JP4400226B2 - 研削方法及び研削装置 - Google Patents

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本発明は工作物を高精度に研削するための研削方法及びその装置に関するものである。
従来、工作物の研削加工は、工作物を主軸等に保持して回転駆動させ、砥石車を砥石台に支承して常に一定の周速で回転駆動させ、砥石台を進退移動させることによって行われる。この時、工作物と砥石車との接触点である研削点では摩擦等による熱(研削熱)が発生するため、この研削熱を除去するために研削点にクーラント(冷却液)を供給しながら研削を行う所謂湿式研削が採用されている。
しかしながら、この湿式研削においては、研削点に供給されるクーラントによって砥石車と工作物との間に動圧が発生し、この動圧によって工作物と砥石車とを引き離そうとする力が作用する。その結果、場合によっては、砥石車や工作物の位置がずれた状態で研削が行われたり、また、砥石車と工作物とが接触と非接触とを繰り返した状態で研削が行われ、研削後における工作物の仕上げ精度を低下させてしまうことがあった。
このような問題は、特に、大量のクーラントを供給し続けて研削する場合や工作物に穴等が設けられた箇所(例えば、カムシャフトやクランクシャフトで油穴が設けられた箇所)を研削する場合に、発生する動圧が大きくなるので、より深刻な問題となっていた。
そこで、上記問題を解決する方法として、研削する際、予め複数の工程のそれぞれについてクーラントの流量を設定し、各工程毎に設定されたクーラントの流量に切換えて研削する技術が特開平10−244465号公報等に開示されている。
特開平10−244465号公報
特許文献1の技術によれば、研削量の大きい粗研削工程等においてはクーラントを多量に供給するようにし、その後の研削量の小さい微研削工程等ではクーラントの流量を少量に切り換えるようにしたので、特に微研削工程においては砥石車と工作物との間で発生する動圧が低減される。その結果、工作物を高精度に研削することができるとしている。
しかしながら、特許文献1のように砥石車と工作物との間に発生する動圧を低減するためにクーラントの流量を少量に絞ると、クーラントが研削点に到達する前に回転する砥石車の外周に随伴して連れ回る空気層によって吹き飛ばされてしまうため、研削点にクーラントが十分に供給されずに研削焼けや熱歪み等が生じてしまう。
また、カムシャフトを主軸上で回転させて非真円形状のカムを研削する場合、砥石車をカムの回転角度位相に基づいて進退移動するように送り制御して研削加工を行うが、この際、カムと砥石車との接触点(研削点)が常に変化するため、クーラントの流量を少量にするとクーラントを研削点に常に供給することができずに研削焼けや熱歪み等が生じてしまう。
なお、このような問題は、カムの研削加工に限らず、例えば、クランクシャフトのジャーナル部を主軸上で回転させて、主軸軸線回りに偏心運動するクランクピンに合わせて砥石車を進退移動させてクランクピンを研削加工する場合等においても同様の問題が生じる。
また、特許文献1のようにクーラントの流量を切り換えるためには、別途切り換え用の電磁弁や配管、流量計等が必要となりコストアップとなってしまう。
従って、本発明の主たる目的は、研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって研削点に発生する動圧を低減し、工作物を高精度に研削する方法及びその装置を提供することである。
上記の問題を解決するため、請求項1に記載の研削方法は、砥石台に支承されて回転駆動される砥石車を主軸に支持されて回転駆動される工作物に進退移動して、前記砥石車と前記工作物との接触点である研削点にクーラントを供給しながら、複数の工程により前記工作物を研削する方法であって、前記複数の工程は少なくとも粗研削工程と該粗研削工程以降に行われ該粗研削工程より研削量の小さい微研削工程とからなり、前記微研削工程における砥石車の周速を前記粗研削工程における砥石車の周速よりも遅くて、前記研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって前記研削点に発生する動圧を低減可能な周速に予め設定し、前記微研削工程の研削を行う際に砥石車の周速を前記設定した周速に切り換えて研削することを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の研削方法は、砥石台に支承されて回転駆動される砥石車を主軸に支持されて回転駆動される工作物の回転角度位相に応じて進退移動して、前記砥石車と前記工作物との接触点である研削点にクーラントを供給しながら、複数の工程により前記工作物を研削する方法であって、前記複数の工程は少なくとも粗研削工程と該粗研削工程以降に行われ該粗研削工程より研削量の小さい微研削工程とからなり、前記微研削工程における砥石車の周速を前記粗研削工程における砥石車の周速よりも遅くて、前記研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって前記研削点に発生する動圧を低減可能な周速に予め設定し、前記微研削工程の研削を行う際に砥石車の周速を前記設定した周速に切り換えて研削することを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の研削方法は、請求項1または請求項2に記載の研削方法において、前記複数の工程は、更に、前記粗研削工程と前記微研削工程との間に、該粗研削工程より研削量が小さく且つ該微研削工程より研削量の大きい精研削工程を含み、前記精研削工程における砥石車の周速を前記粗研削工程における砥石車の周速よりも遅くて、前記研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって前記研削点に発生する動圧を低減可能な周速に予め設定し、前記精研削工程の研削を行う際に砥石車の周速を前記設定した周速に切り換えて研削することを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の研削方法は、少なくとも二つの砥石台の各々に支承されて回転駆動される砥石車を主軸に支持されて回転駆動される工作物にそれぞれ独立して進退移動して、前記砥石車と前記工作物との接触点である研削点にクーラントを供給しながら、複数の工程により前記工作物を研削する方法であって、前記複数の工程は少なくとも粗研削工程と該粗研削工程後に行われ該粗研削工程より研削量の小さい微研削工程とからなり、前記少なくとも二つの砥石台のうちの一の砥石台の砥石車の周速を他の砥石台の砥石車の周速よりも遅くて、前記研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって前記研削点に発生する動圧を低減可能な周速に予め設定し、前記粗研削工程は前記他の砥石台の砥石車で研削し、前記微研削工程は前記一の砥石台の砥石車で研削することを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の研削方法は、少なくとも二つの砥石台の各々に支承されて回転駆動される砥石車を主軸に支持されて回転駆動される工作物の回転角度位相に応じてそれぞれ独立して進退移動して、前記砥石車と前記工作物との接触点である研削点にクーラントを供給しながら、複数の工程により前記工作物を研削する方法であって、前記複数の工程は少なくとも粗研削工程と該粗研削工程後に行われ該粗研削工程より研削量の小さい微研削工程とからなり、前記少なくとも二つの砥石台のうちの一の砥石台の砥石車の周速を他の砥石台の砥石車の周速よりも遅くて、前記研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって前記研削点に発生する動圧を低減可能な周速に予め設定し、前記粗研削工程は前記他の砥石台の砥石車で研削し、前記微研削工程は前記一の砥石台の砥石車で研削することを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の研削方法は、請求項4または請求項5に記載の研削方法において、前記複数の工程は、更に、前記粗研削工程と前記微研削工程との間に、該粗研削工程より研削量が小さく且つ該微研削工程より研削量の大きい精研削工程を含み、前記精研削工程は前記一の砥石台の砥石車が行う前記微研削工程と前記他の砥石台の砥石車が行う前記粗研削工程の加工時間の短い方の工程を行う砥石台の砥石車で研削することを特徴とするものである。
また、請求項7に記載の研削装置は、砥石車を支承して回転駆動する砥石台と、工作物を支持して回転駆動する主軸と、前記砥石台を進退移動する送り装置と、前記砥石車と前記工作物との接触点である研削点にクーラントを供給するクーラント供給装置とを備え、複数の工程により前記工作物を研削するための研削装置であって、前記複数の工程は少なくとも粗研削工程と該粗研削工程後に行われ該粗研削工程より研削量の小さい微研削工程とからなり、前記粗研削工程における砥石車の周速を設定する手段と、前記微研削工程における砥石車の周速を設定する手段と、前記微研削工程の研削を行う際に砥石車の周速を前記設定した周速に切り換える手段とを備え、前記微研削工程における砥石車の周速を前記粗研削工程における砥石車の周速よりも遅くて、前記研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって前記研削点に発生する動圧を低減可能な周速に設定することを特徴とするものである。
また、請求項8に記載の研削装置は、砥石車を支承して回転駆動する砥石台と、工作物を支持して回転駆動する主軸と、前記砥石台を前記工作物の回転角度位相に応じて進退移動する送り装置と、前記砥石車と前記工作物との接触点である研削点にクーラントを供給するクーラント供給装置とを備え、複数の工程により前記工作物を研削するための研削装置であって、前記複数の工程は少なくとも粗研削工程と該粗研削工程後に行われ該粗研削工程より研削量の小さい微研削工程とからなり、前記粗研削工程における砥石車の周速を設定する手段と、前記微研削工程における砥石車の周速を設定する手段と、前記微研削工程の研削を行う際に砥石車の周速を前記設定した周速に切り換える手段とを備え、前記微研削工程における砥石車の周速を前記粗研削工程における砥石車の周速よりも遅くて、前記研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって前記研削点に発生する動圧を低減可能な周速に設定することを特徴とするものである。
また、請求項9に記載の研削装置は、請求項7または請求項8に記載の研削装置において、前記複数の工程は、更に、前記粗研削工程と前記前記微研削工程との間に、該粗研削工程よりも研削量が小さく且つ該微研削工程より研削量の大きい精研削工程を含み、前記精研削工程における砥石車の周速を設定する手段と、前記精研削工程の研削を行う際に砥石車の周速を前記設定した周速に切り換える手段とを備え前記精研削工程における砥石車の周速を前記粗研削工程における砥石車の周速よりも遅くて、前記研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって前記研削点に発生する動圧を低減可能な周速に設定することを特徴とするものである。
また、請求項10に記載の研削装置は、砥石車を支承して回転駆動する少なくとも二つの砥石台と、工作物を支持して回転駆動する主軸と、前記砥石台を進退移動する送り装置と、前記砥石車と前記工作物との接触点である研削点にクーラントを供給するクーラント供給装置とを備え、複数の工程により前記工作物を研削するための研削装置であって、前記複数の工程は少なくとも粗研削工程と、該粗研削工程後に行われ該粗研削工程よりも研削量の小さい微研削工程とからなり、前記少なくとも二つの砥石台のうちの一の砥石台の砥石車の周速を設定する手段と、前記少なくとも二つの砥石台のうちの他の砥石台の砥石車の周速を設定する手段と、前記粗研削工程は前記他の砥石台の砥石車で研削するように制御する手段と、前記微研削工程は前記一の砥石台の砥石車で研削するように制御する手段とを備え、前記一の砥石台の砥石車の周速を前記他の砥石台の砥石車の周速よりも遅くて、前記研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって前記研削点に発生する動圧を低減可能な周速に設定することを特徴とするものである。
また、請求項11に記載の研削装置は、砥石車を支承して回転駆動する少なくとも二つの砥石台と、工作物を支持して回転駆動する主軸と、前記砥石台を前記工作物の回転角度位相に応じて進退移動する送り装置と、前記砥石車と前記工作物との接触点である研削点にクーラントを供給するクーラント供給装置とを備え、複数の工程により前記工作物を研削するための研削装置であって、前記複数の工程は少なくとも粗研削工程と該粗研削工程後に行われ該粗研削工程よりも研削量の小さい微研削工程とからなり、前記少なくとも二つの砥石台のうちの一の砥石台の砥石車の周速を設定する手段と、前記少なくとも二つの砥石台のうちの他の砥石台の砥石車の周速を設定する手段と、前記粗研削工程は前記他の砥石台の砥石車で研削するように制御する手段と、前記微研削工程は前記一の砥石台の砥石車で研削するように制御する手段とを備え、前記一の砥石台の砥石車の周速を前記他の砥石台の砥石車の周速よりも遅くて、前記研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって前記研削点に発生する動圧を低減可能な周速に設定することを特徴とするものである。
また、請求項12に記載の研削装置は、請求項10または請求項11に記載の研削装置において、前記複数の工程は、更に、前記粗研削工程と前記微研削工程との間に、該粗研削工程より研削量が小さく且つ該微研削工程より研削量の大きい精研削工程を含み、前記精研削工程は前記一の砥石台の砥石車が行う前記微研削工程と前記他の砥石台の砥石車が行う前記粗研削工程の加工時間の短い方の工程を行う砥石台の砥石車で研削するように制御する手段を備えたことを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る研削方法及び請求項7に係る研削装置によれば、微研削工程における砥石車の周速を粗研削工程における砥石車の周速よりも遅い周速に予め設定し、微研削工程の研削を行う際に砥石車の周速を設定した周速に切り換えて研削するようにしたので、微研削工程における研削点における動圧が低減され、研削点で発生する研削熱を確実に除去できるので、工作物を高精度に研削することができる。
また、請求項2に係る研削方法及び請求項8に係る研削装置によれば、カムシャフトのカム部やクランクシャフトのクランクピン等の工作物を研削する場合おいて、微研削工程における砥石車の周速を粗研削工程における砥石車の周速よりも遅い周速に予め設定し、微研削工程の研削を行う際に砥石車の周速を設定した周速に切り換えて研削するようにしたので、微研削工程における研削点における動圧が低減され、研削点で発生する研削熱を確実に除去できるので、工作物を更に高精度に研削することができる。
また、請求項3に係る研削方法及び請求項9に係る研削装置によれば、前記粗研削工程と前記微研削工程との間の精研削工程について、精研削工程における砥石車の周速を粗研削工程における砥石車の周速よりも遅い周速とするように予め設定し、精研削工程の研削を行う際に砥石車の周速を設定した周速に切り換えて研削するようにしたので、精研削工程では研削点における動圧が低減され、工作物を更に高精度に研削することができる。
また、請求項4に係る研削方法及び請求項10に係る研削装置によれば、一の砥石台の砥石車の周速を他の砥石台の砥石車の周速よりも遅い周速に予め設定し、粗研削工程は他の砥石台の砥石車で研削し、微研削工程は一の砥石台の砥石車で研削するようにしたので、微研削工程における研削点における動圧が低減され、研削点で発生する研削熱を確実に除去できるので、工作物を高精度に研削することができる。
また、請求項5に係る研削方法及び請求項11に係る研削装置によれば、カムシャフトのカム部や偏心運動するクランクシャフトのクランクピンのような研削点が移動する工作物を研削する際に、一の砥石台の砥石車の周速を他の砥石台の砥石車の周速よりも遅い周速に予め設定し、粗研削工程は他の砥石台の砥石車で研削し、微研削工程は一の砥石台の砥石車で研削するようにしたので、微研削工程における研削点における動圧が低減され、研削点で発生する研削熱を確実に除去できるので、工作物を高精度に研削することができる。
また、請求項6に係る研削方法及び請求項12に係る研削装置によれば、粗研削工程と微研削工程との間の精研削工程について、精研削工程を一の砥石台の砥石車が行う微研削工程と他の砥石台の砥石車が行う粗研削工程の加工時間の短い方の工程を行う砥石台の砥石車で研削するようにしたので、研削加工を効率的に行うことができる。
以下、本発明の実施形態について図を用いて説明する。なお、今回の実施形態では工作物としてクランクシャフトを例に挙げ、クランクシャフトのクランクピンを研削する場合について説明する。
[実施形態1]
クランクシャフトのクランクピンを研削する研削盤は、その平面図を図1に示すように左右2つの加工ヘッドである砥石台8、9を左右方向・前後方向に摺動自在に設け、その砥石台8、9の砥石軸と平行する位置に工作物であるクランクシャフトWを支持する主軸18及び心押台17が設置されている。
すなわち、ベッド1上にはその長手左右方向(Z軸方向)のZ軸案内面2上に右側砥石台8を載置する右側Z軸テーブル6が送りねじ3により摺動自在に設けられ、それと同列にベッド1上の長手左右方向(Z軸方向)に左側砥石台9を載置する左側Z軸テーブル7が送りねじ4により摺動自在に設けられている。左右のそれぞれのZ軸テーブル6、7には、砥石車14、15を回転駆動自在に具備する砥石台8、9が前記長手左右方向(Z軸方向)と直交する前後方向(X軸方向)にそれぞれの送りねじ12、13により摺動自在に設けられている。
前記砥石台8、9の前方長手方向には、主軸18、心押台17が設置されており、その間に工作物であるクランクシャフトWを一対のセンタにより支持するようになっている。主軸18にはクランクシャフト回転駆動用のサーボモータ18Mが設けられ、チャック等によりクランクシャフトWの軸端を把持して回転駆動できるように構成され、一方心押台17はそのセンタによりクランクシャフトWの軸芯を支持するように構成されている。
前記各送りねじ3、4にはエンコーダ付きのサーボモータが設けられ、後に説明する制御装置により制御される。すなわち、長手左右方向(Z軸方向)に砥石台8を載置する右側Z軸テーブル6を移動するための送りねじ3の端部にはエンコーダ61付きのサーボモータ60が設けられ、左側Z軸テーブル7のための送りねじ4にはエンコーダ63付きのサーボモータ62が設けられている。また、左右のそれぞれのZ軸テーブル6、7上には、砥石台8、9の前後方向(X軸方向)摺動用の送りねじ12、13の端部にエンコーダ51、53付きサーボモータ50、52が設けられている。砥石台8、9には砥石車14、15が回転駆動されるように支持されており、砥石車を駆動するためのエンコーダ8E、9E付きの駆動モータ8M、9Mが砥石台8、9にそれぞれ内蔵されており、後に説明する制御装置によって制御される。
本発明の実施形態1に係る研削盤の概略の構成は以上のようになっており、工作物であるクランクシャフトWを主軸18、心押台17間に支持し、左右Z軸テーブル6、7をサーボモータ60、62により砥石車14、15がクランクシャフトWの加工位置に整列対向する位置に割出される。
次に、主軸台18のエンコーダ18E付き主軸駆動サーボモータ18Mを回転しクランクシャフトWを回転させる。その際、クランクシャフトWはその軸受部の軸芯、即ち、ジャーナルCJの軸芯を中心に回転されるので、加工箇所であるクランクピンCP(1)〜CP(4)はジャーナルCJの軸芯を中心とする偏心運動をすることになる。そして、左右両テーブル6、7上のX軸方向送りねじ12、13を各サーボモータ50、52により前進後退させる。その際、加工箇所であるクランクピンCP(1)〜CP(4)は偏心運動しているので、制御装置により主軸サーボモータ18Mの回転と同期させて砥石台8、9を進退移動させながら砥石車14、15により研削加工を行う。各工程に従い砥石台8、9のサーボモータ50、52により切込みを与え、徐々に最終寸法に仕上げるように作動する。
また、本発明の実施形態1の研削盤には、図2に示すように、各砥石台8、9の上面に、クランクピンCP(1)〜CP(4)の寸法を測定するための定寸装置20が載置されている。この定寸装置20は、偏心運動するクランクピンに絶えず接触しながら追従して加工箇所の寸法測定を行う形式の公知の追従式定寸装置である。以下、砥石台9の上面に載置された定寸装置について図2に基づいて説明する。なお、砥石台8の上面に載置された定寸装置は砥石台9の上面に載置されたものと同じ構成であるので説明は省略する。
砥石台9の上面に定寸装置20の支持部材21が載置され、該支持部材21に枢支され砥石車15の前方に延びる第1アーム22の先端に第2アーム23が枢支され、更に第2アーム23の先端に略直角に採寸用の測定棒28が固定されている。該測定棒28は、その先端に固定され、加工箇所であるクランクピンCP(3)の外周に接触するVブロック25と、その中心に進退自在に設けられたプローブ27とからなり、該プローブ27の前進後退を電気的に検出して電気信号として出力する構造となっている。
該Vブロック25の先端にはガイド部材26が固定されており、測定棒28のVブロック25がクランクピンCP(3)に係合するためのガイドの役目をしている。定寸装置20には、休止位置(2点鎖線位置)と測定位置(実線位置)とに測定棒28を移動するための作動装置が設けられている。
砥石台9の上面には油圧シリンダ31が設けられ、前記第1アーム22の後端に垂直に、しかもオフセットして取付けられた操作片30を前記シリンダ31のピストン32により押圧することにより第1アーム22を上方へ回動させ、図2に2点鎖線で示される休止位置に保たれる。
この時、第2アーム23は第1アーム22先端に枢支されているのみであるので位置が保てないため、第1アーム22の先端部下方に第3アーム24が固定されており、第3アーム24先端の支持突起29により休止位置において第2アーム23の位置を保つように構成されている。
2点鎖線の休止位置から、油圧シリンダ31のピストン32を戻すことにより徐々に測定棒28が降下しクランクピンCP(3)の位置にくると、まずガイド部材26がクランクピンCP(3)に接触し、ガイド部材26に沿ってクランクピンCP(3)がVブロック25に係合するようになっており、その時点では第2アーム23は第3アーム24の支持突起29から離れて自由に回動できるようになっている。即ち、クランクピンCP(3)が1点鎖線に示される軌跡に沿って偏心運動するのに応じて常にVブロック25が係合するようになっている。
また、本発明の実施形態1の研削盤には、図3に示すように、砥石台8、9の砥石車14、15を覆う砥石車カバー35が固定されており、この砥石車カバー35の上面にはクーラント41を供給するクーラントノズル40が取り付けられている。以下、砥石台9の砥石車カバー35の上面に取り付けられたクーラントノズル40について図3に基づいて説明する。
クーラントノズル40は配管42等を介して図略のクーラント供給装置に接続されており、クーラント供給装置から供給されるクーラントがクーラントノズル40を介してクランクピンと砥石車との接触点である研削点Pに供給される。このクーラントノズル40から供給されるクーラント41により研削点Pの冷却、潤滑及び研削屑の除去が行われる。なお、クーラントの流量は、粗研削工程で必要となるクーラントの流量を予め設定し、加工工程の途中でクーラントの流量を切り換えることは行わない。
次に、本発明の研削盤の制御装置について説明する。図4に示すように、本制御系は、数値制御装置70を備えており、数値制御装置70は、右側砥石車制御用CPU80及び左側砥石車制御用CPU90、ROMI09、RAM111がバス75を介して相互に接続可能に構成されている。
右側砥石車制御用CPU80には、インターフェース82を介し、X軸サーボモータ用制御回路84、Z軸サーボモータ用制御回路86及び砥石車14の駆動モータ8Mを制御する右側砥石車駆動モータ制御回路88が接続されている。
X軸サーボモータ用制御回路84には、右側X軸サーボモータ50が接続され、この右側X軸サーボモ一タ50には、前述したようにエンコーダ51が配置され、このエンコーダ51は、X軸サーボモータ用制御回路84に接続されている。Z軸サーボモータ用制御回路86には、右側Z軸サーボモータ60が接続され右側Z軸サーボモータ60には、前述したエンコーダ61が配置され、このエンコーダ61は、Z軸サ一ボモータ用制御回路86に接続されている。右側砥石車駆動モータ制御回路88には、砥石車14を駆動するための駆動モータ8Mが接続され、この駆動モータ8Mには、前述したように図略のエンコーダ8Eが配置され、このエンコーダ8Eは、右側砥石車駆動モータ制御回路88に接続されている。
また、左側砥石車制御用CPU90には、インターフェース92を介して、X軸サーボモータ用制御回路94、Z軸サーボモータ用制御回路96、砥石車15の駆動モータ9Mを制御する左側砥石車駆動モータ制御回路98及び主軸サーボモータ用制御回路100が接続されている。
X軸サーボモータ用制御回路94には、左側X軸サーボモータ52が接続されこの左側X軸サーボモ一タ52には、エンコーダ53が配置され、このエンコーダ53は、X軸サーボモータ用制御回路94に接続されている。Z軸サーボモータ用制御回路96には、左側Z軸サーボモータ62が接続されこの左側Z軸サーボモータにはエンコーダ63が配置され、このエンコーダ63は、Z軸サーボモータ用制御回路96に接続されている。左側砥石車駆動モータ制御回路98には、砥石車15を駆動するための駆動モータ9Mが接続され、この駆動モータ9Mには、前述したようにエンコーダ9Eが配置され、このエンコーダ9Eは、左側砥石車駆動モータ制御回路98に接続されている。主軸サーボモ一夕用制御回路100には、主軸サーボモータ18Mが配置され、この主軸サーボモータ18Mには、エンコーダ18Eが配置され、このエンコーダ18Eは、主軸サーボモータ用制御回路100に接続されている。
また、上記バス75には、インターフェース101を介して、CRT103及びテンキー105等を備えた入出力装置107が接続れている。ROM109には、システム制御プログラムなどが予め記億され、RAM111には加工プログラムの他、後ほど説明する粗研削工程及び微研削工程における砥石台8、9の砥石車14、15の周速の設定値等の情報が記憶されている。更に数値制御装置70のほかに、バス75にはシーケンスコントローラ112がインターフェース113を介して接続され、また砥石台8、9に設けられた定寸装置20L、20RがA−D変換器を含むインターフェース114を介して接続されている。
次に、本発明の実施形態1の加工工程について説明する。本発明の実施形態1では、クランクピンCPを図5に示すように、研削量の最も大きい粗研削工程と、粗研削工程後に行われ粗研削工程より研削量の小さい精研削工程と、精研削工程後に行われ精研削工程より研削量の小さい微研削工程と、微研削工程後に行われ砥石台に送りを与えずに研削行うスパークアウト研削工程とからなる工程によって研削する。
そして、研削の際には、制御装置によりZ軸テーブル6、7を制御し、砥石台8、9を早送り、粗研削送り、精研削送り、微研削送りに段階的に切り換えて前進させ、前進端でスパークアウト研削のために一定時間停止させるようになっている。なお、精研削送りから微研削送り、微研削送りからスパークアウトの切換は、定寸装置20により測定されたクランクピンの寸法に基づいて行われる。
さて、上記のように構成された研削盤において、クランクピンCPの具体的な研削方法の説明に移る前に、本発明の効果を確認するため、一定のクーラント流量のもと、砥石車の周速を変化させて研削点における動圧を測定した。なお、研削点における動圧は砥石車と工作物(測定用のマスターワーク)とがわずかに離間した状態でクーラントを供給したときの主軸または心押台に設けられた力センサ(図略)によって測定した。また、砥石車の周速は、周速Aと、周速Aより周速の速い周速B、周速Bより周速の速い周速C、周速Cより周速の速い周速Dの4パターンとした。
測定結果を図6、図7に示す。図6は、砥石車の周速を変化させた場合における、クーラント流量に対する研削点における動圧を示したものである。また、図7は、クーラント流量を一定とした場合における、砥石車の周速に対する研削点における動圧及び実際にその砥石車の周速で工作物を研削した際の工作物の形状誤差を示したものである。
図6、図7に示されるように、クーラントの流量が大きい場合において、砥石車の周速を遅くすると、それに応じて研削点における動圧が小さくなり、工作物の形状誤差も小さくなることが確認された。
一方、クーラントの流量少ない場合において、砥石車の周速を速くすると(例えば周速D)、研削点における動圧が著しく小さくなることが確認された。これは、砥石車を高速で回転することに伴い砥石車の外周に随伴して連れ回る空気層も高速で連れ回るので、供給されたクーラントが研削点に到達する前に連れ回り空気層に吹き飛ばされてしまい、研削点にクーラントが確実に供給されないためと考えられる。
このように、砥石車の周速を遅くすると、それに応じて研削点における動圧が小さくなり工作物の形状誤差も小さくなることが明らかとなったが、加工時間の短縮を考えた場合、周速を速くした方が高能率な加工を実現できる。従って、本発明では、粗研削工程は砥石車の周速を速くして能率重視の加工を行い、微研削工程は砥石車の周速度を遅くすることにより、研削点での動圧を低減し、工作物の形状誤差を小さくする加工方法を採用した。
また、本発明の実施形態1には、数値制御装置70のRAM111に、最初に行われる粗研削工程における砥石車の周速Vaを設定するための領域と、精研削工程後に行われる微研削工程における砥石車の周速Vbを設定するための領域とが設けられており、微研削工程における砥石車の周速Vbが粗研削工程における砥石車の周速Vaよりも遅い周速となるようにそれぞれの領域に設定値が入出力装置107等を利用して入力される。ここで、入力される設定値は、砥石車の周速値の他、周速に関連する駆動モータのモータ回転数の値等が挙げられる。
なお、上記の設定値の設定ミス等を防止するため、入力された粗研削工程における砥石車の周速Vaと微研削工程における砥石車の周速Vbとの大小を比較して、微研削工程における周速が粗研削工程の設定値よりも小さい場合(Vb<Va)は設定値が正常に入力されているとして設定作業を終了し、微研削工程における設定値が粗研削工程の設定値以上の場合(Vb≧Va)は設定値に誤りがあるとして設定値をそれぞれ入力し直す判定プログラムを別途用意してもよい。
本発明の実施形態1では、例として、粗研削工程における砥石車の周速を120m/sとなるよう設定し、微研削工程における砥石車の周速を80m/sとなるよう設定する。ただし、これらの値は研削量や対象とする工作物によって適宜決定されるものであってこれらに限定されるものではない。
次に、本発明の特徴である研削方法について、先に示した図5及びその制御ステップを示すROM111に記憶された図8のフローチャートに沿って説明する。まず加工開始の信号により(121)、砥石車14、15を周速Vaで回転駆動して砥石台8、9をそれぞれ加工箇所のクランクピンに整列させるために割出しを行う(122)なお、本発明の実施形態1では、はじめに、砥石台8でクランクピンCP(1)の研削を行い、砥石台9でクランクピンCP(3)の研削を行う方法について説明するが、クランクピンの加工する順番等は特に今回の実施形態1に限定されない。
次に、両砥石台8、9を早送り前進させ、砥石車14、15がクランクピンCP(1)、CP(3)の加工部分に接触する直前の位置に位置決めされる(123)。
次に、制御装置からの指令により、クーラント供給装置からクーラントが供給され、クーラントノズル40を介してクランクピンと砥石車との接触点である研削点に供給される(124)。
次の段階から両砥石台8、9は早送りから粗研削送り前進となり、砥石車14、15を周速Vaで回転駆動しながら粗研削送り前進を行い粗研削を行う(125)。粗研削工程が終了すると、砥石台の前進を停止して定寸装置20をそれぞれのクランクピンCP(1)、CP(3)の部分の挿入する(126)。
なお、一方の砥石台による粗研削が終了しても他方の砥石台による粗研削が終了していない場合、一方の砥石台は、引き続いて精研削工程に移ってもいいし、他方の砥石台による粗研削が終了するまで加工を一時中断して同時に精研削工程に移ってもよい。
続いて、砥石台の送りを精研削送り前進に切り換えて精研削を行う(127)。精研削工程では、粗研削工程での砥石車の周速Vaで砥石車14、15を回転駆動しながら定寸装置20により寸法値測定を行いながら研削が行われる。そして、クランクピン(例えばCP(1))が精研削終了の目標寸法に達すると、即ち定寸装置20から定寸信号が出力されると(128、YES)、精研削送りを終了して、続いて、砥石台の前進を停止して(129)、砥石車の周速が周速Vaから先に設定した周速Vbに切り換える(130)。
なお、粗研削工程から精研削工程の切り換え時と同様に、一方の砥石台による精研削が終了しても他方の砥石台による精研削が終了していない場合、一方の砥石台は、砥石車の周速を切り換えて引き続いてこの後の微研削工程に移ってもいいし、あるいは、他方の砥石台による精研削が終了するまで加工を一時中断して同時に微研削工程に移ってもよい。
砥石車の周速を周速Vaから周速Vbに切り換えて周速が安定した後、砥石台の送りを微研削送り前進に切り換えて微研削を行う(131)。微研削工程では、砥石車14、15を周速Vbで回転駆動しながら定寸装置20により寸法値測定を行いながら研削が行われる。そして、クランクピン(例えばCP(1))が微研削終了の目標寸法に達すると、即ち定寸装置20から定寸信号が出力されると(132)、微研削送りを終了して、続いて、砥石台の前進送り停止されてスパークアウト研削が行われる(133)。
なお、粗研削工程から精研削工程の切り換え時、或いは、精研削工程から微研削工程の切り換え時と同様に、一方の砥石台による微研削が終了しても他方の砥石台による微研削が終了していない場合、一方の砥石台は、引き続いてスパークアウト研削工程に移ってもいいし、他方の砥石台による微研削が終了するまで加工を一時中断して同時にスパークアウト研削工程に移ってもよい。
スパークアウト研削工程では、微研削工程における砥石車の周速Vbでクランクシャフトを所定回数回転させてスパークアウト研削が行われる。スパークアウト研削工程が終了すると、砥石台8、9を早送りで一定量後退させ(134)、定寸装置20を待機位置へ移動させる(135)。
続いて、今回の研削によって全てのクランクピンが研削されたかどうかを判定し、加工されていないクランクピンがあった場合は(136、NO)、ステップ121に戻り同様のステップで加工されていないクランクピンを研削する。一方、全てのクランクピンの研削が完了していた場合は(136、YES)、砥石台8、9を原点位置に戻して(137)、研削サイクルを終了する(138)。
以上のように、本発明の実施形態1では、微研削工程における砥石車の周速を粗研削工程における砥石車の周速よりも遅い周速とするように設定し、微研削工程の研削を行う際に、砥石車の周速を設定した周速に切り換えて研削するようにしたので、微研削工程における研削点における動圧が低減され、研削点で発生する研削熱を確実に除去できるので、工作物を高精度に研削することができる。
なお、本発明の実施形態1では、研削盤に左右2つの砥石台8、9が設置されている場合について説明したが、特に2つに限定されるものではなく、砥石台は1つでもいいし、あるいは、3つ以上でもよい。
また、上記の実施形態1では、精研削工程の砥石車の周速は粗研削工程の砥石車の周速と同じ周速Vaとして説明したが、更に、精研削工程における砥石車の周速を粗研削工程における砥石車の周速よりも遅い周速とするように設定し、精研削工程の研削を行う際に砥石車の周速を設定した周速に切り換えて研削するようにしてもよい。
また、スパークアウト研削工程において砥石車の周速を研削工程の砥石車の周速と同じ周速Vbとして説明したが、更に、スパークアウト研削工程における砥石車の周速を微研削工程における砥石車の周速よりも遅い周速とするように設定し、スパークアウト研削工程の研削を行う際に砥石車の周速を設定した周速に切り換えて研削するようにしてもよい。
また、上記の実施形態1において、精研削工程では定寸装置による寸法値測定を行わずに、その後の微研削工程及びスパークアウト研削工程の時だけ定寸装置による寸法値測定を行うようにしてもよい。
また、加工順序についても、実施形態1に特に限定はされず、本発明の内容を逸脱しない範囲においては変更することができる。例えば、実施形態1では、一つのクランクピンを粗研削工程からスパークアウト研削工程まで連続して研削する場合について述べたが、その他の例として、はじめにクランクピンCP(1)〜CP(4)の全てについて砥石台8、9の砥石車14、15によって砥石車の周速Vaで精研削まで行い、その後、砥石台8、9の砥石車14、15の周速をVbに切り換えてクランクピンCP(1)〜CP(4)の微研削及びスパークアウト研削を行うようにしてもよい。
[実施形態2]
上述した実施形態1では、砥石台8、9のそれぞれについて、微研削工程における砥石車の周速を粗研削工程における砥石車の周速よりも遅い周速に切り換えて研削する方法について説明したが、実施形態2では、砥石台8の砥石車14の周速を砥石台9の砥石車15の周速よりも遅い周速に予め設定して、粗研削工程を砥石車15で研削し、微研削工程を一方の砥石車14で研削する方法について説明する。なお、本発明の実施形態2においても実施形態1のクランクシャフトのクランクピンを研削する場合を例として説明するため、機械の構成等の同じ箇所の説明は省略し、相違する点についてのみ説明する。
本発明の実施形態2には、数値制御装置70のRAM111に、砥石台8の砥石車14の周速Vcを設定するための領域と、砥石台9の砥石車15の周速Vdを設定するための領域とが確保されており、砥石台8の砥石車14の周速が砥石台9の砥石車15の周速よりも遅い周速となるようそれぞれの領域に設定値が入出力装置107等を利用して入力される。ここで、入力される設定値は、砥石車の周速値の他、周速に関連する駆動モータのモータ回転数の値等が挙げられる。
なお、設定ミス等を防止するため、砥石台8の砥石車14の周速Vcと砥石台9の砥石車15の周速Vdとの大小を比較して、砥石台8の砥石車14の周速Vcが砥石台9の砥石車15の周速Vdよりも小さい場合(Vc<Vd)は設定値が正常に入力されているとして設定作業を終了し、砥石台8の砥石車14の周速Vcが砥石台9の砥石車15の周速Vd以上の場合(Vc≧Vd)は設定値に誤りがあるとしてそれぞれ設定値を入力し直すような判定プログラムを別途用意してもよい。
本発明の実施形態2では、例として、砥石台9の砥石車15の周速Vdを120m/sとなるよう設定し、砥石台8の砥石車14の周速Vcを80m/sとなるよう設定する。ただし、これらの値は研削量や対象とする工作物によって適宜決定されるものであってこれらに限定されるものではない。
次に、本発明の実施形態2の加工順序について説明する。本発明の実施形態2では、クランクピンを図9に示すように、粗研削工程及び精研削工程では周速Vdで回転駆動する砥石車15で研削し、微研削工程及びスパークアウト研削工程では周速Vcで回転駆動する砥石車14で研削する。
次に、本発明の特徴である研削方式について、図9とその制御ステップを示すROM111に記憶された砥石台9のフローチャート図10及び砥石台8のフローチャート図11に沿って説明する。なお、本発明の実施形態2では、はじめに、砥石台9の砥石車15でクランクピンCP(1)の粗研削及び精研削を行い、その後、砥石台8の砥石車14でクランクピンCP(1)の微研削及びスパークアウト研削を行う方法について説明するが、クランクピンの加工する順番等は実施形態2に特に限定されない。
加工開始の信号により(151)、先ず砥石台9を加工箇所のクランクピンCP(1)に整列させるために割出しを行う(152)。その際、砥石台8は砥石台9によるクランクピンCP(1)の研削が終了するまでの間待機している。
次に、砥石台9を早送り前進させ、砥石車15がクランクピンCP(1)の加工部分に接触する直前の位置に位置決めされる(153)。
次に、制御装置からの指令により、クーラント供給装置からクーラントが供給され、クーラントノズル40を介してクランクピンCP(1)と砥石車15との接触点である研削点に供給される(154)。
次の段階から砥石台9は早送りから粗研削送り前進となり、砥石車15を周速Vdで回転駆動しながら粗研削送り前進を行い粗研削を行う(155)。粗研削工程が終了すると、砥石台の前進を停止して定寸装置20をクランクピンCP(1)の部分に挿入する(156)。
続いて、砥石台の送りを精研削送り前進に切り換えて精研削を行う(157)。精研削工程では、粗研削工程での砥石車の周速Vdで砥石車15を回転駆動しながら定寸装置20により寸法値測定を行いながら研削が行われる。そして、クランクピンCP(1)が精研削終了の目標寸法に達すると、即ち定寸装置20から定寸信号が出力されると(158、YES)、精研削送りを終了して、続いて、砥石台9を早送りで一定量後退させ(159)、定寸装置20を待機位置へ移動させる(160)。
次に、砥石台9は、今回の研削によって全てのクランクピンが粗研削及び精研削されたかどうかを判定し、粗研削及び精研削が行われていないクランクピンがあった場合は(161、NO)、ステップ151に戻り上記と同様のステップで別のクランクピンを粗研削及び精研削する。一方、全てのクランクピンの粗研削及び精研削が完了していた場合は(161、YES)、砥石台9を原点位置に戻して(162)、研削サイクルを終了する(163)。なお、今回の場合は、未だクランクピンCP(1)の粗研削及び精研削のみしか完了していないので、例えば、隣のクランクピンCP(2)に移動して、クランクピンCP(2)の粗研削を開始する。
一方、砥石台8は、砥石台9によるクランクピンCP(1)の粗研削及び精研削の終了をうけて(171)、砥石台9の移動後にクランクピンCP(1)の位置に割り出される(172)。次に、砥石台9を早送り前進させ(173)、砥石車14がクランクピンCP(1)の加工部分に接触する直前の位置に位置決めされる。
次に、制御装置からの指令により、クーラント供給装置からクーラントが供給され、クーラントノズル40を介してクランクピンCP(1)と砥石車14との接触点である研削点に供給され(174)、更に、定寸装置20をクランクピンCP(1)の部分の挿入する(175)。
そして、砥石台8は早送りから微研削送り前進となり、定寸装置20をクランクピンCP(1)の部分に挿入して微研削を行う(176)。そして、周速Vcで回転駆動する砥石車14でクランクピンCP(1)の微研削を行うと共に寸法値測定を行う。そして、クランクピンCP(1)が微研削終了の目標寸法に達すると、即ち定寸装置20から定寸信号が出力されると(177、YES)、微研削送りを終了して、続いて、砥石台が前進送り停止されてスパークアウト研削が行われる(178)。
スパークアウト研削工程では、微研削工程における砥石車の周速Vcでクランクシャフトを所定回数回転させスパークアウト研削が行われる。続いて、砥石台9を早送りで一定量後退させ(179)、定寸装置20を待機位置へ移動させる(180)。
次に、砥石台8は、今回の研削によって全てのクランクピンが粗研削及び精研削されたかどうかを判定し、微研削及びスパークアウト研削が行われていないクランクピンがあった場合は(181、NO)、ステップ171に戻り上記と同様のステップで別のクランクピンを微研削及びスパークアウト研削する。一方、全てのクランクピンの微研削及びスパークアウト研削が完了していた場合は(181、YES)、砥石台8を原点位置に戻して(182)、研削サイクルを終了する(183)。なお、今回の場合は、未だクランクピンCP(1)の微研削及びスパークアウト研削のみしか完了していないので、例えば、隣のクランクピンCP(2)に移動して、クランクピンCP(2)の微研削を開始する。
なお、砥石台9による研削が終了していて砥石台8による研削が終了していない場合、砥石台9は、引き続いて未だ粗研削が行われていない次のクランクピンに移ってもいいし、あるいは、砥石台8によるクランクピン(イ)の研削が終了するまで加工を一時中断して、砥石台8と同時に次のクランクピンに移ってもよい。
以上のように、実施形態2においては、砥石台8の砥石車14の周速を砥石台9の砥石車15の周速よりも遅い周速に設定し、粗研削工程では砥石台9の砥石車15により研削し、微研削工程では砥石台8の砥石車14により研削するようにしたので、微研削工程における研削点における動圧が低減され、研削点で発生する研削熱を確実に除去できるので、工作物を高精度に研削することができる。そして、実施形態2では、砥石車の周速は砥石車14、15ともに常に一定なので、実施形態1のように砥石車の周速を工程によって増減させる場合と比べて駆動モータに負荷がかからず、安定した研削加工を実現できる。
なお、上記の実施形態2では、精研削工程は必ず砥石台9の砥石車15によって研削する場合について説明したが、それに限定されるものではない。たとえば、砥石台9の砥石車15によるクランクピンCP(2)の研削が粗研削工程の途中であって砥石台8によるクランクピンCP(1)の研削がすでにスパークアウト研削工程まで終了していた場合、砥石台9は、粗研削工程終了後に精研削工程に移らずに早送りで後退し、次のクランクピンに移り粗研削を開始する。その一方で、砥石台8は、クランクピンCP(2)に移り、クランクピンCP(2)を精研削工程から研削をするようにしてもよい。つまり、粗研削工程の加工時間と、微研削工程及びスパークアウト研削工程の加工時間とのうち、何れか短い方の工程を行う砥石台で精研削工程を行うようにする。このように研削することによって、加工を効率的に行うことができる。
なお、本発明の実施形態2では、研削盤に左右2つの砥石台8、9が設置されている場合について説明したが、特に2つに限定されるものではなく、砥石台は3つ以上でもよい。
また、加工順序についても、実施形態2の順序に限定はされず、本発明の内容を逸脱しない範囲においては変更することができる。例えば、その他の例として、はじめにクランクピンCP(1)〜CP(4)の全てについて砥石台9の砥石車15によって砥石車の周速Vdで精研削工程まで行い、その後、砥石台8の砥石車14によって砥石車の周速VcでクランクピンCP(1)〜CP(4)の微研削工程及びスパークアウト研削工程を行うようにしてもよい。
また、本発明の実施形態2において、砥石台9による粗研削及び精研削では定寸装置による寸法値測定を行わずに、砥石台8による微研削及びスパークアウト研削の時だけ定寸装置による寸法値測定を行うようにしてもよい。
また、砥石車14、15は、種類・形状が全く同じものに限られるものではなく、例えば、実施形態2において、微研削及びスパークアウト研削を行う砥石台8の砥石車14の粒度を粗研削及び精研削を行う砥石台9の砥石車15の粒度より細かいもの(例えば、砥石車15を#80〜#120とし、砥石車14を#400〜#600とする等)としてもよい。
また、砥石車14、15を回転駆動させる駆動モータ8M、9Mは、同一のものとする必要はまったくなく、例えば、砥石車14の駆動モータ8Mを低出力用の駆動モータとすることも可能である。その結果、装置の小型化及びコストダウン等の効果を奏する。
また、研削点に供給されるクーラントの流量についても、砥石台8側と砥石台9側とで同じ流量である必要はまったくなく、砥石台8側の流量を適宜設定してもよい。
さらに、本発明の内容を逸脱しない範囲において、実施形態1と実施形態2の構成や加工方法、加工順序等を適宜組み合わせて研削を行ってもよい。
また、本発明の実施形態1、2では、工作物がクランクシャフトの場合について説明したが、当然それに限定されるものではなく、例えば、カムシャフトや単純な円筒形状のようなもの等を研削する場合についても同様の効果が得られる。
本発明の研削盤の平面図。 本発明の研削盤における定寸装置を現す側面図。 本発明の研削盤におけるクーラント供給装置を現す側面図。 本発明の研削盤の制御装置を示すブロック図。 本発明の実施形態1の工程を説明する図。 クーラント流量に対する研削点における動圧を示す図。 砥石車の周速に対する研削点における動圧及び実際にその砥石車の周速で工作物を研削した際の工作物の形状誤差を示す図。 本発明の実施形態1の砥石台8、9の動作を現すフローチャート。 本発明の実施形態2の工程を説明する図。 本発明の実施形態2における砥石台9の動作を現すフローチャート。 本発明の実施形態2における砥石台8の動作を現すフローチャート。
符号の説明
8:右側砥石台
9:左側砥石台
14:右側砥石車
15:左側砥石車
18:主軸
40:クーラントノズル
70:数値制御装置
Va、Vd、Vc、Vd:砥石車の周速
W:工作物(クランクシャフト)

Claims (12)

  1. 砥石台に支承されて回転駆動される砥石車を主軸に支持されて回転駆動される工作物に進退移動して、前記砥石車と前記工作物との接触点である研削点にクーラントを供給しながら、複数の工程により前記工作物を研削する方法であって、
    前記複数の工程は少なくとも粗研削工程と該粗研削工程以降に行われ該粗研削工程より研削量の小さい微研削工程とからなり、
    前記微研削工程における砥石車の周速を前記粗研削工程における砥石車の周速よりも遅くて、前記研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって前記研削点に発生する動圧を低減可能な周速に予め設定し、
    前記微研削工程の研削を行う際に砥石車の周速を前記設定した周速に切り換えて研削することを特徴とする研削方法。
  2. 砥石台に支承されて回転駆動される砥石車を主軸に支持されて回転駆動される工作物の回転角度位相に応じて進退移動して、前記砥石車と前記工作物との接触点である研削点にクーラントを供給しながら、複数の工程により前記工作物を研削する方法であって、
    前記複数の工程は少なくとも粗研削工程と該粗研削工程以降に行われ該粗研削工程より研削量の小さい微研削工程とからなり、
    前記微研削工程における砥石車の周速を前記粗研削工程における砥石車の周速よりも遅くて、前記研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって前記研削点に発生する動圧を低減可能な周速に予め設定し、
    前記微研削工程の研削を行う際に砥石車の周速を前記設定した周速に切り換えて研削することを特徴とする研削方法。
  3. 前記複数の工程は、更に、前記粗研削工程と前記微研削工程との間に、該粗研削工程より研削量が小さく且つ該微研削工程より研削量の大きい精研削工程を含み、
    前記精研削工程における砥石車の周速を前記粗研削工程における砥石車の周速よりも遅くて、前記研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって前記研削点に発生する動圧を低減可能な周速に予め設定し、
    前記精研削工程の研削を行う際に砥石車の周速を前記設定した周速に切り換えて研削することを特徴とする請求項1または2に記載の研削方法。
  4. 少なくとも二つの砥石台の各々に支承されて回転駆動される砥石車を主軸に支持されて回転駆動される工作物にそれぞれ独立して進退移動して、前記砥石車と前記工作物との接触点である研削点にクーラントを供給しながら、複数の工程により前記工作物を研削する方法であって、
    前記複数の工程は少なくとも粗研削工程と該粗研削工程後に行われ該粗研削工程より研削量の小さい微研削工程とからなり、
    前記少なくとも二つの砥石台のうちの一の砥石台の砥石車の周速を他の砥石台の砥石車の周速よりも遅くて、前記研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって前記研削点に発生する動圧を低減可能な周速に予め設定し、
    前記粗研削工程は前記他の砥石台の砥石車で研削し、
    前記微研削工程は前記一の砥石台の砥石車で研削することを特徴とする研削方法。
  5. 少なくとも二つの砥石台の各々に支承されて回転駆動される砥石車を主軸に支持されて回転駆動される工作物の回転角度位相に応じてそれぞれ独立して進退移動して、前記砥石車と前記工作物との接触点である研削点にクーラントを供給しながら、複数の工程により前記工作物を研削する方法であって、
    前記複数の工程は少なくとも粗研削工程と該粗研削工程後に行われ該粗研削工程より研削量の小さい微研削工程とからなり、
    前記少なくとも二つの砥石台のうちの一の砥石台の砥石車の周速を他の砥石台の砥石車の周速よりも遅くて、前記研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって前記研削点に発生する動圧を低減可能な周速に予め設定し、
    前記粗研削工程は前記他の砥石台の砥石車で研削し、
    前記微研削工程は前記一の砥石台の砥石車で研削することを特徴とする研削方法。
  6. 前記複数の工程は、更に、前記粗研削工程と前記微研削工程との間に、該粗研削工程より研削量が小さく且つ該微研削工程より研削量の大きい精研削工程を含み、
    前記精研削工程は前記一の砥石台の砥石車が行う前記微研削工程と前記他の砥石台の砥石車が行う前記粗研削工程の加工時間の短い方の工程を行う砥石台の砥石車で研削することを特徴とする請求項4または5に記載の研削方法。
  7. 砥石車を支承して回転駆動する砥石台と、工作物を支持して回転駆動する主軸と、前記砥石台を進退移動する送り装置と、前記砥石車と前記工作物との接触点である研削点にクーラントを供給するクーラント供給装置とを備え、複数の工程により前記工作物を研削するための研削装置であって、
    前記複数の工程は少なくとも粗研削工程と該粗研削工程後に行われ該粗研削工程より研削量の小さい微研削工程とからなり、
    前記粗研削工程における砥石車の周速を設定する手段と、
    前記微研削工程における砥石車の周速を設定する手段と、
    前記微研削工程の研削を行う際に砥石車の周速を前記設定した周速に切り換える手段とを備え、
    前記微研削工程における砥石車の周速を前記粗研削工程における砥石車の周速よりも遅くて、前記研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって前記研削点に発生する動圧を低減可能な周速に設定することを特徴とする研削装置。
  8. 砥石車を支承して回転駆動する砥石台と、工作物を支持して回転駆動する主軸と、前記砥石台を前記工作物の回転角度位相に応じて進退移動する送り装置と、前記砥石車と前記工作物との接触点である研削点にクーラントを供給するクーラント供給装置とを備え、複数の工程により前記工作物を研削するための研削装置であって、
    前記複数の工程は少なくとも粗研削工程と該粗研削工程後に行われ該粗研削工程より研削量の小さい微研削工程とからなり、
    前記粗研削工程における砥石車の周速を設定する手段と、
    前記微研削工程における砥石車の周速を設定する手段と、
    前記微研削工程の研削を行う際に砥石車の周速を前記設定した周速に切り換える手段とを備え、
    前記微研削工程における砥石車の周速を前記粗研削工程における砥石車の周速よりも遅くて、前記研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって前記研削点に発生する動圧を低減可能な周速に設定することを特徴とする研削装置。
  9. 前記複数の工程は、更に、前記粗研削工程と前記前記微研削工程との間に、該粗研削工程よりも研削量が小さく且つ該微研削工程より研削量の大きい精研削工程を含み、
    前記精研削工程における砥石車の周速を設定する手段と、
    前記精研削工程の研削を行う際に砥石車の周速を前記設定した周速に切り換える手段とを備え
    前記精研削工程における砥石車の周速を前記粗研削工程における砥石車の周速よりも遅くて、前記研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって前記研削点に発生する動圧を低減可能な周速に設定することを特徴とする請求項7または8に記載の研削装置。
  10. 砥石車を支承して回転駆動する少なくとも二つの砥石台と、工作物を支持して回転駆動する主軸と、前記砥石台を進退移動する送り装置と、前記砥石車と前記工作物との接触点である研削点にクーラントを供給するクーラント供給装置とを備え、複数の工程により前記工作物を研削するための研削装置であって、
    前記複数の工程は少なくとも粗研削工程と、該粗研削工程後に行われ該粗研削工程よりも研削量の小さい微研削工程とからなり、
    前記少なくとも二つの砥石台のうちの一の砥石台の砥石車の周速を設定する手段と、
    前記少なくとも二つの砥石台のうちの他の砥石台の砥石車の周速を設定する手段と、
    前記粗研削工程は前記他の砥石台の砥石車で研削するように制御する手段と、
    前記微研削工程は前記一の砥石台の砥石車で研削するように制御する手段とを備え、
    前記一の砥石台の砥石車の周速を前記他の砥石台の砥石車の周速よりも遅くて、前記研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって前記研削点に発生する動圧を低減可能な周速に設定することを特徴とする研削装置。
  11. 砥石車を支承して回転駆動する少なくとも二つの砥石台と、工作物を支持して回転駆動する主軸と、前記砥石台を前記工作物の回転角度位相に応じて進退移動する送り装置と、前記砥石車と前記工作物との接触点である研削点にクーラントを供給するクーラント供給装置とを備え、複数の工程により前記工作物を研削するための研削装置であって、
    前記複数の工程は少なくとも粗研削工程と該粗研削工程後に行われ該粗研削工程よりも研削量の小さい微研削工程とからなり、
    前記少なくとも二つの砥石台のうちの一の砥石台の砥石車の周速を設定する手段と、
    前記少なくとも二つの砥石台のうちの他の砥石台の砥石車の周速を設定する手段と、
    前記粗研削工程は前記他の砥石台の砥石車で研削するように制御する手段と、
    前記微研削工程は前記一の砥石台の砥石車で研削するように制御する手段とを備え、
    前記一の砥石台の砥石車の周速を前記他の砥石台の砥石車の周速よりも遅くて、前記研削点で発生する研削熱を除去できる流量のクーラントによって前記研削点に発生する動圧を低減可能な周速に設定することを特徴とする研削装置。
  12. 前記複数の工程は、更に、前記粗研削工程と前記微研削工程との間に、該粗研削工程より研削量が小さく且つ該微研削工程より研削量の大きい精研削工程を含み、
    前記精研削工程は前記一の砥石台の砥石車が行う前記微研削工程と前記他の砥石台の砥石車が行う前記粗研削工程の加工時間の短い方の工程を行う砥石台の砥石車で研削するように制御する手段を備えたことを特徴とする請求項10または11に記載の研削装置。
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