JP6834683B2 - センサ製造システム、および、センサ製造方法 - Google Patents

センサ製造システム、および、センサ製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、カーボンナノウォールを用いてセンサを製造するセンサ製造システム、および、センサ製造方法に関する。
カーボンナノウォール(Carbon Nano Wall:CNW)は、ナノメートルサイズ(数nmから数十nm程度)の微細形状を有するナノ構造体である(例えば、特許文献1)。カーボンナノウォールは、従来の材料が有する特性を飛躍的に向上させた特性を備えていたり、従来の材料にはない特性を備えていたりする。このため、カーボンナノウォールは、電磁波吸収材料、電池の電極材料、触媒材料、半導体材料、電子放出素子材料、光学材料、強度補強材料、センサ等の次世代の機能材料として期待されている。
例えば、非特許文献1には、多数のカーボンナノウォールを電極上に成膜させたバイオセンサが開示されている。
特許第5987546号公報
Shun Mao et al. SCIENTIFIC REPORTS 3: 1696 DOI: 10.1038/srep01696
非特許文献1に記載された従来のセンサは、多数のカーボンナノウォールが電極に接触しているため、電流が流れる経路(パス)が複数形成される。したがって、従来のセンサは、測定値の振れ幅が大きいという問題がある。
本開示は、測定値の振れ幅を低減することが可能なセンサ製造システム、および、センサ製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係るセンサ製造システムは、グラファイト層と、複数のカーボンナノウォールを含んで構成されるナノ構造層と、を基板に成膜する成膜装置と、前記ナノ構造層の所定の領域に、パルス幅が10−12秒未満のレーザーを照射して、前記グラファイト層を残存させつつ、前記ナノ構造層をアブレートさせるレーザー照射装置と、を備える。
また、前記成膜装置は、前記グラファイト層および前記カーボンナノウォールのいずれか一方、または、両方に金属をドープしてもよい。
また、前記レーザー照射装置は、前記ナノ構造層における互いに離隔した2つの領域に前記レーザーを照射してもよい。
また、前記レーザー照射装置は、ビームホモジナイザを有してもよい。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係るセンサ製造方法は、基板上にグラファイト層を成膜する工程と、前記グラファイト層上に、複数のカーボンナノウォールを含んで構成されるナノ構造層を成膜する工程と、前記ナノ構造層の所定の領域に、パルス幅が10−12秒未満のレーザーを照射して、前記グラファイト層を残存させつつ、前記ナノ構造層をアブレートさせる工程と、を含む。
測定値の振れ幅を低減することが可能となる。
センサ製造システムを説明する図である。 成膜装置の具体的な構成を説明する図である。 カーボンナノウォールを説明する図である。 センサ製造方法の処理の流れを説明するフローチャートである。 センサ製造方法の各工程を説明する図である。 センサ構造物を用いて製造されたセンサと、従来のセンサとを説明する図である。 図7(a)は、実施例における基板からの高さを説明する第1の図である。図7(b)は、実施例における基板からの高さを説明する第2の図である。図7(c)は、実施例を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果を示す画像である。図7(d)は、図7(c)におけるレーザー照射領域の部分拡大画像である。 変形例のセンサを説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の一実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
(センサ製造システム100)
図1は、センサ製造システム100を説明する図である。図1に示すように、センサ製造システム100は、成膜装置110と、レーザー照射装置120とを含んで構成される。成膜装置110は、基板上に、グラファイト層と、複数のカーボンナノウォールを含んで構成されるナノ構造層とを成膜する。
図2は、成膜装置110の具体的な構成を説明する図である。図2に示すように、成膜装置110は、所謂プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置であり、チャンバ210と、基板ホルダ220と、ターゲット保持部230と、プラズマ銃240とを含んで構成される。
チャンバ210には、ガス供給口212が形成されている。ガス供給口212を介して、チャンバ210の内部に反応ガスが供給される。反応ガスは、メタン(CH)等のカーボンナノウォールを形成することができるガスである。また、チャンバ210には、不図示の真空ポンプが接続されており、真空ポンプによって内部が所定の圧力に維持される。
基板ホルダ220は、チャンバ210内に配され、基板Sを保持する。基板Sは、例えばシリコン(Si)等の炭化物を形成しやすい元素を含んで構成される。
ターゲット保持部230は、チャンバ210内に配され、スパッタリングターゲットTを保持する。スパッタリングターゲットTは、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ルビジウム(Rb)、ストロンチウム(Sr)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、スズ(Sn)、セシウム(Cs)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、水銀(Hg)、タリウム(Tl)、鉛(Pb)、および、ビスマス(Bi)の群から選択される1の金属、または、複数の合金で構成される。また、ターゲット保持部230は、スパッタリングターゲットTに所定の周波数でパルス電流(DC)を流す。
プラズマ銃240は、チャンバ210内にプラズマ流PFを放出する。プラズマ銃240は、既存の様々な技術(例えば、特開2008−056546号公報)を利用できるので、ここでは、詳細な説明を省略する。プラズマ銃240がプラズマ流PFを放出することにより、プラズマ流PFを構成するプラズマが、反応ガスを分解するとともに、スパッタリングターゲットTに衝突する。そうすると、基板S上にグラファイト層が成膜され、グラファイト層上に複数のカーボンナノウォールが形成される。また、スパッタリングターゲットTを構成する原子が、スパッタリングターゲットTから放出され(スパッタ)、グラファイト層および複数のカーボンナノウォールのいずれか一方または両方にドープされる。
図3は、カーボンナノウォール(CNW)を説明する図である。なお、本実施形態の図3(b)、図3(d)では、垂直に交わるX軸、Y軸、Z軸を図示の通り定義している。カーボンナノウォールは、図3(a)に示すようなグラフェンシート(図3(a)中、炭素原子(C)を白丸で示す)が、図3(b)に示すように、基板Sの表面上から立設したもの(垂直状に成長したもの)である。カーボンナノウォールが基板S上に形成される際には、図3(c)、図3(d)に示すように、まず、基板Sの表面に、グラファイトの層(以下、「グラファイト層」と称する)が形成される。グラファイト層は、基板Sの表面の面内方向に沿って、基板Sの表面に形成される。例えば、グラファイト層は、基板Sの表面の面内方向に平行に、基板Sの表面に形成される。
そして、カーボンナノウォールは、グラファイト層を介して、基板Sの表面に対して垂直方向(図3(b)、図3(d)中、Y軸方向)に延在(延伸)するように複数形成される。ここで、カーボンナノウォールにおける基板Sと平行な方向(図3(b)中、X軸方向)の厚みは、1nm以上100nm以下であり、カーボンナノウォール間の図3(b)中、X軸方向の距離も、1nm以上10μm以下である。
なお、カーボンナノウォールは自己組織化機能を有しているため、成膜装置110において反応ガスの雰囲気中でプラズマを発生させるだけで、複数のカーボンナノウォールの間にナノメートルサイズの空隙を形成しながら、カーボンナノウォールが基板Sの表面に対して垂直方向(図3中、Y軸方向)に延伸するように成長する。ここで、ナノメートルサイズとは1nm以上10μm以下のことを示す。以下、複数のカーボンナノウォールを含んで構成された層をナノ構造層と称する。
図1に戻って説明すると、レーザー照射装置120は、ナノ構造層の所定の領域に、パルス幅が10−12秒未満のレーザーを照射する。レーザー照射装置120は、例えば、パルス幅がフェムト秒(10−15秒)のレーザーや、パルス幅がアト秒(10−18秒)のレーザーを照射する。
レーザー照射装置120が照射するレーザーのエネルギー密度は、基板S上のグラファイト層を残存させつつ(壊すことなく)、ナノ構造層をアブレートさせるエネルギー密度である。エネルギー密度は、ナノ構造層の厚みに基づいて決定される。エネルギー密度は、例えば、5×1013W/cm以上である。なお、レーザー照射装置120が照射するレーザーの波長に限定はない。
また、レーザー照射装置120は、ビームホモジナイザを含んで構成される。ビームホモジナイザは、レーザーのエネルギー分布を均質化する光学系である。ビームホモジナイザは、例えば、レンズアレイ、非球面レンズ、回折光学素子(Diffractive Optical Elements :DOE)を含んで構成される。なお、レンズアレイを含んで構成されたビームホモジナイザは、既存の様々な技術(例えば、特許第5446618号公報)を利用できるので、ここでは、詳細な説明を省略する。また、非球面レンズを含んで構成されたビームホモジナイザは、既存の様々な技術(例えば、特開2013−29748号公報)を利用できるので、ここでは、詳細な説明を省略する。また、回折光学素子を含んで構成されたビームホモジナイザは、既存の様々な技術(例えば、特開2008−69066号公報)を利用できるので、ここでは、詳細な説明を省略する。レーザー照射装置120がビームホモジナイザを備えることにより、レーザーの照射領域の平滑性を向上させることができる。
(センサ製造方法)
続いて、上記センサ製造システム100を用いたセンサ製造方法を説明する。図4は、センサ製造方法の処理の流れを説明するフローチャートである。図5は、センサ製造方法の各工程を説明する図である。なお、本実施形態の図5では、垂直に交わるX軸、Y軸、Z軸を図示の通り定義している。
図4に示すように、本実施形態のセンサ製造方法は、第1成膜工程S110と、第2成膜工程S120と、レーザー照射工程S130とを含む。以下、第1成膜工程S110、第2成膜工程S120、レーザー照射工程S130の詳細について説明する。
(第1成膜工程S110)
第1成膜工程S110は、成膜装置110を用いて、基板S上に、グラファイト層を成膜しつつ、グラファイト層に金属をドープする工程である。
まず、基板Sを基板ホルダ220に保持させ、ガス供給口212を通じて反応ガスをチャンバ210内に供給する。そして、プラズマ銃240を駆動させ、これと同時に、ターゲット保持部230による、スパッタリングターゲットTへのパルス電流の供給を開始する。つまり、基板Sへのグラファイト層の成膜の開始と同時に、グラファイト層への金属のドープを行う。
そして、プラズマ銃240の駆動開始から第1所定時間経過した後に、スパッタリングターゲットTへのパルス電流の供給を停止する。なお、プラズマ銃240の駆動は継続させる。ここで、第1所定時間は、基板Sにグラファイト層が形成される時間であって、カーボンナノウォール(ナノ構造層)が形成されるまでの時間である。
そうすると、図5(a)に示すように、基板S上に、金属がドープされたグラファイト層(以下、「下地層」と称する)310が成膜される。下地層310は、基板Sの表面の面内方向に沿って形成された層である。
(第2成膜工程S120)
第2成膜工程S120は、成膜装置110を用いて、下地層310上にナノ構造層を成膜する工程である。
具体的には、第1成膜工程S110の終了後、プラズマ銃240の駆動を第2所定時間維持する。ここで、第2所定時間は、センサとして利用可能な厚み(図5中、Y軸方向の高さ)のカーボンナノウォールが成膜される時間である。
そうすると、図5(b)に示すように、下地層310の上にナノ構造層320が成膜されたセンサ材料330が製造される。なお、ナノ構造層320は、カーボンナノウォール322を複数含んで構成された層である。カーボンナノウォール322は、下地層310から、基板Sの表面(面内方向)に対して垂直方向(図5中、Y軸方向)に延在したものである。また、ナノ構造層320において、カーボンナノウォール322は、隣り合うカーボンナノウォール322との間に、ナノメートルサイズの間隙322aを維持して下地層310から延在している。
(レーザー照射工程S130)
レーザー照射工程S130は、レーザー照射装置120を用いて、ナノ構造層320の所定の領域に、パルス幅が10−12秒未満のレーザーを照射して、下地層310を残存させつつ、ナノ構造層320をアブレートさせる工程である。
ここで、レーザー照射装置120は、ナノ構造層320における互いに離隔した2つの領域324A、324Bにレーザーを照射する。そうすると、レーザーが照射された領域324A、324Bは、基板S上に下地層310のみが残存した状態となる。
こうして、基板Sと、基板S上に設けられた下地層310と、下地層310における予め定められた領域(領域324A、324B以外の領域)に成膜されたナノ構造層320と、を備えるセンサ構造物400が製造される。
図6は、センサ構造物400を用いて製造されたセンサ500と、従来のセンサ10とを説明する図である。
図6(a)に示すように、センサ構造物400における領域324A、324Bに金属ペースト410(例えば、金ペースト)が塗布される。そして、金属ペースト410同士が配線420で接続される。また、配線420に測定装置430が設けられる。測定装置430は、所定量の電流を流し、金属ペースト410間の電位差を測定する。つまり、領域324A、324Bは、電極として機能する。こうして、センサ構造物400と、金属ペースト410と、配線420と、測定装置430とを備えたセンサ500が製造される。
ナノ構造層320を構成するカーボンナノウォール322は、その上部が物理的にも電気的にも接続されていない。一方、上記したように、基板Sとナノ構造層320(カーボンナノウォール322)との間には、下地層310が連続して形成される。したがって、カーボンナノウォール322同士は、その底部において下地層310(グラファイト層)によって物理的かつ電気的に連通している。
ナノ構造層320を構成するカーボンナノウォール322間には間隙322aが配される。間隙322aは、絶縁体である。このため、ナノ構造層320に何も付着していない場合(以下、「初期状態」と称する)、ナノ構造層320の抵抗値は極めて大きくなる。したがって、初期状態において、測定装置430によって金属ペースト410間を流れる電流は、ほとんど下地層310を通過する。
一方、カーボンナノウォール322間に対象物Mが付着すると(以下、「付着状態」と称する)、カーボンナノウォール322同士が電気的に接続され(ナノ構造層320の電気的特性が変化し)、ナノ構造層320の抵抗値が低くなる。したがって、測定装置430によって金属ペースト410間を流れる電流は、下地層310およびカーボンナノウォール322を通過する。
つまり、初期状態の電位差(電圧値)と、付着状態の電位差とは異なる。このため、測定装置430が測定した電位差を比較することで、対象物Mが付着したか否か、また、対象物Mが何であるかを推測することが可能となる。
ここで、対象物Mは、例えば、水素やメタンといったガス、タンパク質等であり、センサ500は、ガスセンサやバイオセンサとして利用することができる。
以上説明したように、センサ製造システム100およびセンサ製造方法は、レーザーを照射するだけで、ナノ構造層320の両側に、下地層310(グラファイト層)のみの領域324A、324Bを形成することができる。したがって、領域324A、324Bを電極として利用することで、初期状態において、電流が流れる主な経路を下地層310とすることが可能となる。
一方、図6(b)に示す従来のセンサ10は、ナノ構造層320上に金属ペースト410が塗布される。したがって、従来のセンサ10では、初期状態において金属ペースト410間を流れる電流は、カーボンナノウォール322、下地層310、カーボンナノウォール322を通過する。ここで、従来のセンサ10において、金属ペースト410と接触するカーボンナノウォール322は複数ある。このため、電流が流れるカーボンナノウォール322の数や、流れる経路が安定しない。したがって、従来のセンサ10は、測定装置430によって測定される測定値の振れ幅が大きくなってしまう。つまり、従来のセンサ10は、測定値のノイズが大きくなり、SN比(signal to noise ratio)が低くなるという問題がある。
しかし、本実施形態のセンサ500は、上記したように、初期状態において、測定装置430によって金属ペースト410間を流れる電流は、ほとんど下地層310を通過する。つまり、金属ペースト410間を流れる電流は、カーボンナノウォール322を通過しない。したがって、センサ500は、測定装置430によって測定される測定値の振れ幅を小さくすることができる。これにより、センサ500は、測定値のノイズを低減することができ、SN比を向上することが可能となる。
また、上記したように、下地層310はグラファイトに金属がドープされた層である。グラファイトと金属との接合性は高くない。しかし、下地層310が金属を含むことにより、領域324A、324Bと、金属ペースト410との接合性を向上させることができる。なお、金属ペースト410が金ペーストである場合、グラファイトにドープされる金属は金が好ましい。
(実施例)
基板Sとしてシリコン基板を採用し、成膜装置110を用いて、グラファイト層およびナノ構造層320を成膜した。その後、レーザー照射装置120を用いて、ナノ構造層320(カーボンナノウォール322)にレーザーを照射した。レーザーの波長は、800nmとした。レーザーのパルス幅は、40フェムト秒とした。レーザーのエネルギー密度は、1.3×1014W/cmとした。レーザーの照射雰囲気は大気とし、照射雰囲気の圧力は大気圧とした。
図7は、実施例の結果を説明する図である。図7(a)、図7(b)は、実施例における基板Sからの高さを説明する図である。図7(c)は、実施例を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果を示す画像である。図7(d)は、図7(c)におけるレーザー照射領域の部分拡大画像である。
図7(a)、図7(b)に示すように、レーザーを照射した領域(レーザー照射領域)は、基板Sからの高さが、2.000μm程度であった。一方、レーザーを照射していない箇所(ナノ構造層320が維持されている箇所)は、基板Sからの高さが3.000μm以上4.000μm以下であった。また、図7(c)、図7(d)に示すように、レーザー照射領域においてグラファイト層が維持されていることが確認された。
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、成膜装置110がプラズマCVD装置である場合を例に挙げて説明した。しかし、成膜装置110は、基板S上にグラファイト層およびナノ構造層320を成膜できればよい。例えば、成膜装置110は、CVD装置で構成されてもよい。
また、上記実施形態において、基板Sが炭化物を形成しやすい元素を含む構成を例に挙げて説明した。しかし、基板の材質に限定はない。
また、上記実施形態では、グラファイト層にのみ金属がドープされる構成を例に挙げて説明した。しかし、グラファイト層に加えて、ナノ構造層320(カーボンナノウォール322)に金属がドープされてもよい。また、対象物Mに応じて、ナノ構造層320にドープする金属をグラファイト層にドープされる金属と異ならせてもよい。また、カーボンナノウォール(ナノ構造層)にのみ金属がドープされてもよい。さらに、グラファイト層およびカーボンナノウォール(ナノ構造層)に金属がドープされずともよい。
また、対象物Mに応じて、ナノ構造層320(カーボンナノウォール322)に非金属元素(半金属元素を含む)をドープしてもよい。例えば、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)、ケイ素(Si)、リン(P)、硫黄(S)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、セレン(Se)、臭素(Br)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、および、ヨウ素(I)の群から選択される1または複数をナノ構造層320にドープしてもよい。なお、上記非金属元素のうち、窒素(N)以外の元素は、例えば、第2成膜工程S120においてスパッタでナノ構造層320にドープすることができる。また、窒素(N)は、例えば、プラズマCVD処理(第2成膜工程S120)において、反応ガスに窒素ガス(N)を混合させることでナノ構造層320にドープすることができる。
また、上記実施形態では、第1成膜工程S110において、スパッタによって金属をグラファイト層にドープする構成を例に挙げて説明した。しかし、金属のドープは、スパッタに限らず、有機金属を利用した蒸着処理や、金属を加熱して蒸着させる処理、CVD処理、有機金属系ガス(トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム等)や塩化金属ガス(塩化ガリウムガス等)と反応させる処理、インターカレーション処理(グラファイト層を、金属を含む溶液中に浸漬する処理)を用いて遂行してもよい。
また、上記実施形態において、カーボンナノウォール322が基板Sの表面から垂直方向に立設する構成を例に挙げて説明した。しかし、カーボンナノウォール322は、基板Sから立設していればよく、角度に限定はない。
また、上記実施形態において、測定装置430が、金属ペースト410間の電位差を測定する構成を例に挙げて説明した。しかし、測定装置430は、金属ペースト410間を流れる電流値を測定してもよい。
また、上記実施形態において、レーザー照射装置120は、ナノ構造層320における互いに離隔した2つの領域324A、342Bにレーザーを照射する構成を例に挙げて説明した。しかし、レーザー照射装置120は、1の領域にレーザーを照射してもよい。図8は、変形例のセンサ600を説明する図である。レーザー照射装置120が1の領域324Cにのみレーザーを照射した場合、図8に示すように、領域324Cと、下地層310とに金属ペースト410を塗布してセンサ600を製造する。変形例のセンサ600も、センサ500と同様に、領域324Cを電極として利用することで、対象物Mが付着しない状態において、電流が流れる主な経路を下地層310とすることが可能となる。
また、上記実施形態において、レーザー照射装置120がビームホモジナイザを備える構成を例に挙げて説明した。しかし、ビームホモジナイザは必須ではない。
本開示は、カーボンナノウォールを用いてセンサを製造するセンサ製造システム、センサ製造方法、および、センサに利用することができる。
100 センサ製造システム
110 成膜装置
120 レーザー照射装置
500 センサ
600 センサ

Claims (5)

  1. グラファイト層と、複数のカーボンナノウォールを含んで構成されるナノ構造層と、を基板に成膜する成膜装置と、
    前記ナノ構造層の所定の領域に、パルス幅が10−12秒未満のレーザーを照射して、前記グラファイト層を残存させつつ、前記ナノ構造層をアブレートさせるレーザー照射装置と、
    を備えるセンサ製造システム。
  2. 前記成膜装置は、前記グラファイト層および前記カーボンナノウォールのいずれか一方、または、両方に金属をドープする請求項1に記載のセンサ製造システム。
  3. 前記レーザー照射装置は、前記ナノ構造層における互いに離隔した2つの領域に前記レーザーを照射する請求項1または2に記載のセンサ製造システム。
  4. 前記レーザー照射装置は、ビームホモジナイザを有する請求項1から3のいずれか1項に記載のセンサ製造システム。
  5. 基板上にグラファイト層を成膜する工程と、
    前記グラファイト層上に、複数のカーボンナノウォールを含んで構成されるナノ構造層を成膜する工程と、
    前記ナノ構造層の所定の領域に、パルス幅が10−12秒未満のレーザーを照射して、前記グラファイト層を残存させつつ、前記ナノ構造層をアブレートさせる工程と、
    を含むセンサ製造方法。
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