JP2006076575A - キャップ材、キャップ及びキャップ付ボトル缶 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 円板状の天板部10と天板部10の周縁から略垂下してなる周壁部20を有するキャップ本体31と、キャップ本体31の天板部10の内面に沿って配置されるシートタイプのライナー25とを備えたキャップ材30において、天板部10の内面とライナー25の天板部10に対向する側の面とのいずれか一方又は双方に、これらの間の摩擦抵抗を軽減させる摩擦抵抗軽減手段35を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
図7に、従来のキャップ付ボトル缶の一例を示す。キャップ付ボトル缶1は、アルミニウム合金などで形成された金属製ボトル缶(以下ボトル缶と称す)2にキャップ3が螺着された構成となっている。ボトル缶2は、円筒状の缶胴4から上方に向かって縮径する縮径部5を有し、縮径部5の上方に口金部6を備えている。口金部6には、雄ネジ部7と膨出部8とカール部9とが形成されている。また、キャップ3には、天板部10と雌ネジ部11とピルファープルーフ部12とブリッジ部13とが形成されており、天板部10の内面にはシール材であるライナー14が配置されている。キャップ3の上方には、凹部と凸部を周方向に繰り返したナール部15が形成されている。ボトル缶2の雄ネジ部7とキャップ3の雌ネジ部11とが嵌合し、膨出部8の下方にピルファープルーフ部12の下端が巻き込む状態で、キャップ3はボトル缶2に被着されており、口金部6の端部とライナー14とが密着することで密封されている。
図8に、従来のキャップ付ボトル缶のキャップの一例を示す。キャップ3は、円板状の天板部10と天板部10の周縁から略垂下してなる周壁部20を有する。周壁部20には雌ネジ部11が形成されている。天板部10の内面には、シートタイプのライナー25が配置されている。
このキャップ付ボトル缶1は、ボトル缶2に対しキャップ3を回転させると、雌ネジ部11が雄ネジ部7に案内されてキャップ3を上方に移動させるとともに、膨出部8とピルファープルーフ部12との係合によりブリッジ部13が切断され、口金部6の端部とライナー14とが離間されることにより、開栓される。
なお、従来のキャップでは、ライナー25が天板部10の内面に接合されているものと、接合されていないものがある。
そこで、特許文献1では、前記ライナーを天板部内面に接合せず、ナール部分などで保持することにより、キャップを回転させる際に、前記ライナーをキャップとともに回転させずに開栓可能とすることで、開栓トルクの低減を図る方法が提案されている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、開栓トルクを低減させ、開栓が容易なキャップ材、キャップ及びキャップ付ボトル缶を提供することを目的とする。
請求項1記載のキャップ材は、円板状の天板部と該天板部の周縁から略垂下してなる周壁部を有するキャップ本体と、該キャップ本体の前記天板部の内面に沿って配置されるシートタイプのライナーとを備えたキャップ材において、前記天板部の内面と前記ライナーの前記天板部に対向する側の面とのいずれか一方又は双方に、これらの間の摩擦抵抗を軽減させる摩擦抵抗軽減手段を設けたことを特徴とするものである。
前記キャップ材は、ボトル缶口金部に被せられ、キャッピング加工が施される。該キャッピング加工により、前記ボトル缶口金部の雄ネジ部に沿って前記キャップ材の前記周壁部に雌ネジ部が形成され、キャップとなり、ボトル缶に螺着される。
該キャップ付ボトル缶のキャップを回転させて開栓する際に、該キャップを前記ボトル缶口金部と密着しているライナーとともに回転させる場合には、前記ボトル缶口金部と前記ライナーとの間の摩擦抵抗により、大きな開栓トルクが必要となる。
図1(a)、(b)に、本発明の第一の実施形態であるキャップ材を示す。キャップ材30は、キャップ本体31とキャップ本体31に装着されるライナー25とから構成されている。
キャップ本体31は、円板状の天板部10と、天板部10の周縁から略垂下してなる周壁部20を有する。周壁部20の上方には、凹部と凸部とを周方向に繰り返したナール部15が形成されている。
ライナー25は、エラストマーからなる第一層32と、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチック層からなる第二層33の二層で構成されている。
ライナー25は、プラスチック層からなる第二層33を天板部10の内面に対向する側として、天板部10内面に配置されている。ライナー25は天板部25内面に接合されず、ナール部15の内面側の凸部15aにて保持されている。
図2(a)、(b)に、天板部10の詳細図を示す。この天板部10には、その内面側から外側に向けて複数の凹所35が設けられている。この凹所35は、後述するように天板部10とライナー25との間の摩擦抵抗軽減手段を構成している。
なお、以下の説明においては、キャップ材30をボトル缶に被着させ、キャップ材30の周壁部20に雌ネジ部を形成させたものをキャップという。
この開栓動作において、上記の構成のキャップは、凹所35ではライナー25と天板部10が接触しないため、凹所35が設けられていない従来のキャップと比較して、ライナー25と天板部10との実質的な接触面積が減少し、ライナー25と天板部10との間の摩擦抵抗が軽減され、前記キャップとライナー25との相対移動が可能となる。したがって、前記キャップを回転させる際に、前記キャップとともにライナー25を回転させることなく、キャップを回転させることが可能となり、開栓トルクが軽減され、ボトル缶の開栓が容易にできる。
また、凹所40が環状に形成されているため、天板部10とライナー25の接触部分も環状となる。よって、ボトル缶の内圧の上昇により、ライナー25が天板部10に強く押し付けられた場合にも、円周方向に対する抵抗が小さいため、開栓トルクが軽減され、ボトル缶の開栓が容易にできる。
上記の構成のキャップ材30は、発泡性マイクロカプセルが加熱により発泡させられることで、発泡インキ層43の表層に微細な凹凸形状44が形成されているため、ライナー25と天板部10との実質的接触面積が減少し、摩擦抵抗が軽減される。したがって、前述した第一の実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。
上記の構成のキャップ材30は、微細な凹凸形状45により、ライナー25と天板部10との実質的接触面積が減少し、摩擦抵抗が軽減される。したがって、前述した第一の実施形態と同一の作用、効果を得ることができる。
実施例として、直径38mmの天板部に、直径0.3mm、深さ0.3mmの円状の凹所を112箇所設けたキャップ材を製作した。これに厚さ1mm、直径37mmのシートタイプのライナーを前記キャップ材の天板部内面に装着し、ナール部で前記ライナーを保持した。該キャップ材をボトル缶に螺着したものを試験に供した。
比較例1として、シートタイプのライナーを使用した従来のキャップで、直径38mmの天板部の内面に、厚さ1mm、直径37mmのライナーを接合し、ボトル缶に螺着したものを試験に供した。
比較例2として、シートタイプのライナーを使用した従来のキャップで、直径38mmの天板部の内面に、厚さ1mm、直径37mmのライナーを接合せず、ナール部で保持し、ボトル缶に螺着したものを試験に供した。
なお、開栓トルク試験にあっては、ファーストトルクを測定した。ファーストトルクとは、キャップを静止状態から回転させるのに要するトルクを意味する。開栓トルクの大きさが2.0N・m以上となった場合、開栓が困難となり問題となる。開栓トルク試験は、60℃にて実施した。
シートタイプのライナーを使用した従来のキャップでは、ライナーが天板部に接合されている比較例1及びライナーが天板部に接合されていない比較例2においても、開栓トルクは、2.0N・m以上であり、開栓が困難であることが確認された。
2 ボトル缶
3 キャップ
10 天板部
25 ライナー
35、37、40 凹所(摩擦抵抗軽減手段)
43 発泡インキ層(摩擦抵抗軽減手段)
45 凹凸形状(摩擦抵抗軽減手段)
Claims (6)
- 円板状の天板部と該天板部の周縁から略垂下してなる周壁部を有するキャップ本体と、該キャップ本体の前記天板部の内面に沿って配置されるシートタイプのライナーとを備えたキャップ材において、
前記天板部の内面と前記ライナーの前記天板部に対向する側の面とのいずれか一方又は双方に、これらの間の摩擦抵抗を軽減させる摩擦抵抗軽減手段を設けたことを特徴とするキャップ材。 - 請求項1記載のキャップ材において、
前記の摩擦抵抗軽減手段が、前記天板部の内面に複数の凹所を設けた構成とされていることを特徴とするキャップ材。 - 請求項1記載のキャップ材において、
前記の摩擦抵抗軽減手段が、前記天板部の内面に内部に多数の気泡を有する発泡層を設けた構成とされていることを特徴とするキャップ材。 - 請求項1記載のキャップ材において、
前記の摩擦抵抗軽減手段が、前記ライナーの前記天板部に対向する側の面を微細な凹凸からなる粗面とした構成とされていることを特徴とするキャップ材。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のキャップ材の周壁部にボトル缶の口金部に螺着させる雌ネジ部が形成されたキャップ。
- 請求項5記載のキャップが被着されたキャップ付ボトル缶。
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