JP6163367B2 - 合成樹脂製キャップ、閉止装置、および飲料入り閉止装置 - Google Patents
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Description
このため、再栓後に容器内圧が高くなった際に、容器内のガスを外部に排出し、容器内圧を低くすることができる技術が要望されていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、容器内圧が過度に上昇するのを防ぐことができる合成樹脂製キャップ、閉止装置、および飲料入り閉止装置を提供することを目的とする。
前記複数の当接凸部は、前記外側突起の周方向に間隔をおいて形成されていることがこのましい。
前記当接凸部は、凸状円柱面をなすストレート部と、前記ストレート部の、前記外側突起の突出方向側に形成された、略球面をなす湾曲部と、を有することが好ましい。
前記ストレート部の中心軸方向は、前記外側突起の突出方向に行くに従って前記筒部の中心軸に近づく方向に傾斜していることが好ましい。
前記天板部と外側突起との連接部分の内面側に、前記口元部の開口端面の外周縁部に当接可能な厚肉壁部が形成されている構造を採用できる。
本発明は、飲料が充填された容器と、その口元部に装着される合成樹脂製キャップとを備えた飲料入り閉止装置であって、前記合成樹脂製キャップは、前述のものである飲料入り閉止装置を提供する。
このため、容器の内圧上昇による天板部の膨出変形の影響によって、口元部内面に対する内側シール突起の接触圧が低下すると、容器内のガスは、当接凸部が形成されていない部分の外側突起内面と口元部外面との隙間を通って外部に排出される。
よって、容器の内圧が過度に上昇するのを防ぐことができる。従って、キャップの開栓時に容器の内圧によりキャップが外れる、いわゆるキャップ飛びを防ぐことができる。
図6に示すように、この閉止装置は、容器20と、その口元部21に装着される合成樹脂製キャップ1(以下、単にキャップ1という)とを備えている。
以下の説明において、上下方向とは図6における上下方向であり、キャップ1および容器20の中心軸に沿う方向(軸方向)である。上方向は高さ方向ともいう。上下方向に垂直な面を水平面という。径方向とは、キャップ1および容器20の径方向である。
口元部21の外面21cには雄ネジ22と、係止段部23とが形成されている。係止段部23は径方向外方に突出する環状突起であり、雄ネジ22の下方に形成されている。
内面21aおよび外面21cは、容器20の軸方向に沿う面である。開口端面21bは容器20の軸方向に垂直な面である。
筒部3は、スコア6(弱化部)によって、主部8と、ブリッジ7によって主部8に連結されたタンパーエビデンスリング部(TEリング部)9とに区画されている。
主部8の内周面には、容器20の雄ネジ22に螺合するネジ部10が形成されている。ネジ部10は、1条または複数条の螺旋状に形成された突条である。
内側シール突起12の外面には、基端部12cから略下方に離れた位置に、容器内面21aに当接する環状の当接凸部12aが形成されている。
当接凸部12aの断面形状は、略円弧形、略楕円弧形などとすることができる。図示例では、当接凸部12aが形成された部分は、内側シール突起12の基端近傍の部分より厚く形成されている。
最大外径部12bの外径D1と口元部21の内径D2との差D3は、小さすぎれば前記押圧力が小さくなって密封性に影響が及ぶため0.1mm以上(好ましくは0.2mm以上)が好適である。
差D3は、大きくなりすぎると前記押圧力が大きくなって高温時に口元部21が変形しやすくなるため、0.5mm以下(好ましくは0.35mm以下)が好適である。差D3がこの範囲であれば、キャップ1を口元部21に装着する際に、内側シール突起12を口元部21に嵌入する際の抵抗を小さくでき、キャップ1の斜め被り(キャップ1が傾いた状態で巻締められる)や巻締め不足を防止できる。
高低差H1を前記範囲とすることで、十分なタンパーエビデンス性を確保し、かつ密封性能を高めることができる。
開口端シール突起13は、内側シール突起12の外周側に、内側シール突起12から離間して形成することができる。
外側突起14は、開口端シール突起13の外周側に、開口端シール突起13から離間して形成することができる。
図示例では、外側突起14の内面14aは、大部分がキャップ1の軸方向に沿って形成されており、前記軸方向にほぼ一定の内径を有する。
内面14aの内径(キャップ1を口元部21に装着していない状態での内径)は、口元部21の外径より大きくてもよいし、これより小さくてもよい。また、内面14aの内径は口元部21の外径にほぼ等しくてもよい。
外側突起14は、先端に向けて徐々に厚さを減じるように形成することができる。
図3に示すように、当接凸部15は、外側突起14の基端部14d内面から直線状に形成されたストレート部15aと、ストレート部15aの下縁部15cから外方に向けて略円弧状に湾曲して形成された湾曲部15bとを有する。
湾曲部15b外面は、略球面をなすことが好ましい。
当接凸部15の数は、4〜24が好ましく、5〜15がさらに好適である。これら複数の当接凸部15は、キャップ1の中心軸を中心とする軸回りの回転対称形になるように配置することが好ましい。図5の例では、当接凸部15は、周方向に約30度ごとに形成されている。
キャップ1を口元部21に巻締めていない状態において、最小内径部15dの内径は、口元部21の外径より小さいことが好ましい。これによって、当接凸部15は、外側突起14がわずかに外方に弾性的に曲げ変形した状態で、十分な押圧力で外面21cに当接する。
また、湾曲部15bは十分な強度を有するため、当接凸部15が押圧力により変形するのを防ぐことができる。このため、当接凸部15の変形によって外側突起14と外面21cとの隙間が小さくなるのを回避できる。
最小内径部15dは、キャップ1を口元部21に巻締めたときに、開口端面21bより低い位置(開口端面21bから容器本体側に離れた位置)で外面21cに当接することが好ましい。
突出寸法D7は、例えば1mm以下としてよい。突出寸法D7をこの範囲とすることによって、巻締めトルクの上昇を抑制できる。
最小内径部15dの高さ位置は、最小内径部15dと開口端シール突起13下端(突出端)との高低差H2が2mm以下(好ましくは1.5mm以下)となるように設定するのが好適である。
高低差H2が大きすぎれば、当接凸部15の内方押圧力が不十分となることがあるが、高低差H2をこの範囲とすることで、当接凸部15の内方押圧力を高め、口元部21の変形を阻止することができる。
高低差H2は、例えば0.5mm以上(好ましくは1.5mm以上)とすることができる。
図7に示すように、内溶液を充填した容器20の口元部21に、キャップ1を装着する際には、内側シール突起12を容器口元部21内に挿入する。
内側シール突起12は、最大外径部12bにおいて口元部21の内面21aを外方に押圧しつつ、内面21aに当接する。これによって容器20が密封される。
このため、内側シール突起12の押圧力によって口元部21が外方変形するのを防ぐことができる。
外側突起14の内面14aは、当接凸部15が形成されていない部分の少なくとも一部において外面21cから離間していればよい。例えば、内面14aのうち当接凸部15の近傍範囲のみが外面21cから離間し、他の部分は外面21cに接していてもよい。なお、当接凸部15が形成されていない部分の全域が外面21cから離れていてもよい。
図示例では、当接凸部15が形成されていない部分の内面14aのうち、当接凸部15の近傍範囲の領域14eは外面21cから離間し、他の領域の一部は外面21cに当接している。
係止突起11が係止段部23の下端に達した状態でキャップ1をさらに開栓方向に回すと、主部8は回転に従って上昇する一方、係止突起11が係止段部23に係止するためTEリング部9の上方移動は阻止される。
その結果、主部8とTEリング部9とを連結しているブリッジ7に引張力が作用し、ブリッジ7が破断し、TEリング部9が主部8から切り離される。
これによって、キャップ1が開栓されたことが明示される。
容器20の内圧により天板部2に上方への力が加えられ、膨出変形(いわゆるドーミング)によって天板部2の一部が傾斜すると、内側シール突起12の内方変位、および開口端シール突起13の上方変位が起こりやすくなる。
このため、容器20の内圧上昇による天板部2の膨出変形の影響によって、内面21aに対する内側シール突起12の接触圧が低下し、開口端面21bに対する開口端シール突起13の接触圧が低下すると、容器20内のガスは、内側シール突起12と内面21aとの隙間、開口端シール突起13と開口端面21bとの隙間を経て、隙間16を通って外部に排出される。
この際、天板部2の膨出変形の影響によって、外側突起14による内方押圧力が大きくなることがあるが、内面14aと外面21cとの間には隙間16があるため、外側突起14がガス排出の妨げとなることはない。
このため、容器20の内圧が過度に上昇するのを防ぐことができる。従って、キャップ1の開栓時に容器20の内圧によりキャップ1が外れる、いわゆるキャップ飛びを防ぐことができる。
図9および図10は、本発明の合成樹脂製キャップの第2実施形態を示すもので、ここに示すキャップ31は、図1等に示すキャップ1と同様に、外側突起24の内面24aに、口元部21の外面21cに当接する1または複数の当接凸部25が形成されている。
当接凸部25が複数ある場合には、これらは周方向に間隔をおいて形成することができる。
外側突起24の内面24aのうち、当接凸部25が形成されていない部分の少なくとも一部は、外面21cには当接せず、内面24aと外面21cとの間には隙間が形成される(図4(C)参照)。
厚肉壁部26は、天板部2の内面2aから外側突起24の内面24aにかけて形成された厚肉部分である。
厚肉壁部26の内面26aは、下方に行くほど拡径するように一定角度で傾斜する傾斜面であり、開口端面21bの外周縁部21dに当接可能に形成される。
この第1の閉栓では、巻締め力が大きいため、キャップ31は、内側シール突起12、開口端シール突起13だけでなく、厚肉壁部26においても口元部21に当接するため、密封性能を高めることができる。
よって、容器20の内圧が過度に上昇するのを防ぐことができる。従って、キャップ1の開栓時に容器20の内圧によりキャップ1が外れる、いわゆるキャップ飛びを防ぐことができる。
このように、キャップ31は、厚肉壁部26を有するため、第1の閉栓の際には高い密封性能が得られ、かつ第2の閉栓の際には良好なガス排出性能を示す。
例えば、外側突起は、当接凸部が十分な押圧力で口元部外面に当接することができれば、その形状は円筒形に限らない。例えば、外側突起は、円状に配列された複数の平面視円弧状の突起で構成してもよい。
当接凸部の形状は、十分な押圧力で口元部外面に当接することができれば、図示例に限定されない。例えば、半球形、直方体形、円錐台形などとしてよい。
2 天板部
2a 天板部の内面
3 筒部
12 内側シール突起
14 外側突起
14a 内面
15 当接凸部
16 隙間
20 容器
21 口元部
21a 内面
21c 外面
21d 外周縁部21d
26 厚肉壁部
Claims (6)
- 容器の口元部に装着される合成樹脂製キャップであって、
天板部とその周縁から垂下した筒部とを備え、
前記天板部の内面に、前記口元部内に嵌入される内側シール突起と、前記内側シール突起の外側の外側突起とが形成され、
前記内側シール突起は、前記口元部の内面に押圧状態で当接可能であり、
前記外側突起の内面に、前記口元部の外面に押圧状態で当接する1または複数の当接凸部が形成され、
この合成樹脂製キャップを前記口元部に装着した状態において、前記外側突起の内面のうち前記当接凸部が形成されていない部分の少なくとも一部は、前記口元部の外面から離間し、
前記当接凸部は、凸状円柱面をなすストレート部と、
前記ストレート部の、前記外側突起の突出方向側に形成された、略球面をなす湾曲部と、を有することを特徴とする合成樹脂製キャップ。 - 前記複数の当接凸部は、前記外側突起の周方向に間隔をおいて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製キャップ。
- 前記ストレート部の中心軸方向は、前記外側突起の突出方向に行くに従って前記筒部の中心軸に近づく方向に傾斜していることを特徴とする請求項1または2に記載の合成樹脂製キャップ。
- 前記天板部と外側突起との連接部分の内面側に、前記口元部の開口端面の外周縁部に当接可能な厚肉壁部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の合成樹脂製キャップ。
- 飲料が充てんされる容器と、その口元部に装着される合成樹脂製キャップとを備えた閉止装置であって、
前記合成樹脂製キャップは、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のものであることを特徴とする閉止装置。 - 飲料が充填された容器と、その口元部に装着される合成樹脂製キャップとを備えた飲料入り閉止装置であって、
前記合成樹脂製キャップは、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のものであることを特徴とする飲料入り閉止装置。
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