JP5054896B2 - カーボンナノウォールの処理方法、カーボンナノウォール、カーボンナノウォールデバイス - Google Patents

カーボンナノウォールの処理方法、カーボンナノウォール、カーボンナノウォールデバイス Download PDF

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Description

本発明はカーボンナノウォールの処理方法、カーボンナノウォール、カーボンナノウォールデバイスに関する。
近年、炭素六角網面を筒形状にしたカーボンナノチューブやカーボンナノホーンが知られている。更に、カーボンナノチューブに関連する技術として、炭素網に対してプラズマを用いたエッチングすることにより炭素網の先端を改質したカーボンナノチューブの製造方法が知られている(特許文献1)。
また、炭素六角網面を筒形状にしたカーボンナノチューブを用いたフィールドエミッタが知られている(特許文献2)。このものでは、窒化硼素、硼素化合物、窒素化合物からなる半導体層または絶縁層をカーボンナノチューブの上に形成する。また、カーボンナノチューブを目標に合わせて平らな表面に蒸着する目標蒸着方法が知られている(特許文献3)
また、カーボンナノホーンの集合体を分散させた分散液を基材上に供給し、分散液のみを除去することによりカーボンナノホーンの集合体を基板に配置し、その後、カーボンナノホーンの集合体の一部または全部を固定材料に被覆させてナノホーン担持体を形成する技術が知られている(特許文献4)。このものでは、カーボンナノホーンを固定する固定材料を酸素プラズマエッチングにより除去することにしている。
更に、カーボンナノチューブに硼素をドープしたカーボンフィラーが知られている(特許文献5)。
国際公開番号 WO01/062665 特開2002−203471号公報 特開2004−42253号公報 特開2003−261312号公報 特開2003−194970号公報
上記した特許文献1〜3、5は、炭素六角網面を筒形状にしたカーボンナノチューブの関連する技術である。特許文献4は、カーボンナノチューブに類似するカーボンナノホーンに関連する技術である。更に産業界では、ナノスケールを有する新規な構造を有するカーボンナノ構造物の開発が要請されている。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、ナノスケールを有する新規なカーボン構造物である新規なカーボンナノウォールを処理するカーボンナノウォールの処理方法、カーボンナノウォール、カーボンナノウォールデバイスを提供することを課題とする。
本発明者は、ナノスケールのカーボン構造物について研究した結果、カーボンが壁状に立体成長したナノスケール構造物であるカーボンナノウォール(CNW)を新規に開発した。カーボンナノウォールは、CVD(Chemical Vapor Deposition)法に基づいて形成することができる。本発明はカーボンナノウォールを用いたものである。
様相1の本発明に係るカーボンナノウォールの処理方法は、炭素六角網で形成されたグラフェンシートがこれの厚み方向に積層された且つ基体の表面に立壁状に形成された立体構造をもつカーボンナノウォールに対して、グラフェンシートのエッジ部が外部に露出する本数を形状処理前よりも増加させるように、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの一部である先端部の少なくとも一部を除去させる形状処理を行なうことを特徴とする(図2および図25参照)形状処理前において、カーボンナノウォールは、カーボンが壁状に立体成長したナノスケール構造物である。形状処理前の前記カーボンナノウォールは年輪状に形成される。カーボンナノウォールの壁は、グラフェンシート(炭素六角網面)を基材として形成されている。ここで、形状処理は、カーボンナノウォールの輪郭の少なくとも一部である先端部を変化させる処理をいう。このような形状処理は、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの一部である先端部を除去するため、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートのエッジ部を露出させたり、あるいは、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートを剥離させたりする。
様相1によれば、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの一部である先端部を除去するため、グラフェンシートのエッジ部を露出させたり、あるいは、カーボンナノウォールの形状を変化させたりできる。この場合、グラフェンシートのエッジ部が外部に露出する本数を形状処理前よりも増加させ、電子放出性が向上し、電子放出素子として有利である。
様相2の本発明に係るカーボンナノウォールの処理方法は、炭素六角網で形成されたグラフェンシートがこれの厚み方向に積層された立壁状の立体構造をもつカーボンナノウォールを基体の表面に立壁状に形成する工程と、基体の表面に立壁状に形成されたカーボンナノウォールの根元部を支持促進部で支持してカーボンナノウォールの支持性を高める工程と、支持促進部で支持性を高めた前記カーボンナノウォールに対して、グラフェンシートのエッジ部が外部に露出する本数を形状処理前よりも増加させるように、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの一部である先端部の少なくとも一部を除去する形状処理を行なう工程とを実施することを特徴とするものである。形状処理前の前記カーボンナノウォールは年輪状に形成される。これによりカーボンナノウォールを構成するグラフェンシートのエッジ部を露出させ、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートのエッジ部が外部に露出する本数を形状処理前よりも増加させる。この場合、電子放出性が向上し、電子放出素子として有利である。様相2によれば、カーボンナノウォールの根元部は支持促進部で支持されているため、基体に対するカーボンナノウォールの支持性を高めることができる。
様相3の本発明に係るカーボンナノウォールは、炭素六角網で形成されたグラフェンシートがこれの厚み方向に積層され且つ基体の表面に設けられた立壁状の立体構造をもつカーボンナノウォールであって、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの一部である先端部が除去され、グラフェンシートのエッジ部が外部に露出する本数が形状処理前よりも増加させるようにグラフェンシートが形状処理されていることを特徴とするものである。形状処理により、グラフェンシートのエッジ部を露出させる。この場合、グラフェンシートのエッジ部が外部に露出する本数が形状処理前よりも増加され、電子放出性が向上し、電子放出素子として有利である。形状処理前の前記カーボンナノウォールは年輪状に形成される。
に、電子放出性を更に向上させるべく、カーボンナノウォールの少なくとも先端部を構成するグラフェンシートを単層化または5層以下にすることができる。更に、カーボンナノウォールの根元部は支持促進部で支持されているため、基体に対するカーボンナノウォールの支持性を高めることができる
本発明によれば、ナノスケールを有する新規なカーボン構造物である新規なカーボンナノウォールを処理(グラフェンシートのエッジ部が外部に露出する本数を形状処理前よりも増加させる処理)するカーボンナノウォールの処理方法、カーボンナノウォール、カーボンナノウォールデバイスを提供することができる。
一般的には、カーボンナノウォールとは、炭素六角網で形成されたグラフェンシートがこれの厚み方向に積層された立壁状の立体構造をもつナノ構造体をいう。カーボンナノウォールは、一般的には、ガスをプラズマ化してラジカルを形成するラジカル注入プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、ラジカルを制御しつつカーボンを成長させることにより形成することができる。ラジカルは、活性化された分子または原子であり、一般的には、電荷をもたない。カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートに対して行われる形状処理としては、等方性が高いものでも、異方性が高いものでも良い。
本発明者らの試験結果等に基づけば、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートは、基板等の基体の表面に立つ方向に延設されているものと考えられる。ここで、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの積層構造は、推察できるものの、ナノレベルであるため、その全部の構造の確定は必ずしも容易ではない。従って、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの積層構造としては、図1等に模式的に示すように、グラフェンシートが積層しつつ年輪状に成長している第1概念形態である。その他に、図28に模式的に示すように、グラフェンシートのエッジ部を露出させつつ、カーボンナノウォールの厚み方向にグラフェンシートが積層されている第2概念形態が概念的に推察されるが本発明の範囲には含まれない。なお、図26および図27はカーボンナノウォールの透過型電子顕微鏡写真(TEM)を示す。これによれば、グラフェンシートが年輪状に成長していることが推察される
ーボンナノウォールを構成するグラフェンシートは、基板等の基体の表面に立つ方向に延設されているものと考えられる。
本発明に係る形状処理の等方処理性が高いときには、図1に示す概念形態のように、カーボンナノウォール構成するグラフェンシートを剥離させるのに有利となる。また、形状処理の異方処理性が高いときには、エッジ部を露出させる概念形態になりやすい。更にエッジ部を露出させると、図2(B)に示すように、グラフェンシートのエッジ部が外部に露出する本数が形状処理前よりも増加される。
本発明に係る形状処理としてはエッチング処理が挙げられる。エッチング処理としては、エッチングガスを用いるドライエッチング処理である形態を例示することができる。ドライエッチング処理はプラズマを用いて行うプラズマエッチングを例示することができる。この場合、エッチングガスがプラズマ化し、活性種(イオンおよび/またはラジカル)を生成する。この場合、イオン及びラジカルの双方によるエッチング、イオンを排除しラジカルによるエッチング、イオンによるエッチングを例示できる。ラジカルを主として用いるときには、損傷性が少なく、ソフトエッチングとなり易い。イオンによるエッチは異方性、損傷性が比較的大きい。ラジカルとしては、酸素ラジカル、フッ素ラジカル、塩素ラジカル、水素ラジカル、塩素ラジカル、水酸基ラジカル等を例示できる。プラズマエッチングで用いられるエッチングガスとしてはハロゲンを含有するガスを例示できる。フッ素系ガス(F、CF、CHF、C、SF、NF、CCl、CClF)、塩素系ガス(Cl、CCl、CCl、CClF)を例示できる。更に、酸化性ガス(O、O、O+CF、HO、H、NO、NO、NO)、水素系ガス(H、CH+H、C+H)、臭素系ガス(Br)、メタン系ガス(CH)、エタン系ガス(C)等を例示できる。プラズマエッチングによれば、イオンによるエッチングおよびラジカルによるエッチングを利用することができるが、イオンによるエッチングを主として利用する形態、ラジカルによるエッチングを主として利用する形態が挙げられる。
本発明に係る形状処理としては、例えば、低エネルギーのイオンビームや電子線照射によってグラフェンシートを剥離させても良い。上記工程に反応性ガスやラジカルを導入して処理しても良い。更に、本発明に係る形状処理として、ワイヤ状等の金属を加熱し、その熱でガスを解離させてプラズマを生成してラジカルを生成できるエッチングを採用できる。このとき、プラズマを用いない形態でも良い。例えばワイヤ状の金属を加熱し、熱あるいは触媒効果でガスを解離して生成されるラジカルを用いても良い。この場合、Oラジカル、Hラジカル、OHラジカル、Fラジカル、Clラジカル、Oラジカル等が例示される。エッチング中の基板温度は適宜選択できる。この場合、酸素雰囲気で行えば、酸素ラジカルを生成できる。
更に、エッチングとして、放電プラズマ状態に更に基板側を負の電位に設定する反応性イオンエッチングを用いることもできる。この場合、イオンは基板側に垂直に近い状態に引き寄せられてエッチングが行われる。更に、減圧された容器内のガスに外部からマイクロ波を与えるマイクロ波プラズマ反応性イオンエッチングを用いても良い。また、カーボンナノウォールを有する基板をメッシュ状の電極の外に配置することによりカーボンナノウォールをプラズマ領域の外にセットした状態で、電極に負の電位をかけ、プラズマ領域からイオンを取り出して主としてイオンによるエッチングを行う反応性イオンビームエッチングを用いることもできる。この場合、イオンが基板に垂直に入射し易いため、垂直エッチング性が高まり、異方性エッチングとなりやすい。または、プラズマによって生成されるイオンを中和し、エネルギーを得た中性粒子のビームプロセスを用いても良い。この場合、Oビーム、Oビーム、Hビーム、Hビーム、OHビーム、Fビーム、Clビーム等が例示される。なお、本発明に係る形状処理としては、減圧酸素雰囲気においてカーボンナノウォールを部分的に酸化させる処理を併用しても良い。この場合、例えば、50〜800℃、殊に100〜600℃、300〜500℃にカーボンナノウォールを加熱することができる。また本発明に係る形状処理としては、溶液を用いてウェットエッチングとしてもよい。
本発明によれば、基板等の基体が設けられており、炭素六角網で形成されたグラフェンシートがこれの厚み方向に積層された立壁状の立体構造をもつカーボンナノウォールは基体に表面に対して立つ方向に設けられている。基体はカーボンナノウォールを載せ得るものであれば良い。この場合、カーボンナノウォールの表面積を飛躍的に増加させることができる。カーボンナノウォールは良好な電子放出性を有するため、フィールドエミッションディスプレイ等の電子放出素子に適用できる。更に、カーボンナノウォールは大きな表面積を有するため、キャパシタ、触媒等の被担持物質を担持させる担体等に有利である。
本発明によれば、炭素六角網で形成されたグラフェンシートがこれの厚み方向に積層された立壁状の立体構造をもつように基体の表面に立壁状に形成する工程と、基体の表面に立壁状に形成されたカーボンナノウォールの根元部を支持促進部で支持してカーボンナノウォールの支持性を高める工程と、支持促進部で支持性を高めたカーボンナノウォールに対して、カーボンナノチューブを構成するグラフェンシートの一部である先端部を除去するエッチング処理等の形状処理を行い、グラフェンシートのエッジ部が外部に露出する本数を形状処理前よりも増加させる工程とを実施する形態を採用することができる。基体は形状、材質、構造が限定されるものではなく、要するに、カーボンナノウォールを支持できるものであれば良い。基体の形状としては板状、塊状を例示できる。基体の材質としてはシリコン、ガラス、金属、セラミックス、樹脂等を例示できる。
本発明によれば、カーボンナノウォールは、ヘテロ原子が含有されていないものでも良いし、ヘテロ原子が含有されているものでも良い。カーボンナノウォールは、ヘテロ原子が含有されていない状態においても、カーボン材料としての性質(導電性等)を有する。殊に、グラフェンシートが延設されている方向における良好な導電性が得られる。ヘテロ原子としてはn型不純物、p型不純物、あるいは、他の物質原子を例示することができる。従って、カーボンナノウォールはn型半導体領域および/またはp型半導体領域を有することができることが推察できる以下、推察できる事項を参考までに記載する。この場合、グラフェンシートを構成する炭素原子とヘテロ原子とが置換している形態でも良いし、あるいは、複数積層されているグラフェンシート間の界面にヘテロ原子が含有されている形態でも良い。n型半導体領域は、自由電子を形成するn型不純物がカーボンナノウォールにドープされて形成されている。p型半導体領域は、正孔を形成するp型不純物がカーボンナノウォールにドープされて形成されている。n型不純物としては窒素(n)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、リン(P)、フッ素(F)、酸素(O)が挙げられる。p型不純物としてはボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)が挙げられる。上記したように形成したn型半導体領域とp型半導体領域とにより、pn結合、pnp結合、npn結合を構成できる。また、白金やニッケルの原子を担持して触媒効果を持たせるか、シリコンを担持してヘテロデバイスとしても良い。
本発明によれば、ヘテロ原子と炭素源とを含む原料ガスをプラズマCVD法により、ヘテロ原子が含有されているカーボンナノウォールを製造する形態を採用することができる。この場合、グラフェンシートを構成する炭素原子とヘテロ原子とが置換している形態でも良いし、あるいは、複数積層されているグラフェンシート間の界面にヘテロ原子が含有されている形態でも良い。前述したように、ヘテロ原子としてはn型不純物、p型不純物である形態、あるいは、他の物質原子を例示することができる。プラズマCVD法としては、ラジカルを用いるプラズマCVD法が好ましい。カーボンナノウォールデバイスは、第1メイン電極および第2メイン電極と、第1メイン電極と第2メイン電極との間における電子伝導を制御する制御電極とを備えている形態を採用することができる。第1メイン電極はソース電極であり、第2メイン電極はドレイン電極であり、制御電極はゲート電極である形態を例示することができる。
本発明の実施例1について説明する。本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(i)カーボンナノウォールの製造
図3はプラズマCVD装置1を示す。プラズマCVD装置1は、基板2を収容するチャンバー室10を有する容器11と、チャンバー室10に繋がる第1導入管12と、チャンバー室10に繋がる石英管で形成された第2導入管13と、マッチングネットワーク(Matching Network)を有する容量型のプラズマ発生源14(13.56MHz)と、第2導入管13側に配置された高周波出力装置15(RF Power)と、第1導入管12に巻回されたコイルを有するマッチングネットワーク(Matching Network)をもつ誘導型のプラズマ発生源16と、真空ポンプに繋がる吸引路17とを備える。チャンバー室10は、基板2に平行な平板電極18と、平板電極18に対向する電極兼用のヒータ19とを備える。平板電極18と基板2との間の距離は調整可能とされている。
カーボンナノウォールの製造にあたり、まず、チャンバー室10を高真空状態に維持しつつ基板2をヒータ19で加熱する。その状態において、マスフローコントローラにより、第1導入管12から炭化源原料ガスを所定流量導入すると共に、第2導入管13から水素ガスを所定流量導入する。このとき、高周波出力装置15に高周波電力(例えば13.56MHz、出力100W)を印加して、誘導型のプラズマ発生源16により誘導結合型のプラズマを発生させ、これにより水素プラズマを形成して水素ラジカルを生成する。この際、基板2にバイアス 電圧(低・高周波400kHz〜13.56MHz)を印加してバイアス電圧でイオンエネルギーを適宜制御する。
また、容量型のプラズマ発生源14により、平板電極18と基板2との間に容量結合型のプラズマを発生させ、これにより炭化源原料ガスに電子を衝突させて平板電極18間をプラズマ状態にし、ラジカルを生成する。炭化源原料ガスとしては、炭化水素ガス(CH等)、フルオロカーボンを含むガス(C、CF等)を例示できる。基体として機能する基板2としてはシリコン(Si)、シリコン酸化物(SiO)、ガラス、金属、カーボン等を例示できる。このようなラジカルを用いるプラズマCVD法により、複数のカーボンナノウォールが基板2の表面に立ち上がるように立壁状に形成される。カーボンナノウォールは、図1および図2に模式化したように、グラフェンシート(炭素六角網)が基板2(基体)の表面から立ち上がる方向に立壁状に延設されているものと推察されている。
カーボンナノウォールのサイズとしては、製造条件によっても相違するが、例えば、高さ(図1に示すh)が5ナノメートル〜8マイクロメートル、殊に20ナノメートル〜4マイクロメートルとすることができ、厚み(図1に示すt)が1ナノメートル〜1000ナノメートル、殊に3ナノメートル〜500ナノメートルとすることができる。カーボンナノウォールはアスペクト比(h/t)が大きい。プラズマCVD法における製造条件によっては、カーボンナノウォールのサイズを更に制御できる。なお、カーボンナノウォールを形成するにあたり、使用するプラズマCVD装置1としては図3に示すものに限定されるものではない。
(ii)プラズマエッチング
図4はドライエッチングで使用するプラズマエッチング装置6を示す。図4に示すように、プラズマエッチング装置6は、カーボンナノウォールを保持する基板2を収容するチャンバー室60をもつ容器61と、誘導結合型のプラズマ源62と、誘導結合型のプラズマ源62を介してチャンバー室60にエッチングガスを送る導管63とを有する。誘導結合型のプラズマ源62からカーボンナノウォールまでの距離Lは適宜調整できる。導管63から導入されたエッチングガスはプラズマ化し、活性種(イオンおよび/またはラジカル)を生成する。プラズマエッチングでは、電界の方向に応じて方向性をもって入射できるイオンによるエッチングと、化学的に活性なラジカルによるエッチングとを期待することができる。このようなエッチングによりグラフェンシートのエッジ部が外部に露出する本数を形状処理前よりも増加させる。この場合、イオンによるエッチングは、カーボンナノウォールとの距離がかなり短いときには、カーボンナノウォールにダメージを与えるおそれがある。このため、等方性エッチングを期待するときには、主としてラジカルによるエッチングを行うことが好ましい。
(試験例1)
試験例1は前記した実施例1を具体化したものである。試験例1として、図3に示すプラズマCVD装置1を用い、シリコンで形成された基板2をチャンバー室10内に配置した状態で、基板2に対して平行な平板電極18間に、炭化源原料ガス(C)を第1導入管12から導入すると共に、水素ガスを第2導入管13から導入した。この場合、基板2をヒータ19により約500℃に加熱した。平板電極18と基板2との間の距離は5センチメートルであり、プラズマ発生源14の出力電力は、13.56MHz、100Wとし、容量結合型のプラズマを平板電極18と基板2との間の発生させた。また、水素ガス(H)を第2導入管13に導入し、誘導型のプラズマ発生源16により、第2導入管13内に誘導結合型のプラズマを発生させた。この場合、高周波出力装置15の出力は、13.56MHz、400Wとした。水素ラジカルを生成させる部位は、第2導入管13(長さ200ミリメートル、内径26ミリメートル)である。
このようにラジカルを用いるプラズマCVD法により、カーボンナノウォールをシリコン製の基板2に堆積させた。また、炭化源原料ガスの流量は15sccmとし、水素ガス(H2)の流量は30sccmとした。チャンバー室10内の圧力は100mTorrとした。この系で8時間成長させたカーボンナノウォールは、高さが約1200〜1600ナノメートルであり、壁厚さは約10〜50ナノメートルであった。なお図11は成長時間とカーボンナノウォールの高さと厚みとの関係を示す。図11に示すように、成長時間が長くなれば、基板2の表面からのカーボンナノウォールの高さ(図1に示すh)は次第に増加している。ここで、成長時間が長くなっても、カーボンナノウォールの厚さ(図1に示すt)の増加は少なく、ほぼ一体厚さとなる。隣接するカーボンナノウォール間の間隔距離もほぼ一定となる。
更に、図4に示すプラズマエッチング装置6を用い、誘導結合型のプラズマ源62のコイルには、13.56MHz、出力100Wの高周波電力を与え、チャンバー室60内においてプラズマを発生させてプラズマエッチング(ドライエッチング処理)した。チャンバー室60の内圧力は100mTorrとした。基板2の温度は25℃とした。誘導結合型のプラズマ源62と基板2上のカーボンナノウォールとの間の距離L(図4参照)は10センチメートルとした。この際、基板2にバイアス電圧(例えば、低・高周波400kHz〜13.56MHz)を印加してバイアス電圧でイオンエネルギを適宜制御することが可能であるが、ラジカル主体でエッチングする場合には電圧を印加しないことが好ましい。
図5および図6は、プラズマエッチング処理前におけるカーボンナノウォールの試験片の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す。図5はプラズマエッチング処理前においてカーボンナノウォールの表面を示し、図6はプラズマエッチング処理前においてカーボンナノウォールの断面を示す。図5および図6に示すように、立壁状のカーボンナノウォールは花びら状に集合した状態で成長している。
図7および図8は、プラズマエッチング処理(15秒)後におけるカーボンナノウォールの試験片の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す。図7はカーボンナノウォールの表面を示し、図8はカーボンナノウォールの断面を示す。図7および図8に示すように、プラズマエッチング処理の経過に伴い、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの一部である先端部が除去されている図2(A)と図2(B)との比較から理解できるように、カーボンナノウォールのエッジ部のグラフェンシートのエッジ部が外部に露出する本数が増加しやすくなり、電子放出性を向上させることができ、電子放出素子として利用できる。またグラフェンシートのエッジ部のグラフェンシートのエッジ部が外部に露出する本数が増加しやすくなるため、担持サイトとして利用できる。従って、触媒等の被担持物質をカーボンナノウォールに担持させるのに有利となる。
図9および図10は、プラズマエッチング処理(30秒)後におけるカーボンナノウォールの試験片の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す。図9はカーボンナノウォールの表面を示し、図10はカーボンナノウォールの断面を示す。図9および図10に示すように、プラズマエッチング処理の経過に伴い、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの一部が除去される。このようにプラズマエッチング処理の経過に伴い、カーボンナノウォールは削られる。この場合、グラフェンシートのエッジ部は更に露出し易くなり、図2(A)(B)に示すように、グラフェンシートのエッジ部が外部に露出する本数は増加することができる
更に、プラズマエッチング時間とカーボンナノウォール(CNW)の厚みとの関係について試験した。この場合、カーボンナノウォールの厚みは、走査型電子顕微鏡観察(SEM)において目視により測定した。図12はこの測定結果を示す。図12に示すように、プラズマエッチング時間の経過に伴い、カーボンナノウォールの厚みが比例的に減少している。これによりカーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの剥離がプラズマエッチング時間の経過に伴い進行していることが推察される。
実施例2は実施例1と基本的には同様の構成である。従って実施例2を具体化した試験例2は試験例1と基本的には同様の構成である。試験例2においても試験例1の場合と同様に、プラズマCVD装置1により基板2上にカーボンナノウォールを形成し、その後、プラズマエッチング装置6により基板2上のカーボンナノウォールに対してプラズマエッチングした。但し、プラズマエッチング装置6において誘導結合型のプラズマ源62と基板2のカーボンナノウォールとを試験例1の場合よりも接近させ、両者間における距離L(図4参照)を約5センチメートルとした。この際、基板2にバイアス電圧(例えば低・高周波400kHz〜13.56MHz)を印加してバイアス電圧でイオンエネルギーを制御した。例えば、C−C結合エネルギー3.6eV程度以上のイオンエネルギにより一層毎のエッチングを行えるように剥離した。このようにプラズマ源62とカーボンナノウォールとの間の距離を近づけているため、プラズマエッチングの際、カーボンナノウォールにおけるイオンによるエッチングの度合が大きくなる。このため図2(B)に示すように、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートのエッジ部が露出しやすくなる。この場合、図2(A)と図2(B)との比較から理解できるように、グラフェンシートのエッジ部が外部に露出する本数は、エッチング前に比較して増加することができる
実施例3は、ヘテロ原子を含むカーボンナノウォールを用いる例を示す。ヘテロ原子を含むカーボンナノウォールの製造にあたり、図3に示すプラズマCVD装置1を用いることができる。この場合、炭化源原料ガスと、水素ガスと、ヘテロ原子を含有するガスとを用いる。ここで、ヘテロ原子を含有するガスを炭化源原料ガスに混入させても良い。あるいは、ヘテロ原子を含有するガスを水素ガスに混入させても良い。ヘテロ原子を含有するガスとしては、ヘテロ原子が窒素原子であるときには、窒素(N)ガスまたはアンモニアガス(NH)等を用いることができる。ヘテロ原子がボロン(B)原子であるときには、ジボランガス(B)、BF、BCl、BBr等を用いることができる。ヘテロ原子がリン(P)原子であるときには、ホスフィン(PH)、三塩化リン(PCl)、PF、PF、PCl等を用いることができる。ヘテロ原子がヒ素(As)原子であるときには、アルシン(AsH)、AsF、AsF、AsCl、AsCl等を用いることができる。ヘテロ原子を含むカーボンナノウォールは、ヘテロ原子を含まないカーボンナノウォールよりも、良好な電子放出特性を示すため、SiH等のガスあるいはプラズマ分解したSiHラジカルとスパッタによる原子で処理することで、フィールドエミッションディスプレイ、次世代LSI等の各種機器に使用することができる。本例においても、グラフェンシートのエッジ部が外部に露出する本数は、エッチング前に比較して増加することができる
(試験例3)
試験例3は実施例3を具体化したものであり、ヘテロ原子を含むカーボンナノウォールをプラズマエッチングする試験例である。試験例3は基本的には試験例1と同様である。試験例3として、図3に示すプラズマCVD装置1を用い、シリコンで形成された基板2をチャンバー室10内に配置した状態で、基板2と平板電極18との間に、炭化源原料ガス(C)を第1導入管12から導入する。この場合、基板2をヒータ19により約500℃に加熱した。平板電極18と基板2との間の距離は5センチメートルであり、プラズマ発生源14の出力電力は、13.56MHz、100Wとし、容量結合型のプラズマを平板電極18と基板2との間に発生させた。また、水素ガス(H)と窒素ガス(N)とを第2導入管13からチャンバー室10に導入し、高周波出力装置15により、第2導入管13内に誘導結合型プラズマを発生させた。この場合、高周波出力装置15の出力は、13.56MHz、400Wとした。水素ラジカル、窒素ラジカルを生成させる部位は第2導入管13内である。このようなラジカルを利用するプラズマCVD法により、窒素をドープしたカーボンナノウォールをシリコン製の基板2に堆積させた。
試験例3では、炭化源原料ガス(C)の流量は15sccmであり、水素ガス(H)の流量は30sccmであり、窒素ガス(N)の流量は30sccmとした。チャンバー室10内の圧力は100mTorrとした。この系で8時間成長させたカーボンナノウォールは、高さが約1200〜1600ナノメートルであり、壁厚さは約10〜50ナノメートルであった。図13は窒素をドープしたカーボンナノウォールの走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す。この場合においても、カーボンナノウォールは花びら状に形成されていた。
更に、窒素原子がドープされたカーボンナノウォールの試験片と、窒素原子がドープされていないカーボンナノウォールの試験片とについて電子放出特性をそれぞ測定した。この場合、カーボンナノウォールを基板に形成した試験片を真空容器内に設置し、排気装置により10−6Torrまで真空引きを行った。その後、基板に負のバイアスを印加し、負バイアス印加により基板のカーボンナノウォールから放出される電子をステンレス鋼(直径3ミリメートル)製の球形アノード電極により検出した。また、基板−電極間距離は500μmとし、印加バイアスを0〜5kVで変化させた。
図14は電子放出特性の測定結果を示す。図14の横軸は電極印加電圧を示し、縦軸は測定電流を示す。図14において、特性線A1は、窒素原子を含有するカーボンナノウォールの測定結果を示し、特性線A2は、窒素原子を含有しないカーボンナノウォールの測定結果を示す。このように窒素原子を含有するカーボンナノウォール、窒素原子を含有しないカーボンナノウォールの双方は、良好な電子放出特性を示す。殊に、特性線A1、A2との比較から理解できるように、窒素原子を含有しないカーボンナノウォールに比較して、窒素原子を含有するカーボンナノウォールは、急激な立ち上がりを示し、良好な電子放出特性を示す。このような急激な立ち上がりは、n型の半導体特性を示すものである。更に、試験例1と同様な条件で、窒素がドープされたカーボンナノウォールに対してプラズマエッチングを行った。この場合においても、エッチング処理の経過に伴い、カーボンナノウォールの厚みは減少していた。
[参考例1]
本例は、上記したカーボンナノウォールを搭載するデバイスを示す。
(1)図15は、プラズマエッチングしたカーボンナノウォールを搭載するDRAMスタクトキャパシタに適用した例を模式的に示す。図15に示すように、キャパシタ3は、導電性をもつ第1電極31および第2電極32と、第1電極31と第2電極32との挟まれた誘電物質相33とを備えている。第1電極31および第2電極32は伝導領域として機能する。第1電極31は蓄電電極であり、基板2に搭載されている。カーボンナノウォールは、上記したラジカルプラズマCVD法により、基体として機能する第1電極31の表面に立壁状に形成されている。第1電極31の表面に形成されているカーボンナノウォールの上に、薄膜状の誘電物質相33が積層されている。この場合、誘電物質相33としては、CVD法、PVD法(スパッタ法、イオンプレーティング法等)、メッキ法、ゾル−ゲル法等の成膜方法により、カーボンナノウォールの上に誘電物質を膜状に堆積させて形成できる。ここで、カーボンナノウォールは立体的な壁で形成されており、カーボンナノウォールの表面積が飛躍的に大きくされているため、カーボンナノウォールに積層された誘電物質相33が立体型となり、誘電物質相33の表面積が飛躍的に増加している。
誘電物質相33としては誘電性を有するものであり、無機系誘電物質、有機系誘電物質を例示できる。無機系誘電物質としては、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(Si)、アルミニウム酸化物(Al)、タンタル酸化物(Ta)、PZT(PbZrxTi1−x)、PLZT(Pb1−yLaZrTi1−x)、SBT(SrBiTa)等を例示できる。有機系誘電物質としてはポリイミド系、ポリアミド系、フッ素樹脂系等を例示できる。
第2電極32は、導電性を有する物質を基材として形成されており、例えば、ポリシリコン(導電物質含有)、金属、導電性窒化膜(ナイトライド)、導電性酸化膜(シリサイド)等を例示できる。金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、タングステン、モリブデン、チタン、コバルト、銅を例示でき、更に、酸素との親和力が小さいもの(例えばIr、Pt、Ru)を例示できる。導電性窒化膜としてはチタン窒化物(TiN)、タンタル窒化物(TaN)等が例示される。導電性酸化膜としてはイリジウム酸化物(IrO)、ルテニウム酸化物(RuO)等が例示される。
前記したキャパシタ3によれば、第1電極31に形成されているカーボンナノウォールは、第1電極31の表面に複数の壁が立壁状に立体的に成長しており、大きな表面積を有する。このため、カーボンナノウォールに積層されている誘電物質相33も立体的となり、表面積も大きくされている。更に、第2電極32のうち少なくともカーボンナノウォールに対面する側は立体的となる。キャパシタ3の容量は基本的には誘電物質相33の面積に比例するため、キャパシタ3の容量が増加する。殊に、カーボンナノウォールはアスペクト比(h/t)が大きいため、キャパシタ3の容量を増加させるのに有利である。第1電極31に形成されているカーボンナノウォールとしては、窒素やボロン等のヘテロ原子をドープしたものでも良いし、あるいは、ヘテロ原子をドープしていないものでも良い。このキャパシタ3はスタック型のキャパシタ3を形成するのに有利となり、例えばDRAMに使用できる。
(2)図16および図17(参考例)は、プラズマエッチングしたカーボンナノウォール(CNW)を用いた縦型電流駆動デバイス(SIT)4の概念を模式的に示すものである。あくまでも概念図であり、細部まで規定するものではない。図16および図17に示すように、シリコンやガラス等で形成された基板40の表面に、カーボンナノウォールが立体壁状に生成されている。カーボンナノウォールを構成するように複数積層されたグラフェンシート100(炭素六角網)は、基板40の表面から立ち上がる方向に立壁状に延設されている。図16および図17に示すように、カーボンナノウォールは、第1メイン電極であるソース電極41と、第2メイン電極であるドレイン電極42と、ソース電極41とドレイン電極42との間における電子伝導を制御する制御電極であるゲート電極43とを備えている。図16に示すように、グラフェンシート100の延設方向に沿って、つまり、カーボンナノウォールの高さ方向に沿って、ソース電極41、ゲート電極43、ドレイン電極42が配置されている。
この場合、カーボンナノウォールに窒素(n型不純物)をドープすることによりカーボンナノウォールの全体をn型領域とする工程と、n型とされたカーボンナノウォールの所定部位(ゲート電極43に対面するゲート領域)にボロン(p型不純物)をドープすることにより、カーボンナノウォールに部分的にp型領域を形成する工程と、ドレイン電極42をカーボンナノウォールのn型領域に搭載すると共に、ゲート電極43をカーボンナノウォールのp型領域に搭載するそれぞれカーボンナノウォールに搭載する工程とを含む方法により実施することができる。上記したようにn型とされたカーボンナノウォールの所定部位(ゲート電極43に対面するゲート領域)にボロン(p型不純物)をドープするにあたり、当該所定部位以外の部位に、レジスト膜等のマスキング材を被覆した状態で、ドープを行うことが好ましい。その後、マスキング材を除去することができる。
このデバイス4では、ゲート電極43への電圧印加により、ソース領域からドレイン領域に電子が矢印Y方向(基板40の表面に対して交差する方向)に流れる。この場合、電子が流れる方向(矢印Y方向)は、カーボンナノウォールが立っている方向、つまり、グラフェンシート100(炭素六角網)が延設されている方向であり、伝導性が良好である。このデバイス4によれば、カーボンナノウォールが基板4の表面に立壁状に立っているため、集積度を高めるのに有利である。
(3)図18および図19は、プラズマエッチングしたカーボンナノウォール(CNW)を用いた横型ロジックデバイス4Bの概念(参考例)を示す。あくまでも概念図であり、細部まで規定するものではない。図18に示すように、シリコン又はガラスで形成された基板40の表面に、カーボンナノウォールが立体壁状に生成されている。カーボンナノウォールを構成するように複数積層されたグラフェンシート100は、基板40の表面から立ち上がる方向に延設されている。図18および図19に示すように、カーボンナノウォールは、第1メイン電極であるソース電極41と、第2メイン電極であるドレイン電極42と、ソース電極41とドレイン42との間における電子伝導を制御する制御電極であるゲート電極43とを備えている。図18に示すように、グラフェンシート100の延設方向(矢印X方向)に沿って、ソース電極41、ゲート電極43、ドレイン電極42が配置されている。この場合、カーボンナノウォールにボロン(p型不純物)をドープすることによりカーボンナノウォールの全体をp型領域とする工程と、p型とされたカーボンナノウォールの所定部位(ソース電極41に対面するソース領域、ドレイン電極42に対面するドレイン領域)に窒素(n型不純物)をドープすることにより、カーボンナノウォールに部分的にn型領域を形成する工程と、ソース電極41およびドレイン電極42をカーボンナノウォールのn型領域に搭載すると共に、絶縁層45(SiO)を介してゲート電極43をカーボンナノウォールのp型領域に搭載する工程とを含む方法により実施することができる。
この場合、p型とされたカーボンナノウォールの所定部位(ソース電極41に対面するソース領域、ドレイン電極42に対面するドレイン領域)に窒素(n型不純物)をドープするにあたり、当該所定部位以外の部位に、レジスト膜等のマスキング材を被覆した状態で、ドープを行うことが好ましい。その後、マスキング材を除去することができる。
ゲート電極43への電圧印加により、ソース領域からドレイン領域に電子が矢印X方向(基板40の表面に沿った方向)に流れる。この場合、電子が流れる方向(矢印X方向)は、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシート100(炭素六角網)が延設されている方向であり、伝導性が良好である。このデバイスによれば、カーボンナノウォールが基板41の表面に立壁状に立っているため、集積度を高めるのに有利である。
(4)図20および図21(参考例)は、カーボンナノウォール(CNW)を用いた別の横型ロジックデバイス4Cを示す。図20に示すように、シリコン又はガラスで形成された基板4の表面40に、カーボンナノウォールが立体壁状に生成されている。カーボンナノウォールを構成するように複数積層されたグラフェンシート100は、基板4の表面40から立ち上がる方向に延設されている。図20および図21に示すように、カーボンナノウォールは、n型領域とされた部位401、402と、部位401、402間に位置するようにp型領域とされた部位403とを有する。カーボンナノウォールは、n型領域とされた部位401に形成された第1メイン電極であるソース電極41と、n型領域とされた部位402に形成された第2メイン電極であるドレイン電極42と、p型領域とされた部位403に形成されソース電極41とドレイン42との間における電子伝導を制御する制御電極であるゲート電極43とを備えている。ゲート電極43はソース電極41とドレイン42との間に位置している。図20に示すようにソース電極41、ドレイン42、ゲート電極43はカーボンナノウォールの側面49(グラフェンシートが延設されている面)に形成されており、カーボンナノウォールの裏側の側面49sにも延設されている。
この場合、カーボンナノウォールに窒素(n型不純物)をドープすることによりn型領域である部位401、402を形成するn型不純物ドープ工程と、カーボンナノウォールにボロン(p型不純物)をドープすることによりp型領域である部位403を形成するp型不純物ドープ工程と、n型領域である部位401にソース電極41を形成すると共にn型領域である部位402にドレイン電極42を搭載すると共に、p型領域である部位403に絶縁層45(SiO2)を介してゲート電極43を搭載する工程とを実施することにより形成できる。n型不純物ドープ工程とp型不純物ドープ工程との順番を逆にしても良い。
この場合、n型とされる部位401、402に窒素(n型不純物)をドープするにあたり、部位403にレジスト膜等のマスキング材を被覆した状態で、ドープを行うことが好ましい。その後、マスキング材を除去することができる。またp型とされる部位403にボロン(p型不純物)をドープするにあたり、部位401、402にレジスト膜等のマスキング材を被覆した状態で、ドープを行うことが好ましい。その後、マスキング材を除去することができる。カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの積層方向を、矢印K方向(図21)として示す。図20および図21において、ゲート電極43への電圧印加により、ソース領域からドレイン領域に電子が矢印X方向(基板4の表面に沿った方向)に流れる。この場合、電子が流れる方向(矢印X方向)は、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシート100(炭素六角網)が延設されている方向であり、伝導性が良好である。このデバイス4Cによれば、カーボンナノウォールが基板4の表面に立壁状に立っているため、集積度を高めるのに有利である。
(5)図22および図23(参考例)は、カーボンナノウォール(CNW)を用いた他の横型ロジックデバイス4Dを示す。図22に示すように、シリコン又はガラスで形成された基板4の表面40に、カーボンナノウォールが立体壁状に生成されている。カーボンナノウォールを構成するように複数積層されたグラフェンシート100は、基板4の表面40から立ち上がる方向に延設されている。図22および図23に示すように、カーボンナノウォールの側面49において、部分的にΔW(図23参照)突出させることにより、凸状部48を形成している。ΔWは、適宜設定するが、グラフェンシートの1層以上の厚みとすることができる。凸状部48はグラフェンシートの積層方向(矢印K方向)に突出している。
例えば、凸状部48は、カーボンナノウォールの側面49のうち凸状部48以外の部位をエッチングすることにより形成できる。あるいは、カーボンナノウォールの側面49のうち凸状部48に相当する部位以外をマスキングした状態で、グラフェンシートを積層させることにより、凸状部48を形成することにしても良い。凸状部48において、n型領域である部位404、405を形成する。カーボンナノウォールのうち、部位404、405以外の部位は、ボロンドープによりp型領域とされている。図22および図23に示すように、カーボンナノウォールは、n型領域とされた部位404に形成された第1メイン電極であるソース電極41と、n型領域とされた部位405に形成された第2メイン電極であるドレイン電極42と、p型領域とされた部位406に絶縁層45を介して形成されソース電極41とドレイン42との間における電子伝導を制御する制御電極であるゲート電極43とを備えている。図22および図23に示すように、ソース電極41、ドレイン電極42、ゲート電極43はカーボンナノウォールの側面49(グラフェンシートが延設されている面)に部分的に突出する凸状部48に形成されている。
この場合、カーボンナノウォールに窒素(n型不純物)をドープすることによりn型領域である部位404、405を形成するn型不純物ドープ工程と、カーボンナノウォールにボロン(p型不純物)をドープすることによりp型領域である部位406を形成するp型不純物ドープ工程と、n型領域である部位404にソース電極41を形成すると共にn型領域である部位405にドレイン電極42を搭載すると共に、p型領域である部位406に絶縁層45(SiO)を介してゲート電極43を搭載する工程とを実施することにより形成できる。n型不純物ドープ工程とp型不純物ドープ工程との順番を逆にしても良い。
この場合、n型とされる部位404、405に窒素(n型不純物)をドープするにあたり、部位406にレジスト膜等のマスキング材を被覆した状態で、ドープを行うことが好ましい。その後、マスキング材を除去することができる。またp型とされる部位406にボロン(p型不純物)をドープするにあたり、部位404、405にレジスト膜等のマスキング材を被覆した状態で、ドープを行うことが好ましい。その後、マスキング材を除去することができる。図22および図23(参考例)において、ゲート電極43への電圧印加により、ソース領域からドレイン領域に電子が矢印X方向(基板4の表面に沿った方向)に流れる。この場合、電子が流れる方向(矢印X方向)は、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシート100(炭素六角網)が延設されている方向であり、伝導性が良好である。
更にこのデバイス4Dによれば、カーボンナノウォールのうち側面49に部分的に形成された凸状部48にソース電極41、ドレイン電極42、ゲート電極43を形成している。このため、電子がソース電極41からドレイン電極42に向かうにあたり、電子が凸状部48以外の領域に流れることが抑制される。即ち、電子が矢印R1、R2方向(図22参照)に迂回することが抑制される。故に、ソース電極41とドレイン電極42との間における伝導性を一層向上させるのに有利である。このデバイス4Dによれば、カーボンナノウォールが基板4の表面40に立壁状に立っているため、集積度を高めるのに有利である。なお、図22において、カーボンナノウォールの側面49のうち凸状部48以外の部位に電気絶縁性が高い膜を形成しても同様な効果を期待できる。
実施例4はカーボンナノウォールデバイスを示す。図24(A)(B)(C)はカーボンナノウォールの処理過程を示す。図24(C)に示すように、カーボンナノウォールデバイスは、基体70と、基体70に立壁状に設けられたカーボンナノウォールと、カーボンナノウォールの根元部202を補強支持してカーボンナノウォールの支持性を高める支持促進部72とを備えている。図24(C)に示すように、プラズマエッチング後のカーボンナノウォールの先端部201の厚みはカーボンナノウォールの根元部202よりも減少しているので、電子放出性が良好となる。この場合の製法としては、次の方法が例示される。
1.図24(A)に示すように、基体70の表面71にカーボンナノウォールを形成する工程。なお、ラジカルを用いるプラズマCVD法によれば、カーボンナノウォールの高さh、厚みt、隣接するカーボンナノウォールの間隔距離eを適宜調整できる。
2.図24(B)に示すように、隣接するカーボンナノウォールの根元部202同士の間に支持促進部72を形成する工程。支持促進部72の高さはカーボンナノウォールよりも低くすることが好ましい。従ってカーボンナノウォールは支持促進部72よりも突出している。支持促進部72はエッチングに対して耐性を有するものが好ましく、レジスト材料、絶縁物質、金属等を例示できる。支持促進部72を形成するにあたり、スピンコート法等のように、液体等のように流動性を有する物質をカーボンナノウォールの根元部202に付着するように、当該物質がカーボンナノウォール間に位置するように基体70の表面71上に配置し、その物質を固める方法を例示することもできる。なお、カーボンナノウォールが基体70の表面71に結合している強度は強いので、スピンコート法を採用してもカーボンナノウォールは基体70の表面71から剥離しない。
3.図24(C)に示すように、支持促進部72で根元部202を補強したカーボンナノウォールに対してプラズマエッチング処理等のドライエッチング処理を形状処理として施し、カーボンナノウォールの先端部201のグラフェンシート204を剥離させる工程。カーボンナノウォールを構成するグラフェンシート204同士は積層されているが、エッチングに伴い、グラフェンシート204は剥離(除去)される。これは前記したカーボンナノウォールの厚み減少とエッチング時間との関係に基づいて推察される。エッチング処理としてはプラズマエッチング等のドライエッチングを採用できる。この場合、図24(C)、図2(B)または図25(C)に例示するように、グラフェンシートのエッジ部が外部に露出する本数をドライエッチング処理の前よりも増加させることが好ましい。
また、図25(A)(B)(C)はカーボンナノウォールの別の処理過程を示す。このカーボンナノウォールデバイスは、図25(C)に示すように、基体70と、基体70の表面71に立壁状に設けられたカーボンナノウォールと、カーボンナノウォールの根元部202を補強支持してカーボンナノウォールの支持性を高める支持促進部72とを備えている。図25(C)に示すように、カーボンナノウォールを構成する先端部201のグラフェンシート204のエッジ部205が露出しているので、触媒等の被担持物質に対する担持性を高めることを期待できる。この場合の製法としては、次の方法が例示される。
1.図25(A)に示すように、基体70の表面71にカーボンナノウォールを形成する工程。
2.図25(B)に示すように、隣接するカーボンナノウォールの根元部202同士の間に支持促進部72を形成する工程。支持促進部72はエッチングに対して耐性を有するものが好ましく、レジスト材料、絶縁物質、金属等を例示できる。
3.図25(C)に示すように、支持促進部72で根元部202を補強したカーボンナノウォールに対してプラズマエッチング処理等のドライエッチング処理を施し、カーボンナノウォールの先端部201のグラフェンシート204のエッジ部の露出度(エッジ部を構成するグラフェンシートのエッジ部が外部に露出する本数を増加させる)を高める工程。
なお、前記した実施例1によれば、図3に示すプラズマCVD装置1を用いて、カーボンナノウォールを形成し、図4に示すプラズマエッチング装置6を用いてプラズマエッチングすることにしているが、これに限らず、プラズマCVD機能とエッチング機能とを有する共通の装置でカーボンナノウォールを形成し、エッチングしても良い。
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態、実施例、試験例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。上記した記載から次の技術的思想も把握できる。
(付記項1)基体の表面にカーボンナノウォールを立壁状に形成する工程と、基体の表面に形成されているカーボンナノウォールの根元部を支持促進部で支持してカーボンナノウォールの支持性を高める工程とを実施することを特徴とするカーボンナノウォールの処理方法。この場合、カーボンナノウォールのグラフェンシートの積層数を減少させるとき等においても、カーボンナノウォールの支持性を高めることができる。
(付記項2)基体と、基体に立壁状に設けられたカーボンナノウォールと、カーボンナノウォールの根元部を補強支持してカーボンナノウォールの支持性を高める支持促進部とを具備することを特徴とするカーボンナノウォールデバイス。この場合、カーボンナノウォールのグラフェンシートの積層数を減少させるとき等においても、カーボンナノウォールの支持性を高めることができる。
(付記項3)基体と、炭素六角網で形成されたグラフェンシートがこれの厚み方向に積層された立壁状の立体構造をもつように前記基体に立壁状に設けられたカーボンナノウォールと、前記カーボンナノウォールの根元部を補強支持してカーボンナノウォールの支持性を高める支持促進部とを具備しており、
前記カーボンナノウォールは、前記カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの一部である先端部が形状処理により除去されて少なくとも先端部の厚みが根元部の厚みよりも減少していることを特徴とするカーボンナノウォールデバイス。
(付記項4)基体と、炭素六角網で形成されたグラフェンシートがこれの厚み方向に積層された立壁状の立体構造をもつように前記基体に立壁状に設けられたカーボンナノウォールと、前記カーボンナノウォールの根元部を補強支持してカーボンナノウォールの支持性を高める支持促進部とを具備しており、
前記カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの一部である先端部が形状処理により除去されてグラフェンシートのエッジ部が露出していることを特徴とするカーボンナノウォールデバイス。
本発明は例えばフィールドエミッションディスプレイ、キャパシタ、TFT/ガラス構造を用いた液晶ディスプレイ、SOI(silcon on insulator)、センサー、次世代LSI等の各種電気機器、電子機器、更には、触媒等の被担持物質を担持する担持体(例えば燃料電池の電極等)に利用することができる。
カーボンナノウォールをプラズマエッチング処理する形態を示す概念図である。 カーボンナノウォールをプラズマエッチング処理する他の形態を示す概念図である。 ラジカルプラズマCVD装置を模式的に示す構成図である。 プラズマエッチング装置を模式的に示す構成図である。 プラズマエッチング前のカーボンナノウォールの平面を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM)電子顕微鏡写真である。 プラズマエッチング前のカーボンナノウォールの断面を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM)電子顕微鏡写真である。 プラズマエッチング後のカーボンナノウォールの平面を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM)電子顕微鏡写真である。 プラズマエッチング後のカーボンナノウォールの断面を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM)電子顕微鏡写真である。 プラズマエッチング後のカーボンナノウォールの平面を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM)電子顕微鏡写真である。 プラズマエッチング後のカーボンナノウォールの断面を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM)電子顕微鏡写真である。 成長時間とカーボンナノウォールの高さおよび厚みとの関係を示すグラフである。 プラズマエッチング時間とカーボンナノウォールの厚みとの関係を示すグラフである。 窒素がドープされたカーボンナノウォール(エッチング前)の平面を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM)電子顕微鏡写真である。 窒素がドープされたカーボンナノウォールの電子放出特性を示すグラフである。 カーボンナノウォールを搭載したキャパシタを模式的に示す概念図である。 カーボンナノウォールを搭載した縦型電流駆動デバイス(SIT)を模式的に示す概念図である。 カーボンナノウォールを搭載した縦型電流駆動デバイス(SIT)を模式的に示す概念図である。 カーボンナノウォールを搭載した横型ロジックデバイスを模式的に示す概念図である。 カーボンナノウォールを搭載した横型ロジックデバイスの要部を模式的に示す概念図である。 カーボンナノウォールを搭載した横型ロジックデバイスを模式的に示す概念図である。 カーボンナノウォールを搭載した横型ロジックデバイスの要部を模式的に示す概念図である。 カーボンナノウォールを搭載した横型ロジックデバイスを模式的に示す概念図である。 カーボンナノウォールを搭載した横型ロジックデバイスの要部を模式的に示す概念図である。 カーボンナノウォールデバイスの製造過程を模式的に示す概念図である。 別のカーボンナノウォールデバイスの製造過程を模式的に示す概念図である。 カーボンナノウォールを示す透過型電子顕微鏡写真(TEM)である。 カーボンナノウォールを示す透過型電子顕微鏡写真(TEM)である。 カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの積層構造を推察して参考までに示す概念図である。
図中、1はプラズマCVD装置、2は基板(基体)、3はキャパシタ(デバイス)、31は第1電極、32は第2電極、33は誘電物質相、4はデバイス、41はソース電極(第1メイン電極)、42はドレイン電極(第2メイン電極)、43はゲート電極(制御電極)、6はプラズマエッチング装置、70は基体、72は支持促進部を示す。

Claims (11)

  1. 炭素六角網で形成されたグラフェンシートがこれの厚み方向に積層され且つ基体の表面に立壁状に形成された立体構造をもつカーボンナノウォールに対して、グラフェンシートのエッジ部が外部に露出する本数を形状処理前よりも増加させるように、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの一部である先端部の少なくとも一部を除去する形状処理を行なうことを特徴とし、
    形状処理前の前記カーボンナノウォールは年輪状に形成されるカーボンナノウォールの処理方法。
  2. 炭素六角網で形成されたグラフェンシートがこれの厚み方向に積層された立壁状の立体構造をもつカーボンナノウォールを基体の表面に立壁状に形成する工程と、
    基体の表面に立壁状に形成されたカーボンナノウォールの根元部を支持促進部で支持してカーボンナノウォールの支持性を高める工程と、
    前記支持促進部で支持性を高めた前記カーボンナノウォールに対して、グラフェンシートのエッジ部が外部に露出する本数を形状処理前よりも増加させるように、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの一部である先端部の少なくとも一部を除去する形状処理を行う工程とを実施することを特徴とし、
    形状処理前の前記カーボンナノウォールは年輪状に形成されるカーボンナノウォールの処理方法。
  3. 請求項1または2において、前記形状処理はドライエッチング処理であることを特徴とするカーボンナノウォールの処理方法。
  4. 請求項3において、前記ドライエッチング処理は、ラジカルおよび/またはイオンを用いるエッチングであることを特徴とするカーボンナノウォールの処理方法。
  5. 請求項1〜請求項のうちのいずれか一項において、ヘテロ原子が含有されていることを特徴とするカーボンナノウォールの処理方法。
  6. 請求項において、前記ヘテロ原子は窒素および/またはボロンであることを特徴とするカーボンナノウォールの処理方法。
  7. 炭素六角網で形成されたグラフェンシートがこれの厚み方向に積層され且つ基体の表面に設けられた立壁状の立体構造をもつカーボンナノウォールであって、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの一部である先端部が除去され、グラフェンシートのエッジ部が外部に露出する本数を形状処理前よりも増加させるようにグラフェンシートが形状処理されていることを特徴とし、
    形状処理前の前記カーボンナノウォールは年輪状に形成されるカーボンナノウォール。
  8. 請求項において、厚みが1ナノメートル〜1000ナノメートルであり、少なくとも先端部の厚みが根元部に比較して減少されていることを特徴とするカーボンナノウォール。
  9. 請求項において、形状処理前の前記グラフェンシートの少なくとも先端部の積層数は単一層または5層以下とされていることを特徴とするカーボンナノウォール。
  10. 請求項〜請求項のうちのいずれか一項において、ヘテロ原子が含有されていることを特徴とするカーボンナノウォール。
  11. 請求項10において、前記ヘテロ原子は窒素および/またはボロンであることを特徴とするカーボンナノウォール。
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