JP3020486B1 - 荷物用貼着封筒及びその製造方法 - Google Patents

荷物用貼着封筒及びその製造方法

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JP3020486B1
JP3020486B1 JP10344391A JP34439198A JP3020486B1 JP 3020486 B1 JP3020486 B1 JP 3020486B1 JP 10344391 A JP10344391 A JP 10344391A JP 34439198 A JP34439198 A JP 34439198A JP 3020486 B1 JP3020486 B1 JP 3020486B1
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一紀 山形
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Abstract

【要約】 【課題】本発明は、運送荷物の外側に取り付けたとき
に、剥がれる恐れがなく、確実に受け取り人に届き、託
送書類等を収納した袋体を梱包体における段ボール箱等
の被着体表面に貼着する作業が極めて簡単である一方、
解梱後は、袋体を引き剥がすことが容易であり、しか
も、袋体を損傷することなくそのまま保管できる封筒と
して使用可能な荷物用貼着封筒とその製造方法を提供す
るものである。 【解決手段】両側縁が溶断溶着により固定された熱可塑
性樹脂フイルム製封筒袋体の裏面と、裏面に離型シート
を貼着した感圧接着剤層を有する熱可塑性樹脂製貼着用
シートの表面とを積層した構造において、該封筒袋体裏
面の両側縁の内側に沿って設けられた感熱接着剤層又は
感圧接着剤層によって、該封筒袋体が該貼着用シートの
表面に貼着されていて、かつ、該感熱接着剤層又は該感
圧接着剤層を介在させた溶断溶着によって該封筒袋体の
側縁の裏面が該貼着用シート側縁の表面に固定されてい
ることを特徴とする荷物用貼着封筒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷物用貼着封筒及
びその製造方法に関する。荷物用貼着封筒とは、例え
ば、宅配便等で運送される荷物の上に貼着する封筒であ
り、本発明の封筒の中に、荷札、送り状、伝票、保証書
等の文書又はフロッピー等を収納して、運送荷物受け取
り人に対する情報又は送り主への受け取り通知等の託送
封筒及び収納されている文書の保管用封筒として使用す
ることができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、段ボール箱に収納された電気
製品等の梱包体には、実用新案登録第2584825号
公報に示されるように保証書や取扱説明書等の保管書類
等を収納した荷物用貼着封筒を段ボールの蓋の内面に挿
入したり、蓋の裏面に取り付けたりしていた。このよう
なダンボールの梱包体の荷物の場合であって、ダンボー
ルの蓋の内部に収納される荷物用貼着封筒の態様におい
ては、封筒の取り付けは非常に弱い固着力で十分であっ
た。本発明は、荷物の外側表面に取り付ける荷物用貼着
封筒であるため、弱い固着力で封筒を取り付けた場合に
は、荷物用貼着封筒は運送の途中で剥がれて消失する恐
れが生じる。公知の態様の場合のように簡単な固定で
は、袋体が脱落して紛失する恐れがあるため、一般的に
強力な接着力を有する接着テープで封筒の上から固定す
る方法が行われている。この方法では封筒を固定する作
業が手間がかかる上、一旦、貼着した封筒を、製品を購
入したユーザが解梱時に段ボール箱等から引き剥がす際
に、段ボール等の包装材料の薄皮が接着テープに追従し
て剥がれ、また、封筒に接着テープが付着して、これを
剥がすことは容易でなく、剥がすときに封筒の文字等が
損傷してそのまま保管用封筒とするのが不都合であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、運送荷物の
外側に取り付けたときに、剥がれる恐れがなく、確実に
受け取り人に届き、託送書類等を収納した袋体を梱包体
における段ボール箱等の被着体表面に貼着する作業が極
めて簡単である一方、解梱後は、袋体を引き剥がすこと
が容易であり、しかも、袋体を損傷することなくそのま
ま保管できる封筒として使用可能な荷物用貼着封筒とそ
の製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、直接荷物の
表面に貼着される貼着用シートを書類収納用封筒の裏面
に取り付けて、封筒の取り付け作業を円滑にするととも
に、取り外すときは、貼着用シートと封筒の裏面との間
を剥がすことによって、前記ダンボールの表面から紙等
が封筒の裏面に付着する欠点を回避する構造に着想し、
この着想を発展させて本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明は、次の各項よりなる。 (1)両側縁が溶断溶着により固定された熱可塑性樹脂
フイルム製封筒袋体の裏面と、裏面に離型シートを貼着
した感圧接着剤層を有する熱可塑性樹脂製貼着用シート
の表面とを積層した構造において、該封筒袋体裏面の両
側縁の内側に沿って設けられた感熱接着剤層又は感圧接
着剤層によって、該封筒袋体が該貼着用シートの表面に
貼着されていて、かつ、該感熱接着剤層又は該感圧接着
剤層を介在させた溶断溶着によって該封筒袋体の側縁の
裏面が該貼着用シート側縁の表面に固定されていること
を特徴とする荷物用貼着封筒。 (2)貼着用シートの厚さが少なくとも封筒袋体フイル
ムの厚さである項1記載の荷物用貼着封筒。 (3)貼着用シートの材質樹脂と封筒袋体フイルムの材
質樹脂の種類が相違する項1又は2記載の荷物用貼着封
筒。 (4)両側縁が溶断溶着により固定された熱可塑性樹脂
フイルム製封筒袋体の裏面と、裏面に離型シートを貼着
した感圧接着剤層を有する熱可塑性樹脂製貼着用シート
の表面とを積層した構造において、該封筒袋体裏面の両
側縁の内側に沿って平行に設けられた感熱接着剤層又は
感圧接着剤層によって、該封筒袋体が該貼着用シートの
表面に貼着されていて、かつ、剥離剤層を介在させた溶
断溶着によって該封筒袋体の側縁の裏面が該貼着用シー
ト側縁の表面に固定されていることを特徴とする荷物用
貼着封筒。 (5)貼着用シートの厚さが少なくとも封筒袋体フイル
ムの厚さである項4記載の荷物用貼着封筒。 (6)貼着用シートの材質樹脂と封筒袋体フイルムの材
質樹脂の種類が相違する項4又は5記載の荷物用貼着封
筒。 (7)(A)裏面に離型シートにより被覆された接着剤
層を設けた熱可塑性樹脂製のフイルムシートから成る連
続帯状の貼着用シート素材を帯長手方向に移送する工
程、(B)半折重合された表裏フイルム部を有する熱可
塑性樹脂製フイルムから成る連続帯状の袋素材を帯長手
方向に移送する工程、(C)該貼着用シート素材又は該
袋素材のいずれか一方に封筒幅毎の間隔で感熱接着剤若
しくは感圧接着剤を塗布する工程、(D)前記貼着用シ
ート素材の表面に袋素材の裏フイルム部を熱圧着若しく
は押圧接着せしめることにより積層帯状体を連続的に形
成する工程及び(E)該積層帯状体の帯長手方向に直交
する分断線に沿って、封筒幅毎に該積層帯状体を溶断溶
着する工程とから成ることを特徴とする荷物用貼着封筒
の製造方法。 (8)(A)裏面に離型シートにより被覆された接着剤
層を設けた熱可塑性樹脂製のフイルムシートから成る連
続帯状の貼着用シート素材を帯長手方向に移送する工程
と、(B)半折重合された表裏フイルム部を有する熱可
塑性樹脂製フイルムから成る連続帯状の袋素材を帯長手
方向に移送する工程と、(F)該貼着用シート素材又は
該袋素材のいずれか一方に封筒幅毎の間隔で剥離剤を塗
布する工程、(G)該貼着用シート素材又は該袋素材の
いずれか一方の該剥離剤層の両側に沿って感熱接着剤若
しくは感圧接着剤を塗布する工程と、(H)前記貼着用
シート素材の表面に袋素材の裏フイルム部を熱圧着若し
くは押圧により接着せしめることにより積層帯状体を連
続的に形成する工程と、(E)該積層帯状体の帯長手方
向に直交する分断線に沿って、封筒幅毎に該積層帯状体
を溶断溶着する工程とから成ることを特徴とする荷物用
貼着封筒の製造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明荷物用貼着封筒に使用され
るフイルム又はシートは、熱溶着又は溶断溶着を施工す
るために、熱可塑性樹脂を材質とする。本発明封筒の素
材となる熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリ
エチレン等のポリオレフィン、塩化ビニル樹脂、ポリエ
ステル、ナイロン等及びこれらの2種以上をラミネート
した積層フイルムを特に制限なく使用することができ
る。加工性及び透明性からポリオレフィン、特にポリプ
ロピレンが適している。本発明に用いる貼着用シート
は、裏面に離型シートを貼着した感圧接着剤層を有する
ものである。本発明に用いる貼着用シートは、厚さ20
〜300μm、特に50〜100μmの樹脂フイルムが
望ましく、封筒袋体の裏面に取り付けられていて、封筒
を取り付けるときは、裏面の離型シートを剥がして感圧
接着剤層で荷物表面に貼着し、封筒を取り外すときは、
貼着用シートと封筒袋体の裏面の間を分離して剥がすよ
うに機能する。そのため、貼着用シートは、封筒袋体フ
イルムよりは腰のあるものが望ましく、少なくとも封筒
袋体フイルムの厚さ以上、好ましくは1.5倍以上、特
に好ましくは2倍以上の厚さのものが望ましい。
【0006】本発明に用いる封筒袋体素材及び貼着用シ
ート素材は、感熱若しくは感圧接着剤層、剥離剤層及び
印刷インキが容易に付着するように、コロナ放電表面処
理したものが望ましい。コロナ放電処理によって、接着
剤層による貼着用シートと封筒袋体の裏面との固着力が
大きく増加する。このことは封筒側縁の溶着阻害物質を
介在させた溶断溶着による固定を弱くしても封筒袋体裏
面と貼着用シート表面の固定力を強化することになり、
望ましい。本発明の運送中の封筒袋体の脱落を防止する
主たる構成は、接着剤層による固定である。溶断による
固定は荷物用貼着封筒の連続的製造の必要性から発生す
る副次的効果である。本発明荷物用貼着封筒は封筒袋体
と貼着用シートの接着剤層の強力な固着によって運送中
は脱落しないが、封筒袋体を剥がすときは、図6に示す
ように、荷物用貼着封筒の中央では封筒袋体と貼着用シ
ートの間に遊離空間があるために、この空間に指を入れ
て、強力な接着剤層による固着を容易に引き剥がすこと
ができる点に本発明荷物用貼着封筒の作用機構の特徴が
ある。これによって、本発明荷物用貼着封筒を取り付け
るときは、粘着テープ等で上から押さえるような操作が
不要で、単に離型シートを剥がすだけで簡単に荷物の所
望の位置に貼着でき、また、封筒を取り外すときは、表
面が円滑な貼着用シートから封筒袋体の裏面を簡単な指
の操作で引き離すだけであり、引き剥がしの際に荷物の
表面から剥離した異物が封筒の裏面又は表面に付着する
欠点はない。
【0007】封筒袋体は、20〜100μm、好ましく
は30〜60μmの薄手の樹脂フイルムを使用すること
ができる。そして、封筒袋体の両側縁は何も溶着阻害物
質が存在しない溶断溶着によって、しっかりと溶着して
いる。本発明荷物用貼着封筒の封筒袋体の底は、封筒表
フイルムと裏フイルムが連続しているものが製造上から
は便利であるが、2枚のフイルムを底部で溶着させた封
筒袋体も使用することができる。本発明荷物用貼着封筒
では、封筒袋体の裏面と貼着用シートの表面は、感熱接
着剤又は感圧接着剤で貼着されている。この接着剤によ
る固定によって、本発明荷物用貼着封筒は運送中に封筒
袋体が荷物から外れないように固定される。そのため、
接着剤層は、荷物用貼着封筒の封筒袋体の裏面の両側縁
に沿って設けられている。感圧接着剤層を採用した場合
は、単に封筒袋体を貼着用シートに押圧することによっ
て接着させることができる。そして、封筒袋体を剥がし
たときに、感圧接着剤層が封筒袋体の裏面に付着しない
ように、感圧接着剤層は最初に貼着用シートに設けて、
これを封筒袋体の裏面に付着させるのが望ましい。感圧
接着剤層は最初貼着した側のフイルムに残存する基本的
性質がある。さらに、この作用を完全にするために、封
筒袋体の裏面に感圧接着剤層が転移しないように非転移
性感圧接着剤を使用することができる。このように封筒
袋体の裏面に感圧接着剤が残らないようにすることによ
って、取り外した荷物用貼着封筒に文書を入れたまま
で、保存することができるので便利である。感熱接着剤
を使用した場合は、封筒袋体に接着剤層が残存しても接
着剤層の剥離表面に粘着性がないので、感圧接着剤層の
場合のように封筒袋体の裏面が粘着性になる不都合は起
こらないので、最初の感熱接着剤の塗布面をどちら側に
してもよい。
【0008】本発明荷物用貼着封筒においては、連続製
造の必要性から封筒袋体の両側縁の溶断溶着とともに、
同時に貼着用シートも溶断によって、封筒袋体の幅毎に
溶断分離する必要がある。この溶断工程において、封筒
袋体の裏面と同質の樹脂製の貼着用シート表面の間にな
にも物質が存在しないときは、封筒袋体の裏面が貼着用
シートの表面に完全に溶着する。このような溶着が起こ
ると、荷物用貼着封筒の封筒袋体を貼着用シートから剥
がすことが不可能になる。本発明荷物用貼着封筒では、
封筒袋体の側縁を溶断溶着する工程において、封筒袋体
の裏面と貼着用シートの表面の間に溶断溶着の溶着を阻
害する物質を介在させて、指で簡単に剥がせる程度の弱
い溶着を形成しているのが特徴である。本発明の溶着阻
害物質を使用する、最も簡単な方法は、上記の封筒袋体
の裏面と貼着用シートの表面を接着している感熱接着剤
又は感圧接着剤をそのまま転用する方法である。この場
合は、封筒袋体の幅毎に設けた接着剤層で封筒袋体素材
フイルムと貼着用シート素材フイルムを接着した後、封
筒袋体の側縁の溶断とともに貼着用シートの側縁を袋体
幅毎に設けた接着剤層の上から溶断することによって、
封筒袋体と貼着用シートの間の溶着力の低い溶断を施工
することができる。さらに、上記接着剤層の介在におけ
る溶断では、溶着力の阻害効果が不十分な場合は、封筒
袋体の幅毎に封筒袋体の裏面又は貼着用シートの表面の
間に、剥離剤が介在した状態で溶断することによって、
剥離剤の強い溶着低下力の作用で、さらに弱い溶着を封
筒袋体両側縁の裏面と貼着用シートの両側縁の表面の間
に形成することができる。
【0009】ここに用いる剥離剤としては、シリコーン
系剥離剤等の市販の剥離剤として使用されているもの以
外に油性インキ又はインキから顔料を除去したインキ組
成物などの印刷方法で塗布できるものが工程操作上から
好ましい。剥離剤を溶着阻害物質として採用する場合
は、連続製造工程においては接着剤層は封筒袋体側縁の
溶断箇所に設けた剥離剤層の両側(荷物用貼着封筒製品
においては左右剥離剤層の内側に相当する)に設ける必
要がある。そして、剥離剤層の幅は2〜20mm、好まし
くは3〜10mmにすることができる。この幅の剥離剤層
の中央から溶断されるので、製品として分離された荷物
用貼着封筒の側縁には、この幅の半分の剥離剤層が存在
する。剥離剤層の幅が20mmを越えると接着剤層による
封筒袋体と貼着用シートの側縁における固定強度が弱く
なり、運送中脱落する恐れが生じる。また、2mm未満で
は、工程上溶断箇所を剥離剤層の内部に正確に入れるの
が困難になる。また、別法として、封筒袋体フイルムと
貼着用シートの樹脂の材質を異なる種類にすることによ
って、封筒袋体と貼着用シートの間の溶着強度を低下さ
せることも可能である。この場合、好ましい樹脂の組み
合わせとしては、例えば、封筒袋体のフイルムの材質が
ポリプロピレンの場合、貼着用シートの材質を軟質塩化
ビニル樹脂又はポリエチレンにすることができる。
【0010】本発明荷物用貼着封筒は、これらの接着剤
層介在方法、剥離剤層介在手法及び異質樹脂の方法を適
宜採用して、封筒袋体の両側縁が貼着用シートの表面か
ら円滑に剥がれて、かつ、運送中に脱落することがない
強度にすることができる。本発明荷物用貼着封筒の製造
方法は、素材として、裏面に離型シートにより被覆され
た接着剤層を設けた熱可塑性樹脂製のフイルムシートか
ら成る連続帯状の貼着用シート素材及び半折重合された
表裏フイルム部を有する熱可塑性樹脂製フイルムから成
る連続帯状の袋素材を主たる素材として使用する。素材
シートの厚さ及び材質に関しては荷物用貼着封筒の説明
がそのまま適用される。本発明製造方法は、素材シート
を順次繰り出し、常法の連続製袋工程の単位操作を応用
して本発明荷物用貼着封筒を製造することができる。本
発明製造方法は、貼着用シートの裏面に、離型シート付
き感圧接着剤層を設ける。これは、例えば離型シートに
粘着剤を塗布した粘着シートを貼着用シートの裏面に張
り付けて形成することができる。この感圧接着剤層は、
貼着用シートの全面又は貼着用シートの周縁相当部分に
形成することができる。封筒袋体素材は、半折して2枚
重合したものを繰り出して、貼着用シート素材に連続的
に重ね合わせる。この重ね合わせ工程の前に、溶着阻害
物質及び接着剤層を貼着用シートの表面又は封筒袋体の
裏面に設ける必要がある。溶着阻害物質として剥離剤を
採用する場合は、例えば薄いシリコンを皮膜せしめた
り、剥離性の良い透明ニスを皮膜せしめるなどの方法、
薄い油膜を印刷する方法、また油膜の代わりに油性イン
キを印刷するなどの工程によって、封筒袋体の幅の周期
で溶断箇所に剥離剤層を設けておくことができる。
【0011】別の態様として、溶着阻害物質として、貼
着用シートと封筒袋体の接着剤として使用する感熱接着
剤若しくは感圧接着剤を兼用する場合は、封筒袋体の幅
の周期で溶断箇所に接着剤層を設けておくことができ
る。溶着阻害物質として剥離剤を使用した場合は、接着
剤層は当該剥離剤層の両側に設けてから封筒袋体と貼着
用シートを重合して、接着させて積層帯状体を得ること
ができる。重合工程では押圧によって、接着剤による接
着を達成する。感熱接着剤を使用した場合は、押圧の際
に加熱する。かくて得られた積層帯状体を帯長手方向に
直交する分断線に沿って、封筒幅毎に該積層帯状体を溶
断溶着して本発明荷物用貼着封筒を製造することができ
る。本発明に用いる感熱接着剤層としては、公知の感熱
接着剤は特に制限なく使用することができる。具体的に
は、エチレン酢酸ビニル共重合体(例えばポリプロピレ
ンフイルム用接着剤である東洋インキ株式会社製PPフ
ァインシール)、低分子量ポリエチレン、アタクチック
ポリプロピレン、エチレンアクリル酸エチル共重合体、
ポリアミド、ポリエステル等を使用することができる。
感熱接着剤の接着強度は、被接着樹脂に対する相溶性に
よって影響をうけるので、貼着用シート及び封筒袋体の
樹脂の種類によって、適宜選択する必要がある。さら
に、塗布厚さとともに接着強度が大きくなり、一方、感
熱接着剤層を溶着阻害物質として使用する場合は、厚さ
が溶着阻害効果を向上させるが、感圧接着剤よりも溶着
阻害効果は小さくなる。従って、感熱接着剤層の厚さが
薄いときは、封筒袋体と貼着用シートが溶着し易いため
に、封筒袋体と貼着用シートの樹脂の種類を異なるも
の、例えば封筒袋体をポリプロピレンにしたときは貼着
用シートをポリエチレン又はポリ塩化ビニルにするなど
の組み合わせが望ましい。
【0012】本発明に用いる感圧接着剤は、公知の感圧
接着剤、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリビニルエー
テル、ポリアクリルエステルなどの弾性ポリマーに粘着
物質を添加した接着剤等は、特に制限なく使用すること
ができる。特に粘着力の強いものが望ましく、2液架橋
型のアクリル系粘着剤、例えば東洋インキ株式会社製オ
リバインBPS5215などの強い剥離力を持ちなが
ら、再剥離可能で剥離面に粘着性があまり残存しないも
のが望ましい。これらの接着剤層又は剥離剤層は貼着用
シート表面又は封筒袋体裏面の少なくともいずれか一方
に塗布したのち重合する。工程の上からは貼着用シート
に塗布する方が便利である。特に、貼着用シートに感圧
接着剤層を設ける場合には、非転移性の感圧接着剤を採
用すると、封筒袋体を剥がしたときに、感圧接着剤が封
筒袋体の裏面に乗り移りすることが完全に回避できる利
点がある。
【0013】以下図面に基づいて本発明の好ましい実施
形態を詳述する。本発明の一態様の荷物用貼着封筒の封
筒袋体2は、図1及び図2に示す構造である。この封筒
袋体2は、熱可塑性樹脂製のフイルムを封筒袋体2の底
部4において半折することにより重合された表フイルム
部5及び裏フイルム6により構成されており、両側縁に
袋側縁7を溶断により形成して表フイルムと裏フイルム
の間に袋体内部8を区成し、上縁に収納室の開口部9を
有する。なお、本発明の封筒袋体2の態様としては、二
枚のフイルムにより表裏フイルム部5、6を構成し、底
部4において両フイルムを溶着すると共に、両側縁に袋
側縁7の溶断溶着を形成することにより構成することが
できる。開口部9には封口片10が設けられ、封口片1
0の先端には感圧接着剤が設けられ、これによって、封
筒袋体2を封口することができる。使用前の状態では、
封口片の感圧接着剤層11には常法通り離型シート12
がかぶせてある。
【0014】図3及び図4には、貼着用シート1が示さ
れている。貼着用シート1は裏面に、感圧接着剤層11
が塗布されていて、その上に離型シート12が積層され
ている。貼着用シート1の裏面の感圧接着剤層11は、
貼着用シート1の裏面全面に設けても良く、裏面の周縁
に部分的に設けても良い。貼着用シート1の表面の両側
縁には、剥離剤層13が設けられている。そして、その
左右の剥離剤層13の内側に沿って、接着剤層14が設
けられている。接着剤層14は感熱接着剤層又は感圧接
着剤層によって形成することができる。本発明荷物用貼
着封筒の別の態様として、剥離剤層を使用しない場合
は、剥離剤層の部分の面積を接着剤層にすることができ
る。接着剤層14は、貼着用シート1の縦方向の全長若
しくは半分以上に亙って設けることができる。接着剤層
14の幅は、3〜30mm、好ましくは、5〜10mmにす
ることができる。この幅が広すぎると図6の指を入れる
空間が狭くなり、剥離が不便になり、狭すぎると封筒袋
体が脱落し易くなる。
【0015】本発明荷物用貼着封筒は、図5の断面図に
示すように、貼着用シート1の表面上に、封筒袋体2の
裏面を重ねた状態に形成される。接着剤層14によっ
て、貼着用シート1と封筒袋体2が互いに側縁で固定さ
れている。封筒袋体の縦方向の中央部分は図6に示すよ
うに貼着用シートから遊離している。この遊離している
箇所に指を挿入すると容易に封筒袋体のみを取り外すこ
とができる。本発明においては、図6の空間における剥
離方法は一つの態様であり、その他の方法、例えば封口
片を持ち上げたり、剥離用のタグを取り付けるなどの他
の方法によって、剥離操作を容易にすることができる。
また、溶断溶着の際に、弱い溶着力による固定が、接着
剤層14による固定力に付加される。この溶着力は、溶
断溶着の際に介在する接着剤、剥離剤の種類の塗布厚さ
によって変化する。さらに、この溶着強度は封筒袋体2
と貼着用シート1の樹脂の種類又はブレンド比率を変更
することによっても適宜調節することができる。
【0016】上記実施形態に係る荷物用貼着封筒を使用
して、電気製品その他の製品の梱包時に、保証書や取扱
説明書等の保管書類を同梱するに際しては、予め多数枚
の荷物用貼着封筒のそれぞれに託送書類を収納する。即
ち、封筒袋体2の開口部9から封筒袋体2に書類を装填
した後、離型テープを剥離すると共に、封口片10を折
曲して表フイルム部5の対応位置に接着せしめれば、託
送書類が封筒袋体2に封緘される。封筒袋体2に託送書
類を収納せしめた荷物用貼着封筒を段ボール箱等の被着
体に対して貼着するに際しては、貼着用シート1の裏面
から剥離シートを剥離することにより露出した接着剤層
を被着体に接着ないし貼着せしめれば良い。従って、貼
着作業は、剥離シートの剥離作業と、接着剤層による接
着作業だけで足り、極めて迅速かつ能率的に行うことが
できる。そして、この状態において、託送書類を収納し
た封筒袋体2は、被着体に貼着された貼着用シート1に
対し、両側縁部のシート接着剤層及び溶着部により固定
されているので脱落することはない。製品を購入したユ
ーザが解梱時に保管書類を手にするに際しては、封筒袋
体2を引張れば、前記溶着部及び接着剤層が引き剥がさ
れ、託送書類を収納した封筒袋体2が貼着用シート1か
ら分離する。図6に示すように封筒袋体2と貼着用シー
ト1は、両側縁部で固定しているが、中央部分は遊離空
間3を形成しているので、指先を封筒袋体2の裏面と貼
着用シート1の表面の間の遊離空間3に挿入することが
可能であり、封筒袋体2を被着体15から容易に引き剥
がすことができる。貼着用シート1から剥離した封筒袋
体2は、託送書類を収納した状態で保管ないし保存のた
めにそのまま使用できる。
【0017】上記実施形態に係る荷物用貼着封筒の貼着
用シート1を形成するための連続帯状の貼着用シート素
材は、巻回されたロールから繰出され、帯長手方向に移
送される。貼着用シート素材の裏面に粘着剤層を有する
離型シートを連続的に貼着する。貼着用シートの表面に
は、封筒袋体の幅間隔毎に接着剤層、又は剥離剤層を中
心にして、感熱又は感圧接着剤層をその左右に沿って設
ける。また、封筒袋体2を形成するための連続帯状の袋
素材は、巻回されたロールから繰出され、帯長手方向に
移送される。即ち、袋素材は、前述のようにフイルムを
半折重合することにより表裏フイルム部5、6を形成
し、裏フイルム部6に封口片部10及び離型テープ付き
の接着テープを備えており、連続する帯状に構成されて
いる。そこで、連続移送の過程において、貼着用シート
素材と袋素材を対面せしめると共に、貼着用シート素材
の表面に袋素材を重合し積層することにより、積層帯状
体を形成した後、積層帯状体を帯長手方向に間欠的に移
送して、袋体幅毎に溶断して本発明荷物用貼着封筒を製
造する。
【0018】
【発明の効果】従来、託送書類を収納した袋体を段ボー
ル箱等の被着体に貼着する際、セロハンテープ等の接着
テープをロールから所定長さだけ繰出し切断しながら貼
着していたため、袋体の貼着作業が煩雑であり、非能率
的であったのに対して、本発明によれば、託送書類を収
納した荷物用貼着封筒の貼着用シートから離型シートを
剥離し、露出した接着剤層を被着体に貼着するだけで、
封筒袋体と貼着用シートを一体化した荷物用貼着封筒を
簡単に被着体に貼着せしめることができる。従って、貼
着作業は、離型シートの剥離作業と、接着剤層による接
着作業だけで足り、極めて迅速かつ能率的である。しか
も、託送書類を収納した封筒袋体は、被着体に貼着され
た貼着用シートに対して両側縁部の接着剤による固着及
び溶断溶着部により固定されているので、運送中に脱落
する恐れがない。そして、製品を購入したユーザーが解
梱時に封筒袋体を剥離するに際しても、従来では、封筒
袋体から接着テープを引き剥がす必要があり、そのとき
袋体を損傷する虞れがあるのに対して、本発明によれ
ば、単に封筒袋体を強く引張るだけで、貼着用シートか
ら封筒袋体を容易に分離することができる。即ち、接着
剤層及び溶断溶着部は弱着状態にあるので、貼着用シー
トから容易に引き離すことができ、しかも、剥離時に封
筒袋体の表面が粘着することもない。このため、貼着用
シートから分離された独立の封筒袋体を保存するための
包装袋としてそのまま使用できるという便利がある。
尚、両側縁部に位置する封筒袋体の中央の間隔領域にお
いて、封筒袋体と貼着用シートの間に指先が挿入するこ
とができる。これによって、封筒袋体の引き剥がし作業
が一層容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明における一態様の荷物用貼着封
筒を構成する封筒袋体表面の平面図である。
【図2】図2は、図1の封筒袋体の断面図である。
【図3】図3は、本発明における一態様の荷物用貼着封
筒を構成する貼着用シートの平面図である。
【図4】図4は、図3の断面図である。
【図5】図5は、図2の封筒袋体と図4の貼着用シート
を重合した本発明一態様の荷物用貼着封筒の縦断面図で
ある。
【図6】図6は、本発明における一態様の荷物用貼着封
筒が貼着されている状態の封筒底部方向から見た断面図
である。
【符号の説明】
1 貼着用シート 2 封筒袋体 3 遊離空間 4 封筒袋体底部 5 表フイルム部 6 裏フイルム部 7 袋側縁 8 袋体内部 9 開口部 10 封口片 11 感圧接着剤層 12 離型シート 13 剥離剤層 14 接着剤層 15 被着体

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両側縁が溶断溶着により固定された熱可塑
    性樹脂フイルム製封筒袋体の裏面と、裏面に離型シート
    を貼着した感圧接着剤層を有する熱可塑性樹脂製貼着用
    シートの表面とを積層した構造において、該封筒袋体裏
    面の両側縁の内側に沿って設けられた感熱接着剤層又は
    感圧接着剤層によって、該封筒袋体が該貼着用シートの
    表面に貼着されていて、かつ、該感熱接着剤層又は該感
    圧接着剤層を介在させた溶断溶着によって該封筒袋体の
    側縁の裏面が該貼着用シート側縁の表面に固定されてい
    ることを特徴とする荷物用貼着封筒。
  2. 【請求項2】貼着用シートの厚さが少なくとも封筒袋体
    フイルムの厚さである請求項1記載の荷物用貼着封筒。
  3. 【請求項3】貼着用シートの材質樹脂と封筒袋体フイル
    ムの材質樹脂の種類が相違する請求項1又は2記載の荷
    物用貼着封筒。
  4. 【請求項4】両側縁が溶断溶着により固定された熱可塑
    性樹脂フイルム製封筒袋体の裏面と、裏面に離型シート
    を貼着した感圧接着剤層を有する熱可塑性樹脂製貼着用
    シートの表面とを積層した構造において、該封筒袋体裏
    面の両側縁の内側に沿って平行に設けられた感熱接着剤
    層又は感圧接着剤層によって、該封筒袋体が該貼着用シ
    ートの表面に貼着されていて、かつ、剥離剤層を介在さ
    せた溶断溶着によって該封筒袋体の側縁の裏面が該貼着
    用シート側縁の表面に固定されていることを特徴とする
    荷物用貼着封筒。
  5. 【請求項5】貼着用シートの厚さが少なくとも封筒袋体
    フイルムの厚さである請求項4記載の荷物用貼着封筒。
  6. 【請求項6】貼着用シートの材質樹脂と封筒袋体フイル
    ムの材質樹脂の種類が相違する請求項4又は5記載の荷
    物用貼着封筒。
  7. 【請求項7】(A)裏面に離型シートにより被覆された
    接着剤層を設けた熱可塑性樹脂製のフイルムシートから
    成る連続帯状の貼着用シート素材を帯長手方向に移送す
    る工程、(B)半折重合された表裏フイルム部を有する
    熱可塑性樹脂製フイルムから成る連続帯状の袋素材を帯
    長手方向に移送する工程、(C)該貼着用シート素材又
    は該袋素材のいずれか一方に封筒幅毎の間隔で感熱接着
    剤若しくは感圧接着剤を塗布する工程、(D)前記貼着
    用シート素材の表面に袋素材の裏フイルム部を熱圧着若
    しくは押圧接着せしめることにより積層帯状体を連続的
    に形成する工程及び(E)該積層帯状体の帯長手方向に
    直交する分断線に沿って、封筒幅毎に該積層帯状体を溶
    断溶着する工程とから成ることを特徴とする荷物用貼着
    封筒の製造方法。
  8. 【請求項8】(A)裏面に離型シートにより被覆された
    接着剤層を設けた熱可塑性樹脂製のフイルムシートから
    成る連続帯状の貼着用シート素材を帯長手方向に移送す
    る工程と、(B)半折重合された表裏フイルム部を有す
    る熱可塑性樹脂製フイルムから成る連続帯状の袋素材を
    帯長手方向に移送する工程と、(F)該貼着用シート素
    材又は該袋素材のいずれか一方に封筒幅毎の間隔で剥離
    剤を塗布する工程、(G)該貼着用シート素材又は該袋
    素材のいずれか一方の該剥離剤層の両側に沿って感熱接
    着剤若しくは感圧接着剤を塗布する工程と、(H)前記
    貼着用シート素材の表面に袋素材の裏フイルム部を熱圧
    着若しくは押圧により接着せしめることにより積層帯状
    体を連続的に形成する工程と、(E)該積層帯状体の帯
    長手方向に直交する分断線に沿って、封筒幅毎に該積層
    帯状体を溶断溶着する工程とから成ることを特徴とする
    荷物用貼着封筒の製造方法。
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