JP5636580B2 - インクジェットインク用水性顔料分散液およびインクジェット用水性顔料インク - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットインク用の着色剤としての水性顔料分散液、およびその水性顔料分散液を使用してなるインクジェットプリンタ用インクに関する。詳しくは、顔料分散液およびインクの長期保存安定性、プリンタヘッドからのインクの吐出安定性、印字品質などに優れたインクジェット用水性顔料分散液およびそれを使用したインクの提供に関する。
インクジェットプリンタは、その高機能化により、個人用、事務用、業務用、記録用、カラー表示用、カラー写真用などと、その用途が多岐に亙ってきている。また、顔料インキにおいては、顔料の鮮明性、色の冴え、色濃度などの向上を図るため、インク中の顔料粒子の微細化が進んでいる。その一方で、プリンタの装置の改良による高速化および高画質化に対応するため、吐出液滴(インク液滴)の微小化も進んでいる。これらの改良は、インクジェット用の加工紙、特に写真紙、ワイドフォーマット用紙などに対しては優れた高画質をもたらしたが、普通紙と呼ばれる非加工紙に印字した場合には、インク滴が用紙の紙繊維中に浸透し、その結果、印字の色の濃さ、すなわち、発色性が低下してしまうという別の問題が生じている。
そこで普通紙への印刷において、水性顔料分散液インクの多くは主に紙への浸透性を抑えることで、紙表面に対するインクの濡れを抑え、紙表面近くにインク滴をとどめることで印字濃度を向上する検討がなされ、実用化されている。
例えば、一方が親水性の高い部位からなり、他方が疎水性の高い部位からなるグラフトやブロックポリマーを用いて顔料をカプセル化し、疎水性の強い部位を顔料表面に吸着させ、顔料を被覆化することで、顔料の紙への浸透を防ぎ、紙の表面に存在しやすくし、その一方で、親水性の高い部位が分散媒体へ親和し伸びた形態をとるようにすることで、静電および立体障害斥力によりインクの保存性を図る試みがされている(特許文献1−3参照)。
特開2008−231130号公報 特開2009−149912号公報 特開2004−51971号公報
インクジェットプリンタの近年の高品質化に伴い、同時にインクのさらなる高品質性が要求されている。本発明は、これらの要求に応えた、長期保存安定性、インクジェットヘッドからのインクの吐出安定性に優れ、更に普通紙において高発色性を有する印字品質の優れたインクジェット用水性顔料分散液およびそれを使用したインクを提供することを目的とする。
また、下記の問題を解決したインクの提供を目的とする。インクジェット用インク用途とした場合、その中に含まれる乾燥防止や目詰まり防止のための界面活性剤やグリコール系溶剤は、水性顔料分散液およびインク中の分散剤を、カプセル化した顔料あるいは分散剤が吸着している顔料から吸脱着させやすくする性質がある。これにより分散液およびインクの保存安定性が低下し、あるいは印刷時には紙への浸透性が高まり、印刷濃度が低下してしまうという問題を生じるが、この問題を解決することを目的とする。
本発明態様により、以下のものが提供される。
1.表面を高分子分散剤で被覆した顔料と、水系有機溶剤と、アルカリ剤とを含む水性顔料分散液において、
顔料と高分子分散剤との含有比率(顔料/ブロックポリマーの質量比)が50/50〜95/5であり、
上記高分子分散剤が、メタクリレート系の疎水性ポリマーブロックと、少なくとも30〜5質量%のメタクリル酸を含む親水性ポリマーブロックとからなるブロックポリマーであり、該ブロックポリマーの分散度PDIおよび該ブロックポリマーを構成する疎水性ポリマーブロックのPDIがいずれも1.5以下であり、
さらに、上記ブロックポリマーの数平均分子量をMnab、該ブロックポリマーを構成する疎水性ポリマーブロックの数平均分子量をMna、該ブロックポリマーを構成する親水性ポリマーブロックの数平均分子量をMnb(Mnb=Mnab−Mna)とした場合に、(1)〜(4)の要件をすべて満たすことを特徴とするインクジェット用水性顔料分散液。
(1)2,000≦Mna≦10,000
(2)1,500≦Mnb≦10,000
(3)5,000≦Mnab≦20,000
(4)Mna≧Mnb、または、Mna<Mnb≦2Mna
2.前記疎水性ポリマーブロックの構成成分として、少なくともメチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロへキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソブチルメタクリレートからなる群から選択される1種を含み、且つ、前記親水性ポリマーブロックの構成成分として、さらに2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含む上記1に記載のインクジェット用水性顔料分散液。
3.前記親水性ポリマーブロックの酸価が50〜250mgKOH/gであり、且つ、前記ブロックポリマーの酸価が20〜150mgKOH/gである上記1または2に記載のインクジェット用水性顔料分散液。
4.前記表面を高分子分散剤で被覆した顔料と前記高分子分散剤との含有比率が、60/40〜90/10であり、且つ、該顔料の、水性顔料分散液100質量%中における含有割合が、30〜5質量%である上記1〜3のいずれかに記載のインクジェット用水性顔料分散液。
5.前記顔料が、カラーインデックスナンバー(C.I.)ピグメントブルー−15:3、15:4;C.I.ピグメントレッド−122、269;C.I.ピグメントバイオレット−19;C.I.ピグメントイエロ−74、155、180;C.I.ピグメントグリーン−36;C.I.ピグメントオレンジ−43;C.I.ピグメントブラック−7からなる群から選択された1種を含み、且つ、前記顔料の平均1次粒子径が150nm以下である上記1〜4のいずれかに記載のインクジェット用水性顔料分散液。
6.前記水系有機溶剤が、水と水溶性有機溶剤の混合物であり、該混合物中の水の割合が81〜73質量%であり、且つ、上記水溶性有機溶剤が、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン、プロピレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンからなる群から選択された少なくとも1種を含む上記1〜5のいずれかに記載のインクジェット用水性顔料分散液。
7.前記表面を高分子分散剤で被覆した顔料が、少なくとも、高分子分散剤と、顔料と、水系有機溶剤とを混合し水中に分散した後、酸を添加して得た高分子分散剤被覆顔料である上記1〜6のいずれかに記載のインクジェット用水性顔料分散液。
8.上記1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット用水性顔料分散液を含有してなり、インク中の顔料の含有量が4〜10質量%であることを特徴とするインクジェット用水性顔料インク。
9.さらに、界面活性剤を0.1〜2質量%含有してなる上記8に記載のインクジェット用水性顔料インク。
本発明によって、長期保存安定性に優れ、インクジェットヘッドからのインクの吐出安定性に優れ、普通紙において高発色性を有する印字品質の優れたインクジェット用水性顔料分散液、およびそれを使用したインクジェット用インクを提供することができる。
更に詳しくは、本発明の特徴は、疎水性ブロック(以下、Aブロックという場合がある)および親水性ブロック(以下、Bブロックという場合がある)からなる高分子分散剤(以下、A−Bブロックポリマーという場合がある)の使用に関する。該ポリマーのPDIを小さく制御し、分子量を調整してなる構造とした高分子分散剤を顔料に被覆化させることで、これまで以上に親水/疎水部位が明確かつ精密な構造を作ることにより、様々なインク特性効果が得られる。即ち、Aブロックの疎水性が、例えば調製時に添加される界面活性剤や浸透剤と分散剤との吸着脱着を抑え、強固に顔料表面を被覆する。一方、Bブロックの親水性が低酸価でも十分な親水性を示すことで顔料自体の分散媒体への親和性を高め、顔料同士の凝集を抑制し、低酸価であるため紙への定着時に紙への浸透を抑える。更に遊離する分散剤を抑制、且つ顔料に被覆化せず遊離した分散剤も、水性媒体に対してAブロックが内側に収縮し球状形態をとりBブロックが伸びた形態のポリマーミセルを形成することで、インクジェットヘッドからのインクの吐出安定性に優れる顔料分散液が得られる。そして、このような水性顔料分散液を使用することによって、長期保存安定性に優れ、普通紙への浸透性を適度に抑制し、高発色性を有するインクジェット用インクを提供する。
以下に好ましい実施形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
[高分子分散剤]
本発明で用いる高分子分散剤は、メタクリレート系の疎水性ポリマーブロックと、少なくとも30〜5質量%のメタクリル酸を含む親水性ポリマーブロックとからなるブロックポリマー(以下、A−Bブロックポリマーとして説明する)である。ここでA、Bはそれぞれ1種以上の付加重合性モノマーからなるポリマーブロックである。Aブロックは、疎水性モノマーからなるポリマーブロックであり、Bブロックは、少なくとも酸基としてカルボキシル基を有するモノマーを包含する親水性のポリマーブロックである。また、本発明で用いるA−Bブロックポリマーは、メタクリレート系モノマーで構成されるメタクリレート系ポリマーである。メタクリレート系モノマーを重合した場合、従来のラジカル重合では、本発明で規定するブロックポリマーのように構造が制御され、且つPDIの狭いポリマーを得ることは出来なかった。近年、リビングラジカル重合方法が発明され、PDIが狭く(分散度が小さい)、A−Bブロックポリマーのような構造を制御することができるようになった。
本発明で用いるA−Bブロックポリマーを得る方法は特に限定されないが、その構造を所定の状態になるように制御する必要がある。例えば、銅やルテニウムなどの金属錯体を触媒として、有機ハロゲン化物を開始化合物として、その酸化還元から行なう原子移動ラジカル重合法、ニトロキサイドの−N−O・ラジカルが移動するニトロキサイド法、ジチオカルボン酸エステルなどを使用する可逆的付加解裂連鎖移動重合法、ヨウ素移動重合法、有機テルルや有機ビスマスを使用する方法、コバルト系化合物を触媒とする付加解裂型連鎖移動重合法などを使用することができる。
次に、本発明で用いるA−Bブロックポリマーを構成する、A、Bの各ポリマーブロックの顔料分散における作用について説明する。疎水性のAブロックが顔料表面に吸着し、一方で親水性のBブロックが水や水溶性有機溶剤を含む水溶液(以下、水系媒体という。)に溶解することで安定な分散系が成立する。詳細には、Aブロックは、水系媒体に不溶なポリマーブロックであるため、Aブロックは、水系媒体中で顔料疎水表面に吸着、堆積、被覆化し、さらには、水系媒体中でもAブロックは溶解しないため、顔料を被覆化した状態を保つ。また、顔料が被覆化されているので、印刷メディアが紙の場合には、紙への該顔料の浸透を防ぎ、紙の表面に顔料が存在しやすくなり、画像の発色性を高める。
一方、Bブロックは、カルボキシル基を有するポリマーブロックであって、そのカルボキシル基をアルカリ剤にて中和、イオン化することにより、水系媒体に溶解することができる。これによりBブロックは、イオン化されて電気的反発と立体障害の効果を発揮し保存安定性を高め、顔料粒子の凝集や沈降を防止するものである。加えて、Bのポリマーブロックは、添加する界面活性剤との相溶性を高め、凝集などを起こさず、また、溶解している樹脂であるため、皮膜成分として働き、バインダーの作用を施す。また、印刷メディアが紙の場合例えば、紙に存在するカルシウム原子と親和して、紙への浸透を防止し、発色性を高める。
A−Bブロックポリマーの構成に関し、それぞれ説明する。
(Aポリマーブロック)
Aブロックは、メタクリレート系モノマーで構成される水系媒体に不溶な疎水性ポリマーブロックである。この疎水性ポリマーブロックが顔料表面に吸着することで、顔料を被覆化する。好ましい形態として、以下のものが挙げられる。Aブロックを構成するモノマー成分としては、少なくともメチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロへキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソブチルメタクリレートからなる群から選択される1種構成成分を含むことが好ましい。また、Aポリマーブロックの数平均分子量(以下、Mnaと略す)は2,000≦Mna≦10,000であり、且つ、そのPDIは1.5以下である。
更に好ましくは、Aブロックの構成成分には、上記に挙げたメタクリレート系モノマー以外に、その機能を損なわない範囲で顔料親和性成分が含有されていてもよい。該顔料親和性成分としては、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを使用することができる。顔料親和性成分を使用した場合、カルボキシル基、水酸基が導入され、有機顔料との水素結合による吸着を施すので好ましい。更に、水への溶解性を付与できるような、ポリエチレングリコール系のモノマーやスルホン酸、メタクリル酸以外のカルボキシル基含有モノマーなどの使用も好ましい。しかしながら、これらの添加量は極力少なくする必要があり、Bブロックを構成するメタクリル酸を含む酸成分の総量よりも少なくする必要がある。この要件を具備することを条件として、上記成分の総量は、Aブロック構成モノマー100質量%中に、30質量%以下、より好ましくは20質量%以下とすることができる。メタクリル酸を添加する場合であれば0〜20質量%、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを添加する場合であれば0〜30質量%、使用可能である。上記成分の総量が多いと、水性媒体への溶解性が高まり被覆化した分散剤が脱離してしまい、保存性が低下してしまうという課題がある。
また、上述の通り、Aブロックの数平均分子量(Mna)は、2,000≦Mna≦10,000である。Mnaが2,000未満であると、顔料の吸着性や被覆性が弱く、水系媒体に溶解してしまう可能性があり、一方、Mnaが10,000よりも大きい場合、分子量が大きすぎて、多粒子間で吸着してしまい、微分散が得られない可能性がある。
(Bポリマーブロック)
Bブロックは、少なくとも30〜5質量%のメタクリル酸を含む親水性ポリマーブロックであり、酸成分としてメタクリル酸を構成成分とすることを特徴とする。また、Bポリマーブロックの数平均分子量(以下、Mnbと略す)は、1,500≦Mnb≦10,000であり、且つ、PDIは1.5以下である。
本発明で用いるA−Bブロックポリマーは、Bブロックの構成成分として、カルボキシル基(酸基)を有するモノマーを導入することによって、該カルボキシル基を中和し、イオン化することにより、A−Bブロックポリマーを水系溶媒に可溶性のものとする(以下、「水可溶性」という場合がある)。この際、カルボキシル基を有するアクリルモノマーの中から、例えば、酸性が強いとされるアクリル酸を使用した場合は、水可溶性としての効果はあるがPDI制御が困難になる。ブロックポリマーを重合するに際し、疎水性のAブロックを先に重合した後に、親水性のBブロックを重合することによって、より効果的にPDIを制御することができる。このためには、Bブロックの酸成分としてメタクリル酸を使用することが最も有効である。この結果、ポリマーのPDIが狭くなり、ブロック効率がよくなって、本発明の有用な効果が得られる。
Bのポリマーブロックの酸価としては、50〜250mgKOH/gであることが好ましい。この酸価が50mgKOH/g未満だと、分散安定性や吐出安定性が低下してしまう可能性がある。一方、酸価が250mgKOH/gを超えると、水系媒体への溶解性が向上し、顔料からブロックポリマーが脱離し、遊離樹脂となり、さらには、ポリマーミセルから通常の水溶性ポリマーとなり、水性顔料分散液の粘度が高くなる傾向にあるので好ましくない。
更に、Bブロックは、上記した酸価になるように、メタクリル酸と、他のメタクリレート系モノマーとを共重合させて調整される。他のメタクリレート系モノマーとしては、従来公知のものが使用される。この際に使用できるモノマーとしては、例えば、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどの脂肪族、脂環式アルキルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有メタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基含有メタクリレートなど、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレートなどのグリコール系メタクリレートなど各種挙げられ、1種以上使用することができる。これらのモノマーは、Bブロックの強い親水性の制御補助をしたり、紙のグルコース単位の水酸基と親和性を出し、紙への発色を向上させたりするのに非常に有用である。
Bブロックを構成するモノマー組成の特に好ましい例としては、Bブロックを構成するモノマー100質量%中に、メタクリル酸5〜30質量%、メチルメタクリレート70〜95質量%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート0〜30質量%である。上記構成によって得られたBポリマーブロックは、強い親水性を有する、本発明の効果が得られるものになる。
Bブロックの数平均分子量(Mnb)は、A−Bブロックポリマー全体の数平均分子量(以下、Mnabと略す)からAブロックの数平均分子量(Mna)を引いたもので表される(Mnb=Mnab−Mna)。上記Mnbは1,500≦Mnb≦10,000であり、好ましくは2,000≦Mnb≦5,000である。さらに、そのPDIが1.5以下であることを要する。Mnbが10,000よりも大きいと、親水性のBブロックの性質が強くなり、ポリマーミセルから通常の水溶性ポリマーの形態を採り、これによって顔料分散体の粘度が高くなったり、分子鎖の絡み合いによる凝集が起ったり、吐出安定性が損なわれたりする。また、Mnbが1,500よりも小さいと、十分な水溶性が得られず分散不良が生じてしまう。また、MnbはMnaより低分子量または同じ分子量であるか、または、MnaよりMnbが高分子量である場合は、Mnbは、Mnaの2倍以下であることを要す。MnbがMnaの2倍以上の分子量になると、Bブロックの親水性が強くなり顔料吸着力より水系媒体へ溶解する力が強くなり、A−Bブロックポリマーが顔料から溶解し顔料同士が凝集したりするといった問題が生じる。
(A−Bブロックポリマー)
本発明に用いるA−Bブロックポリマーは、Aブロックを生成後、そのAを取り出して精製した後、Bブロックを構成するモノマーを重合してもよいが、Aブロック生成後、精製せずにBを構成するモノマーを添加して重合して得てもよい。すなわち、いずれの場合も、AブロックにはBブロックを構成するモノマーは導入されない。しかし、Aブロックを精製しない後者の場合は、Bブロックに、Aのモノマーが導入されることになるが、前記したBのポリマー構成となる範囲で調整されればよく、どちらも好ましい様態である。
A−Bブロックポリマーは、その全体の数平均分子量(Mnab)が5,000≦Mnab≦20,000であること要し、そのPDIが1.5以下であることを要する。また、全体酸価が20〜150mgKOH/gであることが好ましい。分散剤として機能するA−Bブロックポリマーの数平均分子量(Mnab)が20,000より大きいと、分子鎖の絡み合いによる凝集や、増粘化し、更に吐出安定性などが悪くなってしまう可能性がある。一方、Mnabが5,000より小さいと顔料表面への被覆化や水系媒体への親和性を発揮できない可能性がある。
従って、本発明において、高分子分散剤として用いるブロックポリマーは、その数平均分子量をMnab、該ブロックポリマーを構成する疎水性ポリマーブロックの数平均分子量をMna、該ブロックポリマーを構成する親水性ポリマーブロックの数平均分子量をMnb(Mnb=Mnab−Mna)とした場合に、(1)〜(4)の要件をすべて満たすことを特徴とする。
(1)2,000≦Mna≦10,000
(2)1,500≦Mnb≦10,000
(3)5,000≦Mnab≦20,000
(4)Mna≧Mnb、または、Mna<Mnb≦2Mna
また、上記PDIが、1.5より大きい場合、大きい分子量と小さい分子量のばらつきと同時に、親水性と疎水性セグメントのバランス制御が難しく、水系媒体に対する溶解性などに問題が生じる。また、例えば低分子量あるいは親水性が高いポリマーからの溶解を生じ、遊離樹脂が生じることにより顔料粒子の凝集を生じるなど、粘度増加あるいは粒子変化が生じる可能性がある。従って分子量が揃っていることが好ましい。このためより好ましくは、1.45以下である。
酸価は、A−Bブロックポリマー全体で20〜150mgKOH/gが好ましい。上記酸価が20mgKOH/g未満だと水系媒体への溶解性が悪く、保存安定性が低下する場合がある。また、酸価が150mgKOH/gを超えると、耐水性が悪いインクとなり、また紙への浸透が起こりやすくなり、発色性が低下する場合があり好ましくない。
上記A−Bブロックポリマーは、溶液重合で得られることが好ましく、更にその使用される溶剤は従来公知のものが使用される。好ましくは、水溶性の有機溶剤がよい。これは、本発明のA−Bブロックポリマーをアルカリ剤にて中和して水溶液化するものであるが、その際に水と混和できる溶剤であるからである。その溶剤は特に限定されない。
[アルカリ剤]
本発明の顔料分散液を構成するアルカリ剤は、上記ブロックポリマーからなる高分子分散剤を、水系媒体に可溶化するために使用する。使用するアルカリ剤としては、特に限定されないが、例えば、アンモニア、第一級、第二級もしくは第三級の有機アミン(塩基性含窒素複素環化合物を含む)および水酸化アルカリ金属からなる群から選ばれる化合物が好適に使用できる。
[顔料]
本発明の顔料分散液に使用される顔料としては、従来使用されてきた有機顔料、無機顔料などを、1種またはそれ以上、従来技術と同様に使用される。例えば、カーボンブラック顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾ系顔料などが挙げられる。また、その使用量は水性顔料分散液100質量%中に、5〜30質量%含有することが好ましい。
さらに詳細には、発色性、分散性、耐候性の観点から、以下のものが好ましい。例えば、C.I.ピグメントブルー−15:3、15:4、C.I.ピグメントレッド−122、269、C.I.ピグメントバイオレット−19、C.I.ピグメントイエロ−74、155、180、C.I.ピグメントグリーン−36、C.I.ピグメントオレンジ−43、C.I.ピグメントブラック−7が挙げられる。さらに、これらの平均一次粒子径が150nm未満であることが好ましい。
なお、ここで言う平均一次粒子径とは、所定の分散工程を経た分散液の作成時に得られる粒子径である。光学濃度および彩度というインクの発色性と印字品質、あるいはインク中の顔料の沈降性から、平均一次粒子径は150nm未満であることが好ましい。該粒子径が150nm以上では、インクの発色性と印字品質が低下し、また顔料が沈降しやすく分散液の保存性が悪くなる場合がある。
[水系有機溶剤]
本発明で使用する水系有機溶剤は、水溶性有機溶剤が好ましい。例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン、プロピレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの水系有機溶剤は、インクジェットのヘッドの乾燥を防止するためのものであり、本発明において必須の要件である。その量は、水性顔料分散液100質量%に対して、5質量%以上20質量%以下で含有することが好ましい。5質量%未満では顔料の乾燥が生じやすく、20質量%を超えると紙への浸透を高め、またにじみが生じやすくなり、印刷品質が低下する。
[分散処理]
本発明の顔料分散液を製造するのに際して、その分散処理は、前分散と本分散に分けて行うのが好ましい。より好ましくは、高い分散安定性や高性能を得るために、まず、前分散にて顔料とアルカリ剤で中和された高分子分散剤と水と有機溶剤とを使用して、従来公知の方法で顔料を分散する。次いで、後述する方法により、顔料粒子表面に高分子分散剤を析出させ、Aブロックで顔料粒子を被覆化することが好ましい。前分散による水性顔料分散液の状態では、Aブロックに親和する有機溶剤が存在するために、高分子分散剤のBブロックは水へ親和性がある状態であるので、顔料から脱離してしまい、従来の水性顔料分散液と同様である。
上記表面を高分子分散剤で被覆した顔料(以下、高分子分散処理顔料という場合がある)における顔料と高分子分散剤との含有比率(顔料/ブロックポリマーの質量比)は50/50〜95/5である。より好ましくは、60/40〜90/10、さらには、70/30〜90/10とするとよい。顔料に対する高分子分散剤の量が60%以上と多いと顔料に吸着できずに遊離する樹脂が増え、印刷濃度を低下させる恐れがある。また5%より少ない場合は、粒子1個に対するポリマー鎖が少なくなり、分散安定性が確保できない場合がある。
また、高分子分散剤処理顔料の水性顔料分散液100質量%に対する割合は35〜5質量%が好ましい。35質量%より多い場合は水溶液自体の顔料の密度が高く粘度が高くなり凝集を生じやすい。5質量%より少ない場合はインク作成時に顔料濃度が低くなり高い印刷濃度を得ることができない場合がある。
[被覆化]
次に、詳細に顔料粒子上に高分子分散剤を被覆化する析出工程について説明する。顔料とアルカリ剤で中和された高分子分散剤と水と有機溶剤を使用して、従来公知の方法で顔料を分散して得た水性顔料分散液をそのまま、または水で顔料分を10質量%以下に希釈し、若しくは必要に応じて所望の顔料分になるように、中和された高分子分散剤を追加する。次いで、高分子分散剤を構成しているカルボキシル基等の酸基はアルカリで中和されイオン化して水に溶解しているので、これに酸を添加することで、顔料粒子上で水に不溶化させて、高分子分散剤を堆積させることができる。この際に使用する酸は、特に限定されないが、例えば、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸、酢酸、プロピオン酸、トルエンスルホン酸などの有機酸が使用できる。酸はそのまま添加してもよいが、好ましくは10質量%以下の水溶液として、若しくは水系有機溶剤との分散液として使用される。また、酸添加以外に、水に不溶化させ高分子分散剤を堆積する方法として、例えば、少なくとも高分子分散剤と、顔料との混練物を、該高分子分散剤の貧溶媒に添加しても得ることができる。この際に使用される貧溶媒としては、特に限定されないが、例えば、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒が使用できる。
前記分散による水性顔料分散液を水で希釈して、従来公知の方法で攪拌しながら、特に好ましくは、ディゾルバーなどの高速攪拌可能な攪拌機を使用して、徐々に酸を添加する。酸の添加量は高分子分散剤のBブロックを中和しているアルカリと等モル以上、さらに好ましくは1.1倍モル以上である。
酸の添加によって顔料粒子上に高分子分散剤を析出させた後、析出物をろ過する。析出後、必要に応じて加温して析出粒子を凝集させてろ過しやすくしてもよい。このろ過で析出物に付着しているイオン物質や有機溶剤を十分に除去することが好ましい。
ろ過して得られた水ペーストは、乾燥・粉砕して次の工程に使用してもよいが、好ましくは水ペーストのまま使用することがよい。水ペーストのまま使用することで、乾燥による高分子分散剤の融着がなく、粉砕の必要がなく、顔料の粒子径も分散時のままであるからである。
本分散を行う分散機には、下記に挙げるようなものが使用できる。例えば、ニーダー、二本ロール、三本ロール、ミラクルKCK(浅田鉄鋼株式会社、商品名)といった混練機や、超音波分散機や、高圧ホモジナイザーである、マイクロフルイダイザー(みずほ工業株式会社、商品名)、ナノマイザー(吉田機械興業株式会社、商品名)、スターバースト(スギノマシン株式会社、商品名)、G−スマッシャー(リックス株式会社、商品名)などである。また、ガラスやジルコンなどのビーズメディアを使用したものでは、ボールミル、サンドミルや横型メディアミル分散機、コロイドミルなどが使用できる。
本発明において、望ましい顔料の分散粒子径は、光学濃度および彩度というインクの発色性と印字品質あるいはインク中の顔料の沈降を考慮すると、分散平均粒子径で150nm以下である。所望の粒度分布を有する顔料の分散体を得るために、分散機の粉砕メディアのサイズを小さくする、粉砕メディアの充填率を大きくする、また、処理時間を長くする、吐出速度を遅くする、粉砕後フィルターや遠心分離機などで分級するなどの手法が用いられる。または、それらの手法の組み合わせが挙げられる。さらには使用する顔料の一次粒子径を従来公知の方法、例えば、ソルトミリング法により事前に細かく調整した顔料を使用する手法を用いることができる。
本発明による水性顔料分散液をインクジェット用水性顔料インクに用いる場合、顔料としての添加量は、インク100質量%中に、0.5〜30質量%が好ましいが、さらに4〜10質量%が好ましい。0.5質量%未満の添加量では、印字濃度が確保できなくなり、また、30質量%を超える添加量では、インクの粘度増加や粘度特性に構造粘性が生じ、インクジェットヘッドからのインクの吐出安定性が悪くなる傾向になる。
また、本発明のインクジェット用水性顔料インクには、更に、顔料の分散性、分散安定性、経時でのインク保存安定性を向上させるために界面活性剤、有機溶剤および保湿剤などを用いる。例えば、インクの表面張力が20mN/m以上40mN/m以下の範囲であることがインクジェットで印字するドット径を最適な幅に広げるという観点から好ましい。よって、少なくとも界面活性剤を添加して、インクの表面張力が上記の範囲となるようにすることが好ましい。該界面活性剤としては、下記に挙げるような、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤を使用することができる。アニオン系界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリール硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステル塩などが挙げられる。非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル、脂肪酸ジエタノールジアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコール類、アセチレングリコール類などが挙げられる。カチオン系界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩などが挙げられ、両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アミンオキサイドなどが挙げられる。その添加量は、多すぎると顔料の分散安定性を損なうことがあるため、好ましくは、インク100質量%中に、0.01質量%〜5質量%であり、より好ましくは0.1質量%〜2質量%である。
合成例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、文中「部」または「%」とあるのは質量基準である。
[合成例1]高分子分散剤−1(A−Bブロックポリマー)の合成
(Aポリマーブロックの合成)
攪拌機、逆流コンデンサー、温度計および窒素導入管を取り付けた1リッターセパラブルフラスコの反応装置に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(以下、ジグライムと称す)295.68部、ヨウ素3.03部、アゾビス(メトキシジメチルバレロニトリル)(以下、V−70と略す)14.8部、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(以下、BHTと略す)0.66部、シクロヘキシルメタクリレート(以下、CHMAと略す)176.4部を添加して、窒素を流しながら40℃に加温し、6.5時間重合しAポリマーブロックを得た。不揮発分から換算した重合転化率は85%であり、数平均分子量(Mna)は4,000、PDIは1.37であった。
(A−Bブロックポリマーの合成)
上記反応溶液にメチルメタクリレート(以下、MMAと略す)75部、メタクリル酸(以下、MAAと略す)25.8部、V−70を0.45部の混合物を添加し、4.5時間重合させた。サンプリングして不揮発分から換算した重合率は97.6%であり、ほとんどのモノマーが重合していることが確認された。このBポリマーブロックはAポリマーブロックの構成モノマーで重合しなかったCHMAを含むものであって、組成としては前記収率より質量換算するとMMA/MAA/CHMA=59/20/21であるものである。得られたA−Bブロックポリマーの数平均分子量(Mnab)は6,200であり、PDIは1.41であった。酸価は61.3mgKOH/gであった。Bポリマーブロックの数平均分子量(Mnb)の算出値は2,200である。また、Bポリマーブロックの酸価は、137mgKOH/gであった。
次に、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(以下、BDGと略す)147.8部を添加し、水酸化ナトリウム18.5部、および水129.3部の混合液を添加して中和させた。溶液は透明であり、析出は全くなかった。次いで、50℃で2時間反応させ、ポリマー末端のヨウ素を分解した。固形分は34.4%であった。以上のようにして高分子分散剤−1を得た。
この高分子分散剤−1を10倍の水で希釈したところ、殆ど透明であるが、青い微分散液となり、該分散剤はポリマーミセルとなって分散しているものと考えられる。
[比較合成例1]ランダムポリマー高分子分散剤の合成
合成例1と同様の装置を使用して、ジグライム278部を仕込んで75℃に加温した。次いで、別容器にMMAを76部、MAAを25.8部、CHMAを176.4部およびアゾビスイソブチロニトリルを1.8部混合均一化したモノマー溶液を用意した。次いで、反応容器にモノマー混合液の1/2を添加し、残りのモノマー混合液を2時間で滴下し、4時間重合させた。この溶液をサンプリングし、不揮発分から換算した重合率は98%であって、殆どのモノマーが反応していることが確認された。また、GPCで測定したところ、数平均分子量は6,000であり、PDIは1.95であった。
次いで、ポリマー中のカルボキシル基を当量中和する量の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、純水を加え固形分を40%に調整し、透明の高分子分散剤溶液を得ることができた。以上のように得た樹脂を比較高分子分散剤−1とする。
この比較高分子分散剤−1を10倍の水で希釈したところ、前述の高分子分散剤−1は青い微分散液となったが、比較高分子分散剤−1は透明に溶解した。これは、比較高分子分散剤−1は従来のランダムコポリマーであるため、分子量や構造が制御されておらず、親水性のカルボキシル基がランダムに配列している。そのため、高分子分散剤が均一に水に溶解するものとなり、溶解したと考えられる。
[実施例1]赤色水性顔料分散液の作成
合成例1で得た高分子分散剤−1(固形分40%)と顔料、溶剤および水を表1の組み合わせで配合し、ディスパーで解膠してミルベース−1を調製し、横型媒体分散機「ダイノミル0.6リットルECM型」(商品名シンマルエンタープライゼス社製、ジルコニア製ビーズ 径0.5mm)を使用し、周速10m/sで分散処理を行った。2時間分散したところで分散を終了した。
Figure 0005636580
得られたミルベース−1を800部に対して、顔料分5%となるようイオン交換水3,200部を加え、攪拌しながら5%酢酸を滴下して顔料分散液を析出させた。このとき初期のpHは9.5であり、酸を添加することでpH4.5まで下げた。次いで、この水性顔料分散液をろ過して、イオン交換水でよく洗浄し、高分子分散剤被覆顔料ペースト(固形分30.5%)を得た。
次に、この顔料ペースト700部にBDG37.46部、水酸化ナトリウム1.15部を水10部に溶解したものを添加して攪拌して邂逅させた。次いで、上記の横型メディア分散機にて所定時間再度分散させた。さらに超高圧ホモジナイザー「マイクロフルイダイザー」(マイクロフルイディクス社製)を用いて150MPaで3パスして分散した。
この分散液を遠心分離処理(7,500回転、20分間)し、その顔料溶液を、10μmのメンブレンフィルターでろ過し、イオン交換水で調整して顔料濃度が14%である赤色水性顔料分散液1とした。この顔料分散液を粒度測定器「NICOMP 380ZLS−S」(パーティクルサイジングシステム PSS社製)で平均粒子径を測定したところ、平均粒子径が108nm、粘度は2.22mPa・sであった。これを70℃で一週間保存したところ、粒子径および粘度に変化は見られず保存安定性は良好であった。
[比較例1〜4]比較赤色水性顔料分散液1〜4の作成
実施例1の赤色水性顔料分散液1と同様に、顔料、高分子分散剤を表2に示す組み合わせで配合し、各ミルベース−2〜5を得た。得られた各ミルベースを用いて、実施例1と同様の分散・処理工程を経て、比較用赤色水性顔料分散液1〜4を得た。
Figure 0005636580
[使用例1]
次に、実施例1で得た赤色水性顔料分散液1を使い、該赤色水性顔料分散液40部に対し、BDGを1.8部、1,2−ヘキサンジオールを5部、グリセリンを10部、「サーフィノール465」(商品名 エア・プロダクツ社製)1部、水の混合液を60部加え、十分攪拌した。その後、ポアサイズ10ミクロンのメンブランフィルターで濾過を行い、赤色インクジェット用水性顔料インク1を得た。
[比較使用例1〜4]
使用例1と同様に、比較例1〜4で得た比較赤色水性顔料分散液1〜4を使い、表3の処方で調整しインクジェット用水性顔料インクを調製した。
Figure 0005636580
<インクの評価>
(分散安定性の評価)
各条件下で作成した顔料分散液を用いて先のようにして作製したインクジェット用水性顔料インクを、それぞれ70℃で7日放置したときの粘度変化および粒子径変化を表4に示した。分散安定性は、各水性顔料インクを70℃で7日放置したときの粘度および粒子径変化率(%)として示す。変化率は1−(測定日後の値)/(初期の値)の100分率(%)として示す。
(普通紙ODの評価)
普通紙としては米国Xerox社製Xerox4024紙を用いた。プリンタはセイコーエプソン株式会社製のインクジェットプリンタEM930Cを用い、普通紙はフォト720dpiでの印刷モードで印刷し、その印刷物を光学濃度(「マクベスRD−914」商品名、マクベス社製)測定を行い、各記録紙5回の平均値とした。結果を表4に示した。
Figure 0005636580
[評価基準]
以下、同様の試験結果においては同様の評価基準とする。
(粒子径)
◎:変化率±5%未満
○:変化率±5%以上10%未満
△:変化率±10%以上15%未満
×:変化率±15%以上
(粘度変化)
◎:粘度が低く、変化率±10%未満
○:粘度が高く、変化率±10%未満
△:粘度が低く、変化率±10%以上
×:粘度が高く、変化率±10%以上
表4から明らかなように、従来型のランダムポリマーによって処理した比較高分子分散剤−1を使用した比較例1の顔料分散液を用いた比較使用例1のインクは、増粒、増粘しゲル化した。これは界面活性剤と高分子分散剤との吸着脱着により、高分子分散剤が顔料から遊離し、顔料粒子同士の吸着によりゲルとなったと考えられる。また、比較高分子分散剤−1の処理量を増やした高分子分散剤被覆顔料を用いた比較例4の顔料分散液から作成した比較使用例4のインクは、ゲル化はしなかったが、増粒・増粘し、印刷濃度も低いものであった。これに対し、A−Bブロックポリマーの高分子分散剤を使用した実施例1の顔料分散液を用いて作成した使用例1のインクは、粒子径および粘度の経時変化が少なく、保存安定性が優れ、印刷濃度も比較使用例4より高いものであった。
一方、A−Bブロックポリマーであるが顔料に対する高分子分散剤の処理量が多い構成の比較使用例1のインクは、増粒、増粘し、印刷濃度も低いものであった。これは、顔料に対して高分子分散剤濃度が高すぎて、樹脂同士の絡み合いが生じ、顔料同士の凝集が生じ増粒、増粘したものと考えられる。また、顔料が紙に浸透しやすくなり表面に出にくいために、印刷濃度が低下したものである。また、比較使用例2のインクの場合は、高分子分散剤量が少ないためゲル化が生じ、保存性を確保できなかった。
[合成例2〜4、参考合成例5
合成例1と同様にして、分子量、酸価、およびモノマー成分を変えたA−Bブロックポリマーである高分子分散剤−2〜5を作成した。表5にまとめて記載する。
Figure 0005636580
[比較合成例2〜6、参考合成例1]
合成例1と同様にして、分子量、酸価、およびモノマー成分を変えたA−Bブロックポリマーである比較高分子分散剤−2〜6を作成し、表6に記載する。
Figure 0005636580
Figure 0005636580
表5および表6における略語の意味は下記の通りである。
(1)MMA:メチルメタクリレート
(2)MAA:メタクリル酸
(3)BzMA:ベンジルメタクリレート
(4)CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
(5)HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
(6)IBXMA:イソボルニルメタクリレート
(7)IBMA:イソブチルメタクリレート
(8)(A):Aブロック未反応モノマー
[使用例2〜、比較使用例5〜9、参考使用例
顔料、高分子分散剤を表7に示す組み合わせで配合し、実施例1と同様にして顔料分散液を得た。さらに、得られた各顔料分散液を用いて、使用例1と同様にして使用例2〜の、インクジェット用赤色水性顔料インク2〜、比較使用例5〜9および参考使用例の各インクを得た。
Figure 0005636580
<インクの評価>
使用例2〜4、参考使用例5および比較使用例5〜9の各インクにおける、保存安定性、印刷試験の結果を表8に示した。
Figure 0005636580
表8から明らかなように、Bポリマーブロックの酸価が低くAポリマーブロックに顔料親和性のモノマーを適度に含むことで印刷濃度は高くなった。これは、より顔料に親和性を保つ一方で、普通紙に印刷された直後に酸価が低いため紙への親和性が低く、紙へ浸透し難くなり印刷濃度が高くなったものである。さらにBポリマーブロックの数平均分子量が高い高分子分散体5から作成した使用例5のインクは、普通紙に印刷後上記効果に加え、Bポリマーブロックが塗膜を形成すること紙への浸透を抑制し印刷濃度がさらに高くなったものである。
一方、比較使用例5のインクは、使用した高分子分散剤の総酸価が低いため、インク媒体への親和性が乏しく分散液を作成することが出来なかった。一方、比較使用例6のインクは、高分子分散剤の酸価が高すぎてインク中の媒体への親和性が強まり、顔料表面から分散剤が遊離し、増粒増粘し保存性が低下した。
比較使用例7のインクは、使用したA−Bブロックポリマーの分子量が5,000以下と小さく、A−Bブロックポリマーのそれぞれの特性効果を十分発揮できず、増粒増粘した。
比較使用例8のインクは、使用した高分子分散剤を構成しているBポリマーブロックの分子量が、Aポリマーブロックより大きすぎるため、比較使用例7と同様にインク中の媒体への親和性が強まり、顔料表面から分散剤が遊離し、増粒増粘し、保存性が低下した。
比較使用例9のインクは、使用したA−BブロックポリマーのPDIが広いため、意図した高分子分散剤が得られず、インクとした際の保存安定性および印刷品質を確保できなかった。
以上のように、本発明で規定するA−Bブロックポリマーからなる高分子分散剤の組成に対する効果が確認された。
次に、顔料、高分子分散剤を表9に示す組み合わせで配合し、実施例1と同様の方法で、分散・処理工程を経て各赤色水性顔料分散液を作成した。さらに、その分散液を用いて、使用例1と同様のインク組成および方法で、赤色水性顔料インク−6、赤色水性顔料インク−7および比較赤色水性顔料インク−10、比較赤色水性顔料インク−11を得た。
Figure 0005636580
上記で得たそれぞれの赤色インクジェット用水性顔料インクについて、保存安定性、印刷試験の評価結果を表10に示示した。
Figure 0005636580
表10の結果より、顔料にC.I.ピグメントレッド−122を用いた赤色水性顔料インクと同様、顔料をC.I.ピグメントバイオレット−19およびC.I.ピグメントレッド−269に変更した水性顔料インクにおいても、ランダムポリマー高分子分散剤を用いた比較使用例のインクは、いずれもゲル化あるいは増粒増粘し保存性が悪く、印刷濃度も低いものであった。これに対してA−Bブロックポリマーを高分子分散剤として用いた実施例の顔料分散液を用いた使用例のインクは、保存性が良好で印刷濃度は高いものであった。
次に、顔料、高分子分散剤を表11に示す組み合わせで配合し、実施例1と同様の方法で、分散・処理工程を経て各顔料分散液を作成した。
Figure 0005636580
また上記各色水性顔料分散液を、使用例1と同様のインク組成で、黒、黄、緑、橙色の色彩の異なるインクジェット用水性顔料インクを調製した。その際、青色インクに関しては、顔料分散液を26.7部に、BDG1.8部、1,2−ヘキサンジオール5部、グリセリン15部、サーフィノール465を1部、水の混合液73.3部に変更し、それ以外は、使用例1と同様にして各インクを作成した。
上記のようにして得た各インクジェット用水性顔料インクの、保存安定性および印刷試験の結果を表12に示した。
Figure 0005636580
表12の結果より、赤色水性顔料インクと同様に、青、黒、黄、緑、橙色の各水性顔料インクにおいても、A−Bブロックポリマーを高分子分散剤とした実施例の顔料分散液を用いたインクは、保存性が良好で印刷濃度は高いもであった。一方、従来のランダムポリマーを高分子分散剤とした比較例の顔料分散液を用いたインクは、ゲル化あるいは増粒増粘し保存性が悪く、また印刷濃度も低いものであった。
以上のように、青、黒、黄、緑、橙色の本発明の各実施例となる水性顔料インクは、先に述べた赤色水性顔料インクと同様の効果が明らかで、本発明で規定する構成のインクは、長期保存安定性に優れ、普通紙上で濃度が良好で印字品質の優れていることがわかる。
本発明によれば、長期保存安定性に優れ、インクジェットヘッドからのインクの吐出安定性に優れ、普通紙において高発色性を有する印字品質の優れたインクジェット用水性顔料分散液、およびそれを使用したインクジェット用インクが得られる。

Claims (8)

  1. 高分子分散剤で被覆してなる顔料と、水系有機溶剤と、アルカリ剤とを含む、界面活性剤を含有するインクジェット用インクに用いるための水性顔料分散液において、顔料と高分子分散剤との含有比率(顔料/ブロックポリマーの質量比)が50/50〜95/5であり、
    上記高分子分散剤が、メタクリレート系の疎水性ポリマーブロックと、少なくとも30〜5質量%のメタクリル酸(MAA)を含む親水性ポリマーブロックとからなる、酸価が20〜150mgKOH/gのブロックポリマーであり、
    上記疎水性ポリマーブロックが、少なくともメチルメタクリレート(MMA)、ベンジルメタクリレート(BzMA)、シクロへキシルメタクリレート(CHMA)、イソボルニルメタクリレート(IBXMA)、イソブチルメタクリレート(IBMA)からなる群から選択される1種を含むモノマーを構成成分とするものであり、且つ、
    上記親水性ポリマーブロックの酸価が50〜250mgKOH/gのものであり、
    該ブロックポリマーの分散度(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn):以下、PDIと略)および該ブロックポリマーを構成する疎水性ポリマーブロックのPDIがいずれも1.5以下であり、
    さらに、上記ブロックポリマーの数平均分子量をMnab、該ブロックポリマーを構成する疎水性ポリマーブロックの数平均分子量をMna、該ブロックポリマーを構成する親水性ポリマーブロックの数平均分子量をMnb(Mnb=Mnab−Mna)とした場合に、(1)〜(4)の要件をすべて満たすことを特徴とするインクジェットインク用水性顔料分散液。
    (1)2,000≦Mna≦10,000
    (2)1,500≦Mnb≦10,000
    (3)5,000≦Mnab≦20,000
    (4)Mna≧Mnb、または、Mna<Mnb≦2Mna
  2. 前記疎水性ポリマーブロックの構成成分、シクロへキシルメタクリレート(CHMA)、イソボルニルメタクリレート(IBXMA)、イソブチルメタクリレート(IBMA)からなる群から選択される1種を含む請求項1に記載のインクジェットインク用水性顔料分散液。
  3. 前記水性ポリマーブロックの構成成分が、構成モノマー100質量%中に、20質量%以下の範囲で、さらに、メタクリル酸(MAA)または2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を含む請求項1または2に記載のインクジェットインク用水性顔料分散液。
  4. 前記含有比率が、60/40〜90/10であり、且つ、該顔料の、水性顔料分散液100質量%中における含有割合が、30〜5質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットインク用水性顔料分散液。
  5. 前記顔料が、カラーインデックスナンバー(C.I.)ピグメントブルー−15:3、15:4;C.I.ピグメントレッド−122、269;C.I.ピグメントバイオレット−19;C.I.ピグメントイエロ−74、155、180;C.I.ピグメントグリーン−36;C.I.ピグメントオレンジ−43;C.I.ピグメントブラック−7からなる群から選択された1種を含み、且つ、前記顔料の平均1次粒子径が150nm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットインク用水性顔料分散液。
  6. 前記水系有機溶剤が、水と水溶性有機溶剤の混合物であり、該混合物中の水の割合が81〜73質量%であり、且つ、上記水溶性有機溶剤が、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン、プロピレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンからなる群から選択された少なくとも1種を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェットインク用水性顔料分散液。
  7. 前記表面を高分子分散剤で被覆した顔料が、少なくとも、高分子分散剤と、顔料と、水系有機溶剤とを混合し水中に分散した後、酸を添加して得た高分子分散剤被覆顔料である請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェットインク用水性顔料分散液。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェットインク用水性顔料分散液を含有してなり、界面活性剤を0.1〜2質量%含有し、かつ、インク中の顔料の含有量が4〜10質量%であることを特徴とするインクジェット用水性顔料インク。
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