JP4766895B2 - カーボンナノウォールデバイス - Google Patents

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Description

本発明はカーボンナノウォールを有するカーボンナノウォールデバイスに関する。
近年、炭素六角網面であるグラフェンシートを筒形状にしたカーボンナノチューブやカーボンナノホーンが知られている。更に、カーボンナノチューブに関連する技術として、炭素網に対してプラズマを用いたエッチングすることにより炭素網の先端を改質したカーボンナノチューブの製造方法が知られている(特許文献1)。
また、炭素六角網面を筒形状にしたカーボンナノチューブを用いたフィールドエミッタが知られている(特許文献2)。このものでは、窒化硼素、硼素化合物、窒素化合物からなる半導体層または絶縁層をカーボンナノチューブの上に形成する。また、カーボンナノチューブを目標に合わせて平らな表面に蒸着する目標蒸着方法が知られている(特許文献3)
また、炭素六角網面であるグラフェンシートを筒形状にしたカーボンナノホーンの集合体を分散させた分散液を基材上に供給し、分散液のみを除去することによりカーボンナノホーンの集合体を基板に配置し、その後、カーボンナノホーンの集合体の一部または全部を固定材料に被覆させてナノホーン担持体を形成する技術が知られている(特許文献4)。
更に、カーボンナノチューブに硼素をドープしたカーボンフィラーが知られている(特許文献5)。
国際公開番号 WO01/062665 特開2002−203471号公報 特開2004−42253号公報 特開2003−261312号公報 特開2003−194970号公報
上記した特許文献1〜3、5は、炭素六角網面であるグラフェンシートを筒形状にしたカーボンナノチューブの関連する技術である。特許文献4は、炭素六角網面であるグラフェンシートを筒形状にしたカーボンナノチューブに類似するカーボンナノホーンに関連する技術である。更に産業界では、ナノスケールを有する新規な構造を有するカーボンナノ構造物の開発が要請されている。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、炭素六角網面であるグラフェンシートを筒形状にしたカーボンナノチューブではなく、ナノスケールを有する新規なカーボン構造物としてのカーボンナノウォールを利用した新規なカーボンナノウォールデバイスを提供することを課題とする。
本発明者は、ナノスケールのカーボン構造物について研究した結果、カーボンが壁状に立体成長したナノスケール構造物であるカーボンナノウォール(CNW)を新規に開発した。カーボンナノウォールは、複数の炭素原子を網状に結合させて構成した炭素六角網面で形成された平板状に模擬される複数のグラフェンシートをこれの厚み方向に積層させると共に基体の表面に対して立つ方向に設けて立壁状に形成されたものであり、化学的気相成長法(CVD、Chemical Vapor Deposition)に基づいて形成することができる。本発明はカーボンナノウォールを利用したものである。
様相1の本発明に係るカーボンナノウォールデバイスは、表面をもつ基体と、複数の炭素原子を網状に結合させて構成した炭素六角網面で形成された平板状に模擬される複数のグラフェンシートをこれの厚み方向に積層させると共に基体の表面に対して立つ方向に設けて立壁状に形成されたカーボンナノウォールとを有しており、
カーボンナノウォールは、グラフェンシートが延設されたグラフェンシート面方向において互いに離間して設けられた第1メイン電極および第2メイン電極と、第1メイン電極と第2メイン電極との間における電子伝導を制御する制御電極とを備えていることを特徴とするものである。カーボンナノウォールは、カーボンつまり複数の炭素原子を網状に結合させて構成した炭素六角網面で形成された複数のグラフェンシートが壁状に立体成長したナノスケール構造物である。カーボンが立体的に成長した多数の壁は、例えば花びら状態、並走状態等に形成することができる(図5,図7参照)。カーボンナノウォールにおいては、壁は、グラフェンシート(複数の炭素原子を網状に結合させて構成した炭素六角網面)を基材として形成されているため、良好なる伝導性を有する。殊に、平板状に模擬されるグラフェンシート(複数の炭素原子を網状に結合させて構成した炭素六角網面)が延設されている方向における良好な伝導性が得られる。
様相の本発明に係るカーボンナノウォールは、好ましくは、ヘテロ原子が含有されている。ヘテロ原子は有機化合物に含まれる炭素以外の原子をいう。ヘテロ原子は例えばn型不純物(ドナー不純物)および/またはp型不純物(アクセプタ不純物)とすることができる。これによりカーボンナノウォールはn型半導体領域および/またはp型半導体領域を備えることができる。
様相の本発明に係るカーボンナノウォールの製造方法は、好ましくは、ヘテロ原子と炭素源とを含む原料ガスを、ラジカルを用いるプラズマCVD法により、ヘテロ原子が含有されているカーボンナノウォールを製造する。好ましくは、ヘテロ原子としては例えばn型不純物および/またはp型不純物とすることができる。これによりカーボンナノウォールはn型半導体領域および/またはp型半導体領域を備えることができる。
発明によれば、複数の炭素原子を網状に結合させて構成した炭素六角網面で形成されたグラフェンシートを筒形状にしたカーボンナノチューブではなく、複数の炭素原子を網状に結合させて構成した炭素六角網面で形成された平板状に模擬される複数のグラフェンシートをこれの厚み方向に積層させると共に基体の表面に対して立つ方向に基体に設けて立壁状に形成されたカーボンナノウォールを備えるカーボンナノウォールデバイスを提供できる。
ーボンナノウォールは、一般的には、ガスをプラズマ化してラジカルを形成するラジカル注入プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、ラジカルを制御しつつカーボンを成長させることにより形成することができる。ラジカルは、活性化された分子または原子であり、一般的には、電荷をもたない。
ーボンナノウォールは、ヘテロ原子が含有されていないものでも良いし、ヘテロ原子が含有されているものでも良い。カーボンナノウォールは、ヘテロ原子が含有されていない状態においても、カーボン材料としての性質を有するため、導電性を有する。殊に、グラフェンシートが延設されている方向における良好な導電性が得られ、カーボンナノウォールの応用範囲を広げることができる。更に、カーボンナノウォールはヘテロ原子の種類により半導体としての特性を示すことができる。
バイスによれば、基体が設けられており、カーボンナノウォールは基体に表面に対して立つ方向に設けられている。この場合、カーボンナノウォールの表面積を飛躍的に増加させることができる。
デバイスはキャパシタ(コンデンサを含む)に適用される形態を例示することができる。この場合、伝導領域は、誘電物質を挟む導電性をもつ第1電極と第2電極とを備えており、第1電極および第2電極のうちの少なくとも一方は、カーボンナノウォールを基材として形成されている。この場合、第1電極および第2電極のうちの他方は、導電性を有する物質を基材として形成されている。導電性を有する物質としては、金属、ポリシリコン、カーボンナノウォールを例示できる。
カーボンナノウォールはn型半導体領域および/またはp型半導体領域を備えている形態を例示することができる。n型半導体領域は、自由電子を形成するn型不純物がカーボンナノウォールにドープされて形成されている。p型半導体領域は、正孔を形成するp型不純物がカーボンナノウォールにドープされて形成されている。n型不純物としては例えば窒素(n)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、リン(P)、フッ素(F)、酸素(O)が挙げられる。p型不純物としては例えばボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)が挙げられる。上記したように形成したn型半導体領域とp型半導体領域とにより、pn結合、pnp結合、npn結合を構成できる。カーボンナノウォールを形成する同時にヘテロ原子をドープさせても良いし、あるいは、カーボンナノウォールを形成した後に、ヘテロ原子をドープさせても良い。
カーボンナノウォールは、好ましくは、第1メイン電極および第2メイン電極と、第1メイン電極と第2メイン電極との間における電子伝導を制御する制御電極とを備えている。第1メイン電極はソース電極であり、第2メイン電極はドレイン電極であり、制御電極はゲート電極である形態を例示することができる。この場合、カーボンナノウォールは、カーボンナノウォールの一側面において当該一側面における他の部分よりも部分的にカーボンナノウォールの外方に向けて凸状に突出するように形成された凸状部を有する形態を例示することができる。そして、ソース電極等の第1メイン電極、ドレイン電極等の第2メイン電極、ゲート電極等の制御電極は凸状部に形成されていることが好ましい。凸状部において電子を移動させ得るので、電子が凸状部以外の領域において迂回移動することを抑制でき、伝導性の向上に有利である。
ーボンナノウォールは、好ましくは、ヘテロ原子が含有されている。ヘテロ原子としてはn型不純物、p型不純物、あるいは、他の物質原子を例示することができる。この場合、カーボンナノウォールはn型半導体領域および/またはp型半導体領域を有することができる。この場合、グラフェンシートを構成する炭素原子とヘテロ原子とが置換している形態でも良いし、あるいは、複数積層されているグラフェンシート間の界面にヘテロ原子が含有されている形態でも良い。
ーボンナノウォールの製造方法は、ヘテロ原子と炭素源とを含む原料ガスをプラズマCVD法により、ヘテロ原子が含有されているカーボンナノウォールを製造することができる。これにより様相2に係るカーボンナノウォールを製造できる。この場合、グラフェンシートを構成する炭素原子とヘテロ原子とが置換している形態でも良いし、あるいは、複数積層されているグラフェンシート間の界面にヘテロ原子が含有されている形態でも良い。ヘテロ原子としてはn型不純物、p型不純物である形態、あるいは、他の物質原子を例示することができる。プラズマCVD法としては、減圧雰囲気または高真空雰囲気において行うことができ、ラジカルを生成させるプラズマを用いるCVD法が好ましい。プラズマ源としては、誘導結合型でも容量結合型でも良い。
また、ヘテロ原子を含むカーボンナノウォールは一般的には良好な電子放出性を有するため、フィールドエミッションディスプレイ等の電子放出素子に適用できる。またヘテロ原子を含むカーボンナノウォールは半導体特性を示すため、半導体素子に適用できる。更に、カーボンナノウォールは大きな表面積を有するため、キャパシタ、触媒等の被担持物質を担持させる担体等に有利である。
なお、ヘテロ原子を含むカーボンナノウォールを形成するにあたり、スパッタリングによりイオンを固体に衝突させて飛翔した粒子(原子、分子等)をカーボンナノウォールにドープさせることもできる。あるいは、ドープするイオンをカーボンナノウォールに打ち込むイオン注入法を採用することもできる。あるいは、中性ビームによりイオンを中和し、高速ラジカルを用いてドーピングしても良い。
本発明のカーボンナノチューブの製造にあたり、実施例1について説明する。本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1は、ヘテロ原子を含まないカーボンナノウォールの製造例を示す。図1はプラズマCVD装置1を示す。プラズマCVD装置1は、基体として機能する基板2を収容するチャンバー室10を有する容器11と、チャンバー室10に繋がる第1導入管12と、チャンバー室10に繋がる石英管で形成された第2導入管13と、マッチングネットワーク(Matching Network)を有する容量型のプラズマ発生源14(13.56MHz)と、第2導入管13側に配置された高周波出力装置15(RF Power)と、第1導入管12に巻回されたコイルを有するマッチングネットワーク(Matching Network)をもつ誘導型のプラズマ発生源16と、真空ポンプに繋がる吸引路17とを備える。チャンバー室10は、基板2に平行な平板電極18と、平板電極18に対向する電極兼用のヒータ19とを備える。平板電極18と基板2との間の距離は調整可能とされている。
カーボンナノウォールの製造にあたり、まず、チャンバー室10を高真空状態に維持しつつ基板2をヒータ19で加熱する。その状態において、マスフローコントローラにより、第1導入管12から炭化源原料ガスを所定流量導入すると共に、第2導入管13から水素ガスを所定流量導入する。このとき、高周波出力装置15に高周波電力(例えば13.56MHz、出力100W)を印加して、誘導型のプラズマ発生源16により誘導結合型のプラズマを発生させ、これにより水素プラズマを形成して水素ラジカルを生成する。
また、容量型のプラズマ発生源14により、平板電極18と基板2との間に容量結合型のプラズマを発生させ、これにより炭化源原料ガスに電子を衝突させて平板電極18間をプラズマ状態にし、ラジカルを生成する。炭化源原料ガスとしては、炭化水素ガス(CH、C等)、フルオロカーボンを含むガス(C6、CF等)を例示できる。基体として機能する基板2としてはシリコン(Si)、シリコン酸化物(SiO)、ガラス、金属、カーボン等を例示できる。
このようなラジカルを用いるプラズマCVD法により、カーボンナノウォールが基板2の表面に立壁状に形成される。カーボンナノウォールは、図9に模式化したように、グラフェンシート(炭素六角網)が基板2の表面から立ち上がる方向に立壁状に延設されているものと推察されている。カーボンナノウォールのサイズとしては、製造条件によっても相違するが、例えば、高さ(図9に示すh)が5ナノメートル〜8マイクロメートル、殊に20ナノメートル〜4マイクロメートルとすることができ、厚み(図9に示すt)が1ナノメートル〜1000ナノメートル、殊に3ナノメートル〜500ナノメートルとすることができる。カーボンナノウォールはアスペクト比(高さ/厚さ)が大きい。プラズマCVD法における条件によっては、カーボンナノウォールのサイズを更に変更できる余地がある。
カーボンナノウォールは、ヘテロ原子を含まないときであっても、良好な電子放出特性を示すため、フィールドエミッションディスプレイ、次世代LSI等の各種機器に使用することができる。更にカーボンナノウォールは表面積が大きいことから、触媒物質等の被担持物質を担持する担持体としても使用することができる。なお、カーボンナノウォールを形成するにあたり、使用するプラズマCVD装置1としては図1に示すものに限定されるものではない。
(試験例1)
試験例1は、実施例1を具体化したものであり、ヘテロ原子を含まないカーボンナノウォールを製造する例である。試験例1として、図1に示すプラズマCVD装置1を用い、シリコンで形成された基板2をチャンバー室10内に配置した状態で、基板2に対して平行な平板電極18と基板2との間に、炭化源原料ガス(C)を第1導入管12から導入すると共に、水素ガス(H)を第2導入管13から導入した。この場合、基板2をヒータ19により約500℃に加熱した。平板電極18と基板2との間の距離は5センチメートルであり、プラズマ発生源14の出力電力は、13.56MHz、100Wとし、容量結合型のプラズマを平板電極18と基板2との間の発生させた。また、水素ガス(H)を第2導入管13に導入し、誘導型のプラズマ発生源16により、第2導入管13内に誘導結合型のプラズマを発生させた。この場合、高周波出力装置15の出力は、13.56MHz、400Wとした。水素ラジカルを生成させる部位は、第2導入管13(長さ200ミリメートル、内径26ミリメートル)である。このようにラジカルを用いるプラズマCVD法により、カーボンナノウォールをシリコン製の基板2に堆積させた。また、炭化源原料ガスの流量は15sccmとし、水素ガス(H)の流量は30sccmとした。チャンバー室10内の圧力は100mTorrとした。
この系で8時間成長させたカーボンナノウォールは、高さが約1200〜1600ナノメートルであり、壁厚さは約10〜50ナノメートルであった。図2および図3は、このように成長させたカーボンナノウォールの試験片の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す。図2はカーボンナノウォールの表面を示し、図3はカーボンナノウォールの断面を示す。図2および図3に示すように、カーボンナノウォールは、基板の表面に壁状に形成されており、花びら状等の形態に分散した状態で成長している。
図4は、成長時間とカーボンナノウォールの高さおよび厚さとの関係を示す。成長時間が長くなれば、基板2の表面からのカーボンナノウォールの高さ(図9に示すh)は次第に増加している。ここで、成長時間が長くなっても、カーボンナノウォールの厚さ(図9に示すt)の増加は少なく、ほぼ一体厚さとなる。隣接するカーボンナノウォール間の間隔距離もほぼ一定となる。
実施例2は、ヘテロ原子を含むカーボンナノウォールを製造する製造例を示す。ヘテロ原子を含むカーボンナノウォールの製造にあたり、図1に示すプラズマCVD装置1を用いることができる。炭化源原料ガスと、水素ガスと、ヘテロ原子を含有するガスとを用いる。この場合、ヘテロ原子を含有するガスを炭化源炭化源原料ガスに混入させても良い。あるいは、ヘテロ原子を含有するガスを水素ガスに混入させても良い。ヘテロ原子を含有するガスとしては、ヘテロ原子が窒素原子であるときには、窒素(N)ガスまたはアンモニアガス(NH)等を用いることができる。ヘテロ原子がボロン(B)原子であるときには、ジボランガス(B)、BF、BCl、BBr等のボロン含有ガスを用いることができる。ヘテロ原子がリン(P)原子であるときには、ホスフィン(PH)、三塩化リン(PCl)、PF、PF、PCl等のリン含有ガスを用いることができる。ヘテロ原子がヒ素(As)原子であるときには、アルシン(AsH)、AsF、AsF、AsCl、AsCl等のヒ素含有ガスを用いることができる。これらのヘテロ原子を含有する無機系ガス以外に、ヘテロ原子を含有する有機系ガスでも良い。ヘテロ原子を含むカーボンナノウォールは、一般的には、ヘテロ原子を含まないカーボンナノウォールよりも、良好な電子放出特性を示すため、フィールドエミッションディスプレイ、次世代LSI等の各種機器に使用することができる。
(試験例2)
試験例2は、実施例2を具体化したものであり、ヘテロ原子を含むカーボンナノウォールを製造する例である。試験例2は基本的には試験例1と同様である。試験例2として、図1に示すプラズマCVD装置1を用い、シリコンで形成された基板2をチャンバー室10内に配置した状態で、基板2と平板電極18との間に、炭化源原料ガス(C)を第1導入管12から導入する。この場合、基板2をヒータ19により約500℃に加熱した。平板電極18と基板2との間の距離は5センチメートルであり、プラズマ発生源14の出力電力は、13.56MHz、100Wとし、容量結合型のプラズマを平板電極18と基板2との間に発生させた。また、水素ガス(H)と窒素ガス(N)とを第2導入管13からチャンバー室10に導入し、高周波出力装置15により、第2導入管13内に誘導結合型プラズマを発生させた。この場合、高周波出力装置15の出力は、13.56MHz、400Wとした。水素ラジカル、窒素ラジカルを生成させる部位は第2導入管13内である。このようなラジカルを利用するプラズマCVD法により、窒素をドープしたカーボンナノウォールをシリコン製の基板2に堆積させた。
試験例2では、炭化源原料ガス(C)の流量は15sccmであり、水素ガス(H)の流量は30sccmであり、窒素ガス(N)の流量は30sccmとした。チャンバー室10内の圧力は100mTorrとした。
この系で8時間成長させたカーボンナノウォールは、高さが約1200〜1600ナノメートルであり、壁厚さは約10〜50ナノメートルであった。これらの高さおよび壁厚は、用いる原料ガス、成膜条件等により制御することが可能である。例えば、C/H系ではCの流量を大きくすれば、カーボンナノウォールの壁の厚みは増加する。CF/H系を用いれれば、カーボンナノウォールの隣接間隔を広くすることも可能である。CH/H系では、壁厚の薄い(3〜4ナノメートル)カーボンナノウォールの形成が可能である。
図5は、このように成長させたヘテロ原子である窒素原子(ドーパント)を含有するカーボンナノウォールの試験片の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す。図5に示すように、立壁状のカーボンナノウォールは花びら状に集合した状態で成長している。
更に、窒素原子がドープされたカーボンナノウォールの試験片と、窒素原子がドープされていないカーボンナノウォールの試験片とについて電子放出特性をそれぞ測定した。この場合、カーボンナノウォールを基板に形成した試験片を真空容器内に設置し、排気装置により10−6Torrまで真空引きを行った。その後、基板に負のバイアスを印加し、負バイアス印加により基板のカーボンナノウォールから放出される電子をステンレス鋼(直径3ミリメートル)製の球形アノード電極により検出した。また、基板−電極間距離は500μmとし、印加バイアスを0〜5kVで変化させた。図6は電子放出特性の測定結果を示す。図6の横軸は電極印加電圧を示し、縦軸は測定電流を示す。図6において、特性線A1は、窒素原子を含有するカーボンナノウォール(CNW)の測定結果を示し、特性線A2は、窒素原子を含有しないカーボンナノウォール(CNW)の測定結果を示す。
このように窒素原子を含有するカーボンナノウォール、窒素原子を含有しないカーボンナノウォールの双方は、良好な電子放出特性を示す。殊に、特性線A1、A2との比較から理解できるように、窒素原子を含有しないカーボンナノウォールに比較して、窒素原子を含有するカーボンナノウォールは、急激な立ち上がりを示し、良好な電子放出特性を示す。このような急激な立ち上がりは、n型の半導体特性を示すものである。このようにヘテロ原子がドープされたカーボンナノウォールは、フィールドエミッションディスプレイ、次世代LSI等の各種電気機器、電子機器に使用することができる。
図7は、配向を制御したカーボンナノウォールの平面を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す。試験条件は基本的には試験例1と同様とした。この場合においても、ラジカル等を制御しつつ、基本的には試験例1の場合と同様に行った。ラジカル等を制御すれば、プラズマCVD法において、図7に示すように、立壁状のカーボンナノウォールを並走させ、カーボンナノウォールに配向性を与えることができる。このカーボンナノウォールはヘテロ原子がドープされていない。但しヘテロ原子をドープすることもできる。
実施例4は、上記したカーボンナノウォールを搭載するカーボンナノウォールデバイスの概念を示す。
(1)図8はDRAMスタクトキャパシタに適用した概念を模式的に示す。図8に示すように、キャパシタ3は、導電性をもつ第1電極31および第2電極32と、第1電極31と第2電極32との挟まれた誘電物質相33とを備えている。第1電極31および第2電極32は伝導領域として機能する。第1電極31は蓄電電極であり、基板2に搭載されている。カーボンナノウォールは、上記したラジカルプラズマCVD法により、基体として機能する第1電極31の表面に立つように立壁状に形成されている。
第1電極31の表面に形成されているカーボンナノウォールの上に、薄膜状の誘電物質相33が積層されている。この場合、誘電物質相33としては、CVD法、PVD法(スパッタ法、イオンプレーティング法等)、メッキ法、ゾル−ゲル法等の成膜方法により、カーボンナノウォールの上に誘電物質を膜状に堆積させて形成できる。ここで、カーボンナノウォールは立体的な壁で形成されており、カーボンナノウォールの表面積が飛躍的に大きくされているため、カーボンナノウォールに積層された誘電物質相33が立体型となり、誘電物質相33の表面積が飛躍的に増加している。
誘電物質相33としては誘電性を有するものであり、無機系誘電物質、有機系誘電物質を例示できる。無機系誘電物質としては、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(Si)、アルミニウム酸化物(Al)、タンタル酸化物(Ta)、PZT(PbZrTi1−x)、PLZT(Pb1−yLaZrTi1−x)、SBT(SrBiTa)等を例示できる。有機系誘電物質としてはポリイミド系、ポリアミド系、フッ素樹脂系等を例示できる。
第2電極32は、導電性を有する物質を基材として形成されており、例えば、ポリシリコン(導電物質含有)、金属、導電性窒化膜(ナイトライド)、導電性酸化膜(シリサイド)等を例示できる。金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、タングステン、モリブデン、チタン、コバルト、銅を例示でき、更に、酸素との親和力が小さいもの(例えばIr、Pt、Ru)を例示できる。導電性窒化膜としてはチタン窒化物(TiN)、タンタル窒化物(TaN)等が例示される。導電性酸化膜としてはイリジウム酸化物(IrO)、ルテニウム酸化物(RuO)等が例示される。
前記したキャパシタ3によれば、第1電極31に形成されているカーボンナノウォールは、第1電極31の表面に複数の壁が立体的に成長しており、大きな表面積を有する。更に、第2電極32のうちカーボンナノウォールに対面する側も立体的となる。このようにカーボンナノウォールに積層されている誘電物質相33も立体的となり、表面積も大きくされている。キャパシタ3の容量は基本的には誘電物質相33の面積に比例するため、キャパシタ3の容量が増加する。殊に、カーボンナノウォールはアスペクト比(h/t)が大きいため、キャパシタ3の容量を増加させるのに有利である。
第1電極31に形成されているカーボンナノウォールとしては、窒素やボロン等のヘテロ原子をドープしたものでも良いし、あるいは、ヘテロ原子をドープしていないものでも良い。このキャパシタ3はスタック型のキャパシタ3を形成するのに有利となり、例えばDRAMに使用できる。
(2)本発明者らの試験結果等に基づけば、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートは、基板などの基体の表面に立つ方向に延設されている。ここで、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの積層構造は、推察できるものの、ナノレベルであるため、その全部の構造の確定は必ずしも容易ではない。従って、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの積層構造としては、図9、図11、図13等に模式的に示すように、グラフェンシートが積層しつつ年輪状に成長している第1概念形態と、あるいは、図19に模式的に示すように、グラフェンシートのエッジ部を露出させつつ、カーボンナノウォールの厚み方向にグラフェンシートが積層されている第2概念形態とが推察される。なお、図17および図18はカーボンナノウォールの透過型電子顕微鏡写真(TEM)を示す。グラフェンシートが年輪状に積層していることが推察される。
以下、図9〜図16においては、便宜上、第1概念形態を前提として図示しているが、第2概念形態の積層構造も当然予定されるものである。前記した第1概念形態および第2概念形態によれば、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートは、基板などの基体の表面に立つ方向に延設されているものと考えられる。
図9および図10は、カーボンナノウォール(CNW)を用いた縦型電流駆動デバイス(SIT)4の概念を模式的に示す。図9および図10に示すように、シリコンやガラス等で形成された基板4の表面40に、カーボンナノウォールが立体壁状に生成されている。カーボンナノウォールを構成するように複数積層されたグラフェンシート100(炭素六角網)は、基板4の表面40から立ち上がる方向に立壁状に延設されている。図9および図10に示すように、カーボンナノウォールは、第1メイン電極であるソース電極41と、第2メイン電極であるドレイン電極42と、ソース電極41とドレイン電極42との間における電子伝導を制御する制御電極であるゲート電極43とを備えている。ゲート電極43はカーボンナノウォールの側面49に形成されている。図9および図10に示すように、ソース電極41はカーボンナノウォールの根元部に形成されている。ドレイン電極42はカーボンナノウォールの頂上部に形成されている。従ってカーボンナノウォールが立つ方向に沿って(グラフェンシートの延設方向に沿って)、ソース電極41、ゲート電極43、ドレイン電極42が配置されている。
この場合、カーボンナノウォールに窒素(n型不純物)をドープすることによりカーボンナノウォールの全体をn型領域とする工程と、n型とされたカーボンナノウォールの所定部位(ゲート電極43に対面するゲート領域)にボロン(p型不純物)をドープすることにより、カーボンナノウォールに部分的にp型領域を形成する工程と、ドレイン電極42をカーボンナノウォールのn型領域に搭載すると共に、ゲート電極43をカーボンナノウォールのp型領域に搭載するそれぞれカーボンナノウォールに搭載する工程とを実施することにより形成できる。
上記したようにn型とされたカーボンナノウォールの所定部位(ゲート電極43に対面するゲート領域)にボロン(p型不純物)をドープするにあたり、当該所定部位以外の部位に、レジスト膜等のマスキング材を被覆した状態で、ドープを行うことが好ましい。その後、マスキング材を除去することができる。
このデバイス4では、ゲート電極43への電圧印加により、ソース領域からドレイン領域に電子が矢印Y方向(基板4の表面に対して交差する方向)に流れる。この場合、電子が流れる方向(矢印Y方向)は、カーボンナノウォールが立っている方向、つまり、グラフェンシート100(炭素六角網)が延設されている方向であり、伝導性が良好である。このデバイス4によれば、カーボンナノウォールが基板4の表面に立壁状に立っているため、集積度を高めるのに有利である。
当然、p型カーボンナノウォールを形成し、これにn型不純物をドープした構造でも良い。p型領域とn型領域とが混在したデバイスも形成できる。
(3)図11および図12は、カーボンナノウォール(CNW)を用いた横型ロジックデバイス4Bの概念を示す。この図はあくまでも概念を示すものであり、細部まで規定するものではない。図11に示すように、シリコン又はガラスで形成された基板4の表面40に、カーボンナノウォールが立体壁状に生成されている。カーボンナノウォールを構成するように複数積層されたグラフェンシート100は、基板4の表面40から立ち上がる方向に延設されている。図11に示すように、カーボンナノウォールは、第1メイン電極であるソース電極41と、第2メイン電極であるドレイン電極42と、ソース電極41とドレイン42との間における電子伝導を制御する制御電極であるゲート電極43とを備えている。図11に示すようにソース電極41、ドレイン42、ゲート電極43はカーボンナノウォールの側面49(グラフェンシートが延設されている面)に形成されている。
この場合、カーボンナノウォールにボロン(p型不純物)をドープすることによりカーボンナノウォールの全体をp型領域とする工程と、p型とされたカーボンナノウォールの所定部位(ソース電極41に対面するソース領域、ドレイン電極42に対面するドレイン領域)に窒素(n型不純物)をドープすることにより、カーボンナノウォールに部分的にn型領域を形成する工程と、ソース電極41およびドレイン電極42をカーボンナノウォールのn型領域に搭載すると共に、絶縁層45(SiO)を介してゲート電極43をカーボンナノウォールのp型領域に搭載する工程とを実施することにより形成できる。
この場合、p型とされたカーボンナノウォールの所定部位(ソース電極41に対面するソース領域、ドレイン電極42に対面するドレイン領域)に窒素(n型不純物)をドープしてn型領域を形成するにあたり、当該所定部位以外の部位に、レジスト膜等のマスキング材を被覆した状態で、ドープを行うことが好ましい。その後、マスキング材を除去することができる。
図11および図12において、ゲート電極43への電圧印加により、ソース領域からドレイン領域に電子が矢印X方向(カーボンナノウォールの側面49に沿った方向)に流れる。この場合、電子が流れる方向(矢印X方向)は、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシート100(炭素六角網)が延設されている方向であり、伝導性が良好である。このデバイス4Bによれば、カーボンナノウォールが基板4の表面に立壁状に立っているため、集積度を高めるのに有利である。当然、n型カーボンナノウォールにp型領域を形成したデバイス、n型領域とp型領域とが混在したデバイスも形成可能である。
(4)図13および図14は、カーボンナノウォール(CNW)を用いた別の横型カーボンナノウォールロジックデバイス4Cの概念を示す。この図はあくまでも概念を示すものであり、細部まで規定するものではない。図13に示すように、シリコン又はガラスで形成された基板4の表面40に、カーボンナノウォールが立体壁状に生成されている。カーボンナノウォールを構成するように複数積層されたグラフェンシート100は、基板4の表面40から立ち上がる方向に延設されている。図13および図14に示すように、カーボンナノウォールは、n型領域とされた部位401、402と、部位401、402間に位置するようにp型領域とされた部位403とを有する。カーボンナノウォールは、n型領域とされた部位401に形成された第1メイン電極であるソース電極41と、n型領域とされた部位402に形成された第2メイン電極であるドレイン電極42と、p型領域とされた部位403に形成されソース電極41とドレイン42との間における電子伝導を制御する制御電極であるゲート電極43とを備えている。ゲート電極43はソース電極41とドレイン42との間に位置している。図13に示すようにソース電極41、ドレイン42、ゲート電極43はカーボンナノウォールの側面49(グラフェンシートが延設されている面)においてグラフェンシートの延設方向に沿って形成されており、カーボンナノウォールの裏側の側面49sにも延設されている。
この場合、カーボンナノウォールに窒素(n型不純物)をドープすることによりn型領域である部位401、402を形成するn型不純物ドープ工程と、カーボンナノウォールにボロン(p型不純物)をドープすることによりp型領域である部位403を形成するp型不純物ドープ工程と、n型領域である部位401にソース電極41を形成すると共にn型領域である部位402にドレイン電極42を搭載すると共に、p型領域である部位403に絶縁層45(SiO)を介してゲート電極43を搭載する工程とを実施することにより形成できる。n型不純物ドープ工程とp型不純物ドープ工程との順番を逆にしても良い。
この場合、n型とされる部位401、402に窒素(n型不純物)をドープするにあたり、部位403にレジスト膜等のマスキング材を被覆した状態で、ドープを行うことが好ましい。その後、マスキング材を除去することができる。またp型とされる部位403にボロン(p型不純物)をドープするにあたり、部位401、402にレジスト膜等のマスキング材を被覆した状態で、ドープを行うことが好ましい。その後、マスキング材を除去することができる。
カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの積層方向を、矢印K方向(図14)として示す。図13および図14において、ゲート電極43への電圧印加により、ソース領域からドレイン領域に電子が矢印X方向(基板4の表面に沿った方向)に流れる。この場合、電子が流れる方向(矢印X方向)は、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシート100(炭素六角網)が延設されている方向であり、伝導性が良好である。このデバイス4Cによれば、カーボンナノウォールが基板4の表面に立壁状に立っているため、集積度を高めるのに有利である。当然、p型カーボンナノウォールにn型不純物を導入した構造でも良い。n型カーボンナノウォールとp型カーボンナノウォールとが混在したデバイスでも形成可能である。
(5)図15および図16は、カーボンナノウォール(CNW)を用いた他の横型カーボンナノウォールロジックデバイス4Dの概念を示す。この図はあくまでも概念を示すものであり、細部まで規定するものではない。図15に示すように、シリコン又はガラスで形成された基板4の表面40に、カーボンナノウォールが立体壁状に生成されている。カーボンナノウォールを構成するように複数積層されたグラフェンシート100(炭素六角網)は、基板4の表面40から立ち上がる方向に延設されている。図15および図16に示すように、カーボンナノウォールの側面49において、部分的にΔW(図16参照)突出させることにより、凸状部48を形成している。ΔWは、適宜設定するが、グラフェンシートの1層以上の厚みとすることができる。
例えば、凸状部48は、カーボンナノウォールの側面49のうち凸状部48以外の部位をエッチングすることにより形成できる。あるいは、カーボンナノウォールの側面49のうち凸状部48に相当する部位以外をマスキングした状態で、グラフェンシートを積層させることにより、凸状部48を形成することにしても良い。
凸状部48において、n型領域である部位404、405を形成する。カーボンナノウォールのうち、部位404、405以外の部位は、ボロンドープによりp型領域とされている。図15および図16に示すように、カーボンナノウォールは、n型領域とされた部位404に形成された第1メイン電極であるソース電極41と、n型領域とされた部位405に形成された第2メイン電極であるドレイン電極42と、p型領域とされた部位406に絶縁層45を介して形成されソース電極41とドレイン42との間における電子伝導を制御する制御電極であるゲート電極43とを備えている。図15および図16に示すように、ソース電極41、ドレイン42、ゲート電極43はカーボンナノウォールの側面49(グラフェンシートが延設されている面)に部分的に突出する凸状部48に形成されている。
この場合、カーボンナノウォールに窒素(n型不純物)をドープすることによりn型領域である部位404、405を形成するn型不純物ドープ工程と、カーボンナノウォールにボロン(p型不純物)をドープすることによりp型領域である部位406を形成するp型不純物ドープ工程と、n型領域である部位404にソース電極41を形成すると共にn型領域である部位405にドレイン電極42を搭載すると共に、p型領域である部位406に絶縁層45(SiO)を介してゲート電極43を搭載する工程とを実施することにより形成できる。n型不純物ドープ工程とp型不純物ドープ工程との順番を逆にしても良い。
この場合、n型とされる部位404、405に窒素(n型不純物)をドープするにあたり、部位406にレジスト膜等のマスキング材を被覆した状態で、ドープを行うことが好ましい。その後、マスキング材を除去することができる。またp型とされる部位406にボロン(p型不純物)をドープするにあたり、部位404、405にレジスト膜等のマスキング材を被覆した状態で、ドープを行うことが好ましい。その後、マスキング材を除去することができる。当然、p型カーボンナノウォールにn型不純物をドープしても良い。
図15および図16において、ゲート電極43への電圧印加により、ソース領域からドレイン領域に電子が矢印X方向(基板4の表面に沿った方向)に流れる。この場合、電子が流れる方向(矢印X方向)は、カーボンナノウォールを構成するグラフェンシート100(炭素六角網)が延設されている方向であり、伝導性が良好である。
更にカーボンナノウォールのうち側面49に部分的に形成された凸状部48にソース電極41、ドレイン電極42、ゲート電極43を形成している。このため、電子がソース電極41からドレイン電極42に向かうにあたり、電子が凸状部48以外の領域に流れることが抑制される。即ち、電子が矢印R1、R2方向(図15参照)に迂回することが抑制される。故に、ソース電極41とドレイン電極42との間における伝導性を一層向上させるのに有利である。このデバイス4Dによれば、カーボンナノウォールが基板4の表面40に立壁状に立っているため、集積度を高めるのに有利である。
なお、図15において、カーボンナノウォールの側面49のうち凸状部48以外の部位に電気絶縁性が高い膜を形成しても同様な効果を期待できる。その他、本発明は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
プラズマCVD装置を模式的に示す概念図である。 カーボンナノウォールの平面を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM)電子顕微鏡写真である。 カーボンナノウォールの断面を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM)電子顕微鏡写真である。 カーボンナノウォールの成長時間と高さ及び厚さとの関係を示すグラフである。 窒素原子がドープされたカーボンナノウォールの平面を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM)電子顕微鏡写真である。 窒素原子がドープされたカーボンナノウォールの電界放出特性を示すグラフである。 配向を制御したカーボンナノウォールの平面を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM)電子顕微鏡写真である。 カーボンナノウォールを搭載したキャパシタを模式的に示す概念図である。 カーボンナノウォールを搭載した縦型電流駆動デバイス(SIT)を模式的に示す概念図である。 カーボンナノウォールを搭載した縦型電流駆動デバイス(SIT)を模式的に示す概念図である。 カーボンナノウォールを用いた横型ロジックデバイスを模式的に示す概念図である。 カーボンナノウォールを用いた横型ロジックデバイスを模式的に示す概念図である。 カーボンナノウォールを用いた横型ロジックデバイスを模式的に示す概念図である。 カーボンナノウォールを用いた横型ロジックデバイスを模式的に示す概念図である。 カーボンナノウォールを用いた横型ロジックデバイスを模式的に示す概念図である。 カーボンナノウォールを用いた横型ロジックデバイスを模式的に示す概念図である。 カーボンナノウォールの透過型電子顕微鏡写真(TEM)を示す。 カーボンナノウォールの透過型電子顕微鏡写真(TEM)を示す。 カーボンナノウォールを構成するグラフェンシートの積層構造を推察して示す概念図である。
図中、1はプラズマCVD装置、2は基板(基体)、3はキャパシタ(カーボンナノウォールデバイス)、31は第1電極、32は第2電極、33は誘電物質相、4はカーボンナノウォールデバイス、41はソース電極(第1メイン電極)、42はドレイン電極(第2メイン電極)、43はゲート電極(制御電極)を示す。

Claims (7)

  1. 表面をもつ基体と、
    複数の炭素原子を網状に結合させて構成した炭素六角網面で形成された平板状に模擬される複数のグラフェンシートをこれの厚み方向に積層させると共に前記基体の前記表面に対して立つ方向に設けて立壁状に形成されたカーボンナノウォールとを有しており、
    前記カーボンナノウォールは、前記グラフェンシートが延設されたグラフェンシート面方向において互いに離間して設けられた第1メイン電極および第2メイン電極と、前記第1メイン電極と前記第2メイン電極との間における電子伝導を制御する制御電極とを備えていることを特徴とするカーボンナノウォールデバイス。
  2. 請求項において、前記第1メイン電極はソース電極であり、前記第2メイン電極はドレイン電極であり、前記制御電極はゲート電極であることを特徴とするカーボンナノウォールデバイス。
  3. 請求項1または2において、前記カーボンナノウォールは、前記カーボンナノウォールの一側面において当該一側面における他の部分よりも部分的に前記カーボンナノウォールの外方に向けて凸状に突出するように形成された凸状部を有しており、前記第1メイン電極、前記第2メイン電極、前記制御電極は前記凸状部に形成されていることを特徴とするカーボンナノウォールデバイス。
  4. 請求項1〜のうちのいずれか一項において、前記カーボンナノウォールはn型半導体領域および/またはp型半導体領域を備えていることを特徴とするカーボンナノウォールデバイス。
  5. 請求項において、前記n型半導体領域は、n型不純物がカーボンナノウォールにドープされて形成されていることを特徴とするカーボンナノウォールデバイス。
  6. 請求項4において、前記p型半導体領域はp型不純物がカーボンナノウォールにドープされて形成されていることを特徴とするカーボンナノウォールデバイス。
  7. 導電性をもつ伝導領域をもつキャパシタに適用されるデバイスであり、
    前記伝導領域は、誘電物質相を挟む導電性をもつ第1電極と第2電極とを備えており、前記第1電極および前記第2電極のうちの少なくとも一方は、炭素原子を網状に結合させて構成した炭素六角網面で形成された平板状に模擬される複数のグラフェンシートをこれの厚み方向に積層させると共に前記一方の表面に対して立つ方向に設けて立壁状に形成されたカーボンナノウォールで形成されていることを特徴とするカーボンナノウォールデバイス。
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