JP2008093788A - 研削盤 - Google Patents
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Abstract
【課題】一定条件の下で、AEセンサ16はワークwの研削中における研削抵抗に比例した出力を発生するという知見に基づいて能率的且つ高精度な研削を可能とするほか研削砥石10の効率的なドレスを可能とする。
【解決手段】ワークwの研削中に研削抵抗に対応した出力を得るものとしたAEセンサ16を設けると共に、該AEセンサ16の出力に基づいて研削中の研削抵抗が特定値を超えないように研削砥石10とワークwの相対変位を制御するものとした砥石送り制御手段24を設ける。またAEセンサ16の出力から検出された研削中の研削抵抗の大きさが特定値を超えたときに研削砥石10のドレスを行わせるものとしたドレス制御手段26を設ける。
【選択図】図2
【解決手段】ワークwの研削中に研削抵抗に対応した出力を得るものとしたAEセンサ16を設けると共に、該AEセンサ16の出力に基づいて研削中の研削抵抗が特定値を超えないように研削砥石10とワークwの相対変位を制御するものとした砥石送り制御手段24を設ける。またAEセンサ16の出力から検出された研削中の研削抵抗の大きさが特定値を超えたときに研削砥石10のドレスを行わせるものとしたドレス制御手段26を設ける。
【選択図】図2
Description
本発明は、ワークを支持し特定中心線回りへ回転させるワーク支持回転手段と、砥石軸回りへ回転されワークに対しワーク回転半径方向へ相対変位される研削砥石とを備えた研削盤に関する。
研削盤において、特許文献1又は2に示すように、研削状況(研削砥石とワークの相互作用状況)を検出するAE(アコースティックエミッション)センサが設けられることがある。このAEセンサは例えばワーク研削中の研削焼け、研削砥石の目詰まり、研削砥石の切れ味の良否などを検出するものとして使用されている。
また研削盤による研削開始時において、特許文献3に示すように、研削砥石をワークに早く接触させるためにAEセンサが設けられることがある。このAEセンサは研削砥石とワークの接触の発生を検出するものとして使用されている。
また研削盤において、特許文献4、5又は6に示すように、研削砥石のドレッシングの制御系にAEセンサが設けられることがある。このAEセンサは研削砥石とドレッサーとの接触の発生などを検出するものとして使用されている。
上記AEセンサはアコースティックエミッションシグナル(周波数が例えば100kHz〜1000kz程度の超音波領域である振動波或いは音波)を検出するものとして既に公知であるが、本発明者等は研削盤上でのAEセンサの特性を実験により確認する過程で、研削盤のシステム系に変化がなければ、つまりワークの形状及び寸法や、加工条件に変化がなければ、研削盤上に固定されたAEセンサはワークの研削中における研削抵抗に比例した出力を発生するという事実を知るに至ったのである。
本発明は、このような知見に基づいて能率的且つ高精度な研削を可能とした研削盤を提供することを一つの目的としている。
一方、従来の研削盤においては、研削砥石のドレス時期は、研削されたワークの表面粗さや真円度を計測して、それらが許容値を超える時点を参考にして決定しているが、この時点は研削砥石の摩耗状況、研削液の汚染度、研削液の循環量、研削条件、ドレス条件などの変化により異なったものとなるのであり、したがって研削砥石のドレスは余裕をもって早めに実施するようになされる。
しかし、この早めの実施は研削砥石の過剰ドレスとなり、無駄な消耗を増大させてしまうのである。
しかし、この早めの実施は研削砥石の過剰ドレスとなり、無駄な消耗を増大させてしまうのである。
本発明は、このような問題点をも上記知見に基づいて解消しようとするものであって、即ち、研削砥石のドレスを最適時期に行わせて研削砥石の無駄な消耗を効果的に阻止できるものとした研削盤を提供することを他の一つの目的としている。
本願の第一発明に係る研削盤は、請求項1に記載したように、ワークを支持し特定中心線回りへ回転させるワーク支持回転手段と、砥石軸回りへ回転されワークに対しワーク回転半径方向へ相対変位される研削砥石とを備えた研削盤において、ワークの研削中に研削抵抗に対応した出力を得るものとしたAEセンサを設けると共に、該AEセンサの出力に基づいて研削中の研削抵抗が特定値を超えないように前記相対変位を制御するものとした砥石送り制御手段を設けたことを特徴とするものである。
この発明は次のように具体化するのがよいのであって、即ち、請求項2に記載したように、前記砥石送り制御手段は、粗研削過程では研削能力を最大限に発揮する砥石送り速度で切込み、精研過程では表面粗さの悪化が生じない最大限の砥石送り速度で実施させる構成とする。
次に第二発明に係る研削盤は、請求項3に記載したように、ワークを支持し特定中心線回りへ回転させるワーク支持回転手段と、砥石軸回りへ回転されワークに対しワーク回転半径方向へ相対変位される研削砥石とを備えた研削盤において、ワークの研削中に研削抵抗に対応した出力が得られるものとしたAEセンサと、該AEセンサの出力から検出された研削中の研削抵抗の大きさが特定値を超えたときに研削砥石のドレスを行わせるものとしたドレス制御手段を設けたことを特徴とするものである。
この発明は次のように具体化するのがよい。
即ち、請求項4に記載したように、前記研削砥石によるドレスが実施された場合には該ドレス直後の粗研過程においてAEセンサの出力から検出される研削抵抗の大きさを基準値とするか、或いは、前記研削砥石によるスパークアウトが実施された場合には該スパークアウト開始時にAEセンサの出力から検出される研削抵抗の大きさを基準値とし、該基準値に予め決定した定数を乗じて得た値が前記特定値となされる構成とする。
即ち、請求項4に記載したように、前記研削砥石によるドレスが実施された場合には該ドレス直後の粗研過程においてAEセンサの出力から検出される研削抵抗の大きさを基準値とするか、或いは、前記研削砥石によるスパークアウトが実施された場合には該スパークアウト開始時にAEセンサの出力から検出される研削抵抗の大きさを基準値とし、該基準値に予め決定した定数を乗じて得た値が前記特定値となされる構成とする。
上記した本発明によれば、次のような効果が得られる。即ち、請求項1記載のものによれば、AEセンサにより研削抵抗を高精度且つ即時的に実測することが可能となり、これにより研削加工中の研削砥石の研削抵抗(切れ味)を継続して厳密に監視することができるのである。
請求項2に記載のものによれば、粗研加工中の全期間の各時点で支障(研削箇所の表面粗さの悪化)の生じない最大限の研削能力が発揮されるような砥石台送り速度を得ることができて研削能率が向上するのであり、また精研加工中の全期間の各時点でも研削箇所の精研段階に必要とされる表面粗さが安定的に得られる最大限の砥石台送り速度を正確に得ることができるのであり、その結果、表面粗さの品質を確保した上で研削能率の向上が図られるものである。
請求項3に記載のものによれば、ワークの研削中におけるAEセンサの出力から研削抵抗が継続して正確に検出され、この研削抵抗をパラメータとして研削砥石の切れ味が判断できるため、ワークの研削中の全期間に亘って研削砥石の切れ味が継続的且つ正確に検出されるようになるのであり、この検出中に研削抵抗が特定値を超えると研削砥石のドレッシングが実施されるため、最適時期のドレッシングが行われるものとなって、研削砥石の無駄な消耗が抑制されると共に砥石寿命が延びるのであり、また研削中の研削砥石の切れ味が常に正確に一定程度以上に保持されてワークの研削箇所の表面粗さや加工精度の品質が安定的に一定程度以上を確保されるのである。
請求項4に記載のものによれば、特定値が、ワークの研削過程において安定した大きさの研削抵抗となる特定時点の実際研削中の研削抵抗を基準としたため、ドレスすべき最適時期の研削抵抗に正確に対応したものとなるのであり、したがって同一種類のワークの繰り返し研削において最初のドレッシングの後のドレッシングをそのワーク研削での正確な最適時期に実行することが可能となり、研削砥石の寿命の長期化が最大限に図られる共に、ワークの研削箇所の表面粗さや加工精度の品質保持が一層、安定的且つ正確に確保されるようになる。
本発明に係る研削盤の実施例を図1〜図8を参照して説明する。
図1は円筒体やカムなどを研削するさいに使用される一般的なCNC研削盤を示し、1はベッド、2はベッド1上に左右方向(Z軸方向)の移動自在に設けられたワーク支持テーブル、3はベッド1上に前後方向(X軸方向)の移動自在に設けられた砥石台である。
図1は円筒体やカムなどを研削するさいに使用される一般的なCNC研削盤を示し、1はベッド、2はベッド1上に左右方向(Z軸方向)の移動自在に設けられたワーク支持テーブル、3はベッド1上に前後方向(X軸方向)の移動自在に設けられた砥石台である。
4はベッド1と同体部位に設けられたワーク支持テーブル2送り用のサーボモータで、ワーク支持テーブル2を図示しないネジ送り機構を介してZ軸方向へ送り移動させるようになされている。5はベッド1と同体部位に設けられた砥石台3送り用のサーボモータで、砥石台3を図示しないネジ送り機構を介してX軸方向へ送り移動させるようになされている。
ワーク支持テーブル2上には主軸台6及び心押し台7を備えたワーク支持回転手段が形成されている。8は主軸台6上に設けられた主軸9を駆動するためのサーボモータ、10は砥石台3上の砥石軸11に固定された研削砥石、12は砥石軸11を回転させるためのモータである。主軸台6には主軸9と同心状に配置された主軸センタ13a及びケレ回し13が設けられ、また心押し台7には主軸9と同心状に配置された心押しセンタ14が設けられている。このさい、心押し台7の代わりに右主軸台を設け、これに主軸センタ13aと同様の部材を主軸9と同心状の同期回転可能に設けることもできる。そして主軸台6の研削砥石10存在側の下部には研削砥石10をドレスするためのドレッサー6aが固設されている。またワーク支持テーブル2上にはワークwの研削中にこれの直径を測定するものとした定寸装置15が設けられている。この定寸装置15はワークwの周面に当接される接触子を具備したものとなされる。
図2において、16はAEセンサで、砥石軸11の中心部で研削砥石10の近傍に固定状に埋設されている。AEセンサ16の出力部は砥石軸11の反砥石側の軸端に固定された送信部17と電気的に結合されている。18は送信部17から送信された信号を非接触状態で受信する受信部で、砥石軸11を回転自在に支持する軸受19と同体状に固定された支持片20に固定されている。この受信部18は各部を制御するための数値制御装置21と電気的に結合されている。22は研削砥石10の外周を覆う砥石カバーである。
AEセンサ16周辺の構成は図3に示すように変形することもできるのであって、この例ではAEセンサ16は砥石軸11の砥石側の軸端に固定状に埋設され、送信部17はAEセンサ16を覆うようにAEセンサ16の外側に砥石軸11と同体状に固定され、受信部18は砥石カバー22に支持片20を介して固定されている。図2中の各部に対応する箇所には同一符号が付してある。
上記したCNC研削盤の使用にさいしては、数値制御装置21に組み込まれたコンピュータに自動的な研削を図4に示すように実行させるためのプログラムを記憶させる。そして、主軸センタ13aと心押しセンタ14との間に、ワークwを位置させ、これの各端部をこれら主軸センタ13a及び心押しセンタ14に固定状に把持させる。このさい、ワークwの中心は主軸9の回転中心に合致される。この後、各部を作動状態となして、自動的な研削を開始させる。
この自動的な研削における各部の作動を順に説明する。
先ず、モータ12が回転され、研削砥石10が回転駆動される。また、必要に応じサーボモータ4が回転され、ワーク支持テーブル2がZ軸方向へ移動される。これによりワークwが主軸台6などと共に移動され、研削すべきワークwはX軸方向上で研削砥石10と対向した状態となされる。続いて、砥石台3はX軸方向の機械座標上で、図4に示すように、予めプログラムで特定されている基準位置である座標位置p1に位置される。
先ず、モータ12が回転され、研削砥石10が回転駆動される。また、必要に応じサーボモータ4が回転され、ワーク支持テーブル2がZ軸方向へ移動される。これによりワークwが主軸台6などと共に移動され、研削すべきワークwはX軸方向上で研削砥石10と対向した状態となされる。続いて、砥石台3はX軸方向の機械座標上で、図4に示すように、予めプログラムで特定されている基準位置である座標位置p1に位置される。
この後、数値制御装置21に組み込まれた高速前進機能部23が次のように作動する。
即ち、研削砥石10を前進させる前にAEセンサ16を作動状態とする。このとき、研削砥石10はワークwに接触していないため空転していて空気を研削している状態となる。したがってAEセンサ16は研削砥石10の研削抵抗(研削抵抗と研削主分力の比は研削条件が同一であれば定数となるため、研削主分力でもよい。ここに、研削主分力とは研削点に作用する研削抵抗の分力の一つで研削点を通る砥石接線方向の力を言うものである。)が殆どゼロであることを示すゼロ出力を発し、このゼロ出力が送信部17及び受信部18を経て数値制御装置21に伝達される。
即ち、研削砥石10を前進させる前にAEセンサ16を作動状態とする。このとき、研削砥石10はワークwに接触していないため空転していて空気を研削している状態となる。したがってAEセンサ16は研削砥石10の研削抵抗(研削抵抗と研削主分力の比は研削条件が同一であれば定数となるため、研削主分力でもよい。ここに、研削主分力とは研削点に作用する研削抵抗の分力の一つで研削点を通る砥石接線方向の力を言うものである。)が殆どゼロであることを示すゼロ出力を発し、このゼロ出力が送信部17及び受信部18を経て数値制御装置21に伝達される。
上記ゼロ出力が数値制御装置21に確認されたことにより、数値制御装置21に組み込まれた砥石台送り制御手段24が砥石台3を図4に示すようにワークwへ近づけるべく特定速度Vkで高速前進させる。この高速前進中にもAEセンサ16は研削抵抗を検出するべく出力を発し続けるのであり、数値制御装置21はこの出力を比較的短い時間間隔Δtでサンプリングし、各サンプリング時点での研削抵抗を即時的に検出する。
こうして特定された研削抵抗が、予め設定された特定値を超えたとき、砥石台送り制御手段24は研削砥石10の切込み速度が予め決定されている粗研時の切込み速度(砥石台送り速度)Vp1に合致するように砥石台3の前進速度を低下させる。
例えば、図5Aに示すようにプランジカット研削を実行するときは砥石台送り速度を粗送り速度に低下させるのであり、また図5Bに示すようにトラバースカット研削を実行するときはワーク支持テーブル2の送り方向を切り替えるときの砥石台3の送り量を粗研に対応した大きさとなすことにより砥石台送り速度を粗送り速度となされる。
例えば、図5Aに示すようにプランジカット研削を実行するときは砥石台送り速度を粗送り速度に低下させるのであり、また図5Bに示すようにトラバースカット研削を実行するときはワーク支持テーブル2の送り方向を切り替えるときの砥石台3の送り量を粗研に対応した大きさとなすことにより砥石台送り速度を粗送り速度となされる。
以上のような高速前進機能の作動が行われた後は、図4に示すように粗研又は中粗研を行った後、必要に応じバックオフを実行して、最後にスパークアウトを実行する。なお粗研と中粗研に分けないで中粗研の段階をも粗研として粗研時の砥石台送り速度で研削することも差し支えない。図4中、Vp11は中粗研時の砥石台送り速度であり、Vp2は精研時の砥石台送り速度である。
数値制御装置21には切込み過程の最適化機能部25が組み込まれている。この最適化機能部25には、研削抵抗の制御によるもの25Aと、ファジイ制御によるもの25Bとがある。
(1)先ず、研削抵抗の制御による切込み過程の最適化機能部25Aについて説明する。
これは研削抵抗のモニタリングにより切込み過程を最適化するものである。
さらに詳細に説明すると、上記した粗研、中粗研、精研のそれぞれに対応した研削抵抗の限界値(上限値)が実験的に定められており、数値制御装置21は予めこの上限値を入力され記憶している。この最適化機能部25Aの作動状態では、粗研、中粗研、精研のそれぞれの段階の全期間中、或いは必要とされる段階の期間中に、数値制御装置21はAEセンサ16の出力から研削抵抗を比較的短い時間間隔Δtで即時的に実測するのであり、砥石送り制御手段24はこの実測された研削抵抗がそれぞれの段階の上限値を超えない程度の最大値近傍を維持するように砥石台3を前進側へ送り移動させる。これによりワークwの加工に伴う研削砥石10の切れ味の劣化による研削面の表面粗さの悪化が回避されると共に、装置の研削能力が効果的に発揮されて能率的な研削が実行される。
これは研削抵抗のモニタリングにより切込み過程を最適化するものである。
さらに詳細に説明すると、上記した粗研、中粗研、精研のそれぞれに対応した研削抵抗の限界値(上限値)が実験的に定められており、数値制御装置21は予めこの上限値を入力され記憶している。この最適化機能部25Aの作動状態では、粗研、中粗研、精研のそれぞれの段階の全期間中、或いは必要とされる段階の期間中に、数値制御装置21はAEセンサ16の出力から研削抵抗を比較的短い時間間隔Δtで即時的に実測するのであり、砥石送り制御手段24はこの実測された研削抵抗がそれぞれの段階の上限値を超えない程度の最大値近傍を維持するように砥石台3を前進側へ送り移動させる。これによりワークwの加工に伴う研削砥石10の切れ味の劣化による研削面の表面粗さの悪化が回避されると共に、装置の研削能力が効果的に発揮されて能率的な研削が実行される。
ところで、このような最適化は寸法誤差ゼロの研削にとって支障はないものの、研削面の表面粗さの目標品質を確保するうえでは不十分である。即ち、表面粗さについては、研削加工の各段階の最終段(精研)において、ある程度まで改善されていなければ、スパークアウト研削が実施されても目標とする品質に到達することが困難となるのである。これに対処して、表面粗さの品質が計画通りとなるように定量的に安定した状態で研削することを繰り返すことが必要である、そこで最適化機能部25Aは、最終段(精研)での研削時間と研削抵抗を、予め実験的に確認されている値に維持するのである。これにより、スパークアウト研削を開始する時点では各ワークwの表面粗さが同程度になり、最終的な表面粗さは常に目標とする品質に合致したものとなる。
このように表面粗さの品質をも考慮した切込み過程の最適化を、例えばプランジカット研削において実行するときは、プランジカット速度及び研削抵抗(又は研削主分力)と、研削時間との関係は例えば図6に示すようなものとなされる。
図6中、研削時間tがゼロ以下の領域S0ではAEセンサ16による研削抵抗の検知により高速前進機能部23の作動が実行され、砥石台3が高速前進速度Vkで前進送りされる。Vp1は第一の段階(粗研)S1の基準となるプランジ速度を示し、Vp2は第二の段階(精研)S2の基準となるプランジ速度を示している。第一及び第二の各段階S1、S2では、それぞれの段階の研削抵抗の限界値q1max、q2maxに略合致するように、実際のプランジ速度VpはAEセンサ16の出力から即時的に実測される研削抵抗(研削主分力)qに基づいて制御される。第一の段階S1の初期では、VpがVp1より大きくなされて、研削抵抗の限界値q1maxに急速に漸近するように制御されている。そして第二の段階S2ではこれに対応した研削抵抗の限界値q2maxに略合致する研削抵抗qとなる研削がt2時間継続される。この第二の段階S2の後の段階S3ではスパークアウト研削が行われる。
(2)次にファジイ制御による切込み過程の最適化機能部25Bについて説明する。
この機能部25Bも、研削能率の向上と、研削面の表面粗さの品質確保とを確保するもので数値制御装置21に組み込まれている。この機能部25Bによる研削では図6における第二の段階S2の研削をファジイ制御により実行するものである。
この機能部25Bも、研削能率の向上と、研削面の表面粗さの品質確保とを確保するもので数値制御装置21に組み込まれている。この機能部25Bによる研削では図6における第二の段階S2の研削をファジイ制御により実行するものである。
この最適化機能部25Bによるプランジカット研削では、プランジ速度Vp及び研削抵抗(研削主分力)qと、研削時間tとの関係は例えば図7に示すようなものとなされる。図7中、第二の段階S2では、ファジイ制御によりプランジ速度Vp及び研削抵抗(研削主分力)qが漸減されると共にこれらの変化率も漸減される。第二の段階S2の後の段階S3では先と同様にスパークアウト研削に移行するが、この移行点ではプランジ速度Vp及び研削抵抗(研削主分力)qは殆ど変化しないものとなされる。その他の点は図6の場合と同様である。
さらに数値制御装置21にはドレス制御手段26が組み込まれている。このドレス制御手段26は、AEセンサ16の出力から検出された研削中の研削抵抗の大きさが特定値を超えたときに研削砥石10のドレスを行わせるものである。
このドレス制御手段26の作動について図8を参照して説明する。
図4に示す研削過程における全期間若しくは粗研削、中粗研又は精研の何れかの期間などにおいて、或いは、図6又は図7に示す研削過程における全期間若しくは第一段階又は第二段階の何れかの期間などにおいて、図8のステップ(1)に示すように、AEセンサ16を作動状態に保持し、その出力からワーク研削中の研削抵抗を継続的に検出し監視する。
図4に示す研削過程における全期間若しくは粗研削、中粗研又は精研の何れかの期間などにおいて、或いは、図6又は図7に示す研削過程における全期間若しくは第一段階又は第二段階の何れかの期間などにおいて、図8のステップ(1)に示すように、AEセンサ16を作動状態に保持し、その出力からワーク研削中の研削抵抗を継続的に検出し監視する。
そして図8のステップ(2)に示すように、図8のステップ(1)で検出した研削抵抗の大きさが任意に設定された特定値(設定値)を超えるまで、特定値を超えたか否かを判定することを微少時間間隔で繰り返す。
このさい特定値は、最初のワークwの研削ではこのワークwの実際の研削により得られるデータを基準とすることができないため、例えば経験値又は実験値を基準とし、これに第一定数を乗じて算出したものとする。このさい、経験値又は実験値は、例えば、鋼材などの基準材質からなるワークwの研削における粗研過程のドレス直後のワーク研削中の研削抵抗か、又はスパークアウト開始時の研削抵抗の大きさとなす。そして、第一定数は、例えば加工条件などに対応して予め決定しておくのであり、具体的には、例えば研削すべきワークwの材質、砥石の種類、又は研削工程の各段階(精研、中粗研、精研)ごとに或いはこれらの任意な組み合わせごとに決定する。
そして検出された研削抵抗の大きさが特定値を予め定めた比較的短い一定時間に亘って超えたときは図8のステップ(3)へ移行し、数値制御装置21にドレスサイクル指令を発信する。このさい、研削抵抗の大きさが特定値を瞬間的に超えただけでは超えたと判定しないことにより、ノイズによる誤作動が排除される。また特定値は研削工程の各段階(粗研、中粗研、精研)ごとに対応したものとなされるのであり、その大きさは研削砥石10の切込み速度の関係から粗研、中粗研、精研の順に小さくなる。
次に研削工程終了後に図8のステップ(4)に移行するのであり、ここでは、先の指令に基づいて、数値制御装置21が予め入力されているプログラムに従って各部を制御し研削砥石10をドレッサ6aに接触させて自動的なドレッシングを実行させる。そしてドレッシングの終了が確認されたとき、図8のステップ(5)へ移行するのであり、ここでは、研削加工を再開させ、再び図8のステップ(1)に戻るのである。
上記のワーク研削の後にも同一のワークwを繰り返し加工するさいは、上記のドレスサイクルによるドレッシングが粗研過程で実行されたとき該ドレス直後の同一のワークの研削においてAEセンサ16の出力から検出される研削抵抗の大きさを記憶しておき、これを上記基準値に代えて新たな基準値とするか、或いは、上記のワーク研削においてスパークアウトが実施されたとき該スパークアウト開始時にAEセンサ16の出力から検出される研削抵抗の大きさを記憶しておき、これを上記基準値に代えて新たな基準値とするのがよい。
そして、これら新たな基準値の何れかに、予め決定してある第二定数を乗じて上記特定値に代わる新たな特定値を算出し、以後に行われるドレスサイクルはこの新たな特定値を使用して実行する。このさい、第二定数は異なる加工条件ごとに、即ち例えば研削工程の各段階(粗研、中粗研、精研)ごとに決定する。なお、最初のドレスサイクル時の加工条件と同一である事項、例えば研削すべきワークの材質及び性質や、砥石の種類などは考慮しなくてよい。
上記した新たな特定値は同一種類のワークwの研削において安定した大きさとなる実際の研削抵抗を基準としたため、そのワークの研削における最適ドレス時期の研削抵抗と正確に合致するものとなるのであり、したがって2本目以降のワークwの研削における新たな特定値によるドレスサイクルが実行されることにより、ワークwの研削箇所の表面粗さ及び加工精度の品質は一層安定的且つ正確に確保され、また研削砥石10の無駄な消耗はさらに厳密に抑制されるのである。
6 主軸台(ワーク支持回転手段)
7 心押し台(ワーク支持手段)
9 主軸(ワーク支持手段)
10 研削砥石
11 砥石軸
13a 主軸センタ(ワーク支持手段)
14 心押しセンタ(ワーク支持手段)
16 AEセンサ
24 砥石送り制御手段
26 ドレス制御手段
p1 基準位置
w ワーク
7 心押し台(ワーク支持手段)
9 主軸(ワーク支持手段)
10 研削砥石
11 砥石軸
13a 主軸センタ(ワーク支持手段)
14 心押しセンタ(ワーク支持手段)
16 AEセンサ
24 砥石送り制御手段
26 ドレス制御手段
p1 基準位置
w ワーク
Claims (4)
- ワークを支持し特定中心線回りへ回転させるワーク支持回転手段と、砥石軸回りへ回転されワークに対しワーク回転半径方向へ相対変位される研削砥石とを備えた研削盤において、ワークの研削中に研削抵抗に対応した出力の得られるものとしたAEセンサと、該AEセンサの出力に基づいて研削中の研削抵抗の大きさが特定値を超えないように前記相対変位を制御するものとした砥石送り制御手段とを設けたことを特徴とする研削盤。
- 前記砥石送り制御手段は、粗研削過程では研削能力を最大限に発揮する砥石送り速度で切込み、精研過程では表面粗さの悪化が生じない最大限の砥石送り速度で実施させる構成を特徴とする請求項1記載の研削盤。
- ワークを支持し特定中心線回りへ回転させるワーク支持回転手段と、砥石軸回りへ回転されワークに対しワーク回転半径方向へ相対変位される研削砥石とを備えた研削盤において、ワークの研削中に研削抵抗に対応した出力が得られるものとしたAEセンサと、該AEセンサの出力から検出された研削中の研削抵抗の大きさが特定値を超えたときに研削砥石のドレスを行わせるものとしたドレス制御手段を設けたことを特徴とする研削盤。
- 前記研削砥石によるドレスが実施された場合には該ドレス直後の粗研削過程においてAEセンサの出力から検出される研削抵抗の大きさを基準値とするか、或いは、前記研削砥石によるスパークアウトが実施された場合には該スパークアウト開始時にAEセンサの出力から検出される研削抵抗の大きさを基準値とし、該基準値に予め決定した定数を乗じて得た値が前記特定値となされることを特徴とする請求項3記載の研削盤。
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