砥石車の位置を制御することで、研削量を所望値にすることができる。これは、後退研削時には研削液による動圧の変化速度が小さいため、砥石車の相対位置を動圧の変化に十分に追従させることができるからである。
(請求項3)後退研削開始時に、一度に仕上研削に必要な研削液の供給量に変化させた場合には、研削液による動圧が急激に変化し、たわみが開放され、その瞬間の研削量が大きくなり、研削焼けの発生、被加工物の真円度不良が発生するおそれがある。そこで、後退研削時の研削液の供給量の変化を連続的にすることで、研削液による急激な動圧変化を抑制でき、砥石車の相対位置を研削液による動圧の変化により確実に追従させることができる。従って、後退研削時に、確実に研削量を所望値にすることができる。
(請求項4)被加工物の研削面に研削されない凹所を有する場合には、砥石車によって凹所の周囲を研削する際に、凹所の影響によって研削液の動圧が変化する。そのため、凹所を有する被加工物を研削する場合には、仕上研削時において研削液の供給量を少なくすることで、凹所の影響を受けにくくする。一方、荒研削時には、単位時間当たりの研削量(研削能率)を大きくするため、研削液の動圧の変化の影響はそれほどなく、むしろ発熱を抑制することが求められる。
そのため、荒研削時には、研削液の供給量を多くする必要がある。つまり、被加工物が凹所を有する場合には、荒研削時には研削液の供給量を多くし、仕上研削時には研削液の供給量を少なくすることが求められる。従って、凹所を有する被加工物を研削する場合に、後退研削時に研削液の供給量を切り替えることで、荒研削および仕上研削に求められる条件を満たしつつ、全研削時間の短縮を図ることができる。
本発明の実施形態における研削盤の平面図である。 図1の研削盤を構成する制御装置による処理を示すフローチャートである。 図1の砥石車のX軸位置、被加工物の外径、研削液の供給量、研削抵抗および研削液の動圧についての時間変化を示すグラフである。 図3の時刻t1における被加工物と砥石車を示す。 図3の時刻t2における被加工物と砥石車を示す。 図3の時刻t3における被加工物と砥石車を示す。 図3の時刻t4における被加工物と砥石車を示す。
(研削盤の構成)
本実施形態の研削盤の一例として、砥石台トラバース型円筒研削盤を例に挙げて説明する。そして、当該研削盤の加工対象の被加工物Wは、カムシャフトやクランクシャフトなどの円筒状被加工物を例に挙げる。ただし、被加工物Wは、円筒状であれば、カムシャフトやクランクシャフトの他にも適用可能である。また、被加工物Wの研削面には、油穴Hなどの凹所が形成されている。例えば、当該油穴Hは、カムシャフトにおいては、カムジャーナルなどに径方向に貫通形成される油穴に相当する。
当該研削盤について、図1を参照して説明する。図1に示すように、研削盤1は、床上に固定されたベッド11と、ベッド11に固定された被加工物Wを回転可能に両端支持する主軸12および心押装置13と、ベッド11上をZ軸方向およびX軸方向に移動可能な砥石台14と、砥石台14に回転可能に支持される砥石車15と、主軸12に設けられ主軸12に加わるX軸方向成分の力を計測する力センサ16と、被加工物Wの径を計測する定寸装置17と、主軸12および砥石車15を回転しかつ被加工物Wに対する砥石車15の位置を制御する制御装置18とから構成される。ここで、図示しないが、砥石車15の近傍には、研削液を研削点に向かって供給するためのノズルが設けられている。そして、制御装置18は、研削液の供給量を制御する。
(研削方法の説明)
次に、本実施形態における研削方法について、図2、図3、図4A〜図4Dを参照して説明する。本実施形態においては、荒研削工程→後退研削工程→仕上前進研削工程→スパークアウト工程の順に実行する。また、各研削工程においては、常に研削液を供給する。なお、仕上前進研削工程とスパークアウト工程は、本発明における仕上研削工程に相当する。
まず、制御装置18が被加工物Wに対して砥石車15をX軸方向に前進させることで、荒研削を開始する(荒研削制御手段、荒研削工程)(図2のS1、図3のt1〜t3)。さらに、荒研削時には、制御装置18によって、研削点に供給される研削液の供給量QがQmaxとなるように制御される(研削液制御手段)(図2のS2)。
荒研削工程では、図3の上段のt1〜t3に示すように、砥石車15のX軸マイナス方向へ一定速度で前進する。つまり、荒研削工程では、砥石車15を被加工物Wに押し付ける方向へ相対移動させる。ここで、荒研削工程では、単位時間当たりの研削量(研削能率)を大きくするために、後に説明する仕上前進研削工程よりも移動速度を大きくする。つまり、図3のt1〜t3の砥石車15のX軸位置の時間変化が大きい。
そして、図3の時刻t1に示す荒研削工程の開始時点では、図4Aに示すように、被加工物Wの回転中心Owは、主軸12の回転中心Osに対し、研削液による動圧分のたわみ量ω0だけずれている。この状態から砥石車15を被加工物Wへ押し付けると、被加工物Wがさらにたわみながら、被加工物Wが研削され始める。
ここで、被加工物Wのたわみ量ωは、被加工物Wに生じる研削抵抗Ft(図3の下段に示す)に比例する。この研削抵抗Ftは、被加工物Wが砥石車15によって実際に研削されることによって生じる抵抗の他に、研削点に供給される研削液の動圧Fmが含まれる。そこで、図3の下段には、研削抵抗Ftと、研削液の動圧Fmを示し、研削抵抗Ftと動圧Fmとの差分が研削そのものによる抵抗に相当する。
そして、図3の下段に示すように、t1からt2に至るまでの間、力センサ16により検出される研削抵抗Ftは急激に増加する。従って、被加工物Wのたわみ量ωが、研削抵抗Ftに比例して増加する。
続いて、図3の下段に示すように、t2からt3に至るまでの間、力センサ16により検出される研削抵抗Ftは、一定となる(定常状態)。この間においては、図4Bおよび図4Cに示すように、被加工物Wの回転中心Owは、主軸12の回転中心Osからたわみ量ωmaxだけずれている。
荒研削を行っている間、定寸装置17によって計測される被加工物Wの外径Dtが、予め設定された値Dthに達したか否かを判定する(図2のS3)。被加工物Wの外径Dtが設定値Dthに達していなければ(S3:N)、荒研削工程を継続する。一方、被加工物Wの外径Dtが設定値Dthに達した場合には(S3:Y)、荒研削工程から後退研削工程に切り替える(図2のS4)。後退研削とは、砥石車15を被加工物Wから引き離す方向(X軸プラス方向)へ相対移動させて、被加工物Wのたわみ量ωを減少させながら行う研削である。
図3の時刻t3の時には、図4Cに示すように、被加工物Wの外周面の半径は、被加工物Wの回転位相に応じて異なる。これは、砥石車15を前進しながら被加工物Wを回転させているためである。そして、被加工物Wの外周面の半径の差は、被加工物Wの回転位相に対してほぼ線形の関係にある。そこで、後退研削工程において、砥石車15を後退させながら、回転位相に応じた半径差を解消するように当該部分を削り取るようにする。
ここで、後退研削を開始すると(図2のS4)、制御装置18によって、研削液の供給量Qを現在の供給量Qmaxから徐々に少なくしていく(図2のS5)。具体的には、図3の中段に示すように、後退研削の終了時点(図3の時刻t4)までに、仕上研削時に供給する研削液の供給量Qminとなるように研削液の供給量Qを連続的に変化させる。
研削液の供給量Qを変化させる理由について説明する。荒研削時には、高い研削能率とするため、発熱を抑制する必要があり、研削液の供給量Qを多く要する。一方、仕上研削(仕上前進研削およびスパークアウト)時には、荒研削に比べて研削能率を低くする。従って、仕上研削では、多量の研削液を必要としない。
さらに、本実施形態における被加工物Wの研削面には、油穴Hなどの凹所を有する。凹所の周囲を研削する際には、研削液が凹所に進入することにより、その瞬間における研削液の動圧Fmが低下してしまう。そうすると、研削抵抗Ftが低下することになって、切込量が多くなる結果、研削精度が悪化するおそれがある。
そこで、仕上研削時には、研削液の供給量Qを少なくすることで研削液の動圧Fmの変化を小さくすることにより、研削精度への影響を小さくする。一方、荒研削時にも、油穴Hなどの凹所の周囲を研削する際に、研削液の動圧Fmが変化する。しかし、荒研削時には、高い研削能率であるため、研削抵抗Ftの中の研削液の動圧Fmの占める割合が小さい。従って、荒研削時には、凹所の存在による研削液の動圧Fmの変化の影響はそれほどない。このような理由により、研削液の供給量Qは、荒研削時には多くし、仕上研削時には少なくする。
上述したように研削液の供給量Qを低下させると、図3の下段に示すように、供給量Qに応じて研削液の動圧Fmが低下する。また、後退研削時には、被加工物Wのたわみ量を低減するため、研削液の動圧Fmの低下とは無関係に、研削抵抗Ftが低下する。つまり、図3の下段に示すように、研削抵抗Ftは、研削液の動圧Fmの低下分の影響と研削そのものによる抵抗(Ft-Fm)の低下分の影響を受けて徐々に低下する。
そして、後退研削時において、砥石車15を後退させながら、回転位相に応じた半径差を解消するように当該部分を削り取るようにするために、例えば、特開2011−93017号公報に記載されているように、実際の研削抵抗Ftが目標の研削抵抗となるように、砥石台14の位置制御を行う。この目標の研削抵抗は、上述したように、研削そのものによる抵抗(Ft-Fm)と研削液の動圧Fmを考慮した値とする。
そして、図3の中段に示すように、t3〜t4において、研削液の供給量Qを連続的に低減させているため、研削抵抗Ftも連続的に低下することになる。従って、目標の研削抵抗を連続的に変化させることになる。つまり、実際の研削抵抗Ftを目標の研削抵抗となるように制御することは容易にできる。
具体的には、後退研削工程において、被加工物Wを例えば1回転させたときに、研削抵抗Ftが研削液の動圧Fm分に一致するように、被加工物Wの回転位相に応じた目標の研削抵抗を決定し制御する。なお、被加工物Wを2回転以上の間、後退研削を行うようにしてもよい。
そして、後退研削時に、実際の研削抵抗Ftが最終目標の研削抵抗Fεに達したか否かを判定する(図2のS6)。実際の研削抵抗Ftが最終目標の研削抵抗Fεに達していないのであれば(S6:N)、後退研削工程を継続する。一方、実際の研削抵抗Ftが最終目標の研削抵抗Fεに達した場合には(S6:Y)、後退研削工程から仕上前進研削工程に切り替える(図2のS7)。さらに、仕上前進研削工程に切り替えると同時に、研削液の供給量QをQminにする(図2のS8)。
従って、仕上前進工程に切り替えられる図3の時刻t4の時には、図3の下段に示すように、研削抵抗Ftは、動圧Fmに相当するFεに一致する。このとき、図4Dに示すように、被加工物Wのたわみ量ωは、動圧Fmに相当するたわみ量ωminとなる。
そして、仕上前進工程では、制御装置18は、被加工物Wに対して砥石車15を前進(X軸マイナス方向へ移動)させることで、仕上前進研削を開始する(仕上研削制御手段、仕上研削工程)。仕上前進工程では、図3の上段のt4〜t5に示すように、荒研削工程における砥石車15の移動速度(切込速度)より遅くする。従って、仕上前進工程では、被加工物Wに研削焼けを生じないようにできる。
そして、図3の中段のt4〜t5に示すように、仕上前進研削を行っている間、研削液の供給量QをQminに固定している。この供給量Qminは、荒研削工程における研削液の供給量Qmaxより少ない。従って、仕上前進研削において、上述したように、油穴Hなどの凹所による研削精度への悪影響を抑制できる。
そして、仕上前進研削を行っている間、定寸装置17によって計測される被加工物Wの外径Dtが、予め設定された仕上径Dfに達したか否かを判定する(図2のS9)。被加工物Wの外径Dtが仕上径Dfに達していなければ(S9:N)、仕上前進研削工程を継続する。一方、被加工物Wの外径Dtが仕上径Dfに達した場合には(S9:Y)、仕上前進研削工程からスパークアウト工程に切り替える(図2のS10)。
スパークアウトは、砥石車15を被加工物Wに対する切込量をゼロの状態として行う。つまり、スパークアウトにおいては、仕上前進研削において研削残しの分を研削することになる。そして、このスパークアウトは、予め設定された被加工物Wの回転数だけ行う。図3においては、t5〜t6となる。そこで、設定回数だけ被加工物Wが回転したか否かを判定し(図2のS11)、設定回数回転した場合には、スパークアウトを終了する(図2のS12)。そして、砥石車15を被加工物Wから離して、処理を終了する。
以上より、図3のt3〜t4に示すように、後退研削の際に、研削液の供給量QをQmaxからQminに切り替えている。つまり、研削液の供給量Qを変化させている間も、研削を行っている。このように、バックオフを行わないため、全研削時間の短縮を図ることができる。
また、本実施形態においては、荒研削時や仕上研削時に研削液の供給量Qを変化させるのではなく、後退研削時に研削液の供給量Qを変化させている。ここで、荒研削時に研削液の供給量Qを変化させると、荒研削は大きな切込速度にて砥石車15を前進させて行うため、研削液による十分な冷却が行われず、研削焼けが発生する。これに対して、後退研削は、被加工物Wのたわみ量ωを低減しながら(たわみを開放しながら)研削量を徐々に減少させつつ研削しているため、前進研削である荒研削時に比べると、必要な研削液の供給量を少なくしていくことができる。特に、後退研削時に研削量に応じて研削液の供給量を変化させることで、研削焼けの発生を抑えた研削加工が可能となる。
また、仕上研削時に研削液の供給量Qを変化させると、動圧Fmの変化によって、研削精度に影響を及ぼすおそれがあるため、仕上研削時には供給量Qを一定にする必要がある。これに対して、後退研削の後には仕上研削を行う。そのため、後退研削にて、研削液の動圧Fmの変化によって研削精度に僅かにばらつきが生じたとしても、仕上研削にて高精度に仕上げることができる。従って、後退研削時に供給量Qを変化させたとしても、最終的な加工精度に影響を及ぼすことはない。
さらに、後退研削時において、図3の中下段のt3〜t4に示すように、研削液の供給量Qの変化に伴って動圧Fmが変化し、結果として研削量が変化するおそれがある。しかし、研削液の供給量Qに基づいて被加工物Wに対する砥石車15の位置を制御することで、研削量を所望値にすることができる。これは、後退研削時には研削液による動圧Fmの変化速度が小さいため、砥石車15の相対位置を動圧Fmの変化に十分に追従させることができるからである。
ここで、後退研削開始時に、一度に仕上研削に必要な研削液の供給量に変化させた場合には、研削液による動圧Fmが急激に変化し、たわみが開放され、その瞬間の研削量が大きくなり、研削焼けの発生、被加工物Wの真円度不良が発生するおそれがある。そこで、本実施形態においては、図3の中段のt3〜t4に示すように、後退研削時の研削液の供給量Qの変化を連続的にした。これにより、研削液による急激な動圧変化を抑制でき、砥石車15の相対位置を研削液による動圧Fmの変化により確実に追従させることができる。従って、後退研削時に、確実に研削量を所望値にすることができる。
なお、上記実施形態において、仕上研削工程として、仕上前進研削工程とスパークアウト工程を行うこととした。これに限られず、仕上研削工程は、仕上前進研削工程のみとしてもよいし、スパークアウト工程のみとしてもよい。また、後退研削工程において、研削液の供給量Qを連続的に変化させた。連続的に変化させることにより、上述したように、後退研削時における加工精度を高精度にすることができる。ただし、後退研削工程にて要求する加工精度によっては、供給量Qを断続的に変化させるようにしてもよい。例えば、複数段階に断続的に供給量Qを変化させてもよい。
また、上記実施形態においては、被加工物Wに油穴Hが形成されている。これに限られず、油穴Hが形成されていない被加工物Wにおいても、研削液の供給量Qを荒研削工程と仕上研削工程とで異ならせる場合には、上記同様にすることができる。また、後退研削工程において、研削抵抗Ftに基づく制御を行ったが、この他に、特開2011−140089号公報に記載されているように、被加工物Wのたわみ量を制御値とすることもできる。
1:研削盤、 15:砥石車、 18:制御装置(荒研削制御手段、後退研削制御手段、仕上研削制御手段、研削液制御手段)、 H:油穴(凹所)、 Q:研削液の供給量、 Qmax:荒研削時の研削液の供給量、 Qmin:仕上研削時の研削液の供給量、 t1〜t3:荒研削工程、 t3〜t4:後退研削工程、 t4〜t6:仕上研削工程(仕上前進工程、スパークアウト工程)、 W:被加工物、 ω:たわみ量

Claims (5)

  1. 被加工物に対して砥石車を前進させる荒研削制御手段と、
    荒研削の後に、前記被加工物に前記砥石車を後退させることで、前記荒研削における前記被加工物のたわみ量を低減させながら研削する後退研削制御手段と、
    後退研削の後に、前記被加工物に対して前記砥石車を前進させる研削またはスパークアウトを行う仕上研削制御手段と、
    前記荒研削における研削液の供給量を仕上研削における研削液の供給量より多くし、前記後退研削において前記荒研削時の研削液の供給量から前記仕上研削時の研削液の供給量へ切り替える研削液制御手段と、
    を備える研削盤。
  2. 前記後退研削制御手段は、前記後退研削時の前記研削液の供給量に基づいて前記被加工物に対する前記砥石車の位置を制御する、請求項1の研削盤。
  3. 前記研削液制御手段は、前記後退研削時に前記研削液の供給量の変化を連続的に行う、請求項2の研削盤。
  4. 前記被加工物の研削面には研削されない凹所を有する、請求項1〜3の何れか一項の研削盤。
  5. 被加工物に対して砥石車を前進させる荒研削工程と、
    前記荒研削工程の後に、前記被加工物に前記砥石車を後退させることで、前記荒研削工程における前記被加工物のたわみ量を低減させながら研削する後退研削工程と、
    前記後退研削工程の後に、前記被加工物に対して前記砥石車を前進させる研削またはスパークアウトを行う仕上研削工程と、
    を備え、
    前記荒研削工程における研削液の供給量を前記仕上研削工程における研削液の供給量より多くし、前記後退研削工程において前記荒研削工程時の研削液の供給量から前記仕上研削工程時の研削液の供給量へ切り替える、研削方法。
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