JP5055022B2 - インクジェット用水系インク - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット用水系インクに関する。
インクジェット記録システムは、流動性の高い液体インクを微細なノズルから噴射し、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷システムである。このシステムは、比較的安価な装置で、高解像度、高品位の画像を、高速かつ低騒音で印刷可能、という特徴を有し最近急速に普及している。
このインクジェット記録システムに用いられるインクの色材としては、顔料を利用したものと染料を利用したものに大別される。このうち、高画質印刷に必要な耐光性、耐候性および耐水性に優れていることから、顔料を色材とするインクが増加する傾向にある。
溶剤からみると、インクは大きく、水系タイプインクと非水系タイプインクに分けられる。水系タイプインクは、水溶性有機溶剤と水がインクの媒体であるので、ここに顔料を微細に分散させ且つその安定性を確保することは極めて困難である。
このような観点から、顔料を樹脂でカプセル化して水系媒体に分散させることにより分散安定性を改善した水性顔料インク提案されている(特許文献1)。
特開2003−313389号公報
しかし、水系インクに使用される水溶性有機溶剤の種類によっては、特に低極性溶剤であると、カプセル化樹脂(被覆樹脂)が溶剤に溶出してしまい、その結果、インクの増粘あるいはゲル化という問題が生じる場合があることがわかってきた。
したがって、本発明は、様々な種類の水溶性有機溶剤に対して、特に低極性溶剤に対しても安定な分散状態を維持できるインクジェット用水系インクを提供することを課題とする。
本発明は、顔料、前記顔料を被覆する高分子化合物、水溶性有機溶剤、および水を含むインクジェット用水系インクであって、前記高分子化合物が、β−ジケトン基とカチオン性塩生成基とを有し、かつ、シロキサン結合による架橋構造を含むことを特徴とする、インクジェット用水系インクに関する。
別の本発明は、顔料、前記顔料を被覆する高分子化合物、水溶性有機溶剤、および水を含むインクジェット用水系インクであって、前記高分子化合物が、(A)β−ジケトン基含有モノマー、(B)3級アミノ基または4級アンモニウム基含有モノマー、および(C)アルコキシシリル基含有モノマー、を含むモノマーを反応させて得られる共重合体であることを特徴とする、インクジェット用水系インクに関する。
別の本発明は、上記本発明に係るインクジェット用水系インクを用いて印刷された印刷物に関する。
さらに別の本発明は、β−ジケトン基と、カチオン性塩生成基と、アルコキシシリル基とを含む高分子化合物で顔料が被覆されてなる着色剤に関する。
本発明のインクジェット用水系インクでは、β−ジケトン基とカチオン性塩生成基とを有し、かつ、シロキサン結合による架橋構造を含む高分子化合物により顔料が被覆されている。この高分子化合物は、様々な種類の水溶性有機溶剤に対して、特に低極性溶剤に対しても溶出しにくい安定な被覆を形成する。その結果、本発明によれば、様々な種類の水溶性有機溶剤に対し、貯蔵安定性および顔料分散性が良好で、ノズル部での目詰まりがなく吐出性に優れたインクを提供することができる。
本発明に係るインクジェット用水系インク(以下、単に「インク」と記す場合もある。)は、顔料、顔料を被覆する高分子化合物、水溶性有機溶剤、および水を含む。
ここで、「顔料を被覆する」とは、顔料に高分子化合物が結合あるいは吸着することで、少なくとも部分的には高分子化合物により顔料が被覆された状態をいう。
顔料としては、たとえば、アゾ系、フタロシアニン系、染料系、縮合多環系、ニトロ系、ニトロソ系等の有機顔料(ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウォッチングレッド、ジスアゾイエロー、ハンザイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー、アニリンブラック等);コバルト、鉄、クロム、銅、亜鉛、鉛、チタン、バナジウム、マンガン、ニッケル等の金属類、金属酸化物および硫化物、ならびに黄土、群青、紺青等の無機顔料、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック類を用いることができる。これらの顔料は、いずれか1種が単独で用いられるほか、2種以上が組み合わせて使用されてもよい。
顔料を被覆する高分子化合物は、β−ジケトン基とカチオン性塩生成基とを有し、かつ、シロキサン結合による架橋構造を含む。この高分子化合物は、顔料分散剤であり、かつ、顔料を部分的あるいは全体的に被覆(カプセル化)する、被覆樹脂としても作用する。以下、この高分子化合物を、「共重合体」と記す場合があり、または「被覆樹脂」と記す場合もある。
カチオン性塩生成基として、代表的には、3級アミノ基または4級アンモニウム基を好ましく例示することができる。
この高分子化合物は、たとえば、(A)β−ジケトン基含有モノマー、(B)3級アミノ基または4級アンモニウム基含有モノマー、および(C)アルコキシシリル基含有モノマー、を含むモノマーを反応させて得られる共重合体であることが好ましい。(C)のアルコキシシリル基の少なくとも一部は、インク中の水によってシロキサン結合を形成する。
(A)のβ−ジケトン基(−COCHCO−)を含むモノマーは、分子中に少なくとも一つのβ−ジケトン基を有するモノマーであれば特に限定されない。好ましくはビニルモノマーであり、容易に入手可能なものとしては、たとえば、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(アセトアセトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドエチルアセトキシアセテート、ヘキサジオン(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは単独で、または任意に複数種を組み合わせて使用することができる。
ここで、(メタ)アクリル酸はアクリル酸およびメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートはアクリレートおよびメタクリレートを意味し、(メタ)アクリルアミドはアクリルアミドおよびメタクリルアミドを意味する(以下同様)。
次に、(B)3級アミノ基または4級アンモニウム基を含むモノマーについて説明する。
この3級アミノ基は、親水性と疎水性のバランス等の観点から、−NRR’(RおよびR’は互いに独立して炭素数1〜4の低級アルキル基)であることが好ましい。
このような3級アミノ基を含むモノマーとしては、たとえば、
N,N−ジメチルアミノスチレン、N,N−ジメチルアミノメチルスチレン、N,N−ジエチルアミノスチレン、N,N−ジエチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;
N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミドのジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリルアミド類;
ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、2−エチル−5−ビニルピリジン等のビニルピリジン類;
2−ジメチルアミノエチルビニルエーテル、2−ジエチルアミノエチルビニルエーテル、2−ジメチルアミノプロピルビニルエーテル、2−ジエチルアミノプロピルビニルエーテル等のジアルキルアミノ基を有するビニルエーテル類;
等が挙げられる。なかでも、ビニル基を有するビニルモノマーであることが好ましく、分散性の観点から、ビニル基は(メタ)アクリル基、(メタ)アクリルアミド基であることが好ましく、ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル類であることが特に好ましい。これらは単独で、または任意の複数種を組み合わせて使用できる。
4級アンモニウム基を含むモノマーとしては、たとえば、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムp−トルエンスルホネート、メタクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、メタクリロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム p−トルエンスルホネートなどが挙げられる。これらは、たとえばMRCユニテック株式会社から市販されている。
(C)アルコキシシリル基含有モノマーとしては、たとえば、γ−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリプロキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシブチルフェニルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシブチルフェニルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシブチルフェニルジプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルフェニルメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルフェニルメチルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシトリメトキシシラン、γ−グリシドキシトリエトキシシラン、グリシジルトリメトキシシラン、グリシジルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用できる。
高分子化合物は、上記モノマー(A)、(B)および(C)を含み、さらにこれら以外の重合性モノマーを含んでいてもよい。たとえば、他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸t-ブチルアミノエチル、アリル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トルイル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー:マレイン酸エステル、フマル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、α−オレフィン等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。なかでも、ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香環を含むモノマーを使用することは、顔料への吸着性が向上するため好ましい。
上記(A)、(B)および(C)の各モノマーは、全モノマー中、(A)が5〜40重量%、(B)が5〜30重量%、および(C)が0.1〜30重量%それぞれ含まれていることが好ましい。より好ましくは、(A)が5〜35重量%、(B)が5〜20重量%、および(C)が0.1〜10重量%であり、さらに、全モノマー中、(A)が10〜30重量%、(B)が5〜10重量%、および(C)が3〜5重量%であることがより好ましい。
高分子化合物は、上記のようなモノマー混合物を、公知のラジカル重合などにより共重合させて、合成することができる。反応系は、溶液重合または分散重合で行うことが好ましい。共重合形式は、通常のランダム重合でよく、一部ブロック単位が含まれていてもよく、特に規則性は必要とされない。
この高分子化合物の分子量(重量平均分子量)は、特に限定はされないが、10,000(1万)〜300,00(30万)程度であることが好ましく、50,000〜200,000程度であることがより好ましい。高分子化合物の分子量が低いと、顔料分散性が低くなるため保存安定性が低下する恐れがあり、一方、分子量が高いと、インク粘度が高くなるため吐出性が低下する恐れがある。
重合後の高分子分散剤の分子量を上記好ましい範囲とするために、重合時に連鎖移動剤を併用することが有効である。連鎖移動剤としては、たとえば、n−ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタンなどのチオール類が用いられる。
重合開始剤としては、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル(V−65、和光純薬工業(株)製)等のアゾ化合物、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーブチルO、日本油脂(株)製)等の過酸化物など、公知の熱重合開始剤を使用することができる。あるいは、活性エネルギー線照射によりラジカルを発生する光重合型開始剤を用いることもできる。
重合に用いる溶媒は、極性有機溶媒が好ましい。たとえば、メタノール、エタノール、(イソ)プロパノール等の脂肪族アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類が挙げられる。
重合条件は、使用するモノマーや重合開始剤の種類によって異なるが、たとえば、不活性ガス下において、重合温度30〜120℃で2〜20時間の重合を行うことが好ましい。
重合反応に際し、その他、通常使用される重合禁止剤、重合促進剤、分散剤等を反応系に添加することもできる。
合成した高分子化合物による顔料の被覆は、顔料と高分子化合物とを任意の溶媒中で分散させることにより好ましく行うことができる。このときの分散溶媒としては、上記高分子化合物の重合に用いた溶媒をそのまま使用することができる。分散には、ロッキングミル、ビーズミル、ディスパーミキサー、ホモミキサー、コロイドミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、高圧ホモジナイザー等の公知の分散機を用いることができる。
顔料と高分子化合物と溶媒とを含む分散体には、凝集した顔料(複合体)の再分散の観点から、分散後に、超音波ホモジナイザーを用いて超音波を照射することが好ましい。
着色剤(顔料複合体あるいは顔料誘導体)を得る別の方法として、モノマー(C)と顔料を溶媒中で混合してモノマー(C)を顔料に吸着させたのち、ここに、モノマー(A)とモノマー(B)(その他の重合性モノマーが用いられる場合にはそれも含む。)を共重合させて得られた中間体高分子化合物を混合、分散する方法が挙げられる。これにより、高分子化合物の合成と顔料の被覆を同時に行うこともできる。この方法は、顔料に対し被覆樹脂をより強固に吸着させることができるのでより好ましい。中間体高分子化合物には、モノマー(A)およびモノマー(B)の他に、顔料に吸着したモノマー(C)と反応させるための官能基、たとえば、エポキシ基、イソシアネート基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基などを有するモノマーを含むことが好ましい。一方、顔料に吸着させるモノマー(C)は、これらの官能基と反応する反応性基、たとえば、アミノ基、チオール基、エポキシ基、イソシアネート基などを含むことが好ましい。
顔料表面にモノマー(C)を吸着させる方法(前処理)は、湿式法、乾式法のいずれも適用可能である。連続的処理を行うという観点からは湿式法を使用することが好ましい。
得られる着色剤(顔料複合体)の平均粒径は、500nm以下程度であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることが一層好ましい。一方、印刷物の裏抜けを抑制するため、この平均粒径は50nm以上程度であることが好ましい。顔料複合体の平均粒径は、黒色の顔料複合体の場合は濃度0.1重量%の水分散体、黒色以外の顔料複合体の場合は濃度1重量%の水分散体として、(株)堀場製作所製の動的光散乱式粒径分布装置LB−500により測定することができる、
着色剤中の顔料と高分子化合物(被覆樹脂)との割合は、重量比で顔料1に対し、被覆樹脂が0.1〜2程度であることが好ましく、0.2〜1であることが一層好ましい。
以上のようにして、β−ジケトン基と、カチオン性塩生成基と、アルコキシシリル基とを含む高分子化合物で顔料が被覆されてなる着色剤を得ることができる。この着色剤を被覆する高分子化合物は、インク中でカチオン性塩を形成することにより、カチオン性の顔料分散剤として機能する。アニオン性分散剤に比べ、カチオン性分散剤は分散安定性が高いという利点がある。ここで、高分子化合物のカチオン性塩の対イオンが、たとえばスルホン酸基あるいはアルキルサルフェート基のようなハロゲン化物イオンを含まないイオンの場合は、得られるインクは環境に優しいインクとなる点で好ましい。
インク中でカチオン性塩を形成するために、たとえば上述のモノマー(B)の3級アミノ基はインク中では、4級化剤あるいは中和剤により、第4級アンモニウム基(−NRR’R’’または−NHRR’;R〜R’’は任意の炭化水素基など)となっていることが必要である。ここで、4級化剤とは、R型(上記の−NRR’R’’)の化合物を形成させるための反応試薬を意味し、中和剤とは、RHN型(上記の−NHRR’)の化合物を形成させるための反応試薬を意味する。
中和剤としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等の有機酸;が挙げられる。
4級化剤としては、特に限定されないが、たとえば、2−ブロモプロパン、2−ブロモブタン、2−ヨードブタン、2−フルオロペンタン、臭化tert−ブチル等のハロゲン化アルキル;塩化ベンジル、臭化ベンジル等のハロゲン化ベンジル;およびジメチル硫酸、ジエチル硫酸等の硫酸ジアルキル;等が挙げられる。
アミノ基のモル数と4級化剤または中和剤のモル数の比は、アミノ基1に対し4級化剤または中和剤が0.8以上であることが好ましく、0.9以上であることがより好ましく、両者を1:1の等モル比で使用してほぼ100%の4級化率とすることが最も好ましい。
上記モノマー(B)の3級アミノ基は、高分子化合物合成後に任意の4級化剤あるいは中和剤によりカチオン性塩(第4級アンモニウム塩)にされてもよいし、モノマー段階で予めカチオン性塩としたのち、カチオン性塩を含むモノマー(B)を共重合に供するようにしてもよい。
本発明者らの知見によると、エーテル系溶剤など、低極性溶剤をインクの水溶性有機溶剤として使用すると、従来のカプセル化顔料における被覆樹脂は、インク中の低極性溶剤に溶出しやすいという問題があった。この樹脂の溶出により、顔料分散性や貯蔵安定性が低下する。また、カチオン性塩生成基が塩を形成したときの対イオンが多価イオンである場合には、この多価イオンが高分子化合物の分子間を橋渡しすることにより、インクのゲル化が発生しやすい。
なお、対イオンが多価イオンである場合とは、1価の対イオンが容易に加水分解することで多価イオンとなる場合も含む。具体的には、4級化剤としてジメチル硫酸を使用した場合、対イオンはメチルサルフェートイオン(CHOSO )となる。このメチルサルフェートイオンは、加水分解によって容易に硫酸イオンとなるので、対イオンが多価イオンであるとして扱う。
本発明で使用する高分子化合物は、モノマー(A)とモノマー(C)を含むことにより、すなわち、β−ジケトン基とアルコキシシリル基を含むことにより、詳しい作用は不明であるが、被覆樹脂の溶剤への溶出が抑えられると考えられる。
β−ジケトン基が存在することにより、上述した多価イオンによる橋渡しも阻害されていると考えられる。
さらに、被覆樹脂が水溶性有機溶剤に溶出してしまうと、たとえばインクジェット記録装置のノズル部に残ったインクの水が揮発して、ノズル部に樹脂膜が形成され、それがノズル詰まりの原因になると考えられる。しかし、本発明のインクによれば、被覆樹脂の溶出が抑制されるので、インクの水分が蒸発した場合でもインクの固化が防止されて、流動性を維持することができる。さらに、このインクでは、水分が蒸発した後のインクに新たなインクを混合したときの着色剤の再分散性が良好である。したがって、ノズル部に水蒸発後のインクが残っていても、印刷が再開されたときには、直ちに良好な印刷を行うことができ、印刷安定性に優れている。
インクに含まれる着色剤(固形分)の配合量は、0.1〜25重量%程度であることが好ましく、1〜20重量%であることがより好ましく、5〜15重量%であることが一層好ましい。
次に、インクの水溶性有機溶剤としては、室温で液体であり、水に溶解可能な有機化合物が用いられる。たとえば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、2−メチル−2−プロパノール等の低級アルコール類;エチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類;グリセリン;アセチン類(モノアセチン、ジアセチン、トリアセチン);トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;トリエタノールアミン、スルホランを用いることができる。平均分子量200、300、400、600等の平均分子量が190〜630の範囲にあるポリエチレングリコール、平均分子量400等の平均分子量が200〜600の範囲にあるジオール型ポリプロピレングリコール、平均分子量300、700等の平均分子量が250〜800の範囲にあるトリオール型ポリプロピレングリコール、等の低分子量ポリアルキレングリコールを用いることもできる。これらの水溶性有機溶剤は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
なかでも、本発明では多価アルコールの低級アルキルエーテル等の低極性有機溶剤を使用することが好ましく、特にグリコールエーテル類を使用することが好ましい。特に好ましくは、たとえば、エチレングルコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、またはジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルから選ばれるものが好ましいものとして挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
水溶性有機溶剤は、インク中に、15〜40重量%程度含まれることが好ましい。
水は、インク中に、30〜80重量%程度含まれることが好ましい。水としては、イオン交換水、蒸留水などの純水、または超純水を使用することが好ましい。
インクの粘度は、吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において1〜30mPa・sであることが好ましく、5〜15mPa・sであることがより好ましく、約10mPa・s程度であることが、インクジェット記録装置用として適している。ここで粘度は、23℃において0.1Pa/sの速度で剪断応力を0Paから増加させたときの10Paにおける値を表す。
インクには、必要に応じて、本発明の目的を阻害しない範囲内で、当該分野において通常用いられている各種添加剤を含ませることができる。
具体的には、顔料分散剤、消泡剤、表面張力低下剤等として、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、または高分子系、シリコーン系、フッ素系の界面活性剤をインクに含有させることができる。
インクの粘度を調整するために、インクに電解質を配合することもできる。電解質としては、たとえば、硫酸ナトリウム、リン酸水素カリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸カリウム、ホウ酸ナトリウムが挙げられ、2種以上を併用してもよい。硫酸、硝酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン等も、インクの増粘助剤として用いることができる。
酸化防止剤を配合することにより、インク成分の酸化を防止し、インクの保存安定性を向上させることができる。酸化防止剤としては、たとえば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、イソアスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムを用いることができる。
防腐剤を配合することにより、インクの腐敗を防止して保存安定性を向上させることができる。防腐剤としては、たとえば、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾロン系防腐剤;ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン等のトリアジン系防腐剤;2−ピリジンチオールナトリウム−1−オキシド、8−オキシキノリン等のピリジン・キノリン系防腐剤;ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム等のジチオカルバメート系防腐剤;2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン等の有機臭素系防腐剤;p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、サリチル酸を用いることができる。
次に、本発明に係る印刷物は、上記の本発明のインクを用いてインクジェット記録法により印刷されたものである。インクジェットプリンタは、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよく、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドから本発明に係るインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を記録媒体に付着させるようにする。
以下に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、「重量%」を単に「%」、「重量部」を単に「部」と記す。
<高分子化合物の合成>
表1〜表2に示したモノマー混合物と、4級化剤または中和剤とを用いて、以下のように共重合を行い、高分子化合物P1〜P15を製造した。使用した試薬は、下記のとおりである。
(1)モノマー(A)
AAEM:アセトアセトキシエチルメタクリレート:CH=C(CH)COOCHCHOCOCHCOCH
(2)モノマー(B)
DMAEMA:メタクリル酸ジメチルアミノエチル:CH=C(CH)COOCHCHN(CH
DEAEMA:メタクリル酸ジエチルアミノエチル:CH=C(CH)COOCHCHN(CHCH
DMAPMA:ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド:CH=C(CH)CONHCHCHCHN(CH
(3)モノマー(C)
Y−9936:γ−トリエトキシシリルプロピルメタクリレート:CH=C(CH)COOCHCHCHSi(OCHCH
KBE−403:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(4)その他の重合性モノマー
BzMA:ベンジルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
t−BAEM:t−ブチルアミノエチルメタクリレート
(5)4級化剤
DMS:硫酸ジメチル
BzCl:ベンジルクロライド
Figure 0005055022
Figure 0005055022
(高分子化合物の合成法1)
4つ口フラスコに、表1に示された高分子化合物構成モノマー合計100部、メチルエチルケトン(MEK)50部、エタノール50部、および重合開始剤(AIBN)1部を入れた。室温で、窒素流量100ml/分で30分間窒素をバブリングし、液中の溶存酸素を窒素に置換した。続いて、系を75℃に加熱し、重合を開始した。重合開始から3.5時間後に、未反応モノマーを減少させるため、重合開始剤(V−65)を0.5部、およびMEKを10部添加した。重合開始から4時間後にMEK 30部を添加し、重合反応を終了させた。
反応系を70℃に保ちながら、4級化剤であるDMSまたはBzClとエタノール50部の混合液を、約30分かけて滴下し、滴下後1時間反応させて、得られた高分子化合物の3級アミノ基の4級アンモニウム化を行った(アミンと4級化剤のモル比は約1:1)。
P12以外の高分子化合物は、この合成法1により合成した(ただし、P8では4級化剤を使用しなかった)。
(高分子化合物の合成法2)
上記合成法1と同様にして重合反応を行ったのち、重合反応終了後に中和剤である硫酸を4.37部添加して、得られた高分子化合物の3級アミノ基の中和を行った(アミンと中和剤のモル比は約1:1)。高分子化合物P12は、この合成法2により合成した。
<着色剤(顔料複合体)の調製法1>
液中乾燥法により、表1の高分子化合物を使用して、着色剤の分散体を次のように調製した。
ロッキングミル(セイワ技研製、RM−05)に、得られた高分子化合物(固形分)2部、顔料(カーボンブラック、デグサ製「S160」)4部、MEK 5部、エタノール5部、蒸留水20部を加え、ビーズ(直径0.5mm)100部を用いて、67.50Hzで1時間分散させた。続いて、得られた分散体を冷却し、攪拌しながら、超音波ホモジナイザー(SONIC&MATERIALS、INC.製、VC750)を用いて超音波を照射した。
次いで、エバポレータを用いて、加熱および減圧をしながら分散体の有機溶剤の脱溶剤を行い、着色剤を含む水分散体(固形分15.4%)を得た。
<着色剤(顔料複合体)の調製法2>
表2のモノマーと4級化剤を使用して、着色剤の分散体を次のように調製した。
顔料200部とモノマー(C)であるKBE−403(信越シリコーン製)を、MEK 500部およびエタノール500部に混合し、70℃で12時間反応させて、顔料を前処理した。一方、表2に示された高分子化合物構成モノマーのうち、モノマー(C)を除いたものを用い、合成法1と同様にして、中間高分子化合物を製造した。前処理をした顔料と中間高分子化合物を混合し、70℃で4時間反応させた。続いて、水を1000部追加し、着色剤の調製法1と同様に超音波を照射したのち、脱溶剤を行って、着色剤を含む水分散体を得た。
<インクの調製>
得られた着色剤を用いて、以下の組成でインクを調製した。
着色剤(固形分):12.75部(顔料8.5部および高分子化合物(P1〜P15)4.25部を含む。)
グリセリン:10部
トリエチレングリコールモノブチルエーテル:20部
界面活性剤(アセチレングリコールエチレンオキサイド、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社製「サーフィノール465」):2部
水:55.25部
<実施例および比較例>
上記の配合で、着色剤を変更して、表1〜表2に示す実施例および比較例のインクを調製した。
<特性評価>
(1)高分子化合物の分子量
得られた高分子化合物の重量平均分子量の測定を、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)法により次のように行った。高分子化合物を室温で乾燥させ、溶媒を除去することによって単離し、標準物質:ポリスチレン、溶媒:20mMのリチウムブロマイド含有ジメチルホルムアミド、流速:0.8ml/分の条件で、検出器 RIDを用い、GPCにより高分子化合物の重量平均分子量を測定した。測定器は株式会社島津製作所製を用い、カラムはショウデックス(shodex、昭和電工株式会社)GPC KD−804とKD−805を連結して使用した。
(2)高分子化合物の耐溶剤性
合成した高分子化合物を105℃で乾燥したのち、固形状態の高分子化合物10部を採取して、トリエチレングリコールモノブチルエーテル100部に浸漬した。70℃環境下で12時間放置したのち、溶剤を0.05ml採取し、上述のGPCによって高分子化合物の溶出の有無を調べた。
高分子化合物の溶出がないものをA、すべて溶出したものをC、一部溶出したものをBとして評価した。
(3)インクの貯蔵安定性
密閉容器内でインクを70℃で4週間放置したのち、着色剤(顔料複合体)の粘度を測定した。粘度は、レオメーター(HAKE製「レオストレスRS75」)を用いて測定した。粘度変化率が10%以内のものをA、ゲル化により測定不可能のものをC、測定は可能であるが変化率が10%を超えるものをBとして評価した。
(4)インクの水蒸発後の流動性
インクを室温45℃、湿度30%の環境下に1週間、開放放置した後、インクの流動性を評価した。流動性があり、粘度が1P・s以下であるものをA、流動性はあるが、粘度が1P・sを超えるものをB、ゲル化し、流動性がまったくないものをCとして評価した。
(5)インクの吐出性
ノズル口径が25μmで記録解像度が300dpiであるピエゾ型インクジェット記録ヘッドを使用し、インクの吐出性能を調べた。
室温23℃、湿度50%の環境下において、インクがフレッシュな状態で吐出を行い、その後、インクを充填したまま1時間放置した。記録ヘッドのクリーニング動作を行うことなく、再び吐出を行ってその様子を観察し、以下の基準で評価した。
A:フレッシュなインクを吐出したとき、ノズル抜けがなく(不吐出ノズルがなく)1ドット目から吐出可能である。放置後もノズル抜けが発生することなく吐出できる。
B:フレッシュなインクを吐出したとき、ノズル抜けがなく1ドット目から吐出可能である。放置後、ノズル抜けが数本発生する。
C:フレッシュなインクを吐出したとき、はじめから不吐出ノズルが存在する。
得られた結果を、表1〜表2に併せて示す。
上記実施例のインクにみるように、本発明によれば、水溶性有機溶剤として低極性のエーテル系有機溶剤を使用した場合でも、顔料の分散安定性が向上し、その結果、貯蔵安定性、吐出性が良好なインクを提供することができる。

Claims (7)

  1. 顔料、前記顔料を被覆する高分子化合物、水溶性有機溶剤、および水を含むインクジェット用水系インクであって、
    前記高分子化合物が、β−ジケトン基と3級アミノ基または4級アンモニウム基アルコキシシリル基とを有し、かつ、シロキサン結合による架橋構造を含むことを特徴とする、インクジェット用水系インク。
  2. 顔料、前記顔料を被覆する高分子化合物、水溶性有機溶剤、および水を含むインクジェット用水系インクであって、前記高分子化合物が、
    (A)β−ジケトン基含有モノマー、
    (B)3級アミノ基または4級アンモニウム基含有モノマー、および
    (C)アルコキシシリル基含有モノマー、
    を含むモノマーを反応させて得られる共重合体であることを特徴とする、インクジェット用水系インク。
  3. 全モノマー中、(A)が5〜40重量%、(B)が5〜30重量%、および(C)が0.1〜30重量%の範囲内でそれぞれ含まれている、請求項2記載のインクジェット用水系インク。
  4. 前記水溶性有機溶剤が、多価アルコールの炭素数1〜4の低級アルキルエーテルである、請求項1〜3のいずれか1項記載のインクジェット用水系インク。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載のインクジェット用水系インクを用いて印刷された印刷物。
  6. β−ジケトン基と、3級アミノ基または4級アンモニウム基と、アルコキシシリル基とを含む高分子化合物で顔料が被覆されてなる着色剤。
  7. 前記高分子化合物が、(A)β−ジケトン基含有モノマー、(B)3級アミノ基または4級アンモニウム基含有モノマー、および(C)アルコキシシリル基含有モノマー、を含むモノマーを反応させて得られる共重合体である、請求項6記載の着色剤。
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