JP4382189B2 - 包装用ネット袋及び該袋の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通気性を必要とする商品、例えばオクラ、枝豆等の野菜を包装するのに適した包装用ネット袋及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、包装用ネット袋に、オクラ、枝豆等の野菜を入れて販売するとネット袋は通気性がよく、野菜の鮮度が保持できるので広く使用されている。ネット袋において、ヘッダー部がないときは、野菜が剥き出しに包装された状態となり、商品の見栄えが低下して購買意欲を低下させる。
包装用ネット袋のヘッダーは、商品名、商標、産地等の商品情報を印刷して、商品の購買意欲を向上させる効果を有する。
従来の包装用ネット袋に使用されているネットシートは極端に腰が弱く、開口部の形状が不安定で、自動包装又は手動作による包装操作にも不便であった。
また、ネット袋は、ホッチキス等で封口しており、ヘッダーもホッチキス止めで固定していた。このような包装袋の場合、ネットシートを破るのが意外に困難であり、また、ネットシートには、フイルムシートの袋のように取り出しのときの開封用裂け目を作ることができないので、消費者が中の野菜を取り出すときに鋏が手元にないときは開封が困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ヘッダー付ネット包装袋において、開口部の形状を安定にして、包装操作を容易にするとともに、ネット袋の包装体から内容物を取り出すのに便利な包装用ネット袋及びその製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、商品挿入用開口部を形状の安定した樹脂フイルムで袋体部のヘッダーの上に形成して、この挿入口とは別の商品取り出し口をヘッダー部の横面に形成し、この取り出し口を感圧接着剤層で封口して、簡単に反復開閉自在の取り出し口とする発想に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ネットシートを半折して、折り目を底部として、重合したネットシート側縁を溶着して袋体側縁を形成し、ネットシートの上縁を開口部としたネット袋において、一方の開口縁のネットシート上縁の外側に第一ヘッダーフイルムを設け、他方の開口縁のネットシート上縁の外側に第二ヘッダーフイルムを設け、他方の開口縁のネットシート上縁の外側に熱可塑性樹脂フイルムを重合して熱溶着によって開口縁に固定し、該熱可塑性樹脂フイルムと第二ヘッダーフイルムは、袋体側縁において、半溶着状態で固定されてなり、また、第一ヘッダーフイルムと第二ヘッダーフイルムは袋体側縁線上で溶着固定されてなり、第一ヘッダーフイルム上縁と第二ヘッダーフイルムの上縁を商品を袋体に挿入後にヒートシールして封口することを特徴とする包装用ネット袋
(2)半溶着状態が、熱可塑性樹脂フイルムと第二ヘッダーフイルムの樹脂の種類が相違するものの熱溶着によって形成されていることを特徴とする第(1)項記載の包装用ネット袋
(3)熱可塑性樹脂フイルムの上に感圧接着剤層を介して第二ヘッダーフイルムを貼着させてなることを特徴とする第(1)又は第(2)項記載の包装用ネット袋
(4)長尺のネットシートを連続的に半折して、折り目を底部として、重合したネットシート側縁を溶着して袋体側縁を形成する製袋工程において、一方のネットシート上縁の外側に長尺の第一ヘッダーフイルムを連続的に溶着し、他方のネットシート上縁の外側に熱可塑性樹脂フイルムを重合して熱溶着によって開口縁に固定し、さらに、該熱可塑性樹脂フイルムの外側に第二ヘッダーフイルムを連続的に重合して、袋体の幅毎に溶断して該熱可塑性樹脂フイルムと第二ヘッダーフイルムとの間の袋体側縁線上に半溶着固定を形成したことを特徴とする包装用ネット袋の製造方法
(5)半溶着固定をネットシート上縁に溶着する熱可塑性樹脂フイルムと第二ヘッダーフイルムの材質が相違することによって形成することを特徴とする第(4)項記載の包装用ネット袋の製造方法、及び、
(6)半溶着固定を熱可塑性樹脂フイルムと第二ヘッダーフイルムいずれかの面に溶着防止剤を塗布することによって形成することを特徴とする第(4)項記載の包装用ネット袋の製造方法
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明包装用ネット袋に用いる、ネットシートは、プラスチック樹脂の直径0.05〜0.8mm程度の熱可塑性樹脂のモノフィラメントをネット状に形成したものであり、連続的にネットシートに押出成形によって製造されており、広く知られているものを使用することができる。原材料のネットシートは、熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等を使用することができる。特に、ポリエチレン樹脂若しくはポリプロピレン樹脂のモノフィラメントのネットが適している。
本発明包装用ネット袋のヘッダーフイルムは、裏表2枚あるが、少なくとも一方のヘッダーフイルムは印刷されたフイルム単独又は印刷フイルムをラミネートした積層フイルム又は積層シートである。印刷フイルムをラミネートする基材シートは薄手のフイルム又は腰のある厚手のプラスチックシートを使用することができる。
薄手のフイルムを基材に使用する場合もヘッダーフイルムの腰が強くなり、袋の上に自立してヘッダーの宣伝効果を発揮し、またネット袋包装体を持つときの保持部分として役に立つ。
本発明包装用ネット袋は、図2及び図3に示されるように、ネットシートを半折して、その折り目を袋体底部9として、袋体側縁8を溶断溶着縁で溶着して形成したものである。
【0006】
本発明は、ネットシートを半折して、折り目を底部として、重合したネットシート側縁を溶着して袋体側縁を形成し、ネットシートの上縁を開口部としたネット袋において、下記の構成を特徴とするものである。
(i)半折重合したネットシートの一方の上縁の外側に第一ヘッダーフイルムを設ける。
(ii)他方のネットシート上縁の外側に熱可塑性樹脂フイルムを重合して熱溶着によって開口縁に固定する。
(iii)該熱可塑性樹脂フイルムと第二ヘッダーフイルムは、袋体側縁において、半溶着状態で固定されてなる。しかも、第二ヘッダーフイルムは第一ヘッダーフイルムと袋体側縁線上の熱溶着で接続している。その結果、本発明包装用ネット袋の開口部の周縁はフイルムで形成されている。
(iv)第一ヘッダーフイルム上縁と第二ヘッダーフイルムの上縁を商品を袋体に挿入後にヒートシール6して封口する。
【0007】
機能的な特徴は、第二ヘッダーフイルムがヘッダーフイルムとして機能するとともに、封口片の機能もかねている点にある。
その封口構造の封口片である第二ヘッダーフイルムが開口縁に半溶着している点に特徴がある。
そして、本発明包装用ネット袋の開口部では、第一ヘッダーフイルム及び第二ヘッダーフイルムが溶着によって繋がっていて、開口部周縁の全周がフイルムで形成されている点も特徴である。
開口縁がネットシートであると、ネットが大きく伸縮するので開口縁の形状が安定しないので、商品を袋詰めする操作が困難となり、特に自動又は半自動包装工程に使用することができない。
本発明の包装用ネット袋では開口部7の全周が、接続した第一ヘッダーフイルムと第二ヘッダーフイルムで形成されているので、開口部の一部にでもネットシートがある場合と比較すると格段に開口部7の形状が安定して袋に商品を詰める操作が便利になる。また、感圧接着剤によって封口されている取り出し口を挿入口とは別に設けているので商品の取り出し操作も容易になる。
【0008】
上記特徴的構成を、実施例の図面に基づき、さらに詳細に説明する。
本発明の包装用ネット袋は、表裏2枚ネットシートの袋体側縁の溶着の幅が3mm以上、好ましくは5mm以上の幅で溶着されているのが望ましい。この幅が狭いと、ネット袋の強度が弱く破れ易くなる。
本発明包装用ネット袋は、図1に示すように、半折して半折部分を底部としたネットシート1の上縁の一方の開口縁の外側に第一ヘッダーフイルム2が溶着により取り付けられている。溶着の方法は特に制限がなく公知の方法例えば開口縁に沿ったヒートシールで行うことができる。
他方のネットシート1開口縁の外側には、熱可塑性樹脂フイルム3が同様に溶着によって固定されている。そして、さらにその外側に第二ヘッダーフイルム22が、熱可塑性樹脂フイルム3と袋体側縁線上において、半溶着状態で固定されている。この平面図は図2に示されている。
本発明包装用ネット袋における半溶着状態とは、熱によって強く溶着しているが、第二ヘッダーフイルム22の下縁を指で持って熱可塑性樹脂フイルムから剥がすことができる程度に溶着している状態である。
このような半溶着状態は、本発明包装用ネット袋製造工程の最終段階で袋体側縁を溶断溶着する前に、熱可塑性樹脂フイルム3と第二ヘッダーフイルム22の間に溶着防止剤、例えばインキ成分、接着剤、油脂物質を塗布しておき、その上から溶断すると溶着部の間にこれらの溶断物質が介在して完全な溶着を妨げて、半溶着状態を形成することができる。
【0009】
本発明の場合には、特にこの半溶着状態を、熱可塑性樹脂フイルムと第二ヘッダーフイルム22の材質を変えることによっても実現する方法が半溶着強さが大きい点で望ましい。例えば、熱可塑性樹脂フイルムをポリエチレン樹脂製として、第二ヘッダーフイルム22にポリプロピレン樹脂を使用することによって、完全溶着ではないが、半溶着状態によって相当強く固定することができる。この半溶着部分は、袋体側縁の細い線上の狭い面積であるので、半溶着状態がかなり強く溶着していても、第二ヘッダーフイルム22の下方の遊離している下縁を持って引き剥がすと、半溶着部分が下方から順次剥がれる。つまり、上記のように形成した半溶着部分は、袋体開口部分の材質フイルムの強度よりも弱いために、必ず半溶着部分が剥がれる。しかも、通常の取り扱いではこのような剥がす作用はないので、包装袋として包装の封口が破れることはない。
【0010】
本発明包装用ネット袋は、図3に示すように、商品4を挿入したのちに、第一ヘッダーフイルム2の上縁と第二ヘッダーフイルム22の上縁をヒートシール6して封口する。このとき、第一ヘッダーフイルム2と第二ヘッダーフイルム22とが開口部の縁を形成しているので、ネットシートの場合と相違して開口部の形状が安定しているので、自動包装工程を適用することができる。
しかも、ヒートシールによって、封口も可能であり、商品の挿入が感圧接着剤層による封口よりも包装自動化に便利である。
図3のように、商品を包装した包装体から消費者が商品を取り出すときは、第二ヘッダーフイルム22の下縁から半溶着状態を剥がして、開口して、商品を取り出すことができる。第二ヘッダーフイルム22の下縁は、袋体側縁線上を除いて、熱可塑性樹脂フイルム3の面から遊離しているので、指を入れて剥がす操作は容易である。このとき、熱可塑性樹脂フイルムの下端を第二ヘッダーフイルム22の下縁より突出させた突出部10を設けてておくと一方の指でこの突出部10を保持しながら他方の指で引き剥がすことができるので便利である。腰のまったくないネットシートを保持するのは困難であるので、熱可塑性樹脂フイルム3の突出部10によって開封操作を便利にすることができる。
図1、図3には、所望によって設ける感圧接着剤層5が設けてある。このように熱可塑性樹脂フイルム3と第二ヘッダーフイルム22の間に感圧接着剤層5を設けておくと、商品の一部を取り出した後に、再び感圧接着剤層で袋の開口部を第二ヘッダーフイルム22によって封口することができる。収納されている全部の商品を一度に使用しない場合には、感圧接着剤層5を設けるのが便利である。
この場合は、最初の取り出し操作において、半溶着部分の剥がしとともに、さらに感圧接着剤層を剥がす操作が必要となる。2回目の取り出しは感圧接着剤層のみの剥がし操作になる。
【0011】
本発明包装用ネット袋は、簡単に製造することができる。
長尺のネットシートを半折して、その折り目を底部として、袋体側縁を袋体の幅ごとに溶断する通常の製袋工程で製造することができる。
この溶断工程の前に、長尺のネットシートの両側縁に、それぞれ第一ヘッダーフイルムの幅の長尺のフイルム及び熱可塑性樹脂フイルムテープを溶着して、さらに熱可塑性樹脂フイルムの上に、第二ヘッダーフイルムの長尺のフイルムを重合して、袋体製造工程の最終の溶断溶着工程で袋体幅毎に切断して製造することができる。このとき、袋体側縁線上で、袋体の表裏のネットシートの溶着、第一ヘッダーフイルムとネットシートの溶着、熱可塑性樹脂フイルムとネットシートの溶着及び熱可塑性樹脂フイルムと第二ヘッダーフイルムとの半溶着が起こり本発明包装用ネット袋を製造することができる。
半溶着は、熱可塑性樹脂と第二ヘッダーフイルムの樹脂の材質を変えて行うことができる。特に、一方をポリエチレン樹脂として、他方をポリプロピレン樹脂にすることが半溶着の強度が包装体の封口強度を維持しながら半溶着にすることができる点で望ましい組み合わせである。
半溶着を溶着防止剤で行う場合は、第二ヘッダーフイルム又は熱可塑性樹脂フイルムのいずれかに溶着防止剤を塗布したものを使用すれば、同一の製造方法で本発明包装用ネット袋を製造することができる。
【0012】
【発明の効果】
本発明包装用ネット袋は、開口部が腰の強い樹脂フイルムで形成されているので、自動包装工程に適用できるなど、商品の包装作業を容易にすることができる。そして、袋体側縁線上の半溶着状態の溶着で、取り出し口を封口しているので、商品を簡単に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明包装用ネット袋の実施例の開口状態を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明包装用ネット袋の図1の平面図である。ネットシートのネット形状は省略されている。
【図3】図3は、本発明包装用ネット袋の実施例の封口状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ネットシート
2 第一ヘッダーフイルム
3 熱可塑性樹脂フイルム
4 商品
5 感圧接着剤層
6 ヒートシール
7 開口部
8 袋体側縁
9 袋体底部
10 突出部
22 第二ヘッダーフイルム

Claims (6)

  1. ネットシートを半折して、折り目を底部として、重合したネットシート側縁を溶着して袋体側縁を形成し、ネットシートの上縁を開口部としたネット袋において、一方の開口縁のネットシート上縁の外側に第一ヘッダーフイルムを設け、他方の開口縁のネットシート上縁の外側に第二ヘッダーフイルムを設け、他方の開口縁のネットシート上縁の外側に熱可塑性樹脂フイルムを重合して熱溶着によって開口縁に固定し、該熱可塑性樹脂フイルムと第二ヘッダーフイルムは、袋体側縁において、半溶着状態で固定されてなり、また、第一ヘッダーフイルムと第二ヘッダーフイルムは袋体側縁線上で溶着固定されてなり、第一ヘッダーフイルム上縁と第二ヘッダーフイルムの上縁を商品を袋体に挿入後にヒートシールして封口することを特徴とする包装用ネット袋。
  2. 半溶着状態が、熱可塑性樹脂フイルムと第二ヘッダーフイルムの樹脂の種類が相違するものの熱溶着によって形成されていることを特徴とする請求項1記載の包装用ネット袋。
  3. 熱可塑性樹脂フイルムの上に感圧接着剤層を介して第二ヘッダーフイルムを貼着させてなることを特徴とする請求項1又は2記載の包装用ネット袋。
  4. 長尺のネットシートを連続的に半折して、折り目を底部として、重合したネットシート側縁を溶着して袋体側縁を形成する製袋工程において、一方のネットシート上縁の外側に長尺の第一ヘッダーフイルムを連続的に溶着し、他方のネットシート上縁の外側に熱可塑性樹脂フイルムを重合して熱溶着によって開口縁に固定し、さらに、該熱可塑性樹脂フイルムの外側に第二ヘッダーフイルムを連続的に重合して、袋体の幅毎に溶断して該熱可塑性樹脂フイルムと第二ヘッダーフイルムとの間の袋体側縁線上に半溶着固定を形成したことを特徴とする包装用ネット袋の製造方法。
  5. 半溶着固定をネットシート上縁に溶着する熱可塑性樹脂フイルムと第二ヘッダーフイルムの材質が相違することによって形成することを特徴とする請求項4記載の包装用ネット袋の製造方法。
  6. 半溶着固定を熱可塑性樹脂フイルムと第二ヘッダーフイルムいずれかの面に溶着防止剤を塗布することによって形成することを特徴とする請求項4記載の包装用ネット袋の製造方法。
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