JP5051683B2 - キャップ材、キャップ付容器 - Google Patents

キャップ材、キャップ付容器 Download PDF

Info

Publication number
JP5051683B2
JP5051683B2 JP2005362880A JP2005362880A JP5051683B2 JP 5051683 B2 JP5051683 B2 JP 5051683B2 JP 2005362880 A JP2005362880 A JP 2005362880A JP 2005362880 A JP2005362880 A JP 2005362880A JP 5051683 B2 JP5051683 B2 JP 5051683B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cap
liner
film
cap material
top plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005362880A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007161332A (ja
Inventor
達也 花房
英泰 武藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Universal Can Corp
Original Assignee
Universal Can Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Universal Can Corp filed Critical Universal Can Corp
Priority to JP2005362880A priority Critical patent/JP5051683B2/ja
Publication of JP2007161332A publication Critical patent/JP2007161332A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5051683B2 publication Critical patent/JP5051683B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Closures For Containers (AREA)

Description

本発明は、ボトル缶やガラスビンやPETボトル等に使用されるキャップ材、キャップ付容器に関する。
近年、清涼飲料水などの飲料用容器として、ガラスビン、PETボトル、アルミボトル缶等の開閉可能な容器が広く使用されている。これらの容器に使用されるキャップ材としては、合成樹脂製あるいはアルミニウム合金や鉄などの金属製のキャップ本体と、主に合成樹脂で構成されたライナーとで構成されたものが広く提供されている。
キャップ本体は、一般に、天板部とこの天板部の周縁部から略垂下してなる周壁部とを備え、周壁部の下端側に、周方向に延び、かつ径方向内側に凹むスリット部とブリッジとが交互に周方向に複数配置された破断容易部を設けたものである。キャップ材とは、このキャップ本体の天板部内面に、前記ライナーが装着されたものである。
この種のキャップ材は、雄ネジ部と該雄ネジ部の下端に配置され径方向外側に膨出した膨出部とを備えたボトル口部に被せられ、前記天板部が下方に押圧された状態で、前記周壁部の外周面が、前記ボトル口部の雄ネジ部に沿うように径方向内方に向けて押圧されて当該周壁部に雌ネジ部を形成されるとともに、周壁部の開放端部(下端部)が、前記膨出部に巻き込ませられるように径方向内側へ向けて押圧される(すそ巻き工程)ことによって、ボトル口部に螺着されてキャップとして使用される。つまり、キャップとは、上記キャップ材をボトル口部に螺着したものである。ここで、ボトル口の開口部とライナーとが密着することでボトル容器内が密封される。
ここで、キャップ本体の天板部の内面に配置されるライナーとしては、予め成形したディスクを挿入した後にキャップ本体の天板部内面の中心部に熱接着したものや、塩ビゾルのようにキャップ本体に樹脂を流し込んでゲル化と同時に接着したものや、溶融樹脂をキャップ本体の中に入れて型押ししたもの等がある。そして、これらのライナーは、ほとんどがキャップ本体の天板部内面に接着されており、キャップを回転させる際には、キャップと同時にライナーを回転する必要がある。
ところで、ライナーとボトル口部の開口部におけるライナーとの接触部分とが強く固着していると、その間の摩擦抵抗が大きいため、開栓に必要なトルク(以下、開栓トルクと称す)が大きくなり、開栓操作が困難になる問題があった。そこで、開栓トルクを低減するためにライナーとボトル口部の開口部におけるライナーとの接触部分との潤滑を良好にする必要があり、ライナーに滑剤を添加したものが提供されている。
しかしながら、滑剤を必要以上に添加したライナーを使用した場合には、滑剤が添加したライナーが直接ボトル容器内の充填物と接触するため、充填物に滑剤の一部が落下して充填物の表面に浮き、異物として認識されて品質を損なうというおそれがあった。
このような問題を解決するために、特許文献1では、ライナーを機能層と支持層との2層構造とし、このシート状の2層ライナーをキャップ本体の天板部の内面と非接合状態で取り付ける構成とされたキャップが提案されている。
特開2004−217295号公報
ところで、2種類の樹脂からなる2層ライナーにおいては、2種類の合成樹脂を一度に押し出す共押出法によって2層シート材を成形し、この2層シート材をディスク状に打ち抜くことで製造されている。共押出法では、ロール圧延によってシート材全体の厚さを一定に維持している。
ここで、共押出法によれば、機能層を構成する樹脂と支持層を構成する樹脂のMFR(JIS K 7210)等が大きく異なる場合には、これら機能層と支持層との間の境界面が波打つように変化してしまうことになる。
このように共押出法によって成形する場合には、機能層を構成する樹脂と支持層を構成する樹脂とのMFR(JIS K 7210)が近似していなければならず、機能層及び支持層の樹脂の選択範囲が制限されてしまうといった問題があった。
さらに、支持層と天板部内面との摩擦抵抗を小さくするために、支持層にアンチブロッキング剤として微粒子を添加して、この微粒子によって支持層表面に微小な凹凸を生じさせることが考えられるが、共押出法では、表面に位置する微粒子が共押出法のロール圧によって埋没して表面が平滑にされてしまい、アンチブロッキング剤を添加したにもかかわらず、天板部と支持層との摩擦抵抗を低減できなくなってしまう。
アンチブロッキング剤の代用として滑剤を添加することも考えられるが、この場合でも滑剤を表面に配置することができずに天板部と支持層との摩擦抵抗を低減できなくなってしまうおそれがあった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、キャップ材の天板部内面との摩擦抵抗が小さく、かつ、ボトル口部の開口部を確実に密封することができるライナーを具備したキャップ材、キャップ付容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は、円板状の天板部と該天板部の周縁から略垂下してなる周壁部とを有するキャップ本体と、前記天板部内面に装着されるシートタイプのライナーとを有するキャップ材であって、前記ライナーは、熱可塑性合成樹脂で構成されシール機能を有するライナー本体に、アンチブロッキング剤および滑剤の少なくとも一方を含有して二軸配向されたフィルムが接合されて構成されており、前記ライナーは、前記フィルムが前記天面部の内面に対向するように配置されていることを特徴としている。
上記の構成のキャップ材においては、そのライナーが、ライナー本体に、アンチブロッキング剤または滑剤を含有したフィルムが接合されて構成されているので、ライナーの素材となるシート材を成形する際にフィルムがロール圧延されることがなく、アンチブロッキング剤として添加した微粒子が埋没することを防止できる。
ここで、好ましくは二軸配向フィルムを使用するとよい。アンチブロッキング剤および滑剤の少なくとも一方を含有したフィルムを二軸配向とすることにより、アンチブロッキング剤および滑剤がフィルムの表面に浮き上がるように配置され、キャップ天板部の内面とライナーとの摩擦抵抗を確実に低減できる。
また、ライナー本体とフィルムとをそれぞれ独立に成形した後に、これらを接合してライナー素材であるシート材を成形できるので、ライナー本体及びフィルムを構成する樹脂等を選択する際に、これらのMFR等の特性を考慮する必要がなく、選択の幅が広がり、最適な樹脂を選択することができる。例えば、シール性に優れた樹脂でライナー本体を構成し、キャップ天板部内面との摩擦抵抗が小さくなる樹脂でフィルムを構成することにより、シール性に優れるとともに、開栓性に優れたキャップ材を提供できる。
また、前記フィルムの厚さを、前記ライナー本体の厚さの10%以下とすることにより、ライナー本体のシール性を損なうことなく、キャップ材天板部との摩擦抵抗を低減できるので好ましい。さらに、このような効果を確実に奏功せしめるためには、前記フィルムの厚さを、前記ライナー本体の厚さの5%以下とすることがより好ましい。
また、前記フィルムに滑剤を添加することにより、ライナーとキャップ本体天板部内面との摩擦抵抗をさらに低減することができる。
また、前記フィルムの少なくとも一方の面に印刷を施すことにより、文字や図形などをライナーに表示できるとともに、これらの情報を表示するインキがボトル容器内の充填物に接触することがなく衛生性に優れている。
ここで、前記フィルムを、ポリプロピレンまたはプロピレン重合体で構成することにより、フィルムの硬度を確保でき、天板部内面との摩擦を確実に低減することができる。また、前記ライナー本体を、ポリオレフィン系エラストマまたはポリスチレン系エラストマで構成することにより、上記フィルムとライナー本体との接着性を向上させることができる。
また、前記天板部の前記内面に塗膜を形成し、該塗膜に滑剤を含有させることにより、天板部内面とライナーとの摩擦抵抗をさらに低減して、開栓トルクをさらに低減することができる。
また、前記キャップ本体を、アルミニウム合金または合成樹脂またはブリキ若しくはティンフリースチールで構成することにより、アルミボトル缶やPETボトルやティンフリースチール製ボトル缶やガラスビンなどのボトル容器のキャップとして本発明のキャップ材を使用することができる。
また、前記キャップ材を、前記キャップ本体の前記天板部近傍に設けられたライナー支持部によって、前記ライナーを回転自在に支持する構成とすることにより、キャップを回転させる際に、ライナーをキャップとともに回転する必要が無く、開栓トルクを大幅に低減できる。
また、上述したキャップ材をボトル口部に配置するとともに、前記周壁部内面にボトル口部に螺着させる雌ネジ部を形成したキャップ付容器は、キャップ材の天板部内面とライナーとの動摩擦係数が小さいので、開栓トルクが低減され、開栓操作を容易に行うことができる。さらに、ライナー本体がシール性に優れた樹脂で構成されているので、ボトル口部をライナーとを密着させて容器を確実に密封することができる。
以上のように、本発明によれば、キャップ材の天板部内面との摩擦抵抗が小さく、かつ、ボトル口部の開口部を確実に密封することができるライナーを具備したキャップ材、キャップ付容器を提供することができる。
本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1に本発明の実施形態であるキャップ材を、図2に本発明の実施形態であるキャップ材に装着されたライナーを示す。
キャップ材10は、アルミニウム合金板を絞り加工することにより形成されたキャップ本体11とキャップ本体11に装着されるライナー20とから構成されている。
キャップ本体11は、円板状の天板部12と、天板部12の周縁から略垂下してなる周壁部13を有し、周壁部13の上方には、周壁部13の内面側に凹んで断面矩形をなすナール部14と、周壁部13の内面側に凹んで断面三角形をなし、ライナー20をその下面側から支持するライナー支持部15とが、周方向に交互に等間隔で配置されている。
そして、この天板部12の内面には、例えば、合成樹脂に滑剤としてポリエチレンワックスが少量添加された塗料が塗布されている。
ライナー20は、例えば、ポリプロピレン(PP)とスチレンブタジエンスチレンエチレンブロック共重合体(SEBS)とパラフィンオイルとのブレンド材(TPS−1)や、ポリプロピレン(PP)とスチレンプロピレンスチレンエチレンブロック共重合体(SEPS)とパラフィンオイルとのブレンド材(TPS−2)等からなるエラストマーで構成されたライナー本体21の上に、例えば、ポリプロピレン(PP)からなるフィルム22が積層されるように接合されて形成されている。このフィルム22には、アンチブロッキング剤として、例えば、シリカ等の微粒子が添加されており、図3に示すように、フィルム22の表面には微小な凹凸が形成されている。さらに、このフィルム22を二軸配向させることにより、フィルム22の表面にアンチブロッキング剤が配置されている。
なお、本実施形態では、フィルム22の厚さは、ライナー本体21の厚さの5%以下となるように設定されている。
また、ライナー本体21には、滑剤として脂肪酸アマイドが0.3重量%添加されており、ライナー本体21の表面が滑りやすくされている。同様に、フィルム22にも、滑材として脂肪酸アマイドが0.3重量%添加されている。
ライナー本体21は、押出機又はTダイによって一定厚さのシート状に成形される。フィルム22はインフレーション法によって成形され、このフィルム22がライナー本体21の上面に、例えばドライラミネートによって接合されることにより、ライナー20が製造される。
このようなライナー20は、フィルム22が天板部12内面に対向するように配置され、ライナー支持部15にて支持されている。つまり、ライナー20のフィルム22とキャップ材10天板部12の内面とは接合されていないのである。
次に、上記のキャップ材10が使用されるキャップ付容器の一例としてキャップ付ボトル缶30について説明する。図4に示すように、キャップ付ボトル缶30は、アルミニウム合金板などから形成された金属製ボトル缶31(以下、ボトル缶31と称す)にキャップ40が螺着されて構成されている。ボトル缶31は、円筒状の缶胴32から上方に向かって縮径する縮径部33を有し、縮径部33の上方に口金部34を備えている。口金部34は、雄ネジ部35と、この雄ネジ部35の缶軸方向下端に連設されて径方向外側へと膨出した膨出部36と、雄ネジ部25の缶軸方向上端側に形成されたカール部37とを有している。
キャップ材10は、ボトル缶31の口金部34に被着されて使用される。すなわち、キャップ材10は、ボトル缶31の口金部34に被せられ、キャッピング装置のネジ形成ローラーがキャップ材10の周壁部13に押し当てられた状態で口金部34の周囲を回転し、口金部34の雄ネジ部35に沿って転動することにより、キャップ材10の周壁部13内面に口金部34の雄ネジ部35に対応した雌ネジを形成されるとともに、周壁部13の開放端部を、口金部24の膨出部36に巻き込ませるように径方向内側へ向けて押圧するようにすそ巻きされることにより、口金部34に被着され、キャップ40として使用される。
つまり、キャップ材10をボトル缶31に被着させ、キャップ材10の周壁部13に雌ネジ部41を形成させたものをキャップ40というのである。このキャップ40には、天板部12と雌ネジ部41とピルファープルーフ部42とブリッジ部43とが形成されており、ボトル缶31の雄ネジ部35とキャップ40の雌ネジ部41とが螺合し、膨出部36の下方にピルファープルーフ部42の下端がすそ巻きされた状態で、キャップ40はボトル缶31に被着されており、ボトル缶31の口金部34とライナー20の密封層21とが密着することで密封されているのである。
キャップ40が被着されたボトル缶31を開栓する際には、ボトル缶31を一定位置に保持した状態で、当該キャップ40を回転させる。この回転により、ボトル缶31の膨出部36と係合しているピルファープルーフ部42がブリッジ部43にて分離され、キャップ40のピルファープルーフ部42以外の部分は、口金部34の雄ネジ部35に沿って上方に移動する。これに伴い、ライナー支持部15にて保持されているライナー20も上方に移動し、ライナー20と口金部34とが離間され、開栓される。
本実施形態であるキャップ材10によれば、ライナー本体21にフィルム22が接合され、アンチブロッキング剤によってフィルム21の表面に微小な凹凸が生じているので、キャップ材10に装着した場合に、天板部12内面との実質的な接触面積が小さくなり摩擦抵抗を抑えることができる。したがって、キャップ30の開栓トルクを小さくでき、開栓を容易に行うことができる。
また、ライナー本体21とフィルム22とがそれぞれ独立して成形された後に、接合されているので、共押出で2層シートを成形する場合に比べて、ライナー本体21及びフィルム22を構成する樹脂材料の選択に制限がなく、それぞれの用途に適した樹脂材料で構成することができる。また、共押出のようにフィルム22をロール圧延する必要がなく、フィルム22に添加したアンチブロッキング剤が表面から埋没することを防止でき、表面の凹凸を確実に確保することができる。
また、フィルム22の厚さが、ライナー本体21の厚さの5%以下とされているのでライナー本体21のシール性を損なうことなく、キャップ材10天板部11との摩擦抵抗を低減できる。
また、フィルム22に滑剤として脂肪酸アマイドが0.3重量%添加されているとともに、キャップ本体11天板部12内面に滑剤としてポリエチレンワックスが少量添加された塗料が塗布されているので、ライナー20とキャップ本体11天板部12内面との摩擦抵抗をさらに低減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態においてはアルミニウム合金製のキャップ付ボトル缶を用いて説明したが、これに限定されることはなく、例えば、ガラスビンに金属製キャップが装着されたものや、PET容器に樹脂製キャップが装着されたものでも良い。
また、ライナー本体をポリプロピレン(PP)とスチレンブタジエンスチレンエチレンブロック共重合体(SEBS)とパラフィンオイルとのブレンド材(TPS−1)で構成したもので説明したが、これに限定されることなく、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)などの他の樹脂材料でもよい。
同様に、フィルムをポリプロピレン(PP)で構成したもので説明したが、これに限定されることはなく、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド系合成樹脂(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの他の樹脂材料でもよい。
さらに、アンチブロッキング剤としてシリカを添加したもので説明したが、例えば、アクリル樹脂、シリコン樹脂、スチレン樹脂などであってもよい。また、フィルムにアンチブロッキング剤および滑剤の少なくとも一方を添加したものであってもよい。
また、ライナー本体に滑剤を添加したもので説明したが、滑剤は必ずしも添加されている必要はない。
以下に、本発明の効果を確認するために行った比較試験結果について説明する。
この比較試験では、厚さ0.22mmのアルミニウム合金板を28mmPPキャップ用のキャップ本体に成型し、後述するライナーを挿入してキャップ材とし、内容量180mlの口径28mmのガラス瓶に80℃の熱水を充填し上記キャップ材で施栓して試料とした。なお、ライナー径27.5mm、ライナー支持部内径26.5mmとし、ライナーはフィルムをキャップ本体の天板部内面に向けてキャップ本体にセットした。また、天板部の内面にはエポキシフェノール系塗料に滑剤としてポリエチレンワックスを添加したものを塗布した。
この試料を室温(20℃)にて放置した後に、開栓トルクの測定を行った。ここで、開栓トルクとしては、回転開始時のトルク(第1トルク)とブリッジ部が破断する際のトルク(第2トルク)をそれぞれ10個の試料で測定し、平均値を算出した。
本発明例としては、ライナー本体を押出機及びTダイで1.0mm厚のシート状に成型し、これにフィルムをドライラミネートしたものを用いた。比較例としては、フィルムを有さない単層ライナーを用いた。
比較試験結果を表1に示す。
Figure 0005051683
LDPEで構成されたフィルムを有する本発明例1は、EVA樹脂単層のライナーである比較例1と比較して、開栓トルクが低減されている。特に、第1トルクについては大きく低減されており、フィルムによって天板部とライナーとの摩擦抵抗が抑えられていることが確認された。
同様に、PP−1で構成されたフィルムを有する本発明例2と、TPS−1単層のライナーである比較例2と比較した場合でも、開栓トルクが低減されている。
また、本発明例3〜5ではフィルムの厚さを変化させているが、いずれもTPS−2単層のライナーである比較例3と比較して、開栓トルクが低減されている。なお、フィルムの厚さが薄いほど開栓トルクの低減効果が大きくなる傾向にある。
この比較試験では、厚さ0.22mmのアルミニウム合金板を28mmPPキャップ用のキャップ本体に成型し、後述するライナーを挿入してキャップ材とし、内容量190mlの口径28mmのガラス瓶にガス水(内圧3ボリューム)を充填し上記キャップ材で施栓して試料とした。なお、ライナー径27.4mm、ライナー支持部内径26.5mmとし、ライナーはフィルムをキャップ本体の天板部内面に向けてキャップ本体にセットした。また、天板部の内面にはエポキシフェノール系塗料に滑剤としてポリエチレンワックス及びカルナバワックスを添加したものを塗布した。
この試料を室温(20℃)にて放置した後に、開栓トルク(第1トルク)を測定するとともに容器内における滑剤の浮遊状態を確認した。
本発明例としては、ライナー本体を押出機及びTダイで1.0mm厚のシート状に成型し、これにフィルムをドライラミネートしたものを用いた。比較例としては、フィルムを有さない単層ライナーを用いた。比較試験結果を表2に示す。
Figure 0005051683
LDPEで構成されたフィルムを有する本発明例6、7は、EVA樹脂単層のライナーに滑剤を添加した比較例4、5と比較して開栓トルクが低減されている。
また、比較例5〜7の結果が示すように、滑剤の添加量の増加に伴い開栓トルクは減少するが、滑剤の浮遊が認められた。
フィルムに滑剤を添加した本発明例7、8、10では、容器内での滑剤の浮遊は認められなかった。
この比較試験では、厚さ0.25mmのアルミニウム合金板を38mmPPキャップ用のキャップ本体に成型し、後述するライナーを挿入してキャップ材とし、内容量300ml(全量340ml)の口径38mmのアルミボトル缶に80℃の熱水を充填し、内圧が1.0kg/cmになるように一定量の液体窒素をヘッドスペースに滴下し、直ちに上記キャップ材で施栓して試料とした。なお、ライナー径37.4mm、ライナー支持部内径36.5mmとし、ライナーはフィルムをキャップ本体の天板部内面に向けてキャップ本体にセットした。
また、本発明例18〜20のライナーは、天板部内面に塗装を施していないキャップ本体に装着し、その他のライナーは、天板部の内面にエポキシフェノール系塗料に滑剤としてポリエチレンワックス及びカルナバワックス添加したものが塗布されたキャップ本体を使用した。
この試料にレトルト処理(120℃ 30分)を施して室温で放置した後に、開栓トルク(第1トルク)を測定するとともに容器内の滑剤の浮遊状態を確認した。
本発明例としては、ライナー本体を押出機及びTダイで1.0mm厚のシート状に成型し、これにフィルムをドライラミネートしたものを用いた。比較例としては、フィルムを有さない単層ライナーを用いた。比較試験結果を表3に示す。
Figure 0005051683
本発明例11、12、13、14は、TPS−3単層ライナーである比較例14と比較して大幅に開栓トルクが低減されている。また、本比較試験では、アンチブロッキング剤の開栓トルク低減効果は、シリカ<アクリル樹脂<スチレン樹脂<シリコン樹脂の順であった。また、比較例15、16、17では、TPS−3単層ライナーにこれらのアンチブロッキング剤を添加したが、開栓トルク低減効果は認められなかった。
また、比較例19、20では滑剤の添加量を増加させることにより開栓トルクは若干低くなるものの容器内に滑剤の浮遊が認められた。
さらに、天板部に塗装を施した本発明例15、16、17と、塗装を施していない本発明例18、19、20とを比較すると、天板部に塗装が施されたものがさらに開栓トルクが低減されることが確認された。
この比較試験では、厚さ0.25mmのアルミニウム合金板を38mmPPキャップ用のキャップ本体に成型し、後述するライナーを挿入してキャップ材とし、内容量300ml(全量340ml)の口径38mmのアルミボトル缶に80℃の熱水を充填し、内圧が1.0kg/cmになるように一定量の液体窒素をヘッドスペースに滴下し、直ちに上記キャップ材で施栓して試料とした。なお、ライナー径37.4mm、ライナー支持部内径36.5mmとし、ライナーはフィルムをキャップ本体の天板部内面に向けてキャップ本体にセットした。また、天板部の内面にはエポキシフェノール系塗料に滑剤としてポリエチレンワックスを添加したものを焼付け塗装した。
この試料にレトルト処理(120℃ 30分)を施して室温で放置した後に、開栓トルク(第1トルク)を測定するとともに容器内の滑剤の浮遊状態を確認した。
本発明例としては、フィルムをインフレーション法によって成形し、押出機及びTダイで1.0mm厚のシート状に成形されたライナー本体に、上記フィルムをドライラミネートしたシート材を成形し、これを打ち抜いたものを使用した。比較例としては、共押出法による2層シート材を成形し、この2層シート材を打ち抜いたものを使用した。加工性の評価として、ライナー素材であるシート材成形時のシート切れの有無を確認した。比較試験結果を表4に示す。
Figure 0005051683
比較例25〜29では、共押出法による2層シート材成形時に硬度の高い層の切れが発生し、2層シート材を安定して製造することは困難であった。
また、フィルムをPET、PA、PBTで構成した場合であっても、開栓トルクの低減効果が確認された。
以上の比較試験の結果から、本発明例であるキャップ材によれば、密封性、開栓性に優れるキャップ付容器を提供することができることが確認された。
本発明の実施形態であるキャップ材の部分断面図である。 図1のキャップ材に使用されるライナーの説明図である。 図2に示すライナーのフィルム拡大図である。 キャップ付ボトル缶の部分断面図である。
符号の説明
10 キャップ材
11 キャップ本体
12 天板部
13 周壁部
15 ライナー支持部
20 ライナー
21 ライナー本体
22 フィルム
34 口金部(ボトル口部)
40 キャップ

Claims (10)

  1. 円板状の天板部と該天板部の周縁から略垂下してなる周壁部とを有するキャップ本体と、前記天板部内面に装着されるシートタイプのライナーとを有するキャップ材であって、
    前記ライナーは、熱可塑性合成樹脂で構成されシール機能を有するライナー本体に、アンチブロッキング剤および滑剤の少なくとも一方を含有して二軸配向されたフィルムが接合されて構成されており、
    前記ライナーは、前記フィルムが前記天面部の内面に対向するように配置されていることを特徴とするキャップ材。
  2. 前記フィルムの厚さが、前記ライナー本体の厚さの10%以下とされていることを特徴とする請求項1記載のキャップ材。
  3. 前記フィルムの厚さが、前記ライナー本体の厚さの5%以下とされていることを特徴とする請求項1記載のキャップ材。
  4. 前記フィルムに、滑剤が含有されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のキャップ材。
  5. 前記フィルムの少なくとも一方の面には、印刷が施されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のキャップ材。
  6. 前記フィルムが、ポリプロピレンまたはプロピレン重合体で構成されるとともに、
    前記ライナー本体が、ポリオレフィン系エラストマーまたはポリスチレン系エラストマーで構成されていること特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のキャップ材。
  7. 前記天板部の前記内面には、塗膜が形成されており、該塗膜の最外層には滑剤が含有されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のキャップ材。
  8. 前記キャップ本体が、アルミニウム合金または合成樹脂またはブリキ若しくはティンフリースチールで構成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のキャップ材。
  9. 前記キャップ材は、前記キャップ本体の前記天板部近傍に設けられたライナー支持部によって、前記ライナーを回転自在に支持する構成とされたことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載のキャップ材。
  10. 請求項1から請求項8のいずれかに記載のキャップ材をボトル口部に配置するとともに、前記周壁部内面にボトル口部に螺着させる雌ネジ部を形成したキャップ付容器。
JP2005362880A 2005-12-16 2005-12-16 キャップ材、キャップ付容器 Expired - Fee Related JP5051683B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005362880A JP5051683B2 (ja) 2005-12-16 2005-12-16 キャップ材、キャップ付容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005362880A JP5051683B2 (ja) 2005-12-16 2005-12-16 キャップ材、キャップ付容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007161332A JP2007161332A (ja) 2007-06-28
JP5051683B2 true JP5051683B2 (ja) 2012-10-17

Family

ID=38244676

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005362880A Expired - Fee Related JP5051683B2 (ja) 2005-12-16 2005-12-16 キャップ材、キャップ付容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5051683B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009233544A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Japan Crown Cork Co Ltd 塗布装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01278341A (ja) * 1988-04-30 1989-11-08 Toray Ind Inc クロージャー用積層体
GB8912896D0 (en) * 1988-06-22 1989-07-26 Ici Plc Polymeric films
JPH03187731A (ja) * 1989-12-18 1991-08-15 Shibasaki Seisakusho:Kk プロモーション用キャップの製造方法
JP3188314B2 (ja) * 1992-07-21 2001-07-16 日本クラウンコルク株式会社 懸賞用樹脂キャップ
JP2000344269A (ja) * 1999-03-30 2000-12-12 Nihon Yamamura Glass Co Ltd キャップ用メンブレン及び該メンブレンを装着してなるキャップ
JP2001294251A (ja) * 2000-04-12 2001-10-23 Toyo Seikan Kaisha Ltd キャップ付き金属容器及びその製造方法
JP2004217295A (ja) * 2003-01-17 2004-08-05 Natl Crown Kk 耐熱ライナー及び耐熱ライナーを備えたボトル用キャップ。
JP2005289486A (ja) * 2004-04-05 2005-10-20 Mitsubishi Materials Corp キャップ用ライナー材およびキャップ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007161332A (ja) 2007-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5241204B2 (ja) ライナー付きキャップ及びこの製造方法並びにキャップ付きボトル
JP5341369B2 (ja) ライナー付きキャップ及びキャップ付きボトル
US9278506B2 (en) Non-metallic, tabbed multi-purpose covering for hygienically covering a container top
JP4911792B2 (ja) ライナー付きキャップ及びキャップ付きボトル
ES2933025T3 (es) Tapa fácil de abrir de un recipiente
JP2005516863A (ja) 容器クロージャー
JP5843807B2 (ja) ライナー付きキャップ及びキャップ付きボトルの製造方法
US20080078766A1 (en) Container with a tear-off lid and method for its production
CN101506055B (zh) 与用于密封容器体的入孔的隔膜一起使用的增强支撑件
JP2007161313A (ja) 容器蓋
WO2006068230A1 (ja) キャップ材、キャップ付容器、キャップ材の製造方法及びキャップ材の成形装置
JP5051683B2 (ja) キャップ材、キャップ付容器
JP4784982B2 (ja) キャップ材およびキャップ付容器
JP4812561B2 (ja) キャップ及びキャップ付きボトル
JP4753245B2 (ja) キャップ材およびキャップ付容器
JP6491923B2 (ja) キャップ用ライナー及びライナー付きキャップ並びにキャップ付き容器
JP2006076575A (ja) キャップ材、キャップ及びキャップ付ボトル缶
JP2007269336A (ja) キャップ及びキャップ付ボトル缶
JP6086484B2 (ja) キャップ用ライナー及びライナー付きキャップ並びにキャップ付き容器
JP2008174249A (ja) キャップ用ライナー及びキャップ並びにキャップ付きボトル
JP5230916B2 (ja) 金属製キャップ
JP2001233332A (ja) ネジ付き缶
JP2009179402A (ja) キャップ材およびキャップ付容器
JP2006206188A (ja) キャップおよび飲料入り閉止装置
JP4932411B2 (ja) レトルト用キャップ、閉止装置および飲料入り閉止装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080909

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110513

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120710

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120718

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5051683

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150803

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees