JP2022000386A - 金属製容器蓋 - Google Patents

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浩二 細野
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Yuki Ishii
英典 近藤
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Abstract

【課題】リシール時の密封性を確実に確保することが可能な金属製容器蓋を提供すること。【解決手段】円形天面壁7及び該天面壁7の周縁から降下し且つ螺子形成予定部15を有する円筒形スカート壁9を備えた金属製シェル3と、円形天面壁7の内面に固定されている合成樹脂製ライナー5を有する金属製容器蓋において、合成樹脂製ライナー5は、環状シール部5cと、環状シール部5cの外側に位置し且つ環状シール部5cよりも薄肉となっている薄肉周状端縁部5dとを有しており、環状シール部5cと薄肉周状端縁部5dとの間には、両者の厚み差にしたがって形成された傾斜段差部5eが存在しており、金属製シェル3が容器口部に巻き締められて螺子が形成される前の段階において、環状シール部5cの外径d1は、容器口部の外径Dよりも大きく設定されていることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、合成樹脂製ライナーを備えた金属製容器蓋に関する。
金属製の容器蓋は、プラスチック製の容器蓋に比して、形状等が制限されるものの、耐熱性に優れ且つ強度も高いことから、ガラス瓶、金属容器のみならず、プラスチック容器などの蓋として広く使用されている。
このような金属製容器蓋は、円形天面壁及び該天面壁の周縁から降下した円筒形スカート壁を備えた金属製シェルを用いて成形される。即ち、この金属製シェルの内部には合成樹脂製のライナーが配設あされており、この金属製シェルを容器の口部に被せ、所定の治具を用いて巻締めることにより、円形天面壁の外周部が絞られ、円形天面壁の内面に配設されているライナーが容器の口部に密接されるとともに金属製シェルの円筒形スカート壁に螺条を形成し、容器蓋としての使用が可能となる。即ち、巻締めにより容器の口部に形成されている螺条が金属製シェルの円筒形スカート壁に転写されるわけである。
ところで、かかる金属製の容器蓋では、剛性が高いため、容器の口部に密着せず、良好な密封性を確保することができない。この問題を回避するために、例えば特許文献1に示されているように、円形天面壁の内面には、柔軟性に富んだ合成樹脂製のライナーが設けられている。容器の口部に装着されたとき、この合成樹脂製ライナーが、容器口部の上端面に密着することにより、良好な密封性が確保されるというものである。
合成樹脂製ライナーが設けられている構造は、金属製容器蓋に密封性が要求される場合の基本的構造であるが、このような構造では、リシール性に問題がある。即ち、一般の消費者が、金属製容器蓋を、一旦、容器口部から取り外した後、再度、容器口部に装着したとき、密封性が不満足となり、容器内容物の漏れ等を生じてしまうことがある。即ち、リシールに際して、容器蓋を容器口部に被せて閉栓方向に回転していくとき、ライナーが容器口部に接触した段階から継続して閉栓トルクがかかるため、一般の消費者は、途中で完全にしまったと認識して閉栓動作を停止してしまう場合が多いためである。
このような問題が解決された金属製容器蓋として、特許文献2には、ライナーの外周縁に、厚さが薄くなった逃げ部が設けられている構造のキャップが提案されている。
この構造のキャップ(金属製容器蓋)では、リシールに際して、キャップを閉栓方向に回転していくとき、ライナーが容器の口部に接触しながらキャップの内部に容器の口部が侵入していくが、ライナーの外周縁に形成されている薄肉の逃げ部がガイドとなり、キャップが偏心せずに同心円状に回転していくため、閉栓時に一時的にトルクが大きくなることがなく、消費者が閉栓したと誤って認識するという不都合が防止されるというものである。
しかしながら、上記のような薄肉の逃げ部をライナーの外周縁に形成するという手段では、リシール時の内容物の漏れ等を確実に防止するには至っておらず、特に内容物充填後の熱殺菌処理がない炭酸飲料など、合成樹脂製ライナーの熱による応力緩和が加わらないものにおいて、より確実に密封を確保することが求められている。
特開2007−45452号公報 特開2006−248533号公報
従って、本発明の課題は、リシール時の密封性を確実に確保することが可能な金属製容器蓋を提供することにある。
本発明者は、金属製容器蓋のリシールに際しての密封性について多くの実験を行い、検討した結果、ライナーの外周縁に薄肉部を設けたのみでは密封性を確実に防止することはできないが、薄肉部の内周側に傾斜段差部を設け、この傾斜段差部の内側に容器口部と密着する環状シール部が配置された構造とすることにより、リシール時の密封性を確実に防止できるという知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明によれば、円形天面壁及び該天面壁の周縁から降下している円筒形スカート壁からなる金属製シェルと、該円形天面壁の内面に配設されている合成樹脂製ライナーとを有する金属製容器蓋において、
前記合成樹脂製ライナーは、環状シール部と、該環状シール部の外側に位置し且つ該環状シール部よりも薄肉となっている薄肉周状端縁部とを有しており、該環状シール部と薄肉周状端縁部との間には、両者の厚み差にしたがって形成された傾斜段差部が存在しており、
前記金属製シェルが容器口部に巻き締められて螺子が形成される前の段階において、前記環状シール部の外径は、容器口部の外径Dよりも大きく設定されていることを特徴とする金属製容器蓋が提供される。
本発明の金属製容器蓋においては、以下の態様が好適に採用される。
(1)前記金属製シェルが容器口部に巻き締められて螺子が形成される前の段階において、前記ライナーの薄肉周状端縁部の外周端は、前記円形天面壁の内面のフラットな領域に位置していること。
(2)前記金属製シェルを容器口部に巻き締めることにより、前記円筒形スカート壁には、容器口部の外面に形成されている螺子と係合する螺子が形成され、容器口部に該金属製シェルが巻き締められた状態で、前記環状シール部の外周端部は、容器口部の外周壁に密着していること。
(3)前記金属製シェルが容器口部に巻き締められている状態で、前記ライナーの薄肉周状端縁部及び傾斜段差部は、前記容器口部の外周壁から離れた状態にあること。
(4)前記金属製シェルが容器口部に巻き締められ且つ該容器口部の外周壁が前記ライナーの環状シール部に密着している状態において、該ライナーの傾斜段差部は、径方向外方に向かって下方に傾斜していること。
(5)リシールするに際して、容器口部に被せられた金属製容器蓋を閉栓方向に回転していくと、容器口部の上端面が前記ライナーの傾斜段差部に接触するが、前記ライナーの薄肉周状端縁部は、容器口部の外周壁からは離れた状態に保持されながらリシールされていくこと。
本発明の金属製容器蓋では、一旦、容器口部から取り外されたものを再び容器口部に被せてリシールする際、閉栓方向への旋回に伴い、容器口部が容器蓋内部に侵入してライナーと接触するようになるが、回転に際しての偏心に伴い、ライナーに形成されている傾斜段差部(薄肉周状端縁部と環状シール部との連結部)が容器口部の上端面に接触して、該ライナーに容器口部が押し込まれていく。即ち、ライナーの環状シール部の外径は、容器口部の外径Dよりも大きく設定されているため、完全にシールされた状態では、容器口部の外径Dを画定する外周壁に、環状シール部が密着するのであるが、リシールに際してこの容器蓋(金属製シェル)を回転させていくときには、どうしても若干の偏心を伴う。このため、リシール時の密封完了まで閉栓方向へ旋回した際に、容器口部の外周壁の上端は、ライナーの環状シール部の外側に位置する傾斜段差部に接触することとなる。この接触状態において、傾斜段差部は、径方向外方に向かって下方に傾斜しており、この結果、このライナーが容器口部から受ける圧縮応力が分散されることとなり、従って、大きな閉栓トルクの発生を抑制することができるのである。即ち、傾斜段差部に連なる薄肉周状端縁部は、容器口部とは離れており、閉栓方向への回転を同心円状とするガイドとしての機能は有していないが、容器口部との接触による応力上昇をもたらすことがなく、結果として、閉栓トルクを上昇させることはない。従って、本発明の金属製容器蓋では、リシールに際し、容器口部とライナーとの接触により大きな閉栓トルクが急激に加わるおそれはなく、容器口部とライナーとの接触後に引き続き、閉栓方向への旋回を続けても、大きな閉栓トルクは生ぜず、容器口部がしっかりと密封されるまで閉栓が行われることとなる。
このように、本発明では、一般の消費者がリシールを不十分な状態で終了させてしまうという不都合を有効に回避でき、リシール時の密封性を確実に確保することが可能となる。
本発明の金属製容器蓋の容器口部への巻締め前での半断面側面図。 図1の金属製容器蓋の容器口部への巻締め後での半断面側面図。 図1の状態の金属製容器蓋の要部を示す部分拡大断面を、ライナーに段差が形成されていない従来の容器蓋との比較で示す図。 図2の状態の金属製容器蓋の要部を示す部分拡大断面を、ライナーに段差が形成されていない従来の容器蓋との比較で示す図。 図2に示されている金属製容器蓋をリシールするときのプロセスを示す部分拡大断面図。
図1を参照して、全体として1で示す本発明の金属製容器蓋は、容器口部への巻締め前の状態にあり(以下、容器蓋殻体と呼ぶことがある)、金属製シェル3と合成樹脂製ライナー5とから構成されている。
金属製シェル3は、例えば厚さが0.20乃至0.26mm程度のアルミニウム系合金製であり、円形天面壁7とこの天面壁7の周縁から垂下する略円筒形状のスカート壁9とを有する。図1から明らかなように、円形天面壁7とスカート壁9との境界部には、湾曲した曲率部10が存在している。
スカート壁9の下端9aは、半径方向外方に膨出せしめられており、膨出しているこの下端部には、破断可能な複数のブリッジ11を介してタンパーエビデント(TE)裾部13が連なっている。
上記のスカート壁9の略中央部は、後述する巻き締めによって螺子が形成される螺子形成領域15となっており、この螺子形成領域15の上端には環状溝17が形成されている。この環状溝17は、螺子成形のための治具を導入するためのものである。
環状溝17の上方には周方向に凹部19aと凸部19bとが交互に存在する凹凸形状部(ナール)19が形成されており、凹部19aの上端(即ち、円形天面壁7に連なるコーナー部近傍)には、周方向に間隔をおいて周方向に延びるスリット21が多数形成されている。かかるスリット21は、開封時に容器内の圧力を開放すること、及び内容物充填時に口部に付着した内容物を洗浄するために設けられるものであり、通常、多数のスリット21の間の部分に凹凸形状部19の凸部19bが位置するようになっている。このような多数のスリット21は、一般に、全て、実質上同一の長さを有しており、2乃至5mm程度の周方向長さを有している。即ち、スリット21の部分から容器内のガス抜きが行われ、キャップ飛びなどの不都合が防止されるようになっている。
また、本実施形態ではライナー5は、上記の円形天面壁7の内面に溶融樹脂を滴下し、型押成形によって熱融着により固定されており、後述する容器口部の上端にライナー5が密着することにより密封が確保される。なお、ライナー5は円形天面壁の内面に固定されていなくてもよく、型押成形後に剥離されるものや、射出成形後に金属製シェル3内に挿入されるものでもよい。
このようなライナー5は、軟質ポリエチレンの如き適宜の合成樹脂から形成されるものであり、天面壁7の内面に合成樹脂溶融物を供給し、この溶融物を所要形状に型押成形することによって形成される。
なお、このライナーの形態については、後述する。
上述した構造の容器蓋殻体1は、これを側面に螺条が形成されている容器口部に被せ、円形天面壁7の周縁部を押圧具により上方から押圧してかしめることにより、ライナー5が容器口部の上端面にしっかりと抑えつけられ、この状態で、螺子形成用ローラをスカート壁9の螺子形成領域15の上端に形成されている環状溝17に導入し、次いでスカート壁9を容器口部に押し付けながら、螺子形成用ローラを、容器口部に設けられている螺条に沿って回転させていくことにより、スカート壁9に容器口部に形成されている螺条が転写される。また、スカート壁9の下端に連なっているTE裾部13は、裾部巻締めローラによって、容器口部に形成されている顎部の下側に圧接される。このような螺子形成プロセスは公知であり、例えば特許文献1(特開2007−45452号公報)の図4及び図5にも示されている。
上記のようにして、容器蓋殻体1のスカート壁9には、螺子が形成され、これと同時に、容器口部に装着されることとなる。
上記のような容器蓋殻体1を容器口部に被せての巻き締めにより螺子を形成した形態の金属製容器蓋は図2に示されている。即ち、金属製シェル3のスカート壁9に螺子が形成されている形態の金属製容器蓋が図2において30で示されている。
図2において、金属製容器蓋30(容器蓋殻体1)が装着される容器は、金属製容器であってもよいし、プラスチック製容器であってもよいが、ここでは、金属製容器の口部50が示されている。この金属製容器の口部50は、上端がカール部51となっており、カール部51に連なって、ストレートに下方に延びている外周壁52が形成されている。即ち、この外周壁52によって容器口部50の外径D(上端開口部の外径)が画定する。この外周壁52の下方には、螺子53が形成されており、その下側に顎部55が形成されている。
このような容器口部50に巻き締め前の容器蓋1(容器蓋殻体)を被せ、前述した手法により円形天面壁7の外周部が絞られ、円形天面壁7の内面に配設されているライナー5がカール部51に密接され、螺子形成予定部15に螺子15aを形成することにより、螺子15aを備えた金属製容器蓋30が得られるわけである。
このような金属製容器蓋30では、ライナー5が容器口部50の上端のカール部51に密着しており、これにより密封が確保される。
また、スカート壁9(図1における螺子形成領域15の部分)に形成されている螺子15aは、容器口部50に設けられている螺子53が転写されたものであり、従って、螺子53にしっかりと螺子係合しており、旋回により開け閉め可能となっている。
さらに、TE裾部13は、容器口部50の顎部55の下側にしっかりと圧接されており、これにより、この金属製容器蓋30が容器口部50からすっぽ抜けないように安定に保持されている。
上記のような金属製容器蓋30を開栓方向に回転させると、キャップ30は上昇するが、TE裾部13は、容器顎部55によって上昇が制限される。従って、金属製容器蓋30を閉栓方向に回転させていくと、容器蓋30のスカート壁9とTE裾部13と繋いでいるブリッジ11が破断することとなる。即ち、一般の消費者は、TE裾部13がキャップ30(スカート壁9)から切り離されていることから、この容器蓋30の開栓履歴を認識することができるのである。
上述した金属製容器蓋30の形成に使用される容器蓋殻体1において、本発明では、ライナー5を図3(a)に示すような形態とする点に特徴を有する。
まず、図3(a)を参照して、このライナー5は、例えば、倒立状態に保持された金属製シェル3の天面壁7の内面に溶融樹脂を滴下し、この溶融樹脂滴下物をパンチで押し広げていくことにより形成される。このため、中央部分は、円形の極薄肉部5aとなり、この極薄肉部5aの周囲には、環状突起5bが形成され、この環状突起5bの外側に容器口部の上端(カール部51)に密着する領域を含む環状シール部5cが形成される。環状突起5bは、基本的に密封に直接関与しない部分であるが、ライナー5を成形する上で存在していたほうがよい部分である。即ち、溶融樹脂を押し広げる際、一気に外側に押し広げようとすると、厚みムラなどを生じ易くなるため、一旦、多くの溶融樹脂が貯留されるような領域が形成されるようにパンチの降下位置を規制して環状突起5bを形成し、このような貯留部(環状突起5b)から周囲に溶融樹脂を押し広げてシール部5cを形成することにより、厚みの均一性を確保し、厚み調整などを確実に行うことができるからである。
図3(a)に示されているように、本発明においては、上記のようなライナー5の環状シール部5cの外側に、さらに薄肉周状端縁部5dが形成されており、この厚み差によって傾斜段差部5eが形成されている。即ち、傾斜段差部5eは、環状シール部5cと薄肉周状端縁部5dとの連結部となっている。傾斜段差部5eをライナー5の最外径部とすると、パンチによるライナー成形の際に溶融樹脂が均一に最外径部まで広がらず、厚みムラが生じる場合がある。そこでライナー5の最外径部をフラットな形状である薄肉周状端縁部5dとし、環状シール部5cとの間に傾斜段差部5eを形成することで、厚みムラを解消することができる。
従来の金属製容器蓋のライナー5には、図3(b)に示されているように、シール部5cの厚みは均一であり、ライナー5の端縁は薄肉となっておらず、従って、傾斜段差部5eは形成されていない。
上記のようなライナー5の形態において、本発明では、図3(a)に示されているように、容器蓋殻体1(金属製シェル3)に設けられているライナー5の環状シール部5cの外径dが、容器口部50の外径D(即ち、外周壁52によって画定される径)よりも大きい(d>D)。
図4(a)及び(b)には、容器口部50に巻き締められた状態の金属製容器蓋30の要部拡大側断面図が示されているので、図3(a),(b)と併せて参照されたい。なお、図4(a)は、ライナー5に薄肉周状端縁部5d及び傾斜段差部5eが設けられている本発明の容器蓋殻体1(金属製シェル3)を容器口部50に巻き締めて容器蓋30としたものであり、図4(b)は、薄肉周状端縁部5dも傾斜段差部5eも形成されていないライナー5を備えた従来の容器蓋殻体1(金属製シェル3)を容器口部50に巻き締めたものである。
容器口部50に容器蓋殻体1を被せ、円形天面壁7を絞り加工すると、ライナー5の薄肉周状端縁部5d及び環状シール部5cは、絞りにより下方に屈曲する。即ち、この絞りにしたがい、フラットな天面壁7とスカート壁9との間には、変曲点P,Qが形成されるが、環状シール部5cは、その外径dが容器口部50の外周壁52の外径Dよりも大きく設定されているため、カール部51と密着し且つ回り込んで外周壁52とも密着した状態となっている。この状態で、傾斜段差部5eは、径方向外方に向かって傾斜して下方を指向している。この傾斜段差部5eは、水平方向を指向していてもよいが、リシール性の観点からは、図示されているように、径方向外方に向かって下方を指向していることが好ましい。
従って、傾斜段差部5eに連なる薄肉周状端縁部5dは、容器口部50の外周壁52から離れて下方に延びている。
上記のようにライナー5が容器口部50のカール部51及び外周壁52に密着することにより密封が確保されることとなる。
ライナー5に薄肉周状端縁部5dや傾斜段差部5eが設けられていない従来の容器蓋殻体1では、厚肉の環状シール部5cがカール部51及び外周壁52に密着し、そのまま外方下方に延びているに過ぎない。
ところで、図4に示されている金属製容器蓋30は、これを開栓方向に回転することにより、TE裾部13が切り離されて容器口部50から取り外され、この状態で容器の内容物が排出される。内容物の排出後、全ての内容物が排出されていない場合には、通常、再びキャップ30を容器口部50に被せての閉栓方向への回転(即ち、リシール)が行われる。
本発明においては、このリシールに際して、上記のライナー5の傾斜段差部5eが、容器口部50の上端(カール部51)に最初に接触するように、傾斜段差部5eが位置設定されており、これにより、リシール時の密封不良を確実に防止することが可能となる。
即ち、リシールのプロセスを説明するための図5を参照して、リシールに際しては、容器口部50から取り外された容器蓋30を容器口部50に被せて閉栓方向に回転していくわけであるが、図5(a)に示されているように、初期の段階では、ライナー5は、上端のカール部51には接触していない。これを閉栓方向に回転していくことにより、容器蓋30は降下していく。このとき、容器蓋殻体1に螺子15aを形成して容器蓋30を形成するときの巻き締めでは、工具を用いて絞りながら閉栓方向へ回転していくため同心円状に回転するが、リシールでは、手で容器蓋30を掴んで回転させるだけであるから若干偏心して回転する。このため、図5(b)に示されているように、ライナー5の環状シール部5cから若干外れた部分A、即ち傾斜段差部5eが、最初にカール部51(容器口部50の上端)と接触することになる。
このように、段差5eが最初にカール部51に接触すると、この接触点Aでライナー5に加わる圧縮応力は分散される。傾斜段差部5eは、径方向外方に向かって下方に傾斜しており、従って、薄肉周状端縁部5dは、カール部51から離れて自由端となっているばかりか、この接触点Aよりも外方では、ライナー5は、厚みが漸次減少しており、この圧縮応力が分散されやすくなっているのである。
従って、リシールを行う一般消費者は、大きな抵抗を感じることなく閉栓方向への回転を続行し、図5(c)に示されているように、最終的には、容器口部50の上端のカール部51がライナー5の環状シール部5cに深く食い込み、良好な密封を確保することができる。
一方、図3(b)、図4(b)に示されているような傾斜段差部5eが形成されていないライナー5では、図5(b’)に示されているように、最初の接触点Aは、ライナー厚みが漸次減少していく部分ではないため、ライナー5にかかる応力が十分に分散されず、大きな抵抗が加わる。このため、一般消費者は、閉栓が不十分にもかかわらず、閉栓が完了したとして閉栓方向への回転を停止してしまい、密封不良を生じ、内容物の漏れを生じてしまうのである。
このように、本発明においては、リシールに際して、ライナー5と容器口部50の上端(カール部51)との最初の接触部Aが傾斜段差部5eとなるように設定されているため、リシールに際して閉栓完了位置まで閉栓操作を確実に行い、密封性を確保することができる。
図3及び図4に戻って、本発明の容器蓋(殻体)1では、ライナー5の外周端、即ち、薄肉周状端縁部5dの外周縁は、フラットな天面壁7の内面に位置していること、換言すると、この薄肉周状端縁部5dは、屈曲部10の内面までは延びていないこと(図3(a)参照)が望ましい。螺子15aを形成するための巻締め、即ち、固定具による円形天面壁7の上方からの押圧により屈曲部10はさらに絞られ、変曲点P,Qが形成されるため(図4(a)参照)、この巻締に際してのライナー5の端部の変形が大きくなり、リシールに際して、傾斜段差部5eが最初の接触部Aとなるように設定することが極めて難しくなるからである。
本発明において、傾斜段差部5eでの応力分散が効果的に生じる限りにおいて、ライナー5の環状シール部5cや薄肉周状端縁部5dの厚みは特に制限されるものではないが、傾斜段差部5eを確実に最初の接触部Aとするためには、両者の厚み差(段差5eの高さ)を0.15mm以上、0.35mm以下に設定することが好ましい。この厚み差が小さいと、リシールに際して、薄肉周状端縁部5dの表面に接触してしまい、段差5eが最初の接触部Aとならなくなってしまうからである。即ち、この場合、特許文献2のように薄肉周状端縁部5dがガイドとなり、閉栓方向への回転が同心円状となるけれども、応力分散効果はほとんどなくなってしまうからである。また、この厚み差が過度に大きいと、厚みムラが大きくなり、成形不良を生じやすくなってしまう。
さらに、傾斜段差部5eの傾斜角度は10〜50度であることが望ましい。傾斜角度が10度未満であると環状シール部5cと薄肉周状端縁部5dの厚み差を確保することができず、前述したとおり薄肉周状端縁部5dの表面に接触してしまう。傾斜角度が50度を超えるとキャップを容器口部へ巻き締めた後、傾斜段差部5eは内径に向かうにつれ厚くなる状態となるためリシール時には、最初にカール部51に当接しさらに閉栓操作を進めた際、傾斜段差部5eとシール部5cがなす角部がカール部51を乗り越えようとする力が加わるため、閉栓抵抗が大きくなり閉栓完了する前に閉栓操作を停止する虞がある。
<評価資材・方法>
呼び径38mmの金属製キャップと呼び径38mmの内容量300ml用の金属製容器を使用。
品温5度、ガスボリューム3.6volの内容液を金属製ボトルに300ml充填し、金属製キャップを被冠させ、図2の状態となるよう巻き締めた。
巻き締めた容器を30度で8分間シャワー処理を行った。
シャワー処理を行った後、5度の冷温室に1週間保管し、リシールトルク(閉栓完了するのに必要なトルク)の測定を5本評価し、平均値比較を行った。
合格基準:リシールトルクが30N・cm以下、かつ成形性に問題がないこと。
<実施例1>
カール部51の外径:φ33.5mm
シール部5cの外径:φ34.3mm
シール部5cの厚み:0.8mm
薄肉周状端縁部5dの厚み:0.6mm
傾斜段差部5eの角度:40度
リシールトルク:19N・cm
成形性に問題はない。
<実施例2>
カール部51の外径:φ33.5mm
シール部5cの外径:φ34.4mm
シール部5cの厚み:0.8mm
薄肉周状端縁部5dの厚み:0.6mm
傾斜段差部5eの角度:15度
リシールトルク:21N・cm
成形性に問題はない。
<実施例3>
カール部51の外径:φ33.5mm
シール部5cの外径:φ34.4mm
シール部5cの厚み:0.8mm
薄肉周状端縁部5dの厚み:0.5mm
傾斜段差部5eの角度:40度
リシールトルク:20N・cm
成形性に問題はない。
<比較例1(従来品、段差なし)>
カール部51の外径:φ33.5mm
シール部5cの外径:φ34.4mm
シール部5cの厚み:0.8mm
薄肉周状端縁部5dの厚み:0.8mm
傾斜段差部5e:なし
リシールトルク:31N・cm
成形性に問題はない。
<比較例2>
カール部51の外径:φ33.5mm
シール部5cの外径:φ34.4mm
シール部5cの厚み:0.8mm
薄肉周状端縁部5dの厚み:0.4mm
傾斜段差部5eの角度:40度
リシールトルク:20N・cm
成形性は、ライナーに厚みムラが発生し、評価は×。
このような本発明の金属製容器蓋は、リシール時の密封性が良好に維持されるため、内容物が一度に排出されず、複数回にわけて排出されるような容器、例えば内容量が200ml以上の中或いは高容量容器の口部に装着される蓋として好適に使用される。
1:金属製容器蓋前駆体
3:金属製シェル
5:合成樹脂製ライナー
5a:円形の極薄肉部
5b:環状突起
5c:環状シール部
5d:薄肉周状端縁部
5e:傾斜段差部
7:円形天面壁
P,Q:変曲点
9:スカート壁
10:屈曲部
11:ブリッジ
13:タンパーエビデント(TE)裾部
15:螺子形成予定部
15a:螺子
17:環状溝
30:金属製キャップ
50:容器口部
51:カール部(容器口部の上端)
52:外周壁
53:螺条
55:容器顎部
A:最初の接触部
B:空隙

Claims (6)

  1. 円形天面壁及び該天面壁の周縁から降下している円筒形スカート壁からなる金属製シェルと、該円形天面壁の内面に配設されている合成樹脂製ライナーとを有する金属製容器蓋において、
    前記合成樹脂製ライナーは、環状シール部と、該環状シール部の外側に位置し且つ該環状シール部よりも薄肉となっている薄肉周状端縁部とを有しており、該環状シール部と薄肉周状端縁部との間には、両者の厚み差にしたがって形成された傾斜段差部が存在しており、
    前記金属製シェルが容器口部に巻き締められて螺子が形成される前の段階において、前記環状シール部の外径は、容器口部の外径Dよりも大きく設定されていることを特徴とする金属製容器蓋。
  2. 前記金属製シェルが容器口部に巻き締められて螺子が形成される前の段階において、前記ライナーの薄肉周状端縁部の外周端は、前記円形天面壁の内面のフラットな領域に位置している請求項1に記載の金属製容器蓋。
  3. 前記金属製シェルを容器口部に巻き締めることにより、前記円筒形スカート壁には、容器口部の外面に形成されている螺子と係合する螺子が形成され、容器口部に該金属製シェルが巻き締められた状態で、前記環状シール部の外周端部は、容器口部の外周壁に密着している請求項1または2に記載の金属製容器蓋。
  4. 前記金属製シェルが容器口部に巻き締められている状態で、前記ライナーの薄肉周状端縁部及び傾斜段差部は、前記容器口部の外周壁から離れた状態にある請求項3に記載の金属製容器蓋。
  5. 前記金属製シェルが容器口部に巻き締められ且つ該容器口部の外周壁が前記ライナーの環状シール部に密着している状態において、該ライナーの傾斜段差部は、径方向外方に向かって下方に傾斜している請求項4に記載の金属製容器蓋。
  6. リシールするに際して、容器口部に被せられた金属製容器蓋を閉栓方向に回転していくと、容器口部の上端面が前記ライナーの傾斜段差部に接触するが、前記ライナーの薄肉周状端縁部は、容器口部の外周壁からは離れた状態に保持されながらリシールされていく請求項3〜5の何れかに記載の金属製容器蓋。
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