JP4812561B2 - キャップ及びキャップ付きボトル - Google Patents

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Description

本発明は、ガスバリアー性に優れたキャップ及びキャップ付きボトルに関する。
一般に、ガラスビン、PETボトル、アルミボトル等のキャップ(容器蓋)は、合成樹脂製ライナーを具備したものが広く使用されている。金属性キャップの場合は、アルミ薄板、ブリキ薄板、クロム鍍金薄板(TFS)等の両面に数回の塗装を繰り返し打ち抜き成形したものをキャップシェル(キャップ殻体)とし、これに予めディスク状に成形しもの(ディスク成形体)を挿入する方法、ディスク成形体を挿入後中心部で熱接着する方法、塩ビゾルのようにライナー材をキャップシェルに流し込み、加熱によりゲル化と同時に接着する方法、溶融樹脂をキャップシェルの中に入れ型押しする方法などがある。
また、合成樹脂製キャップの場合は、キャップシェルを射出成型等で成型し、キャップシェルに金属キャップと同様にディスク状ライナーを挿入する方法、又は溶融樹脂をキャップシェルの中に入れ、直ちに型押しして一定の形状を形成すると同時にライナーとキャップシェルとを接着する方法が採られている。これらのライナー材は、シール性を要求されるためにガスバリアー性は劣るが、柔軟性の有るPE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)とエラストマーとのブレンド材が多い。
上記のキャップのライナー材は、ディスク挿入方式として発泡ポリエチレンのディスク、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、LDPE(低密度ポリエチレン)やそのブレンド品のシートを打ち抜いたもの、流し込み方式のものとして可塑化塩化ビニル、ゴムラテックス、溶融樹脂をシェル内に入れて型押しする方法(いわゆるインシェルモールド方式)の材料として、EVA、ポリエチレン及びポリエチレンとエラストマーのブレンド材、また耐熱性の有るライナー材としてPE、PPとオイル、スチレンブロックコポリマーのブレンド材等が使用される。これらは全て熱可塑性樹脂単独または熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドである。
これらは良好なシール性を示すが、ライナー材としては幾つかの共通の欠点を持っている。即ち、これらのキャップシェルとライナーは強固に接着又は付着している。ディスク状ライナーを挿入する方式でも、ライナーがキャップシェルの内天面、側面に密着している。このため、回転して開栓するキャップでは、ライナーがキャップ開栓時にキャップシェルと同時に回転する。したがって、開栓トルクとしては、最低でも容器(ボトル)とライナーとが滑るのに要するトルクが必要である。しかし、このキャップライナーと容器口部とが滑るに必要な力は比較的大きく、時には通常の大人でも開栓に困難を感じるときがあるほどである。
このため、通常はライナー材に滑剤を入れて開栓時にライナーと容器口部とが滑りやすくなるようになっている。この滑剤は、一般に脂肪酸アマイドが使用されていて、それがライナー表面に滲み出し容器口部との滑りを滑らかにし、開栓トルクを下げる役割を果たしている。しかし、この滑剤の滲み出し量をコントロールすることが難しく、滲み出し量が少ないと充分な滑性が得られず、多すぎるとライナー表面に滲み出した滑剤が容器内容物の表面に落下し、異物と認識されるという問題がある。
また、滑剤は、その合成由来の不純物があり、それらがしばしば内容物の異臭、異味の原因になる場合がある。また、シリコーンオイル等の液体状のものもあるが、これらは不溶性であるため内容物に移行した場合、表面に油状に浮いて消費者に不快な感じを与えることがある。
この対処の一つの方法として、従来、例えば特許文献1に開示されているように、開栓時にライナー材とキャップシェルとの間で摺動させ開栓する方法がある。この特許文献1に記載の技術は、耐熱ライナーがキャップ本体の天面壁内側に非接触状態で取り付けられていると共に、キャップ本体の天面壁近傍の側部内面に、天面壁とは非接触状態の耐熱ライナーの周縁が係止しうる突起を設けたものである。この方法では、耐熱ライナーとキャップ本体の天面壁内側とが非接触であるので、開栓時の回転トルクを下げることができる。
特開2004−217295号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。すなわち、特許文献1に記載の技術では、開栓時の回転トルクを下げる手段として有効であるが、使用されるライナー材は一般に柔軟な樹脂又はエラストマーとのブレンドが多く、これらは一般にガスバリアー性が劣るという欠点を持っている。この対策としてシートライナーの場合、表面にガスバリアー性の有るフィルムを貼合するという方法も取られているが、この方法であるとバリアーフィルム層がビン口部と接することになる。この場合、バリアーフィルムはエラストマー等に比べ硬度が高いため、バリアーフィルムを貼合したライナー材はシール性が著しく劣るという欠点がある。このように、ガスバリアー性及びシール性を同時に解決する方法は現在までのところ得られていない。さらに、多層ライナー材の場合、中間にエバール、ナイロン、PET、アルミ箔等のバリアー性の有る樹脂等を積層するという方法もあるが、コストが高くなる不都合があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、良好なガスバリアー性及びシール性を両立して有することが可能なキャップ及びキャップ付きボトルを提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のキャップは、天板部と該天板部の周縁から垂下した筒状周壁部とからなる金属製又は合成樹脂製のキャップ本体と、前記天板部の内面に設けられた板状の合成樹脂製のライナーとを備え、前記天板部と前記ライナーとの間に不揮発性有機液体が塗布されていることを特徴とする。
このキャップでは、天板部とライナーとの間に不揮発性有機液体が塗布されているので、不揮発性有機液体が気体の侵入を抑制して、高いガスバリアー性が得られると共に、不揮発性有機液体の介在による滑性効果で開栓トルクを低下させることができる。また、ガスバリアー性が高いので、シール性の高いライナーを選択することが可能になる。
また、本発明のキャップは、前記ライナーが、前記天板部側に配された硬質層と該硬質層に積層され前記硬質層よりも柔軟な軟質層とを少なくとも有する多層構造であり、前記不揮発性有機液体が前記天板部と前記硬質層との間に塗布されていることを特徴とする。すなわち、このキャップでは、キャップシェルとの間で摺動性を有する硬質層と口金部との間で密封性を有する軟質層とを有する多層構造のライナーを用いるので、ガスバリアー性を確保した状態で、高シール性化(密封性向上)及び低開栓トルク化(摺動性向上)をさらに図ることができる。
また、本発明のキャップは、前記不揮発性有機液体が、シリコーンオイル又はポリブテンであることが好ましい。すなわち、このキャップでは、不揮発性有機液体としてシリコーンオイル又はポリブテンを選択することにより、ガスバリアー性が著しく向上する。
また、本発明のキャップは、前記不揮発性有機液体が、グリセリンであることを特徴とする。すなわち、このキャップでは、不揮発性有機液体としてグリセリンを選択するので、高いガスバリアー性を有すると共に、水の添加によって不揮発性有機液体の動粘度を容易に調整することができる。
また、本発明のキャップは、前記不揮発性有機液体の塗布量が、前記ライナーの前記天板部側の表面における算術平均粗さをRal(μm)とし、前記天板部の内面における算術平均粗さをRas(μm)とし、前記ライナーの前記天板部側の表面における面積をS(mm)としたとき、
W(mg)=2/3×10−3S(Ral+Ras)
で表される重量Wの5%以上250%以下であることを特徴とする。
すなわち、キャップでは、不揮発性有機液体の塗布量が、上記式で表される重量Wの5%以上250%以下の範囲内に設定されるので、十分なガスバリアー性と適正な開栓トルクを得ることができる。すなわち、上記塗布量が、重量Wの5%未満の場合、十分なガスバリアー性及び滑性効果を得られないと共に、重量Wの250%を超えると、不揮発性有機液体が天板部とライナーとの間から滲み出してキャップの内面を汚すため、上記塗布量は上記範囲内が好ましい。なお、上記塗布量は、重量Wの5%以上10%以下であると、ガスバリアー性にバラツキがやや見られると共に、重量Wの250%以下200%以上であると、キャップ側面に液が滲み出しているものが一部ある。このため、より好ましくは、上記塗布量は、重量Wの10%以上200%以下である。
また、本発明のキャップは、前記不揮発性有機液体の動粘度が、20℃で10mm/s以上であることを特徴とする。
このキャップでは、動粘度が、20℃で10mm/s以上の不揮発性有機液体を採用するので、ボトル保管時にキャップの内側面への不揮発性有機液体の垂れを防ぐことができる。すなわち、上記動粘度が、10mm/s未満であると、キャップ内面に不揮発性有機液体を塗布し、ライナーを挿入して横置き状態に保管した場合、キャップの内側面に不揮発性有機液体が垂れてしまいキャッピング時にボトルの口部を汚す不都合がある。したがって、不揮発性有機液体の動粘度は、上記数値以上であることが好ましい。
本発明のボトルは、キャップを備えたボトルであって、前記キャップが、上記本発明のキャップであることを特徴とする。すなわち、このキャップ付きボトルは、上記本発明のキャップを備えているので、高いガスバリアー性及び低い開栓トルクを有し、優れた保管性及び良好な開栓性等を備えている。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るキャップによれば、天板部とライナーとの間に不揮発性有機液体が塗布されているので、不揮発性有機液体が気体の侵入を抑制して、高いガスバリアー性が得られると共に、不揮発性有機液体の介在による滑性効果で開栓トルクを低下させることができる。これにより、シール性の高いライナーを選択しても、低い開栓トルクが得られ、開栓性、シール性、耐衝撃性、ガスバリアー性に優れたキャップが低コストで得られる。したがって、本発明のキャップを備えたキャップ付きボトルによれば、優れた開栓性、衛生性、密封性及び内容物への非移行性を備えることができる。
以下、本発明に係るキャップ及びキャップ付きボトルの一実施形態を、図1から図3を参照しながら説明する。
本実施形態のキャップ1は、図1及び図2に示すように、天板部2と該天板部2の周縁から垂下した筒状周壁部3とからなる有底筒状で金属製のキャップシェル(キャップ本体)4と、天板部2の内面に脱落しない状態で固定されて設けられた板状の合成樹脂製のライナー5とを備えている。そして、上記天板部2と上記ライナー5との間には、不揮発性有機液体Lが塗布されている。
また、本実施形態のキャップ付きボトル6は、上記キャップ1を口金部7に巻き締められて備えている。
上記キャップシェル4は、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金の板材から加工されたものであり、該板材は、内外面を塗装(内面:サイズニス+トップコート、外面:サイズコート+ツヤニス)した塗装板を使用している。なお、内面トップコートには、必要に応じ各種滑剤添加タイプを使用している。
上記ライナー5は、合成樹脂から成型され、キャップシェル4に密封効果を持たせるものである。
また、上記ライナー5の外径は、キャップシェル4の天板部2内面の内径より小さくキャップ径とライナー5の厚さにもよるが、その差は0.5mm以上あることが好ましい。
また、筒状周壁部3に天面からやや下がった部分には、ライナー係止突起(図示略)が内側に向かい円周に帯状又は部分突起状で構成されている。また、このライナー係止突起の内径は、ライナー5の外径より小さく設定されている。
本実施形態の筒状周壁部3は、ナール8、グルーブ9、ミシン目10、ビード11及びスカート部12を備えている。なお、これらは、必要に応じて筒状周壁部3に備えられる。
上記キャップ1は、ガラスビン、PETボトル等の樹脂ビン、アルミニウム合金等の金属で成型したいわゆるボトル缶等のボトル本体13に被せられ、キャップ1にキャッピング加工を施すことにより、キャップ1が口金部7に巻き締められて被着され、キャップ付きボトル(以下、単にボトルとも称する)6とされる。
上記キャッピング加工工程は、プレッシャーブロック、ネジローラー、スカートローラー等からなるキャッピング装置を用いて行われる。
すなわち、口金部7に被せたキャップ1の天板部2を、プレッシャーブロックでボトル底部の方向に押圧し、この状態でプレッシャーブロックによる絞り加工により、キャップ1の肩部に段差部7aを形成する。さらに、この状態でネジローラーによりネジ部7bを形成し、スカートローラーで口金部7のカブラ部7cにスカート部12を巻きつけることで、キャッピング加工が行われる。
このようにキャップ1が口金部7に巻きつけられることにより、キャップ1は天板部2の内面側のライナー5が口金部7に圧接される状態になる。これによりボトル6の内容物が密封された状態になる。なお、内容物の充填は、当然にキャップ1をボトル6に被せる直前に行われる。
一方、開栓するときは、キャップ1を回してミシン目10から切断し、キャップ1を口金部7から外すことにより、口金部7が開栓され内容物が取り出されることになる。
そして、取り外したキャップ1を口金部7に再び取り付けることにより、再閉栓することが可能になっている。
なお、上記キャップ1は、合成樹脂製であっても構わず、この場合、主にポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂を原料に、射出成型、圧縮成型等で成型されたキャップシェルにライナーを挿入したものとされる。合成樹脂のキャップシェルは、成型時にネジ部、ナール、PPバンド部が成型されるものが多い。なお、ミシン目は、一般に後加工で入れるものもある。ライナーは予め成型されたものと、溶融樹脂をキャップシェルに入れると同時に型押し、冷却し、ライナーを形成する方法があるが、本実施形態では、予め成型したライナーを挿入する方法を採用する。
合成樹脂製のキャップの場合、施栓は口金部7に被せ回転させながら締めこむ方法が一般的である。このときPPバンド部が口金部7のカブラ部7cに係止される。開栓は施栓時と逆に回転させることにより、口金部7のネジに沿って開栓される。このときPPバンド部は、口金部7のカブラ部7cに係止されているためミシン目から切断され、開栓したことが明示されることになる。この場合も必要に応じ再閉栓することができる。
上記ライナー5に使用されるライナー材は、合成樹脂が主で、可塑化塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、又はポリオレフィンの共重合体又はこれらとエラストマーとのブレンドが使用される。これらをライナー材として使用する場合は、事前に一定形状に成型したものと、ライナー原料を加熱溶融し、キャップシェルに入れてから型押し成型する方法がある。
本実施形態のライナー5は、事前にライナー材として一定の厚さのシートを成型し、ディスク状に打ち抜き、キャップシェル4に挿入して使用する。また、射出成型等により一定の形状に成型されたライナー材をライナー5としても構わない。
ライナー5は、例えば図3の(a)に示すように、天板部2側に配された硬質層5aと該硬質層5aに積層状態に口金部7側に配され硬質層5aよりも柔軟な軟質層5bとを有する多層構造シートである。この多層構造のライナー5の場合、不揮発性有機液体Lが天板部2と硬質層5aとの間に塗布されている。
上記不揮発性有機液体Lは、シリコーンオイル、ポリブテン又はグリセリンが好ましく、また沸点が200℃以上のものが望ましい。
さらに、不揮発性有機液体Lの塗布量は、
ライナー5の天板部2側の表面における算術平均粗さをRal(μm)とし、
天板部2の内面における算術平均粗さをRas(μm)とし、
ライナー5の天板部2側の表面における面積をS(mm)としたとき、
W(mg)=2/3×10−3S(Ral+Ras) ・・・式(1)
で表される重量Wの5%以上250%以下であることが好ましい。
不揮発性有機液体Lの塗布方法としては幾つかあるが、例えば合成樹脂のライナー5用のシート裏側にスプレーコート、ローラーコートなどにより一定量を塗布する方法がある。この塗布したライナー5用のシートを打ち抜き、キャップシェル4内面に不揮発性有機液体Lを塗布した面が接するようにして挿入することで、天板部2とライナー5との間に不揮発性有機液体Lを塗布することができる。
逆に、キャップシェル4の内面に不揮発性有機液体Lを事前に塗布し、シートから打ち抜いたディスク状のライナー5を挿入するという方法がある。この場合、キャップシェル4の天板部2内面全体に不揮発性有機液体Lを塗布する必要が無く、天板部2内面のほぼ中央に一定量塗布すれば充分な効果が得られる。これをより確実にするために、キャップシェル4にライナー5を挿入する円形ポンチを、ライナー5が天板部2内面に完全に接触するように押圧し、必要があれば若干の回転を加えても構わない。
これにより、天板部2内面に塗布された不揮発性有機液体Lが、ライナー5と接するときの圧力により均一に広がる。また、充填後の内圧等によりライナー5に力が加わり、キャップシェル4とライナー5とがより密着する。
また、スタンプ方式として、一定量の不揮発性有機液体Lをゴム等の円筒状先端部に着け、キャップシェル4の天板部2内面にスタンプする方法がある。
これら塗布方法はそれぞれ特徴があるが、本実施形態では比較的塗布量がコントロールし易いキャップシェル4の天板部2内面中央に一定量を塗布する方式を採用した。
なお、ライナー5の外面(キャップシェル4側と反対側)に不揮発性有機液体Lを塗布することにより、開栓性の改良及びガスバリアー性の向上を図ることも考えられるが、塗布した不揮発性有機液体Lがボトル6の内容物に入ることが考えられるので、本実施形態では採用しない。
不揮発性有機液体Lの適正な塗布量は、ライナー5のキャップ1との接触面の凹凸によるが、キャッピング後、熱処理等により内圧が加わることが多いため、接触面の凹凸部が変形することから、上述したように設定する。すなわち、適正な塗布量の許容量は、上述した計算式(1)による重量Wの5%から250%であり、より好ましくは上述した理由により10%から200%である。
また、不揮発性有機液体Lの動粘度は、20℃で5mm/s以上であることが好ましく、より好ましくは10mm/s以上であることが好ましい。なお、不揮発性有機液体Lの動粘度が10mm/s未満であると、キャップ1内面に塗布し、ライナー5を挿入してキャップ1を横置きにして保管した場合、不揮発性有機液体Lがキャップシェル4の側面に垂れてきてキャッピングした時に、口金部7を汚すという不都合が生じる。
上記不揮発性有機液体Lの動粘度が上記好適範囲よりも高い場合は、適正な製造条件を得るために水等の適切な溶媒を使用して動粘度を調節しても構わない。この場合、不揮発性有機液体Lの塗布後、あるいはライナー5の挿入後、乾燥工程を加えてもよい。
このように本実施形態のキャップ1は、天板部2とライナー5との間に不揮発性有機液体Lが塗布されているので、不揮発性有機液体Lが気体の侵入を抑制して、高いガスバリアー性が得られると共に、不揮発性有機液体Lの介在による滑性効果で開栓トルクを低下させることができる。特に、キャップシェル4との間で摺動性を有する硬質層5aと口金部7との間で密封性を有する軟質層5bとを有する多層構造のライナー5を用いるので、ガスバリアー性を確保した状態で、シール性(密封性)及び開栓トルク(摺動性)をさらに向上させることができる。このように本実施形態では、不揮発性有機液体Lによりガスバリアー性が高いので、シール性の高いライナー5を選択することが可能になる。
また、不揮発性有機液体Lとしてシリコーンオイル又はポリブテンを選択することにより、ガスバリアー性が著しく向上する。不揮発性有機液体Lとしてグリセリンを選択した場合は、高いガスバリアー性を有すると共に、水の添加によって不揮発性有機液体Lの動粘度を容易に調整することができる。
さらに、不揮発性有機液体Lの塗布量が、上記式(1)で表される重量Wの5%以上250%以下の範囲内に設定されるので、十分なガスバリアー性と適正な開栓トルクを得ることができる。
また、動粘度が20℃で10mm/s以上の不揮発性有機液体Lを採用するので、ボトル保管時にキャップ1の内側面への不揮発性有機液体Lの垂れを防ぐことができる。
このように、上記キャップ1を備えているキャップ付きボトル6によれば、高いガスバリアー性及び低い開栓トルクを有し、優れた保管性及び良好な開栓性を備えることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態に使用されるライナー5は、上述したように多層構造のシートを採用するのが好ましいが、上記シート以外に、図3の(b)に示すように、単層でも構わず、またライナー5が発泡しているものでも、無発泡のものでも構わない。
また、ライナー5の形状、大きさ、キャップ1及びボトル6の形状、容量等は適宜選択される。
次に、本発明に係るキャップ及びキャップ付きボトルを、実際に作製した実施例により具体的に説明する。
<実施例1>
本発明の実施例1では、PP層になるPPシートとエラストマー層になるスチレン系エラストマーシートとを貼合したものをライナー材とし、これを37.0mmのディスク状に打ち抜き、0.24mm厚の38mmPPキャップシェルにライナーとして挿入した。この場合、PP層の厚さは600μm、エラストマー層は400μmとし、PP層がキャップシェルに接するように挿入した。
キャップシェルは、内面のサイズコートの上にトップコートとして、ポリエチレン系滑剤入りのエポキシフェノール塗料を焼き付け(50mg/dm)塗布したアルミシートを使用し、これをプレスで打ち抜き、38mmPPキャップシェルに成型した。このキャップシェルに不揮発性有機液体としてシリコーンオイルを使用し、キャップシェルの内面中央に一定量塗布し、上記ライナー材を打ち抜きしたライナーを挿入した。
このキャップを、275g(全量338ml)入りのアルミボトルにキャッピングした。内容物はビタミンCを一定量添加した水を使用し、ヘッドスペースを63ml採った状態で、ヘッドスペース部を窒素ガスで置換し、キャッピングして121℃×20分のレトルト処理を加えた。この後、落下衝撃試験(シール性評価)、開栓トルク、ビタミンCの保持率(ガスバリアー性評価)、開栓後の不揮発性有機液体のライナーからの滲み出し状態を調べた。
このライナー材については二層シートのPP層を成型する時、PP層の冷却ローラーの表面粗度を変えたものを数種類使用し、PP層が表面粗度の異なるシートを作製し、ライナー材として供試した。そして、不揮発性有機液体としては、上述したように、シリコーンオイル(動粘度1000mm/s)を用いた。これら評価結果を、以下の表1に示す。なお、比較例として、不揮発性有機液体を塗布しない無塗布キャップも同様に評価した結果も、表1に併せて示す。
Figure 0004812561
なお、ライナー粗さ(Ral)、キャップ内面粗さ(Ras)は、キーエンス社製超深度形状測定顕微鏡KV−8550で測定した。なお、算術平均−粗さ(Ra)の単位はμmである。
上記落下衝撃試験は、キャッピングのシール性を評価するもので、キャッピング、熱処理後1日放置し、その後、ボトルを30cmの高さから垂直に10°の角を持った鉄盤上に倒立落下させ、落下前後の内圧の差を調べ、漏れの発生数を調べた。なお、試料数は各10である。
上記開栓トルクは、キャッピング、熱処理後1週間室温にて放置し、その後、回転開始時のトルク(第1トルク)をトルクメーターにて測定した。なお、試料数10の平均値で評価した。
上記ビタミンCの保持率は、侵入した酸素(ガス)によって減少したビタミンCの減少量を測定してガスバリアー性を評価する試験であり、その測定は、100ppmのビタミンC溶液をボトルに充填しキャッピング、熱処理後40℃恒温室に1月放置し、ビタミンCの消費量を自動電位滴定装置で測定した。
上記不揮発性有機液体の滲出の有無は、キャップ開栓後の目視判定によって行った。なお、判定は、次のように分けて行った。
◎=液がライナー内に収まっている。
○=液がライナーの縁で収まっている。
△=液がキャップ側面に来ている。
×=液がボトル口まで来ている。
上記表1からわかるように、不揮発性有機液体としてシリコーンオイルを塗布した本発明の実施例は、無塗布の比較例に対して、いずれもビタミンC保持率が80%以上と高く、良好なガスバリアー性が得られている。また、本発明の実施例では、いずれも開栓トルクが120Ncm未満と低く、かつ落下衝撃試験、液の滲み出し程度も良好な結果であった。
特に、不揮発性有機液体の塗布量が上記式(1)による重量Wの5%以上250%以下の範囲内では、落下衝撃試験で漏れが認められないと共に、開栓トルクも110Ncm以下とさらに低かった。さらに、上記塗布量が重量Wの200%以下では、液の滲み出し程度も○又は◎であることから、より優れた評価結果が得られている。
これに対して、無塗布の比較例では、ビタミンC保持率が70%未満と低く、ガスバリアー性が劣っていると共に、開栓トルクが130Ncm以上と高く、さらに落下衝撃試験においても漏れが発生していた。
<実施例2>
本発明の実施例2では、約2倍に発泡させた2.0mm厚さのLDPEのシートをライナー材として採用した。これを27.0mmのディスク状に打ち抜き、0.22mm厚のアルミ製28mmPPキャップシェルにライナーとして挿入した。この場合、キャップシェルの内面は、滑剤入りのエポキシフェノール塗料を焼き付け(40mg/dm)塗布したものを使用した。このキャップシェル内面の中央に一定量の不揮発性有機液体としてMTG(トリグリセライド)を塗布した後、発泡PEのライナーを挿入した。
このキャップを190g(全量210ml)入りのガラスビンにキャッピングした。内容物はビタミンCを一定量添加した60℃の温水を充填し、ヘッドスペースを20ml取り、キャッピングして70℃×10分の温水処理を加えた後、上記実施例1と同様の評価を行った。ただし、落下衝撃試験の漏れの有無は、真空度の変化で調べた。
供試ライナー材は、発泡シートをTダイより押し出し、冷却ローラの表面粗度を変えてそのローラ粗度が発泡シートの表面に転写するようにして、表面粗度の異なる発泡シートを作製した。この実施例2の評価結果を、以下の表2に示す。なお、比較例として、不揮発性有機液体を塗布しない無塗布キャップも同様に評価した結果も、表2に併せて示す。
Figure 0004812561
上記表2からわかるように、実施例1と同様に、不揮発性有機液体としてトリグリセライドを用いた実施例2でも、比較例に比べて、落下衝撃試験、開栓トルク、ビタミンC保持率のいずれも良好な結果が得られた。特に、不揮発性有機液体の塗布量が上記重量Wの5%以上250%以下の範囲内では、上記試験項目でより優れた評価結果が得られており、さらに上記塗布量が上記重量Wの200%以下では、液の滲み出し程度も○又は◎の良好な結果が得られている。
<実施例3>
本発明の実施例3では、LDPE層になるLDPEシートとエラストマー層になるオレフィン系エラストマーシートとを貼合したものをライナー材とした。これを37.0mmのディスク状に打ち抜き、0.24mm厚の38mmPPキャップシェル(シェル内径38.15mm、ライナー係止部内径35.60mm)にライナーとして挿入した。この場合、LDPE層の厚さは500μm、エラストマー層は300μmとし、LDPE層がキャップシェルに接するように挿入した。キャップシェルの内面は脂肪酸アミドの滑剤入りのエポキシフェノール塗料を、焼き付け(50mg/dm)塗布したものを使用し、LDPE層は一定の凹凸がつくように成型した。このLDPE層に一定量の液体を塗布した後、38PPキャップシェルに挿入した。
このキャップを、275g(全量338ml)入りのアルミボトルにキャッピングした。内容物は、ビタミンCを一定量添加した水を使用し、ヘッドスペースを63ml取った状態で、ヘッドスペース部を窒素ガスで置換し、キャッピングして70℃×10分の温水処理を加えた。この後、実施例1と同様の評価を行った。実施例3では、不揮発性有機液体として流動パラフィンを使用し、キャップシェルの内面中央に一定量塗布した。
このライナー材については、二層シートのLDPE層を成型する時、冷却ローラーの表面粗度を変えたものを数種類使用し、LDPE層の表面粗度が異なるシートを作製し、ライナー材として供試した。この実施例3の評価結果を以下の表3に示す。なお、比較例として、不揮発性有機液体を塗布しない無塗布キャップも同様に評価した結果も、表3に併せて示す。
Figure 0004812561
上記表3の評価結果からわかるように、実施例1と同様に、不揮発性有機液体として流動パラフィンを用いた実施例3でも、比較例に比べて、落下衝撃試験、開栓トルク、ビタミンC保持率のいずれも良好な結果が得られている。特に、不揮発性有機液体の塗布量が上記重量Wの5%以上250%以下の範囲内では、上記試験項目でより優れた評価結果が得られおり、さらに上記塗布量が上記重量Wの200%以下では、液の滲み出し程度も○又は◎の良好な結果が得られている。
<実施例4>
本実施例の実施例4では、LDPE層になるLDPEシートとエラストマー層になるスチレン系エラストマーシートとを貼合したものをライナー材とした。これを37.0mmのディスク状に打ち抜き、0.24mm厚の38mmPPキャップシェル(シェル内径38.15mm)にライナー材として挿入した。
この場合、LDPE層の厚さは500μm、エラストマー層は400μmとし、LDPE層がキャップシェルに接するように挿入した。キャップシェルの内面にポリエチレン系滑剤入りのエポキシフェノール塗料を焼き付け(50mg/dm)塗布したものを使用し、LDPE層は一定の凹凸がつくように成型した。そして、これをキャップシェルに挿入した。
このキャップを、275g(全量338ml)入りのアルミボトルにキャッピングした。内容物は、ビタミンCを一定量添加した水を使用し、ヘッドスペースを63ml取った状態で、ヘッドスペース部を窒素ガスで置換し、キャッピングして70℃×20分の温水殺菌処理を加えた後、実施例1と同様の評価を行った。
不揮発性有機液体としてポリブテンを使用し、キャップシェルの内面中央に塗布量を変えて一定量塗布した。また、追加実施例として水溶性の不揮発性有機液体としてポリグリセリン脂肪酸エステルとしてデカグリセリンラウレート及びポリグリセリンカプリレート、ソルビタン脂肪酸エステルであるソルビタンカプリレート、ジグリセリン脂肪酸エステルであるジグリセリンラウレートを供試し、キャップシェルの内面中央に一定量塗布した。
このライナー材については、二層シートのLDPE層を成型する時、冷却ローラーの表面粗度を変えたものを使用して、LDPE層の表面粗度が異なるライナー材を数種類作製した。この実施例4の評価結果を、以下の表4に示す。なお、比較例として、不揮発性有機液体を塗布しない無塗布キャップも同様に評価した結果も、表4に併せて示す。
Figure 0004812561
上記表4からわかるように、実施例1と同様に、不揮発性有機液体としてポリブデンを用いた実施例4でも、比較例に比べて、落下衝撃試験、開栓トルク、ビタミンC保持率、液の滲み出し程度のいずれも良好な結果が得られている。
なお、不揮発性有機液体として水溶性であるデカグリセリンラウレート、ポリグリセリンカプリレート、ソルビタンカプリレート、ジグリセリンラウレートを用いた実施例4では、落下衝撃試験、開栓トルク、ビタミンC保持率及び液の滲み出し程度においては良好な特性を有している。
<実施例5>
本発明の実施例5では、LDPEを使用して射出成型機で28mm口径のPETボトルに適合するプラグタイプの中栓を作り、28PETボトル用樹脂キャップ(ポリプロピレン製)のライナー材として挿入した。この場合、中栓は、プラグ最上部にほぼ平らなフランジ(フランジ外径27.0mm)を持っており、そのフランジ部が、樹脂キャップシェルの側壁の天面に近い部分に形成されている係止突起により自由に動くが、安定して係止している状態になっている。
このキャップを、PETボトルに被せ、締め込むことによりプラグ部分がボトル口内径に密接してシール出来るようになっている。このキャップは、開栓時に、まずキャップシェルが動き、その後、中栓のフランジ部がキャップシェルの係止部により引き上げられ、プラグ部がボトルから抜けるという方式である。これは、開栓時、中栓に回転の力を加える必要が無いため低い開栓トルクを得ることができる。この中栓天面と樹脂キャップシェルとの間に、一定量の不揮発性有機液体を塗布した。塗布は、キャップシェルの内面中央に一定量塗布した。不揮発性有機液体としては、水素添加のポリブテンを使用した。
このキャップを、500ml入りのガラスビンにキャッピングした。内容物は、ビタミンCを一定量添加した60℃の温水を充填し、ヘッドスペースを20ml取った状態で、キャッピングして70℃×10分の温水処理を加えた後、実施例1と同様の評価を行った。ただし、落下衝撃試験の漏れの有無は、真空度の変化で調べた。この実施例5の評価結果を、以下の表5に示す。
Figure 0004812561
上記表5からわかるように、実施例1と同様に、水素添加のポリブデンを用いた実施例5でも、比較例に比べて、落下衝撃試験、開栓トルク、ビタミンC保持率のいずれも良好な結果が得られている。特に、不揮発性有機液体の塗布量が、上記重量Wの5%以上250%以下の範囲内では、上記試験項目でより優れた評価結果が得られ、さらに上記範囲における200%以下では、液の滲み出し程度も○又は◎の良好な結果が得られている。
<実施例6>
本発明の実施例6では、実施例1と同様にPPシートとスチレン系エラストマーシートとを貼合したものをライナー材とした。これを37.0mmのディスク状に打ち抜き、0.24mm厚の38mmPPキャップシェルにライナー材として挿入した。この場合、PP層の厚さは600μm、エラストマー層は400μmとし、PP層がキャップシェルに接するように挿入した。
キャップシェルは、内面にポリエチレン系滑剤入りのエポキシフェノール塗料を焼き付け(50mg/dm)塗布したアルミシートを使用し、これをプレスで打ち抜き38mmPPキャップシェルに成型した。このキャップシェルに、不揮発性有機液体として動粘度の異なる数種類のシリコーンオイルを使用し、キャップシェルの内面中央に一定量塗布し、上記ライナー材を打ち抜き挿入し、ポンチでライナーがキャップシェルに充分密着するように押圧した。
このキャップを30℃にて1週間、横置きし、キャップシェル内面にシリコーンオイルがどの程度垂れるかを調べた。また、このキャップを使用して実施例1と同様の評価を行った。ただし、不揮発性有機液体の滲出の有無は、塗布してライナーを嵌合後、全て横置きにし、キャップ側面に液がどの程度集まるかを目視判定した。この目視判定は、以下の基準で行った。
◎=液がライナー内に収まっている。
△=液がライナーの縁で収まっている。
×=液がキャップ側面に来ている。
この実施例6の評価結果を、以下の表6に示す。
Figure 0004812561
上記表6の評価結果からわかるように、実施例1と同様に、動粘度の異なるシリコーンオイルを用いた実施例6でも、比較例に比べて、落下衝撃試験、開栓トルク、ビタミンC保持率のいずれも良好な結果が得られており、特に、動粘度が10mm/s以上の場合では、液の滲み出し程度も良好な結果が得られている。
<実施例7>
本発明の実施例7では、実施例1と同様に、PPシートとスチレン系エラストマーシートとを貼合したものをライナー材とした。これを37.0mmのディスク状に打ち抜き、0.24mm厚の38mmPPキャップシェルにライナー材として挿入した。この場合、PP層の厚さは600μm、エラストマー層は400μmとし、PP層がキャップシェルに接するように挿入した。
キャップシェルは、内面にポリエチレン系滑剤入りのエポキシフェノール塗料を焼き付き(50mg/dm)塗布したアルミシートを使用し、これをプレスで打ち抜き、38mmPPキャップシェルに成型した。このキャップシェルに、不揮発性有機液体として動粘度の異なるグリセリン、プロピレングリコール及びその水溶液(主に作業性を安定させるための粘度調整)を使用し、キャップシェルの内面中央に一定量塗布した。この場合、塗布量は、計算した乾燥重量相当を塗布した。そして、これに、上記ライナー材を打ち抜き挿入した。このキャップを使用して、実施例1と同様の評価を行った。この実施例7の評価結果を、以下の表7に示す。
Figure 0004812561
上記表7からわかるように、実施例1と同様に、動粘度の異なるグリセリン、プロピレングリコールを用いた実施例7でも、比較例に比べて、落下衝撃試験、開栓トルク、ビタミンC保持率のいずれも良好な結果が得られている。
本発明に係るキャップ及びキャップ付きボトルの一実施形態において、キャップを示す一部を破断した側面図である。 本実施形態において、キャップ付きボトルを示す一部を破断した要部側面図である。 本実施形態において、積層シートタイプ及び単層シートタイプのライナーを示す要部断面図である。
符号の説明
1…キャップ、2…天板部、3…筒状周壁部、4…キャップシェル(キャップ本体)5…ライナー、5a…硬質層、5b…軟質層、7…口金部、6…キャップ付きボトル、13…ボトル本体、L…不揮発性有機液体

Claims (7)

  1. 天板部と該天板部の周縁から垂下した筒状周壁部とからなる金属製又は合成樹脂製のキャップ本体と、
    前記天板部の内面に設けられた板状の合成樹脂製のライナーとを備え、
    前記天板部と前記ライナーとの間に気体の侵入を抑制する不揮発性有機液体が塗布されていることを特徴とするキャップ。
  2. 請求項1に記載のキャップにおいて、
    前記ライナーが、前記天板部側に配された硬質層と該硬質層に積層され前記硬質層よりも柔軟な軟質層とを少なくとも有する多層構造であり、
    前記不揮発性有機液体が前記天板部と前記硬質層との間に塗布されていることを特徴とするキャップ。
  3. 請求項1又は2に記載のキャップにおいて、
    前記不揮発性有機液体が、シリコーンオイル又はポリブテンであることを特徴とするキャップ。
  4. 請求項1又は2に記載のキャップにおいて、
    前記不揮発性有機液体が、グリセリンであることを特徴とするキャップ。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のキャップにおいて、
    前記不揮発性有機液体の塗布量が、
    前記ライナーの前記天板部側の表面における算術平均粗さをRal(μm)とし、
    前記天板部の内面における算術平均粗さをRas(μm)とし、
    前記ライナーの前記天板部側の表面における面積をS(mm)としたとき、
    W(mg)=2/3×10−3S(Ral+Ras)
    で表される重量Wの5%以上250%以下であることを特徴とするキャップ。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のキャップにおいて、
    前記不揮発性有機液体の動粘度が、20℃で10mm/s以上であることを特徴とするキャップ。
  7. キャップを備えたボトルであって、
    前記キャップが、請求項1から6のいずれか一項に記載のキャップであることを特徴とするキャップ付きボトル。
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