JP2023150900A - 研削加工システム - Google Patents

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Yuki Masuda
徹 河原
Toru Kawahara
慎二 村上
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Abstract

Figure 2023150900000001
【課題】研削された工作物の表面に残留した研削焼け深さを正確に検出することができる研削加工システムを提供する。
【解決手段】研削加工システムは、現在研削焼け深さA(A1,A2)を算出し、対象研削時刻における工作物Wの表面位置Dから、対象研削時刻において現在研削焼け深さA(A1、A2)の大きさ分、基準位置C側に移動した位置を暫定研削焼け最深位置Pa(Pa1、Pa2)として算出する。そして、当該算出した対象研削時刻における暫定研削焼け最深位置Pa(Pa1、Pa2)と、工作物Wの同一被加工部における前回の対象研削時刻の残留研削焼け最深位置Pとを比較して、基準位置Cに近い方を今回の対象研削時刻における残留研削焼け最深位置Pとして更新する。
【選択図】図9

Description

本発明は、研削加工システムに関する。
従来、工作物を研削加工する際、工作物における加工部位の温度が高温になりやすいため、加工条件によっては工作物の表面に研削焼けが生じることがある。研削焼けは工作物の機械的強度を低下させる要因となるおそれがあるため好ましくない。このような研削焼けを検出する方法として、例えば、特許文献1には、励磁電流により工作物に発生させた渦電流による磁界の変化が、研削焼けの有無により異なることを利用して、周波数の異なる複数の励磁電流により工作物に渦電流を発生させ、工作物深層部と工作物表層部とにおける渦電流による磁界の変化の違いを検出することにより、工作物表層部の研削焼けを検出する構成が開示されている。
特開2018-189603号公報
しかしながら、特許文献1に開示の構成では、研削焼けが工作物の表層においてどの程度の深さまで到達しているか、すなわち、研削焼け深さについては正確に検出することが困難である。研削焼け深さが正確に検出できないと、研削焼けを防止するために研削条件を調整することが難しく、生産性の低下を招く。そのため、研削焼け深さを正確に検出することが求められている。
本発明は、研削された工作物の表面に残留した研削焼け深さを正確に検出することができる研削加工システムを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、工作物の表面を複数回研削して最終目標形状に加工する研削加工システムであって、
上記工作物を研削したときの実切込み量を取得する実切込み量取得部と、
上記工作物の研削に関係する研削状態量を取得する研削状態量取得部と、
上記工作物を研削したときの上記実切込み量と、上記工作物を研削したときの上記研削状態量から抽出される研削特徴量と、上記研削特徴量を抽出した研削時刻における研削により上記工作物の被加工部に生じる研削焼け深さとの対応関係が予め記憶された対応関係記憶部と、
研削中の各研削時刻において上記実切込み量取得部により取得された上記実切込み量と、上記研削状態量取得部により取得された上記研削状態量と、上記対応関係記憶部に記憶された上記対応関係とに基づいて、各研削時刻における研削条件での研削により各研削時刻に上記工作物の被加工部に生じる研削焼け深さを現在研削焼け深さAとして推定する現在研削焼け深さ推定部と、
対象研削時刻における上記工作物の表面位置Dから、上記対象研削時刻において上記現在研削焼け深さ推定部が推定した上記現在研削焼け深さAの大きさ分、上記工作物の内部に設定した基準位置C側に移動した位置を、上記対象研削時刻における上記工作物の被加工部に生じる研削焼けの最深位置の暫定値である暫定研削焼け最深位置Paとして算出する暫定研削焼け最深位置算出部と、
上記工作物の被加工部に残留する研削焼けの最深位置である残留研削焼け最深位置Pを格納する残留研削焼け最深位置格納部と、
上記対象研削時刻において上記暫定研削焼け最深位置算出部が算出した上記工作物の被加工部における研削焼けの上記暫定研削焼け最深位置Paと、上記残留研削焼け最深位置格納部に格納された上記工作物の同一被加工部における前回の対象研削時刻の上記残留研削焼け最深位置Pとを比較して、上記基準位置Cに近い方を上記被加工部における今回の対象研削時刻の残留研削焼け最深位置Pとして更新して上記残留研削焼け最深位置格納部に格納する、残留研削焼け最深位置更新部と、
を含む、研削加工システムにある。
上記態様によれば、対象研削時刻において工作物を研削したときの実切込み量と、研削状態量から抽出される研削特徴量と、研削により工作物に生じる研削焼け深さとの対応関係に基づいて算出した工作物に生じる現在研削焼け深さの暫定最深位置Paと、前回の更新された残留研削焼け最深位置Pとを比較して、工作物の内側の基準位置Cに近い方が今回の対象研削時刻の残留研削焼け最深位置Pとして更新される。そのため、工作物に残留する研削焼けの最深位置を常に最新の状態で把握することができる。これにより、工作物に残留する研削焼け深さを正確に検出することができる。
以上のごとく、上記態様によれば、研削された工作物の表面に残留した研削焼け深さを正確に検出することができる研削加工システムを提供することができる。
実施形態1における、研削加工システムの構成を示す概念図。 実施形態1における、処理装置の概要構成を示す機能ブロック図。 実施形態1における、定寸装置の構成を示す図。 実施形態1における、対応関係記憶部に記憶された対応関係の一例を示す図。 実施形態1における、研削加工システムによる処理を示すフロー図。 実施形態1における、研削加工処理を示すフロー図。 実施形態1における、研削焼け深さと実切込み量との関係を示す図。 実施形態1における、残留研削焼け判定処理のフロー図。 実施形態1における、(a)現在研削焼け最深位置と残留研削焼け最深位置との関係を説明する図、(b)現在研削焼け最深位置と残留研削焼け最深位置との関係を説明する他の図。 実施形態1における、(a)現在研削焼け最深位置と残留研削焼け最深位置との関係を説明する図、(b)現在研削焼け最深位置と残留研削焼け最深位置との関係を説明する他の図。 実施形態1における、最終残留研削焼け判定処理のフロー図。 実施形態1における、(a)残留研削焼け判定処理結果の一例を示す図、(b)残留研削焼け判定処理結果の他の例を示す図。 実施形態2における、処理装置の概要構成を示す機能ブロック図。 実施形態1における、残留研削焼け判定処理のフロー図。 実施形態1における、(a)研削条件更新部による更新前の状態を説明する図、(b)研削条件更新部による更新後の状態を説明する図。
(実施形態1)
1.研削加工システム1の構成
本実施形態1における研削加工システム1について図1を参照して説明する。研削加工システム1は、工作物の研削加工を行う加工装置を対象とする。研削加工システム1は、加工装置としての研削盤2と、処理部3とを備える。
研削盤2は、工作物Wを中心線Cを中心に回転させ、回転体である工具としての砥石車16を回転させ、かつ、砥石車16を工作物Wに対して工作物Wの軸線に交差する方向に相対的に接近させることにより、工作物Wの外周面または内周面を研削する。研削盤2は、テーブルトラバース型の研削盤、砥石台トラバース型の研削盤などを適用可能である。また、研削盤2は、円筒研削盤、カム研削盤等を適用可能である。
本実施形態においては、図1に示すように、工作物Wは、例えば、軸状に形成された部材とし、工作物Wの外周面が被加工部である場合を例にあげる。ただし、工作物Wの形状は、軸状に限られず、内周面を有する筒状など、任意の形状とすることができる。工作物Wが筒状である場合は工作物Wの内周面を被加工部とすることができる。
本実施形態においては、工作物Wは、略棒状であって両端において工作物支持部材により支持される。ただし、図1に示す工作物Wは、一例であって、研削盤2は、種々の形状を有する工作物を研削加工の対象とすることができる。
処理部3は、後述する処理を行う処理装置31と、研削盤2を制御する制御装置32とを備える。処理装置31は、学習処理装置33及び判定装置34を有しており、後述するように、判定装置34によって工作物Wにおける研削による研削焼けが残留するか否かを判定し、当該判定結果に基づいて工作物Wにおける研削条件を調整する。制御装置32は、研削盤2を制御することにより、研削加工を制御する。
処理装置31は、研削盤2および制御装置32とは独立したシミュレーション装置として機能させることもできるし、研削盤2および制御装置32と連動して動作するシミュレーション装置として機能させることもできる。前者の場合には、処理装置31は、例えば、実際の工作物Wの研削加工を行うことなく、最適な研削条件を決定することができる。後者の場合には、処理装置31は、研削盤2による工作物Wの研削加工と並行して処理することにより、例えば、研削条件を調整したり、各種制御に影響を及ぼすように動作したりすることができる。また、処理装置31は、研削盤2および制御装置32の組込みシステムとすることもできる。
2.研削盤2および制御装置32の構成
研削盤2の構成について、図1を参照して説明する。本実施形態1においては、研削盤2は、砥石台トラバース型の円筒研削盤を例にあげる。ただし、研削盤2は、テーブルトラバース型を適用することもできる。研削盤2は、主として、ベッド11、主軸台12、心押台13、トラバースベース14、砥石台15、砥石車16、定寸装置17、砥石車修正装置18及びクーラント装置19を備える。
ベッド11は、設置面上に固定されている。主軸台12は、ベッド11の上面において、X軸方向の手前側(図1の下側)且つZ軸方向の一端側(図1の左側)に設けられている。主軸台12は、工作物Wを中心線Cを中心としてZ軸回りに回転可能に支持する。工作物Wは、主軸台12に設けられたモータ12aの駆動により回転される。心押台13は、ベッド11の上面において、主軸台12に対してZ軸方向に対向する位置、すなわち、X軸方向の手前側(図1の下側)且つZ軸方向の他端側(図1の右側)に設けられている。つまり、主軸台12および心押台13が、工作物Wを回転可能に両端支持する。
トラバースベース14は、ベッド11の上面において、Z軸方向に移動可能に設けられている。トラバースベース14は、ベッド11に設けられたモータ14aの駆動により移動する。砥石台15は、トラバースベース14の上面において、X軸方向に移動可能に設けられている。砥石台15は、トラバースベース14に設けられたモータ15aの駆動により移動する。砥石車16は、砥石台15に回転可能に支持されている。砥石車16は、砥石台15に設けられたモータ16aの駆動により回転する。砥石車16は、複数の砥粒をボンド材により固定されて構成されている。
定寸装置17は、工作物Wの寸法(径)を測定する。定寸装置17により、工作物Wにおける実切込み量を取得するための検出器20として機能する。図3に示すように、定寸装置17は、装置本体171と、一対の接触子172a,172bと、一対のフィンガ173a,173bと、差動トランス174とを主に備える。接触子172a,172bは、工作物Wの外周面に対して接触可能に設けられる。具体的に、一対の接触子172a,172bのうち、一方の接触子172aは、工作物Wの外周面に対して上方から接触し、他方の接触子172bは、工作物Wの外周面に対して下方から接触する。フィンガ173a,173bは、接触子172a,172bを保持すると共に、装置本体171に対し、接触子172a,172bを相対変位可能に支持する。具体的に、一対のフィンガ173a,173bのうち、一方のフィンガ173aは、一方の接触子172aを支持し、他方のフィンガ173bは、他方の接触子172bを支持する。
差動トランス174は、装置本体171に収容される。差動トランス174は、一対の接触子172a,172bの変位に伴って変位する一対のフィンガ173a,173bの変位を検出し、フィンガ173a,173bの変位に応じた電気信号を制御装置32に出力する。制御装置32は、差動トランス174から出力された電気信号に基づいて、一対の接触子172a,172bが工作物Wの外周面に接触したときのフィンガ173a,173bの位置を検知し、フィンガ173a,173bの位置に基づいて、定寸装置17による工作物Wの外径の測定結果を取得することができる。なお、定寸装置17には、他の検出器20として、加速度センサ、マイクロフォン、温度センサなどが取り付けられていてもよい。
砥石車修正装置18は、砥石車16の形状を修正する。砥石車修正装置18は、砥石車16のツルーイングを行う装置である。砥石車修正装置18は、ツルーイングに加えて、または、ツルーイングに代えて、砥石車16のドレッシングを行う装置としてもよい。さらに、砥石車修正装置18は、砥石車16の寸法(径)を測定する機能も有する。
ここで、ツルーイングは、形直し作業であり、研削によって砥石車16が摩耗した場合に工作物Wの形状に合わせて砥石車16を成形する作業、片摩耗によって砥石車16の振れを取り除く作業等である。ドレッシングは、目直し(目立て)作業であり、砥粒の突き出し量を調整したり、砥粒の切れ刃を創成したりする作業である。ドレッシングは、目つぶれ、目詰まり、目こぼれ等を修正する作業であって、通常ツルーイング後に行われる。
クーラント装置19は、クーラントノズルから砥石車16による工作物Wの研削点にクーラントを供給する。クーラント装置19は、回収したクーラントを、所定温度に冷却して、再度研削点に供給する。クーラント装置19は、クーラントの流量や供給タイミングの調整が可能となっている。なお、図1において、符号19はクーラントノズルの位置を図示する。また、図示しないが、検出器20として、回収したクーラントの温度を取得する温度センサが備えられていてもよい。
制御装置32は、工作物Wの形状、研削条件、砥石車16の形状、クーラントの流量又は供給タイミング情報等の動作指令データに基づいて生成されたNCプログラムに基づいて、研削盤2における砥石車16やクーラント装置19等の駆動を制御することにより工作物Wの研削を行う。特に、制御装置32は、後述する研削条件調整部350により作成された研削条件と、定寸装置17により測定される工作物Wの径に基づいて、工作物Wが仕上げ形状(目標形状)となるまで研削を行う。また、制御装置32は、砥石車16を修正するタイミングにおいて、砥石車修正装置18等を制御することにより、砥石車16の修正(ツルーイングおよびドレッシング)を行う。
3.学習処理装置33の構成
図2に示す学習処理装置33は、特徴量と研削焼け深さとの対応関係としての学習済みモデルを作成する。図2に示すように、学習処理装置33は、訓練データ取得部331、研削焼け深さ取得部332、特徴量算出部333、モデル作成部334を備える。訓練データ取得部331は、工作物Wを研削加工したときに検出器20により得られる研削状態量を用いて学習済みモデルを作成するための訓練データを取得する。研削状態量は、工作物Wにおける実切込み量とともに、砥石車16の動力、工作物Wに対する砥石車16の接線抵抗や法線抵抗、加工点温度、クーラント温度、クーラント流量などの少なくとも一つを含み、工作物Wにおける研削についての各種データを含む。なお、研削状態量は、実切込み量とともに列挙したデータの中の複数のデータを含むようにするとよい。
本実施形態1では、訓練データ取得部331は、研削加工して研削焼けの残留の有無が判明した工作物Wについて、当該訓練データを取得する。そして、研削焼け深さ取得部332は、当該訓練データと紐づいた研削焼け深さを取得する。なお、当該学習処理装置33において、研削焼け深さは、モデル作成用の工作物を腐食させて破壊検査を行い、実測した取得した値とすることができる。特徴量算出部333は、訓練データから研削焼け深さに関係する複数の特徴量を算出する。これらは、図示しない所定の演算装置により構成される。
そして、モデル作成部334において、特徴量と研削焼け深さとに基づいて、学習済みモデルを作成する。モデル作成部334も図示しない所定の演算装置により構成される。実切込み量と、研削焼け深さと特徴量との対応関係は特徴量ごとに規定され、例えば、所定の特徴量についての実切込み量と研削焼け深さとの対応関係は非線形回帰式として、図4に示す関係として表すことができる。当該対応関係は二次元で示されるグラフに限らず、多次元で示されるものであってもよいし、実切込み量と特徴量と研削焼け深さとの関係式で表されるものであってもよい。モデル作成部334により作成された学習済みモデルは、後述の対応関係記憶部343に記憶される。
モデル作成部334により作成された学習済みモデルの態様は限定されず、訓練データに基づいて機械学習により作成するものであってよい。本実施形態では、学習済みモデルとして、ニューラルネットワークを構成するものとすることができる。
4.判定装置34の構成
図2に示すように、判定装置34は、実切込み量取得部341、研削状態量取得部342、対応関係記憶部343、現在研削焼け推定部344、暫定研削焼け最深位置算出部345、残留研削焼け最深位置格納部346、残留研削焼け最深位置更新部347、最終残留焼け判定部348、判定結果表示部349、研削条件調整部350を有する。
実切込み量取得部341は、検出器20により取得した値に基づいて実切込み量を取得する。本実施形態1では、検出器20としての定寸装置17により工作物Wの外周面の寸法を検出して、一回転前後の変化量を実切込み量として取得する。
研削状態量取得部342は、研削加工対象である工作物Wを研削する際に検出器20で検出された各種データに基づいて上述の研削状態量を取得する。対応関係記憶部343には、実切込み量と研削状態量(特徴量)と研削焼け深さとの対応関係として上述の学習済みモデルが記憶されている。
現在研削焼け推定部344は、研削中の各研削時刻において実切込み量取得部341により取得された実切込み量と、研削状態量取得部342により取得された研削状態量と、対応関係記憶部343に記憶された対応関係とに基づいて、各研削時刻における研削条件での研削により各研削時刻に工作物Wの被加工部に生じる研削焼け深さを現在研削焼け深さAとして推定する。
暫定研削焼け最深位置算出部345は、対象研削時刻における工作物Wの表面位置Dから、対象研削時刻において現在研削焼け深さ推定部344が推定した現在研削焼け深さAの大きさ分、工作物Wの内部に設定した基準位置C側に移動した位置を、対象研削時刻における工作物Wの被加工部に生じる研削焼けの最深位置の暫定値である暫定最深位置Paとして算出する。なお、工作物Wの内部とは、工作物Wの外周面が被加工部である場合には、工作物Wの中心線C寄りの領域であり、工作物Wの内周面が研削部位である場合には、工作物Wの中心線Cから離れる側の領域である。本実施形態1では、基準位置Cは工作物Wの中心線Cの位置と一致している。
残留研削焼け最深位置格納部346は、工作物Wの被加工部に残留する研削焼けの最深位置である残留研削焼け最深位置Pを格納する。後述するように、残留研削焼け最深位置Pは、更新されるたびに最新の残留研削焼け最深位置Pとして当該残留研削焼け最深位置格納部346に格納される。
残留研削焼け最深位置更新部347は、対象研削時刻において暫定研削焼け最深位置算出部345が算出した工作物Wの被加工部における研削焼けの暫定最深位置Paと、残留研削焼け最深位置格納部346に格納された工作物Wの同一被加工部における前回の対象研削時刻の残留研削焼け最深位置Pとを比較する。本実施形態1では、工作物Wは円柱状であって外周面が被加工部となっているため、暫定最深位置Paおよび前回の対象研削時刻の残留研削焼け最深位置Pとは、工作物Wの周方向の同一位置に位置する。なお、初回(すなわち、当該工作物Wの一回転目)の場合は、前回の対象研削時刻の残留研削焼け最深位置Pを工作物Wの表面位置Dとして処理することができる。
さらに、残留研削焼け最深位置更新部347は、上記比較をした結果、基準位置Cに近い方を工作物Wの被加工部における今回の対象研削時刻の残留研削焼け最深位置Pとして更新して、上述の通り、残留研削焼け最深位置格納部346に格納する。なお、残留研削焼け最深位置更新部347は、上述した暫定最深位置Paと残留研削焼け最深位置Pの比較、残留研削焼け最深位置Pの更新及び格納は、工作物Wを研削している間、継続して実行する。
本実施形態1では、工作物Wは被加工部を研削する研削工具である砥石車16に対して相対的に回転して、同一の被加工部を複数回研削するように構成されている。そして、残留研削焼け最深位置更新部347において、前回の対象研削時刻は、今回の対象研削時刻に対する工作物の一回転前の時刻である。
最終残留研削焼け判定部348は、研削終了時点における、残留研削焼け最深位置更新部347により更新された残留研削焼け最深位置Pが、工作物の表面位置Dよりも基準位置C側に位置する場合に上記工作物に研削焼けが残留していると判定する。一方、研削終了時点における、上記残留研削焼け最深位置更新部により更新された上記残留研削焼け最深位置Pが、工作物Wの表面位置Dと一致した場合に工作物Wに研削焼けが残留していないと判定する。
判定結果表示部349は、最終残留研削焼け判定部348による判定結果を表示する。なお、判定結果表示部349に表示する形態は限定されない。研削条件調整部350は、最終残留研削焼け判定部348による判定結果に基づいて、上述した研削条件を作成し制御装置32に送信する。
例えば、最終残留研削焼け判定部348による判定結果が、研削後に工作物Wに研削焼けが残留することを示すものである場合は、研削条件調整部350は、次回の研削において粗研削工程における研削能率を低下させるように研削条件を調整することができる。研削能率の変更は、砥石車16の切込み量及び切込速度や砥石車16におけるドレスリードの変更によって行うことができる。
一方、最終残留研削焼け判定部348による判定結果が、研削後に工作物Wに研削焼けが残留しないことを示すものである場合は、研削条件調整部350は、研削焼け深さと研削後の工作物半径との関係から導出した余裕度の範囲内で次回の粗研削工程における研削能率を上昇させたり、研削能率を維持するように研削条件を調整したりすることができる。
5.研削加工システム1による処理
図5に示すように、研削加工システム1による処理は、研削加工処理S1と残留研削焼け算出処理S2とを並列処理した後、最終残留研削焼け判定処理S3を行う。
5-1.研削加工処理の説明
まず、研削加工処理S1について説明する。図6に示すように、研削加工処理S1は、粗研削工程S11、精研削工程S12、微研削工程S13、スパークアウト工程S14を含む。
粗研削工程S11では、制御装置32により、工作物Wの形状、研削条件、砥石車16の形状、クーラントの流量又は供給タイミング情報等の動作指令データに基づいて、砥石車16を所定の速度で回転させて、第1切込み量で工作物Wを研削する。精研削工程S12では、制御装置32により工作物Wを第1切り込み量よりも低い第2切り込み量で研削する。精研削工程S13では、制御装置32により工作物Wを第2切り込み量よりも低い第3切り込み量で研削する。スパークアウト工程S14では、予め設定された回転数で工作物Wを回転させて微研削工程S13における研削残しの分を研削して断面形状を真円形状とする。切り込み量は制御装置32により砥石車16の切込み位置を制御することにより調整できる。
本実施形態1では、各工程S11~S13における第1~第3切込み量は、図7において黒丸で示す変位量としてそれぞれ設定される。スパークアウト工程S14では、実切込み量は実質的にゼロとなっている。そして、各工程S11~S14における切込み量と、各切込み量で工作部Wの被加工部を研削したときに生じる研削焼け深さとの関係は、図7に示すように規定される。
なお、図7に示すように、工作物Wの研削による研削焼けは主に粗研削工程S11において発生するものであって、精研削工程S12では粗研削工程S11から切り替わった直後において新たに研削焼けが発生する可能性が若干あるがそれ以降での精研削工程S12や、微研削工程S13及びスパークアウト工程S14では研削焼けが新たに発生することはほぼない。スパークアウト工程S14が終了すると研削加工処理S1を終了する。そして、研削加工処理S1の終了時刻を研削終了時刻T5とする。
5-2.残留研削焼け深さ算出処理の説明
図8に示す残留研削焼け算出処理S2について以下に説明する。図8に示すように、研削焼け判定処理は、まず、ステップS21において、工作物W及び研削盤2から検出器20の検出値に基づいて実切込み量取得部341により工作物Wにおける実切込み量を取得し、研削状態量取得部342により工作物Wの研削に関係する研削状態量を取得する。
次いで、ステップS22において、現在研削焼け深さ推定部344により、現在研削焼け深さAを推定する。現在研削焼け深さAは、研削中の各研削時刻において、ステップS21で取得した実切込み量及び研削状態量と、対応関係記憶部343に記憶された対応関係とに基づいて、各研削時刻における研削条件での研削により各研削時刻に工作物Wの被加工部に生じる研削焼け深さとして推定される。例えば、図7に示すように、粗研削工程S11における対象研削時刻T1において発生する現在研削焼け深さAはA1として示すことができる。
そして、ステップS23において、暫定研削焼け最深位置算出部345により、暫定研削焼け最深位置Paを算出する。粗研削工程S11における対象研削時刻T1において、図9(a)に示す例では、暫定研削焼け最深位置Paは、対象研削時刻における工作物Wの表面位置Dから現在研削焼け深さA1の大きさ分、基準位置C側に移動した位置であるPa1として算出する。なお、図9(a)において、各対象研削時刻におけるPaの軌跡をPa推移として破線で示した。同様に、各対象研削時刻におけるPの軌跡をP推移とし、Dの軌跡をD推移としてそれぞれ実線で示した。
その後、ステップS24において、残留研削焼け最深位置更新部347により、暫定研削焼け最深位置Paと残留研削焼け最深位置格納部346に格納された前回(時刻T0)の残留研削焼け最深位置Pとを比較し、暫定研削焼け最深位置Paが前回の残留研削焼け最深位置Pよりも基準位置Cに近いか否か判定する。
ステップS24において、図9(a)に示す例では、対象研削時刻T1における暫定研削焼け最深位置Paが、前回(一回転前)の時刻T0の残留研削焼け最深位置Pよりも基準位置Cに近いため、ステップS24のYesに進む。そして、ステップS25において、残留研削焼け最深位置更新部347により、対象研削時刻T1における暫定研削焼け最深位置Paが今回(対象研削時刻T1)の残留研削焼け最深位置Pとして更新し、更新された残留研削焼け最深位置Pは残留研削焼け最深位置格納部346に格納される。
その後は、ステップS26において、制御装置32により研削終了時刻が到来したか否かを判定する。研削終了時刻が到来していないと判定された場合は、ステップS26のNoに進み、再度ステップS21に戻る。
そして、例えば、時刻T1の一回転後のタイミングである対象研削時刻T2についても同様にステップS21及びステップS22を行う。なお、対象研削時刻T2において研削加工は精研削工程S12となっている。対象研削時刻T2において発生する現在研削焼け深さAは、図7に示すように、A2として示すことができる。
その後、ステップS23に進み、上述の場合と同様に、対象研削時刻T2における暫定研削焼け最深位置Paとして、図9(b)に示すように、対象研削時刻における工作物Wの表面位置Dから現在研削焼け深さA2の大きさ分、基準位置C側に移動した位置であるPa2として算出する。
さらに、ステップS24において、上述の場合と同様に、対象研削時刻T2における暫定研削焼け最深位置Paと、前回(一回転前)の時刻T1で更新された残留研削焼け最深位置Pとを比較する。対象研削時刻T2では、図9(b)に示すように、暫定研削焼け最深位置Paが、前回(一回転前)の時刻T1の残留研削焼け最深位置Pよりも基準位置Cに近くないため、ステップS24のNoに進む。そして、ステップS27において、残留研削焼け最深位置更新部347は、対象研削時刻T2において、残留研削焼け最深位置Pを更新せずに、前回である時刻T1の残留研削焼け最深位置Pを今回(対象研削時刻T2)の残留研削焼け最深位置Pとして、残留研削焼け最深位置格納部346に格納する。その後は、上述したステップS26に進む。
図7に示すように、精研削工程S12の途中である時刻T3では現在研削焼け深さAであるA3は0となっており、以降は同様に現在研削焼け深さAは0に維持されている。そのため、図10(a)に示すように、精研削工程S12の途中で現在研削焼け深さAが0になった後は、残留研削焼け最深位置Pは更新されず、前回(一回転前)の残留研削焼け最深位置Pが維持されている。
また、図10(b)に示すように、研削対象時刻T4において、工作物Wの表面位置Dが、残留研削焼け最深位置Pよりも基準位置Cに近い側に位置することとなった場合は、暫定研削焼け最深位置Paは工作物Wの表面位置Dに一致する位置として算出され、当該暫定研削焼け最深位置Paが残留研削焼け最深位置Pとして更新される。
一方、ステップS26において、研削終了時刻T5が到来したと判定された場合は、当該残留研削焼け算出処理S2を終了する。
5-3.最終残留研削焼け判定処理S20の説明
次に、最終残留研削焼け判定処理S3について説明する。図11に示すように、最終残留研削焼け判定処理S3では、ステップS31において、最終残留研削焼け判定部348により、残留研削焼け最深位置Pが、工作物の表面位置Dよりも基準位置C側に位置するか否かを判定する。
例えば、図12(b)に示す例では、残留研削焼け最深位置Pが、工作物の表面位置Dよりも基準位置C側に位置しているため、ステップS31のYesに進み、ステップS32において、最終残留研削焼け判定部348により、工作物Wに研削焼けの残留があると判定する。そして、工作物Wに残留した研削焼けの深さPxは、研削終了時刻T5における工作物Wの表面位置Dから残留研削焼け最深位置Pまでの距離Pxとして表される。
その後、ステップS33に進み、判定結果表示部349において、研削焼けの残留ありとの判定結果を表示する。そして、ステップS34において、研削条件調整部350により判定結果に応じて研削条件を調整する。ステップS34では、研削条件調整部350は、粗研削工程S11における研削能率を低下させるように研削条件を調整する。本実施形態1では、研削条件として、粗研削工程S11における砥石車16の切込み速度を低減させることにより、研削能率を低下させる。そして、当該最終残留研削焼け判定処理S3を終了する。
一方、例えば、図12(a)に示す例では、残留研削焼け最深位置Pが、工作物の表面位置Dよりも基準位置C側に位置していないため、ステップS31のNoに進み、ステップS35において、最終残留研削焼け判定部348により、工作物Wに研削焼けの残留がないと判定する。そして、ステップS36に進み、判定結果表示部349において、研削焼けの残留なしとの判定結果を表示する。
その後、ステップS37において、研削条件調整部350により、余裕度Mを算出する。余裕度Mは、図12(a)に示すように、スパークアウト工程S14の研削終了時刻T5において、工作物Wの表面位置D5から研削加工処理S11~S14における残留研削焼け最深位置Pのうち、最も基準位置Cに近い位置にあったときの残留研削焼け最深位置Pである最大残留研削焼け最深位置Pyまでの距離として表される。そして、ステップS38において、研削条件調整部350は、当該余裕度Mがゼロ以上でかつ小さくなるように粗研削工程S11における研削能率を上昇させて、当該最終残留研削焼け判定処理S20を終了する。これにより、研削焼けが残留しない範囲で研削能率を上昇させることができるため、研削サイクルの短縮を図ることができる。
6.作用効果
本実施形態1における研削加工システム1における作用効果について以下に説明する。本実施形態1における研削加工システム1によれば、対象研削時刻において工作物Wを研削したときの実切込み量と、研削状態量から抽出される研削特徴量と、研削により工作物Wに生じる研削焼け深さとの対応関係に基づいて算出した工作物Wに生じる現在研削焼け深さの暫定最深位置Paと、前回の更新された残留研削焼け最深位置Pとを比較して、工作物の内側の基準位置Cに近い方が今回の対象研削時刻の残留研削焼け最深位置Pとして更新される。そのため、工作物Wに残留する研削焼けの最深位置Pを常に最新の状態で把握することができる。これにより、工作物Wに残留する研削焼け深さを正確に検出することができる。
また、本実施形態1では、工作物Wは被加工部を研削する研削工具としての砥石車16に対して相対的に回転して、同一の被加工部を複数回研削するように構成されている。そして、残留研削焼け最深位置更新部347において、前回の対象研削時刻(例えば、T0)は、今回の対象研削時刻(例えば、T1)に対する工作物Wの一回転前の時刻である。これにより、確実に同一の位置の被加工部において、現在研削焼け深さの暫定最深位置Paと、前回の更新された残留研削焼け最深位置Pと比較することができるため、研削焼け深さをより正確に検出することができる。
また、本実施形態1では、研削終了時点T5における、残留研削焼け最深位置更新部347により更新された残留研削焼け最深位置Pが、工作物の表面位置Dよりも基準位置C側に位置する場合に工作物Wに研削焼けが残留していると判定し、そうでない場合に上記工作物Wに研削焼けが残留していないと判定する。これにより、工作物Wにおける研削焼けの残留の有無を容易に判定することができる。
また、本実施形態1では、最終残留研削焼け判定部348の判定結果を表示する判定結果表示部349を有する。これにより、工作物Wに研削焼けが残留するか否かを認知することが容易となる。
また、本実施形態1では、最終残留研削焼け判定部348の判定結果に基づいて、工作物Wの研削条件を調整する研削条件調整部を含む。これにより、工作物Wの研削条件の最適化を図ることができる。
また、本実施形態1では、研削条件調整部350は、最終残留研削焼け判定部348の判定結果が工作物Wに研削焼けが残留していることを示すものである場合、工作物Wに対する研削能率が低下するように研削条件を調整する。これにより、研削途中で工作物Wに形成される研削焼け深さを低減できるため、研削終了後の工作物Wに研削焼けが残留することを防止することができる。
なお、本実施形態1では、工作物Wの表面位置Dが残留研削焼け最深位置Pよりも基準位置Cに近い側に位置することとなった後も研削焼け最深位置Paを残留研削焼け最深位置Pとして更新することを継続したが、これに替えて、工作物Wの表面位置Dが、残留研削焼け最深位置Pの内で最も基準位置Cに近い最大残留研削焼け最深位置Pmaxと一致した時点で残留研削焼け最深位置Pの更新を停止してもよい。
以上のごとく、上記態様によれば、研削された工作物の表面に残留した研削焼け深さを正確に検出することができる研削加工システムを提供することができる。
(実施形態2)
本実施形態2では、実施形態1の最終残留研削焼け判定部348と研削条件調整部350とに替えて、図13に示すように途中判定部360と研削条件更新部361を有する。
途中判定部360は、研削中の各研削時刻において残留研削焼け最深位置更新部347により更新された残留研削焼け最深位置Pが、所定の判定位置Xよりも基準位置C側に位置するか否かを判定する。そして、研削条件更新部361は、途中判定部360の判定結果に基づいて、上記途中判定部360による上記判定以降の研削における研削条件を更新する。
そして、実施形態2では、図8に示すステップS25の後、及びステップS27の後、図14に示すステップS40に進む。ステップS40では、途中判定部360が粗研削工程S11の終了前に残留焼け最深位置Pが基準位置Xよりも基準位置Cに近いか否かを判定する。粗研削工程S11の終了前に残留焼け最深位置Pが判定位置Xよりも基準位置Cに近いと判定された場合は、ステップS40のYesに進み、ステップS41において、研削条件更新部361により、粗研削工程S11において研削能率を低下させるように研削条件を更新する。
一方、ステップS40において、途中判定部360により、粗研削工程S11の終了前に残留焼け最深位置Pが判定位置Xよりも基準位置Cに近くないと判定されたときは、ステップS40のNoに進み、ステップS42において、粗研削工程S11における研削能率を維持させて、研削条件更新部361による更新を行わない。ステップS41及びステップS42の後、実施形態1における図8のステップS21に戻り、ステップS25の後、及びステップS27の後は上述通り、図14に示すステップS40に進む。
実施形態2では、図15(a)において、粗研削工程S11における対象研削時刻T6において残留焼け最深位置Pが判定位置Xよりも基準位置Cに近い場合は、工作物Wに研削焼けが過度に発生しており、点線で示すようにスパークアウト工程S14の終了時に残留研削焼けが発生すると予想される。そのため、対象研削時刻T6以後の粗研削工程S11において研削能率を低下させるように研削条件を更新して、以後に発生する研削焼けを抑制して、図15(b)に示すように、スパークアウト工程S14の終了時に研削焼けが残留しないと予想されるようにすることができる。その結果、研削後の工作物Wに研削焼けが残留することを一層防止できる。
なお、実施形態2では、粗研削工程S11において研削能率を低下させるように研削条件を更新したが、これに替えて、粗研削工程S11の取り代を少なく、精研削工程S12の取り代を多くするように研削条件を更新することとしてもよい。
また、本実施形態2では、実施形態1の最終残留研削焼け判定部348と研削条件調整部350とに替えて、図13に示すように途中判定部360と研削条件更新部361を有することとしたが、実施形態1の最終残留研削焼け判定部348と研削条件調整部350とともに、実施形態2の途中判定部360と研削条件更新部361を有する構成としてもよい。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1 研削加工システム
2 研削盤
31 処理装置
32 制御装置
33 学習処理装置
34 判定装置
341 実切込み量取得部
342 研削状態量取得部
343 対応関係記憶部
344 現在研削焼け深さ推定部
345 暫定研削焼け最深位置算出部
346 残留研削焼け最深位置格納部
347 残留研削焼け最深位置更新部
348 最終残留研削焼け判定部
349 判定結果表示部
350 研削条件調整部
360 途中判定部
361 研削条件更新部

Claims (8)

  1. 工作物の表面を複数回研削して最終目標形状に加工する研削加工システムであって、
    上記工作物を研削したときの実切込み量を取得する実切込み量取得部と、
    上記工作物の研削に関係する研削状態量を取得する研削状態量取得部と、
    上記工作物を研削したときの上記実切込み量と、上記工作物を研削したときの上記研削状態量から抽出される研削特徴量と、上記研削特徴量を抽出した研削時刻における研削により上記工作物の被加工部に生じる研削焼け深さとの対応関係が予め記憶された対応関係記憶部と、
    研削中の各研削時刻において上記実切込み量取得部により取得された上記実切込み量と、上記研削状態量取得部により取得された上記研削状態量と、上記対応関係記憶部に記憶された上記対応関係とに基づいて、各研削時刻における研削条件での研削により各研削時刻に上記工作物の被加工部に生じる研削焼け深さを現在研削焼け深さAとして推定する現在研削焼け深さ推定部と、
    対象研削時刻における上記工作物の表面位置Dから、上記対象研削時刻において上記現在研削焼け深さ推定部が推定した上記現在研削焼け深さAの大きさ分、上記工作物の内部に設定した基準位置C側に移動した位置を、上記対象研削時刻における上記工作物の被加工部に生じる研削焼けの最深位置の暫定値である暫定研削焼け最深位置Paとして算出する暫定研削焼け最深位置算出部と、
    上記工作物の被加工部に残留する研削焼けの最深位置である残留研削焼け最深位置Pを格納する残留研削焼け最深位置格納部と、
    上記対象研削時刻において上記暫定研削焼け最深位置算出部が算出した上記工作物の被加工部における研削焼けの上記暫定研削焼け最深位置Paと、上記残留研削焼け最深位置格納部に格納された上記工作物の同一被加工部における前回の対象研削時刻の上記残留研削焼け最深位置Pとを比較して、上記基準位置Cに近い方を上記被加工部における今回の対象研削時刻の残留研削焼け最深位置Pとして更新して上記残留研削焼け最深位置格納部に格納する、残留研削焼け最深位置更新部と、
    を含む、研削加工システム。
  2. 上記工作物は上記被加工部を研削する研削工具に対して相対的に回転して、同一の被加工部を複数回研削するように構成されており、
    上記残留研削焼け最深位置更新部において、上記前回の対象研削時刻は、上記今回の対象研削時刻に対する上記工作物の一回転前の時刻である、請求項1に記載の研削加工システム。
  3. 研削終了時点における、上記残留研削焼け最深位置更新部により更新された上記残留研削焼け最深位置Pが、上記工作物の表面位置Dよりも上記基準位置C側に位置する場合に上記工作物に研削焼けが残留していると判定し、研削終了時点における、上記残留研削焼け最深位置更新部により更新された上記残留研削焼け最深位置Pが、上記工作物の表面位置Dと一致した場合に上記工作物に研削焼けが残留していないと判定する、最終残留研削焼け判定部を有する、請求項1又は2に記載の研削加工システム。
  4. 上記最終残留研削焼け判定部の判定結果を表示する判定結果表示部を有する、請求項3に記載の研削加工システム。
  5. 上記最終残留研削焼け判定部の判定結果に基づいて、上記工作物の研削条件を調整する研削条件調整部を含む、請求項3又は4に記載の研削加工システム。
  6. 上記研削条件調整部は、上記最終残留研削焼け判定部の判定結果が上記工作物に上記研削焼けが残留していることを示すものである場合、上記工作物に対する研削能率が低下するように上記研削条件を調整する、請求項5に記載の研削加工システム。
  7. 研削中の各研削時刻において上記残留研削焼け最深位置更新部により更新された上記残留研削焼け最深位置Pが、所定の判定位置Xよりも上記基準位置C側に位置するか否かを判定する途中判定部を有し、
    上記途中判定部の判定結果に基づいて、上記途中判定部による上記判定以降の上記研削における上記研削条件を更新する研削条件更新部を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の研削加工システム。
  8. 上記工作物の研削は、上記工作物を第1研削条件で研削する第1研削工程の後に、上記工作物を上記第1研削条件よりも研削能率の低い第2研削条件で研削する第2研削工程を行うように構成されており、
    上記研削条件更新部は、上記途中判定部が上記第1研削工程が終了する前に、上記残留研削焼け最深位置Pが所定の判定位置よりも上記基準位置C側に位置すると判定した場合には少なくとも上記第1研削工程において研削能率を低下させるように上記研削条件を更新する、請求項7に記載の研削加工システム。
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