JP2020114614A - 表面粗さ推定装置および工作機械システム - Google Patents

表面粗さ推定装置および工作機械システム Download PDF

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安彦 臂
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大輔 今枝
慎二 村上
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慎二 村上
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Hideki Iwai
英樹 岩井
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Abstract

【課題】機内計測装置による計測結果を用いた場合であっても高精度に表面粗さを得ることができる表面粗さ推定装置を提供する。【解決手段】表面粗さ推定装置6は、機内計測装置18により同時に計測された工作物Wの複数の所定範囲における表面高さHa,Hbである複数の計測データA,Bを記憶する機内計測データ記憶部41と、複数の計測データA,Bの差分値に相当する差分指標値S(ΔC),ΔS(C)を演算する演算部42と、差分指標値S(ΔC),ΔS(C)と工作物Wの実表面粗さとの関係を表す学習モデルを記憶する学習モデル記憶部43と、差分指標値を入力データとして、入力データおよび学習モデルを用いて工作物Wの表面粗さを推定する推定部44とを備える。【選択図】図6

Description

本発明は、表面粗さ推定装置および工作機械システムに関するものである。
特許文献1−3において、工作機械により加工された工作物の表面粗さを計測する装置として、工作機械の外部に設置された機外計測装置、および、工作機械の内部に設置された機内計測装置が知られている。また、計測方法としては、種々存在する。
特開平7−77416号公報 特開2008−82856号公報 特開2015−105931号公報
工作機械は、主目的が工作物の加工であるため、計測専用の機外計測装置に比べて構造体および駆動装置などの構成が異なる。例えば、構造体および駆動装置などの構成が異なることから、機内計測装置による計測結果には、工作物表面の表面粗さなどに起因する形状成分だけでなく、構造体および駆動装置などに起因する振動や回転振れに起因する運動成分が含まれることがある。特に、表面粗さは運動成分とは無関係のパラメータであるため、機内計測装置による表面粗さの計測結果は、計測専用の機外計測装置に比べて一般に計測精度が劣る。仮に、工作機械の構造体および駆動装置を機外計測装置と同等にすることで、機内計測装置による計測精度を高精度にすることができるが、工作機械が高コストとなる。
本発明は、機内計測装置による計測結果を用いた場合であっても高精度に表面粗さを得ることができる表面粗さ推定装置を提供することを目的とする。また、本発明は、表面粗さ推定装置を備える工作機械システムを提供することを他の目的とする。
(1.第一の表面粗さ推定装置)
第一の表面粗さ推定装置は、工作物が工作機械に取り付けられた状態で前記工作物の複数の所定範囲について工作機械基準からの前記工作物の表面高さを同時計測可能な機内計測装置が適用され、前記機内計測装置により同時に計測された前記工作物の複数の所定範囲における前記表面高さである複数の計測データを記憶する機内計測データ記憶部と、複数の前記計測データの差分値に相当する差分指標値を演算する演算部と、前記差分指標値と前記工作物の実表面粗さとの関係を表す学習モデルを記憶する学習モデル記憶部と、前記差分指標値を入力データとして、前記入力データおよび前記学習モデルを用いて前記工作物の表面粗さを推定する推定部とを備える。
第一の表面粗さ推定装置によれば、工作物の複数の所定範囲における表面高さである複数の計測データが取得される。複数の計測データの差分値に相当する差分指標値が演算される。ここで、複数の計測データには、計測する位置の違いによって異なる形状成分が表れる。一方、計測データにおいて、回転振れなどの運動成分は、計測する位置の違いによる影響が小さい。そのため、複数の計測データには、類似した運動成分が表れる。そのため、複数の計測データの差分値に相当する差分指標値は、運動成分の影響を小さくし、ほぼ形状成分による指標値とすることができる。そして、表面粗さは、演算された差分指標値を用いて推定されている。従って、差分指標値は、主として、実表面粗さの影響を受けたデータとなる。
ただし、差分指標値は、実表面粗さの影響を受けた値であるが、実表面粗さとは異なる値である。そこで、差分指標値と実表面粗さとの関係を機械学習により取得して、差分指標値と実表面粗さとの関係を表す学習モデルを生成している。従って、機械学習により得られた学習モデルを用いることで、機内計測装置による計測結果を用いた場合であっても高精度に表面粗さを得ることができる。
(2.第二の表面粗さ推定装置)
第二の表面粗さ推定装置は、工作物が工作機械に取り付けられた状態で前記工作物の複数の所定範囲について工作機械基準からの前記工作物の表面高さを同時計測可能な機内計測装置が適用され、前記機内計測装置により同時に計測された前記工作物の複数の所定範囲における前記表面高さである複数の計測データを記憶する機内計測データ記憶部と、複数の前記計測データの差分値に相当する差分指標値を演算する演算部と、前記工作機械の外部に設置された機外計測装置により計測された前記工作物の実表面粗さを記憶する実表面粗さ記憶部と、前記差分指標値と前記実表面粗さとを学習データとする機械学習により、前記差分指標値と前記工作物の前記実表面粗さとの関係を表す学習モデルを生成する学習モデル生成部とを備える。第二の表面粗さ推定装置によれば、機械学習により生成された学習モデルを用いることで、機内計測装置による計測結果を用いた場合であっても高精度に表面粗さを得ることができる。
(3.第一の工作機械システム)
工作機械システムは、上述した第一の表面粗さ推定装置と、前記推定部により推定された前記工作物の表面粗さに基づいて前記工作物に応じた処理を行う制御装置を備える工作機械と、を備える。工作機械の制御装置は、機内計測装置の計測結果を用いて推定された表面粗さを用いて、工作物に応じた処理を行うことができる。ここで、制御装置が行う処理は、当該工作物が不良品であるか否かの判定、工具の修正、交換の要否の判定、加工条件の変更などである。
(4.第二の工作機械システム)
第二の工作機械システムは、工作物が取り付けられた状態で前記工作物の複数の所定範囲について工作機械基準からの前記工作物の表面高さを計測可能な機内計測装置をそれぞれ備える複数の工作機械と、前記工作機械の外部に設置され、前記工作物の実表面粗さを計測可能な機外計測装置と、前記機外計測装置と通信可能なサーバと、複数の前記工作機械のそれぞれに設けられ、対応する前記工作機械と通信可能であり前記サーバと通信可能な複数のエッジコンピュータとを備える。
複数の前記エッジコンピュータのそれぞれは、前記工作物が前記工作機械に取り付けられた状態で前記機内計測装置により同時に計測された、前記工作物の複数の所定範囲における前記表面高さである複数の計測データを記憶する機内計測データ記憶部と、複数の前記計測データの差分値に相当する差分指標値を演算する演算部とを備える。
前記サーバは、前記工作機械の外部に設置された前記機外計測装置により計測された前記工作物の前記実表面粗さを記憶する実表面粗さ記憶部と、前記差分指標値と前記実表面粗さとを学習データとする機械学習により、前記差分指標値と前記工作物の前記実表面粗さとの関係を表す学習モデルを生成する学習モデル生成部とを備える。
複数の前記エッジコンピュータのそれぞれは、さらに、前記学習モデルを記憶する学習モデル記憶部と、前記差分指標値を入力データとして、前記入力データおよび前記学習モデルを用いて前記工作物の表面粗さを推定する推定部とを備える。
学習モデルが、複数の工作機械に設けられた機内計測装置の計測結果を用いて生成されている。一般に、学習モデルの精度は、サンプリング数が多いほど高精度となる。従って、学習モデルを用いた表面粗さの推定精度を向上させることができる。一方、生成された学習モデルは、各工作機械に設けられたエッジコンピュータに記憶されている。従って、各エッジコンピュータが、各工作機械の機内計測装置の計測結果を用いて表面粗さを推定することができる。そして、工作機械は、対応するエッジコンピュータにより推定された表面粗さを用いて、工作物の加工制御を行うことができる。換言すると、表面粗さの推定および推定された表面粗さに基づく加工制御を、工作機械およびエッジコンピュータにより構成される各ユニット内で処理することができる。
工作機械システム1の構成を示す図である。 工作機械2の一例である研削盤の平面図である。 機内計測装置18および工作物Wの詳細を示す図である。 機内計測装置18による第一計測方法を示す図である。 機内計測装置18による第二計測方法を示す図である。 工作機械システムにおける表面粗さ推定装置の機能ブロック図である。 変位センサ18a,18bにより計測された計測挙動データを示すグラフである。 2個の計測挙動データの計測値差である差分挙動データを示すグラフである。
(1.工作機械システム1の構成)
工作機械システム1の構成について、図1を参照して説明する。工作機械システム1は、工作物Wが工作機械2,2,2に取り付けられた状態で(機上で)、工作物Wの表面粗さを推定すると共に、推定された表面粗さに基づいた制御を行う。工作物Wは、円筒外周面を有しており、中心軸線回りに回転されながら加工される回転体である。
工作機械システム1は、例えば、複数の工作機械2,2,2と、サーバ3と、複数のエッジコンピュータ4,4,4と、機外計測装置5とを備える。ここで、本例においては、サーバ3およびエッジコンピュータ4が、表面粗さを推定するための表面粗さ推定装置6(図6に示す)を構成する。
工作機械2は、工作物Wに対して加工を施す機械である。工作機械2は、例えば、切削、研削、切断、鍛造、折り曲げ等の加工を施す機械である。工作機械2は、例えば、研削盤、旋盤、フライス盤、マシニングセンタなどである。
サーバ3は、複数の工作機械2のそれぞれと通信可能に設けられている。さらに、サーバ3は、複数のエッジコンピュータ4のそれぞれと通信可能に設けられている。サーバ3は、複数の工作機械2のそれぞれから各種情報を収集して、収集した情報に基づいて演算処理を行う。サーバ3は、各種情報の収集は、工作機械2から直接収集するようにしてもよいし、エッジコンピュータ4を介して収集するようにしてもよい。そして、サーバ3は、演算処理として、機械学習を行う機能を有する。そして、サーバ3は、機械学習により得られた学習モデルを生成する。
複数のエッジコンピュータ4のそれぞれは、複数の工作機械2のそれぞれに設けられている。それぞれのエッジコンピュータ4は、サーバ3にて生成された学習モデルを用いて、工作物Wの表面粗さを推定する。つまり、工作物Wを工作機械2の外部に設置された表面粗さを計測する専用の機外計測装置5に移動することなく、工作物Wを工作機械2の内部に配置した状態のままで、工作物Wの表面粗さを推定することができる。それぞれの工作機械2は、エッジコンピュータ4により推定された表面粗さに基づいて、加工条件を変更したり、工具(砥石車)の交換、修正(ツルーイング、ドレッシング)を行ったりすることができる。なお、エッジコンピュータ4は、工作機械2自身とは別装置として構成されるようにしてもよいし、工作機械2に組み込まれた装置として構成されるようにしてもよい。
機外計測装置5は、工作機械2とは異なる装置であって、複数の工作機械2により加工された工作物Wの実表面粗さを計測する。機外計測装置5は、サーバ3と通信可能に設けられており、計測結果をサーバ3に送信することができる。機外計測装置5は、工作機械2とは異なり、加工を行う装置ではなく、計測専用の装置である。機外計測装置5は、高精度な計測を可能とするために、構造体および駆動装置などに起因する振動などの発生を抑制できるように構成されている。従って、機外計測装置5により計測された実表面粗さは、高精度な計測結果となる。
さらに、機外計測装置5が計測する際には、計測対象である工作物Wの表面は、異物や液体が付着していない状態とされている。一般に、工作機械2において加工中の工作物Wの表面には、加工時に生じた異物、例えば切粉が付着していたり、加工に用いられる液体、例えばクーラント液が付着していたりする。しかし、機外計測装置5においては、異物および液体が除去された状態の工作物Wを計測対象とし、工作物Wの表面粗さを計測する。従って、この点からも、機外計測装置5は、高精度な実表面粗さを計測することができる。ここで、実表面粗さは、推定された表面粗さと区別される。
ここで、機外計測装置5により計測される実表面粗さは、例えば、ISO25178に規定されている面粗さパラメータである。面粗さパラメータは、例えば、算術平均高さSa、最大高さSz、二乗平均平方根高さSq、スキューネス(偏り度)Ssk、最大山高さSpなどである。もちろん、面粗さパラメータとして、規定されている他の指標を適用することもできる。
(2.工作機械2の構成)
工作機械2の一例の構成について、図2を参照して説明する。工作機械2の一例として、研削盤を例にあげる。研削盤は、工作物Wを研削加工するための工作機械である。当該工作機械2は、円筒研削盤、カム研削盤等、種々の構成の研削盤を適用できる。本例においては、工作機械2は、砥石台トラバース型の円筒研削盤を例にあげる。ただし、工作機械2は、テーブルトラバース型の研削盤を適用することもできる。
研削盤は、主として、ベッド11、主軸台12、心押台13、トラバースベース14、砥石台15、砥石車16(工具)、定寸装置17、機内計測装置18、砥石車修正装置19、クーラント装置20、および、制御装置21を備える。
ベッド11は、設置面上に固定されている。主軸台12は、ベッド11の上面に設けられ、工作物Wを工作物Wの中心軸線回り(Z軸回り)に回転可能に支持する。心押台13は、ベッド11の上面において、主軸台12に対向する位置に設けられている。そして、主軸台12および心押台13が、工作物Wを回転可能に両端支持する。工作物Wは、主軸台12に設けられたモータ12aの駆動により回転される。
トラバースベース14は、ベッド11の上面において、工作物Wの中心軸線方向(Z軸方向)に移動可能に設けられている。トラバースベース14は、ベッド11に設けられたモータ14aの駆動により移動する。砥石台15は、トラバースベース14の上面において、工作物Wに接近および離間する方向(X軸方向)に移動可能に設けられている。砥石台15は、トラバースベース14に設けられたモータ15aの駆動により移動する。
砥石車16は、円盤状に形成されており、砥石台15に回転可能に支持されている。砥石車16は、砥石台15に設けられたモータ16aの駆動により回転する。砥石車16は、複数の砥粒を結合材により固定されて構成されている。砥粒には、一般砥粒と超砥粒が存在する。一般砥粒としては、アルミナや炭化ケイ素などのセラミックス質の材料などが良く知られている。超砥粒は、ダイヤモンドやCBNである。定寸装置17は、ベッド11の上面に設けられ、工作物Wの外周面に接触可能な一対の接触子を備えており、工作物Wの加工部位の寸法(径)を計測する。
機内計測装置18は、研削盤に取り付けられた状態の工作物Wを計測対象とし、工作物Wの表面粗さに相当する情報を取得するための装置である。機内計測装置18は、工作機械2の内部に搭載されている。機内計測装置18は、工作物Wの表面における対象点の位置(特に高さ)を計測することができるセンサである。機内計測装置18は、例えば、変位センサであって、プローブなどの接触式センサを適用してもよいし、レーザ変位計や渦電流センサなどの非接触式センサを適用してもよい。ただし、計測対象は工作物Wであるため、機内計測装置18は、工作物Wへの接触により工作物Wに傷がつかないようにするために、非接触式センサを適用することが好ましい。
なお、機内計測装置18は、変位センサの他に、対象点の位置(特に高さ)を計測することができれば、例えば画像を取得する撮像装置などを適用することもできる。また、切粉などの異物やクーラントなどの液体が付着した状態で工作物Wの表面の形状成分を計測する場合には、付着物の影響を小さくするために、接触式センサを用いることもできる。
機内計測装置18は、工作物Wに対して相対移動可能に設けられている。機内計測装置18は、例えば、砥石台15に設けられている。ただし、機内計測装置18は、ベッド11に設けられるようにしてもよい。機内計測装置18は、工作物Wが主軸台12および心押台13に取り付けられた状態において、主軸台12の回転軸線を基準(工作機械基準)として、当該基準からの工作物Wの表面高さ、すなわち工作物Wの表面の径方向位置を計測する。
工作物Wの表面高さとは、表面粗さに相当する情報、または、表面粗さに相関を有する情報である。ただし、機内計測装置18による計測結果には、工作物Wの表面粗さなどに起因する形状成分だけでなく、工作機械2の構成要素に起因する振動や回転振れなどに起因する運動成分が含まれることがある。そのため、機内計測装置18は、機外計測装置5に比べて、運動成分などを含む分、計測精度が劣る。従って、機内計測装置18により計測される表面高さは、機外計測装置5により計測される実表面粗さとは区別される情報となる。
ここで、機内計測装置18の計測対象である工作物Wは、研削盤に取り付けられた状態である。そのため、工作物Wの表面には、加工時に生じた異物、例えば切粉が付着していたり、加工に用いられる液体、例えばクーラント液が付着していたりする。従って、機内計測装置18による計測データは、異物または液体が工作物Wに付着した状態で計測された工作物Wの表面高さとなる場合がある。この点からも、機内計測装置18により計測される表面高さは、機外計測装置5により計測される実表面粗さとは区別される情報となる。
砥石車修正装置19は、砥石車16の表面状態を修正する。砥石車修正装置19は、砥石車16の修正として、ツルーイングとドレッシングの少なくとも一方を行う装置である。さらに、砥石車修正装置19は、砥石車16の寸法(径)を測定する機能も有する。
ここで、ツルーイングは、形直し作業であり、研削によって砥石車16が摩耗した場合に工作物Wの形状に合わせて砥石車16を成形する作業、片摩耗によって砥石車16の振れを取り除く作業等である。ドレッシングは、目直し(目立て)作業であり、砥粒の突き出し量を調整したり、砥粒の切れ刃を創成したりする作業である。ドレッシングは、目つぶれ、目詰まり、目こぼれ等を修正する作業であって、通常ツルーイング後に行われる。また、ツルーイングとドレッシングは、特段区別することなく実施される場合もある。
クーラント装置20は、砥石車16による工作物Wの研削点にクーラント液を供給する。クーラント装置20は、回収したクーラント液を、所定温度に冷却して、再度研削点に供給する。
制御装置21は、NCプログラムおよびPLCの制御プログラムに基づいて、各駆動装置を制御する。NCプログラムは、工作物Wの形状、砥石車16の形状、加工条件、クーラント液の供給タイミング情報、砥石車16を修正するタイミング情報等に基づいて生成される。PLCの制御プログラムは、入力機器の指令信号のON/OFFに応じて出力機器を動作する。
すなわち、制御装置21は、NCプログラムおよびPLCの制御プログラムに基づいて各モータ12a,14a,15a,16aおよびクーラント装置20等を制御することにより工作物Wの研削を行う。特に、制御装置21は、定寸装置17により測定される工作物Wの径に基づいて、工作物Wが仕上げ形状となるまで研削を行う。
また、制御装置21は、機内計測装置18による計測結果に基づいて、砥石車16を修正するタイミングを決定すると共に、砥石車16を交換するタイミングを決定する。そして、制御装置21は、砥石車16を修正するタイミングであると判定した場合に、各モータ14a,15a,16a、および、砥石車修正装置19等を制御することにより、砥石車16の修正(ツルーイングおよびドレッシング)を行う。また、制御装置21は、砥石車16を交換するタイミングであると判定した場合には、砥石台15を所定位置に移動すると共に、砥石車16を交換する案内を表示装置などに表示する。
また、制御装置21は、後述する表面粗さ推定装置6(図4に示す)により推定された表面粗さに基づいて、工作物Wが不良品であるか否かの判定を行う。さらに、制御装置21は、推定された表面粗さに基づいて、加工条件の変更を行う。
(3.機内計測装置18の詳細構成)
機内計測装置18の詳細構成について、図3−図5を参照して説明する。上述したように、機内計測装置18は、例えば、非接触式変位センサを適用する。図3に示すように、機内計測装置18は、複数(例えば2個)の変位センサ18a,18bと、複数の変位センサ18a,18bを支持する装置本体18cとを備える。
変位センサ18a,18bは、工作物Wの表面位置を検出するセンサである。2個の変位センサ18a,18bは、工作物Wの軸線方向に所定間隔を隔てて配列されている。従って、2個の変位センサ18a,18bは、工作物Wが工作機械2に取り付けられた状態で、工作物Wの表面における軸線方向の複数の位置であって、工作物Wの同一位相(周方向の同一位置)を、同時に計測可能である。特に、各変位センサ18a,18bは、工作物Wの回転軸線を基準Lとして、当該基準Lからの工作物Wの表面高さを計測する。当該基準Lが工作機械基準である。
詳細には、各変位センサ18a,18bは、センサ先端位置から工作物Wの表面までの距離Da,Dbを計測する。そして、各変位センサ18a,18bは、基準Lと各変位センサ18a,18bの先端位置との距離を把握しているため、基準Lからの工作物Wの表面高さHa,Hbを計測することができる。
そして、各変位センサ18a,18bは、軸線方向に異なる位置に位置するため、工作物Wの表面において軸線方向に異なる位置についての工作物Wの表面高さHa,Hbを計測する。さらに、装置本体18cを、工作物Wに対して移動させながら、各変位センサ18a,18bは計測を行う。つまり、各変位センサ18a,18bは、同時に移動しながら計測することにより、工作物Wの複数の所定範囲(所定長さ)についての表面高さHa,Hbを計測することができる。つまり、各変位センサ18a,18bは、工作物Wの複数の所定範囲における表面高さHa,Hbである複数の計測データを取得する。取得された複数の計測データは、表面粗さ推定装置6(サーバ3およびエッジコンピュータ4)において、表面粗さの推定に用いられる。
ところで、工作物Wは、例えば、プランジ研削を施される。プランジ研削とは、円筒研削であって、工作物Wを回転させている状態で砥石車16を工作物Wに接近させ、砥石車16を工作物Wに対して、工作物Wの回転軸線に対して垂直に押し当てる研削である。つまり、工作物Wの表面状態は、周方向に類似の傾向を示す。
そこで、各変位センサ18a,18bは、同時に、工作物Wの軸線方向に移動しながら計測する。従って、各変位センサ18a,18bにより取得される複数の計測データは、工作物Wの表面において軸線方向に異なる位置についての所定範囲における表面高さHa,Hbとなる。
なお、プランジ研削においては、各変位センサ18a,18bを工作物Wの軸線方向に移動しながら計測することにより、所望の表面高さHa,Hbを取得できる。また、プランジ研削以外においても、各変位センサ18a,18bを工作物Wの軸線方向に移動しながら計測することにより、所望の表面高さHa,Hbを取得できる。ただし、トラバース研削においては、各変位センサ18a,18bを工作物Wの軸線方向に移動せずに、工作物Wの周方向の表面高さHa,Hbを計測したとしても、所望の表面高さHa,Hbを取得できる場合がある。
ここで、プランジ研削において、各変位センサ18a,18bを工作物Wの軸線方向に移動させる際に、次の2通りの計測方法がある。
第一の計測方法は、図4に示すように、工作物Wを回転停止させている状態であり、且つ、各変位センサ18a,18bを工作物Wの軸線方向に移動させている状態において、各変位センサ18a,18bにより表面高さHa,Hb(図3に示す)を計測する方法である。従って、工作物Wにおける計測軌跡T(Ha),T(Hb)は、工作物Wにおける軸線方向に平行な線状となる。つまり、計測データは、工作物Wの軸平行状の位置における表面高さHa,Hbとなる。
第二の計測方法は、図5に示すように、工作物Wを回転させている状態であり、且つ、各変位センサ18a,18bを工作物Wの軸線方向に移動させている状態において、各変位センサ18a,18bにより表面高さHa,Hbを計測する方法である。従って、工作物Wにおける計測軌跡T(Ha),T(Hb)は、工作物Wにおける螺旋状となる。つまり、計測データは、工作物Wにおける螺旋状の位置における表面高さHa,Hbとなる。
上記の第一の計測方法と第二の計測方法は、研削方法や計測目的に応じて適宜使い分けるとよい。例えば、真円度に相当する成分を計測する場合には、工作物Wを回転させる第二の計測方法がよい。工作物Wを回転させることにより、計測データが工作機械2の振動の影響を受ける。そのため、表面粗さ成分のみを高精度に計測する場合には、工作物Wを回転停止させる第一の計測方法がよい。
(4.表面粗さ推定装置6の詳細構成)
(4−1.表面粗さ推定装置6の全体構成)
表面粗さ推定装置6(以下、推定装置と称する)の詳細構成について、図6を参照して説明する。推定装置6は、上述したように、機内計測装置18(18a,18b)の計測結果を用いて表面粗さを推定するための装置である。特に、本例においては、推定装置6は、サーバ3および複数のエッジコンピュータ4を含んで構成される。つまり、推定装置6は、複数の工作機械2の機内計測装置18(18a,18b)により計測された複数台分の計測データに基づいて学習モデルを生成し、当該学習モデルを用いて各工作機械2において加工された工作物Wの表面粗さを推定する。
ただし、推定装置6は、1つの工作機械2のみに設けることもできる。この場合、推定装置6は、1つの工作機械2の機内計測装置18により計測された1台分の計測データに基づいて学習モデルを生成し、当該学習モデルを用いて当該工作機械2において加工された工作物Wの表面粗さを推定する。
ここで、推定された各工作物Wの表面粗さは、各工作機械2の制御装置21において利用される。各制御装置21は、推定された表面粗さに基づいて、当該工作物Wが不良品であるか否かを判定する。また、各制御装置21は、例えば表面粗さがより向上するような加工条件に変更して、工作物Wに対する加工制御を行う。また、各制御装置21が、推定された表面粗さに基づいて、砥石車16の修正(ツルーイングおよびドレッシング)を行う。または、各制御装置21は、砥石車16の交換を行うように促す案内を表示装置などに表示する。
本例においては、上述したように、推定装置6は、サーバ3と、複数のエッジコンピュータ4とを備える。サーバ3および複数のエッジコンピュータ4が、機械学習の学習フェーズの処理を行い、各エッジコンピュータ4のそれぞれが、機械学習の推論フェーズの処理を行う。
サーバ3は、複数の工作機械2(研削盤)のそれぞれと通信可能に設けられている。サーバ3は、実表面粗さ記憶部31、学習モデル生成部32を備える。各エッジコンピュータ4は、機内計測データ記憶部41、演算部42、学習モデル記憶部43、推定部44を備える。ここで、図6において、学習フェーズにおける情報(信号)の流れを、破線矢印にて示し、推論フェーズにおける情報(信号)の流れを、実線矢印にて示す。
機内計測データ記憶部41は、機内計測装置18の2個の変位センサ18a,18bにより同時に計測された2個の計測データを記憶する。機内計測データ記憶部41は、学習フェーズにおける計測データを記憶すると共に、推論フェーズにおける計測データを記憶する。
各計測データは、図3に示す、工作物Wの所定範囲における表面高さHa,Hbである。所定範囲は、図4または図5に示す計測軌跡T(Ha),T(Hb)である。つまり、計測データは、工作物Wにおける計測位置を移動させながら計測された、工作物Wの面方向座標と計測値である表面高さHa,Hbとに関する挙動データとなる。ここで、挙動データとは、多数の面方向座標に対応する計測値を有するデータである。挙動データは、連続的なデータとしてもよいし、離散的なデータとしてもよい。当該挙動データを計測挙動データと称する。面方向座標は、機内計測装置18の装置本体18cの座標であって、工作物Wにおける計測軌跡T(Ha),T(Hb)に対応する。
演算部42は、機内計測データ記憶部41に記憶された2個の計測データの差分値に相当する差分指標値を演算する。演算部42は、学習フェーズにおける計測データに基づく演算を行うと共に、推論フェーズにおける計測データに基づく演算を行う。ここで、計測データは、上述したように、計測挙動データである。つまり、差分指標値は、表面高さHaに関する計測挙動データと表面高さHbに関する計測挙動データとの差分値に相当する。ただし、計測挙動データ同士の差分値について、後述に、2例をあげて説明する。後述において、差分指標値は、第一例においてはS(ΔC)であり、第二例においてはΔS(C)である。
実表面粗さ記憶部31は、機外計測装置5により計測された工作物Wの実表面粗さを記憶する。ここで、学習フェーズにおいては、機外計測装置5が、全ての工作機械2により加工された全ての工作物Wの実表面粗さを計測する。つまり、学習フェーズにおいて、機内計測データ記憶部41に記憶された計測データに対応する全ての工作物Wの実表面粗さが計測される。
学習モデル生成部32は、差分指標値と実表面粗さとを学習データとする機械学習を行う。学習モデル生成部32は、例えば、差分指標値を説明変数とし、実表面粗さを目的変数とした学習データセット(訓練データセットとも称する)を用いて、教師あり学習のアルゴリズムによる機械学習を行う。そして、学習モデル生成部32は、当該機械学習により、差分指標値と工作物Wの実表面粗さとの関係を表す学習モデルを生成する。換言すると、学習モデルは、差分指標値に基づいて工作物Wの実表面粗さを出力するための学習モデルである。学習モデル生成部32により生成された学習モデルは、学習モデル記憶部43に記憶される。
推定部44は、推論フェーズにおいて演算部42により演算された差分指標値を入力データとして、当該入力データと学習モデル記憶部43に記憶された学習モデルとを用いて工作物Wの表面粗さを推定する。ここで、推定部44は、各エッジコンピュータ4に含まれるため、工作物Wが各工作機械2に取り付けられた状態のまま、当該工作物Wの表面粗さを推定することができる。
ここで、推論フェーズにおいて、推定部44が表面粗さを推定している際に、学習モデル生成部32が、学習モデルを更新することもできる。この場合、推定部44が表面粗さを推定するのと並行して、機外計測装置5が一部の工作物Wの実表面粗さを計測して、学習モデル生成部32が当該実表面粗さを用いて学習モデルを更新する。これにより、サンプリング数を増加させることができ、学習モデルの精度を向上することができる。結果として、表面粗さの推定精度を向上することができる。
(4−2.演算部42の第一例)
演算部42の第一例について、図7および図8を参照して説明する。機内計測データ記憶部41には、図7に示すように、変位センサ18aによる第一計測データAおよび変位センサ18bによる第二計測データBが記憶されている。第一計測データAと第二計測データBは、それぞれ異なる位置の計測データであるため、当然に異なる挙動を示す。
図7に示すように、第一計測データAおよび第二計測データBは、横軸を面方向座標とし、縦軸を表面高さHa,Hbである計測値Vとする計測挙動データである。ここで、図7における面方向座標は、機内計測装置18の装置本体18cの座標であって、工作物Wにおける計測軌跡T(Ha),T(Hb)に対応する。
演算部42は、対応する面方向座標毎に、第一計測データAにおける第一計測値V(A)と第二計測データBにおける第二計測値V(B)との差ΔV(C)(=V(A)−V(B))を演算する。面方向座標と計測値差ΔV(C)とに関する差分挙動データΔCは、図8に示すようになる。演算部42は、当該差分挙動データΔCを取得する。さらに、演算部42は、差分挙動データΔCに基づいて、差分挙動データΔCの特徴量S(ΔC)を差分指標値として演算する。特徴量は、最大値、最小値、平均値、分散、標準偏差などの種々の統計量を適用できる。
(4−3.演算部42の第二例)
演算部42の第二例について、図7を参照して説明する。機内計測データ記憶部41には、図7に示すように、変位センサ18aによる第一計測データAおよび変位センサ18bによる第二計測データBが記憶されている。
演算部42は、第一計測データAに基づいて、第一計測データAの特徴量である第一特徴量S(A)を演算する。さらに、演算部42は、第二計測データBに基づいて、第二計測データBの特徴量である第二特徴量S(B)を演算する。ここで、第一特徴量S(A)および第二特徴量S(B)は、同種の特徴量である。例えば、第一特徴量S(A)および第二特徴量S(B)は、最大値、最小値、平均値、分散、標準偏差などの種々の統計量を適用できる。そして、演算部42は、第一特徴量S(A)と第二特徴量S(B)との差ΔS(C)を、差分指標値として演算する。
(5.効果)
表面粗さ推定装置6によれば、工作物Wの複数の所定範囲における表面高さである複数の計測データが取得される。複数の計測データの差分値に相当する差分指標値が演算される。
ここで、複数の計測データには、計測する位置の違いによって異なる形状成分が表れる。一方、計測データにおいて、回転振れなどの運動成分は、計測する位置の違いによる影響が小さい。そのため、複数の計測データには、類似した運動成分が表れる。そのため、複数の計測データの差分値に相当する差分指標値は、運動成分の影響を小さくし、ほぼ形状成分による指標値とすることができる。
特に、複数の変位センサ18a,18bによって、工作物Wの同一位相の表面高さが計測される場合には、回転振れなどの運動成分は、ほぼ同じ大きさとなる。この場合には、複数の計測データに関する差分指標値は、回転振れなどの運動成分の影響をより小さくすることができる。従って、複数の計測データに関する差分指標値において、運動成分は相対的に小さくなり、形状成分が相対的に大きくなる。つまり、差分指標値は、形状成分が支配的となる。
そして、表面粗さは、演算された差分指標値を用いて推定されている。ここで、表面粗さは、工作物Wの形状成分のパラメータである。つまり、上述した運動成分は、表面粗さの推定において、誤差要因となる。しかし、運動成分が計測データに含まれているとしても、差分指標値は、運動成分の影響を低減させることができる。従って、差分指標値は、誤差要因としての運動成分の少ないデータであって、主として形状成分の影響を表すデータとなる。つまり、差分指標値は、主として、実表面粗さの影響を受けたデータとなり、実表面粗さの推定にとって良いデータとなる。
ただし、差分指標値は、実表面粗さの影響を受けた値であるが、実表面粗さとは異なる値である。そこで、差分指標値と実表面粗さとの関係を機械学習により取得して、差分指標値と実表面粗さとの関係性を学習した学習モデルを生成している。従って、機械学習により得られた学習モデルを用いることで、機内計測装置による計測結果を用いた場合であっても高精度に表面粗さを得ることができる。
特に、上述したように、差分指標値は、誤差要因としての運動成分の影響が少なく、主として形状成分の影響を表すデータである。形状成分を主とする差分指標値を用いて表面粗さを推定することにより、表面粗さの推定精度が向上する。
また、工作機械2の制御装置21は、機内計測装置18の計測結果を用いて推定された表面粗さを用いて、工作物Wに応じた処理を行うことができる。ここで、制御装置21が行う処理は、上述したように、当該工作物Wが不良品であるか否かの判定、砥石車16の修正、交換の要否の判定、加工条件の変更などである。
また、学習モデル生成部32により生成される学習モデルは、複数の工作機械2に設けられた機内計測装置18の計測結果を用いて生成されている。一般に、学習モデルの精度は、サンプリング数が多いほど高精度となる。従って、学習モデルを用いた表面粗さの推定精度を向上させることができる。一方、生成された学習モデルは、各工作機械2に設けられたエッジコンピュータ4に記憶されている。従って、各エッジコンピュータ4が、各工作機械2の機内計測装置18の計測結果を用いて表面粗さを推定することができる。そして、工作機械2は、対応するエッジコンピュータ4により推定された表面粗さを用いて、工作物Wの加工制御を行うことができる。換言すると、表面粗さの推定および推定された表面粗さに基づく加工制御を、工作機械2およびエッジコンピュータ4により構成される各ユニット内で処理することができる。
また、学習モデルの生成段階においては、大量のデータを処理する必要があるため、生成段階に用いる演算処理装置には、高い演算能力が求められる。一方、生成した学習モデルを使用する段階では、処理に要するデータ量が少ないことが多い。従って、使用段階に用いる演算処理装置は、生成段階ほどの演算能力は必要とされないことが多い。
そこで、学習モデルの生成をサーバ3で行い、学習モデルの使用(活用)を工作機械2側のエッジコンピュータ4で行うことによって、生成と使用(活用)とで要求能力に応じた装置を用いることができる。結果として、それぞれの工作機械2側のエッジコンピュータ4は演算能力の高くない安価な制御装置を用いることができ、サーバ3のみを演算能力の高い装置を用いることで、システム全体を安価にすることができる。
また、上記において、機内計測装置18は、2個の変位センサ18a,18bを備えることとした。そして、演算部42は、2個の変位センサ18a,18bの計測データA,Bに基づいて、これらの差分値に相当する差分指標値S(ΔC),ΔS(C)を演算することとした。この他に、機内計測装置18は、3個以上の変位センサを備えるようにしてもよい。この場合、演算部42は、3個の計測データから選択された2個の計測データの差分値から得られる差分指標値S(ΔC),ΔS(C)を演算すればよい。つまり、3個の計測データのうち2個の計測データは、3通りの組み合わせが存在する。3通りの計測データの差分値と学習モデルとを用いて、差分指標値を演算する。
1:工作機械システム、2:工作機械(研削盤)、3:サーバ、4:エッジコンピュータ、5:機外計測装置、6:推定装置、11:ベッド、12:主軸台、12a,14a,15a,16a:モータ(駆動装置)、13:心押台、14:トラバースベース、15:砥石台、16:砥石車(工具)、17:定寸装置、18:機内計測装置、18a,18b:変位センサ、18c:装置本体、19:砥石車修正装置、20:クーラント装置、21:制御装置、31:実表面粗さ記憶部、32:学習モデル生成部、41:機内計測データ記憶部、42:演算部、43:学習モデル記憶部、44:推定部、W:工作物、L:基準(工作機械基準)、Ha,Hb:表面高さ、A:第一計測データ、B:第二計測データ、V(A):第一計測値、V(B):第二計測値、S(A):第一特徴量、S(B):第二特徴量、ΔC:差分挙動データ、S(ΔC),ΔS(C):差分指標値

Claims (13)

  1. 工作物が工作機械に取り付けられた状態で前記工作物の複数の所定範囲について工作機械基準からの前記工作物の表面高さを同時計測可能な機内計測装置が適用され、前記機内計測装置により同時に計測された前記工作物の複数の所定範囲における前記表面高さである複数の計測データを記憶する機内計測データ記憶部と、
    複数の前記計測データの差分値に相当する差分指標値を演算する演算部と、
    前記差分指標値と前記工作物の実表面粗さとの関係を表す学習モデルを記憶する学習モデル記憶部と、
    前記差分指標値を入力データとして、前記入力データおよび前記学習モデルを用いて前記工作物の表面粗さを推定する推定部と、
    を備える、表面粗さ推定装置。
  2. 前記工作物は、回転体であって、
    複数の前記計測データは、前記工作物の表面において軸線方向に異なる位置についての所定範囲における前記表面高さである、請求項1に記載の表面粗さ推定装置。
  3. 複数の前記計測データは、前記工作物の表面において同一位相の位置であり且つ軸線方向に異なる位置についての所定範囲における前記表面高さである、請求項2に記載の表面粗さ推定装置。
  4. 前記計測データは、前記工作物を回転停止させている状態であり、且つ、前記機内計測装置または前記工作物を前記工作物の軸線方向に相対移動させている状態において、前記機内計測装置により計測された軸平行状の前記表面高さである、請求項2または3に記載の表面粗さ推定装置。
  5. 前記計測データは、前記工作物を回転させている状態であり、且つ、前記機内計測装置または前記工作物を前記工作物の軸線方向に相対移動させている状態において、前記機内計測装置により計測された螺旋状の前記表面高さである、請求項2または3に記載の表面粗さ推定装置。
  6. 前記工作物は、前記工作機械によってプランジ研削を施された工作物である、請求項4または5に記載の表面粗さ推定装置。
  7. 前記計測データは、前記工作物における計測位置を移動させながら計測された、前記工作物の面方向座標と計測値とに関する計測挙動データであり、
    前記演算部は、
    対応する前記面方向座標毎に、複数の前記計測データのうちの第一計測データにおける前記計測値と複数の前記計測データのうちの第二計測データにおける前記計測値との差を演算することで、前記工作物の面方向座標と計測値差とに関する差分挙動データを取得し、
    前記差分挙動データに基づいて、前記差分挙動データの特徴量を前記差分指標値として演算する、
    請求項1−6の何れか一項に記載の表面粗さ推定装置。
  8. 前記計測データは、前記工作物における計測位置を移動させながら計測された、前記工作物の面方向座標と計測値とに関する計測挙動データであり、
    前記演算部は、
    複数の前記計測データのうちの第一計測データに基づいて、前記第一計測データの特徴量である第一特徴量を演算し、
    複数の前記計測データのうちの第二計測データに基づいて、前記第二計測データの特徴量である第二特徴量を演算し、
    前記第一特徴量と前記第二特徴量との差を前記差分指標値として演算する、
    請求項1−6の何れか一項に記載の表面粗さ推定装置。
  9. 前記計測データは、加工時に生じた異物または加工に用いられる液体が前記工作物に付着した状態で計測された前記工作物の前記表面高さである、請求項1−8の何れか一項に記載の表面粗さ推定装置。
  10. 前記機内計測装置は、前記工作機械に取り付けられており前記工作物の表面位置を検出する変位センサである、請求項1−9の何れか一項に記載の表面粗さ推定装置。
  11. 工作物が工作機械に取り付けられた状態で前記工作物の複数の所定範囲について工作機械基準からの前記工作物の表面高さを同時計測可能な機内計測装置が適用され、前記機内計測装置により同時に計測された前記工作物の複数の所定範囲における前記表面高さである複数の計測データを記憶する機内計測データ記憶部と、
    複数の前記計測データの差分値に相当する差分指標値を演算する演算部と、
    前記工作機械の外部に設置された機外計測装置により計測された前記工作物の実表面粗さを記憶する実表面粗さ記憶部と、
    前記差分指標値と前記実表面粗さとを学習データとする機械学習により、前記差分指標値と前記工作物の前記実表面粗さとの関係を表す学習モデルを生成する学習モデル生成部と、
    を備える、表面粗さ推定装置。
  12. 請求項1−10の何れか一項に記載の表面粗さ推定装置と、
    前記推定部により推定された前記工作物の表面粗さに基づいて前記工作物に応じた処理を行う制御装置を備える工作機械と、
    を備える、工作機械システム。
  13. 工作物が取り付けられた状態で前記工作物の複数の所定範囲について工作機械基準からの前記工作物の表面高さを計測可能な機内計測装置をそれぞれ備える複数の工作機械と、
    前記工作機械の外部に設置され、前記工作物の実表面粗さを計測可能な機外計測装置と、
    前記機外計測装置と通信可能なサーバと、
    複数の前記工作機械のそれぞれに設けられ、対応する前記工作機械と通信可能であり前記サーバと通信可能な複数のエッジコンピュータと、
    を備える工作機械システムであって、
    複数の前記エッジコンピュータのそれぞれは、
    前記工作物が前記工作機械に取り付けられた状態で前記機内計測装置により同時に計測された、前記工作物の複数の所定範囲における前記表面高さである複数の計測データを記憶する機内計測データ記憶部と、
    複数の前記計測データの差分値に相当する差分指標値を演算する演算部と、
    を備え、
    前記サーバは、
    前記工作機械の外部に設置された前記機外計測装置により計測された前記工作物の前記実表面粗さを記憶する実表面粗さ記憶部と、
    前記差分指標値と前記実表面粗さとを学習データとする機械学習により、前記差分指標値と前記工作物の前記実表面粗さとの関係を表す学習モデルを生成する学習モデル生成部と、
    を備え、
    複数の前記エッジコンピュータのそれぞれは、さらに、
    前記学習モデルを記憶する学習モデル記憶部と、
    前記差分指標値を入力データとして、前記入力データおよび前記学習モデルを用いて前記工作物の表面粗さを推定する推定部と、
    を備える、工作機械システム。
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