JP3907977B2 - クランクシャフトの研削方法及び研削装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の端面部と円筒部及び端面部から円筒部に至るR部を研削する研削方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のクランクシャフトの研削装置においては、以下に説明する第一の従来技術または第二の従来技術により研削を行っていた。第一の従来技術は図14に示すように、仕上げ形状と一致する形状にツルーイングした総形砥石Wを用いて一回のプランジ加工のみでピン又はジャーナルの端面部90a、R部90b及び円筒部90cを研削するものである。
【0003】
第二の従来技術は特開昭60−172455号公報に開示された研削方法である。この研削方法は図15に示すように、ピン、ジャーナル幅よりも狭い幅の砥石を用い、砥石台をクランクシャフト軸と直行する方向にプランジ送りすると同時に、クランクシャフト軸方向に移動する同時2軸の相対移動を行わせ、この相対移動に基づく斜め送り研削によって一方のショルダー部から外径部に渡って第一の研削を行い、次いで他方のショルダー部から外径部に渡って第二の研削を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記第一の従来技術では、図14に示す被加工箇所の端面部90aは総形砥石Wの肩部W1のみにより研削されるので、肩部W1は円筒部90cを研削する円筒部W2に比べて単位面積当たりの研削量が多くなる。このため肩部W1が激しく磨耗し、その結果R部90bの研削精度が低下する。これを防止するために円筒部W2はまだ使用可能であるにも拘わらず、肩部W1を整形するため、頻繁にツルーイングを繰り返さなければならない。よって、砥石寿命が短くなるという問題があった。また、複数種類のクランクシャフトを加工する場合、ピン部又はジャーナル部の端面間の幅寸法が変更される毎に、それに対応する砥石幅の砥石車と交換する必要があり、段取り換えに時間がかかるという問題もあった。
【0005】
前記第二の従来技術によれば、前記第一の従来技術の問題は解決されるものの、以下のような別の問題が生じていた。すなわち、第一の研削では図16に示す砥石円筒部の全面(Wa部)を使用し、第二の研削では砥石円筒部の一部(Wb部)のみを使用して研削することになるため、砥石円筒面の磨耗が不均一になり、真直度精度が悪化するという問題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明はこれらの問題を解決するためになされたものである。本発明では研削工程を三つに分割した。すなわち、請求項1記載の発明では第一の研削工程にて両側面に砥石層を持つ端面部荒研削用の砥石車によって端面部を仕上げ代を残して荒研削する。第二の研削工程では被研削箇所の円筒部にほぼ等しい幅の砥石円筒部と端面部間の仕上げ寸法幅よりも狭い幅で被研削箇所R部の仕上げ形状の曲面部を両端に有する仕上げ研削用の砥石車によって円筒部を仕上げ研削する。第三の研削工程では前記仕上げ用砥石車によって、円筒部の仕上げ研削完了時の切り込み位置から左進及び右進トラバース送りにより、円筒部から端面部に至るR部と第一の研削工程で荒研削した端面部の仕上げ研削を行う。この構成によれば、第一の研削工程では端面部の荒研削が効率よく行われ、第二の研削工程では被研削箇所の円筒部の幅とほぼ等しい幅の砥石円筒部によって加工するので良好な円筒面形状が得られる。さらに第三の研削工程では砥石円筒部両端のR部によって被研削箇所のR部を加工し、かつ、第一の研削工程で残した仕上げ代を精密に加工する。
【0007】
請求項2記載の発明では、端面部の荒研削をする際に、一方の端面部を荒研削し、次いで他方の端面部を荒研削することとした。これによって両端面部の荒研削を別個に行う。
【0008】
請求項3記載の発明では、クランクシャフトと砥石台の相対移動に基づく斜め送り研削によって端面部を荒研削することとした。これによって砥石面を有効に使用して端面部の研削を行う。
【0009】
請求項4記載の発明では、被研削箇所の円筒部にほぼ等しい幅の砥石円筒部と端面部間の仕上げ寸法幅よりも狭い幅で被研削箇所R部の仕上げ形状の曲面部を両端に有する仕上げ研削用の砥石車を用いて以下の三つの工程によって研削を行う。第一の研削工程ではクランクシャフトと前記砥石台の相対移動に基づく斜め送り研削によって端面部を荒研削する。第二の研削工程では円筒部を仕上げ研削する。第三の研削工程では円筒部の仕上げ研削完了時の切り込み位置から左進及び右進トラバース送りにより、円筒部から端面部に至るR部と第一の研削工程で荒研削した端面部の仕上げ研削を行う。これによって一つの砥石台のみにより砥石車の交換をすることなく研削を行う。
【0011】
請求項6記載の発明におけるクランクシャフトの研削装置は両側面に砥石層を持つ端面部荒研削用の第一の砥石車を有する第一の砥石台と、被研削箇所の円筒部にほぼ等しい幅の砥石円筒部と端面部間の仕上げ寸法幅よりも狭い幅で被研削箇所R部の仕上げ形状の曲面部を両端に有する仕上げ研削用の第二の砥石車を有する第二の砥石台とを有することとした。これにより、第一の砥石車による端面部の荒研削と、第二の砥石車による円筒部、R部及び端面部の仕上げ研削を並行して行える。
【0012】
なお、前記課題を解決するための手段を検討するに際し、当初は端面部の荒研削を予め行うことなく、円筒部をプランジ研削した後のトラバース送りによりR部及び端面部を仕上げ研削する方法を考えたが、この場合には以下の二つの問題があった。第一の問題は砥石の側面が被加工部の端面に接触した瞬間に急激に研削抵抗が増加するためビビリが発生し、円筒部仕上げ表面品位が悪化するという問題である。第二の問題は端面部の被加工面積が大きい場合に、仕上げ用砥石では端面加工時の送り速度を上げられず、加工時間が増大するという問題である。予め端面部を荒削りしておくことにより、これらの問題を解決することができたのである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における第一の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態におけるクランクシャフト研削装置の平面図を図1に示す。図1に示すように、研削装置1のベッド2上に設置されたZ軸方向のZ軸案内レール3a、3b上に左側Z軸テーブル10が設置されている。左側Z軸テーブル10はボールねじ4aによりZ軸方向に摺動自在である。左側Z軸テーブル10のX軸案内レール11a、11b上に左側砥石台30が設置されている。左側砥石台30はボールねじ12aによりX軸方向に摺動自在である。左側砥石台30上には第一の砥石車31及び砥石用モータ32が設置されている。第一の砥石車31は砥石用モータ32により高速に回転する。第一の砥石車31は図5に示すように、コア31aの外周両端にのみ砥石層31bを有し、被加工部の端面部間の幅寸法よりも狭い幅を有する端面部荒研削用の砥石車である。
【0014】
これと同様に右側砥石台40を戴乗する右側Z軸テーブル20がボールねじ5aによりZ軸方向に摺動自在に設けられている。右側砥石台40はボールねじ22aによりX軸方向に摺動自在である。右側砥石台40には第二の砥石車41及び砥石用モータ42が設置されている。第二の砥石車41は砥石用モータ42により高速に回転する。第二の砥石車41は図6に示すように砥石層41bをコア41aの円筒部に持つ仕上げ研削用砥石車である。砥石層41bは被加工部の円筒部の幅(Wc)よりも若干狭い幅(Wd)を持つ円筒部の両端に被加工部のR部の仕上げ形状と同じ形状の曲面部を有している。
【0015】
前記砥石台30、40のX軸前方に主軸台50、52が設置されている。主軸台50、52に設けられたチャック等により、工作物であるクランクシャフト70が支持されるようになっている。主軸台50、52にはクランクシャフト70をジャーナル中心を回転軸線として回転駆動する主軸モータ51、53が設けられている。
【0016】
前記Z軸ボールねじ4a、5aはそれぞれ左側Z軸テーブルモータ4、右側Z軸テーブルモータ5により回転する。また、前記X軸ボールねじ12a、22aはそれぞれ左側砥石台モータ12、右側砥石台モータ22より回転する。これら各主軸モータ、Z軸テーブルモータ、砥石台モータは高精度位置決めが可能なサーボモータであり、制御盤100に内蔵された数値制御装置101により制御される。数値制御装置101にはクランクシャフト70の各加工部位を研削するために必要なプログラム及びパラメータが予め記憶されている。数値制御装置101はこのプログラム及びパラメータに基づいて各モータを同期して動作させ、クランクシャフトと砥石台の相対移動を制御する。
【0017】
また、第一の砥石車31を修正するための砥石修正装置60が主軸台50に固定されており、第二の砥石車41を修正するための砥石修正装置61が心押台52に固定されている。
【0018】
次に、上述した構成の研削装置1を用いた加工方法について、図2のフローチャート及び図3〜11の説明図により説明する。下記においてS*(*=10〜32)は図2のフローチャートの各ステップを表す。
【0019】
図3の71から79は直列4気筒エンジン用クランクシャフトの加工部位を示している。図4はこの加工部位の一つを拡大したものである。図4の網掛け部80は以下に示す手順により研削される研削代を表す。なお、図4から図8における研削代は、説明のため、実際の寸法比よりも大きめに描かれている。また、図5〜図7における点線は仕上げ形状を示す。
【0020】
端面部80a及び80bを荒削りする第一の研削工程を図5により説明する。この工程では第一の砥石車31を用いる。まず、Z軸テーブル10をボールねじ4aによりZ軸方向に移動させると同時に、砥石台30をボールねじ12aによりX軸方向に移動させる同時2軸の相対移動による▲1▼方向への斜め送り加工で端面部80aを研削する(S10)。次に▲2▼の向きに第一の砥石車31を元の位置を戻し(S11)、▲3▼方向へクランクシャフト軸と平行に移動した後(S12)、▲4▼の方向への斜め送り加工により端面部80bを研削する(S13)。この後、▲5▼のように第一の砥石車31を戻し(S14)、この工程を終了する。
【0021】
この工程では仕上げ形状との間に若干の研削代を残しておく。この研削代は通常数十μmである。このように若干の研削代を残し、後述する仕上げ工程にてこれを研削することにより、第一の研削工程で加工面に研削焼けが生じても、その部位が後の仕上げ工程で削り取られるため、研削焼けをある程度無視した高効率加工ができ、加工時間を短縮できるという効果がある。
【0022】
次に、円筒部80cを加工する第二の研削工程を図6に示す。この工程では第二の砥石車41を用い、砥石台40をボールねじ22aによりX軸方向に移動させる第二の砥石車41のプランジ送り加工により、円筒部80cを仕上げ形状に至るまで研削する(S20)。この工程では砥石層41bは端面部には接触しない。
【0023】
次に、Z軸テーブル20をボールねじ5aによりZ軸方向に移動させる第二の砥石車41のトラバース送りにより円筒部の残り部分、R部及び端面の仕上げ加工をする第三の研削工程を図7及び図8に示す。図7に示すように第二の砥石車41の左進トラバース送りにより砥石層41bのR部および側面部を使用して、円筒部の左側残り部分、左R部及び左端面である80dを仕上げ研削する(S30)。次に、図8に示すように右進トラバース送りにより円筒部の右側残り部分、右R及び右端面部である80eを仕上げ加工する(S31)。この工程が完了した時の状態が図9である。この後、X軸とZ軸の同時2軸の相対移動により第二の砥石車41を図10のように元位置に戻し(S32)、全ての工程を終了する。このように研削することにより、仕上げ段階では砥石が被研削面から離れることなく連続した動作で研削されるため、円筒部、R部、端面部からなる被加工面を滑らかで段差のない良好な形状に仕上げることができる。
【0024】
以上に説明した第一から第三の各研削工程は、クランクシャフト70を主軸台50、52に設けられた主軸モータ51、53によりジャーナル中心を回転軸線として回転駆動させながら行う。従って、ピン部を研削する際には研削個所がZ軸と直行する円を描いて動くが、これに同期して砥石台30、40をボールねじ12a、22aによりX軸方向に進退移動させ、研削を行う。
【0025】
このように、砥石円筒部の全面を均一に使用してクランクシャフト70のピン又はジャーナルの円筒部を加工することにより砥石の偏磨耗が発生せず、良好な仕上げ形状が得られるとともに、ツルーイングの回数も減らすことができる。
【0026】
ピン又はジャーナルの端面部間の幅寸法が異なる複数種類のクランクシャフトを加工する場合には、図5に示す第一の研削工程での▲3▼の移動量を端面間の幅に応じて変更するとともに、第三の研削工程での左進トラバース量及び右進トラバース量を図11に例示すように変更する。図11において、91はクランクシャフトの加工部位の仕上がり形状を表し、92はピン又はジャーナルの端面部間の幅寸法が91と異なるクランクシャフトの加工部位の仕上がり形状を表している。前者のクランクシャフト91を加工する場合には左進・右進トラバース量を91wとし、後者のクランクシャフト92を加工する場合には左進・右進トラバース量を92wとする。
【0027】
このようにすることによって、ピン又はジャーナル部の端面間の幅寸法が異なる複数種類のクランクシャフトを加工する場合であっても砥石を交換する必要が無く、多品種混合生産が可能となる。
【0028】
次に第二の実施の形態について説明する。この第二の実施の形態に使用する研削装置は図1に示すものと同じなので説明を省略する。第二の実施の形態でも基本的には図2で説明した第一、第二、第三の研削工程によって研削を行うが、第一の研削工程の方法が異なるので、この点について説明する。第二の実施の形態における第一の研削工程では、端面部の荒研削を図12に示すように第一の砥石車31の▲1▼方向へのプランジ送りによって一方の端面部を荒研削し、▲2▼のように移動した後、▲3▼方向へのプランジ送りによってもう一方の端面部を荒研削する。この場合、砥石車31の肩部のみにより端面部荒研削を行うが、砥石車31は端面部荒研削用の専用砥石であるため、第一の従来技術に関して説明したような、砥石肩部を修正するために円筒部を含めた砥石全面をツルーイングしなければならないために砥石の寿命が短くなるという問題は発生しない。
【0029】
第二の実施の形態において、被加工部の端面部間の幅寸法が一定の場合には図13に示すように端面部間の仕上げ幅寸法から仕上げ研削代を除いた幅を有する第一の砥石車を用い、一回のプランジ送りにより両端面部を同時に荒研削するようにしてもよい。これにより、加工時間が短縮できる。なお、図12及び図13において被加工部の網掛け部は荒削り研削代、点線は仕上げ形状を示す。
【0030】
なお、本発明の実施の形態においては二つの砥石台の一方が第一の砥石車を軸承し、もう一方の砥石台が第二の砥石車を軸承することとしたが、一つの砥石台のみを使用して軸承する砥石車を交換しながら研削を行うようにしてもよい。二つの砥石台を使用する場合には第一の研削工程を行っている間に、他の加工個所において第二の研削工程及び第三の研削工程を行うことにより加工時間を短縮できる。例えば、図3に示すクランクシャフトのピン部74に対して第一の研削工程を行っている間に、他のピン部72に対して第二、第三の研削工程を行えば、二箇所同時進行で加工を進められるので加工時間を短縮できる。
【0031】
また、第二の砥石車41を軸承する一つの砥石台のみを使用して、各部の研削を行うようにしてもよい。この場合にはまずクランクシャフトと砥石台の相対移動に基づく斜め送り研削によって端面部を仕上げ研削代を残して研削する。その後は前述した第二の研削工程により円筒部を研削し、さらに前述の第三の研削工程により円筒部の残り部分、R部及び端面の仕上げ加工をする。端面部の研削を仕上げ用砥石車で行うことになるが、斜め送り研削により砥石側面の広い面積を使用して研削するので、第一の従来技術のように砥石の肩部のみが激しく磨耗するような問題はない。
【0032】
なお、複数の砥石台を有する研削装置において、それぞれの砥石台が第二の砥石車41を軸承し、複数の被加工箇所を同時に研削するようにしてもよい。1台の砥石台が複数の砥石車を軸承することとしてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上述べたように請求項1記載の発明では、第一の研削工程において端面部を荒研削した後に、第二、第三の研削工程にて円筒部の大部分を一回のプランジ送りで仕上げ研削し、円筒部の残りとR部と端面部の仕上げ研削を砥石の曲面部と側面部を使用して行うことにした。このため、第二の砥石車の円筒部はその全面が均一に使用されるので偏磨耗が発生せず、また、曲面部及び側面部は研削量が少ないのでツルーイングの回数が少なくて済み、砥石の寿命が長くなるとともにツルーイングに要する時間の短縮ができる。また、端面部荒研削において加工面に研削焼けが生じても、この研削焼けが生じた部位が後の仕上げ研削で削り取られるため、端面部荒研削では研削焼けをある程度無視した高効率加工ができ、加工時間を短縮できるという効果もある。
【0034】
請求項2記載の発明では、請求項1に記載の発明の効果に加え、一方の端面部を荒研削し、次いで他方の端面部を荒研削することとしたので、端面部の幅と荒研削用砥石の幅が異なる場合でも、砥石台の送り量を変更することにより研削が可能となる。
【0035】
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の発明の効果に加え、クランクシャフトと砥石台の相対移動に基づく斜め送り研削によって端面部を荒研削することとしたので、被研削面に砥石が当たる面積が多くなり、効率よく研削が行える。
【0036】
請求項4記載の発明では、被研削箇所の円筒部にほぼ等しい幅の砥石円筒部と被研削箇所R部の仕上げ形状の曲面部を両端に有する仕上げ研削用の砥石車を用い、第一の研削工程で砥石車の斜め送りにより端面部を仕上げ代を残して研削した後に、第二の研削工程にて円筒部の大部分を一回のプランジ送りで仕上げ研削し、第三の研削工程にて円筒部の残りとR部と端面部の仕上げ研削を砥石の曲面部と側面部を使用して行うことにした。このため、砥石車の円筒部はその全面が均一に使用されるので偏磨耗が発生せず、また、一つの砥石台のみを有する研削装置でも砥石車の交換をすることなく全ての研削箇所の研削が行える。
【0037】
請求項6記載の発明では、両側面に砥石層を持つ端面部荒研削用の第一の砥石車を有する第一の砥石台と、被研削箇所の円筒部にほぼ等しい幅の砥石円筒部と端面部間の仕上げ寸法幅よりも狭い幅で被研削箇所R部の仕上げ形状の曲面部を両端に有する仕上げ研削用の第二の砥石車を有する第二の砥石台とを有することとしたので、第一の砥石車による端面部の荒研削と、第二の砥石車による円筒部、R部及び端面部の仕上げ研削を並行して行うことができ、加工時間の短縮が可能となる。
【0038】
加えて、請求項1から6に記載の発明では、円筒部の仕上げ研削完了時の切り込み位置から左進及び右進トラバース送りにより、R部と端面部の仕上げ研削を行うこととしたので、円筒部と一対の端面部及び端面部から円筒部に至る一対のR部が段差のない滑らかな面に仕上げ加工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態における構成を示す図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態における研削方法の手順を表すフローチャートである。
【図3】本発明の第一の実施の形態において加工する4気筒用クランクシャフトの被加工部位の説明図である
【図4】本発明の第一の実施の形態において加工する被加工部位の説明図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態における第一の研削工程の説明図である。
【図6】本発明の第一の実施の形態における第二の研削工程の説明図である。
【図7】本発明の第一の実施の形態における第三の研削工程の説明図である。
【図8】本発明の第一の実施の形態における第三の研削工程の説明図である。
【図9】本発明の第一の実施の形態における説明図である。
【図10】本発明の第一の実施の形態における説明図である。
【図11】本発明の第一の実施の形態におけるピン、ジャーナル部の端面間の幅寸法が異なる複数種類のクランクシャフトを加工する場合の説明図である。
【図12】本発明の第二の実施の形態における説明図である。
【図13】本発明の第二の実施の形態における説明図である。
【図14】従来の加工方法を示す説明図である。
【図15】従来のその他の加工方法を示す説明図である。
【図16】従来のその他の加工方法の問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
1 研削盤
2 ベース
4、5 Z軸テーブルモータ
4b、 5b ボールねじ
10、20 Z軸テーブル
12a、22a ボールねじ
12、22 砥石台モータ
30、40 砥石台
31、41 砥石車
32、42 砥石用モータ
50、52 主軸台
51、53 主軸モータ
70 クランクシャフト(工作物)
100 制御盤
101 数値制御装置
Claims (5)
- クランクシャフトを回転可能に支持する主軸と、
前記クランクシャフトの軸線と平行な軸線周りに回転可能に砥石車を軸承する砥石台とを用い、
前記クランクシャフトの軸線方向及びこれと交差する方向に前記クランクシャフトと前記砥石台を相対移動することにより、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の円筒部と、この円筒部の両端に連続した一対のR部と、この各R部に連続したクランクアームの端面部を研削する研削方法であって、
前記端面部間の幅寸法と同等若しくは狭い幅でかつ両側面に砥石層を持つ端面部荒研削用の第一の砥石車を用いて、前記端面部を荒研削する第一の研削工程と、
前記円筒部を一度でプランジ研削可能な幅若しくはそれよりも若干狭い幅を持つ円筒部を有し、かつ、前記端面部間の仕上げ寸法幅よりも狭い幅で両端に前記R部の仕上げ形状の曲面部を有する仕上げ研削用の第二の砥石車を用いて、前記円筒部を仕上げ研削する第二の研削工程と、
前記第二の砥石車を前記第二の研削工程完了時の切り込み位置から前記クランクシャフトに対して相対的に左右にトラバース送りすることにより、左右の前記R部と前記第一の研削工程で荒研削した端面部を順次仕上げ研削する第三の研削工程と
によりピン部又はジャーナル部の円筒部と、この円筒部の両端に連続した一対のR部と、この各R部に連続したクランクアームの端面部を研削加工することを特徴とするクランクシャフトの研削方法。 - 前記第一の研削工程は一方の端面部を前記一対の端面部間の仕上げ幅寸法よりも狭い幅を有する前記第一の砥石車により荒研削し、次いで他方の端面部を荒研削することを特徴とする請求項1記載のクランクシャフトの研削方法。
- 前記第一の研削工程は前記クランクシャフトと前記砥石台の相対移動に基づく斜め送り研削によって端面部を荒研削することを特徴とする請求項1または2に記載のクランクシャフトの研削方法。
- クランクシャフトを回転可能に支持する主軸と、
前記クランクシャフトの軸線と平行な軸線周りに回転可能に砥石車を軸承する砥石台とを用い、
前記クランクシャフトの軸線方向及びこれと交差する方向に前記クランクシャフトと前記砥石台を相対移動することにより、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の円筒部と、この円筒部の両端に連続した一対のR部と、この各R部に連続したクランクアームの端面部を研削する研削方法であって、
前記砥石台は前記円筒部を一度でプランジ研削可能な幅若しくはそれよりも若干狭い幅を持つ円筒部を有し、かつ、前記端面部間の仕上げ寸法幅よりも狭い幅で両端に前記R部の仕上げ形状の曲面部を有する砥石車を軸承し、
前記端面部を前記クランクシャフトと前記砥石台の相対移動に基づく斜め送り研削によって荒研削する第一の研削工程と、
前記円筒部を仕上げ研削する第二の研削工程と、
前記砥石台を前記第二の研削工程完了時の切り込み位置から前記クランクシャフトに対して相対的に左右にトラバース送りすることにより、左右の前記R部と前記第一の研削工程で荒研削した端面部を順次仕上げ研削する第三の研削工程と
によりピン部又はジャーナル部の円筒部と、この円筒部の両端に連続した一対のR部と、この各R部に連続したクランクアームの端面部を研削加工することを特徴とするクランクシャフトの研削方法。 - クランクシャフトを回転可能に支持する主軸と、
前記クランクシャフトの軸方向と平行な軸線周りに回転可能に砥石車を軸承する第一の砥石台及び第二の砥石台と、
前記クランクシャフトと前記第一の砥石台及び前記第二の砥石台を前記クランクシャフトの軸線方向及びこれと交差する方向へ相対移動させる駆動手段と、
前記駆動手段を制御する数値制御装置とを有し、
クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の円筒部と、この円筒部の両端に連続した一対のR部と、この各R部に連続したクランクアームの端面部を研削する研削装置であって、
前記第一の砥石台は前記端面部間の幅寸法と同等若しくは狭い幅でかつ両側面に砥石層を有した端面部荒研削用の第一の砥石車を備え、
前記第二の砥石台は前記円筒部を一度でプランジ研削可能な幅若しくはそれよりも若干狭い幅を持つ円筒部を有し、かつ、前記端面部間の仕上げ寸法幅よりも狭い幅で両端に前記R部の仕上げ形状の曲面部とを有する仕上げ研削用の第二の砥石車を備え、
前記数値制御装置は、前記第一の砥石車により前記端面部を荒研削するように前記駆動手段を制御する第一の研削制御手段と、
前記第二の砥石車により前記円筒部を仕上げ研削するように前記駆動手段を制御する第二の研削制御手段と、
前記第二の砥石車を前記第二の研削手段による前記円筒部の仕上げ研削完了時の切り込み位置から前記クランクシャフトに対して相対的に左右にトラバース送りすることにより、左右の前記R部と前記第一の研削工程で荒研削した端面部を順次仕上げ研削するように前記駆動手段を制御する第三の研削制御手段と
を有することを特徴とするクランクシャフトの研削装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001210323A JP3907977B2 (ja) | 2001-07-11 | 2001-07-11 | クランクシャフトの研削方法及び研削装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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