JP7309526B2 - キャップ及び容器 - Google Patents

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Description

本発明は、飲料を収容する缶容器を密封するキャップ及びキャップが用いられる容器に関する。
従来から、飲料を収容する缶容器の口部を密封するキャップにおいて、キャップ本体の内面に容器口部と密接する樹脂製の密封部材を設けたものが多く使用されている。そして、このようなキャップでは、キャップの開栓時の開栓トルクを低下させるために、キャップ本体と密封部材とを非接着にする技術が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
このようなキャップは、開栓時により長く密封状態が維持できる密封性を確保することが望まれている。このため、特許文献2には、密封部材の密封層に、容器本体のカール部の内周面や外周面と当接する環状の突起を設ける技術も開示されている。
特開2004-217295号公報 特開2017-178421号公報
しかしながら、開栓時に密封状態を長く維持するために、密封部材の一部に環状の突起を設けると、樹脂材料を多く使用することになり、製造コストが増加するという問題がある。
そこで本発明は、製造コストを増加させることなく、密封性を確保できるキャップを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るキャップは、平板状に形成された平板部及び前記平板部の一部に設けられ、内面から突出する凹部を含む天板部、並びに、前記天板部の周縁部に一体に設けられた筒状のスカート部を有し、前記天板部の中心軸回りで前記凹部の周方向に前記平板部の一部が存するキャップ本体と、前記キャップ本体と別体に、前記天板部と対向して前記キャップ本体内に設けられた密封部材と、を備える。前記密封部材は、前記凹部に対応する形状に形成され、前記天板部と対向する主面側から窪む変形部を有し、前記凹部は、前記天板部の中心又は前記中心を前記天板部の主面方向に通る中心線に対して非対称形状であり、前記スカート部は、螺子部を有する。
本発明の一態様に係る容器は、上述したキャップと、内容物が充填され、前記キャップにより密封される、内圧が陽圧となる缶容器と、を備える。
本発明によれば、製造コストを増加させることなく、密封性を確保できるキャップを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る容器の構成を一部断面で示す側面図。 同キャップの構成を示す斜視図。 同キャップの構成を一部断面で示す側面図。 同キャップの構成を示す平面図。 同キャップの要部構成を示す断面図。 同キャップに用いられる密封部材の構成を示す平面図。 同キャップの製造方法の一例を示す流れ図。 同容器の製造方法の一例を示す流れ図。
以下、本発明の第1の実施形態に係るキャップ100及びキャップ100が用いられる容器1を、図1乃至図8を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る容器1の構成を一部断面で示す側面図である。図2はキャップ100の構成を示す斜視図である。図3はキャップ100の構成を一部断面で示す側面図である。図4は、キャップ100の構成を示す平面図である。図5はキャップ100のキャップ本体111及び密封部材112を拡大して示す断面図である。図6は、密封部材112の構成を摺動層141側から示す平面図である。なお、図6中二点鎖線は、開栓時にキャップ本体111を36°回転させたときの天板部121及び凹部121aを示している。図7は、キャップ100の製造方法の一例を示す流れ図であり、図8は、容器1の製造方法の一例を示す流れ図である。
図1に示すように、容器1は、キャップ100と、キャップ100により密封される缶容器200と、を備える。容器1は、飲料が充填された缶容器200をキャップ100により密封することで、飲料が充填された陽圧缶である。なお、陽圧缶は、缶内圧が大気圧よりも高くなっており、飲料自体を炭酸等の気体が充填された飲料とするか、飲料とともに液体窒素を充填することで製造される。
まず、図1を用いてキャップ100が被冠される缶容器200について説明する。図1に示すように、缶容器200は、飲料等を収容する所謂ボトル型容器である。例えば、缶容器200は、両面に樹脂製フィルムが積層されたアルミニウム合金や表面処理鋼板等の金属材料により構成される。缶容器200は、一方の端部が縮径された、異なる外径を有する円筒状に形成される。缶容器200は、一方の端部に、収容した飲料を排出する口部210を有する。口部210は、その外周面に、缶容器200の底面側から端部に向かって、顎部211、雄螺子部212及びカール部213を有する。
顎部211は、環状に突出することで構成される。カール部213は、雄螺子部212よりも小径に形成される。また、カール部213は、キャップ100の内径よりも小さく構成される。カール部213は、口部210の端部を1回以上折り曲げることで形成される。カール部213は、缶容器200に収納された飲料を排出する開口部を構成する。
次に、本実施形態に係るキャップ100を説明する。図1乃至図5に示すように、キャップ100は、キャップ本体111と、キャップ本体111内に別体に設けられた密封部材112と、を備えている。
キャップ本体111は、アルミニウム合金等の金属素材に樹脂皮膜層を形成した材料によって構成される。キャップ本体111は、薄肉の平板状の当該材料を絞り成形、ナーリング成形、ロールオン成形及びプレス成形等の各成形によってカップ状に形成される。
キャップ本体111は、円板状の天板部121と、天板部121の周縁部から垂下する円筒状のスカート部122と、を備えている。キャップ本体111は、天板部121及びスカート部122が、円環状、且つ、曲面状のコーナー部123によって一体に連続して構成される。
天板部121は、円板状に構成される。図1乃至図5に示すように、天板部121は、主面が平面状であって、その一部に外主面側から内主面側に窪む凹部121a、及び、凹部121aを除く領域を構成する平板状の平板部121bを有する。凹部121aは、例えば、天板部121の一部にプレス成形を行うことで形成される。凹部121aは、エンボス加工が施されることで形成される。
凹部121aは、キャップ本体111を缶容器200から開栓するときに、キャップ本体111と非接着の密封部材112を押圧する。
凹部121aは、小径の窪みや、図2、図4及び図6に示すように星形等の任意の模様とすることができる。具体例として、凹部121aは、天板部121の中心軸回りで周方向の一部に平板部121bが存する形状である。即ち、凹部121aは、天板部121の中心をその中心とする円形状以外の形状に形成される。換言すると、凹部121aは、キャップ本体111を回転させたときに、回転前の位置から位置ずれを生じる形状に形成される。
例えば、凹部121aの天板部121の内面からの高さは、0.05mm乃至2.0mmの範囲内で設定される。これは、凹部121aの天板部121の内面からの高さが0.05mmよりも小さいと、密封部材112を口部210に押し付ける作用が十分に機能せず、2.0mmよりも大きいと、密封部材112の中央側が押し下げられ過ぎることで、後述する複数のベントスリット131aによる密封部材112の係止が不十分になる虞があるためである。
密封部材112の押し付け作用を十分に機能させ、且つ、密封部材112の係止を確実に可能とするために、好適には、凹部121aの天板部121の内面からの高さは、0.3mm乃至1.0mmの範囲内で設定される。なお、天板部121は、凹部121aに加えて、点字やデザイン等を持たせるための凹凸部を有する構成としてもよい。
スカート部122は、一端がコーナー部123を介して天板部121と連続し、他端が開口して構成される。スカート部122は、天板部121側の端部から開口する端部まで、ベントスリット131aを有する複数のナール部131、雌螺子部132及びタンパーエビデンスバンド部133と、を備える。
ナール部131、雌螺子部132及びタンパーエビデンスバンド部133は、天板部121と、ナール部131、雌螺子部132及びタンパーエビデンスバンド部133が成形されていない円筒状のスカート部122と、コーナー部123から構成されるカップ状の成形品をナーリング成形やロールオン成形等の加工により形成される。
ナール部131は、複数のベントスリット131aを有し、スカート部122の内周面から突出する。ベントスリット131aは、開封時に缶容器200内のガスを排出する切り込みである。ベントスリット131aは、ナール部131の一部に設けられ、外面側から内面側へと窪む凹部と、この凹部の上端部に設けられたガス排出用の切り込みを含む。
ベントスリット131aの切れ込み側(スカート部122の他端側)の端部は、他方側の端部よりもキャップ100の径方向内方に突出している。複数のベントスリット131aは、切れ込み側の端部によりキャップ本体111に非接着の密封部材112を係止して、キャップ本体111内に密封部材112を保持する係止部を構成する。
雌螺子部132は、缶容器200の雄螺子部212と螺合可能に構成される。雌螺子部132は、缶容器200と共に成形される。即ち、雌螺子部132は、缶容器200に取り付けられる前のキャップ100の完成品においては成形されておらず、缶容器200と一体に組み合わされたときに成形される。
タンパーエビデンスバンド部133は、キャップ100が缶容器200から離間する方向であって、且つ、キャップ100の軸方向で、缶容器200の顎部211と係合する。また、タンパーエビデンスバンド部133は、キャップ100の開封時に破断して、スカート部122から脱離するための破断部133aを有する。即ち、タンパーエビデンスバンド部133は、スカート部122の端部側に破断部133aを残してスリットが形成されることで構成され、雌螺子部132と同様に、缶容器200と一体に組み合わされたときに、缶容器200の顎部211の形状に賦形されることで、顎部211に係合する。
密封部材112は、キャップ本体111と別体に構成され、キャップ本体111に非接着である。密封部材112は、キャップ本体111のスカート部122に設けられたナール部131の内接円の径よりも大径の外径を有する円板状である。密封部材112は、スカート部122の内周面から径方向に突出するナール部131のベントスリット131aと、キャップ本体111の軸方向で係合することで、キャップ本体111に一体に設けられる。
例えば、密封部材112は、図1、図3及び図5に示すように、円板状の摺動層141と、摺動層141に一体に積層された円板状の密封層142と、を備えている。密封部材112は、摺動層141及び密封層142が異なる合成樹脂で形成される。密封部材112は、摺動層141に密封層142が一体的に積層される。例えば、密封部材112は、図1及び図3に示すように、厚さが一様な平板部112aと、天板部121側の外周縁の外面が曲面で構成された曲面部112bと、平板部112a及び曲面部112bの間に設けられた平板部112aよりも肉厚な厚肉部112cと、を有する。換言すると、密封部材112は、円板状であり、天板部121側の稜部が所定の曲率の曲面で構成される。なお、厚肉部112cは、例えば、図1に示すように、密封部材112の外周側の口部210に当接する領域に存する。厚肉部112cにおいて、密封層142は、密封部材112の中央側である平板部112aよりも厚さが厚く、摺動層141は、平板部112aと厚さが同一か、又は、厚さが薄い。
摺動層141は、密封層142よりも相対的に硬度が高い(硬い)樹脂材料によって構成される。また、摺動層141は、キャップ本体111の樹脂皮膜層と接着性及び粘着性を有さない樹脂材料により構成される。即ち、摺動層141は、天板部121と非接着であり、そして、天板部121と接触した状態で天板部121を摺動する。
摺動層141に用いられる樹脂材料は、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等が上げられる。本実施形態においては、摺動層141は、例えば、ポリプロピレン樹脂によって構成される。なお、摺動層141に用いられる樹脂材料には、顔料、滑剤、軟化剤、可塑剤等を適宜添加することができる。また、本実施形態における例では、摺動層141の硬度は、JIS-K7215によるデュロメータD硬さでD10~D70である。なお、摺動層141の硬度は、可塑剤等の添加剤の量の変更や、樹脂材料を共重合化したり、他の樹脂材料をブレンドしたりすることで変化させることができる。
図3に示すように、摺動層141は、キャップ本体111の天板部121と対向して、キャップ本体111と別体に設けられる。摺動層141は、用いられる樹脂材料により、キャップ本体111の天板部121と摺動可能に構成される。摺動層141は、円板状に構成される。摺動層141の外径は、スカート部122の内径よりも小径であり、ナール部131の内接円と略同一径又は当該内接円より若干大径であり、口部210のカール部213の外径よりも大径に構成される。
図1、図3及び図5に示すように、摺動層141は、例えば、厚さが一様な第1平板部141aと、天板部121側の外周縁の外面が曲面により構成された第1曲面部141bと、第1曲面部141bの密封層142側に設けられた突起部141cと、第1平板部141a及び第1曲面部141bの間に設けられた薄肉部141dと、を備えている。第1平板部141aは、摺動層141の中心から口部210のカール部213と対向する部位よりも外周側までの部分の厚さが一様に構成される。
第1曲面部141bは、口部210のカール部213と対向する部位よりも外周側から外周縁までの部分の厚さが、外周縁に向かって厚さが漸次減少して構成される。突起部141cは、摺動層141の軸方向及び天板部121の面方向に対して傾斜してスカート部122の開口する端部側に向かって湾曲又は傾斜する円環状の突起状に構成される。突起部141cは、第1曲面部141bから先端に向かって厚さが漸次減少する。薄肉部141dは、第1平板部141aよりも薄肉に形成される。
密封層142は、摺動層141よりも相対的に硬度が低い(軟らかい)樹脂材料により構成される。密封層142に用いられる樹脂材料は、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられ、より好適にはスチレン系エラストマーとポリプロピレン樹脂のブレンド材、低密度ポリエチレンとスチレン系エラストマーのブレンド材、ポリエステル系エラストマー等が挙げられる。密封層142に用いられる樹脂材料は、摺動層141に用いられる樹脂材料と接着性を有する。本実施形態においては、密封層142は、例えば、スチレン系エラストマーとポリプロピレン樹脂のブレンド材によって構成される。なお、密封層142に用いられる樹脂材料には、顔料、滑剤、軟化剤、可塑剤等を適宜添加することができる。
密封層142は、口部210と対向する側の摺動層141の主面に一体に設けられる。密封層142は、円板状に構成される。密封層142の外径は、スカート部122の内径よりも小径であり、ナール部131の内接円と略同一径又は当該内接円よりも若干大径であり、口部210のカール部213の外径よりも大径に構成される。即ち、密封層142の外径は、摺動層141の外径と同一か、又は、摺動層141の外径よりも大径に構成される。
図1、図3及び図5に示すように、密封層142は、厚さが一様な第2平板部142aと、天板部121側の外周縁の外面が曲面で構成された第2曲面部142bと、第2曲面部142bの摺動層141側とは反対側の主面に設けられた環状の窪み142cと、第2平板部142a及び第2曲面部142bの間に設けられた厚肉部142dと、を備えている。第2平板部142aは、カール部213と対向する主面が平面に構成される。例えば、第2平板部142aは、摺動層141の第1平板部141aと同一径に構成される。第2平板部142aは、第1平板部141aとともに、密封部材112の平板部112aを構成する。なお、本実施形態においては、第1平板部141aと第2平板部142aとは、同一の厚さに設定されている。
第2曲面部142bは、例えば、第2平板部142aのカール部213と対向する主面と面一の主面を有する。第2曲面部142bは、口部210のカール部213と対向する部位よりも外周側から外周縁までの部分の厚さが、外周縁に向かって厚さが漸次減少して構成される。第2曲面部142bは、第1曲面部141b及び突起部141c上に積層される。第2曲面部142bは、第1曲面部141b及び突起部141cとともに、密封部材112の曲面部112bを構成する。
窪み142cは、天板部121を上に向けた状態でキャップ100を配置し、密封部材112が天板部121よりも下方に落下した際に、ベントスリット131aと当接する。窪み142cは、例えば、断面が半円状の環状の窪みである。厚肉部142dは、第2平板部142a及び薄肉部141dよりも厚肉に形成される。厚肉部142dは、薄肉部141dとともに、密封部材112の厚肉部112cを構成する。
摺動層141及び密封層142は、第1曲面部141b、突起部141c及び第2曲面部142bがそれぞれ第1平板部141a及び第2平板部142aよりも薄く構成される。
このような密封部材112は、例えば、その一部に、天板部121に設けられる凹部121aと同形状に摺動層141側(天板部121と対向する主面側)から密封層142側に向かって、摺動層141側で窪み、そして、密封層142側で突出する変形部112dを有する。この変形部112dは、塑性的に変形しており、凹部121aと接していない状態でも変形部112dとしての形状が維持されている。なお、変形部112dは、密封部材112の厚みや材料の硬度等によっては、摺動層141側の窪みの深さに比べて、密封層142側での突出度合いは小さくなってもよい。また、変形部112dは、摺動層141側で窪むだけで、密封層142側では突出していなくてもよい。すなわち、摺動層141のみが変形していてもよい。
また、密封部材112に用いられる樹脂材料、即ち、摺動層141及び密封層142に用いられる樹脂材料は、例えば、キャップ100が缶容器200に被冠され、内容物が充填された容器1のレトルト処理等の加熱殺菌処理を行う環境下において、容器1の内圧及び温度等によって、加熱され、そして天板部121の凹部121aに密着されることで密封部材112に変形部112dが成形できる樹脂材料が用いられる。
このように構成されたキャップ100の製造方法及び容器1の製造方法の一例を図7及び図8を用いて説明する。
先ず図7を用いてキャップ100の製造方法を説明する。例えば、シェルプレス装置等により、シート状の金属材料をしぼり加工し、天板部121と、ナール部131、雌螺子部132及びタンパーエビデンスバンド部133が成形されていない円筒状のスカート部122と、コーナー部123とから構成されるカップ状の成形品を成形する(ステップST1)。次いで、摺動層成形装置により、成形品の天板部121内面上に軟化した樹脂材料を供給し、供給した樹脂材料を賦形することで、摺動層141を成形する(ステップST2)。
次いで密封層成形装置により、成形品内の摺動層141上に軟化した樹脂材料を供給し、供給した樹脂材料を賦形することで、密封層142を成形する(ステップST3)。これにより、成形品内に密封部材112が成形される。
次いで、密封部材を搬送する搬送装置等により、成形品内の密封部材112を取り出す(ステップST4)。次いで、成形品加工装置等により、成形品のスカート部122にナール部131、タンパーエビデンスバンド部133を成形する第1成形を行う(ステップST5)。次いで、成形品加工装置等により、天板部121に凹部121aを成形する第2成形を行う(ステップST6)。なお、第1成形及び第2成形は同時に行っても良いし、順番を逆にしても良い。これらの工程によりキャップ本体111が成形される。
次いで、搬送装置等によってキャップ本体111内に密封部材112を挿入する(ステップST7)。この際、密封部材112の周縁部は、ベントスリット131aを乗り越えて、天板部121に接するように挿入される。なお、キャップ本体111内に挿入される密封部材112は、他のキャップ本体111で成形された密封部材112であってもよく、自身の内部で成形された密封部材112であってもよい。
キャップ本体111内に密封部材112が挿入されることで、キャップ100が製造される。次いで、キャップ100が収集部へ収集され、一定数のキャップ100が収集部へ収集されたら、キャップ100は、次工程である、検査・梱包工程へ搬送される。
次に、図8を用いて容器1の製造方法を説明する。まず、缶容器200内に、飲料等及び液体窒素等の内容物を充填する(ステップST11)。次に、缶容器200の口部210の先端部であるカール部213と密封部材112の密封層142とが接触するように、缶容器200にキャップ100を被せ、缶容器200にキャップ100を配置する(ステップST12)。
次に、キャップ100を缶容器200の口部210に巻締固着する(ステップST13)。巻締固着は、キャップ本体111の天板部121に荷重を掛け、且つ、コーナー部123を缶容器200に向かって絞り成形しながら、スカート部122をロールオン成形し、キャップ100のスカート部122に雌螺子部132を成形することで行われる。これにより、缶容器200が密封される。また、このとき、缶容器200内が陽圧となる。
次に、缶容器200を殺菌するために、キャップ100が缶容器200に巻締固着された容器1をレトルト処理する(ステップST14)。レトルト処理は、内容物によって条件が変化し、例えば、温度が110℃~130℃で、時間が10分~30分の範囲で行われる。レトルト処理後、容器1を冷却し(ステップST15)、乾燥させる(ステップST16)ことで、飲料が充填された陽圧缶である容器1が製造される。なお、レトルト処理時において、密封部材112は、加熱及び加圧され、その後冷却されることで、凹部121aの形状が転写され、変形部112dが形成される。また、冷却及び乾燥は同じ工程で行っても良い。また、缶容器200の殺菌処理としては、レトルト処理ではなく、内容物を70℃~95℃程度の高温で熱間充填し、缶容器200を横倒しにすることで殺菌したり、缶容器200に70℃~95℃程度の熱水を掛けて殺菌したりしてもよい。このような殺菌処理によってキャップ100を加熱することでも変形部112dを形成することができる。
このように構成されたキャップ100及び容器1によれば、天板部121の平板部121bに、内面から突出する凹部121aを設けた。即ち、天板部121の凹部121aは、キャップ100の被冠時において缶容器200側に突出する。そして、凹部121aは、所定の高さに形成される。よって、凹部121aは、被冠したキャップ100を回転させて容器1を開封するときに、キャップ本体111が回転すると、キャップ本体111の回転前の位置から位置がずれる。よって、位置ずれした凹部121aが密封部材112の変形部112dに周方向で隣接する平板部112a以外を押圧することから、凹部121aは密封部材112を口部210に向かって押圧する。
具体的に説明すると、凹部121aは、図2、図4及び図6に示すように、キャップ本体111の周方向で一部に平板部121bが存する。また、変形部112dは、凹部121aと同形状に構成されることから、図6に示すように、キャップ本体111の周方向で一部に平板部112aが存する。また、図3に示すように、密封部材112はキャップ本体111に非接触であることから、密封部材112は缶容器200に被冠されたキャップ本体111が回転しても回転せず、天板部121の凹部121a及び密封部材112の変形部112dが相対的に回転し、図6に示すように、凹部121aが変形部112dに対して位置ずれする。なお、図6においては、キャップ本体111が密封部材112に対して36°回転した状態を示している。
図6に示すように、凹部121aが変形部112dに対して位置ずれすると、天板部121の凹部121aは、変形部112dの周方向に位置する密封部材112の平板部112aと対向し、当該平板部112aを口部210に向かって押圧する。よって、キャップ本体111が回転して口部210から離間しても、所定の角度範囲でキャップ本体111が回転する間、口部210に向かって凹部121aが密封部材112を押圧することから、密封部材112により口部210が密封された状態が維持される。
また、キャップ100は、キャップ本体111を回転し、缶容器200を開栓するときに、凹部121aを設けない構成に比べて、密封性を長く維持することができることから、缶容器200の口部210に対する密封性を確保することができる。例えば、図6に示す星形の凹部121a及び変形部112dとした場合には、キャップ本体111が密封部材112に対して72°回転するか、又は、キャップ本体111の軸方向の移動量が凹部121aの高さを超えるまで、凹部121aが密封部材112を押圧し、密封性が確保できる。
このため、容器1は、キャップ本体111の回転角度に対する密封性である所謂タンパーエビデンス(TE)性を向上させることができる。
また、キャップ本体111は、天板部121に凹部121aを成形する簡単な構成でよく、また、密封部材112に変形部112dを設ける場合には、被冠した後の処理によって密封部材112に変形部112dが形成される構成とすればよい。このため、凹部121aによって密封性を確保したとしても、キャップ100の製造方法が増加することを抑制できる。
上述したように、本発明の一実施形態に係るキャップ100及びキャップ100を備える容器1によれば、製造コストを増加させることなく、密封性を確保できる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されない。例えば、上述した例では、密封部材112は、摺動層141及び密封層142の二層を有する構成を説明したがこれに限定されず、単層であってもよく、また、三層以上を有する構成であってもよい。また、密封部材112の形状も適宜設定できる。さらに、密封部材112の変形部112dがレトルト処理によって形成される例を説明したがこれに限定されず、容器1の内圧によって成形されてもよく、また、ホット飲料として、店頭における加熱によって形成されてもよい。
また、上述した例では、密封部材112に変形部112dが形成される例を説明したがこれに限定されず、平板部112aに変形部112dを有さない構成であってもよい。換言すると、キャップ100が口部210に巻締固着された状態で、凹部121aにより密封部材112が弾性的に変形するように押圧されていてもよい。このような構成であっても、凹部121aが密封部材112の平板部112aを押圧している間は、密封部材112が口部210を密封することから同様の効果を得られる。
また、凹部121a以外に点字等の凸部を有する構成としてもよく、また、凹部121aや凸部に情報性、識別性及び意匠性等を持たせてもよい。
即ち、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明と同等の記載を付記する。
[1] 平板状に形成された平板部及び前記平板部の一部に設けられ、内面から突出する凹部を含む天板部、並びに、前記天板部の周縁部に一体に設けられた筒状のスカート部を有し、前記天板部の中心軸回りで前記凹部の周方向に前記平板部の一部が存するキャップ本体と、
前記キャップ本体と別体に、前記天板部と対向して前記キャップ本体内に設けられた密封部材と、
を備えるキャップ。
[2] 前記密封部材は、前記凹部に対応する形状に形成され、前記天板部と対向する主面側から窪む変形部を有する、[1]に記載のキャップ。
[3] 前記凹部は、前記天板部の中心又は前記中心を前記天板部の主面方向に通る中心線に対して非対称形状である、[2]に記載のキャップ。
[4] 前記凹部の前記天板部の内面から突出する高さが0.05mm乃至2.0mmの範囲に設定される、[1]に記載のキャップ。
[5] [1]乃至[4]のいずれか一項に記載のキャップと、
内容物が充填され、前記キャップにより密封される、内圧が陽圧となる缶容器と、
を備える容器。
1…容器、100…キャップ、111…キャップ本体、112…密封部材、112a…平板部、112b…曲面部、112c…厚肉部、112d…変形部、121…天板部、121a…凹部、121b…平板部、122…スカート部、123…コーナー部、131…ナール部、131a…ベントスリット、132…雌螺子部、133…タンパーエビデンスバンド部、133a…破断部、141…摺動層、141a…第1平板部、141b…第1曲面部、141c…突起部、141d…薄肉部、142…密封層、142a…第2平板部、142b…第2曲面部、142d…厚肉部、200…缶容器、210…口部、211…顎部、212…雄螺子部、213…カール部。

Claims (3)

  1. 平板状に形成された平板部及び前記平板部の一部に設けられ、内面から突出する凹部を含む天板部、並びに、前記天板部の周縁部に一体に設けられた筒状のスカート部を有し、前記天板部の中心軸回りで前記凹部の周方向に前記平板部の一部が存するキャップ本体と、
    前記キャップ本体と別体に、前記天板部と対向して前記キャップ本体内に設けられた、前記天板部と接触した状態で前記天板部を摺動できる密封部材と、
    を備え
    前記密封部材は、前記凹部に対応する形状に形成され、前記天板部と対向する主面側から窪む変形部を有し、
    前記凹部は、前記天板部の中心又は前記中心を前記天板部の主面方向に通る中心線に対して非対称形状であり、
    前記スカート部は、螺子部を有する、キャップ。
  2. 前記凹部の前記天板部の内面から突出する高さが0.05mm乃至2.0mmの範囲に設定される、請求項1に記載のキャップ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のキャップと、
    内容物が充填され、前記キャップにより密封される、内圧が陽圧となる缶容器と、
    を備える容器。
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