JP3637023B2 - 商品包装袋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品包装袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の商品包装袋は、商品投入の開口部を封口用舌片で開閉するため、封口用舌片の内面又は商品投入の開口部の外面のいずれかに粘着剤層を設け、この粘着剤層の上に、剥離紙を貼り付けて、商品を収納後封口するに際して、該剥離紙を剥がして粘着剤で封口するものが広く使用されている。
当該従来の商品包装袋は、開口部に商品投入時、粘着剤層に貼着されている離型紙を除去せねばならず、且つ、除去した離型紙は、ゴミとして廃棄する必要があり、商品収納後の封口操作に不便を生じる欠点がある。さらに、剥離紙が貼着された状態で、自動包装工程にかけると工程中に剥離紙が剥がれるおそれがあり、また、自動的封口操作において剥離紙の剥がし操作及び剥がした剥離紙の機械的除去操作が困難となる。
従来の自動包装の封口は、ヒートシール又は溶断によって行われていたが、熱溶着による封口は、粘着剤による封口の場合のように、商品収納後の封口の開閉が反復できない欠点が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、粘着剤で封口する商品包装袋において、開口部に商品投入時、粘着剤層の上の剥離紙を除去する操作が不要の商品包装袋を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、封口用舌片部として、帯状別片を袋体の開口部に感圧接着剤で接合し、該帯状別片の一部に剥離紙の機能を保有させることによって、従来の商品包装袋の欠点を改善できることに着目して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)合成樹脂製フイルムを重合した積層フイルムの袋体部両側縁部分を溶断して袋体部側縁を形成し、袋体開口部の一方のフイルムから延設された封口片部の先端と帯状別片の一方の側縁を開口縁に平行に感圧接着剤層で接合し、該帯状別片の他方の側縁を帯状別片の開口部側に折り返して、折り返し重合部を形成し、帯状別片の折り返し重合部の開口部側には、帯状別片の一方の側縁を接合した前記感圧接着剤層から連続する感圧接着剤層が塗布されていて、該感圧接着剤層の上に帯状別片の折り返し側に設けた剥離剤層が接するように重合することにより、帯状別片の折り返し重合部のフイルムの間に感圧接着剤層及び剥離剤層を介在させた構造を形成されてなることを特徴とする商品包装袋、
(2)封口用舌片部に、熱可塑性樹脂製ヘッダ部芯材が溶着されていることを特徴とする第1項記載の商品包装袋、及び
(3)合成樹脂製フイルムを重合した積層フイルムの袋体部両側縁部分を溶断して袋体部側縁を形成し、袋体開口部の一方のフイルムと帯状別片の一方の側縁を開口縁に平行に感圧接着剤層で接合し、該帯状別片の他方の側縁を帯状別片の開口部側に折り返して、折り返し重合部を形成し、帯状別片の折り返し重合部の開口部側には、帯状別片の一方の側縁を接合した前記感圧接着剤層から連続する感圧接着剤層が塗布されていて、該感圧接着剤層の上に帯状別片の折り返し側に設けた剥離剤層が接するように重合することにより、帯状別片の折り返し重合部のフイルムの間に感圧接着剤層及び剥離剤層を介在させた構造を形成されてなり、該帯状別片を封口片部とすることを特徴とする商品包装袋、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明商品包装袋の袋体部、帯状別片及びヘッダー部に用いる合成樹脂フイルムもしくはシートは、熱可塑性樹脂フイルムであれば、特に制限なく使用できるが、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブチレン共重合体、アクリル系樹脂、ナイロン、PETなどの樹脂フイルム及びこれらの樹脂フイルムのラミネートフイルムを好適に使用することができる。
本発明商品包装袋は、公知の連続製袋方法で製造される袋であり、例えば長尺の帯状樹脂フイルムを、中央部を半折重合するか若しくは一方の縁が他方縁より突出するように連続的に半折重合して、帯状半折積層フイルムとして、その帯状積層フイルムを袋体側縁に相当する部分において溶断分離して袋体側縁部を形成するものである。
本発明の商品包装袋は、溶断分離の前に、封口片に相当する帯状別片を半折重合した帯状樹脂フイルムの一方の側縁に、長尺の帯状別片の側縁を感圧接着剤を介して接合する。
本発明に用いる感圧接着剤は、粘着剤又はホットメルト接着剤のように圧力をかけると接着する接着剤であって、剥離と接着が反復できるものであれば特に制限なく使用することができる。
本発明の帯状別片は、長尺の帯状樹脂フイルムの開口縁又は開口縁から少し延設された封口片部の先端に感圧接着剤によって開口縁に平行に取り付けることができる。
【0006】
本発明は、開口縁に特定の形状の帯状別片を設けた点に特徴がある。
この特徴を以下実施例の図面によって説明するが、本発明はこれによって制限されるものではない。
図1は、本発明の一態様の実施例の商品包装袋の断面図である。
図1は、合成樹脂フイルムを半折重合して、一方縁が他方縁より上方にはみ出すように形成して、袋体側縁6(図3)を溶着して袋体部1を形成するとともに、封口用舌片2を開口部10の一方の縁から上方に延設させて形成したものである。この商品包装袋の袋底部11にはガゼット折が設けられている。
図1の封口用舌片2には、厚手合成紙よりなるヘッダー部芯材9がヘッダー部熱シール5及び側縁の溶着によって、封口用舌片のフイルムに溶着されている。この封口用舌片には、二つの吊り下げ用孔4、4’(二つの点線で孔の位置と幅を示す)が封口用舌片及びヘッダー部芯材に空けられていて、ヘッダー部芯材の上縁で折り曲げたときに、当該二つの孔はちょうど一致して、商品を収納して封口した商品包装袋を重合した吊り下げ孔を陳列の棒に通して商品包装袋を吊り下げることができる。
図1の封口用舌片の上縁には、帯状別片14の下縁が感圧接着剤層7(三角印で示す)によって、接合されている。
【0007】
この帯状別片14の開口部側の中央部には、感圧接着剤層7(三角印で示す)が塗布されている。その帯状別片14の上縁には、剥離剤層(四角印で示す)が設けられている。
この帯状別片14は、図2のように、一方の側縁は封口片り上縁に感圧接着剤層によって接合されていて、他方の側縁は開口縁側に折り返して、感圧接着剤層7の上に剥離剤層7が接するように重合して帯状別片の折り返し重合部のフイルムの間に感圧接着剤層7及び剥離剤層8を介在させた構造を形成している。
本発明商品包装袋は、図2の構造において、商品を開口部から袋体の中に収納して、ヘッダー部芯材9の上縁で封口片2を折り曲げて、開口部を封鎖する。そのとき、帯状別片14の先端を感圧接着剤層7から剥がして、感圧接着剤層7によって、袋体1の開口縁と帯状別片14を感圧接着剤層7によって接着して封口する。このとき、帯状別片14の剥離剤層を有する側縁は、袋体の封口縁の外側に遊離して存在する。商品包装袋の収納商品を取り出すときは、この遊離している帯状別片の側縁を指で持って封口縁から感圧接着剤層に抗して帯状別片及び封口片を剥がすときの把手として使用できて便利である。
本発明では、図2の剥離剤層8と当該剥離剤層8と接している感圧接着剤層7の部分を互いに置換することができる。このときは、帯状別片の先端で封口することになるので、図2の場合のような、遊離した把手の役割はないが、封口部分の体裁がよい利点がある。
【0008】
本発明に用いる剥離剤層は、感圧接着剤層には弱い接着力を有し、指で簡単に感圧接着剤層表面から保護シートを剥がすことができるものであれば、特に制限なく使用することができる。
市販のシリコーン系剥離剤等は好適に使用することができる。
本発明においては、図1〜3から剥離剤層を省略した図8〜10の態様を採用することができる。
感圧接着剤、例えば粘着剤又はホットメルト接着剤は、最初に塗布された方に強い接着力を有する。そのため、2枚のフイルムを感圧接着剤で接着して、これを剥がした場合には、感圧接着剤層は最初に塗布した側のフイルムに接着して剥がれる。
従って、剥離剤層を省略しても、図2の態様とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、図1〜2において剥離剤層と感圧接着剤層を置換した場合の態様を感圧接着剤を最初に塗布するフイルムを変えることによって、自由に選択することができる。
【0009】
本発明の特徴は、封口用舌片2(封口片のない場合は開口縁)の先端に感圧接着剤によって接合した帯状別片14(図2)にある。本発明においては、封口用舌片の折り曲げとは別に帯状別片が折り返し重合を有している。
帯状別片14に設けた感圧接着剤層7を帯状別片14に設けた剥離剤層で保護して、剥離紙を用いない商品包装袋を形成している。
この剥離剤層を有する帯状別片の遊離先端は、図2に示すように、最初は帯状別片14の中央側にある感圧接着剤層7の上に折り返して感圧接着剤層を保護している。すなわち、図1及び図2の態様の場合には、帯状別片の遊離先端は感圧接着剤層7の保護シートとして作用する。
封口に際して、帯状別片14の側縁の遊離先端を掴んで、感圧接着剤層7から遊離先端を剥離して、感圧接着剤層7を露出せしめて、該感圧接着剤層によって開口部の外側面に帯状別片を固定する。封口後は、折り返し片3は開口部の感圧接着剤層による固定部分から下方にブラブラと遊離して存在している。
封口後の遊離先端は、商品包装袋から内部の商品を出し入れするときに、封口用感圧接着剤層7から帯状別片を開口部から剥がすときの把手となり商品包装袋の反復開閉操作の際に便利である。
本発明の折り返し片に剥離剤層8を設ける場合は、これに用いる剥離剤は、基材上に設けた場合に粘着剤層に対する接着力を低下するものであれば、特に制限なく、どのようなものも使用することができる。例えば、シリコーン系剥離剤、剥離インキ等の公知の剥離剤機能を有するものを好適に使用することができる。
【0010】
また、本発明は、図1では、簡明のために、感圧接着剤層7とこれを保護する保護フイルム面(剥離剤層が設けたもの及び設けないものがある)が隣接したものを示したが、感圧接着剤層7及びその保護面との間を適宜間隔を明けて、その中間を折り返して折り返したときに粘着剤層のちょうど上に保護面がくるように形成することができる。
この場合も保護面に剥離剤を設ける場合となにも設けない場合があることはいうまでもない。
本発明の他の実施態様として、さらに図4〜7の態様がある。
当該態様は、ヘッダー部が上部にあり、底部に開口部がある態様である。
図4〜6は、図1〜3に対応する図面であり、図7は、商品を収納した場合の断面図である。
図11〜14は、図4〜7の態様から剥離剤層を省略した態様を示す図面である。
図15〜17は、開口部の一方の縁に直接帯状別片が感圧接着剤で接合している態様を示す図面である。この場合は、帯状別片14がそのまま封口片となる。
【0011】
【発明の効果】
本発明は、粘着剤層に貼着する剥離紙を必要としないので、下記の効果を達成することができる。
(1)剥離紙の廃棄処分の作業及び設備不用などから製造コストの削減が得られる。
(2)包装作業工程において、感圧接着剤層を完全に保護でき、収納商品と感圧接着剤層の接触を回避できるので自動的に商品を収納できる効果がある。そして、商品の自動収納後に手作業で封口するにしても、封口作業が簡単で、封口作業も自動化の可能性を増大せしめた。従来は、自動封口工程は、開口部の溶断工程に限られていたが、感圧接着剤による封口ができると、商品収納後の商品の取り出しのための反復開閉ができて便利である。
(3)帯状別片を感圧接着剤層で接合するので、従来の連続製袋工程をそのまま利用して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明一実施例の展開断面図である。
【図2】図2は、図1で帯状別片を重合した状態の断面図である。
【図3】図3は、本発明実施例の平面図である。
【図4】図4は、本発明の他の態様の実施例の断面図である。
【図5】図5は、図4の態様で、帯状別片の先端を重合した状態の断面図である。
【図6】図6は、図4の平面図である。
【図7】図7は、図4の商品包装袋に商品を収納した状態を示す説明断面図である。
【図8】図8は、図1の剥離剤層を削除した態様の実施例の展開断面図である。
【図9】図9は、図2の剥離剤層を削除した態様の実施例の展開断面図である。
【図10】図10は、図3の剥離剤層を削除した態様の実施例の平面図である。本発明実施例の平面図である。
【図11】図11は、図4の剥離剤層を削除した態様の実施例の展開断面図である。
【図12】図12は、図5の剥離剤層を削除した態様の実施例の展開断面図である。
【図13】図13は、図6の剥離剤層を削除した態様の実施例の平面図である。
【図14】図14は、図7の剥離剤層を削除した態様の実施例の説明断面図である。
【図15】図15は、本発明の他の実施例の展開断面図である。
【図16】図16は、図15で帯状別片を重合した状態の断面図である。
【図17】図17は、図15の商品包装袋に商品を収納した状態を示す説明断面図である。
【符号の説明】
1 袋体部
2 封口用舌片
3 折り返し部
4、4’吊り下げ用孔
5 ヘッダー部熱シール
6 袋体側縁
7 感圧接着剤層
8 剥離剤層
9 ヘッダー部芯材
10 開口部
11 袋底部
12 接合部
13 ヘッダー部
14 帯状別片
Claims (3)
- 合成樹脂製フイルムを重合した積層フイルムの袋体部両側縁部分を溶断して袋体部側縁を形成し、袋体開口部の一方のフイルムから延設された封口片部の先端と帯状別片の一方の側縁を開口縁に平行に感圧接着剤層で接合し、該帯状別片の他方の側縁を帯状別片の開口部側に折り返して、折り返し重合部を形成し、帯状別片の折り返し重合部の開口部側には、帯状別片の一方の側縁を接合した前記感圧接着剤層から連続する感圧接着剤層が塗布されていて、該感圧接着剤層の上に帯状別片の折り返し側に設けた剥離剤層が接するように重合することにより、帯状別片の折り返し重合部のフイルムの間に感圧接着剤層及び剥離剤層を介在させた構造を形成されてなることを特徴とする商品包装袋。
- 封口用舌片部に、熱可塑性樹脂製ヘッダ部芯材が溶着されていることを特徴とする請求項1記載の商品包装袋。
- 合成樹脂製フイルムを重合した積層フイルムの袋体部両側縁部分を溶断して袋体部側縁を形成し、袋体開口部の一方のフイルムと帯状別片の一方の側縁を開口縁に平行に感圧接着剤層で接合し、該帯状別片の他方の側縁を帯状別片の開口部側に折り返して、折り返し重合部を形成し、帯状別片の折り返し重合部の開口部側には、帯状別片の一方の側縁を接合した前記感圧接着剤層から連続する感圧接着剤層が塗布されていて、該感圧接着剤層の上に帯状別片の折り返し側に設けた剥離剤層が接するように重合することにより、帯状別片の折り返し重合部のフイルムの間に感圧接着剤層及び剥離剤層を介在させた構造を形成されてなり、該帯状別片を封口片部とすることを特徴とする商品包装袋。
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