JP2014141282A - 紙製容器及びスカイブヘミング加工方法 - Google Patents

紙製容器及びスカイブヘミング加工方法 Download PDF

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久佳 牧本
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Abstract

【課題】 容器胴部材サイドシーム部と底板部材との接着部が交差する部分に空隙を有しない紙製容器を提供する。
【解決手段】 紙基材の少なくとも容器内壁面側となる面に熱可塑性合成樹脂フィルムがラミネートされている胴部材と、紙基材の少なくとも容器内壁面側となる面に熱可塑性合成樹脂フィルムがラミネートされている底板部材とからなる紙製容器において、前記胴部材は容器上端から下端に至るサイドシーム部分を有し、前記サイドシーム部分の容器内壁面側端部は、スカイブヘミング加工により形成された折返部分を有し、前記折返部分は尖端状の形状を有し、前記尖端状形状部分の外周傾斜面に沿って前記底板部材の外周面が接合されることにより、前記胴部材サイドシーム部の段差部と底板部材との間に空隙を有しないことを特徴とする紙製容器。
【選択図】 図2

Description

本発明は紙製容器及びその製造方法に関する。更に詳細には、本発明は熱可塑性合成樹脂フィルムが少なくとも容器内壁面にラミネートされた紙製容器であって、胴部材のサイドシーム部の内壁面端部をスカイブヘミング加工により新規な形状にすることにより、サイドシーム部の段差に基づく底板部材との接合箇所における空隙の発生を抑制した紙製容器に関する。
従来のカップ状紙製容器はファーストフード店などにおいて、イート・イン又はテークアウトの何れの形態においてもソフトドリンクなどの液体飲料の販売に広く使用されている。また、アルコール飲料、ジュース、コーヒーなどの嗜好飲料を充填し、開口部を密閉し、長期保存性を付与して販売されることもある。
従来のカップ状紙製容器は図3に示されるように、一般的に、容器胴部材3と底板部材5とから構成される。容器胴部材3は、ブランクの両端部を互いに重ね合わせて接着することにより形成されたサイドシーム部11と、その上端に口縁部12を有する。
図3の部分拡大A図に示されるように、容器内に液体が充填されるカップ状紙製容器の場合、一般的に、容器胴部材3及び底板部材5を構成する紙基材7の容器内壁面側(及び、所望により外壁面側)に例えば、熱可塑性合成樹脂フィルム9がラミネートされている。これらのフィルム9は容器内に充填される液体が紙基材7中に浸透することを防止する効果を有する。
しかし、サイドシーム部11の容器内壁面側の端面(「カットエッジ」とも呼ばれる)は前記のようなラミネートフィルム9で被覆されていない。従って、その端面から容器内に充填されている液体が紙基材中に浸透し、容器強度の低下等を惹起することがある。この問題点を解決するため、例えば、特許文献1には、あらかじめ紙カップ胴部材を構成している積層シートの接合部分の一方を先端から所定の長さだけ、積層シートの厚みの半分を、紙層から外側を削除し(スカイブ)、削り取った残りの部分を削除面が内側となるように折り返し(ヘミング)、液体内容物が直接接触する紙端面をフィルム層で被覆し、液体の浸透を阻止するスカイブヘミング加工方法が記載されている。
図4は前記のようなスカイブヘミング加工方法の一例の工程図である。ステップ(A)に示されるように、胴部材用のブランク17の一方の直線状端部の紙基材7の表面を所定の深さ及び幅に従って、例えば、回転刃19などで削り取る。回転刃の他、やすり又はグラインダーなどの剥離手段も使用できる。ステップ(B)において、削り取られた処理面の略中央部付近に折り返しを容易にするための窪み21を設けると共に、削り取られた処理面の最奥部分を垂直に整形する。ステップ(C)において、窪み21を中心にして削り取り処理面が内側になるように折り曲げる。折り曲げ処理に先だって、削り取り処理面に公知慣用の接着剤を塗布することもできる。次いで、ステップ(D)において、このようにして得られたブランク17を丸め、ブランクの直線状端部同士を重ね合わせて接着することによりサイドシーム部11が形成されると共に胴部材3が完成される。図示されているように、サイドシーム部の容器内壁面側端部はフィルム層で被覆されているので、この端部からの液体の浸透は生じない。
しかし、サイドシーム部11はブランクの両端部を互いに重ね合わせて接着しているため、必ず段差が発生する。そのため、図5に示されるように、底板部材5とサイドシーム部11との間の接合箇所には微小な空隙13が発生することがあった。この空隙13は液状の容器内容物が容器外部へ漏出する経路となることがあり、この空隙13の発生を抑制する努力が続けられてきた。
例えば、特許文献2には、容器内面側にポリエチレンなどの低融点ポリマーのフィルムをラミネートし、胴部材サイドシーム部の内壁面端面をスカイブヘミング加工した紙製容器が記載されている。この紙製容器の場合、底板部材と容器胴部材とを一体化させる際の加熱でサイドシーム部の内壁面端面の低融点樹脂フィルムが溶融して前記空隙13を埋めるようにしている。しかし、この方法では、低融点樹脂フィルムの溶融にバラツキが有るため、溶融フィルムで空隙を埋めるには不確実性が残こり、100%の信頼性は得られていない。また、特許文献2に記載された方法では、容器内面側のラミネート樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレートなどの高融点ポリマーの場合、底板部材と容器胴部材とを一体化させる際の加熱では容器内面側の樹脂フィルムは溶融せず、図5に示されるように、底板部材5とサイドシーム部11との間の接合箇所に微小な空隙13がそのまま残ってしまうことがあった。
特開2003−312636 特開2007−91323
従って、本発明の目的は、熱可塑性合成樹脂フィルムをラミネートした原紙を用いて製造されたカップ状紙容器において、サイドシーム部の一端のスカイブヘミング加工形状を変更することにより、容器胴部材サイドシーム部と底板部材との接着部が交差する部分に形成される底部段差部の空隙を出來るだけ小さくして、液漏れ経路を生じさせないようにしたカップ状紙容器を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、紙基材の容器内壁面側となる面に熱可塑性合成樹脂フィルムがラミネートされている胴部材と、紙基材の容器内壁面側となる面に熱可塑性合成樹脂フィルムがラミネートされている底板部材とからなる紙製容器において、
前記胴部材は容器上端から下端に至るサイドシーム部分を有し、前記サイドシーム部分の容器内壁面側端部は、スカイブヘミング加工により形成された折返部分を有し、前記折返部分は尖端状の形状を有し、
前記尖端状形状部分の外周傾斜面に沿って前記底板部材の外周面が接合されることにより、前記胴部材サイドシーム部の段差部と底板部材との間に空隙を有しないことを特徴とする紙製容器を提供する。
本発明の紙製容器の場合、熱可塑性合成樹脂フィルムをラミネートした原紙から容器胴部材を形成し、胴部材のサイドシーム部の内壁面側端部をスカイブヘミング加工する際、その折り返し端部が尖端状に加工されるため、この尖端状形状部分の傾斜面に沿って底板部材の外周面が接合され、サイドシーム部の段差部と底板部材との間には空隙が殆ど形成されなくなる。その結果、従来技術の紙製容器が有する胴部材のサイドシーム部の段差部と底板部材との接合部分に形成される空隙からの液体漏出問題は完全に解決することができる。また、本発明によるスカイブヘミング加工後のブランクは、ブランク端面の先端の形状以外には何の変更も加えられていないため、従来の紙カップ製造装置をそのまま使用することができ、製造コストを増大させることは全く無い。
また、食品用紙製容器の場合、内容物を充填する前に容器内壁面を過酸化水素水で殺菌する工程がある。過酸化水素水を容器内壁面に塗布して乾燥させる際、従来技術の紙製容器のようにサイドシーム部の段差が大きいと、サイドシーム部の段差部と底板部材との接合部分に形成される空隙内に過酸化水素水が入り込み、乾燥が不十分なときには、空隙内に過酸化水素水が残留し、悪臭を発生することがあった。これに対し、本発明の紙製容器はサイドシーム部の段差が小さいので、底板部材との接合部分に空隙は殆ど生成されず、殺菌用過酸化水素水の空隙内残留問題は起こらない。
更に、前記の底板部材との接合部分における空隙発生抑制効果の他に、サイドシーム部の段差が小さいことによる効果として、容器口縁部上端面に蓋部材を接着して容器を密閉する際の密閉性向上効果が挙げられる。従来技術の紙製容器のようにサイドシーム部の段差が大きいと、容器に蓋部材を接着させたときに、底板部材の接着のときと同様な、未接着部分が発生し、容器内容物の漏洩や、容器内への雑菌混入などの問題を起こすことがあったが、本発明の紙製容器では、容器口縁部上端面のサイドシーム部分の段差が小さいので、容器口縁部上端面に蓋部材を接着させる際、サイドシーム部分の段差と蓋部材との間には未接着部が殆ど発生しない。その結果、容器の密閉性が飛躍的に向上され、容器内容物の漏洩や、容器内への雑菌混入などの問題を起こす恐れは殆ど無い。
本発明の紙製容器の製造方法の一例の概要工程図である。 本発明の紙製容器の胴部材のサイドシーム部における底板部材との接合状態を示す部分概要断面図である。 従来の紙製容器の一例の部分切り欠き正面図であり、AはA部の部分拡大断面図である。 従来のスカイブヘミング加工の一例の概要工程図である。 図3に示された紙製容器におけるV-V線に沿った部分概要断面部である。
以下、図面を参照しながら本発明の紙製容器について更に詳細に説明する。なお、下記の説明において、従来技術の紙製容器と同じ構成部材については説明の便宜のために同じ参照符号を使用する。
図1は本発明の紙製容器の製造方法の一例の工程図である。ステップ(1)において、上面に所定の形状及びサイズを有する凸状突起部23が形成された台座25の上に、容器胴部材用のブランク17’を載置する。図示されたブランク17’は紙基材7の両面に熱可塑性合成樹脂フィルム9がラミネートされているが、所望により、紙基材7の容器外壁面側となる面のフィルムラミネートは省くこともできる。紙基材7の容器内壁面側となる面に熱可塑性合成樹脂フィルム9をラミネートする場合、フィルムとしては低融点?高融点の何れの融点のフィルムも使用できるが、高融点熱可塑性合成樹脂フィルムをラミネートすることが特に好ましい。なぜなら、(1)高融点熱可塑性樹脂であるポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂)は、耐熱性及びバリア性に優れるほか、樹脂フィルム自体の臭気が少なく、容器内容物に樹脂臭が転移しないばかりか、容器内容物の臭い又は香りなども樹脂フィルムに吸着しないという利点を有するから、及び(2)下記に詳細に説明する本発明のスカイブヘミング加工方法は、容器内壁面側に高融点熱可塑性合成樹脂フィルムがラミネートされた紙製容器の製造に特に効果的だからである。容器外壁面側となる面に熱可塑性合成樹脂フィルムをラミネートする場合、そのフィルムは容器内壁面側となる面にラミネートされる熱可塑性合成樹脂フィルムと同一のフィルム又は異なるフィルムを適宜選択することができる。次いで、ステップ(2)において、胴部材用のブランク17’の上面側を所定の深さ及び幅に従って、例えば、回転刃などの削取手段19で削り取る。この加工により、ブランク端面に沿ってスカイブ加工面幅の中央付近の凸状金型突起23の上面に紙厚が薄い部分が形成される。後のヘミング加工の容易さの観点から、紙基材7は凸状金型突起23の上面の合成樹脂フィルム9との界面近くまで十分に削り取ることが好ましい。換言すれば、胴部材ブランクのスカイブ加工部分は紙基材の厚さが凸状金型突起23の上面対応部分とそれ以外の部分とで異なり、凸状金型突起23の上面対応部分の紙基材の厚さが最も薄い。次いで、ステップ(3)において、スカイブ加工の完了したブランク17’を台座25から取り出し、スカイブ加工部分を内側に折り曲げる。所望により、折り曲げ部分に接着剤等を塗布することもできる。接着剤は特に限定されない。当業者が一般的に使用する接着剤であれば任意の接着剤を使用できる。例えば、膠、米糊、酢酸ビニル系接着剤又はエチレン・酢酸ビニルコポリマー系接着剤などを使用できる。最後に、ステップ(4)において、先端が略二等辺三角形状断面をなす、すなわち尖端状断面形状のブランク17’が形成される。端部が尖端状になるのは、折り曲げ中心部付近に紙基材7が極僅かしか存在せず、折り曲げの際の屈曲性が紙基材の厚さにより制限されないためである。
図2は、前記の製造方法に従って製造された容器胴部材用ブランクから容器胴部材を形成し、これと底板部材とを接合させた状態の部分断面図である。スカイブヘミング加工された尖端状端部が容器内壁面側となるように容器胴部材を構成し、次いで、この容器胴部材の下端部に底板部材を接合させると、この尖端状形状部分のテーパ面に沿って胴部材の外周面が接合され、サイドシーム部11の段差部と底板部材5との間には空隙が殆ど発生しなくなる。
本発明の製造方法によれば、スカイブ加工の刃物や、加工方法を大幅に変えることがないため、複雑な形状の刃物や、面倒な加工条件調整を必要とすること無く、安定した加工が少ない工程で実施可能となる。
図1のステップ(1)で使用する台座25の上面に形成された凸状突起部23の断面形状は図示された矩形形状に限定されず、台形形状であることもできる。凸状突起部23の表面の幅は製造される容器のサイズなどを考慮して適宜選択することができる。一般的に、0.5mm?4.0mmの範囲内である。凸状突起部23の表面幅が0.5mm未満では、スカイブヘミング加工した端部を尖端状形状に成形することが困難となる。一方、凸状突起部23の表面幅が4.0mm超では、スカイブヘミング加工した端部の尖端状形状が不安定になり、後の加工の妨げとなることがある。また、凸状突起部23の高さは紙基材にラミネートされる合成樹脂フィルムの膜厚に応じて変化する。凸状突起部23の高さは一般的に、0.1mm?0.5mmの範囲内である。所望により、凸状突起部23の上端周縁部は面取りすることもできる。凸状突起部23の上端周縁部を面取りしておくことにより、図1のステップ(2)におけるスカイブ加工の際にブランク17’が破壊されたり、切断されたりする不都合な事態の発生が抑制される。面取りの曲率は当業者が適宜選択し、決定できる。一般的に、0.1?0.3Rの範囲内である。
凸状突起部23及び台座25はアルミニウム、ステンレス、真鍮、ダイカストなどの金属から形成するか、又は硬質のエンジニアリングプラスチックなどからも形成できる。台座25及び凸状突起部23の表面には所望によりテフロン(登録商標)などのような潤滑性被膜を施しておくこともできる。
本発明の紙製容器を製造するのに使用される紙基材7は100g/m 〜400g/m の範囲内の坪量のものが好ましい。また、この紙基材7は約3〜10%の範囲内の含水率を有するものであることが好ましい。紙基材7はバージンパルプのみから構成されていてもよいが、バージンパルプと再生パルプとの混合物から構成されていてもよい。
紙基材7の容器内壁面側となる面にラミネートされる熱可塑性合成樹脂フィルム9としては、低融点?高融点の何れの融点のフィルムも使用できる。低融点合成樹脂フィルムは例えば、様々な密度のポリエチレン(例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等)フィルム、エチレン・メタアクリル酸共重合体樹脂(EMA)フィルムなどである。高融点合成樹脂フィルムは例えば、ポリエステル系合成樹脂フィルムである。ポリエステル系合成樹脂フィルムとしては、例えば、具体例として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが挙げられる。また、高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム及びポリプロピレン(PP)フィルムも高融点合成樹脂フィルムとして使用できる。ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。PETとしては、ホモポリマーのポリエチレンテレフタレート(Homo-PET)又は共重合PET(コポリマーのポリエチレンテレフタレート)の何れも使用できる。このような熱可塑性合成樹脂フィルム9は紙基材7に直接又は適当な中間層を介してラミネートさせることができる。紙基材7の容器内壁面側となる面にラミネートされる熱可塑性合成樹脂フィルム9の膜厚は一般的に10μm〜100μmの範囲内である。熱可塑性合成樹脂フィルム9の膜厚が10μm未満の場合、フィルム層9にピンホールが発生したり、耐熱性が不十分になることがある。一方、フィルム層9の膜厚が100μm超の場合、フィルム層9の使用効果が飽和し、不経済となるばかりか、容器の組立に支障が生じる可能性がある。紙基材7の容器外壁面側となる面には、特に合成樹脂フィルムをラミネートしなくても良い。紙基材7の容器外壁面側となる面に合成樹脂フィルムをラミネートする場合、そのフィルムは、容器内壁面側となる面にラミネートされる合成樹脂フィルムと同一のフィルム又は異なるフィルムを適宜選択することができる。例えば、紙基材7の容器外壁面側となる面に低融点のポリエチレン樹脂フィルムをラミネートしておくと、所望により、特許第3014629号公報に記載されるような発泡断熱層を形成させることもできる。
本発明の紙製容器を製造するためのラミネート材料として、胴部用のコップ原紙及び底部用のコップ原紙を別々に用意し、更にポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を所望の厚さが取れるだけの必要量を用意し、一般的なラミネート押出し機を用いて前記原紙にPETを押出ラミネートした。
(1)胴部材用ブランクの作製
テレフタル酸を主成分とする酸成分と、エチレングリコールを主成分とするグリコール成分とからなり、更にグリコール成分としてネオペンチルグリコールを30モル%共重合させることにより製造された、最低接着温度が180℃〜190℃、IV値0.78のPET樹脂を用意した。原紙として坪量280g/mのコップ原紙を用意した。コロナ放電処理を行いながら押出しラミネート機のTダイより280℃でPET樹脂を押出し、チルロールで冷却しながら加圧し、その原紙上にPET樹脂を膜厚40μmでラミネートした。その反対面にもタンデム方式で同時に前記と同じPET樹脂を膜厚40μmでラミネートした。得られた両面ラミネート原紙を胴部用として使用し、この原紙から胴部材用ブランクを打ち抜いた。
(2)底板部材用ブランクの作製
次ぎに、テレフタル酸を主成分とする酸成分と、エチレングリコールを主成分とするグリコール成分とからなり、更にグリコール成分としてネオペンチルグリコールを25モル%共重合させることにより製造された、最低接着温度が180?190℃、IV値0.78のPET樹脂を用意した。原紙として坪量220g/mの原紙を用意した。コロナ放電処理を行いながら押出しラミネート機のTダイより280℃でPET樹脂を押出し、チルロールで冷却しながら加圧し、その原紙上にPET樹脂を膜厚40μmでラミネートした。その反対面にもタンデム方式で同時に前記と同じPET樹脂を膜厚40μmでラミネートした。得られた両面ラミネート原紙を底部用として使用し、この原紙から底板部材用ブランクを打ち抜いた。
(3)スカイブヘミング加工及び紙カップ製造
前記のようにして得られた胴部材用ブランクを、幅1.0mm、高さ0.2mm、面取り曲率0.2Rの凸状突起部を上面に有する所定形状の台座上に載置し、このブランクを所定のスカイブ加工機に掛け、胴部シール面のみ約10mmだけスカイブ加工を行い、スカイブ加工した部分をヘミング加工(折り曲げ加工)し、図1のステップ(4)に示されるような尖端状の形状をした折り返し端部を形成した。ヘミング加工に折返部分の全長は約5mmであった。スカイブヘミング加工により折り曲げられたPET層の端面がスカイブヘミング加工されていない胴部材用ブランクの他端のPET層の端面と“面一”となるように重ね合わせ、所望の胴部材を成形し、底板部材用ブランクと共に常用のカップ成型機により、胴部にはホットエアーヒータで500℃の加熱と、底板部にはホットエアーヒータで500℃の加熱を行い、各々ヒートシール及び加圧して紙カップを作製した。
比較例1
前記実施例1の(3)スカイブヘミング加工において、凸状突起部を有する台座を使用せず、平坦な表面を有する台座上に胴部材ブランクを載置し、実施例1で使用したスカイブ加工機と同じ加工機に掛け、胴部シール面のみ約10mmだけスカイブ加工を行い、スカイブ加工した部分をヘミング加工(折り曲げ加工)し、図4のステップ(C)に示されるような曲面状の先端形状をした折り返し端部を形成した。ヘミング加工に折返部分の全長は約5mmであった。スカイブヘミング加工により折り曲げられたPET層の端面がスカイブヘミング加工されていない胴部材用ブランクの他端のPET層の端面と“面一”となるように重ね合わせ、所望の胴部材を成形し、底板部材用ブランクと共に常用のカップ成型機により、胴部にはホットエアーヒータで500℃の加熱と、底板部にはホットエアーヒータで500℃の加熱を行い、各々ヒートシール及び加圧して紙カップを作製した。
実施例1で製造された本発明による紙カップ50個と比較例1で製造された従来技術により紙カップ50個を用意した。各紙カップ内に、界面活性剤を含む液漏れ検査液を紙カップの8分目まで入れ、30分間放置した後、液漏れの有無を目視で確認した。その結果、本発明の紙カップでは50個中、液漏れが確認されたものはゼロ個であった。これに対し、比較例の紙カップでは50個中12個の紙カップについて液漏れが確認された。
前記の結果から、本発明に従ってスカイブヘミング加工した端部を尖端状形状に成形すると、容器胴部材サイドシーム部と底板部材との接着部が交差する部分に形成される底部段差部の空隙を出來るだけ小さくして、液漏れ経路を生じさせないようにした紙カップが得られることが確認できる。
以上、本発明の紙製容器について好ましい実施態様を挙げて具体的に説明してきたが、本発明の紙製容器は例示された実施態様に限定されない。例えば、ヘミング加工による折返部分の長さは実施例に示された5mmに限定されず、これよりも短くも或いは長くすることもできる。また、尖端状端部の傾斜面のテーパを大きくすることも、或いは小さくすることもできる。
また、本発明の紙製容器は口縁部に蓋を施蓋し、密閉容器とすることもできる。この場合、容器内壁面にハイガスバリア性のPET層9を使用した場合、蓋形成材料にもハイガスバリア性材料を使用することが好ましい。このような容器は液状油脂性食品を充填したときに油の酸敗を防止することができ、液状油脂性食品やアルコール飲料の長期保存に特に適する。
本発明の紙製容器は液体の他、流動性のある半固体状食品の充填包装にも使用できる。
1 紙製容器
3 胴部材
5 底板部材
7 紙基材
9 熱可塑性合成樹脂フィルム
11 胴部材のサイドシーム部
12 口縁部
13 空隙
17,17’ 胴部材ブランク
19 回転刃
21 窪み
23 凸状突起部
25 台座

Claims (8)

  1. 紙基材の少なくとも容器内壁面側となる面に熱可塑性合成樹脂フィルムがラミネートされている胴部材と、紙基材の少なくとも容器内壁面側となる面に熱可塑性合成樹脂フィルムがラミネートされている底板部材とからなる紙製容器において、
    前記胴部材は容器上端から下端に至るサイドシーム部分を有し、前記サイドシーム部分の容器内壁面側端部は、スカイブヘミング加工により形成された折返部分を有し、前記折返部分は尖端状の形状を有し、
    前記尖端状形状部分の外周傾斜面に沿って前記底板部材の外周面が接合されることにより、前記胴部材サイドシーム部の段差部と底板部材との間に空隙を有しないことを特徴とする紙製容器。
  2. 前記尖端状形状の断面が略二等辺三角形の形状をしていることを特徴とする請求項1に記載の紙製容器。
  3. 前記胴部材及び底板部材において、紙基材の容器内壁面側となる面及び容器外壁面側となる面の両面に熱可塑性合成樹脂フィルムがラミネートされていることを特徴とする請求項1又は2記載の紙製容器。
  4. 前記容器外壁面側となる面にラミネートされる熱可塑性合成樹脂フィルムは、前記容器内壁面側となる面にラミネートされる熱可塑性合成樹脂フィルムと同一のフィルム又は異なるフィルムであることを特徴とする請求項3記載の紙製容器。
  5. 前記熱可塑性合成樹脂フィルムは低融点?高融点の熱可塑性合成樹脂フィルムである請求項1?4の何れかに記載の紙製容器。
  6. 前記熱可塑性合成樹脂フィルムは、ポリエチレン系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、エチレン・メタアクリル酸共重合体樹脂フィルム及びポリプロピレン樹脂フィルムからなる群から選択されることを特徴とする請求項5記載の紙製容器。
  7. 前記ポリエチレン系樹脂フィルムは、低密度ポリエチレン樹脂フィルム、中密度ポリエチレン樹脂フィルム、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂フィルム及び高密度ポリエチレン樹脂フィルムからなる群から選択され、前記ポリエステル系樹脂フィルムは、ホモポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム及び共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムからなる群から選択されることを特徴とする請求項6記載の紙製容器。
  8. (1)上面に所定の形状及びサイズを有する凸状突起部が形成された台座の上に、容器胴部材用のブランクを載置するステップと、
    (2)前記型押しされた胴部材用のブランクの上面側を、前記型押し部分の紙基材の厚さが十分に薄くなるまでスカイブ加工するステップと、
    (3)前記スカイブ加工部分を略中央部分から内側に折り曲げてヘミング加工するステップと、
    (4)前記折曲部分を接着させて、断面が略二等辺三角形状の尖端状形状を有する先端部を形成するステップとからなることを特徴とするスカイブヘミング加工方法。
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