JP2024046938A - センタレスシューによる研削方法 - Google Patents

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誠 尾崎
Makoto Ozaki
純 大矢
Jun Oya
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  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
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Abstract

【課題】環状ワークの変形によるインプロセスゲージの値に惑わされずに研削加工することで、寸法精度を向上させる。【解決手段】環状ワークWの外周面を環状ワークWの中心軸と直交する面内で移動可能なフロントシュー2及びリアシュー3で支持し、回転駆動される環状ワークWの外周面を砥石4により研削する。このとき、環状ワークWの寸法諸元を工作機械に入力し、寸法諸元から環状ワークWの剛性を工作機械が自動で計算し、マスターワークでインプロセスゲージ6をセットし、環状ワークWをセンタレスシュー1にセットし、環状ワークWを回転駆動しながら、砥石4による研削加工を開始し、砥石4による加工負荷を検知し、環状ワークWの剛性と加工負荷から工作機械が環状ワークWの変形量を自動で計算し、環状ワークWの変形量に合わせてインプロセスゲージ6の値をシフトし、砥石4による加工を継続する。【選択図】図1

Description

本発明は、センタレスシューによる研削方法に関する。
従来、環状ワークの外周面を環状ワークの中心軸と直交する面内で移動可能なフロントシュー及びリアシューで支持し、回転駆動される環状ワークの外周面を砥石により研削するセンタレスシューによる研削方法は知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許第6337475号公報 特開平10-328984号公報
しかしながら、従来のセンタレスシューによる研削方法では、砥石による加工負荷によって環状ワークが変形し、その変形した形状をインプロセスゲージで拾いながら研削を行うと、荷重を加えていないときの実際の寸法よりも大きな値に基づいて研削するので、仕上がり寸法が小さくなりすぎるという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、環状ワークの変形によるインプロセスゲージの値に惑わされずに研削加工することで、寸法精度を向上させることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、環状ワークの実際の変形推定量を用いてインプロセスゲージの値を修正するようにした。
具体的には、第1の発明では、環状ワークの外周面を前記環状ワークの中心軸と直交する面内で移動可能なフロントシュー及びリアシューで支持し、回転駆動される前記環状ワークの外周面を砥石により研削するセンタレスシューによる研削方法であって、
環状ワークの寸法諸元を工作機械に入力し、前記寸法諸元から前記環状ワークの剛性を前記工作機械が自動で計算し、
マスターワークでインプロセスゲージをセットし、
前記環状ワークを前記センタレスシューにセットし、
前記環状ワークを回転駆動しながら、前記砥石による研削加工を開始し、
前記砥石による加工負荷を検知し、
前記ワークの剛性と前記加工負荷から前記工作機械が前記環状ワークの変形量を自動で計算し、
前記環状ワークの変形量に合わせて前記インプロセスゲージの値をシフトし、
前記砥石による加工を継続する構成とする。
特に薄肉の環状ワークを研削するときに、砥石を押し付けることにより、環状ワークが変形し、インプロセスゲージが示すとおりに研削を進めると、ワーク外径が目標よりも加工しすぎて小さくなり、ワークの仕上がり精度が悪くなる。
上記の構成によると、まず、マスターワークによるインプロセスゲージのセットにより、目標仕上がり寸法が設定される。そして、入力された寸法諸元から環状ワークの剛性を自動で計算でき、その剛性と加工負荷から環状ワークの変形量を算出できる。この環状ワークの変形量を考慮してインプロセスゲージの0点調整をすることにより、実際のワークの変形による影響を受けないようにして加工が行われる。
以上説明したように、本発明によれば、環状ワークの変形によるインプロセスゲージの値に惑わされずに研削加工することで、寸法精度を向上させることができる。
センタレスシューによる研削方法を行う工作機械の概略構成を示す図である。 加工負荷が小さいときの、環状ワーク及びその周辺を拡大して示す図である。 センタレスシューによる研削方法のフローチャートである。 従来のセンタレスシューによる研削方法のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
-センタレスシューを有する研削装置-
図1は本発明の実施形態のセンタレスシュー1による研削方法を行う装置の構成を示す。この工作機械(詳細図示せず)では、環状ワークWの外周面を環状ワークWの中心軸と直交する面内で移動可能なフロントシュー2及びリアシュー3で支持する。環状ワークWは、フロントシュー2及びリアシュー3上を滑るようにして回転するように支持されている。フロントシュー2及びリアシュー3の支持構造は特に限定されないが、その位置は微調整可能となっている。
そして、回転駆動される環状ワークWの外周面を、電動モータ5により回転駆動される砥石4により研削するように構成されている。砥石4の種類、回転速度等は特に限定されない。
環状ワークWの外径は、インプロセスゲージ6により検出される値を、アンプ11を介して制御部7が得ることでリアルタイムに検出できるようになっている。制御部7は、例えば、工作機械が有するCPUなどで構成されるが、その構成は特に限定されない。
また、電動モータ5の電流値は、電流計8によってリアルタイムに検出可能であり、その値から電動モータ5に加わるトルクを制御部7が把握できるようになっている。
砥石4が環状ワークWに加える荷重は、負荷用電動モータ9により調整可能となっている。負荷用電動モータ9による負荷は、スケール10の検出値から制御部7がリアルタイムに計測できるようになっている。
-センタレスシューによる研削方法-
まず、図3に示すように、ステップS01において、オペレータが、研削する環状ワークWの寸法諸元を工作機械に入力する。
次いで、ステップS02において、寸法諸元から環状ワークWの剛性を工作機械の制御部7が自動で計算する。本実施形態で扱う環状ワークWは、変形しやすい薄肉の環状ワークWであり、外径、内径、軸方向長さ等から剛性は、容易に計算できる。
例えば、凹凸等のある複雑な形状の環状ワークWの場合、予め制御部7に記憶した3Dデータなどを用いて剛性を計算してもよい。
次いで、ステップS03において、図示しないマスターワークでインプロセスゲージ6をセットする。マスターワークとは、理想的な仕上がり寸法の環状ワークWである。これにより、目標仕上がり寸法に対応するインプロセスゲージ6の値が設定される。
次に、ステップS04において、研削加工を開始する。具体的には、まず、環状ワークWをセンタレスシュー1にセットする。具体的には、環状ワークWをフロントシュー2及びリアシュー3上に支持する。
次に、環状ワークWを回転駆動しながら、図1に示すように、砥石4による研削加工を開始する。
次いで、ステップS05において、砥石4による加工負荷をスケール10により検知する。特に荒加工の場合は、比較的大きな切削量を得るため、負荷用電動モータ9による加工負荷は比較的大きな値となる。
次に、ステップS06において、得られた環状ワークWの剛性と加工負荷から、工作機械が環状ワークWの変形量を自動で計算する。具体的には、計算された環状ワークWの剛性、加工負荷の加わる位置などから、環状ワークWの変形量を予測できる。例えば、フロントシュー2及びリアシュー3の位置、砥石4が接触する位置などを考慮すると、環状ワークWの変形形状を予測できる。特に薄肉の環状ワークWでは、変形量が大きくなりやすい。
次いで、ステップS07において、環状ワークWの変形量に合わせてインプロセスゲージの値をシフトする。つまり、計算した環状ワークWのインプロセスゲージ6の位置の変形量(通常、加工負荷により大きくなる方向)と研削中の実際の環状ワークWの寸法の和が、インプロセスゲージ6の検出値になるので、計算した環状ワークWのインプロセスゲージ6の位置の変形量の影響を受けないように、その変形量を減算するようにしてインプロセスゲージ6の値を利用できるようにする。
次いで、砥石4による研削加工を継続する。つまり、インプロセスゲージ6がシフトされた状態で加工を継続することにより、従来のような削りすぎを防止することができる。例えば、図2のように加工負荷が小さいときには、インプロセスゲージ6で検出される変形量は小さい。このため、補正を行わなければ、環状ワークWの変形がほぼなくなり真円に近くなると、マスターワークに比べて外径が小さくなってしまう。仕上げに向かって加工負荷は小さくなるので、それに合わせてインプロセスゲージ6の値を補正することで、削りすぎは防止される。
次に、ステップS08において、インプロセスゲージ6の値がマスターワークで示された目標寸法に達成しているか判定される。達成されると、この環状ワークWの研削は終了する。達成されていないときには、ステップS05に戻って研削が継続される。
このように、研削加工しながら、インプロセスゲージ6の値をシフト(補正)して目標寸法となるようにする。
-従来のセンタレスシューによる研削方法-
比較のために、従来のセンタレスシューによる研削方法について説明する。まず、図4に示すように、ステップS101において、オペレータが、研削する環状ワークWの寸法諸元を工作機械に入力する。
次いで、ステップS102において、図示しないマスターワークでインプロセスゲージをセットする。これにより、仕上がり寸法に対応するインプロセスゲージの値がセットされる。
次いで、ステップS103において、環状ワークの変形量を推測する。これは、オペレータの経験に頼らざるを得ず、今までの仕上がり寸法が目標よりも加工しすぎという経験から変形量を推測する。
次いで、推測したワーク変形量の分だけ、インプロセスゲージ6のシフト量(補正値)を手動で入力する。
次に、ステップS105において、寸法アンダー加工を開始する。具体的には、変形により長円形に変形しているから、その推測した変形分を減算してインプロセスゲージ6の値を読むようにして研削加工する。仕上げに向かって変形量は変わってくることから、加工負荷が変わってもリアルタイムにインプロセスゲージ6の値を補正することはできない。
次いで、ステップS106において、研削を停止して環状ワークWを取り出し、寸法測定する。
次に、ステップS107において、寸法が適正かが判定される。研削後の寸法が、マスターワークの寸法に対して寸法差があるときには、上記推測したワーク変形量が誤っているので、ステップS104に戻って、寸法差から推測したワーク変形量を修正し、研削加工が繰り返される。つまり、寸法オーバーしないように、アンダーを狙い加工を繰り返す。
このように、従来の方法では、適切な寸法が得られるまで、何度も研削を繰り返さなければならず、非常に非効率である。
以上説明したように、従来、特に薄肉の環状ワークWを研削するときに、砥石4を押し付けることにより、環状ワークWが変形し、インプロセスゲージ6が示すとおりに研削を進めると、ワーク外径が目標よりも加工しすぎて小さくなり、環状ワークWの仕上がり精度が悪くなる。
しかしながら、本実施形態のセンタレスシューによる研削方法によると、入力された寸法諸元から環状ワークWの剛性を自動で計算でき、その剛性と加工負荷から環状ワークWの変形量を随時算出できる。この環状ワークWの変形量を考慮してインプロセスゲージの0点調整をリアルタイムで行うことにより、実際のワークの変形による影響を受けないようにして研削加工が行われる。
したがって、本実施形態に係るセンタレスシュー1による研削方法によると環状ワークWの変形によるインプロセスゲージ6の値に惑わされずに加工することで、寸法精度を向上させることができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
例えば、インプロセスゲージ6の位置によっては、加工負荷を加えたときに、環状ワークWの外径が減るような位置にある場合には、実際よりも小さな値を拾っているので、インプロセスゲージ6の値には、計算した環状ワークWの変形量を加えるようにすればよい。
1 センタレスシュー
2 フロントシュー
3 リアシュー
4 砥石
5 電動モータ
6 インプロセスゲージ
7 制御部
8 電流計
9 負荷用電動モータ
10 スケール
11 アンプ

Claims (1)

  1. 環状ワークの外周面を前記環状ワークの中心軸と直交する面内で移動可能なフロントシュー及びリアシューで支持し、回転駆動される前記環状ワークの外周面を砥石により研削するセンタレスシューによる研削方法であって、
    前記環状ワークの寸法諸元を工作機械に入力し、前記寸法諸元からワークの剛性を前記工作機械が自動で計算し、
    マスターワークでインプロセスゲージをセットし、
    前記環状ワークを前記センタレスシューにセットし、
    前記環状ワークを回転駆動しながら、前記砥石による研削加工を開始し、
    前記砥石による加工負荷を検知し、
    前記ワークの剛性と前記加工負荷から前記工作機械が前記環状ワークの変形量を自動で計算し、
    前記環状ワークの変形量に合わせて前記インプロセスゲージの値をシフトし、
    前記砥石による加工を継続する
    ことを特徴とするセンタレスシューによる研削方法。
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