JP2001088024A - 研削盤におけるテーパ補正制御方法 - Google Patents

研削盤におけるテーパ補正制御方法

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JP2001088024A
JP2001088024A JP26578599A JP26578599A JP2001088024A JP 2001088024 A JP2001088024 A JP 2001088024A JP 26578599 A JP26578599 A JP 26578599A JP 26578599 A JP26578599 A JP 26578599A JP 2001088024 A JP2001088024 A JP 2001088024A
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grinding
taper
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grinding wheel
speed
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Tadashi Yamauchi
正 山内
Kazuo Tabuchi
一雄 田渕
Hiroo Kikuchi
宏朗 菊地
Naoki Makino
直樹 牧野
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Toyoda Koki KK
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Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研削盤におけるテーパ補正を含む研削加工全
体のサイクルタイムを短くし、また変動をなくして、生
産効率を向上させる。 【解決手段】 砥石車Gを固定した砥石軸19の両端部
を1対の砥石軸ハウジング17,18を介して砥石台1
5に支持し、一方の砥石軸ハウジング17をY方向に移
動して、砥石車により研削される工作物外周面のテーパ
を補正する。工作物を砥石台に対し移動する研削送りと
砥石軸ハウジングを砥石台に対し移動するテーパ補正送
りを同時に行い、テーパ補正送りの速度は所定のテーパ
判定時点に計測された工作物の両端部の外径の差が次の
テーパ判定時点までの間に0となるように設定し、研削
送りの速度は所定のテーパ判定時点において工作物の両
端部のうち外径が小さい方に対する砥石車の切込み速度
が所定の研削送り速度となるように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒研削盤などに
おいて工作物に生じるテーパを除去するためのテーパ補
正制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】研削盤における研削加工、特に円筒研削
盤における長尺工作物やマルチホイール研削盤における
研削加工の場合、工作物の取り付け誤差、砥石車の摩
耗、研削盤各部の熱変形、その他の要因により砥石車の
加工面に工作物に対するテーパが生じたり、砥石車軸線
と工作物軸線とが傾斜した場合、工作物にテーパがつく
ことがある。
【0003】これを防止する手段としては、例えば特開
平4−300160号公報に開示された技術がある。こ
れは研削盤それ自体の構造としては後に詳述する本発明
と同じであり、図1に示すように、両端部が1対の砥石
軸ハウジング17,18を介して砥石台15上に支持さ
れた砥石軸19に砥石車Gを固定し、砥石軸19と平行
にベッド10上に支持した工作物Wに対して砥石台15
を接近または離隔するY方向に相対的に移動してその外
周面を砥石車Gにより研削し、1対の定寸装置42A,
42Bによりそれぞれ計測した工作物Wの両端部の外径
に基づいて一方の砥石軸ハウジング17を砥石台15に
対しY方向に移動して工作物Wの外周面のテーパを補正
するようにしている。
【0004】このような研削盤を用いた従来のテーパ補
正制御方法の一例を図7により説明すれば、砥石車G及
び工作物Wが回転している状態において、砥石台15を
原位置から工作物Wに向かって先ず早送りで、次いで空
研削送りで前進させた後、粗研削送りで前進させて砥石
車Gにより工作物Wの外周面を粗研削する。粗研削が終
了した時点S1で砥石台15を一旦停止し、定寸装置4
2A,42Bにより工作物Wの両端部の外径を計測して
その差により外周面のテーパを判定し、テーパ調整手段
Eにより砥石軸ハウジング17をY方向(前向きまたは
後向き)に移動してテーパの補正を行う。このテーパ補
正が終了してから砥石台15を精研削送りで前進させて
工作物Wの精研削を行い、これが終了した時点S2で再
び砥石台15を一旦停止して前述と同様にして工作物W
外周面のテーパを判定し、テーパ調整手段Eにより砥石
軸ハウジング17をY方向に移動して精研削後のテーパ
の補正を行う。次いで、前述と同様に砥石台15を前進
させて微研削を行い、これが終了した時点S3で再び砥
石台15を一旦停止して前述と同様にして工作物W外周
面のテーパを判定する。このテーパが所定の許容値内で
あれば砥石台15を停止したままでスパークアウト研削
を行ってから砥石台15を先ず戻り速度で、次いで早送
り速度で後退させて原位置に戻す。これにより1個の工
作物Wの研削加工サイクルが完了し、次いで工作物Wを
未研削のものと交換して同様の研削加工サイクルを繰り
返す。
【0005】なお、微研削後に判定したテーパが所定の
許容値内にない場合は、その工作物Wは異常として修正
または廃棄などの異常処理を行う。また、各段階におけ
る研削終了の判定は、定寸装置42A,42Bにより計
測される工作物Wの両端部の外径のうち小さい方が所定
の各定寸径に達した時点で行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、研
削加工サイクル中に砥石台15の研削送りを一旦停止し
て工作物Wの外周面に生じたテーパを補正しているの
で、補正のための停止時間だけ研削加工全体のサイクル
タイムが長くなるという問題がある。また、テーパ補正
の際の砥石軸ハウジング17の送り速度は一定であるの
で、テーパ補正量の変動に伴い研削加工全体のサイクル
タイムも変動するという問題もある。本発明はこのよう
な各問題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このために、本発明によ
る研削盤におけるテーパ補正制御方法は、砥石台に取り
付けられた1対の砥石軸ハウジングに両端部が支持され
て回転駆動される砥石軸に砥石車を固定し、前記砥石軸
と平行にベッド上に支持した工作物に対し前記砥石台を
接近または離隔するY方向に相対的に移動し、前記工作
物の外周面を前記砥石車により研削し、1対の測定手段
によりそれぞれ計測した前記工作物Wの両端部の外径に
基づいて前記1対の砥石軸ハウジングの少なくとも一方
を前記砥石台に対し前記Y方向に移動して前記工作物の
外周面のテーパを補正するようにしてなる研削盤におけ
るテーパ補正制御方法において、前記砥石台を前記Y方
向において前記工作物に対し相対的に移動する研削送り
と前記砥石軸ハウジングを前記Y方向において前記砥石
台に対し移動するテーパ補正送りを同時に行い、前記テ
ーパ補正送りの速度は所定のテーパ判定時点において前
記1対の測定手段により計測された前記工作物の両端部
の外径の差が次のテーパ判定時点までの間に0となるよ
うに設定し、前記研削送りの速度は前記所定のテーパ判
定時点において前記1対の測定手段により計測された前
記工作物の両端部のうち外径が小さい方に対する前記砥
石車の切込み速度が前記次のテーパ判定までの間は予め
定められた所定の研削送り速度となるように設定するこ
とを特徴とするものである。このようなテーパ補正制御
方法によれば、テーパ補正送りは研削送りと同時に行わ
れて研削送りの終了と同時にテーパ補正は終了する。
【0008】本発明は、1個の工作物Wの研削加工を終
了した際における砥石台に対する砥石軸ハウジングの位
置をそのままに保持した状態で、次の工作物の研削加工
を開始することことが好ましい。このようにすれば、次
の工作物の研削加工の際に必要なテーパ補正量を少なく
することができる。
【0009】また本発明は、1個の工作物に対する研削
加工は研削条件を変えて複数回行うと共にテーパ判定時
点は各研削加工の終了時点とし、テーパ補正送りの速度
は、テーパ判定時点において1対の測定手段により計測
された工作物Wの両端部の外径の差が所定値より大きい
場合は、外径の差が次のテーパ判定時点までの間に0と
なるようにする代わりに予め定められた所定値以下に設
定することが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、図1〜図6により、本発
明による研削盤におけるテーパ補正制御方法の実施の形
態の説明をする。先ず、図1及び図2により、この実施
の形態に使用する円筒研削盤の説明をする。この実施の
形態における工作物Wは複数(実施の形態では7個)の
同一径の円筒状の研削部Waを有しており、研削盤は研
削部Waと同数の互いに同一径の砥石車Gを備えたマル
チ研削盤である。
【0011】図1に示すように、ベッド10上には主軸
台11と心押台13が対向して取り付けられ、工作物W
は、主軸台11に軸承された工作主軸12に同軸的に設
けたセンタ12aとこれと同軸的に心押台13に設けた
センタ13aにより両端がセンタ支持されて、工作主軸
12を介してモータ(図示省略)により回転駆動され
る。ベッド10上には、工作物Wに対し接近離隔される
Y方向に移動可能に砥石台15が案内支持されて、送り
モータ(サーボモータ)16により往復駆動される。7
個の砥石車Gが間をおいて同軸的に固定されて工作物W
に対し平行となるように配置された砥石軸19は、砥石
台15上に取り付けられた1対の砥石軸ハウジング1
7,18に流体軸受19aを介してその両端部が軸承さ
れ、モータ(図示省略)により回転駆動されている。
【0012】各砥石車Gにより研削される工作物Wの各
研削部Waの外周面には、工作物Wの取付誤差、砥石車
Gの摩耗、研削盤各部の熱変形、その他の要因により多
少のテーパが生じる場合がある。このようなテーパを補
正するために、図において左側となる一方の砥石軸ハウ
ジング17は、多少距離Y方向に移動可能となってい
る。すなわち図2に示すように、砥石台15の上面に固
定された砥石軸ハウジング17の下部にはY方向前後側
から1対の切欠部17bが設けられ、この切欠部17b
の間に形成される弾性支持部17aを中心として前後に
多少揺動することにより、砥石軸19を軸承する流体軸
受19aが設けられる砥石軸ハウジング17の中央部
は、多少距離Y方向に移動可能である。砥石軸ハウジン
グ17の後側(工作物Wと反対側)となる砥石台15上
には、上方に突出する突出部15aが形成され、この突
出部15aには砥石軸ハウジング17をY方向に往復動
させるテーパ調整手段Eが設けられている。
【0013】テーパ調整手段Eは、図2に示すように、
リンク機構20と駆動機構30により構成されている。
リンク機構20は、突出部15aに形成された空洞15
内に設けられており、流体軸受19aの後側となる砥石
軸ハウジング17に固定された案内レール21に上下方
向に移動自在に案内支持された直動支承部22及びこれ
に固定された直動部材23と、この直動部材23を砥石
台15の突出部15aに連結するリンク24により構成
されている。直動部材23は後側が開いた二叉状でリン
ク24の一端部はこの二叉状部分の間に挿入されて水平
な連結軸26により回動可能に連結され、リンク24の
他端部は突出部15aに設けた水平な支持軸25に軸受
25aを介して回動自在に支持されている。次に述べる
駆動機構30により直動部材23が砥石軸ハウジング1
7に対し上下動されればリンク24は支持軸25の中心
軸線O回りに回動し、これにより直動支承部22は案内
レール21を押し引きして砥石軸ハウジング17を弾性
支持部17a回りに回動し、その流体軸受19a及びこ
れに軸承される砥石軸19の一端部はY方向に往復動さ
れる。直動部材23に一体的に形成されて上方に突出す
る二叉状の連結部23aには、連結軸26と平行でY方
向に細長い長孔32bが形成されている。
【0014】また駆動機構30は、突出部15aの上部
に固定した筒状ブラケット31に上下動のみ可能に案内
支持されて調整モータ(サーボモータ)36により上下
動される昇降部材32を有している。昇降部材32の先
端部32aは両側に平行面が形成されて直動部材23の
連結部23aの二叉部の間に挿入され、それから両側に
突出する連結ピン33が長孔32bと係合することによ
り直動部材23と連結されている。ボールベアリングを
介して昇降部材32と同軸的に筒状ブラケット31に回
転自在に支持された回転軸34は、延長部31aを介し
て回転軸34と同軸的に筒状ブラケット31に取り付け
られた調整モータ36の出力軸36aに連結されて回転
駆動される。この回転軸34は、その下部に同軸的に一
体形成されたねじ軸35aと昇降部材32の上部に固定
されたナット部材35bよりなるボールねじ機構35を
介して、昇降部材32を上下動し、この上下動は連結ピ
ン33を介して直動部材23を上下動して、砥石軸ハウ
ジング17に支持された流体軸受19aをY方向に往復
動させる。図3に模式的に示すように、砥石軸19の両
端部は各砥石軸ハウジング17,18の流体軸受19a
の支持中心P,Qで支持されているので、一方の砥石軸
ハウジング17の流体軸受19aが上述のようにY方向
に往復動すれば、砥石軸19は他方の砥石軸ハウジング
18の流体軸受19aの支持中心Qを中心として小角度
回動する。この回動に伴い砥石軸19と砥石軸ハウジン
グ17,18の各流体軸受19aの間には中心線のずれ
が生じるが、テーパ補正のための回動量は微少であるの
で、このずれはこの両者19,19aの間の軸受隙間に
より吸収される。
【0015】ベッド10上には、工作物Wの各研削部W
aのうちの両端部WA,WBの外径を計測する1対の定
寸装置(測定手段)42A,42Bが設けられている。
制御装置40はこの両定寸装置42A,42Bからの計
測結果を入力して、送りモータ16と調整モータ36を
後述するように制御するものである。制御装置40に
は、粗研削、精研削、微研削などの各研削加工の際の砥
石台15の研削送り速度の設定値及び各終了時の工作物
Wの定寸径などの研削条件を入力し、また起動停止など
の操作を行うための制御盤41が設けられている。
【0016】次に、図3〜図6により、本発明による研
削盤におけるテーパ補正制御方法の説明をする。制御装
置40は砥石車G及び工作物Wを回転駆動した状態にお
いて、先ず送りモータ16を早送り速度として、図5に
示すように、砥石軸19を支持した砥石台15を原位置
Aから工作物Wに向かうY方向に所定の早送り速度で前
進させ、予め定められた所定位置Bに達したところで送
りモータ16を所定の空研削送り速度として砥石台15
を前進させて空研削を行い、予め定められた所定位置C
に達したところで送りモータ16を所定の粗研削送り速
度として砥石台15を前進させ、各砥石車Gを工作物W
の各研削部Waに当接してその外周面を粗研削する。
【0017】この粗研削の間、各定寸装置42A,42
Bは、砥石車Gにより研削される工作物Wの一端部WA
と他端部WBの外径を連続して計測し、両定寸装置42
A,42Bにより計測された工作物Wの一端部WAの外
径Aと他端部WBの外径Bのうち何れか小さい方が、予
め定められた定寸径D1に達した位置D(時点はT1、
図5参照)で、制御装置40は砥石台15の送りを停止
することなく図6に示すフローチャートにより精研削時
のテーパ補正制御を行う。制御装置40は先ずステップ
100において各定寸装置42A,42Bから入力した
両端部WA,WBの外径A,Bに基づいてテーパを判定
するためのこの外径の差x(=A−B、テーパ補正量)
を演算し、続くステップ101においてx>0であるか
否かを判定する。
【0018】x>0である場合は、図4(a) に示すよう
に左側の一端部WAの外径Aの方が他端部WBの外径B
よりも大きい場合であり、制御装置40は制御動作をス
テップ102に進めて、テーパ調整手段Eによるテーパ
補正送り速度Vc1と送りモータ16による砥石台15の
研削送り速度V1aを演算する。このテーパ補正送り速度
Vc1は砥石台15に対する砥石軸ハウジング17の送り
速度であり、最初のテーパ判定の時点T1で計測された
工作物Wの両端部WA,WBの外径A,Bの差(テーパ
補正量)xが、次に行われるテーパ判定時点(=次に述
べる精研削の終了時点T2)までの間に0となるような
値である。また研削送り速度V1aはベッド10に対する
砥石台15の送り速度であり、テーパ判定の時点T1で
計測された工作物Wの両端部WA,WBのうち外径が小
さい方(すなわち他端部WB)に対する砥石車Gの切込
み速度が予め定められた精研削における研削送り速度の
設定値V1となるような値である。このテーパ補正送り
速度Vc1(この場合は工作物Wに切り込む向き)と研削
送り速度V1aは、次の演算式により演算される。
【0019】 Vc1=X/2S ただし X:両支持中心P,Qの位置に換算したテーパ補正量の絶対値 =|x|・L0/L1 S:時点T1から時点T2までの加工時間=精研削加工時間 V1a=V1−(Vc1・L2/L0) なお、支持中心P,Q及び距離L0,L1,L2は図3
参照のこと。
【0020】このようなテーパ補正送り速度Vc1と砥石
台15の研削送り速度V1aをステップ102において演
算してから、制御装置40はステップ103において、
ベッド10に対する砥石台15の送り速度がV1aとな
り、砥石台15に対する砥石軸ハウジング17の送り速
度がVc1となるように、送りモータ16と調整モータ3
6に指令を与え、これにより砥石車Gによる工作物Wの
外周面の精研削がなされ、これと同時にテーパの補正が
なされる。なお、ステップ100〜102の演算処理
は、時点T1付近のごく短時間でなされる。
【0021】また、前述した精研削時のステップ101
においてx>0でない場合は、図4(b) に示すように左
側の一端部WAの外径Aの方が他端部WBの外径Bより
も小さい場合であり、制御装置40は制御動作をステッ
プ104に進めて、テーパ調整手段Eによるテーパ補正
送り速度Vc1と送りモータ16による砥石台15の研削
送り速度V1bを演算する。このテーパ補正送り速度Vc1
は前述と同じであるが、研削送り速度V1bは最初のテー
パ判定の時点T1で計測された工作物Wの両端部WA,
WBのうち外径が小さい方(すなわち一端部WA)に対
する砥石車Gの切込み速度が予め定められた精研削にお
ける研削送り速度の設定値V1となるような値である。
このテーパ補正送り速度Vc1(この場合は工作物Wから
離れる向き)と研削送り速度V1bは、次の演算式により
演算される。
【0022】Vc1=X/2S V1b=V1−(Vc1(L1+L2)/L0) 前述と同様、このようなテーパ補正送り速度Vc1と砥石
台15の研削送り速度V1bをステップ104において演
算してから、制御装置40はステップ105において、
ベッド10に対する砥石台15の送り速度がV1bとな
り、砥石台15に対する砥石軸ハウジング17の送り速
度がVc1となるように、送りモータ16と調整モータ3
6に指令を与え、これにより砥石車Gによる工作物Wの
外周面の精研削がなされる。
【0023】テーパ補正量xが正負何れの場合でも、こ
の精研削の間、各定寸装置42A,42Bは前述と同
様、工作物Wの一端部WAと他端部WBの外径を連続し
て計測し、計測された工作物Wの各端部WA,WBの外
径A,Bのうち何れか小さい方が、予め定められた定寸
径D2に達した位置E(時点はT2、図5参照)で、制
御装置40は砥石台15の送りを停止することなく、再
び図6のフローチャートにより微研削時のテーパ補正制
御を開始する。
【0024】精研削の間になされる工作物Wの外周面の
テーパの補正量(両支持中心P,Qの位置に換算した
値)は、 テーパ補正送り速度Vc1×精研削加工時間(T2−T
1) であり、上述の各式を代入すれば、このテーパの補正量
はXとなる。すなわち、精研削後の工作物Wの外周面の
テーパは0になるはずである。しかしながら実際には、
定寸装置42A,42Bの計測誤差その他の要因により
このテーパは必ずしも0にはならず、残ったテーパは次
の微研削により補正される。
【0025】時点T2で開始された微研削時のテーパ補
正制御は、砥石台15の研削送り速度、研削終了時の工
作物Wの定寸径などの設定値が精研削時と異なる点を除
き、前述と同様、図6に示すフローチャートにより行わ
れる。すなわち制御装置40は、先ずステップ100に
おいてテーパ補正量x(=A−B)を演算し、ステップ
101においてx>0であるか否かを判定して、精研削
の場合と同様に定められるテーパ補正送り速度Vc1と砥
石台15の研削送り速度V1aを演算する。x>0である
場合は、 Vc1=X/2S V1a=V1−(Vc1・L2/L0) であり、x>0でない場合は、 Vc1=X/2S V1b=V1−(Vc1(L1+L2)/L0) である。なお、この場合のSは、時点T2から時点T3
までの加工時間、すなわち微研削加工時間である。
【0026】そして制御装置40は、ステップ103ま
たはステップ105においてベッド10に対する砥石台
15の送り速度がV1aまたはV1bとなり、砥石台15に
対する砥石軸ハウジング17の送り速度がVc1となるよ
うに、送りモータ16と調整モータ36に指令を与え、
これにより砥石車Gによる工作物Wの外周面の微研削が
なされ、これと同時に精研削で残ったテーパの補正がな
される。この微研削の間、各定寸装置42A,42Bは
前述と同様、工作物Wの一端部WAと他端部WBの外径
を連続して計測し、計測された工作物Wの各端部WA,
WBの外径A,Bのうち何れか小さい方が、予め定めら
れた定寸径D3に達した位置F(時点はT3、図5参
照)で、制御装置40は砥石台15の送りを停止する。
次いで制御装置40は図6のステップ100と同様にし
て、微研削終了後の工作物W外周面のテーパを判定す
る。このテーパが所定の許容値内であれば砥石台15位
置及び砥石軸ハウジング17位置を停止したまま位置G
(図5参照)までスパークアウト研削を行ってから砥石
台15を所定位置Bまで戻り速度で後退させ、次いで早
送り速度で後退させて原位置Aに戻す。これにより1個
の工作物Wの研削加工サイクルが完了し、次いで工作物
Wを未研削のものと交換して同様の研削加工サイクルを
繰り返す。微研削後に判定したテーパが所定の許容値内
にない場合は、その工作物Wは異常として、修正または
廃棄などの異常処理を行う。
【0027】工作物Wを連続して加工する場合は、1個
の工作物Wに対する研削加工を終了した際における砥石
台15に対する砥石軸ハウジング17の位置をそのまま
に保持した状態で、次の工作物Wの研削加工を行う。こ
のようにすれば、次の工作物Wの粗研削終了時における
外周面のテーパは、前の工作物Wの微研削終了時におけ
る外周面のテーパと同程度になるので、精研削の際のテ
ーパ補正量xは少なくなる。従って、研削送りと同じ向
きのテーパ補正量が大きくなって砥石車Gの切込み速度
が過大になったり、あるいは研削送りと逆向きのテーパ
補正量が研削代より大きくなって外径が小さい方の一端
部の外周面の一部に研削の取り残しが生じたりすること
はなくなる。
【0028】上述した実施の形態では、粗研削及び精研
削の後にそれぞれ行われるテーパ補正は、精研削及び微
研削と同時に行われて各研削の終了と同時に終了するの
で、研削加工サイクルタイムは予め定められた砥石台1
5に対する各研削送り時間だけとなって変動することは
なくなる。従って、研削加工中に研削送りを停止してテ
ーパ補正を行っている従来技術に比して研削加工全体の
サイクルタイムを短くして生産効率を向上させることが
できる。
【0029】上述した実施の形態では、テーパ補正送り
速度Vc1は、あるテーパ判定の時点で計測されたテーパ
補正量x(=工作物Wの両端部WA,WBの外径A,B
の差)が、次に行われるテーパ判定時点までの間に0と
なるような値としているが、工作物Wを連続して加工す
る場合の1個目の工作物Wは粗研削後のテーパ補正量x
が大きくなることがあるので、外径が大きい方の一端部
(WAまたはWB)に対する砥石車Gの切込み速度が過
大になったり(A>Bの場合)、あるいは外径が小さい
方の一端部の外周面の一部に研削の取り残しが生じたり
(A<Bの場合)することがある。これを避けるには、
A>Bの場合において、Vc1>(VL −V1a)L0/
(L1+L2)のときは、Vc1を(VL −V1a)L0/
(L1+L2)に設定し、(ただし VL :砥石車Gの
切込み速度の限度値) またA<Bの場合において、Vc1>(D1−D2)/2
(T2−T1)のときは、Vc1を(D1−D2)/2
(T2−T1) に設定すればよい。なおこの場合に
は、精研削ではテーパが補正しきれずにかなりのテーパ
が残ることになるが、残ったテーパは次に続く微研削加
工の際に補正されて除去される。上述した実施の形態は
複数の砥石車を備えたマルチ研削盤について説明した
が、本発明は1個の砥石車を備えた通常の円筒研削盤に
適用することもできる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、所定の研削送りの終了
と同時にテーパ補正も終了するので、研削加工サイクル
タイムは予め定められた砥石台に対する研削送り時間だ
けとなって変動することはなくなり、研削加工中に研削
送りを停止してテーパ補正を行っている従来技術に比し
て研削加工全体のサイクルタイムを短くして生産効率を
向上させることができる。
【0031】本発明において、1個の工作物の研削加工
を終了した際における砥石台に対する砥石軸ハウジング
の位置をそのままに保持した状態で、次の工作物の研削
加工を開始するようにしたものによれば、必要なテーパ
補正量は前回の加工時の熱変位量との差分のみであり、
また同一工作物であれば工作物特性も等しいため、次の
工作物の研削加工の際には必要なテーパ補正量を少なく
なる。従って、テーパ補正に伴い砥石車の切込み速度が
過大になったりあるいは研削の取り残しが生じたりする
ことはなくなる。
【0032】また本発明において、研削条件を変えて工
作物の研削加工を複数回行うと共にテーパ判定時点は各
研削加工の終了時点とし、テーパ補正送りの速度は、テ
ーパ判定時点において1対の測定手段により計測された
工作物の両端部の外径の差が予め定めた所定値より大き
い場合は、外径の差が次のテーパ判定時点までの間に0
となるようにする代わりに前記所定値に設定したものに
よれば、テーパ補正量が大きい場合でも砥石車の切込み
速度が過大になったりあるいは研削の取り残しが生じた
りすることはなくなる。なおこの場合において、取りき
れずに残ったテーパは次に続く研削加工の際に補正され
て除去される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるテーパ補正制御方法が適用され
る研削盤の一例を示す平面図である。
【図2】 図1の2−2線に沿った拡大断面図である。
【図3】 図1の要部を模式的に示す図である。
【図4】 テーパ判定時点における2つの状態を模式的
に示す図である。
【図5】 本発明によるテーパ補正制御方法の作動を説
明するタイムチャートである。
【図6】 テーパ補正研削制御のフローチャートであ
る。
【図7】 従来技術によるテーパ補正制御方法の作動を
説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
10…ベッド、15…砥石台、17,18…砥石軸ハウ
ジング、19…砥石軸、42A,42B…測定手段(定
寸装置)、G…砥石車、W…工作物、WA,WB…両端
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊地 宏朗 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 牧野 直樹 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 Fターム(参考) 3C034 AA19 BB09 BB42 CA02 CA26 CA30 CB01 CB08 DD15 DD20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥石台に取り付けられた1対の砥石軸ハ
    ウジングに両端部が支持されて回転駆動される砥石軸に
    砥石車を固定し、前記砥石軸と平行にベッド上に支持し
    た工作物に対し前記砥石台を接近または離隔するY方向
    に相対的に移動し、前記工作物の外周面を前記砥石車に
    より研削し、1対の測定手段によりそれぞれ計測した前
    記工作物Wの両端部の外径に基づいて前記1対の砥石軸
    ハウジングの少なくとも一方を前記砥石台に対し前記Y
    方向に移動して前記工作物の外周面のテーパを補正する
    ようにしてなる研削盤におけるテーパ補正制御方法にお
    いて、前記砥石台を前記Y方向において前記工作物に対
    し相対的に移動する研削送りと前記砥石軸ハウジングを
    前記Y方向において前記砥石台に対し移動するテーパ補
    正送りを同時に行い、前記テーパ補正送りの速度は所定
    のテーパ判定時点において前記1対の測定手段により計
    測された前記工作物の両端部の外径の差が次のテーパ判
    定時点までの間に0となるように設定し、前記研削送り
    の速度は前記所定のテーパ判定時点において前記1対の
    測定手段により計測された前記工作物の両端部のうち外
    径が小さい方に対する前記砥石車の切込み速度が前記次
    のテーパ判定までの間は予め定められた所定の研削送り
    速度となるように設定することを特徴とする研削盤にお
    けるテーパ補正制御方法。
  2. 【請求項2】 1個の工作物に対する研削加工を終了し
    た際における前記砥石台に対する前記砥石軸ハウジング
    17の位置をそのままに保持した状態で、次の工作物の
    研削加工を開始することを特徴とする請求項1に記載の
    研削盤におけるテーパ補正制御方法。
  3. 【請求項3】 前記工作物の研削加工は研削条件を変え
    て複数回行うと共に前記テーパ判定時点は各研削加工の
    終了時点とし、前記テーパ補正送りの速度は、前記テー
    パ判定時点において前記1対の測定手段により計測され
    た前記工作物の両端部の外径の差が予め定めた所定値よ
    り大きい場合は、前記外径の差が次のテーパ判定時点ま
    での間に0となるようにする代わりに前記所定値以下に
    設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の研削盤におけるテーパ補正制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003039278A (ja) * 2001-07-27 2003-02-12 Okuma Corp 工作機械の熱変位補正装置
CN116276654A (zh) * 2023-02-10 2023-06-23 重庆荆江汽车半轴股份有限公司 一种基于双外径量仪的纵磨控制方法

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