JP2021171888A - ツルーイング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】工作物の安定化を図りつつ、砥石の長寿命化を図ることができるツルーイング装置を提供する。【解決手段】ツルーイング装置30は、中心軸を有する工作物Wの表面状態を表す評価値として、工作物Wの軸方向における表面性状を表す表面性状評価値、複数の軸方向位置における外径に関する外径評価値の少なくとも1つの評価値を検出する検出器31と、検出器31により検出された工作物Wの表面状態としての評価値に基づいて、工作物Wを研削する砥石16において基準表面状態からの形状崩れ度合いを算出する算出部32と、形状崩れ度合いに基づいて、砥石16のツルーイングの実行の可否およびツルーイングの条件変更の可否の少なくとも一方について判定する判定部33と、判定部33の判定結果に基づいて砥石16のツルーイングを実行する実行部34とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、ツルーイング装置に関するものである。
工作物を回転させながら砥石により研削する研削盤において、砥石の形状崩れを元に戻すために砥石のツルーイングが行われる。ツルーイングは、予め設定された工作物の研削数に達したときに行われることが一般的である。砥石の形状崩れは、工作物の研削数に依存はするものの、不良の工作物を製造しないようにするため、余裕を持った研削数に設定される。そのため、砥石の寿命を低下させる要因となっており、工作物の品質の安定化を図りつつ、砥石の長寿命化が望まれる。
特許文献1には、研削盤の振動のうち砥石の回転周波数の整数倍の特定周波数を取得し、当該振動の振幅によってツルーイング時期、ツルーイング良否の判定を行うことが記載されている。また、特許文献2には、砥石を回転駆動するモータの電流値が閾値を上回ったら砥石の切れ味が悪化したと判定して、砥石のドレッシングを行うことが記載されている。
特開平10−000556号公報 特開2000−263437号公報
本発明は、従来とは異なる手法によって、工作物の安定化を図りつつ、砥石の長寿命化を図ることができるツルーイング装置を提供することを目的とする。
ツルーイング装置は、中心軸を有する工作物の表面状態を表す評価値として、前記工作物の軸方向における表面性状を表す表面性状評価値、複数の軸方向位置における外径に関する外径評価値の少なくとも1つの評価値を検出する検出器と、前記検出器により検出された前記工作物の前記表面状態としての前記評価値に基づいて、前記工作物を研削する砥石において基準表面状態からの形状崩れ度合いを算出する算出部と、前記形状崩れ度合いに基づいて、前記砥石のツルーイングの実行の可否および前記ツルーイングの条件変更の可否の少なくとも一方について判定する判定部と、前記判定部の判定結果に基づいて前記砥石の前記ツルーイングを実行する実行部とを備える。
工作物の表面状態を表す評価値として、表面性状評価値、外径評価値の少なくとも1つの評価値を用いている。当該評価値は、工作物自体の表面状態を表している。そして、砥石の表面状態は、工作物の表面に転写されるため、当該評価値は、砥石の表面状態を表している。
そこで、算出部が、砥石の表面状態を間接的に表している当該評価値を用いて、砥石の形状崩れ度合いを算出している。その後に、算出された形状崩れ度合いに基づいて、判定部が、ツルーイングの実行の可否、ツルーイングの条件変更の可否の少なくとも1つを判定している。従って、工作物の表面状態を用いて間接的に評価した砥石の形状崩れ度合いに基づいてツルーイングを実行することによって、工作物の品質の安定化、砥石の長寿命化を図ることができる。
研削盤の一例を示す平面図である。 ツルーイング装置の機能ブロック図である。 判定部および実行部の第一例処理において、工作物Wの研削数に対する砥石状態レベルの推移を示す図である。 判定部の第一例処理を示すフローチャートである。 判定部および実行部の第二例処理において、工作物Wの研削数に対する砥石状態レベルの推移を示す図である。 判定部の第二例処理を示すフローチャートである。 判定部および実行部の第三例処理において、工作物Wの研削数に対する砥石状態レベルの推移を示す図である。 判定部の第三例処理を示すフローチャートである。 工作物を示す図である。 第一の表面性状評価値の算出に用いられる複数個の周方向びびりデータを示す図である。 面状粗さデータを示す図である。 第一の表面性状評価値の算出に用いられる複数の軸方向位置におけるびびり量を示す図である。 外径評価値の算出に用いられる外径データを示す図である。 第三の表面性状評価値の算出に用いられる補正面状粗さデータを示す図である。 第三の表面性状評価値の算出に用いられる複数の線状表面性状を示す図である。
(1.ツルーイング装置の概要)
ツルーイング装置は、研削盤に搭載される砥石のツルーイングに関する装置である。ツルーイング装置は、研削盤に組み込まれる装置とすることもできるし、研削盤とは別の装置とすることもできる。本例では、ツルーイング装置は、研削盤に組み込まれる例をあげる。
(2.研削盤10の例)
ツルーイング装置を適用する研削盤10の一例について、図1を参照して説明する。研削盤10は、工作物Wを研削するための工作機械であって、工作物Wと砥石16とを相対移動させる構成を有する。工作物Wは中心軸を有しており、工作物Wを中心軸回りに回転させながら、砥石16を工作物Wに接触させることにより工作物Wを研削する。
研削盤10は、円筒研削盤、カム研削盤等、種々の構成の研削盤を適用できる。本例では、研削盤10は、砥石台トラバース型の円筒研削盤を例にあげる。ただし、研削盤10は、テーブルトラバース型を適用することもできる。また、研削盤10は、工作物Wの外周面を研削する構成を例にあげるが、工作物Wの内周面を研削する構成を適用することもできる。
研削盤10は、主として、ベッド11、主軸台12、心押台13、トラバースベース14、砥石台15、砥石16、定寸装置17、砥石修正装置18、クーラント装置19を備える。さらに、研削盤10は、検出器21、制御装置22を備える。図中、Z軸方向は、工作物Wの中心軸方向に一致する方向であり、X軸方向は、Z軸に直交する方向であり、Y軸方向は、X軸方向およびZ軸方向に直交する方向である。
ベッド11は、設置面上に固定されている。主軸台12は、ベッド11の上面において、X軸方向の手前側(図1の下側)且つZ軸方向の一端側(図1の左側)に設けられている。主軸台12は、工作物WをZ軸回りに回転可能に支持する。工作物Wは、主軸台12に設けられたモータ12aの駆動により、工作物Wの中心軸回りに回転される。心押台13は、ベッド11の上面において、主軸台12に対してZ軸方向に対向する位置、即ち、X軸方向の手前側(図1の下側)且つZ軸方向の他端側(図1の右側)に設けられている。つまり、主軸台12および心押台13が、工作物Wを回転可能に両端支持する。尚、研削盤10が工作物Wの内周面を研削する構成の場合には、工作物Wは主軸台12のみにより支持される。
トラバースベース14は、ベッド11の上面において、Z軸方向に移動可能に設けられている。トラバースベース14は、ベッド11に設けられたモータ14aの駆動により移動する。砥石台15は、トラバースベース14の上面において、X軸方向に移動可能に設けられている。砥石台15は、トラバースベース14に設けられたモータ15aの駆動により移動する。
砥石16は、工作物Wを研削する工具である。本例では、砥石16は、円盤状に形成された砥石車を適用する。砥石16は、砥石台15に回転可能に支持されている。砥石16は、砥石台15に設けられたモータ16aの駆動により回転する。砥石16は、円柱状コアと、円柱状コアの外周面に、複数の砥粒をボンド材により固定されて構成されている砥粒部とを備える。ボンド材は、樹脂、金属等、種々の材料を適用できる。
定寸装置17は、工作物Wの寸法(径)を測定する。定寸装置17は、ベッド11の上面において、Z軸方向に移動可能に設けられている。定寸装置17は、ベッド11に設けられた送り機構17aによりZ軸方向の位置が制御される。定寸装置17は、工作物Wの研削面に接触する検出測定子17bを備える。検出測定子17bは、研削において回転している工作物Wの研削面に常に接触している。
砥石修正装置18は、砥石16の形状を修正する。砥石修正装置18は、砥石16のツルーイング(ドレッシングを含む)を行う装置である。さらに、砥石修正装置18は、砥石16の寸法(径)を測定する機能も有する。
ここで、ツルーイングは、形直し作業であり、研削によって砥石16が摩耗した場合に工作物Wの形状に合わせて砥石16を成形する作業、片摩耗によって砥石16の振れを取り除く作業等である。ドレッシングは、目直し(目立て)作業であり、砥粒の突き出し量を調整したり、砥粒の切れ刃を創成したりする作業である。ドレッシングは、目つぶれ、目詰まり、目こぼれ等を修正する作業であって、通常ツルーイング後に行われる。ただし、ツルーイングとドレッシングは、特段区別することなく実施される場合もあるため、本明細書においてはツルーイングと称し、ドレッシングを含む意味で用いる。
クーラント装置19は、砥石16による工作物Wの研削点にクーラントを供給する。クーラント装置19は、回収したクーラントを、所定温度に冷却されて、再度研削点に供給する。
検出器21は、工作物Wの研削された表面状態を表す評価値を検出する。工作物Wの表面状態を表す評価値は、工作物Wの軸方向における表面性状を表す表面性状評価値、複数の軸方向位置における外径に関する外径評価値の少なくとも1つの評価値である。検出器21は、砥石16のツルーイングの実行の可否、ツルーイングの条件変更の可否等に利用される。
検出器21は、工作物Wに接触するタイプ、工作物Wに非接触のタイプの何れを適用することもできる。例えば、検出器21は、工作物Wに接触するタイプの場合には、工作物Wの表面に接触した状態で工作物Wに対して相対移動させることにより発生する加速度を検出する加速度センサとすることができる。また、検出器21は、所定位置を基準として、工作物Wの表面までの距離を検出することができる変位センサとすることもできる。検出器21が変位センサの場合には、工作物Wに接触するタイプ、非接触のタイプの何れも適用することができる。
本例では、検出器21は、工作物Wに接触するタイプとして、定寸装置17を利用する。検出器21は、定寸装置17の検出測定子17bを支持するアームに設けられた加速度センサとする。加速度センサとしての検出器21は、回転する工作物Wの研削面に検出測定子17bの中心が接触した状態で検出される加速度を表す加速度データを出力する。尚、検出器21は、加速度センサに代えて、回転する工作物Wの研削面に検出測定子17bの中心が接触した状態で検出される変位値を表す変位データを出力する変位センサとすることも可能である。
制御装置22は、工作物Wの形状、加工条件、砥石16の形状、クーラントの供給タイミング情報等の動作指令データに基づいて生成されたNCプログラムに基づいて、各駆動装置を制御する。即ち、制御装置22は、動作指令データを入力し、動作指令データに基づいてNCプログラムを生成する。
制御装置22は、NCプログラムに基づいて各モータ12a,14a,15a,16aおよびクーラント装置19等を制御することにより工作物Wの研削を行う。特に、制御装置22は、定寸装置17により測定される工作物Wの径に基づいて、工作物Wが仕上げ形状となるまで研削を行う。また、制御装置22は、砥石16を修正するタイミングにおいて、各モータ14a,15a,16a、および、砥石修正装置18等を制御することにより、砥石16の修正(ツルーイングおよびドレッシング)を行う。
(3.ツルーイング装置30の構成)
ツルーイング装置30の構成について図2を参照して説明する。ツルーイング装置30は、図2に示すように、検出器31、算出部32、判定部33、実行部34を備える。尚、算出部32、判定部33および実行部34は、プロセッサや記憶装置等により構成されており、プロセッサにてプログラムを実行することにより実現される。
検出器31は、研削盤10を構成する検出器21を用いる。つまり、検出器31は、工作物Wの研削された表面状態を表す評価値を検出する。工作物Wの表面状態を表す評価値は、工作物Wの軸方向における表面性状を表す表面性状評価値、複数の軸方向位置における外径に関する外径評価値の少なくとも1つの評価値である。
算出部32は、検出器31により検出された工作物Wの表面状態としての評価値に基づいて、工作物Wを研削する砥石16において基準表面状態からの形状崩れ度合いを算出する。例えば、砥石16の基準表面状態が砥石16の中心軸に平行な直線である場合、形状崩れ度合いとは、砥石16の中心軸に平行な直線からの径方向のずれ度合いである。
判定部33は、算出部32によって算出された形状崩れ度合いに基づいて、砥石16のツルーイングの実行の可否およびツルーイングの条件変更の可否の少なくとも一方について判定する。実行部34は、判定部33の判定結果に基づいて砥石16のツルーイングを実行する。実行部34は、研削盤10を構成する制御装置22を用いる。つまり、実行部34は、制御装置22の一部として機能し、各モータ14a,15a,16aおよび砥石修正装置18を制御することで、砥石16のツルーイングを実行する。
(4.判定部33および実行部34の例)
ツルーイング装置30を構成する判定部33および実行部34の例について説明する。尚、以下の説明において、算出部32により算出される砥石16における基準表面状態からの形状崩れ度合いを、砥石状態レベルと称する。砥石状態レベルが高いほど、形状崩れ度合いが大きい、即ち基準形状からのずれ量が大きいとする。従って、正常なツルーイング直後における砥石状態レベルは最も低く、工作物Wを研削するほど高くなっていく。
(4−1.第一例)
第一例の判定部33および実行部34について図3および図4を参照して説明する。図3に示すように、工作物Wの研削数が増加するにつれて、砥石状態レベルLは高くなる。工作物Wを1個目における砥石状態レベルは、L1(1)である。N個目における砥石状態レベルは、L1(N)である。
また、図3において、砥石状態レベルの最大値は、Lmaxであり、砥石状態レベルLが、当該最大値Lmaxを超えないようにすることが求められる。また、正常にツルーイングが行われた場合には、ツルーイング直後における砥石状態レベルは、最小閾値Lmin未満になっている。
本例においては、ツルーイングの予定時期が設定されている。例えば、ツルーイングの予定時期として、前回ツルーイングからの工作物Wの数Nが設定される。つまり、前回ツルーイングからの工作物Wの数が、N個になった場合に、ツルーイングの予定時期に達したと判定する。
工作物Wの数がNに達したときに、砥石状態レベルL1(N)に基づいてツルーイングの予定時期に対する延期の可否が決定される。図3においては、砥石状態レベルL1(N)が、判定のためのレベル閾値Lthを超えていないため、ツルーイングの予定時期に対して延期することとする。
その後、工作物Wの数がNaになったときに、延期後の砥石状態レベルL1(E)がレベル閾値Lthを超えたため、ツルーイングが実行される(図3のT1)。そして、ツルーイング後において、上記と同様に、ツルーイングからの工作物Wの数がNに達したときに、ツルーイングの延期の可否が判定される。つまり、工作物Wの合計個数が「Na+N」に達したときに、ツルーイングの延期の可否が判定される。
図3においては、砥石状態レベルL2(N)が、判定のためのレベル閾値Lthを超えていないため、ツルーイングの予定時期に対して延期することとする。その後、工作物Wの数が「Na+Nb」になったときに、延期後の砥石状態レベルL2(E)がレベル閾値Lthを超えたため、ツルーイングが実行される(図3のT2)。
つまり、ツルーイングの予定時期に達したときの砥石状態レベルL1(N),L2(N)に応じて、延期される工作物Wの数は異なる。延期される工作物Wの数は、予定時期における砥石状態レベルL1(N),L2(N)に応じて決定しても良い。
判定部33の第一例判定処理について、図4を参照して説明する。まず、判定部33は、ツルーイング後の工作物Wの数Npを取得する(S1)。続いて、取得した工作物Wの数Npが、設定されたツルーイングの予定時期に対応する数N(設定数N)に達したか否かを判定する(S2)。達していない場合には(S2:No)、S1に戻る。
一方、設定数Nに達した場合には(S2:Yes)、ツルーイング後のN個目の工作物Wにおける砥石状態レベルL(N)を取得する(S3)。続いて、取得した砥石状態レベルL(N)に基づいて、設定されたツルーイングの予定時期に対する延期の可否を決定する(S4)。延期するとされた場合には、延長数ΔNが決定される。延長数ΔNは、設定数Nにおける砥石状態レベルL(N)に応じて決定される。例えば、延長数ΔNは、設定数Nにおける砥石状態レベルL(N)と最大値Lmaxとの差に基づいて決定しても良い。また、延長数ΔNは、設定数Nにおける砥石状態レベルL(N)と判定のためのレベル閾値Lthとの差に基づいて決定しても良い。
続いて、ツルーイング後の工作物Wの数Npが、「N+ΔN」に達したか否かを判定する(S5)。達していない場合には(S5:No)、達するまで工作物Wの研削が継続される。一方、達した場合には(S5:Yes)、工作物Wの数Npにおける砥石状態レベルL(Np)を取得する(S6)。
続いて、取得した砥石状態レベルL(Np)が、判定のためのレベル閾値Lthを超えたか否かを判定する(S7)。超えていなければ(S7:No)、S6に戻る。つまり、レベル閾値Lthを超えるまで工作物Wの研削が継続される。そして、レベル閾値Lthを超えた場合には、ツルーイングの実行を決定する(S8)。
ここで、判定部33がツルーイングの実行を決定すると、実行部34は、砥石16のツルーイングを実行する。つまり、実行部34は、延期されたツルーイングの時期に到達したときに、砥石16のツルーイングを実行する。
尚、上記においては、ツルーイングの時期を延長する場合に延長数ΔNを決定し、延長数ΔNに達した後に砥石状態レベルL(Np)とレベル閾値Lthとを比較することで、ツルーイングの実行時期を決定した。この他に、ツルーイングの時期を延長すると決定した場合に、工作物Wの研削の都度、取得した砥石状態レベルL(Np)とレベル閾値Lthとを比較することによって、ツルーイングの実行時期を決定しても良い。また、ツルーイングの時期を延長すると決定した場合に、決定した延長数ΔNに達したときに、ツルーイングを実行するようにしても良い。
以上より、算出された砥石状態レベルL(形状崩れ度合い)に基づいて、判定部33が、ツルーイングの実行の可否を判定している。従って、工作物Wの表面状態を用いて間接的に評価した砥石16の形状崩れ度合いに基づいてツルーイングを実行することによって、工作物Wの品質の安定化、砥石16の長寿命化を図ることができる。
(4−2.第二例)
第二例の判定部33および実行部34について図5および図6を参照して説明する。図5において、砥石状態レベルの最大値は、Lmaxであり、砥石状態レベルLが、当該最大値Lmaxを超えないようにすることが求められる。さらに、砥石状態レベル範囲として、例えばLev1,Lev2,Lev3,Lev4が設定されている。Lev1,Lev2,Lev3,Lev4の順に、砥石状態レベルが高くなっている。また、Lev4の最大値が、Lmaxに一致する。
本例においては、ツルーイングの予定時期が設定されている。例えば、ツルーイングの予定時期として、前回ツルーイングからの工作物Wの数Nが設定される。つまり、前回ツルーイングからの工作物Wの数が、N個になった場合に、ツルーイングの予定時期に達したと判定する。
工作物Wの数がNに達すると、判定部33は、砥石16のツルーイングを実行するように決定する。このとき、ツルーイングを実行する直前における砥石状態レベルL(N)に応じてツルーイングの条件を決定する。本例では、砥石状態レベル範囲Lev1,Lev2,Lev3,Lev4のうち、直前の砥石状態レベルL(N)が属している砥石状態レベル範囲を判定し、砥石状態レベル範囲に応じたツルーイングの条件に変更する。例えば、ツルーイングの条件として砥石16の径方向削り量を変更する。そして、実行部34が、変更後のツルーイングの条件に基づいてツルーイングを実行する。
図5においては、N個目の砥石状態レベルL1(N)は砥石状態レベル範囲Lev2に属しているため、Lev2に応じた径方向削り量でツルーイングが実行される(図5のT1)。2N個目の砥石状態レベルL2(N)は砥石状態レベル範囲Lev4に属しているため、Lev4に応じた径方向削り量でツルーイングが実行される(図5のT2)。そうすると、ツルーイングT1,T2の直後における砥石状態レベルは、何れも、最小閾値Lmin未満になっている。
判定部33の第二例判定処理について、図6を参照して説明する。まず、判定部33は、ツルーイング後の工作物Wの数Npを取得する(S11)。続いて、取得した工作物Wの数Npが、設定されたツルーイングの予定時期に対応する数N(設定数N)に達したか否かを判定する(S12)。達していない場合には(S12:No)、S11に戻る。
一方、設定数Nに達した場合には(S12:Yes)、ツルーイング後のN個目の工作物Wにおける砥石状態レベルL(N)を取得する(S13)。ここで、本例では、N個目の工作物Wを研削後に、砥石16のツルーイングが実行される。従って、N個目の工作物Wにおける砥石状態レベルL(N)は、ツルーイングを実行する直前の砥石状態レベルとなる。
続いて、取得した砥石状態レベルL(N)が、砥石状態レベル範囲Lev1,Lev2,Lev3,Lev4の中で属するレベル範囲を判定する(S14)。続いて、属する砥石状態レベル範囲に応じたツルーイングの条件を決定する(S15)。例えば、ツルーイングの条件の初期設定値は、Lev1の場合としている。従って、Lev2,Lev3、Lev4に属する場合には、ツルーイングの条件を変更すると判定することになる。本例では、ツルーイングの条件として、砥石16の径方向削り量を変更する。
そして、変更されたツルーイングの条件によるツルーイングの実行を決定する(S16)。ここで、判定部33がツルーイングの実行を決定すると、実行部34は、砥石16のツルーイングを実行する。つまり、実行部34は、ツルーイングの直前の砥石状態レベルL(N)に応じた条件にて砥石16のツルーイングを実行する。これにより、次のツルーイングまでの工作物Wの数についてのツルーイングインターバルを所望数とすることができる。
(4−3.第三例)
第三例の判定部33および実行部34について図7および図8を参照して説明する。図7において、砥石状態レベルの最大値は、Lmaxであり、砥石状態レベルLが、当該最大値Lmaxを超えないようにすることが求められる。また、正常にツルーイングが行われた場合には、ツルーイング直後における砥石状態レベルは、最小閾値Lmin未満になっている。
本例においては、ツルーイングの予定時期が設定されている。例えば、ツルーイングの予定時期として、前回ツルーイングからの工作物Wの数Nが設定される。つまり、前回ツルーイングからの工作物Wの数が、N個になった場合に、ツルーイングの予定時期に達したと判定する。
ツルーイング後の工作物Wの数がNに達すると、判定部33は、砥石16のツルーイングを実行するように決定する。そして、図7のT1にてツルーイングを行った直後における砥石状態レベルL2(1)が、最小閾値Lmin未満になっていない。つまり、ツルーイングが正常に行われていないことを意味する。
そこで、T1のツルーイング直後における砥石状態レベルL2(1)が最小閾値Lmin未満でないため、再ツルーイングを実行する(図7のT2)。そうすると、再ツルーイング直後の砥石状態レベルL3(1)は、最小閾値Lmin未満となる。再び、ツルーイング後の工作物Wの数がNに達すると、ツルーイングが実行される(図7のT3)。このツルーイング直後における砥石状態レベルL4(1)は、最小閾値Lmin未満であるため、再ツルーイングは実行されない。
判定部33の第三例判定処理について、図8を参照して説明する。まず、判定部33は、ツルーイング後の工作物Wの数Npを取得する(S21)。続いて、取得した工作物Wの数Npが、設定されたツルーイングの予定時期に対応する数N(設定数N)に達したか否かを判定する(S22)。達していない場合には(S22:No)、S21に戻る。
一方、設定数Nに達した場合には(S22:Yes)、判定部33は、ツルーイングの実行を決定する(S23)。そうすると、実行部34は、砥石16のツルーイングを実行する。
続いて、判定部33は、研削後の砥石状態レベルL(1)を取得する(S24)。つまり、ツルーイング後に工作物Wが研削され、研削された当該工作物Wに関する砥石状態レベルL(1)を取得する。そして、取得した砥石状態レベルL(1)が最小閾値Lmin未満であるか判定する(S25)。つまり、判定部33は、再ツルーイングの実行の可否を判定することになる。最小閾値Lmin未満である場合には(S25:Yes)、判定部33の判定処理を終了する。
一方、最小閾値Lmin未満でない場合には(S25:No)、判定部33は、再ツルーイングの実行を決定する(S26)。そうすると、実行部34は、再ツルーイングを実行する。
ここで、再ツルーイングの条件は、通常のツルーイングの条件とは異なる条件に設定されると良い。例えば、再ツルーイングの条件としての径方向削り量を、通常のツルーイングの径方向削り量よりも少なく設定される。また、再ツルーイングの条件は、研削後の砥石状態レベルL(1)に応じて決定しても良い。例えば、研削後の砥石状態レベルL(1)と最小閾値Lminとの差に応じて、再ツルーイングの条件を決定しても良い。
再ツルーイング後には、S24に戻り処理を継続する。従って、再び、ツルーイング不良により、研削後の砥石状態レベルL(1)が最小閾値Lmin未満でなければ、再々ツルーイングが実行されることになる。
(4−4.その他)
判定部33は、第一例判定処理と第三例判定処理を併合した処理を行うこともできる。また、判定部33は、第二例判定処理と第三例判定処理を併合した処理を行うこともできる。つまり、第一例判定処理または第二例判定処理にてツルーイングの実行時期を決定し、第三例判定処理にてツルーイング直後の再ツルーイングの可否を決定することができる。
(5.評価値)
次に、検出器31が検出する評価値について説明する。評価値は、上述したように、表面性状評価値、外径評価値の少なくとも1つである。
(5−1.第一の表面性状評価値)
第一の表面性状評価値は、びびり振動によって形成された工作物Wの表面状態を評価した値である。具体的には、第一の表面性状評価値は、周方向のびびり振動状態を表した周方向びびりを用いて得られる値である。より詳細には、第一の表面性状評価値は、複数の軸方向位置における周方向びびりのそれぞれから得られる複数のびびり量を用いている。以下に、第一の表面性状評価値の算出方法を説明する。
検出器31によって検出された加速度データまたは変位データを時系列的に取得する。例えば、定寸装置17の検出測定子17bによる工作物Wの研削面上の接触位置を螺旋状に移動させたときに、回転する工作物Wの所定角度毎の螺旋状の位置に関する時系列データを取得する。つまり、複数個の時系列データが取得される。
即ち、定寸装置17の検出測定子17bは、研削に伴って工作物Wを回転させた状態において、送り機構17aによって工作物Wの軸方向であるZ軸方向に移動する。この場合、定寸装置17の検出測定子17bは工作物Wの研削面に接触しているため、検出測定子17bの中心と工作物Wとの接触位置は、工作物Wの研削面上を螺旋状の軌跡を描いて移動する。従って、取得される複数個の加速度データは、検出測定子17bが研削面上を螺旋状に相対移動しながら検出された加速度データであって、螺旋状における所定角度毎に区別されたデータとなる。
例えば、図9に示す工作物Wにおいて、工作物Wの一周分の加速度データを取得する場合とする。この場合、データ取得位置が、周方向位置Paから螺旋状に移動して、周方向位置Pbを通過して、再び周方向位置Paに戻る。工作物Wの一周分の加速度データを所定角度間隔で複数個に分離させることによって、上述した複数の加速度データが生成される。尚、螺旋状に移動させることにより、短時間で、異なる軸方向位置における時系列データを取得することができる。
続いて、検出器31(加速度センサ)から時系列的に取得した複数個の加速度データをFFT(高速フーリエ変換)し、砥石16の回転数に対応する回転周波数成分(特定周波数成分)を有する加速度に関するデータを抽出する。そして、抽出した特定周波数成分を有する加速度に関するデータを逆FFTする。これにより、特定周波数成分を有する定寸装置17の検出測定子17bの変位値、即ち、工作物Wの研削面における砥石起因の凹凸(表面粗さ)に関する変位データ(周方向びびりデータ)に変換される。尚、特定周波数成分は、砥石16の回転数及び回転数の整数倍の周波数成分である。
このようにして、複数個の砥石起因の周方向びびりデータが生成される。複数個の砥石起因の周方向びびりデータは、図10に示すように、例えばA1−A6である。取得した加速度データが、螺旋状の軌跡におけるデータであるため、図10に示すように、それぞれの周方向びびりデータA1−A6の周方向位置は異なる位置となっている。
ここで、砥石16を回転させながら工作物Wが研削される。このため、砥石16の表面形状は、砥石16の回転周期、即ち、回転数毎に転写されて工作物Wの研削面に現れる。具体的に、砥石16の表面に大きく突き出した砥粒が存在する場合、工作物Wの研削面においては、砥粒と当接する箇所が大きく削り取られた凹部が形成される。この場合、工作物Wに形成された凹部は回転方向に等間隔で形成され、工作物Wの周方向における凹部の間隔は砥石16の回転周期(回転数毎)に一致する。従って、特定周波数成分を有する加速度に関するデータを抽出することにより、工作物Wの研削面における砥石起因の凹凸を抽出することが可能になる。
続いて、工作物Wの研削面における周方向びびりデータ(変位データ)を用いて、一連の面状粗さデータを生成する。上述したように、生成された複数個の周方向びびりデータは、工作物Wの回転軸に対する角度が互いに異なる角度毎に生成される。そこで、図10に示すように、隣接する軸方向位置における周方向びびりデータは、互いに工作物Wの周方向にずれた位置のデータとなる。
工作物Wの研削面における周方向の凹凸(表面粗さ)は、上述したように、砥石16の回転周期毎に工作物Wの研削面に繰り返し見られる。そこで、異なる角度毎の各々の周方向びびりデータを周方向(図11に示す矢印方向)に移動させる。これにより、図11に示すように、異なる角度毎の各々の周方向びびりデータを工作物Wの角度を同一角度とし、且つ、軸方向にて並列に並べた一連の面状粗さデータを生成する。
ここで、螺旋状に取得した加速度データから変換して得られる周方向びびりデータ(変位データ)を分割する場合、分割した各々の粗さデータによって表される凹凸がずれる場合がある。そこで、面状粗さデータを生成する際には、各々の周方向びびりデータの端点のおける凹凸が工作物Wの軸方向(Z軸方向)に沿って連続性を有するように、各々の周方向びびりデータの相対的な位置を補正すると良い。この場合、位置を補正した各々の周方向びびりデータを軸方向に並べて状態データとしての面状粗さデータが生成される。
続いて、図12に示すように、生成された面状粗さデータを用いて、複数の軸方向位置におけるびびり量を算出する。ここでのびびり量とは、各々の周方向びびりデータにおける最大値と最小値との差である。例えば、図11における周方向びびりデータA1―A6のそれぞれにおけるびびり量が算出される。実際には、周方向びびりデータは、工作物Wの周方向において微小角度毎に分割されているため、図示している数よりも多数の軸方向位置におけるびびり量が算出される。
そして、第一の表面性状評価値は、複数の軸方向位置におけるびびり量の平均値、当該びびり量のばらつき度(分散、平均偏差等)、当該びびり量のうちの最大値と最小値との差の少なくとも1つとすることができる。尚、第一の表面性状評価値は、びびり量の平均値、ばらつき度、差の何れかとしても良いし、これらを複合して得られた複合値としても良い。尚、上記の説明においては、下記に関連するため、複数個の周方向びびりデータを用いて面状粗さデータを生成したが、面状粗さデータを生成する必要はない。
(5−2.外径評価値)
外径評価値は、軸方向位置における工作物Wの外径の変化を評価した値である。以下に、外径評価値の算出方法を説明する。
定寸装置17からの信号に基づいて、工作物Wの外径データが取得される。まずは、定寸装置17からの信号に基づき、縦軸を外径の変位とする時系列データである外径データが取得される。
続いて、取得した外径データをFFTし、特定の周波数領域成分を抽出する。具体的には、工作物Wの回転周波数に相当する成分である1山/周成分が除外される。工作物Wの回転軸がずれている場合などに1山/周成分が強く検出される。外径データとしては、工作物Wの軸方向の外径変化が得られれば足りるため、ここでは1山/周成分を除外する。
さらに、取得した外径データの高周波数側には、工作物Wの周方向びびりに起因する振動が検出される。周方向びびりは、上記の第一の表面性状評価値の算出における周方向びびりデータに含まれる情報である。ここで抽出する低周波数成分の範囲は、砥石16および工作物Wの回転数等から適宜決定すれば良いが、例えば、50Hz以下とすることができる。このように、1山/周成分を除く低周波数成分を特定周波数領域成分として抽出することにより、工作物Wの軸方向の外径変化が抽出される。
続いて、抽出した特定周波数成分を有する外径データを逆FFTする。これにより、特定周波数成分を有する外径の変位に関する時系列データに変換される。例えば、生成された外径データは、図13に示すようになる。
そして、外径評価値は、複数の軸方向位置における外径の平均偏差、外径のばらつき度、外径の最大値と最小値との差の少なくとも1つとすることができる。尚、外径評価値は、外径の平均偏差、ばらつき度、差の何れかとしても良いし、これらを複合して得られた複合値としても良い。
(5−3.第二の表面性状評価値)
第二の表面性状評価値は、工作物Wの表面性状を面状に表した面状表面性状を用いて、工作物Wの表面状態を評価した値である。具体的には、第二の表面性状評価値は、面状表面性状を用いて、各々の周方向位置について、軸方向位置と表面性状との関係を表す線状表面性状を取得し、各々の線状表面性状における代表値を用いて得られる値である。
より詳細には、第一の表面性状評価値の算出において生成された面状粗さデータと、外径評価値の算出において生成された外径データとを用いて、面状表面性状としての補正面状粗さデータを生成する。そして、第二の表面性状評価値は、補正面状粗さデータを用いる。
まず、第一の表面性状評価値の算出において生成された面状粗さデータ(図11に示す)を取得する。さらに、外径評価値の算出において生成された外径データを取得する(図13に示す)。そして、面状粗さデータと外径データとを合成することにより、図14に示すような補正面状粗さデータを生成する。補正面状粗さデータが、第二の表面性状評価値に用いられる面状表面性状に相当する。
続いて、図14に示すように、補正面状粗さデータにおいて、各々の周方向位置θa,θbについて、図15に示すような軸方向位置と表面性状との関係を表す線状表面性状を取得する。線状表面性状は、周方向位置毎に複数生成される。続いて、各々の線状表面性状における代表値を取得する。代表値は、算術平均粗さRa、最大高さ粗さRz、十点平均粗さ等を用いることができる。
そして、第二の表面性状評価値は、複数の代表値の平均値、複数の代表値のばらつき度、複数の代表値のうちの最大値と最小値との差の少なくとも1つとすることができる。尚、第二の表面性状評価値は、複数の代表値の平均値、ばらつき度、差の何れかとしても良いし、これらを複合して得られた複合値としても良い。
(5−4.第三の表面性状評価値)
第三の表面性状評価値は、工作物Wの表面性状を面状に表した面状表面性状を用いて、工作物Wの表面状態を評価した値である。具体的には、第三の表面性状評価値は、面状表面性状における面全体としての代表値である。代表値は、面における算術平均粗さSa、面における最大高さSz、面における二条平均平方根高さSq等である。
第三の表面性状評価値において用いられる面状表面性状は、検出器31により直接検出可能であれば、その検出データとすることができる。また、当該面状表面性状は、第一の表面性状評価値の算出において生成された面状粗さデータとすることもできるし、第二の表面性状評価値の算出において生成された補正面状粗さデータとすることもできる。
(6.まとめ)
上述したように、ツルーイング装置30は、工作物Wの表面状態を表す評価値として、表面性状評価値、外径評価値の少なくとも1つの評価値を用いている。当該評価値は、工作物W自体の表面状態を表している。そして、砥石16の表面状態は、工作物Wの表面に転写されるため、当該評価値は、砥石16の表面状態を表している。
そこで、算出部32が、砥石16の表面状態を間接的に表している当該評価値を用いて、砥石16の形状崩れ度合い(砥石状態レベル)を算出している。その後に、算出された形状崩れ度合い(砥石状態レベル)に基づいて、判定部33が、ツルーイングの実行の可否、ツルーイングの条件変更の可否の少なくとも1つを判定している。従って、工作物Wの表面状態を用いて間接的に評価した砥石16の形状崩れ度合い(砥石状態レベル)に基づいてツルーイングを実行することによって、工作物Wの品質の安定化、砥石16の長寿命化を図ることができる。
10:研削盤、 12:主軸台、 12a,14a,15a,16a:モータ、 13:心押台、 14:トラバースベース、 15:砥石台、 16:砥石、 17:定寸装置、 17a:送り機構、 17b:検出測定子、 18:砥石修正装置、 19:クーラント装置、 21:検出器、 22:制御装置、 30:ツルーイング装置、 31:検出器、 32:算出部、 33:判定部、 34:実行部、 W:工作物

Claims (9)

  1. 中心軸を有する工作物の表面状態を表す評価値として、前記工作物の軸方向における表面性状を表す表面性状評価値、複数の軸方向位置における外径に関する外径評価値の少なくとも1つの評価値を検出する検出器と、
    前記検出器により検出された前記工作物の前記表面状態としての前記評価値に基づいて、前記工作物を研削する砥石において基準表面状態からの形状崩れ度合いを算出する算出部と、
    前記形状崩れ度合いに基づいて、前記砥石のツルーイングの実行の可否および前記ツルーイングの条件変更の可否の少なくとも一方について判定する判定部と、
    前記判定部の判定結果に基づいて前記砥石の前記ツルーイングを実行する実行部と、
    を備える、ツルーイング装置。
  2. 前記判定部は、前記形状崩れ度合いに基づいて、設定された前記ツルーイングの予定時期に対する延期の可否を判定し、
    前記実行部は、延期されたツルーイング時期に到達したときに前記砥石の前記ツルーイングを実行する、請求項1に記載のツルーイング装置。
  3. 前記判定部は、前記砥石の前記ツルーイングを実行する直前における前記形状崩れ度合いに応じて前記ツルーイングの条件を変更すると判定し、
    前記実行部は、変更後の前記ツルーイングの条件に基づいて前記ツルーイングを実行する、請求項1に記載のツルーイング装置。
  4. 前記実行部は、前記ツルーイングの条件として前記砥石の径方向削り量を変更して前記ツルーイングを実行する、請求項3に記載のツルーイング装置。
  5. 前記判定部は、前記砥石の前記ツルーイングを行った直後における前記形状崩れ度合いに基づいて、再ツルーイングの実行の可否を判定し、
    前記実行部は、前記再ツルーイングを実行すると判定された場合に、前記再ツルーイングを実行する、請求項1−4の何れか1項に記載のツルーイング装置。
  6. 前記検出器は、前記工作物の前記表面状態を表す前記表面性状評価値として、複数の軸方向位置における周方向びびりのそれぞれから得られる複数のびびり量を用いて、複数のびびり量の平均値、当該複数のびびり量のばらつき度、当該複数のびびり量の最大値と最小値との差の少なくとも1つを検出する、請求項1−5の何れか1項に記載のツルーイング装置。
  7. 前記検出器は、前記工作物の前記表面状態を表す前記外径評価値として、複数の軸方向位置における外径の平均偏差、外径のばらつき度、外径の最大値と最小値との差の少なくとも1つを検出する、請求項1−5の何れか1項に記載のツルーイング装置。
  8. 前記検出器は、
    前記工作物の表面性状を面状に表した面状表面性状を用いて、各々の周方向位置について、軸方向位置と表面性状との関係を表す線状表面性状を取得し、
    各々の前記線状表面性状における代表値を取得し、
    前記工作物の前記表面状態を表す前記表面性状評価値として、複数の前記代表値の平均値、複数の前記代表値のばらつき度、複数の前記代表値のうちの最大値と最小値との差の少なくとも1つを検出する、請求項1−5の何れか1項に記載のツルーイング装置。
  9. 前記検出器は、前記工作物の前記表面状態を表す前記表面性状評価値として、前記工作物の表面性状を面状に表した面状表面性状を用いて、前記面状表面性状における面全体としての代表値を検出する、請求項1−5の何れか1項に記載のツルーイング装置。
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