JPH09314439A - 研削加工方法 - Google Patents

研削加工方法

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JPH09314439A
JPH09314439A JP15763696A JP15763696A JPH09314439A JP H09314439 A JPH09314439 A JP H09314439A JP 15763696 A JP15763696 A JP 15763696A JP 15763696 A JP15763696 A JP 15763696A JP H09314439 A JPH09314439 A JP H09314439A
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JP
Japan
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grinding
workpiece
cutting
grindstone
elastic deformation
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Yasunori Yoneda
康典 米田
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被加工物の加工前寸法にばらつきがあって
も,研削精度を維持しつつ,加工時間のばらつきを抑制
することができる研削加工方法を提供すること。 【解決手段】 回転する被加工物に回転する砥石を押圧
して,被加工物を研削加工する方法である。研削に先立
って被加工物の素材寸法を計測し,該計測値に基づい
て,予め決定しておいた研削条件に応じて,所定の研削
状態においては砥石軸の弾性変形量41,42,43が
一定となるように,砥石軸を所定の切り込み速度で送り
込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,内面研削,円筒研削等の研削加
工方法に関する。
【0002】
【従来技術】例えば,管状材料の内面を仕上げ寸法に加
工する場合には,通常,後述する図2に示すごとき内面
研削盤5を用いて研削加工を行う。この研削加工は,図
5,図6に示すごとく,回転する被加工物8の内面に回
転する砥石6を押圧して移行させることにより行う。
【0003】また,上記砥石6は,切り込み方向に移行
可能な砥石軸61に配設してなる。そして,砥石6の移
行は,砥石軸61を移行させることにより制御する。そ
のため,上記切り込み時において砥石軸61を移行させ
る場合には,砥石6と被加工物8との押圧力によって砥
石軸61が撓んで弾性変形する。それ故,実際には,砥
石軸61の送り量(切り込み量)とその先端の砥石6の
移行量,即ち被加工物の研削量とに差が生じる。
【0004】また,上記砥石軸61の切り込み速度が速
いほど実際の研削速度は速くなり,加工時間の短縮を図
ることができる。しかしながら,この場合には砥石軸6
1の弾性変形量も大きくなり,その分加工精度が悪くな
る。一方,砥石軸61の切り込み速度を遅くすると,上
記弾性変形量が小さくなり,その分加工精度が良くな
る。しかしながら,この場合には加工時間が長くなって
しまう。
【0005】そこで,従来は,このような問題を解決す
べく,切り込み速度が比較的速い粗研削と,切り込み速
度が比較的遅く研削精度の高い仕上研削とを組み合わせ
た種々の方法が提案されている。例えば,特開昭51−
50081号公報には,被加工物が一定寸法になるまで
切り込み速度を速めた粗研削を行い,その後の仕上研削
においては,随時切り込み速度を変化させて被加工物の
寸法変化率を一定とする方法が提案されている。この方
法によれば,加工時間の短縮化をある程度図りつつ,加
工精度を向上させることができるとされている。
【0006】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の研
削加工方法においては,次の問題がある。即ち,同一寸
法に仕上げる複数の被加工物がある場合に,その加工前
の寸法がばらついていることがある。この場合において
は,例えば上記粗研削完了時における砥石軸の弾性変形
量等の状態がばらつき,その分仕上研削加工時間等がば
らついてしまう。
【0007】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,被加工物の加工前寸法にばらつきがあっ
ても,研削精度を維持しつつ,加工時間のばらつきを抑
制することができる研削加工方法を提供しようとするも
のである。
【0008】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,回転する被加工
物に回転する砥石を押圧して,被加工物を研削加工する
方法において,研削に先立って上記被加工物の素材寸法
を計測し,該計測値に基づいて,予め決定しておいた研
削条件に応じて,所定の研削状態においては砥石軸の弾
性変形量が一定となるように,砥石軸を所定の切り込み
速度で送り込むことを特徴とする研削加工方法にある。
【0009】本発明において最も注目すべきことは,上
記研削条件は,上記素材寸法に基づいて,予め決定して
おいたものに応じること,即ち,素材寸法によって研削
条件を変更することである。そして,さらに注目すべき
ことは,その研削条件は,上記所定時の砥石軸の弾性変
形量が,素材寸法の違いにかかわらず一定となるという
条件であることである。
【0010】上記被加工物は,管状又は棒状の形状であ
って,その内面又は外面を研削仕上げするものである。
したがって,上記被加工物の素材寸法とは,内面を研削
する場合にはその内径寸法をいい,外面を研削する場合
にはその外径寸法をいう。
【0011】また,上記研削条件とは,具体的には,上
記切り込み速度のパターンである。より具体的に説明す
れば,例えば粗研削と仕上研削とを組み合わせて行う場
合には,粗研削時の切り込み速度と,仕上研削の切り込
み速度とをどのように設定するかという条件である。
【0012】また,本発明においては,この研削条件
を,上記のごとく上記素材寸法に応じて変更する。この
場合の研削条件の変更方法としては,例えば後述するよ
うに素材寸法範囲を細分化して,各寸法範囲ごとに固定
条件を設定しておき,各被加工物の素材寸法に応じてこ
れを選択する方法がある。また,条件を算出するための
一定の演算式を定めておき,各被加工物毎にその素材寸
法の測定値に基づいて研削条件を個々に算出し,設定す
る方法もある。
【0013】また,上記素材寸法に応じて定める研削条
件は,上記のごとく,所定の研削状態において,上記砥
石軸の弾性変形量が一定となるように定める。例えば,
粗研削と仕上研削とを組み合わせて行う場合には,粗研
削終了時や仕上研削終了時等の所定の研削状態におい
て,上記砥石の弾性変形量が素材寸法にかかわらず一定
となるように設定する。
【0014】さらに具体例を挙げて簡単に説明すれば,
例えば内面研削する場合において,素材内径が大きい側
にばらついていた場合には,粗研削時の切り込み速度を
通常よりも速めた条件とする。一方,素材内径が小さい
側にばらついていた場合には,粗研削時の切り込み速度
を遅くした条件とする。これにより,被加工物を所定の
寸法まで粗研削した時点において,上記砥石軸の弾性変
形量を一定にすることができる。
【0015】そして,このような研削条件は,実際に複
数の被加工物を種々の条件で研削することにより,最適
な条件を導き出すことが好ましい。これにより,再現性
が高く精度のよい研削条件を設定することができる。
【0016】次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明の研削加工方法においては,上記被加工物の加工
前の素材寸法に応じて,研削条件を最適なものに変更す
る。そして,その研削条件は,上記のごとく,素材寸法
にかかわらず,上記所定の研削状態における上記砥石の
弾性変形量が一定になるような条件である。
【0017】そのため,上記素材寸法のばらつきは,所
定の研削状態に到達した段階で解消することができる。
即ち,被加工物が所定の研削状態に達して所定の寸法に
到達した時点においては,上記のごとく,上記砥石軸の
弾性変形量が常に一定となり,その弾性復元力も一定で
ある。
【0018】そのため,残った研削代を研削するに当た
っては,常に,上記一定の弾性復元力による一定の押圧
力を維持した状態の砥石軸によって研削を開始すること
ができる。それ故,上記所定の研削状態以降において
は,容易に一定な条件で研削することが可能となり,加
工時間のばらつき及び研削精度のばらつきを抑制するこ
とができる。
【0019】したがって,本発明によれば,被加工物の
加工前寸法にばらつきがあっても,研削精度を維持しつ
つ,加工時間のばらつきを抑制することができる研削加
工方法を提供することができる。
【0020】次に,請求項2の発明のように,上記研削
状態は,粗研削スパークアウトの開始時,仕上研削スパ
ークアウトの開始時,研削終了時であることが好まし
い。ここで,粗研削スパークアウトとは,粗研削におけ
る砥石軸の切り込みを止めた状態をいい,それまでの砥
石軸の撓みにより蓄えられた弾性復元力のみによって研
削を行っている状態をいう。したがって,その開始時と
は,上記粗研削時における切り込みを止めた時に一致す
る。
【0021】また,仕上研削スパークアウトとは,仕上
研削における砥石軸の切り込みを止めた状態をいい,そ
れまでの砥石軸の撓みにより蓄えられた弾性復元力のみ
によって研削を行っている状態をいう。したがって,そ
の開始時とは,上記仕上研削時における切り込みを止め
た時に一致する。また,研削終了時とは,被加工物の寸
法が所望の寸法に達した時をいう。
【0022】即ち,本発明においては,比較的切り込み
速度の速い粗研削の後,砥石軸が常に所定の弾性変形量
を有する状態から粗研削スパークアウトを行い,その
後,比較的切り込み速度が遅い仕上研削の後,砥石軸が
常に所定の弾性変形量を有する状態から仕上研削スパー
クアウトを行い,被加工物が最終的に仕上げ寸法に到達
した時点においても,砥石軸が常に所定の弾性変形量を
有しているような研削条件で研削加工することを特徴と
する。
【0023】この場合には,上記のごとく,各スパーク
アウト開始時における砥石軸の弾性変形量が,素材寸法
にかかわらず一定となる。そのため,研削時の押圧力と
なる砥石軸の弾性復元力も素材寸法にかかわらず一定で
ある。それ故,スパークアウト時の研削時間,研削精度
等をほぼ一定に維持することができる。
【0024】そして,本発明においては,研削過程にお
いて上記複数段階において,上記弾性変形量を,素材寸
法にかかわらず一定とする。そのため,さらに確実に研
削加工時間及び加工精度の安定化を図ることができる。
【0025】また,請求項3の発明のように,上記研削
条件は,素材寸法の範囲を細分化し,その細分化された
寸法範囲毎に上記砥石軸の切り込み速度を定めてあるこ
とが好ましい。これにより,研削条件の編集,選定,設
定手段等を簡易なシステムで構築することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる研削加工方法につき,図1
〜図3を用いて説明する。本例は,管状の被加工物の内
面研削を行う場合を例にとって説明する。まず,本例の
研削加工方法を実施するための内面研削盤5について,
図2に基づいて簡単に説明する。
【0027】内面研削盤5は,被加工物8を保持すると
共にこれを回転させる主軸台51と,砥石6を保持しこ
れを前後左右に移行させる移行部52とを本体50上に
備えてなる。また,外部には研削状態を制御するための
制御部7(図3)を連結してなる。移行部52において
は,砥石6及び砥石軸61を保持すると共にこれを回転
させる砥石回転モータ53をオシレーションテーブル5
4に有する。
【0028】オシレーションテーブル54は,軸方向に
前後移動可能に切り込みテーブル55上に設けられてい
る。さらに,切り込みテーブル55は,左右移動可能に
本体50のベース501上に設けられている。また,移
行部52には,上記オシレーションテーブル54を移行
させるための前後移動用サーボモータ64と,切り込み
テーブル55を移行させるための左右移動用サーボモー
タ65とを設けてある。
【0029】また,上記オシレーションテーブル54上
には,定寸装置移行テーブル56を介して定寸装置57
を配設してある。この定寸装置57は,被加工物8の素
材寸法及び研削寸法を測定するための装置である。そし
て,図3に示すごとく,上記2つのサーボモータ64,
65と定寸装置57とは,別途設けた制御部7によって
制御されるよう構成されている。
【0030】制御部7は,図3に示すごとく,上記定寸
装置57に接続された内径寸法演算手段77と,該内径
寸法演算手段77の演算結果に基づいて最適な切り込み
条件を導き出す処理装置71と,該処理装置71から指
示された条件でサーボモータ64,65を制御するサー
ボモータ制御手段76とよりなる。
【0031】さらに上記処理手段71は,図3に示すご
とく,素材寸法検出手段72,切り込み条件編集手段7
3,切り込み条件選択手段74,切り込み条件設定手段
75を有している。素材寸法検出手段72は,切り込み
開始前において,上記内径寸法演算手段77の演算結果
に基づいて被加工物8の素材寸法を検出するための手段
である。
【0032】また,切り込み条件編集手段73は,予め
決定しておいた切り込み条件の追加,修正等の編集を行
うための手段である。また,切り込み条件選択手段74
は,上記素材寸法検出手段72の素材寸法検出結果に応
じて,上記切り込み条件編集手段73に蓄積されている
種々の切り込み条件の中から被加工物8に最適な切り込
み条件を選定し,これを切り込み条件設定手段75に伝
える手段である。
【0033】また,切り込み条件設定手段75は,上記
切り込み条件選択手段74より受け取った切り込み条件
にしたがって,各研削段階における切り込み速度をサー
ボモータ制御手段76に指示する手段である。このと
き,切り込み速度の切り換えタイミングは,研削中に上
記内径寸法演算手段77から随時受け取る被加工物8の
研削寸法データに基づいて判断される。
【0034】このような構成の内面研削盤5を用いて実
際に被加工物8を内面研削するに当たっては,まず被加
工物8を上記主軸台51にセットする。次いで,移行部
52を操作して,砥石6を被加工物8の内部に挿入する
と共に,定寸装置によって被加工物8の素材寸法である
内径を測定する。次いで,この内径測定値が上記制御部
7に伝えられ,上記各手段によって,被加工物8の素材
寸法に対応した切り込み条件が選定され,その条件で研
削加工が開始される。
【0035】ここで,本例における研削条件の特徴,即
ち切り込みパターンを図1に示す。図1は,横軸に時
間,縦軸に砥石軸の切り込み位置と被加工物の内径寸法
をとった。そして実線Aは砥石の切り込み位置を,点線
Bは被加工物8の内径寸法をそれぞれ示す。
【0036】切り込みパターンは,同図に示すごとく,
砥石を高速で一定距離移行させて被加工物8に接近させ
る速送り10を行ったのち,所定の速度の粗研削送り1
1を行うことからスタートする。
【0037】次いで,同図のP0 点に到達した時点から
実際の研削が開始される。そして,このP0 点を起点と
して,砥石切り込み位置を示すA線と内径寸法を示すB
線とが徐々に開いてゆく。この開きが砥石軸の弾性変形
量を示している。次いで,内径寸法がD1 に達した段階
(同図P1 点)で粗研削送り11を止めて,粗研削スパ
ークアウト12を開始する。この粗研削スパークアウト
12開始時における弾性変形量41が第1の制御目標で
ある。
【0038】また,この粗研削スパークアウト12にお
いては,上記弾性変形量41による砥石軸の弾性復元力
によって研削が進んでいく。そして,被加工物8の内径
寸法がD2 に達した時点(同図P2 点)において,粗研
削スパークアウト12を終了する。次いで,砥石軸61
を高速で一定量後退させるリトラクト2を行い,このリ
トラクト2が完了した時点で仕上研削送り31を開始す
る。この仕上研削送り31は,上記粗研削送り11より
も低速にしてあり,研削精度の向上を図っている。
【0039】次いで,被加工物8の内径寸法がD3 に達
した時点(同図P3 点)において,仕上研削送り31を
止めて仕上研削スパークアウト32を開始する。この仕
上研削スパークアウト31開始時における弾性変形量4
2が第2の制御目標である。仕上研削スパークアウト3
2においては,上記弾性変形量42による砥石軸の弾性
復元力によって研削が進んでいく。そして,被加工物8
の内径寸法がD4 の目標寸法に達した時点(同図P4
において,砥石軸を高速で後退させ,研削加工を終え
る。また,上記P4 点における弾性変形量43が第3の
制御目標である。
【0040】そして本例においては,このような研削パ
ターンを基本とし,上記3つの制御目標である各点の弾
性変形量41,42,43が,被加工物8の加工前の素
材寸法にかかわらず常に一定になるように,各被加工物
8毎に,粗研削送り11の速度及び仕上研削送りの速度
31の2つの切り込み速度を変更する。その,各切り込
み条件は,上記制御部7における切り込み条件編集手段
73に記憶されている。
【0041】切り込み条件編集手段73に記憶されてい
る切り込み条件データは,素材寸法を2μm毎に区切っ
て細分化し,細分化した寸法範囲毎に決定されたもので
ある。また,この切り込み条件は,予め複数のテスト材
を実際に研削加工し,その結果から経験的に決定してあ
り,非常に再現性の高いものである。
【0042】次に,本例における作用効果につき説明す
る。本例においては,上記のごとく,各被加工物8の素
材寸法に応じて1本毎に研削条件を最適なものに変更す
る。そして,その研削条件は,上記粗研削スパークアウ
ト開始時,仕上研削スパークアウト開始時,研削終了時
における,砥石軸の各弾性変形量が素材寸法にかかわら
ず一定になるように,粗研削送り11の切り込み速度
と,仕上研削送り31の切り込み速度を選定してある。
そのため,研削加工時間及び研削精度のばらつきを小さ
くすることができる。
【0043】即ち,上記粗研削スパークアウト開始時の
上記弾性変形量41は素材寸法にかからず一定となる。
そのため,砥石軸61の弾性復元力のみにより研削され
る粗研削スパークアウト12においては,その加工時間
(図1T1 〜T2 )のばらつきが非常に小さくなる。
【0044】また,同様な理由により,上記仕上研削ス
パークアウト31の加工時間(同図T3 〜T4 )のばら
つきも非常に小さくすることができる。したがって,全
体の加工時間のばらつきも小さくすることができる。さ
らに,研削終了時における弾性変形量43も,素材寸法
にかからず常に一定となる。そのため,この弾性変形量
43によって左右される研削精度のばらつきも,非常に
小さくすることができる。
【0045】比較例 次に,上記実施形態例1の効果をさらに明確にすべく,
上記弾性変形量41,42,43は何ら考慮せず,粗研
削送り速度と仕上研削送り速度とを固定した従来の研削
加工方法による研削結果を説明する。
【0046】本比較例においては,加工前の内径寸法が
小さい側にばらついている被加工物と,大きい側にばら
ついている被加工物の2種類を準備し,それぞれ研削加
工した。研削装置としては,実施形態例1の内面研削盤
5を使用し,その制御方法のみを変更した。また,加工
仕上げ寸法等は,実施形態例1と同様とした。
【0047】研削結果を図4(a)(b)に示す。同図
(a)は,加工前の内径寸法D0 が小さい被加工物を研
削した結果を示してあり,一方同図(b)は,加工前の
内径寸法D0 が大きい被加工物を研削した結果を示して
いる。なお,各部の符号の一部は,便宜上実施形態例1
と同様とした。
【0048】同図(a)(b)より知られるごとく,ま
ず粗研削スパークアウト開始時(P1 点)に着目する
と,同図(a)の加工前内径D0 が小さい場合の弾性変
形量411は,同図(b)の上記D0 が大きい場合の弾
性変形量412よりも大きい。その結果,この弾性変形
量の違いによって粗研削スパークアウト12の加工時間
が大きくばらついた。即ち,同図(b)の方が,非常に
長いスパークアウト時間となった。
【0049】次に,上記リトラクト2の段階において
は,同図(b)においては完全に砥石が被加工物8から
離れてしまった状態になり,その後仕上研削送り31を
開始している。そのため,同図P25に至るまでは,完全
にロスタイムとなっている。したがって,この仕上研削
送り31の加工時間についても,同図(b)の方が
(a)の場合に比べて大幅に長くなっている。
【0050】その結果,同図(b)の場合には,同図
(a)に比べて加工前内径D0 が小さく絶対研削量が少
ないにもかからず,トータルの加工時間(T0 〜T4
が長くなっている。このことから,従来の研削加工方法
においては,被加工物の加工前の素材寸法によって,加
工時間が大きく左右されることがわかる。
【0051】次に,研削終了時の弾性変形量431,4
32に注目すると,加工前内径D0の違いによって,こ
の値も差異が発生していることがわかる。このことは,
加工前の素材寸法によって,加工精度についてもばらつ
くことが示している。
【0052】これに対し,本発明の場合には,上記実施
形態例1に示したごとく,上記各段階における弾性変形
量を一定に維持するように,粗研削送り,仕上研削送り
の切り込み速度を制御する。そのため,上記のような不
具合を確実に解消することができ,加工時間及び加工精
度のばらつきを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1の研削加工方法の,研削パターン
を示す説明図。
【図2】実施形態例1における,内面研削盤の斜視図。
【図3】実施形態例1における,内面研削盤の制御部の
構成を示すブロック図。
【図4】比較例における,(a)加工前素材内径が小さ
い場合,(b)加工前素材内径が大きい場合,の研削パ
ターンを示す説明図。
【図5】従来例における,内面研削状態を断面方向から
見た説明図。
【図6】従来例における,内面研削状態を正面方向から
見た説明図。
【符号の説明】
11...粗研削送り, 12...粗研削スパークアウト, 2...リトラクト, 31...仕上研削送り, 32...仕上研削スパークアウト, 41,42,43...弾性変形量, 5...内面研削盤, 51...主軸台, 52...移行部, 6...砥石, 61...砥石軸, 7...制御部, 8...被加工物,

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転する被加工物に回転する砥石を押圧
    して,被加工物を研削加工する方法において,研削に先
    立って上記被加工物の素材寸法を計測し,該計測値に基
    づいて,予め決定しておいた研削条件に応じて,所定の
    研削状態においては砥石軸の弾性変形量が一定となるよ
    うに,砥石軸を所定の切り込み速度で送り込むことを特
    徴とする研削加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記研削状態は,粗
    研削スパークアウトの開始時,仕上研削スパークアウト
    の開始時,研削終了時であることを特徴とする研削加工
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記研削条件
    は,素材寸法の範囲を細分化し,その細分化された寸法
    範囲毎に上記砥石軸の切り込み速度を定めてあることを
    特徴とする研削加工方法。
JP15763696A 1996-05-28 1996-05-28 研削加工方法 Pending JPH09314439A (ja)

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JP15763696A JPH09314439A (ja) 1996-05-28 1996-05-28 研削加工方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009079368A3 (en) * 2007-12-14 2009-10-01 Rolls-Royce Corporation Method for processing a work-piece
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