JP4789096B2 - 円筒度制御装置、円筒度制御方法及び円筒加工機 - Google Patents

円筒度制御装置、円筒度制御方法及び円筒加工機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円筒状工作物の外径加工を行う際に、その円筒度の向上を図れるようにした円筒度制御方法、円筒度制御装置、円筒加工機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、円筒状工作物の外径研削加工を行う研削盤としては、センタレス式の円筒研削盤とセンタ支持式の円筒研削盤が知られている。センタレス式の場合は準備作業が多く非能率的であるため、少量の円筒状工作物しか研削しない少量生産を行う際は、一般に準備作業が比較的少ないセンタ支持式の円筒研削盤が用いられる。
【0003】
しかしながら、従来のセンタ支持式の円筒研削盤によると、円筒状工作物をその両端面側からセンタで挟持するという工作物の支持構造を採用するため、たとえば、直径が4mmで長さが50mmのように細長い円筒状工作物の外径研削加工を行うとき、その研削力により円筒状工作物が弾性変形して撓むことから、円筒状工作物の最終仕上げ形状がビア樽形状になる、すなわち円筒状工作物の長手方向中央部が太く仕上がる等、最終製品としての円筒状工作物の円筒度が低下するという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、円筒状工作物の外径加工を行う際に、その円筒度の向上を図るに好適な円筒度制御方法、円筒度制御装置、円筒加工機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る円筒度制御装置は、円筒状工作物と工具とが該円筒状工作物の長手方向に相対的に往復運動し、その往復運動端で上記工具に対して上記円筒状工作物の半径方向への切込が与えられ、その往路と復路の過程で上記工具による円筒状工作物の外径加工が行われるときに、上記円筒状工作物の直径を該円筒状工作物の長手方向に沿って測定する外径測定器と、上記往路または復路のいずれか一方の過程で上記外径測定器が測定した測定値に基づき上記円筒状工作物の円筒度誤差を求める円筒度誤差演算手段と、上記円筒度誤差演算手段で求めた上記円筒状工作物の円筒度誤差に基づき上記往路または復路のいずれか他方の過程で上記工具の切込量を補正する補正手段とを具備することを特徴とするものである。
【0006】
本発明に係る円筒度制御装置は、円筒状工作物と工具とが該円筒状工作物の長手方向に相対的に往復運動し、その往復運動端で上記工具に対して上記円筒状工作物の半径方向への切込が与えられ、その往路と復路の過程で上記工具による円筒状工作物の外径加工が行われるときに、上記円筒状工作物の直径を該円筒状工作物の長手方向に沿って測定する外径測定器と、上記往路または復路のいずれか一方の過程で上記外径測定器が測定した測定値に基づき上記円筒状工作物の円筒度誤差を求める円筒度誤差演算手段と、上記円筒度誤差演算手段で求めた上記円筒状工作物の円筒度誤差に基づき上記円筒状工作物における実際の撓み量を求めるとともに、この実際の撓み量を用いて円筒状工作物に実際に加わっている研削法線力を推定する推定手段と、上記推定手段で推定した研削法線力に基づき円筒状工作物の理論上の撓み量を求めるとともに、この理論上の撓み量を用いて上記往路または復路のいずれか他方の過程で上記工具の切込量を補正する補正手段とを具備することを特徴とするものである。
【0007】
本発明に係る円筒度制御装置は、上記円筒度制御装置において、上記補正手段により補正された切込量で上記円筒状工作物の外径加工を行う前に予め、上記工具と上記円筒状工作物との相対的な往復運動による外径加工として予め定められた一定の切込量で上記円筒状工作物の外径加工を行う、及び、その外径加工において上記外径測定器による円筒状工作物の直径の測定を行い、その測定値が安定したら、上記補正手段により補正された切込量で円筒状工作物の外径加工を行う処理に切り替わることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る円筒度制御方法は、円筒状工作物と工具とが該円筒状工作物の長手方向に相対的に往復運動し、その往復運動端で上記工具に対して上記円筒状工作物の半径方向への切込が与えられ、その往路と復路の過程で上記工具による円筒状工作物の外径加工が行われるときに、上記円筒状工作物の直径を該円筒状工作物の長手方向に沿って外径測定器により測定する測定処理と、上記往路または復路のいずれか一方の過程で上記外径測定器が測定した測定値に基づき上記円筒状工作物の円筒度誤差を求める円筒度誤差演算処理と、上記円筒度誤差演算処理で求めた上記円筒状工作物の円筒度誤差に基づき上記往路または復路のいずれか他方の過程で上記工具の切込量を補正する補正処理とを含むことを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る円筒度制御方法は、円筒状工作物と工具とが該円筒状工作物の長手方向に相対的に往復運動し、その往復運動端で上記工具に対して上記円筒状工作物の半径方向への切込が与えられ、その往路と復路の過程で上記工具による円筒状工作物の外径加工が行われるときに、上記円筒状工作物の直径を該円筒状工作物の長手方向に沿って外径測定器により測定する測定処理と、上記往路または復路のいずれか一方の過程で上記外径測定器が測定した測定値に基づき上記円筒状工作物の円筒度誤差を求める円筒度誤差演算処理と、上記円筒度誤差演算処理で求めた上記円筒状工作物の円筒度誤差に基づき上記円筒状工作物における実際の撓み量を求めるとともに、この実際の撓み量を用いて円筒状工作物に実際に加わっている研削法線力を推定する推定処理と、上記推定処理で推定した研削法線力に基づき円筒状工作物の理論上の撓み量を求めるとともに、この理論上の撓み量を用いて上記往路または復路のいずれか他方の過程で上記工具の切込量を補正する補正処理とを含むことを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る円筒度制御方法は、前記円筒度制御方法において、上記補正手段により補正された切込量で上記円筒状工作物の外径加工を行う前に予め、上記工具と上記円筒状工作物との相対的な往復運動による外径加工として予め定められた一定の切込量で上記円筒状工作物の外径加工を行う、及び、その外径加工において上記外径測定器による円筒状工作物の直径の測定を行い、その測定値が安定したら、上記補正手段により補正された切込量で円筒状工作物の外径加工を行う処理に切り替わることを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係る円筒加工機は、円筒状工作物をその両端側から挟持するセンタと、上記センタにより挟持された上記円筒状工作物の外径加工を行う工具と、上記円筒状工作物と上記工具とが該円筒状工作物の長手方向に相対的に往復運動し、その往復運動端で上記工具に対して上記円筒状工作物の半径方向への切込が与えられ、その往路と復路の過程で上記工具による円筒状工作物の外径加工が行われるときに、上記円筒状工作物の直径を該円筒状工作物の長手方向に沿って測定する外径測定器と、上記往路または復路いずれか一方の過程で上記外径測定器が測定した測定値に基づき上記円筒状工作物の円筒度誤差を求める円筒度誤差演算手段と、上記円筒度誤差演算手段で求めた上記円筒状工作物の円筒度誤差に基づき上記往路または復路のいずれか他方の過程で上記工具の切込量を補正する補正手段とを有することを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る円筒加工機は、円筒状工作物をその両端側から挟持するセンタと、上記センタにより挟持された上記円筒状工作物の外径加工を行う工具と、上記円筒状工作物と上記工具とが該円筒状工作物の長手方向に相対的に往復運動し、その往復運動端で上記工具に対して上記円筒状工作物の半径方向への切込が与えられ、その往路と復路の過程で上記工具による円筒状工作物の外径加工が行われるときに、上記円筒状工作物の直径を該円筒状工作物の長手方向に沿って測定する外径測定器と、上記往路または復路のいずれか一方の過程で上記外径測定器が測定した測定値に基づき上記円筒状工作物の円筒度誤差を求める円筒度誤差演算手段と、上記円筒度誤差演算手段で求めた上記円筒状工作物の円筒度誤差に基づき上記円筒状工作物における実際の撓み量を求めるとともに、この実際の撓み量を用いて円筒状工作物に実際に加わっている研削法線力を推定する推定手段と、上記推定手段で推定した研削法線力に基づき円筒状工作物の理論上の撓み量を求めるとともに、この理論上の撓み量を用いて上記往路または復路のいずれか一方の過程で上記工具の切込量を補正する補正手段とを有することを特徴とするものである。
【0013】
本発明に係る円筒加工機は、上記円筒加工機において、上記補正手段により補正された切込量で上記円筒状工作物の外径加工を行う前に予め、上記工具と上記円筒状工作物との相対的な往復運動による外径加工として予め定められた一定の切込量で上記円筒状工作物の外径加工を行う、及び、その外径加工において上記外径測定器による円筒状工作物の直径の測定を行い、その測定値が安定したら、上記補正手段により補正された切込量で円筒状工作物の外径加工を行う処理に切り替わることを特徴とするものである。
【0014】
本発明では、往路の過程で外径測定器が測定した測定値に基づき円筒状工作物の円筒度誤差が求められ、この求めた円筒状工作物の円筒度誤差に基づき復路の過程で工具の切込量が補正される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る円筒度制御方法と円筒度制御装置を円筒加工機に適用した実施の形態について図1ないし図3を基に説明する。
【0016】
図1に示した円筒加工機は円筒研削盤であり、この円筒研削盤ではセンタ支持方式を採用している。すなわち、この円筒研削盤において外径研削加工の対象となる円筒状加工物Wは、その両端面側から左右一対のセンタ1、2により挟持される。
【0017】
上記のようにセンタ1、2で両端支持された円筒状加工物Wの外径研削加工を砥石3で行うときは、その砥石3と円筒状加工物Wを図示しない通常の回転駆動機構で回転させながら、円筒状加工物Wの外周面に砥石3を当接させるが、このとき、円筒状加工物Wと砥石3は該円筒状加工物Wの長手方向に相対的に往復運動(トラバース運動)するように構成されている。
【0018】
上記のような円筒状加工物Wと砥石3の相対的な往復運動は、通常、砥石3の位置を固定し、かつ円筒状加工物Wをその円筒軸心方向に前後移動させる方法が採られるが、これ以外の方法も採用することができる。
【0019】
図1に示した円筒研削盤には外径測定器4が設置されており、この外径測定器4は上記センタ1、2で両端支持された円筒状工作物Wの直径を測定する機器であり、本実施形態では、上述のように円筒状工作物Wと砥石3が相対的に往復運動し、その往復運動端で砥石3に対し円筒状工作物Wの半径方向への切込が与えられ、その往路と復路の過程で砥石3による円筒状工作物Wの外径研削加工が行われるときに、この外径測定器4が円筒状工作物Wの直径を該円筒状工作物の長手方向に沿って測定するように構成されている。
【0020】
すなわち、円筒状工作物の外径研削工程には、たとえば粗研削、精研削、スパークアウトという3つの工程(図3参照)があり、粗研削と精研削の工程においては、円筒状工作物Wと砥石3が該円筒状工作物Wの長手方向に相対的に往復運動し、この往路と復路の過程で砥石3による円筒状工作物Wの外径加工が行われるときに、当該円筒状工作物Wには、この円筒状工作物Wの外周面法線方向に加わる研削力成分、すなわち研削法線力Pが加わる。また、スパークアウトの工程においては、粗研削や精研削の工程と同じく、円筒状工作物Wと砥石3が該円筒状工作物Wの長手方向に相対的に往復運動するが、往復運動端での切込動作は行われない。しかし、このスパークアウト工程初期では、円筒状工作物Wは砥石3により削られるが、複数回の往復運動の後に切り屑が発生しなくなって、円筒状工作物Wの直径変化が起きなくなるスパークアウト状態となる。しかし、このようなスパークアウト状態でも円筒状工作物Wと砥石3は接触しており、研削法線力Pも存在している。この理由は、細長い円筒状工作物Wが撓み、砥石3が円筒状工作物Wの外周面を滑るので、切り屑がでないのである。
【0021】
要するに、粗研削、精研削、スパークアウトのいずれの工程においても、円筒状工作物Wに撓みが生じるが、本実施形態の外径測定器4は、そのように撓んで膨らんだように見える円筒状工作物Wの輪郭の径を、この円筒状工作物Wの直径として該円筒状工作物Wの長手方向に沿って測定する。図2はこの測定値の一例を示したものである。
【0022】
上記のような外径測定器4による直径測定は、円筒状工作物Wと砥石3の相対的な往復運動の往路の過程と復路の過程のそれぞれにおいて、円筒状工作物Wの長手方向の全範囲に亘って連続的に行われる。
【0023】
以下の説明では、砥石3と円筒状工作物Wが相対的に往復運動(トラバース運動)する際の往路の過程を「往トラバース運動」といい、その復路の過程を「復トラバース運動」という。また、往路の過程で行われる砥石3による外径研削加工を「往トラバース加工」といい、復路の過程で行われる砥石3による外径研削加工を「復トラバース加工」という。
【0024】
上記外径測定器4での測定値は定寸装置5に送出され、定寸装置5では、外径測定器4により測定された円筒状工作物Wの直径値Dをあらかじめ設定された値と比較して、粗研削、精研削、スパークアウト工程を切り替えるための、機械制御信号を研削盤制御装置9に送出するとともに、直径値Dを直径記憶装置MDに送出し記憶させる。このとき、その直径記憶装置MDにおいては、円筒状工作物Wの直径値Dを該円筒状工作物Wの長手方向位置Zに対応させて記憶する。この記憶の処理動作は、外径測定器4による直径測定と同じく、往復両トラバース加工がそれぞれ1回行われるごとに実行される。なお、上記長手方向位置Zの信号は、図示しないが、この円筒加工機に設けられている砥石3と円筒状工作物Wの相対的な往復運動を検出するための位置センサや、その往復運動を制御する制御信号等から得られる。
【0025】
直径記憶装置MDに記憶された円筒状工作物Wの直径値Dのうち、最小の直径値(以下「最小直径値」という)Dminは、その直径記憶装置MDの中から読み出されて最小値記憶装置MDminに記憶される。この記憶の処理動作も往復両トラバース加工がそれぞれ1回行われるごとに実行される。
【0026】
直径記憶装置MDに記憶された内容、すなわち1回の往トラバース加工において得られた円筒状工作物Wの長手方向全域に亘る直径値Dと、最小値記憶装置MDminに記憶された円筒状工作物Wの最小直径値Dminは、双方とも減算器6へ送出される。
【0027】
減算器6は、直径記憶装置MDから送出された直径値Dごとに、該直径値Dから最小直径値Dminを減算する。この減算結果が円筒状工作物Wの長手方向全域に亘る円筒度の誤差(以下「円筒度誤差C1」という。)である。なお、このような円筒度誤差C1を求める円筒度誤差演算手段もしくは円筒度誤差演算処理についてはマイクロコンピュータにより構成することができる。
【0028】
円筒度誤差C1は第1の円筒度誤差記憶装置M1に記憶されるが、この際、円筒度誤差記憶装置M1においては、その円筒度誤差C1を円筒状工作物Wの長手方向位置Zに対応させて記憶する。この記憶の処理動作も往復両トラバース加工がそれぞれ1回行われるごとに実行される。
【0029】
円筒度誤差記憶装置M1において、円筒度誤差C1に対応する円筒状工作物Wの長手方向位置Zは、その円筒度誤差C1の発生位置を示す手段であり、この円筒状工作物Wの長手方向位置Zにより、これに対応して記憶されている円筒度誤差C1が円筒状工作物長手方向のどの位置で発生したものであるかを特定することができる。
【0030】
要するに、本実施形態の円筒研削盤においては、往トラバース加工が1回終了するたびに、第1の円筒度誤差記憶装置M1に円筒度誤差C1が記憶される。このとき、前回の往トラバース加工により第1の円筒度誤差記憶装置M1に記憶された円筒度誤差C1は、円筒度誤差の修正程度を調べる目的で、そのまま前回の円筒度誤差C0として第2の円筒度誤差記憶装置M2に移し替えて記憶される。なお、この移し替えの処理動作が行われる時期は、往トラバース加工が1回終了し、かつ砥石3が一定量だけ円筒状工作物Wの半径方向へ切込み送りされる時点であり、スパークアウト工程では、往トラバース終了後復トラバース開始までの間に、この移し替えの処理動作が行われる。
【0031】
したがって、本実施形態の円筒研削盤では、往トラバース加工が1回終了すると、第1の円筒度誤差記憶装置M1には、今回の往トラバース加工に係る円筒度誤差C1が記憶され、かつ、第2の円筒度誤差記憶装置M2には、今回の往トラバース加工より1つ前の前回の往トラバース加工に係る円筒度誤差C0が記憶されるものである。
【0032】
乗算器8は、今回の往トラバースに係る円筒度誤差C1に対して補正係数kを乗ずる。この乗算結果が砥石3の切込量(−Δx)を補正するための切込補正値Vcである。
【0033】
また、上記切込補正値Vcは切込補正値記憶装置Mcに記憶される。このとき、切込補正値記憶装置Mcでは、その切込補正値Vcを円筒状工作物の長手方向位置Zに対応させて記憶する。この記憶の処理動作は、往トラバース加工の終了後、復トラバース加工が行われる前に実行される。
【0034】
この切込補正値記憶装置Mcにおいて、切込補正値Vcに対応する円筒状工作物Wの長手方向位置Zは、復トラバース加工が行われるときに、その切込補正値Vcを適用する円筒状工作物Wの長手方向位置を示す手段であり、この円筒状工作物Wの長手方向位置Zにより、これに対応して記憶されている切込補正値Vcが円筒状工作物Wの長手方向のどの位置に適用されるものであるかを特定することができる。
【0035】
切込補正値記憶装置Mcに記憶された切込補正値Vcは、復トラバース加工の実行前または復トラバース加工中の長手方向位置Zに連動して、研削盤制御装置9に送出される。
【0036】
また、研削盤制御装置9は、上記切込補正値Vcに基づいて砥石3の切込量(−Δx)を補正する機能や、砥石3を搭載している切込台のX切込み制御モータ(図示省略)を制御して、その切込台と砥石3を一体的に円筒状工作物の外周面側へ移動させるという切込送り動作の制御機能等を有している。
【0037】
要するに、本実施形態の円筒研削盤にあっては、往トラバース加工により砥石3の切込補正値Vcを求めるとともに、これに続いて行われる復トラバース加工においては、その前に求めた砥石3の上記切込補正値Vcに基づき該砥石3の切込量(−Δx)が補正され、この補正された切込量(−Δ+Vc)で砥石3による円筒状工作物Wの外径研削加工が行われる。
【0038】
次に、上記の如く構成された本実施形態の円筒研削盤の動作について図1および図3を基に説明する。
【0039】
図3は円筒研削盤における研削工程の説明図であり、この図において、研削工程は粗研削、精研削、スパークアウトという3つの工程からなる。また、図中、横方向の矢印は、粗研削、精研削、スパークアウトの各工程における往復両トラバース運動の経路を示し、図中、縦方向の矢印は、円筒状工作物Wに対する砥石3の切込量を示している。
【0040】
本実施形態の円筒研削盤にあっては、上記のような3つの工程において、それぞれ円筒状工作物Wの撓みによる円筒度誤差を打ち消す方向に砥石3の切込量(−Δx)を補正することが可能である。
【0041】
すなわち、例えば粗研削の工程で往トラバース加工が1回終了すると、砥石3の切込補正値Vcが算出され、この切込補正値Vcに基づいて砥石3の切込量(−Δx)が補正されるとともに、この補正された切込量(−Δ+Vc)により復トラバース加工が行われる。なお、精研およびスパークアウトの工程においても同様である。
【0042】
本実施形態では、上述の通り、今回の往トラバースに係る円筒度誤差C1に対して補正係数kを乗ずることにより、砥石3の切込補正値Vcを算出しているが、この補正係数kは次のように書き替え設定される。また、この補正係数kの書き替え設定は図1に示した補正係数設定器11において行われる。
【0043】
すなわち、本実施形態の円筒研削盤にあっては、1回目の往トラバース加工が終了すると、切込補正値Vcが算出され、この算出された切込補正値Vcに基づいて1回目の復トラバース加工時における砥石3の切込量(−Δx)が補正される。そして、この補正切込量(−Δ+Vc)による復トラバース加工が終了すると、その1回目の補正に係る復トラバース加工の結果として、円筒度誤差C1が円筒度誤差記憶装置M1に記憶されるが、本実施形態においては、▲1▼その円筒度誤差記憶装置M1の内容、すなわち1回目の補正に係る復トラバース加工の結果として得られた円筒度誤差C1の最大値C1maxと、▲2▼その前に行われた往トラバース加工により得られた第2の円筒度誤差記憶装置M2の内容である円筒度誤差C0の最大値C0maxとを求めるとともに、その▲1▼と▲2▼の両最大値の比率C1max/C0maxを演算し、この演算結果に基づいて補正係数kを下記の表1のように書き替えて2回目の補正を行うものとしている。
【0044】
ここで、下記表1の左欄は補正係数kの書き替え条件式を示したものであり、同表1の右欄は左欄の書き替え条件式を満たしたときに書き替えられる補正係数kの値を示したものである。
【0045】
【表1】
Figure 0004789096
【0046】
復トラバースの開始点において、定寸装置5からの信号により砥石3の切込量が粗研削切込量(−Δx)から精研削切込量(−Δ1)に変更された場合、以後の往復両トラバース加工については、上記補正係数kにΔ1/Δxを乗じて以後の往復両トラバース加工を継続するように構成することもできる。
【0047】
以下、上記表1の状態a、a’、b、c、dに沿って本実施形態の円筒研削盤の動作を説明する。
【0048】
《上記表1のaの状態》
上記表1のaの状態は加工開始のときを示している。すなわち、一個の円筒状工作物Wの加工を開始するときに、通常は円筒状工作物Wの加工前の表面に偏肉や大きな円筒度誤差があるので、部分的に加工が行われ、外径測定器4は被加工部も未加工部も測定するため、外径測定器4により得られた測定値は円筒度を補正するための情報としては使えない。したがって、加工開始時は、補正係数kをk=0と設定し、円筒度補正動作が作用しない状態で往復トラバース加工を進めるとともに、今回のトラバース加工直後の円筒度誤差C1から得られる最大値C1maxと、前回のトラバース加工により得られた円筒度誤差C0から得られる最大値C0maxとの比率Rc=C1max/C0maxを演算し、そして、Rc≒1(たとえば0.9<Rc<1.1)になるまで、すなわち今回のトラバース加工時の円筒度と前回トラバース加工時の円筒度とがほぼ等しくなるまで、往復トラバース加工が続行されるものとする。この際、往復トラバース加工における往復運動端での砥石3の切込量(−Δx)は一定値である。なお、今回のトラバース加工時の円筒度と前回トラバース加工時の円筒度とがほぼ等しくなるということは、外径測定器4により得られた測定値が安定したことを意味し、このような測定値安定性の判断は、図1に示した円筒度判定器10において行われる。
【0049】
《上記表1のa’の状態》
上記表1のa’の状態は測定値の安定判断と補正動作が行われる場合を示している。すなわち、往復トラバース加工の往復運動端のいずれかにおいて、前記Rc=C1max/C0max≒1となったときは、円筒状工作物Wの外周面全域に亘って加工が行われるようになり、外径測定器4から得られる直径情報は円筒度を補正するための情報として有用・安定になったとものと判断し、かつ、これまで加工初期設定としてゼロであった補正係数kをlに切り替えて、次の往路または復路のトラバース加工から円筒度補正動作を働かせて加工を進める。この場合の砥石3の補正切込量は−Δx+Vcである。なお、上記のような測定値安定性の判断は円筒度判定器10において行われる。
【0050】
《上記表1のbの状態》
上記表1のbの状態は補正不足の場合を示している。すなわち、補正係数kをk=1にして円筒度補正動作を働かせた加工状態で、今回のトラバース直後の円筒度誤差C1から得られる最大値C1maxが、許容された円筒度誤差Climの範囲内ではなかった場合(Clim<|C1max|)において、前記Rc=C1max/C0maxがゼロではないが正の値となるときは、その円筒状工作物Wの長手方向中央部が太くなる、いわゆるビア樽型円筒形状は修正されたが許容値には至っておらず、補正効果が不十分であったと考えられる。したがって、この場合は、補正効果を増すために、上記補正係数kをk=(C0max+C1max)/C0max=1+Rcとして、次のトラバース加工を行う。なお、補正係数kはk=1のままでもよいが、そうすると許容値に至る必要なトラバース回数が増える。
【0051】
《上記表1のcの状態》
上記表1のcの状態は円筒度が許容値以内である場合を示している。すなわち、上記a’、bまたは下記dの状態で、今回のトラバース加工直後の円筒度誤差C1から得られる最大値C1maxが、許容された円筒度誤差Climの範囲内であったときには、以後のトラバース加工時における補正係数kを今回のトラバース加工時の値に維持し、切込補正値Vcを変更しないで以後の加工を継続する。この加工は円筒状工作物Wの仕上寸法まで継続する。
【0052】
《上記表1のdの状態》
上記表1のdの状態は補正過剰の場合を示している。すなわち、補正係数kをk=1にして円筒度補正誤差動作を働かせた加工状態で、今回のトラバース加工直後の円筒度誤差C1から得られる最大値C1maxが許容された円筒度誤差Climの範囲ではなく(Clim<|C1max|)、前記Rc=C1max/C0maxがゼロではないが負の値となるときは、今回のトラバース直後の円筒度誤差C1から得られる最大値C1maxが負の値、すなわち円筒状工作物Wの長手中央部が細くなる形状(鼓型円筒度形状)となっている。このように円筒状工作物が鼓型円筒形状となってしまったのは今回のトラバース加工時の円筒度補正効果が過剰であったためである。したがって、この場合は、補正効果を減ずるために、補正係数kをk=(C0max+C1max)/C0max=1+Rcとして、次のトラバース加工を行う。このとき、Rc<0であるから補正係数kは1より小で円筒度補正効果が減らされている。なお、補正係数kがk=1のままであると、ビア樽型→鼓型→ビア樽型という円筒状工作物Wの形状変化を繰返す可能性がある。
【0053】
なお、上記のような安定判断や補正効果の判定手段、およびこれらに基づく一連の処理は、マイクロコンピュータに行わせることも可能である。
【0054】
上記実施形態では、円筒状工作物Wの円筒度誤差という寸法的情報に基づいて砥石3の切込補正値Vcを算出するものとしたが、この切込補正値Vcについては、円筒状工作物Wに加わる研削法線力Pという力学的情報に基づいて算出することもでき、この場合の切込補正値Vcの算出は次の(1)〜(3)の手順に従って行う。
(1)先ず、外径測定器4からの測定値(円筒状工作物Wの直径値D)、または第1の円筒度記憶装置M1の内容(円筒状工作物Wの長手方向位置Zに対応して記憶されている該円筒状工作物Wの今回のトラバース加工時の円筒度)に基づいて円筒状工作物Wにおける実際の撓み量wを、円筒度C1の1/2とする。
(2)次に、上記実際の撓み量wと下記他の情報(z、l、E、I)とを下記式(A)に代入することにより、円筒状工作物Wに実際に加わっている研削法線力P、すなわち円筒状工作物Wの法線方向に加わる研削力成分を推定する。ここでは、複数の位置情報zと撓み量wを使うため、複数の力の値が答えとして得られるので、これらを単純平均するなどして推定する。
(3)上記推定の研削法線力Pに基づいて理論上の円筒状工作物Wの撓み量w=fw(z)を求め、この理論上の撓み量wを切込補正値Vcとして用いる。
【0055】
w=Pz(1−z)/3EIl …(A)
なお、上記式(A)は機械工学便覧A4編、第2章から引用したもので、上記式(A)中の記号の意味は下記の通りである。
w:撓み量(mm)
P:研削法線力(kgf)
z:研削位置(mm)
l:工作物Wの長手方向の長さ(mm)
E:工作物Wの弾性率
(工作物が鋼材の場合:E=2.1×10kgf/mm
I:工作物Wの断面二次モーメント
(工作物が直径dの円形断面の場合:I=πd/64mm
【0056】
このような加工力を推定して補正値を求める方法によると、何らかの原因で直径測定器4と円筒状工作物Wの長手方向相対移動により直径測定値が変動するときに、切込補正値Vcの無用な長手方向変動をなくして、工作物を滑らかな円筒形状に加工できる。
【0057】
なお、上記のような算出手順で求めた切込補正値Vcにより復トラバース加工の開始点での砥石3の切込量が粗研削切込量(−Δx)から精研削切込量(−Δ1)に変更された場合も、以後の往復両トラバース加工については、上記補正係数kにΔ1/Δxを乗じて以後の往復両トラバース加工を継続するように構成することもできる。
【0058】
上記実施形態では、本発明を円筒研削盤に適用した例について説明したが、本発明は、円筒状工作物の外周面をバイト等の固定工具やフライス等の回転工具を円筒状工作物の長手方向に相対的に往復移動させ、半径方向に切り込んで切削する機械にも適用することができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明にあっては、上記の如く、往路の過程で外径測定器が測定した測定値に基づき、円筒状工作物の円筒度誤差を求めるとともに、この求めた円筒状工作物の円筒度誤差に基づき、復路の過程で工具による上記円筒状工作物の外径加工が行われるときの該工具の切込量を補正するように構成したため、研削力により円筒状工作物が撓んでも、往路の過程で得られた当該円筒状工作物の円筒度誤差に基づき復路の過程で工具の切込量が補正されるから、この種円筒状工作物の円筒度を最小限に制御することができ、この種円筒度の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明を適用した円筒研削盤の説明図であって、同図(a)はその円筒研削盤のブロック図、同図(b)はその円筒研削盤における砥石と円筒状工作物と外径測定器の位置関係を示した図である。
【図2】円筒状工作物が撓んでいるときに測定された該円筒状工作物の直径を示した説明図。
【図3】円筒研削盤における研削工程の説明図。
【符号の説明】
1、2 センタ
3 砥石(工具)
4 外径測定器
5 定寸装置
6 減算器
7 変換器
8 乗算器
9 研削盤制御装置
10 円筒度判定器(測定値安定性の判断手段)
11 補正係数設定器
C1、C0 円筒度誤差
C1max、C0max 円筒度誤差の最大値
D 円筒状工作物の直径値
min 最小直径値
k 補正係数
M1 第1の円筒度誤差記憶装置
M2 第2の円筒度誤差記憶装置
Mc 切込補正値記憶装置
MD 直径記憶装置
MDmin 最小値記憶装置
Vc 切込補正値
W 円筒状工作物
Z 円筒状工作物の長手方向位置
−Δx、−Δ1 砥石の切込量

Claims (9)

  1. 円筒状工作物と工具とが該円筒状工作物の長手方向に相対的に往復運動し、その往復運動端で上記工具に対して上記円筒状工作物の半径方向への切込が与えられ、その往路と復路の過程で上記工具による円筒状工作物の外径加工が行われるときに、上記円筒状工作物の直径を該円筒状工作物の長手方向に沿って測定する外径測定器と、
    上記往路または復路のいずれか一方の過程で上記外径測定器が測定した測定値に基づき上記円筒状工作物の円筒度誤差を求める円筒度誤差演算手段と、
    上記円筒度誤差演算手段で求めた上記円筒状工作物の円筒度誤差に基づき上記往路または復路のいずれか他方の過程で上記工具の切込量を補正する補正手段とを具備すること
    を特徴とする円筒度制御装置。
  2. 円筒状工作物と工具とが該円筒状工作物の長手方向に相対的に往復運動し、その往復運動端で上記工具に対して上記円筒状工作物の半径方向への切込が与えられ、その往路と復路の過程で上記工具による円筒状工作物の外径加工が行われるときに、上記円筒状工作物の直径を該円筒状工作物の長手方向に沿って測定する外径測定器と、
    上記往路または復路のいずれか一方の過程で上記外径測定器が測定した測定値に基づき上記円筒状工作物の円筒度誤差を求める円筒度誤差演算手段と、
    上記円筒度誤差演算手段で求めた上記円筒状工作物の円筒度誤差に基づき上記円筒状工作物における実際の撓み量を求めるとともに、この実際の撓み量を用いて円筒状工作物に実際に加わっている研削法線力を推定する推定手段と、
    上記推定手段で推定した研削法線力に基づき円筒状工作物の理論上の撓み量を求めるとともに、この理論上の撓み量を用いて上記往路または復路のいずれか他方の過程で上記工具の切込量を補正する補正手段とを具備すること
    を特徴とする円筒度制御装置。
  3. 上記補正手段により補正された切込量で上記円筒状工作物の外径加工を行う前に予め、上記工具と上記円筒状工作物との相対的な往復運動による外径加工として予め定められた一定の切込量で上記円筒状工作物の外径加工を行う、及び、その外径加工において上記外径測定器による円筒状工作物の直径の測定を行い、その測定値が安定したら、上記補正手段により補正された切込量で円筒状工作物の外径加工を行う処理に切り替わること
    を特徴とする請求項1または2に記載の円筒度制御装置。
  4. 円筒状工作物と工具とが該円筒状工作物の長手方向に相対的に往復運動し、その往復運動端で上記工具に対して上記円筒状工作物の半径方向への切込が与えられ、その往路と復路の過程で上記工具による円筒状工作物の外径加工が行われるときに、上記円筒状工作物の直径を該円筒状工作物の長手方向に沿って外径測定器により測定する測定処理と、
    上記往路または復路のいずれか一方の過程で上記外径測定器が測定した測定値に基づき上記円筒状工作物の円筒度誤差を求める円筒度誤差演算処理と、
    上記円筒度誤差演算処理で求めた上記円筒状工作物の円筒度誤差に基づき上記往路または復路のいずれか他方の過程で上記工具の切込量を補正する補正処理とを含むこと
    を特徴とする円筒度制御方法。
  5. 円筒状工作物と工具とが該円筒状工作物の長手方向に相対的に往復運動し、その往復運動端で上記工具に対して上記円筒状工作物の半径方向への切込が与えられ、その往路と復路の過程で上記工具による円筒状工作物の外径加工が行われるときに、上記円筒状工作物の直径を該円筒状工作物の長手方向に沿って外径測定器により測定する測定処理と、
    上記往路または復路のいずれか一方の過程で上記外径測定器が測定した測定値に基づき上記円筒状工作物の円筒度誤差を求める円筒度誤差演算処理と、
    上記円筒度誤差演算処理で求めた上記円筒状工作物の円筒度誤差に基づき上記円筒状工作物における実際の撓み量を求めるとともに、この実際の撓み量を用いて円筒状工作物に実際に加わっている研削法線力を推定する推定処理と、
    上記推定処理で推定した研削法線力に基づき円筒状工作物の理論上の撓み量を求めるとともに、この理論上の撓み量を用いて上記往路または復路のいずれか他方の過程で上記工具の切込量を補正する補正処理とを含むこと
    を特徴とする円筒度制御方法。
  6. 上記補正手段により補正された切込量で上記円筒状工作物の外径加工を行う前に予め、上記工具と上記円筒状工作物との相対的な往復運動による外径加工として予め定められた一定の切込量で上記円筒状工作物の外径加工を行う、及び、その外径加工において上記外径測定器による円筒状工作物の直径の測定を行い、その測定値が安定したら、上記補正手段により補正された切込量で円筒状工作物の外径加工を行う処理に切り替わること
    を特徴とする請求項4または5に記載の円筒度制御方法。
  7. 円筒状工作物をその両端側から挟持するセンタと、
    上記センタにより挟持された上記円筒状工作物の外径加工を行う工具と、
    上記円筒状工作物と上記工具とが該円筒状工作物の長手方向に相対的に往復運動し、その往復運動端で上記工具に対して上記円筒状工作物の半径方向への切込が与えられ、その往路と復路の過程で上記工具による円筒状工作物の外径加工が行われるときに、上記円筒状工作物の直径を該円筒状工作物の長手方向に沿って測定する外径測定器と、
    上記往路または復路いずれか一方の過程で上記外径測定器が測定した測定値に基づき上記円筒状工作物の円筒度誤差を求める円筒度誤差演算手段と、
    上記円筒度誤差演算手段で求めた上記円筒状工作物の円筒度誤差に基づき上記往路または復路のいずれか他方の過程で上記工具の切込量を補正する補正手段とを有すること
    を特徴とする円筒加工機。
  8. 円筒状工作物をその両端側から挟持するセンタと、
    上記センタにより挟持された上記円筒状工作物の外径加工を行う工具と、
    上記円筒状工作物と上記工具とが該円筒状工作物の長手方向に相対的に往復運動し、その往復運動端で上記工具に対して上記円筒状工作物の半径方向への切込が与えられ、その往路と復路の過程で上記工具による円筒状工作物の外径加工が行われるときに、上記円筒状工作物の直径を該円筒状工作物の長手方向に沿って測定する外径測定器と、
    上記往路または復路のいずれか一方の過程で上記外径測定器が測定した測定値に基づき上記円筒状工作物の円筒度誤差を求める円筒度誤差演算手段と、
    上記円筒度誤差演算手段で求めた上記円筒状工作物の円筒度誤差に基づき上記円筒状工作物における実際の撓み量を求めるとともに、この実際の撓み量を用いて円筒状工作物に実際に加わっている研削法線力を推定する推定手段と、
    上記推定手段で推定した研削法線力に基づき円筒状工作物の理論上の撓み量を求めるとともに、この理論上の撓み量を用いて上記往路または復路のいずれか一方の過程で上記工具の切込量を補正する補正手段とを有すること
    を特徴とする円筒加工機。
  9. 上記補正手段により補正された切込量で上記円筒状工作物の外径加工を行う前に予め、上記工具と上記円筒状工作物との相対的な往復運動による外径加工として予め定められた一定の切込量で上記円筒状工作物の外径加工を行う、及び、その外径加工において上記外径測定器による円筒状工作物の直径の測定を行い、その測定値が安定したら、上記補正手段により補正された切込量で円筒状工作物の外径加工を行う処理に切り替わること
    を特徴とする請求項7または8に記載の円筒加工機。
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