JP2017065752A - レトルト殺菌可能な金属製キャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】金属製キャップシェル内で樹脂製ライナーを一体に成形可能で生産性に優れていると共に、金属製キャップシェル内に樹脂製ライナーを装着した金属製キャップと同様に開栓性に優れた金属製キャップを提供する。【解決手段】頂板部及び該頂板部の周縁から垂下するスカート部から成る金属製キャップシェルと、該金属製キャップシェル頂板部内面に設置される樹脂製ライナーとから成る金属製キャップにおいて、前記樹脂製ライナーが、前記金属製キャップシェル内でポリプロピレンを押圧型成形により形成されるポリプロピレン製ライナーであり、前記金属製キャップシェルの頂板部内面には、レトルト殺菌温度で膨張可能な熱膨張性発泡剤及びポリプロピレン接着用添加剤を含有する内面塗料から成る内面塗膜が形成され、該内面塗膜を介して前記ポリプロピレン製ライナーが設置されていることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、金属製キャップシェル及び樹脂製ライナーから成る金属製キャップに関するものであり、より詳細には、生産性及び開封性の両方に優れた金属製キャップに関する。
一般に金属製キャップは、金属製キャップシェルと、金属製キャップシェル頂板部に設けられた樹脂製ライナーから成り、容器口部と樹脂製ライナーが密着することによって密封性が維持されている。
このような金属製キャップに樹脂製ライナーを形成する方法としては、金属製キャップシェルの頂板部に溶融樹脂を施し、これを圧縮成形することにより樹脂製ライナーの成形と、金属製キャップシェルへの接着一体化を同時に行う方法(特許文献1)や、別途成形された樹脂製ライナーを金属製キャップシェル内に装着して一体化する方法(特許文献2)等が提案されている。
上記特許文献1に記載されたような、金属製キャップシェル内にモールドにより一体に樹脂製ライナーが接着成形されて成る金属製キャップは、生産性に優れている。しかしながら、金属製キャップシェルが、タンパーエビデントバンド(TEバンド)を有する場合、開封に際して金属製キャップを旋回すると同時に樹脂製ライナーも回転するため、開栓の際に樹脂製ライナーと容器口部と間で摩擦抵抗が生じることから、開栓トルクが上昇し、開栓性に劣るという問題もある。
一方、特許文献2に記載されたような、別途成形された樹脂製ライナーを金属製キャップシェルに装着して成る金属製キャップにおいては、樹脂製ライナーが金属製キャップシェルと非接着状態であり、樹脂製ライナーがその回動に同期せず、金属製キャップシェルだけが旋回するため、開栓トルクの上昇というような問題は生じないが、予め樹脂製ライナーを別途成形することが必要であると共に、成形した樹脂製ライナーを金属製キャップシェル内に離脱しないように嵌め込む工程も必要になり、モールドで樹脂製ライナーを一体に成形する金属製キャップに比して成形工程が多く、生産性に劣るという問題がある。
特開平8−217921号公報 特許第4750548号
従って本発明の目的は、金属製キャップシェル内で樹脂製ライナーを一体的に成形可能で生産性に優れていると共に、別途成形された樹脂製ライナーを金属製キャップシェルに装着して成る金属製キャップと同様の優れた開栓性を有する金属製キャップを提供することである。
本発明によれば、頂板部及び該頂板部の周縁から垂下するスカート部から成る金属製キャップシェルと、該金属製キャップシェル頂板部内面に設置される樹脂製ライナーとから成る金属製キャップにおいて、前記樹脂製ライナーが、前記金属製キャップシェル内でポリプロピレンを押圧型成形により形成されるポリプロピレン製ライナーであり、前記金属製キャップシェルの頂板部内面には、レトルト殺菌温度で膨張可能な熱膨張性発泡剤及びポリプロピレン接着用添加剤を含有する内面塗料から成る内面塗膜が形成され、該内面塗膜を介して前記ポリプロピレン製ライナーが設置されていることを特徴とするレトルト殺菌可能な金属製キャップが提供される。
本発明の金属製キャップにおいては、
1.前記金属製キャップシェルのスカート部の上方には、前記ポリプロピレン製ライナーの端部を保持可能な保持部が形成されていること、
2.前記内面塗料が、ベース塗料としてポリウレタン系塗料を含有すること、
3.前記接着用添加剤がポリプロピレンワックスであること、
4.前記キャップシェルの頂板部全面に前記ポリプロピレン製ライナーと非接着性を示す下地塗料から成る下地被膜が形成され、該下地被膜の上の、頂板部の一部に前記内面塗膜が形成されていること、
5.内容物充填後の容器に適用した後、100〜135℃の温度範囲のレトルト殺菌に賦することにより、前記熱膨張性発泡剤が発泡して、ポリプロピレン製ライナーが金属製キャップシェル頂板部内面から分離すること、
が好適である。
本発明の金属製キャップにおいては、金属製キャップシェル内でのポリプロピレン製ライナーの成形と金属製キャップシェルとの一体的が可能であり、しかも、レトルト殺菌という通常の生産工程の中で、ポリプロピレン製ライナーが金属製キャップシェルから自動的に剥離することから、生産性及び経済性に優れている。
またレトルト殺菌後に金属製キャップシェルから剥離したポリプロピレン製ライナーは、開封に際して金属キャップシェルの回動に同期せず、しかも金属製キャップシェルの頂板部から一定間隔の位置で保持されることにより、金属製キャップシェルと同時にポリプロピレン製ライナーが上昇してしまうことがなく、TEバンドが金属製キャップから離脱するよりも先に密封性が損なわれることや、開栓トルクの上昇というような問題が有効に防止されている。
更に、金属製キャップシェルとポリプロピレン製ライナーは、レトルト殺菌の直前まで密着した状態を維持しているので、金属製キャップシェルとポリプロピレン製ライナーの間に空気が入ったりすることがなく、キャップの密封性も十分確保されている。
本発明の金属製キャップの一例を示す一部を断面で示す側面図である。 図1のX部分の拡大図である。 本発明の金属製キャップにおけるレトルト前後での内面被膜及びポリプロピレン製ライナーの界面の状態を説明するための模式図である。 図1に示す金属製キャップを容器口部形状にかしめた状態における一部を断面で示す側面図である。 図4のY部分の拡大図である。
本発明の金属製キャップは、金属製キャップシェルの頂板部内面に、レトルト殺菌温度で膨張可能な熱膨張性発泡剤及びポリプロピレン接着用添加剤を含有する内面塗料(以下、「熱膨張性内面塗料」ということがある)から成る内面塗膜を介して、ポリプロピレン製ライナー(以下、「PPライナー」ということがある)が設置されていることが重要な特徴であり、金属製キャップシェルの基本的な構造については従来公知の金属製キャップの構造を採用することができる。
図1は、本発明の金属製キャップの一例が容器口部の一例に適用された態様について、左半分を断面で示す側面図であり、図2は、図1のX部分の拡大断面図である。尚、図1及び2においては、金属製キャップは、容器口部に被せただけの状態である。
本発明の金属製キャップは、概略的に言って、頂板部2及びこの頂板部2の周縁から垂下するスカート部3から成り、スカート部下部に弱化部4を介してタンパーエビデントバンド5が形成されている金属製キャップシェル1と、金属製キャップシェル1の頂板部2の内面に設置されるPPライナー20とから成っている。
PPライナー20は、金属製キャップシェル1の頂板部内面に形成された下地被膜11及び下地被膜11上のキャップシェル頂板部の中央部分に形成された内面塗膜12上に溶融状態のポリプロピレンが施され、これを型押しすることにより形成される。図2から明らかなように、PPライナー20は、容器口部30に適用し、後述する図4に示すように金属製キャップシェルを容器口部形状に合わせて押圧変形させた状態、所謂かしめ状態のときに、容器30の開口部先端に形成された外巻のカール部31の内面側と密着するインナーリング20a及び容器口部30の先端と接触するシール部20b並びにカール部31の外面側と密着するアウターリング20cから成っている。
また図2から明らかなように、金属製キャップシェル1の頂板部2の内面には、PPライナー20と非接着性の下地塗料から成る下地被膜11が頂板部全面にわたって形成され、この下地被膜11上の中央部分にのみ、PPライナー20と接着性の熱膨張性内面塗料から成る内面塗膜12が形成されている。前述したとおり、金属製キャップシェルは、容器口部の形状に合わせて外側から押し潰されるが、特に金属製キャップシェルの頂板部外周部分及びスカート部上部から成る肩部6付近は容器の密封性を確保するため、外側からの押圧によりPPライナーとの密着性が高く、金属製キャップシェル頂板部から剥離しにくくなる。従って、PPライナーの外周部分に対応する部分がポリプロピレンに対して接着性を有すると、レトルト殺菌後にPPライナーが容易に金属製キャップシェルから剥離しない事態を発生するおそれがある。本発明においては、このような事態の発生を抑制すべく、金属製キャップシェルの頂板部外周部分及びスカート部上部から成る肩部付近にはPPライナーと接着性を示す内面塗膜12を形成せず、PPライナー20と非接着性の下地塗料から成る下地被膜11を形成し非接着の状態にすることによって、レトルト殺菌後にPPライナーが容易に金属製キャップシェルから剥離することを可能にしている。
これにより、本発明の金属製キャップにおいては、内容物が充填された容器の口部に適用され、容器口部の形状に合わせてかしめられた後、レトルト殺菌に賦されると、内面塗膜12中の熱膨張性発泡剤が膨張し、PPライナーと内面塗膜の界面の接着構造が破壊されることによって、金属製キャップシェルの中央付近において接着していていたPPライナーが内面塗膜から剥離し、PPライナー全体が容易に金属製キャップシェルから分離する。
図3は、上記PPライナーと内面塗膜12の接着構造の破壊を説明するための図である。図3(A)はレトルト殺菌前の内面塗膜12及びPPライナー20の状態を模式的に表す図であり、図3(B)はレトルト後の内面塗膜12及びPPライナー20の状態を模式的に表す図である。
内面塗膜12中には、熱膨張性発泡剤14及びポリプロピレン接着用添加剤15が配合されており、レトルト殺菌前の状態においては、図3(A)に示すように、内面塗膜12とPPライナー20は、界面に存在するポリプロピレン接着用添加剤15によって接着状態にある。
レトルト殺菌に賦されると、図3(B)に示すように、内面塗膜12中の熱膨張性発泡剤14が膨張することによって界面の凝集破壊が生じて、内面塗膜12とPPライナーは非接着の状態になる。その結果、PPライナー20は内面塗膜12から剥離可能になり、開封に際して金属製キャップが旋回しても、PPライナー20はキャップシェルの動きに同期しないことから、開栓トルクの上昇や、TEバンドの破断よりも先に密封性が解除されてしまうことがない。
(内面塗膜)
本発明において、レトルト殺菌前にはPPライナーと接着性を有し、レトルト殺菌後にはPPライナーと非接着の状態になる内面塗膜は、熱膨張性発泡剤、ポリプロピレン接着用添加剤及びベース塗料から成る内面塗料により形成される。
[熱膨張性発泡剤]
内面塗料に配合すべき熱膨張性発泡剤は、レトルト殺菌(100〜135℃、保持時間30〜300秒)で膨張可能な発泡剤であることが重要である。
このような熱膨張性発泡剤としては、マイクロカプセル化されている発泡剤を好適に使用することができ、外包部分が、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等から成り、外包粒子内にイソペンタン液、化学発泡剤等を内包物とするものであることが好ましい。
熱膨張性発泡剤は、発泡前の粒径が5〜50μmであり、発泡後の粒径が10〜120μmに膨張し、体積が8〜1728倍に増大するものであることが好ましい。
熱膨張性発泡剤としては、市販品を使用することもでき、例えばエクスパンセル社製エクスパンセル、松本油脂製薬社製マツモトマイクロスフィアー、永和化成工業社製セルパウダー等を好適に用いることができる。
[ポリプロピレン接着用添加剤]
内面塗料に配合すべきポリプロピレン接着用添加剤としては、ベース塗料中に分散可能で、ポリプロピレンと接着性を有する限り従来公知の接着用添加剤を使用することができる。このようなポリプロピレン接着用添加剤としては、ポリプロピレンワックス、エチレン−プロピレンエラストマー、SIS、SBS等のスチレン系ブロックポリマー等を挙げることができるが、本発明においては特にポリプロピレンワックスを好適に使用することができる。
[ベース塗料]
また内面塗料のベース塗料は、塗膜の形成に際して熱膨張性発泡剤が膨張しないように、135℃以下の低温で乾燥が可能な塗料であることが重要である。
このようなベース塗料としては、ポリイソシアネート成分とポリオール成分から得られるポリウレタン系塗料を好適に使用することができる。
ポリイソシアネート成分としては、従来キャップ用塗料に用いられていたものをすべて使用することができ、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジシソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ポリフェニレン、ポリメチレンポリイソシアネート、クルードトリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、デカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート等のジイソシアネート、及び前記イソシアネートのビウレット体、ウレトジオン変性体、カルボジイミド変性体、イソシアヌレート変性体、ウレトンイミン変性体、ポリオールとのアダクト体、これらの混合変性体、等を挙げることができるが、特にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)のトリマー(イソシアヌレート体)等を好適に用いることができる。
またポリイソシアネート成分は、末端NCO基がブロック化処理されていることが好ましい。ブロック剤としては、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール等のフェノール系化合物、2−ヒドロキシピリジン、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、メタノール、エタノール,n−ブタノール、イソブタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール系化合物、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアエトン等の活性メチレン系化合物、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のメルカプタン系化合物、アセトアニリド、酢酸アミド等の酸アミド系化合物、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等のラクタム系化合物、イミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等の尿素系化合物、ホルムアミドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系化合物、ジフェニルアニリン、アニリン、カルバゾール、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等のアミン系化合物が挙げられる。これらは単独で或いは2種以上を混合して使用することができる。これらの中でもメチルエチルケトンオキシムを好適に使用することができる。
ポリオール成分としては、ポリプロピレングリコール系ポリエーテルポリオール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、アジペート系ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等の数平均分子量が500以上の高分子ポリオールや、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ジメチロールヘプタン、ダイマー酸ジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、クオドロール、これらの化合物にエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加して得られる数平均分子量500未満の低分子ポリオールを挙げることができる。
[内面塗料の調製]
本発明に用いる内面塗料において、熱膨張性発泡剤は、ベース塗料の樹脂分100重量部に対して0.5〜50重量部、特に10重量部の量で配合することが好ましい。上記範囲よりも熱膨張性発泡剤の量が少ない場合には、レトルト殺菌後にPPライナーが容易に剥離しないおそれがあり、一方上記範囲よりも熱膨張性発泡剤の量が多くても経済性に劣るだけである。
またポリプロプレン接着用添加剤は、ベース塗料の樹脂分100重量部に対して1〜20重量部、特に5〜15重量部の量で配合することが好ましい。ポリプロピレン接着用添加剤の量が上記範囲よりも多い場合には、上記範囲にある場合に比してレトルト殺菌後にPPライナーが容易に剥離しないおそれがあり、一方ポリプロピレン接着用添加剤の量が上記範囲よりも少ない場合には、レトルト殺菌前にPPライナーが剥離してしまうおそれがある。
またベース塗料は、トルエン、2−ブタノン、シクロヘキサノン、ソルベッソ、イソホロン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶剤を用いて調製することができるが、特に低温での塗膜形成を可能にするために低沸点溶媒を用いることが好ましい。これらの溶剤は単独或いは混合液に溶解させてもよいし、或いは各成分の溶液を混合することによっても調製できる。
また上記成分の他に、硬化促進触媒、レベリング剤、充填剤等、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、安定剤等従来公知の添加剤を配合することもできる。
(下地被膜)
本発明の金属製キャップにおいては、金属製キャップシェル内面の少なくとも肩部となる部分(キャップシェル頂板部外周部分及びスカート部上部)に、PPライナーと非接着の下地被膜を形成することが好ましい。
前述したとおり、金属製キャップの肩部は、内面塗膜中に熱膨張性発泡剤が配合されていたとしても、肩部に内面塗膜が形成されているとPPライナーは金属製キャップシェルから分離しづらくなるおそれがあることから、肩部においては内面塗膜を形成せず、PPライナーは直接ポリプロピレンとは非接着の下地被膜に接触させることが好ましい。
このような下地被膜は、ポリプロピレンと接着性を示さない限り、従来金属製キャップシェル内面に形成されていた下地被膜を制限なく使用することができ、熱硬化性塗料から成る塗膜又は熱可塑性樹脂フィルムから成る樹脂被膜であってもよいが、特に上述した内面塗膜に用いたベース塗料、好適にはポリウレタン系塗料を用いることが望ましい。
尚、この下地被膜は、キャップシェル内面の肩部のみならず、肩部を含むキャップシェル頂板部内面全面に形成されていてもよいし、或いはこのような下地被膜が形成された樹脂被覆金属板を用いてキャップシェルを成形してもよい。
(金属製キャップの製造方法)
本発明の金属製キャップにおいては、下地被膜及び内面塗膜が形成された金属シートを用い、これを打ち抜き、絞り成形することによって、金属製キャップシェルを成形することもできるし、或いは予め成形された金属製キャップシェル内面に下地被膜及び内面塗膜を順次形成し、図1に示すような金属製キャップシェルを成形することもできる。
次いで金属製キャップシェル内でモールドによりPPライナーを成形する。すなわち、金属製キャップシェルの頂板部内面にポリプロピレンの溶融樹脂塊を供給し、これを圧縮成形することによって所望形状のPPライナーを成形する。この際、内面塗膜中の熱膨張性発泡剤が発砲しないように速やかにPPライナーを形成することはいうまでもない。
成形された金属製キャップは、内容物が充填された容器口部に適用され、図4及び5に示すように、容器口部形状に合致するように、金属製キャップの肩部6及びスカート部3が治具(図示せず)により押圧される。これによりPPライナー20のアウターリング20cは容器口部30の外側に密着すると共に、金属製キャップシェルのスカート部3の上部には、レトルト殺菌後に金属製キャップシェルの頂板部から分離したPPライナー20の外周端と係合し、金属製キャップシェルから脱落することを防止するための環状突起から成る保持部6、及び螺子部7が形成される。
尚、PPライナーを保持するための保持部は、必ずしも金属製キャップをかしめる際に形成されなくてもよく、例えば、図1の容器口部の外周面に洗浄水を流すために形成される開口9を保持部として用いることもできる。
本発明の金属製キャップは、成形性に優れたモールドによるライナー成形が可能でありながら、レトルト殺菌に賦されることにより、PPライナーが金属製キャップシェルから分離して、優れた開封性を発現できる。従って、レトルト殺菌が必要な飲料等を内容物とする容器に好適にすることができる。
1 金属製キャップシェル、2 頂板部、3 スカート部、4 弱化部、5 タンパーエビデントバンド、6 肩部、7 保持部、8 螺子部、9 開口、11 下地被膜、12 内面塗膜、14 熱膨張性発泡剤、15 ポリプロピレン接着用添加剤、20 ポリプロピレン製ライナー。

Claims (6)

  1. 頂板部及び該頂板部の周縁から垂下するスカート部から成る金属製キャップシェルと、該金属製キャップシェル頂板部内面に設置される樹脂製ライナーとから成る金属製キャップにおいて、
    前記樹脂製ライナーが、前記金属製キャップシェル内でポリプロピレンを押圧型成形により形成されるポリプロピレン樹脂製ライナーであり、
    前記金属製キャップシェルの頂板部内面には、レトルト殺菌温度で膨張可能な熱膨張性発泡剤及びポリプロピレン接着用添加剤を含有する内面塗料から成る内面塗膜が形成され、該内面塗膜を介して前記ポリプロピレン製ライナーが設置されていることを特徴とするレトルト殺菌可能な金属製キャップ。
  2. 前記金属製キャップシェルのスカート部の上方には、前記ポリプロピレン製ライナーの端部を保持可能な保持部が形成されている請求項1記載の金属製キャップ。
  3. 前記内面塗料が、ベース塗料としてポリウレタン系塗料を含有する請求項1又は2記載の金属製キャップ。
  4. 前記接着用添加剤がポリプロピレンワックスである請求項1〜3の何れかに記載の金属製キャップ。
  5. 前記キャップシェルの頂板部全面に前記ポリプロピレン製ライナーと非接着性を示す下地塗料から成る下地被膜が形成され、該下地被膜の上の、頂板部の一部に前記内面塗膜が形成されている請求項1〜4の何れかに記載の金属製キャップ。
  6. 内容物充填後の容器に適用した後、100〜135℃の温度範囲のレトルト殺菌に賦することにより、前記熱膨張性発泡剤が発泡して、ポリプロピレン製ライナーが金属製キャップシェル頂板部内面から分離する請求項1〜5の何れかに記載の金属製キャップ。
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