JP5061326B2 - 感熱ラベルを用いたロール体 - Google Patents
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Description
本発明は、剥離紙を使用しない感熱ラベルを順に長尺帯状に連結してロール状とした感熱ラベルを用いたロール体に関する。
従来から一般に、商品等の被着体に貼付するラベルは、剥離紙の上に多数粘着されて、剥離紙と共に芯管に巻かれている。剥離紙に粘着されるラベルは、ラベル基材の上面に価格等の情報が印刷され、ラベル基材の背面に粘着剤が塗布されているものである。ラベルの裏面の粘着剤と、剥離紙とは容易に剥離するような素材となっており、ラベルは例えばラベル自動貼り機によって、剥離紙から1枚ずつ剥がされて商品に取り付けられるものである。ラベルが剥離された後の剥離紙と芯管とは、使用後にゴミとして焼却される。
ラベルを貼付するための剥離紙を用いないようにすれば、コストを削減できるだけでなく、剥離紙の焼却による二酸化炭素の発生も無くなる。このため、従来から剥離紙を使用しない巻き取り仕上げの感熱ラベルが提供されている(特許文献1)。特許文献1の剥離紙を使用しない巻き取り仕上げの感熱ラベルは、図5や図6に示すように、ラベル基材10の上面(一方の面)に情報を示した印刷部3が備えられ、その印刷部3の上にオーバーコート剤12が塗布され、ラベル基材1の背面(他方の面)には接着剤(例えば、ディレードタック剤)9が塗布されている。ラベル基材1は長尺の帯状の一連のものであり、そのラベル基材1に適宜間隔でミシン目8を設けて、そのミシン目8によって多数の感熱ラベル11a、11b、11c、11d、11e、11f、11g、……を区画形成するものである。上面にオーバーコート剤12を塗布し、背面に接着剤9を塗布したラベル基材10は、芯管7にロール状に巻き取ってロール体13とされている。上面のオーバーコート剤12と背面の接着剤9とを重ね合わせても、オーバーコート剤12と接着剤9とが接着しないようにそれぞれの素材が設定されている。ロール体13は、加熱装置を備えたラベル自動貼り機に取り付けられ、そのロール体13の先端が引き出されて、ミシン目8に沿って単一の感熱ラベルに切り離されるか、ミシン目を設けてないものはラベル自動貼り機のカット刃で断裁され、切り離された単一の感熱ラベル11a、11b、11c、11d、11e、11f、11g、……は、順に商品等の被着体に貼り付けられる。
特許文献1の剥離紙を使用しない巻き取り感熱ラベルによれば、長尺の帯状の感熱ラベル主体から、ミシン目8で切り離すか断裁刃で切断するかして、単一の感熱ラベルに設定される。このため、単一の感熱ラベルの外形形状が四角形に限定され、被着体におけるラベルの接着箇所もこの四角形の外形形状に限定される。
剥離紙を使用しない巻き取りラベルにおいて、単一のラベルの外形形状が四角形に限定されることなく、ラベルの形状を円形や楕円形やその他の形状とすることができる剥離紙を使用しないラベルが提供されている(特許文献2)。特許文献2は、ラベル基材の表面(一方の面)に剥離層を有すると共に裏面(他方の面)に粘着剤層を有する単一のノーセパレータラベルを、順次帯状に連結してロール状に巻き付けるものである。具体的には、単一のノーセパレータラベルの表面の一端と他の単一のノーセパレータラベルの裏面の一端とを付着し、さらにこの付着した単一のノーセパレータラベルの他端と他の単一のノーセパレータラベルの一端とを付着することを順次行う。これによって、単一のノーセパレータラベルを帯状に連結することができ、その帯状のものをロール状に巻き付けるものである。単一のノーセパレータラベルを順次連結するようにしたので、ミシン目等で長尺帯状のものを切断する必要が無くなる。よって、単一のラベルの形状を四角形に限らずに、円形や楕円形等、自由な形状にすることができる。
ラベル基材の上面に剥離層を有すると共に裏面に粘着剤層を有する特許文献2のラベルでは、粘着剤層は限られた接着力しかないので、一度接着した後に剥離しようとすると粘着力が弱くなり、その後再接着させようとしても、再接着ができなくなるものである。また、特許文献2のラベルでは、ラベルの大きさや被着体に応じて、その都度粘着剤の種類を変えなければならず、コストと手間がかかるという不具合があった。更に、特許文献2では、単一のラベルを多数連結して長尺帯状体にして、その長尺帯状体をコイル状に巻き取ってロール体を形成し、ラベル貼り作業を行う場合には、ラベル自動貼り機にロール体を取付け、ラベル自動貼り機によってロール体から長尺帯状体を引き出し、長尺帯状体から単一ラベルを一枚ずつ切り離して、単一ラベルを一枚ずつ被着体に貼る。この特許文献2では、ロール体のコイル状に巻かれた一方の面が粘着性を有する粘着剤層であるので、粘着剤がロール体にくっつき、帯状体がロール体から離れにくくなるおそれがある。このため、ロール体から長尺帯状物を引き出す際に、ロール体から長尺帯状物を引き出す箇所や、引き出された長尺帯状物の途中(切り離す必要のない途中)において、ラベルが切り離されてしまって、ラベル自動貼り機で連続で貼付けする作業ができなくなるおそれがあった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、複数回の接着及び剥離を可能とし、任意の形状に形成することを可能とした剥離紙を備えない単一の感熱ラベルを連結して長尺帯状体を巻き付けて成るものであって、ラベル貼り作業の途中で切り離されることの無い感熱ラベルを用いたロール体を提供することを目的とするものである。
本願発明に係る感熱ラベルを用いたロール体は、剥離紙を備えないものであって、単一のラベル基部において印刷部を形成した面にその印刷部を保護するためのUVニスか油性ニスか水性ニスかのいずれかのオーバーコート剤を塗布すると共に前記単一のラベル基部における印刷部を形成した面の反対側の面に所定の温度以上で粘着性が何回も活性化するオレフィン系接着剤を塗布した一対の単一の感熱ラベルを、前記印刷部の印刷を同じ向きにして、一方の感熱ラベルの前記オーバーコート剤を塗布した面の一部と他方の感熱ラベルの前記オレフィン系接着剤を塗布した面の一部とを接合させて接合部とし、前記接合部を加熱して前記オレフィン系接着剤を溶融した後に冷却して一対の単一の感熱ラベルの接合部を擬似接着し、同様に一対の単一の感熱ラベルの接合部を順に擬似接着によって連結して長尺の帯状物を形成し、その長尺の帯状物をロール状に巻き取ったことを特徴とするものである。本発明は、前記各感熱ラベルにおける感熱ラベル同士の前記接合部の長尺の帯状方向の長さを、前記感熱ラベルにおける長尺の帯状体の長手方向の長さの三分の一以上の長さとすることを特徴とするものである。本発明は、前記オレフィン系接着剤が、α−オレフィン系接着剤や変性オレフィン系接着剤を含むことを特徴とするものである。
本発明の感熱ラベルを用いたロール体に使用される感熱ラベルは、ラベル基材における印刷部を形成した側の面(一方側の面)にUVニスか油性ニスか水性ニスかのいずれかのオーバーコート剤を塗布し、ラベル基材の他方側の面にオレフィン系接着剤を塗布したものであり、剥離紙を使用しないものである。この結果、この感熱ラベルは、互いに接合する素材を、一方をUVニスか油性ニスか水性ニスかのいずれかのオーバーコート剤としたことで、他方をオレフィン系接着剤とすることによって、オーバーコート剤を損傷することなく、何度もの擬似接着と剥離とを容易に行わせることを可能とするものである。更に、この感熱ラベルは、単一の感熱ラベルを順に多数接着させて長尺の帯状体とするものであるので、単一の感熱ラベルの形状を被着体に要求される円形や楕円形や三角形や四角形等の任意の形状に形成できるものである。この感熱ラベルは、剥離紙を使用しないものであり、剥離紙を使用しないことによるコストダウンと、剥離紙の焼却による二酸化炭素の排出を無くすことができる。
本発明の感熱ラベルを用いたロール体では、オレフィン系接着剤を塗布した面が常温では粘着性が無いので、オレフィン系接着剤を塗布した面がロール体に付着することがなく、この結果、ロール体から長尺帯状物を容易に引き出すことができる。また、多数の単一の感熱ラベルの接合部同士を擬似接着しているので、長尺の帯状体をロールから引き出す際に長尺の帯状体に引き出し方向の力がかかっても、ロール体から長尺帯状物を引き出す箇所や、引き出された長尺帯状物の途中において、ラベルが切り離されてしまうことがない。よって、ラベル自動貼り機によって、連続して確実にラベルを貼付する作業を行うことができる。更に、各感熱ラベルにおける感熱ラベル同士の接合部の長尺の帯状方向の長さを、感熱ラベルにおける長尺の帯状体の長手方向の長さの三分の一以上の長さとすることで、接合された擬似接着部分に引っ張り強度が増し、ラベル自動貼り機でロールを引っ張ってロール体から長尺帯状物を容易に引き出す際に、長尺帯状物の途中でラベルが切り離されてしまうおそれを無くすことができる。その上、ロール体をラベル自動貼り機に装着して被着体にラベルを貼る場合、単一の感熱ラベルを長尺帯状物から容易に剥離できるので、単位時間当たり大量の数のラベル貼りが可能となる。
1 ラベル基材
1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g 単一の感熱ラベル
2 単一の感熱ラベル同士の接着部
3 印刷部
4 オーバーコート剤
5 オレフィン系接着剤
6 ロール体
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6 ロール体
本発明を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る単一の感熱ラベルを連結して帯状としたものを巻き付けてロール体を形成した状態の一実施形態を示す斜視図である。図2は、一対の単一の感熱ラベルの一部同士を接着する状態を示す断面図である。図1によれば、単一の感熱ラベル1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、……を順にずらして、隣り合う単一の感熱ラベルの一部同士を重ね合わせて、その重ね合わせた箇所(接合部2)を擬似接着するものである。なお、接合部2は、一方の感熱ラベルのラベル基部1の上面(一方の面)と、他方の感熱ラベルのラベル基部1の背面(他方の面)とを重ね合わせる。全ての単一の感熱ラベルの上面(被着体に接着した際に外面となる箇所)に情報を印刷した印刷部3を形成する。
多数の感熱ラベル1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、……の印刷部3を同じ向きにして長さ方向に順にずらして、隣り合う感熱ラベルの一部を互いに重ね合わせ、その重ね合わせた接合部2を擬似接着する(擬似接着の詳細については後述する)。即ち、感熱ラベル1aと感熱ラベル1b、感熱ラベル1bと感熱ラベル1c、感熱ラベル1cと感熱ラベル1d、……との一部同士を順次重ね合わせて接合し(接合部2形成し)、その接合部2を順次擬似接着する。このように、多数の感熱ラベルの接合部2を順に疑似接着することで、長尺の帯状物が形成される。その長尺の帯状物を芯管7に巻き付けることでロール体6が形成される。なお、図1では、多数の感熱ラベルによって形成される長尺の帯状物の一端は芯管7に巻き付けた状態が示されているが、芯管7は備えないものであっても良い。各感熱ラベルにおける感熱ラベル同士の接合部2の長尺の帯状方向の長さを、感熱ラベルにおける長尺の帯状体の長手方向の長さの三分の一以上の長さとする。その長さが感熱ラベルにおける長尺の帯状方向の長さの三分の二以上であっても良い。接合部2の長尺の帯状方向の長さを三分の一以上としたのは、ラベル自動貼り機でロールを引っ張ってロール体から長尺帯状物を容易に引き出す際に、長尺帯状物の途中でラベルが切り離されるおそれを無くすためである。
単一の感熱ラベル1a、1b、1c、……は、ラベル基部1の上面に各種情報を印刷した印刷部3を形成し、その印刷部3の上から印刷部3の表面を保護すると共に光沢を出すためのオーバーコート剤4を塗布する。本発明で使用するオーバーコート剤4は、UVニス(紫外線硬化ニス)、油性ニス、水生ニスのいずれかのオーバーコートニスを用いる。なお、UVニスとしては、例えば「T&K TOKA製の商品(MC−315 OPニス)や商品(FX−2 OPマットニス)」を使用した。前述のUVニスでOPとはオーバープリントを意味する。UVニスとしては、その他に、「DIC製の商品(ダイキュアクリヤーUV−1245)」を使用した。水性ニスは、例えば「東洋インキ製の商品(アクワコート5900ワニス)」等を使用した。
ラベル基部1の背面に、感熱反応で粘着性が何度も活性化するオレフィン系接着剤5(ポリオレフィン系接着剤も含む)5を塗布する。オレフィン系接着剤5は、オレフィン系化合物を主成分とした接着剤である。オレフィン系とは、(1)オレフィン系化合物のみを重合させたポリオレフィン類や、(2)オレフィン系化合物を主成分とし、これと共重合可能なモノマーとの共重合体や、(3)前記(1)のポリオレフィン類や前記(2)の共重合体を変性した樹脂等を含むものである。オレフィン系接着剤5は、例えば、α−オレフィン系接着剤や変性α−オレフィン系接着剤(オレフィン系樹脂を変性したものから成る接着剤)を含む。感熱反応で粘着性が何度も活性化するとは、常温以下では固体であり、所定の温度以上に加熱される度に液状化して、粘着性が何度も生じることをいう。本発明に用いるオレフィン系接着剤5は、高温になると溶融するホットメルト接着剤である。オレフィン系接着剤は、例えば「積水フェラー製の商品(JM−6720−C)」や「モレスコ製の商品(AC−856)を使用した。
本発明では、感熱ラベル1a、1b、1c、……におけるUVニスか油性ニスか水性ニスかのいずれかのオーバーコート剤の塗布箇所の一部と、オレフィン系接着剤の塗布箇所の一部とを接合させて、その接合部2を擬似接着させるものである。隣り合う感熱ラベルを擬似接着させる場合には、例えば一方の感熱ラベルの背面のオレフィン系接着剤5と、他方の感熱ラベルの上面のオーバーコート剤4とを、図2に示すように互いにずらして重ね合わせて接合させ(接合部2)、その接合状態を保った状態で、オレフィン系接着剤5が溶融する温度まで接合部2を加熱し、その後、常温またはそれ以下の温度まで冷却する。これによって、一方の感熱ラベル1aの背面のオレフィン系接着剤5と、他方の感熱ラベル1bの上面のオーバーコート剤4との接合部2が疑似接着する。その後、オーバーコート剤4とオレフィン系接着剤5とが擬似接着された接合部2にオレフィン系接着剤5が溶融する温度まで加熱することで接合部2の疑似接着が外れ、擬似接着していた一対の感熱ラベルが容易に離れる状態となる。ここで、擬似接着とは、一時的な接着であり、所定の条件を加える(ここでは、接合部2にオレフィン系接着剤5が溶融する以上の温度を再度加える)と、オレフィン系接着剤5が溶融して、接着していた感熱ラベル1a感熱ラベル1bとが剥離することを言うものである。図2では、一方の感熱ラベル1aの背面のオレフィン系接着剤5と、他方の感熱ラベル1bの上面のオーバーコート剤4とを疑似接着させるものを示したが、一方の感熱ラベル1aの上面のオーバーコート剤4と、他方の感熱ラベル1bの背面のオレフィン系接着剤5とを疑似接着させるようにしても良い。
擬似接着が可能な素材の組み合わせは、UVニスか油性ニスか水性ニスかのいずれかのオーバーコート剤4と、オレフィン系接着剤5である。この組み合わせでは、オレフィン系接着剤とオーバーコート剤4との間に何度も擬似接着と剥離とが可能となり、しかも、何度もの擬似接着や剥離によってオーバーコート剤4の表面に損傷が発生したり、オーバーコート剤4の表面にオレフィン系接着剤5が付着したりするような不具合がない。
多数の感熱ラベル1a、1b、1c、……を擬似接着で順次連結することにより、多数の感熱ラベルによって長尺の帯状物を形成することができ、その長尺の帯状物によってロール体6を形成することができる。本発明の単一の感熱ラベルを多数付着させて長尺の帯状物とするには、多数の単一の感熱ラベルを、印刷部の印刷を同じ向きにして順にずらして、一方の感熱ラベルのオーバーコート剤を塗布した面の一部と他方の感熱ラベルのオレフィン系接着剤を塗布した面の一部とを順に接合させて接合部2を作る。その後、オレフィン系接着剤を溶融する温度まで加熱して一対の単一の感熱ラベルの接合部2を擬似接着し、その後、冷却することで、多数の感熱ラベルを連結して長尺の帯状物を形成することができる。多数の感熱ラベルから成る長尺の帯状物を例えば芯管7に巻き付けてロール体6を形成する。このロール体6をラベル自動貼り機に装着し、ラベル自動貼り機に備えた加熱手段によって擬似接着した接合部2を所定以上の温度に加熱することによってオレフィン系接着剤5が溶融する。擬似接着であるので、オレフィン系接着剤5が溶融した場合には、擬似接着が容易に外れ、長尺の帯状物から感熱ラベルを1個ずつ剥離して容易に取り出すことができる。
本発明の感熱ラベルを用いてコイル状に巻き付けたロール体6では、オレフィン系接着剤5を塗布した面が常温では粘着性が無く、オレフィン系接着剤5を塗布した面がロール体6に付着することがないので、ロール体から長尺帯状物を引き出す際に、容易に引き出すことができる。また、感熱ラベル同士を擬似接着によって連結しているので、ロール体から引き出された長尺帯状物が途中で切り離されることは無い。更に、ラベル自動貼り機を用いて感熱ラベルを被着体に貼付ける場合に、従来の粘着剤層を有するラベルでは、ラベルの大きさや被着体の用途に応じて、被着体に要求される粘着強度の粘着剤の種類を、その都度使い分ける必要がある。これに対して本発明では、ラベル自動貼り機による温度調整で粘着強度の調整が可能となる(低温では粘着強度が弱く、高温では粘着強度が強くなる)。また、本発明では、二回目以降の感熱でも粘着性が活性化し、何回もの擬似接着と再剥離が可能である。
本発明の感熱ラベルでは、接合部2を加熱することで、オレフィン系接着剤5に粘着性を生じさせ、その後、常温以下に温度を低下させた状態となることで、単一の感熱ラベル同士の接合部2を擬似接着させる。その後、擬似接着した接合部2を再度加熱することによってオレフィン系接着剤5が溶融して粘着性が生じると共に、擬似接着が剥離可能な状態となり、単一の感熱ラベルが容易に剥離されてオレフィン系接着剤5の粘着性によって被着体に取り付けられる。被着体に感熱ラベルを貼り付ける際に、ラベルの大きさや被着体に応じて感熱ラベルへの加熱温度を調整することにより、感熱ラベルの被着体へ貼り付ける粘着強度を調整することができる。
本発明の感熱ラベルは、少なくとも2回の接着を行うものであり、場合によっては2回の剥離を行うため、オレフィン系接着剤5は、所定の温度以上の加熱での粘着性が何回も発生する(活性化する)ものでなければならない。1回目は、互いに隣り合う感熱ラベル同士を擬似接着させてロール6を作る。2回目は、オーバーコート剤4とオレフィン系接着剤5に適正な加熱温度を加え、オレフィン系接着剤5をオーバーコート剤4から剥離し、感熱ラベルに粘着性が生じた状態で、被着体に感熱ラベルを貼付するものである。3回目は、被着体に貼り付けた感熱ラベルに所定の温度を加えることによって、被着体からの感熱ラベルの剥離を行なうこともある。
本発明では、単一の感熱ラベルを全て打ち抜きで形成して、剥離紙を使用しないものである。本発明の感熱ラベルは剥離紙を使用しないものであることから、本来の目的である省資源に寄与するである。また、感熱ラベルを被着体に貼付するためのラベル自動貼り機には、断裁刃を用いる必要が無く安全である。
本発明の感熱ラベルを多数連結して帯状にして、それを巻き付けたロール体6は、加熱手段を装着したラベル自動貼り機(図示せず)に装着し、ラベル自動貼り機においてロール体6から引き出した長尺の帯状のものの先端を加熱手段で加熱し、その先端の1個の単一の感熱ラベルを剥離して被着体に貼付する。ラベル自動貼り機に装着した加熱手段で低温から高温までの温度調整を行うことで、接着力の強弱がコントロールできるため、被着体の素材や用途に応じ、また感熱ラベルの大きさにより、感熱ラベルを被着体に完全に接着させたり、再剥離を容易に行ったりすることができる。このため、感熱ラベルは、瓶やPET容器などのリサイクルを要するゴミの分別に寄与することができる。
図1の実施形態の感熱ラベルの形状は円形であるが、本発明の感熱ラベルは、図3に示す三角形や、図4に示す四角形や、その他の形状(楕円形状)にも適用することができる。
Claims (3)
- 剥離紙を備えないものであって、単一のラベル基部において印刷部を形成した面にその印刷部を保護するためのUVニスか油性ニスか水性ニスかのいずれかのオーバーコート剤を塗布すると共に前記単一のラベル基部における印刷部を形成した面の反対側の面に所定の温度以上で粘着性が何回も活性化するオレフィン系接着剤を塗布した一対の単一の感熱ラベルを、前記印刷部の印刷を同じ向きにして、一方の感熱ラベルの前記オーバーコート剤を塗布した面の一部と他方の感熱ラベルの前記オレフィン系接着剤を塗布した面の一部とを接合させて接合部とし、前記接合部を加熱して前記オレフィン系接着剤を溶融した後に冷却して一対の単一の感熱ラベルの接合部を擬似接着し、同様に一対の単一の感熱ラベルの接合部を順に擬似接着によって連結して長尺の帯状物を形成し、その長尺の帯状物をロール状に巻き取ったことを特徴とする感熱ラベルを用いたロール体。
- 前記各感熱ラベルにおける感熱ラベル同士の前記接合部の長尺の帯状方向の長さを、前記感熱ラベルにおける長尺の帯状体の長手方向の長さの三分の一以上の長さとすることを特徴とする請求項1記載の感熱ラベルを用いたロール体。
- 前記オレフィン系接着剤が、α−オレフィン系接着剤や変性オレフィン系接着剤を含むことを特徴とする請求項1または2記載の感熱ラベルを用いたロール体。
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