JP2011173610A - 中栓付きキャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】開栓時の中栓の反りを効果的に防止でき、高温充填の容器に適用しても開栓時の中栓残りがなく、且つ開栓トルクを増大させることなく開封性に優れ、密封性・酸素バリア性を確保できる中栓付きキャップを得る。
【解決手段】中栓2は硬質樹脂で成形されてなる中栓本体3と、その内面側に一体に形成された前記硬質樹脂よりも軟質の軟質樹脂からなるシール体4とからなり、中栓本体3の外周縁は下方に湾曲して開栓時の反り剛性を高めると共にシール体の外周縁下端部の半径方向外方への変形を阻止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、中栓付きのキャップ、特にキャップ本体のスカート壁に形成された係合突起と天壁間に中栓が変位可能に設けられている中栓付きキャップに関する。
従来、キャップの密封性(シール性)を高めるために、一般にキャップ本体の内面に中栓(ライナー、パッキン等種々呼称されているが、以下本明細書ではこれらをまとめて中栓と称する。)を配置している。中栓は、その目的からして密封性そして望ましくは酸素バリア性の機能を発揮するものでなければならないが、それと共に易開栓性、易成形性、容器への易装着性及び製造設備や製造の低コスト化が求められる。易開栓性に関しては、ネジキャップの場合ネジを強く締め付け、中栓が容器の口部端部に密着することによって密封性が図られるが、その分中栓と容器口部の摩擦抵抗が強くなり、開栓が困難になる。特に、開栓に際して中栓とキャップ本体が一体となって回転して、タンパーエビデントバンド(以下、TEバンドという)のブリッジの破断と中栓と容器口部の密着性の解除(密封破壊)が同時に行われると、開栓トルクが高くなり、開栓が困難となる。それを解消するために、従来中栓をキャップ本体に対して回転可能とし、かつスカート壁内側に形成された係合突起と天面壁間に軸方向に変位可能に中栓を配置して、TEバンドのブリッジの破断と密封破壊を時間的にずらすようにすることによって、開栓トルクの低減を図っている。
従来、密封性と酸素バリア性の要求を満たす中栓の代表的な構造として、(1)金属製薄板部材と合成樹脂層を組み合わせたもの(例えば、特許文献1)、(2)硬質合成樹脂シート層と軟質合成樹脂シート層との組み合わせからなるもの(例えば、特許文献2、3)が提案されているが、易開栓性、易成形性、容器への易装着性及び製造設備や製造の低コスト化の面で一長一短がありこれらの要求を十分満足するに至っていない。
上記(1)の場合は、金属製薄板部材で酸素バリア性を図り、合成樹脂層を軟質樹脂で形成することによって密封性を図るものであり、金属製薄板部材を採用することによって高度の酸素バリア性を図ることができるという利点がある。しかしながら、金属製キャップをボトル口に装着するには、前記特許文献1の図5に記載されているように、絞り工具によって、キャップ本体の天面壁周縁部及びスカート壁の上端部と共に中栓の外周部を没入変形させてから巻締する必要があるため、中栓が金属製薄板を備えている場合は、没入変形部では金属シェルと薄板部材の2枚の金属板を没入変形させねばならない。そのため、変形抵抗が大きくなりそれに対応してキャップ装着時に付加する軸荷重を大きくしなければならず、容器本体の座屈強度を得るには容器本体の板厚を厚くしなければならず、容器本体の薄肉化には不利である。また、平板から円盤状の金属製薄板部材を打ち抜き形成するので、製造工程が複雑となると共に、打ち抜き後にスケルトンが生じ、材料効率が悪いという欠点もある。さらに金属板の打ち抜き成形の場合、周縁屈曲部等の形状が樹脂成形の場合と比べて安定性に欠けるため、密封性を確保するために貼着される軟質樹脂に対する加圧力がキャップ全周に亘って均一に得難いという不利もある。
一方、(2)の場合は、硬質樹脂シート層と軟質樹脂シート層の組合わせのため、(1)の場合と比べてキャップ装着時の没入変形に対する抵抗は少なく装着が容易であるが、その分開栓時の反対方向への変形抵抗が弱くなり、開栓時にキャップ本体のスカート壁内周面に形成した係合突起が中栓の外周縁部と係合して中栓を容器口から剥がして持ち上げようとしても中栓の外周部が上方に反ってしまい、剥がすことができず中栓が容器口部と密着した状態で残る、いわゆる「中栓残り」現象が生じることがある。特に、容器への充填密封が高温充填(ホットパック)で行われたものである場合、冷却後は容器内が負圧になるため、中栓が容器口に吸引されて密着力が強くなり、中栓残り傾向が強くなる。従って、従来の合成樹脂層のみで形成されている中栓は、特に高温充填用のキャップには不利であり、高温充填温度の制限を受けるという問題点がある。また、従来提案されている前記特許文献2、3のものは、中栓を形成する硬質層及び軟質層をそれぞれブランクから打ち抜き形成されているので、金属板の場合と同様にスケルトンが発生し、その分材料効率が悪いという問題点がある。
また、従来の上記(1)及び(2)のキャップに共通する問題点として、金属板あるいは硬質層の内側に配置されている軟質樹脂層の外周縁が、キャップを容器に巻締密封した状態で弾性変形により、属板あるいは硬質層の外周縁よりも外側にはみ出してキャップ本体のスカート壁内周面に圧接してしまい、それが開栓時の抵抗となり、開栓トルクを増大させてしまうという問題点がある。
特開2003−321040号公報 特開2008−174249号公報 特開2009−208795号公報
そこで、本発明は、従来の中栓付きキャップの上述した問題点を解消しようとするものであり、中栓に金属板を使用することなく合成樹脂製の中栓であっても開栓時の中栓の反りを効果的に防止でき、高温充填の容器に適用しても開栓時の中栓残りがなく、且つ開栓トルクを増大させることなく、密封性・酸素バリア性を確保でき、しかも原材料の無駄がなく効率よく製造できる中栓を備えた中栓付きキャップを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の中栓付きキャップは、天面壁と該天面壁から垂下するスカート壁を有し、該スカート壁の下端に弱化部を介してタンパーエビデントバンドを有するキャップ本体と、該キャップ本体に装着される中栓とからなる中栓付きキャップにおいて、前記中栓は硬質樹脂で成形されてなる中栓本体と、該中栓本体の内面側に一体に形成された前記硬質樹脂よりも軟質の軟質樹脂からなるシール体とからなり、前記中栓本体の外周縁は下方に湾曲して開栓時の反り剛性を高めてなることを特徴とするものである。
中栓本体を硬質樹脂で形成することによって酸素バリア性を確保でき、且つシール体を軟質樹脂で形成することにより、容器口に密着して密封性を確保でき、そして中栓本体の外周縁を下方に湾曲させることによって、開栓時の反り剛性が高まり、高温充填の容器であっても、中栓外周部がキャップ内周面に形成した係合突起との係合を維持した状態で開栓でき、中栓残り現象を解消することができる。
前記中栓付きキャップにおいて、前記中栓本体は、射出成形又は圧縮成形あるいは圧空成形により成形され、頂壁と該頂壁から円弧状に湾曲し垂下する側壁を有し、前記シール体の外周縁は前記中栓本体の前記側壁の内側に位置して中栓本体の側壁で覆われ、該シール体の外周縁下端部の半径方向外方への変形を前記中栓本体の前記側壁で拘束して構成することが望ましい。
中栓本体の側壁でシール体の外周縁下端部の半径方向外方への変形を拘束することによって、シール体がキャップ本体のスカート壁内周面と接触することを防止でき、それによる開栓トルクの増大がなく開栓が容易となる。
本発明の中栓付きキャップは、金属製キャップ又は合成樹脂キャップ何れにも適用できるが、金属製キャップの場合、請求項1又は2の構成において、キャップ本体は金属シェルからなり、スカート壁の上端部近傍には半径方向内側に突出した内側突出部が周方向に複数個形成され、前記中栓は前記内側突出部と前記天面壁との間に位置し、開栓時に前記中栓の外周縁が前記内側突出部に係合することによりキャップ本体と一体に上昇するようにする。
本発明の中栓付きキャップによれば、中栓が硬質樹脂の中栓本体と軟質樹脂のシール体の組み合わせで構成されているので容器への装着が容易であり、且つ中栓本体の外周縁を下方に湾曲させて構成しているので開栓時の反り剛性が高まり、高温充填の容器であっても、中栓外周部がキャップ内周面に形成した係合突起との係合を維持した状態で開栓でき、中栓残り現象を解消することができ、高温充填の温度を従来よりも高くすることを可能とする。さらに、中栓本体をシートからの打ち抜きでなく、射出成形等によって単独に成形することによって、スケルトン等が生じることなく、原材料を効率的に利用することができると共に、個々のシール体の形状安定性にも優れ、均一の酸素バリア性・密封性を得ることができる。さらに、シール体層の外周縁を中栓本体で覆うことによって、シール体がキャップ本体のスカート壁内周面と接触することを防止でき、開栓が容易となる。
本発明の中栓付きキャップの実施形態の中栓の断面図である。 図1における中栓本体の断面図である。 本発明の中栓付きキャップの実施形態の要部断面正面図である。 図3に示す本実施形態の中栓付きキャップを金属容器に装着して密封した状態の容器口頸部の断面図である。 図4の状態から開栓してブリッジが破断して係合突起が中栓に係合を開始した状態での断面図である。 図5の状態からさらに開栓が進んで開栓終了直前の状態での断面図である。
以下、本発明に係る中栓付きキャップの実施形態を図面を基に詳細に説明する。
本実施形態では、キャップ本体が金属シェルからなり、金属製容器(ボトル)に適用するキャップについて説明するが、本発明はそれに限らず、中栓がキャップ本体のスカート壁の係合突起と天壁間に変位可能に配置されているキャップであれば、合成樹脂製キャップにも適用可能である。
図1は、本発明の実施形態に係る中栓付きキャップ1の中栓を示し、図3は該中栓をキャップ本体に装着した状態を示している。本実施形態に係る中栓2は、硬質樹脂で成形された中栓本体3(図2)と軟質樹脂で成形されたシール体4とからなる。中栓本体3は酸素バリア性と剛性を持たせるために、ポリプロピレン、ナイロン、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート等の硬質樹脂で形成されている。該中栓本体3は、それ自体単独で射出成形又は圧縮成形あるいは圧空成形により成形され、図2にその断面を示すように、円盤状に形成され、容器口開口部に面する中央パネル部5が外周部より窪んだ円形平面となり、その周縁部が段部8を介して傾斜状に立ち上がり、環状の容器の口頸部頂端を含む内外近傍に面する環状外周面6となっており、前記中央パネル部5、段部8及び環状外周面6とで頂壁を構成している。そして、環状外周面6の外周縁部が弧状に湾曲して下方に伸びて、側壁を構成する湾曲垂下壁7となっている。該湾曲垂下壁7は、後述するように、開栓時の反り剛性を高めると共に、その内方に配置される軟質のシール体4がキャップ巻締時に弾性変形により外方にはみ出してキャップ本体のスカート壁と接触することを防止する機能を果たす役目をする。
シール体4は、中栓本体より柔らかい材質の合成樹脂で成形され、中栓本体と別体に成形して中栓本体の内面に接着しても良く、中栓本体の片面に軟化溶融状態の樹脂を供給して型押し成形により、又は前記中栓本体を金型内に設置してインサート成形により形成してもよい。本実施形態ではインサート成形により形成した。シール体4の材質としては、前記中栓本体の材質よりも軟質の材料であり、閉栓時に容器口部の形状に沿って弾性変形して密接して密封性を高める材質であればよく、例えばスチレン系エストラマー等、ポリエチレン等が採用できる。
シール体4は、全体として円板形状であり、上面は中栓本体の内面形状と同様な形状を呈し、中央部が没入して実質上水平に延在する中央パネル部10となっており、該中央パネル部の外周から逆円錐台形状に立ち上がった傾斜面を介して周縁部12を形成している。周縁部12の上面は半径方向外方に向かって実質上水平に延び、次いで半径方向外方及び下方に向かって断面図において円弧状に延びて外側シールリング13を形成し、外側シールリング13の外周縁は中栓本体の湾曲垂下壁7内に位置して、その下端14は湾曲垂下壁7と略同一あるいはそれよりも短く形成され、湾曲垂下壁7で覆われ、半径方向外方への拡がりを規制されている。シール体4の周縁部12の下面には、そこから垂下する環状の内側シールリング15が形成され、且つ該シールリングの上端外側には容器口部の環状頂部(カール部)が嵌合密接する円弧面16が形成され、該円弧面16を介して前記外側シールリング13に繋がっている。なお、本実施形態では、シール体は円盤状に形成され、中央パネル部を有しているが、該シール体は容器の口頸部端部と密着することによって密封機能を発揮するものであるから、口頸部端部と密着する周縁部12を有しておれば良く、必ずしも中央パネル部は必要でなく、環状の周縁部12のみで形成してもよい。
本実施形態の中栓は、以上のように形成され、その外径は、後述するシェルのスカート壁内面に形成された係合突起33に係合し、且つスカート壁内径よりも小さく形成され、シェル内に押し込むことによって係合突起を乗り越え、図3に示すように、係合突起33に係合保持させてシェル内に位置させることができるようになっている。
キャップ本体となるシェル20は、例えば、特開2006−327653号公報に記載されているような従来公知の形状・構造のものが採用でき、円形の天面壁21とこの天面壁21の周縁から垂下する全体として円筒形であるスカート壁22とを有する。天面壁21は、中央部が没入平坦円形を呈し、その周縁部は立ち上がった傾斜面を介して平坦な肩領域24となって、さらにその外周が円弧形状である境界部23を介してスカート壁22の上端部に接続されている。シェル20の上記肩領域24には内方に突出した環状突条25が形成されている。該環状突条25は、耐衝撃性を向上させるために設けられるもので、それにより容器が落下してシェルの肩部に強い落下衝撃が加わった場合、密封性が毀損されることを回避又は抑制することができる。該環状突条25の横断面形状は円弧形状にすることによってシール体との摩擦が少なく開栓性を阻害することがなく好適である。
シェル20のスカート壁22の下部には弱化線29を介してTEバンド30が設けられている。スカート壁22の上方部には周方向に間隔をおいて複数個の通気孔31が配設され、該通気孔31の各々は、周方向に間隔をおいて実質上水平に延びる横スリット32を形成すると共に、該横スリット32の下方部を半径方向内方に変位させてその上端で中蓋を係合支持する係合突起33を形成している。該係合突起33の上端と天面壁21との間隔は、中蓋1の高さよりも広い間隔で、且つ開栓時に弱化線29が破断した後に係合突起が中栓2の周縁部に係合するように設定されている。
中栓2は、以上のように形成されたシェル20内に挿入され、中栓本体の湾曲垂下壁7の外周縁部が弾性的に変形せしめられることによって、図3に示すように、シェル20における係合突起33を通過してその上方に位置せしめられて中栓付きキャップ1が得られ、充填密封工場に供される。
以上のような構造からなる本実施形態の中栓付きキャップ1は、図4に示すように金属薄板からなる周知構造の容器40の口頸部41に装着して口頸部を密封する。キャップの口頸部への装着は、中栓付きキャップ1を口頸部に被せて相対的に押圧することによって、中栓2が口頸部のカール部42によって相対的に押し上げられてキャップ本体の天面壁21に達し、シール体の内側シールリング15が口頸部41内に進入して、口頸部41を仮密封すると共に、シェル20の天面壁21の周縁部に形成されている環状突条25が中栓本体3の環状外周面6の上面に当接せしめられる。次いで、図示しない押圧工具をシェル20の肩領域24、及びスカート壁22の上端部に作用させ、肩領域24を下方及び半径方向内方に没入変形させる。それにより、中栓2のシール体4の周縁部12の下面が口頸部41のカール42の外周面上部に密接せしめられて口頸部41が密封される。シェル20の天面壁21の周縁部に形成されている環状突条25は、中栓本体3の環状外周面6に押し付けられ、中栓本体を介してシール体に食い込む。更に、シェル20のスカート壁22にネジ形成工具を作用させて、口頸部41の雄ネジ58に沿って雌ネジ34を形成する。また、スカート壁22のTEバンド30の下部に係止工具を作用せしめて、TEバンド30の下部を半径方向内方に強制して口頸部41の係止あご部に係止せしめる。
以上のように容器口頸部に装着された中栓付きキャップ1は、密封状態において、図4に示すように、中栓2のシール体4の外側シールリング13の外周面は、硬質樹脂で形成されている中栓本体3の湾曲垂下壁7内に位置しているので、半径方向外方への変形を規制され、軟質のシール体13の外周面がキャップ本体のスカート壁内周面に直接接触することが防止される。それにより、開栓時には、図5に示すように、キャップ本体のスカート壁下端とタンパーエビデントバント30の連結部である弱化線のブリッジが破断して係止突起33が中栓2に作用するまでは、キャップ本体の回転力が中栓に作用することなく、キャップ本体のみがネジ作用により上昇し、ブリッジを破断する。その後、さらにキャップ本体を開栓方向に回すことによって、係合突起33が中栓に下方から作用して、図6に示すように中栓2を押し上げ中栓と容器口頸部41との密着を解き、以後中栓と蓋体が一体となって上昇して開栓がなされる。
従って、本実施形態によれば開栓初期において、キャップ本体の回転トルクを中栓に伝えることがなく、開栓トルクを軽減させることができる。また、硬質樹脂で形成されている中栓本体の外周縁部が湾曲垂下壁7に形成されているので、開栓時の中栓外周部の上方への反りに対して強い剛性を示し、キャップ本体のスカート壁に形成された係合突起33との係合が外れて、キャップ本体のみが取れ、中栓2が容器口頸部に残るという、中栓残りが生じることを確実に防ぐことができる。従って、本発明によれば、ホットパック充填で内部が負圧になり、中栓が容器口部に強く密着していても容易に開栓することができる。換言すれば、本発明のキャップを採用することによって、容器内圧をより高い負圧にすることが可能であり、容器の適用範囲を広げることができる。
図1〜3に示す実施形態に係る中栓付きキャップ1を、キャップ本体はアルミニウム合金薄板からなるシェル20で形成し、中栓2は中栓本体3をポリプロピレン樹脂で、シール体4をスチレン系エストラマーで形成して得た。該中栓付きキャップを東洋製罐株式会社製金属缶(呼び径38mm、容量215.5ml)の容器に適用して、開栓性、中栓残りを調べた。
[実施例1]
上記容器に75℃の熱水を190g充填した。次いで、上記キャップを容器の口頸部に装着して密封した。得られた充填済み密封容器を125℃で30分間レトルト処理し、次いで徐冷した。その後、常温下で24時間保管し、減圧値が40KPaになったのを確認後、10本について通常開栓を行い、中栓残りがないか否か確認した。その結果、中栓残りは1本もなく、0/10であった。また、開栓時の開栓トルクは、100N・cmであり、容易に開栓することができた。
[比較例1]
比較例として、特開2006−327653号公報に示す構造の市販のキャップを採用して、キャップが相違する以外は実施例1と全く同条件で充填・密封及びレトルト処理をして、同様に中栓残りの有無及び開栓トルクを調べた。その結果、比較例1においても、中栓残りは1本もなく、良好に開栓することができた。
[実施例2]
キャップ及び容器は実施例1と同様で、実施例1よりも負圧度が高くなる過酷な条件で充填・密封した場合の中栓残りを調べた。
充填・密封は95℃の熱湯を充填し、現在実施されているホットパックよりもさらに高温で充填・密封した。その場合の冷却後の減圧度が60KPaになるのを確認して、実施例1と同様に開栓して開栓トルク、中栓残り調べた。
[比較例2]
比較例1と同様なキャップを採用して、実施例2と同様な条件で充填・密封して同じ減圧度60KPaを得て、その場合の開栓トルク及び中栓残りの有無を調べた。
その結果、実施例2は開栓トルクが120N・cmであったのに対して、比較例2では130N・cmであった。また、中栓残りについては、実施例2では中栓残りは1件もなく、0/10であったのに対し、比較例2では中栓残りが8個あり、8/10であった。
以上の実施例及び比較例の結果からして、本発明のキャップによれば、容器の負圧度が高くても、開栓時に中栓本体が反り返ることがなく、確実に中栓を容器の口頸部から剥がすことができることが確認された。そのことは、従来のホットパックよりもさらに高温充填を可能にし、容器の新たな適用を可能にする蓋体が得られることを意味する。
本発明の中栓付きキャップは、金属製キャップ、合成樹脂製キャップの何れにも適用でき、酸素バリア性及び密封性に優れ、特に容器内圧が負圧になって中栓が容器の口頸部に吸引密着してしまう高温充填・密封容器における中栓残りを解消することができると共に、開栓トルクの減少にも効果があり、さらに中栓製造時の原材料の使用効率を高めることができるので、産業上の利用可能性が高い。
1 中栓付きキャップ 2 中栓
3 中栓本体 4 シール体
5 中央パネル部 6 環状外周面
7 湾曲垂下壁 8 段部
10 中央パネル部 12 周縁部
13 外側シールリング 14 下端
15 内側シールリング 16 円弧面
20 シェル(キャップ本体) 21 天面壁
22 スカート壁 23 境界部
24 肩領域 25 環状突条
29 弱化線 30 TEバンド
31 通気孔 32 横スリット
33 係合突起 34 雌ネジ
40 容器 41 口頸部
42 カール部

Claims (3)

  1. 天面壁と該天面壁から垂下するスカート壁を有し、該スカート壁の下端に弱化部を介してタンパーエビデントバンドを有するキャップ本体と、該キャップ本体に装着される中栓とからなる中栓付きキャップにおいて、前記中栓は硬質樹脂で成形されてなる中栓本体と、該中栓本体の内面側に一体に形成された前記硬質樹脂よりも軟質の軟質樹脂からなるシール体とからなり、前記中栓本体の外周縁は下方に湾曲して開栓時の反り剛性を高めてなることを特徴とする中栓付きキャップ。
  2. 前記中栓本体は、射出成形又は圧縮成形あるいは圧空成形により成形され、頂壁と該頂壁から円弧状に湾曲し垂下する側壁を有し、前記シール体の外周縁は前記中栓本体の前記側壁の内側に位置して前記中栓本体の側壁で覆われ、前記シール体の外周縁下端部の半径方向外方への変形を前記中栓本体の前記側壁で拘束していることを特徴とする請求項1に記載の中栓付きキャップ。
  3. 前記キャップ本体が金属シェルからなり、前記スカート壁の上端部近傍には半径方向内側に突出した係合突起が周方向に複数個形成され、前記中栓は前記係合突起と前記天面壁との間に位置し、開栓時に前記中栓の外周縁が前記係合突起に係合することによりキャップ本体と一体に上昇することを特徴とする請求項1又は2に記載の中栓付きキャップ。
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