JP4975289B2 - カーボンナノウォールを用いた電子素子 - Google Patents

カーボンナノウォールを用いた電子素子 Download PDF

Info

Publication number
JP4975289B2
JP4975289B2 JP2005258573A JP2005258573A JP4975289B2 JP 4975289 B2 JP4975289 B2 JP 4975289B2 JP 2005258573 A JP2005258573 A JP 2005258573A JP 2005258573 A JP2005258573 A JP 2005258573A JP 4975289 B2 JP4975289 B2 JP 4975289B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
carbon
substrate
electrode
carbon nanowall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005258573A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007073715A (ja
Inventor
勝 堀
浩之 加納
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagoya University NUC
NU Eco Engineering Co Ltd
Tokai National Higher Education and Research System NUC
Original Assignee
Nagoya University NUC
NU Eco Engineering Co Ltd
Tokai National Higher Education and Research System NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagoya University NUC, NU Eco Engineering Co Ltd, Tokai National Higher Education and Research System NUC filed Critical Nagoya University NUC
Priority to JP2005258573A priority Critical patent/JP4975289B2/ja
Publication of JP2007073715A publication Critical patent/JP2007073715A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4975289B2 publication Critical patent/JP4975289B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Semiconductor Memories (AREA)

Description

本発明は、カーボンナノウォールを用いた電子素子に関する。
カーボンを主体に構成されており所定の微細構造を有する構造体(カーボンナノ構造体)が知られている。そのようなカーボンナノ構造体にはフラーレン、カーボンナノチューブ等がある。また、下記特許文献1には、カーボンナノウォール(carbon nanowalls)と呼ばれるカーボンナノ構造体が記載されている。この特許文献1では、例えばCH4 とH2 の混合物にマイクロ波を印加して、ニッケル鉄触媒をコートしたサファイア基板上にカーボンナノウォールを形成している。また、下記特許文献2には、カーボンナノウォールを高品質に形成する方法が開示されている。
米国特許出願公開第2003/0129305号明細書 PCT出願公開WO2005/021430A1
このカーボンナノウォールは、水素吸蔵燃料電池、フィールドエミッションなどの電子素子への応用が期待されている。しかしながら、このカーボンナノウォールに関する電気的特性については、知られていない。
本発明者は、カーボンナノウォールに関して、電圧電流特性を測定したところ、負性抵抗領域があること、履歴特性があること、微分抵抗値が電圧値によって変化する非線形特性があることなどを発見した。
本発明は、この発見に基づいて成された、カーボンナノウォールを用いた電子素子であり、本発明の従来技術は存在しない。
請求項1の発明は、基材上に立設したグラフェンシートの多重層で壁が構成されたカーボンナノウォールの上端面上に、間隔を隔てて一対の電極を形成した素子であって、電圧電流特性において負性抵抗領域を有する電子素子である。
また、請求項2の発明は、基材上に立設したグラフェンシートの多重層で壁が構成されたカーボンナノウォールの上端面上に、間隔を隔てて一対の電極を形成した素子であって、電圧電流特性において履歴を有し、同一電圧において異なる2値の抵抗値を有する電子素子である。
また、請求項3の発明は、基材上に立設したグラフェンシートの多重層で壁が構成されたカーボンナノウォールの上端面上に、間隔を隔てて一対の電極を形成した素子であって、電圧電流特性において履歴を有する電子素子である。
請求項4の発明は、基材上に立設したグラフェンシートの多重層で壁が構成されたカーボンナノウォールの上端面上に、間隔を隔てて一対の電極を形成した素子であって、微分抵抗が電圧値に応じて変化する非線形特性を有する電子素子である。
なお、この出願に係る「カーボンナノウォール」は、二次元的な広がりをもつカーボンナノ構造体である。二次元的広がりのあるグラフェンシートが基材表面上に立設されたものであり、多重層で壁を構成しているものである。二次元の意味は、壁の厚さ( 幅) に比べて面の縦および横方向の長さが十分に大きいという意味で用いている。面が多層であっても、一対の層(中に空隙のある層)で構成されたものでも良い。また、上面が覆われたもの、したがって、内部に空洞を有するものであっても良い。例えば、ウォールの厚さは0.05〜30nm程度で、面の縦横の長さは、100nm〜10μmで程度である。一般的には、面の縦方向と横方向が幅に比べて非常に大きく、制御の対象となることから二次元と表現している。
上記製造方法により得られるカーボンナノウォールの典型例は、基材の表面からほぼ一定の方向に立ち上がった壁状の構造を有するカーボンナノ構造体である。なお、フラーレン(C60等)は0次元のカーボンナノ構造体とみることができ、カーボンナノチューブは一次元のカーボンナノ構造体とみることができる。
請求項1の電子素子は、電圧電流特性において、負性抵抗領域を有していることから、この領域にバイアス電圧を設定することで、負性特性を利用した多くの用途が考えられる。例えば、能動素子、発振器、スイッチ素子など、一般の負性抵抗素子の用途に用いることができる。
また、請求項2の電子素子は、電圧電流特性に履歴特性を有し、同一電圧で異なる2値の抵抗値を有し、また、請求項3の電子素子では、電圧電流特性に履歴特性を有することから、記憶素子、スイッチ素子などに用いることができる。
また、請求項4の電子素子は、歪み発生器、変調器、その他の非線形素子として用いることができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において特に言及している内容以外の技術的事項であって本発明の実施に必要な事項は、従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書によって開示されている技術内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
カーボンナノウォールの製造に用いる原料物質としては、少なくとも炭素を構成元素とする種々の物質を選択することができる。炭素とともに原料物質を構成し得る元素の例としては、水素、フッ素、塩素、臭素、窒素、酸素等から選択される一種または二種以上が挙げられる。好ましい原料物質としては、実質的に炭素と水素から構成される原料物質、実質的に炭素とフッ素から構成される原料物質、実質的に炭素と水素とフッ素から構成される原料物質が例示される。飽和または不飽和のハイドロカーボン(例えばCH4 )、フルオロカーボン(例えばC2 6 )、フルオロハイドロカーボン(例えばCHF3 )等を好ましく用いることができる。直鎖状、分岐状、環状のいずれの分子構造のものも使用可能である。通常は、常温常圧において気体状態を呈する原料物質(原料ガス)を用いることが好ましい。原料物質として一種類の物質のみを用いてもよく、二種以上の物質を任意の割合で用いてもよい。使用する原料物質の種類(組成)は、カーボンナノウォールの製造段階(例えば成長過程)の全体を通じて一定としてもよく、製造段階に応じて異ならせてもよい。目的とするカーボンナノの性状(例えば壁の厚さ)および/または特性(例えば電気的特性)に応じて、使用する原料物質の種類(組成)や供給方法等を適宜選択することができる。
ラジカル源物質としては、少なくとも水素を構成元素とする物質を好ましく用いることができる。常温常圧において気体状態を呈するラジカル源物質(ラジカル源ガス)を用いることが好ましい。特に好ましいラジカル源物質は水素ガス(H2 )である。また、ハイドロカーボン(CH4 等)のように、分解によりHラジカルを生成し得る物質をラジカル源物質として用いることも可能である。ラジカル源物質として一種類の物質のみを用いてもよく、二種以上の物質を任意の割合で用いてもよい。
製造方法としては、原料物質がプラズマ化されたプラズマ雰囲気中にラジカルを注入することが望ましい。これにより原料物質のプラズマとラジカル(典型的にはHラジカル)とを混在させる。すなわち、原料物質のプラズマ雰囲気中に高密度のラジカル(Hラジカル)を形成することができる。その混在領域から基材上に堆積した炭素によりカーボンナノウォールが形成される(成長する)。使用し得る基材の例としては、少なくともカーボンナノウォールの形成される領域がSi、SiO2 、Si3 4 、GaAs、Al23 等の材質により構成されている基材が挙げられる。基材の全体が上記材質により構成されていてもよい。上記製造方法では、ニッケル鉄等の触媒を特に使用することなく、上記基材の表面に直接カーボンナノウォールを作製することができる。また、Ni,Fe,Co,Pd,Pt等の触媒(典型的には遷移金属触媒)を用いてもよい。例えば、上記基材の表面に上記触媒の薄膜(例えば厚さ1〜10nm程度の膜)を形成し、その触媒被膜の上にカーボンナノウォールを形成してもよい。使用する基材の外形は特に限定されない。典型的には、板状の基材(基板)が用いられる。
この出願に係るカーボンナノウォール(カーボンナノ構造体)製造装置の一構成例を図1に示す。この装置1は、反応室10と、その反応室10内でプラズマを生じさせるプラズマ放電手段20と、反応室10に接続されたラジカル供給手段40とを備える。プラズマ放電手段20は、平行平板型容量結合プラズマ(CCP)発生機構として構成されている。本実施例のプラズマ放電手段20を構成する第一電極22および第二電極24は、いずれも略円板状の形状を有する。これらの電極22,24は、互いにほぼ平行になるようにして反応室10内に配置されている。典型的には、第一電極22が上側に、第二電極24がその下側になるようにして配置する。
第一電極(カソード)22には、マッチング回路(matching network)26を介して電源28が接続されている。これらの電源28およびマッチング回路26により、RF波(例えば13.56MHz)、UHF波(例えば500MHz)、VHF波(例えば、27MHz,40MHz,60MHz,100MHz,150MHz)、またはマイクロ波(例えば2.45GHz)の少なくともいずれかを発生することができる。本実施例では、少なくともRF波を発生し得るように構成されている。
第二電極(アノード)24は、反応室10内で第一電極22から離して配置される。両電極22,24の間隔は、例えば0.5〜10cm程度とすることができる。本実施例では約5cmとした。第二電極24は接地されている。カーボンナノウォールの製造時には、この第二電極24上に基板(基材)5を配置する。例えば、基材5のうちカーボンナノウォールを製造しようとする面が露出する(第一電極22に対向する)ようにして、第二電極24の表面上に基板5を配置する。第二電極24には、基材温度調節手段としてのヒータ25(例えばカーボンヒータ)が内蔵されている。必要に応じてこのヒータ25を稼動させることによって基板5の温度を調節することができる。
反応室10には、図示しない供給源から原料物質(原料ガス)を供給可能な原料導入口12が設けられている。好ましい一つの態様では、第一電極(上部電極)22と第二電極(下部電極)24との間に原料ガスを供給し得るように導入口12を配置する。また、反応室10には、後述するラジカル供給手段40からラジカルを導入可能なラジカル導入口14が設けられている。好ましい一つの態様では、第一電極22と第二電極24との間にラジカルを導入し得るように導入口14を配置する。さらに、反応室10には排気口16が設けられている。この排気口16は、反応室10内の圧力を調節する圧力調節手段(減圧手段)としての図示しない真空ポンプ等に接続されている。好ましい一つの態様では、この排気口16は第二電極24の下方に配置されている。
ラジカル供給手段40は、反応室10の上方にプラズマ生成室46を有する。プラズマ生成室46と反応室10とは、基板5のカーボンナノウォール形成面に対向して設けられた隔壁44によって仕切られている。この隔壁44には、マッチング回路26を介して電源28が接続されている。すなわち、本実施例における隔壁44は、第一電極22としての機能をも果たすものである。また、この装置2は、プラズマ生成室46の壁面と隔壁44との間にRF波、VHF波またUHF波を印加する高周波印加手段60を有する。これによりラジカル源ガス36からプラズマ33を生成することができる。なお、図1に示す高周波印加手段60において、符号62は交流電源を、符号63はバイアス電源を、符号64はフィルタをそれぞれ示している。
このプラズマ33から生じたイオンは、隔壁44で消滅し、中性化してラジカル38となる。このとき、適宜隔壁44に電界を印加して中性化率を高めることができる。また、中性化ラジカルにエネルギーを与えることもできる。隔壁44には多数の貫通孔が分散して設けられている。これらの貫通孔が多数のラジカル導入口14となって、反応室10にラジカル38が導入され、そのまま拡散してプラズマ雰囲気34中に注入される。図示するように、これらの導入口14は基板5の上面(第一電極22に対向する面、すなわちカーボンナノウォール形成面)の面方向に広がって配置されている。このような構成を有する装置2によると、反応室10内のより広い範囲に、より均一にラジカル38を導入することができる。このことによって、基板5のより広い範囲(面積)に効率よくカーボンナノウォールを形成することができる。また、面方向の各部で構造(性状、特性等)がより均一化されたカーボンナノウォールを形成することができる。本実施例によると、これらの効果のうち一または二以上の効果を実現し得る。
隔壁44は、Pt等の触媒機能性の高い材質が表面にコーティングされたもの、あるいはそのような材質自体により形成されたものとすることができる。かかる構成の隔壁44とプラズマ雰囲気34との間に電界を印加する(典型的には、隔壁44に負のバイアスを印加する)ことによって、プラズマ雰囲気34中のイオンを加速し、隔壁44をスパッタリングする。これにより、触媒機能を有する原子(Pt等)あるいはクラスターをプラズマ雰囲気34中に注入することができる。カーボンナノウォールを形成するプロセスにおいて、プラズマ生成室46から注入されるラジカル(典型的にはHラジカル)38、プラズマ雰囲気34において発生する少なくとも炭素を含むラジカルおよび/またはイオン、および、上述のように隔壁44のスパッタリングにより発生して注入される触媒機能を有する原子またはクラスターを用いる。これにより、得られるカーボンナノウォールの内部および/または表面に、触媒機能を有する原子、クラスターまたは微粒子を堆積させることができる。このようにな原子、クラスターまたは微粒子を具備するカーボンナノウォールは、高い触媒性能を発揮し得ることから、燃料電池の電極材料等として応用することが可能である。
次に、上述した装置1を用いてカーボンナノウォールを作製し、負性抵抗素子を作成した。
図2に示すように、基板には0.5mmの石英ガラス70と、図3に示すように、表面上に0.1μmのSiO2 膜72を形成した0.5mmのシリコン基板71とを用いた。これらの基板70、71上にカーボンナノウォール73、74を形成した。本実験例では、原料ガス32としてC2 6 を使用した。ラジカル源ガス36としては水素ガス(H2 )を使用した。なお、カーボンナノウォールを堆積させる基板表面には、触媒(金属触媒等)を実質的に存在しない。
第二電極24上にシリコン基板5を、その(100)面が第一電極22側に向くようにしてセットした。原料導入口12から反応室10にC26 (原料ガス)32を供給するとともに、ラジカル源導入口42から水素ガス(ラジカル源ガス)36を供給した。また、反応室10内のガスを排気口16から排気した。そして、反応室10内におけるC26 の分圧が約20mTorr、H2 の分圧が約80mTorr、全圧が約100mTorrとなるように、原料ガス32およびラジカル源ガス36の供給量(流量)ならびに排気条件を調節した。C26 は15sccm、H2 は30sccmである。
この条件で原料ガス32を供給しながら、電源28から第一電極22に13.56MHz、100WのRF電力を入力し、反応室10内の原料ガス(C26 )32にRF波を照射した。これにより原料ガス32をプラズマ化し、第一電極22と第二電極24との間にプラズマ雰囲気34を形成した。また、上記条件でラジカル源ガス36を供給しながら、電源58からコイル52に13.56MHz、50WのRF電力を入力し、ラジカル発生室40内のラジカル源ガス(H2 )36にRF波を照射した。これにより生成したHラジカルを、ラジカル導入口14から反応室10内に導入した。このようにして、シリコン基板5の(100)面にカーボンナノウォールを成長(堆積)させた。本実験例ではカーボンナノウォールの成長時間を2時間とした。その間、必要に応じてヒータ25および図示しない冷却装置を用いることにより、基板5の温度を約600℃に保持した。成長時間は3時間である。このカーボンナノウォール73、74の高さは530nm、厚さは30nmである。
上記のようにして製造した試料のうち石英ガス基板上に形成したカーボンナノウォールを走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。図4は上面のSEM像であり、図5は側面のSEM像である。これらの試料のカーボンナノウォールの上面に、図2、3に示すように、アルミニウム電極75、76をEB蒸着法により形成して電子素子を形成した。
また、上記のようにして製造した幾つかの電子素子の電極75、76間に電圧を印加して、電流−電圧特性を測定した。図6、7、8にその測定結果を示す。図6は、石英ガラス基板の上にカーボンナノウォールを堆積した素子で、図4、図5のSEM像を有する素子のV−I特性である。電極75と76との間隔は45μmであり、印加開始電圧は+5V、電圧の掃引速度は0.1V/s、折り返し電圧は−5Vである。初期印加電圧+5Vから電圧を低下させると、直線Aに沿って電流は減少した。この時の抵抗は9.57kΩである。電圧を減少させると、−3.3V付近で、電流が急激に増加した。−5Vで電圧の増加方向を反転させて正方向に増加させると、直線Bに沿って、電流は電圧の増加に伴って増加した。この時の抵抗は5.41kΩである。そして、+2.4Vにおいて、電圧の増加に伴い、電流は急激に減少し、その後、電圧を増加させると直線Aに沿って電流は増加した。この時、領域Cで示すように、負性抵抗が観測された。したがって、上記のように、+5Vから印加電圧を−5Vまで減少させて、電圧を正方向に増加させて、2.4Vから3Vの範囲の電圧をバイアス電圧とすることにより、負性抵抗領域で素子を駆動することが可能となる。
次に、石英ガラス基板の上にカーボンナノウォールを堆積した素子で、電極75と76との間隔を1mmとした素子について、電圧−電流特性を測定した。その結果を図7に示す。印加開始電圧は+8V、電圧の掃引速度は0.1V/s、折り返し電圧は−8Vである。初期印加電圧+8Vから電圧を低下させると、直線Aに沿って電流は減少した。この時の抵抗は2.4kΩである。電圧を減少させると、−4.5V付近で、電流が急激に増加した。−8Vで電圧の増加方向を反転させて正方向に増加させると、直線Bに沿って、電流は電圧の増加に伴って増加した。この時の抵抗は1.44kΩである。そして、+5.0Vにおいて、電圧の増加に伴い、電流は急激に減少し、その後、電圧を増加させると直線Aに沿って電流は増加した。この時、領域Cで示すように、負性抵抗が観測された。したがって、上記のように、+8Vから印加電圧を−8Vまで減少させて、電圧を正方向に増加させて、5.0Vから5.5Vの範囲の電圧をバイアス電圧とすることにより、負性抵抗領域で素子を駆動することが可能となる。
次に、SiO2 膜72の上にカーボンナノウォール74を成長させた図3の素子について、V−I特性を測定した。その特性を図8に示す。前述の特性と同様にV−I特性に履歴があり、負性抵抗領域が存在する特性が得られた。
本発明の電子素子は、負性抵抗素子、スイッチ素子、メモリ素子、非線形素子として用いることができる。
本発明の電子素子のカーボンナノウォールを製造する製造装置を示す模式図である。 本発明の具体的な一実施例に係る電子素子の構造を示した側面図。 本発明の具体的な一実施例に係る電子素子の構造を示した側面図。 実施例に係る電子素子に使用されているカーボンナノウォールの上面のSEM像。 実施例に係る電子素子に使用されているカーボンナノウォールの側面のSEM像。 実施例に係る電子素子の電圧電流特性。 実施例に係る他の電子素子の電圧電流特性。 実施例に係る他の電子素子の電圧電流特性。
2…カーボンナノウォール製造装置
5,70,71…基板
10…反応室
14…ラジカル導入口
20…プラズマ放電手段
22…第一電極
24…第二電

Claims (4)

  1. 基材上に立設したグラフェンシートの多重層で壁が構成されたカーボンナノウォールの上端面上に、間隔を隔てて一対の電極を形成した素子であって、電圧電流特性において負性抵抗領域を有する電子素子。
  2. 基材上に立設したグラフェンシートの多重層で壁が構成されたカーボンナノウォールの上端面上に、間隔を隔てて一対の電極を形成した素子であって、電圧電流特性において履歴を有し、同一電圧において異なる2値の抵抗値を有する電子素子。
  3. 基材上に立設したグラフェンシートの多重層で壁が構成されたカーボンナノウォールの上端面上に、間隔を隔てて一対の電極を形成した素子であって、電圧電流特性において履歴を有する電子素子。
  4. 基材上に立設したグラフェンシートの多重層で壁が構成されたカーボンナノウォールの上端面上に、間隔を隔てて一対の電極を形成した素子であって、微分抵抗が電圧値に応じて変化する非線形特性を有する電子素子。
JP2005258573A 2005-09-06 2005-09-06 カーボンナノウォールを用いた電子素子 Active JP4975289B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005258573A JP4975289B2 (ja) 2005-09-06 2005-09-06 カーボンナノウォールを用いた電子素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005258573A JP4975289B2 (ja) 2005-09-06 2005-09-06 カーボンナノウォールを用いた電子素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007073715A JP2007073715A (ja) 2007-03-22
JP4975289B2 true JP4975289B2 (ja) 2012-07-11

Family

ID=37934913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005258573A Active JP4975289B2 (ja) 2005-09-06 2005-09-06 カーボンナノウォールを用いた電子素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4975289B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5526457B2 (ja) * 2006-12-01 2014-06-18 富士通株式会社 炭素細長構造束状体、その製造方法および電子素子
US7982209B2 (en) 2007-03-27 2011-07-19 Sandisk 3D Llc Memory cell comprising a carbon nanotube fabric element and a steering element
WO2008118486A1 (en) * 2007-03-27 2008-10-02 Sandisk 3D, Llc Memory cell comprising a carbon nanotube fabric element and a steering element and methods of forming the same
JP2010212619A (ja) * 2009-03-12 2010-09-24 Toshiba Corp グラフェンの作製方法、グラフェン、グラフェン作製装置及び半導体素子

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146533A (ja) * 2000-11-06 2002-05-22 Mitsubishi Electric Corp 炭素薄体、炭素薄体形成方法および電界放出型電子源
JP4766895B2 (ja) * 2005-03-28 2011-09-07 トヨタ自動車株式会社 カーボンナノウォールデバイス
JP5054896B2 (ja) * 2005-03-28 2012-10-24 勝 堀 カーボンナノウォールの処理方法、カーボンナノウォール、カーボンナノウォールデバイス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007073715A (ja) 2007-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3962420B2 (ja) カーボンナノウォールの製造方法、カーボンナノウォールおよび製造装置
JP5242009B2 (ja) カーボンナノウォールを用いた光起電力素子
Guillorn et al. Self-aligned gated field emission devices using single carbon nanofiber cathodes
JP2012041249A (ja) カーボンナノ構造体の製造方法
US20100009242A1 (en) Carbon nanowall with controlled structure and method for controlling carbon nanowall structure
US20090200912A1 (en) Methods for Growing Carbon Nanotubes on Single Crystal Substrates
WO2007037343A1 (ja) カーボンナノ構造体を用いたダイオード及び光起電力素子
JP2010212619A (ja) グラフェンの作製方法、グラフェン、グラフェン作製装置及び半導体素子
JP2011190156A (ja) カーボンナノウォールの選択成長方法、およびカーボンナノウォールを用いた電子デバイス
JP4762945B2 (ja) カーボンナノウォール構造体
JP5116961B2 (ja) カーボンナノウォールを用いたダイオード
JP4975289B2 (ja) カーボンナノウォールを用いた電子素子
JP3837451B2 (ja) カーボンナノチューブの作製方法
WO2007015445A1 (ja) プラズマ発生装置およびこれを用いた成膜方法
JP4786156B2 (ja) カーボンナノウォールの製造方法
JP5042482B2 (ja) カーボンナノチューブ集合体の製造方法
JP2008239357A (ja) カーボンナノウォールの製造方法
JP5028593B2 (ja) 透明導電膜の製造方法
JP4872042B2 (ja) 高密度カーボンナノチューブ集合体及びその製造方法
JP4853861B2 (ja) カーボンナノ構造体の形成方法及び装置
JP2005097113A (ja) カーボンナノウォールの製造方法と製造装置
JP4229849B2 (ja) 針状カーボン膜の製造方法、針状カーボン膜および電界放出構造
JP2008293967A (ja) 電子源及び電子源の製造方法
JP4802321B2 (ja) カーボンナノチューブ成長方法
Lin et al. Improvement of electron field emission properties of nanocrystalline diamond films by a plasma post-treatment process for cathode application in microplasma devices

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120316

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120410

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120411

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4975289

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150420

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350