JP4301534B2 - ネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造 - Google Patents

ネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャップの天板部内面に付設される密封用ライナーの構造に関し、特に、金属薄板から成形され上端にカール部が形成されたネジ付き口頸部に対して装着されるネジ付き缶用キャップにおける密封ライナー構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
天板部の周縁から下方に円筒形のスカート部を垂下させた金属薄板製のシェル(キャップ本体)と、該シェルの天板部内面に付設される弾性変形可能な樹脂製の密封用ライナーとからなるキャップであって、周壁外面にネジが形成された口頸部に対してキャップを装着するに際し、口頸部にキャップを被せて上方から押さえ付けながら、キャップのスカート部を口頸部のネジ(ネジ谷部)にロールで側方から押し付けて変形させることで、スカート部にネジを成形しながらキャップを口頸部に装着するようにしたものは従来から数多く知られている。
【0003】
一方、飲料缶詰の缶容器をリシール可能なものとするために、缶にネジ付きの口頸部を設け、該口頸部にキャップを螺合で再密閉できるように装着した、所謂ネジ付き缶というものが従来から提案されており(例えば、特表平10−509095号公報参照)、そのようなネジ付き缶のアルミニウム合金板や表面処理鋼板等の金属薄板により一体成形された口頸部では、口頸部の上端開口縁に沿って外巻き又は内巻きにカール部が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような金属薄板製のシェルと樹脂製のライナーとからなるキャップについては、通常、ガラス製や樹脂製の容器の口頸部に装着されるものであって、そのような容器では、口頸部の上端開口縁が分厚く丈夫であるため、キャップ装着の際にライナーを口頸部に圧接させても口頸部自体が変形するような心配はなく、また、口頸部の上端を常に一定な高さの平坦面としていることで、キャップのライナーと容器の口頸部上端との間での密着面積を大きく取ることができるようになっている。
【0005】
しかしながら、そのようなガラス製容器や樹脂製容器のためのキャップを、アルミニウム合金板や表面処理鋼板等の金属薄板により口頸部が一体成形されているネジ付き缶にそのまま装着した場合、口頸部の上端が金属薄板のカール加工によりカール部として曲面に形成されていることで、キャップのライナーと容器の口頸部上端との密着面積が減少して密封性が低下し、また、キャップ装着の際にライナーを介してカール部に上方からの押圧力が加えられることでカール部が扁平に潰れて変形するというような問題の生じる虞がある。
【0006】
本発明は、上記のような問題の解消を課題とするものであり、具体的には、金属薄板により口頸部が一体成形されているネジ付き缶に対して装着されるキャップの密封用ライナーについて、口頸部にキャップを装着するに際して、口頸部上端のカール部を変形させるようなことなく、また、カール部として曲面に形成された口頸部上端との間の密封性を充分に確保することができて、しかも、開封や再密閉の際にはキャップの開閉を円滑に行うことができるようなものにすることを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、天板部の周縁から下方に円筒形のスカート部を垂下させた金属薄板製のシェルと、該シェルの天板部内面に付設される樹脂製のライナーとからなり、金属薄板から成形され上端にカール部が形成されたネジ付き口頸部に対して装着されるネジ付き缶用のキャップにおいて、弾性変形が可能な樹脂製のライナーが、環状の平坦面を挟んで同心的に配置された2個の環状リブを有するものであって、内側環状リブの外側壁と外側環状リブの内側壁は、その間の環状平坦面を頂部として縦断面で山型となるようにそれぞれ傾斜しており、キャップをネジ付き缶の口頸部に被せた状態では、口頸部のカール部のカール中心から半径方向内側に内側環状リブが位置し、半径方向外側に外側環状リブが位置して、外側環状リブの内側壁のみがカール部と接触し、キャップをネジ付き缶の口頸部に装着した状態では、外側環状リブとカール部の密着部分の下端が、カール部のカール中心よりも下方に位置するように構成することを特徴とするものである。
【0008】
上記のような構成によれば、ネジ付き缶の口頸部にキャップを装着するに際して口頸部にキャップを被せて上方から大きな荷重を加えても、口頸部上端のカール部に当接する内側環状リブの外側壁と外側環状リブの内側壁とがそれぞれ傾斜していることで、ライナーを介してカール部に作用する上方からの大きな荷重の方向が分散されるため、カール部が扁平に潰されるような事態が回避される。
【0009】
また、キャップを口頸部に被せたときにライナーの外側環状リブのみがカール部と接触するようになっていることで、内側環状リブと外側環状リブの両方を同じようにカール部に接触させる場合と比べて、開封や再密閉の際のキャップの開閉(回転)を小さい力(小さな回転トルク)で円滑に行うことができ、しかも、キャップを口頸部に装着したときに、内側環状リブよりも外側環状リブの方がより強くカール部と密着するため、容器内の内圧によりキャップの天板部が外方に膨らんだ状態となっても、外側環状リブとカール部との密着が強いことで密封性を充分に確保することができる。
【0010】
なお、弾性変形していないライナーの環状平坦面に口頸部のカール部上端を接触させた仮想の状態で、外側環状リブとカール部のオーバーラップ部分の下端がカール部のカール中心よりも下方に位置するように構成しておけば、キャップを口頸部に装着したときの、外側環状リブとカール部の密着部分の下端を、カール部のカール中心よりも下方に確実に位置させることができる。
【0011】
また、そのような構成にしておくことで、外側環状リブとカール部のオーバーラップ部分の容積が大きくなり、カール部に対する外側環状リブの横方向からの圧着力が大きくなることから、キャップを口頸部に装着するときに、カール部が扁平に潰れてしまうことを防止するために上方からの大きな荷重を軽減したとしても、カール部と外側環状リブとの確実な密着が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、ネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る密封ライナー構造を備えたキャップと、該キャップが装着されるネジ付き缶の口頸部とを示すもので、キャップ1は、天板部11の周縁から下方に円筒形のスカート部12を垂下させた金属薄板製のシェル(キャップ本体)と、該シェルの天板部11の内面に付設される樹脂製の密封用ライナー13とからなるものである。
【0014】
キャップ1が装着されるネジ付き缶の口頸部2は、合成樹脂被膜で被覆された厚さ0.1〜0.4mmの金属薄板からの成形により肩部3から上方に一体的に立設されていて、上端開口縁に沿ってリング状に形成される外巻きのカール部21と、該カール部21から下方且つ外方に延びる傾斜壁22と、該傾斜壁22から下方に延びるネジ形成部分23と、該ネジ形成部分23の下方に続くビード部24と、ビード部24の下方に設けられる小径筒部25とが一体成形されているものである。
【0015】
口頸部2の上端に形成されるカール部21については、外巻きに限られないが、カール部が内巻きであると、中身の液体を注出するときにカール部により液体の流れが阻害されてスムーズに注出し難くなり、また、中身を残してキャップで再密閉するときにカール部に液体が付着したまま残って不衛生な状態となり、更には、カール部の端面(金属板の切断端面)が缶の内部に位置することで、カール部の端面に対しても特に塗膜処理を施さないと、缶内に充填された液体によりカール部の端面に腐食の起きるような虞れもあることから、カール部は外巻きとしておくことが望ましい。
【0016】
ビード部24とそれに続く小径筒部25については、後で述べるように、キャップ1を口頸部2に装着する際に、小径筒部25にキャッパーのローラーが入り込み、キャップ1のスカート部12の下端部分を変形させて、該下端部分をビード部24と小径筒部25の間の段部に押し付けることで、口頸部2にキャップ1をピルファープルーフの状態で係止するように働くものである。
【0017】
なお、図5(A),(B),(C)は、上記のような口頸部を有するネジ付き缶の各例について示すもので、図5(A)は、大径の缶胴から上方に肩部と口頸部が一体的に成形され、缶胴の下端開口部が底蓋の巻き締め固着により閉鎖された、2ピース缶によるネジ付き缶を示し、図5(B)は、肩部と口頸部を有する缶蓋が、3ピース缶用の円筒状の缶胴の上端開口部に巻き締め固着され、この缶胴の下端開口部が底蓋の巻き締め固着により閉鎖された、3ピース缶によるネジ付き缶を示し、図5(C)は、肩部と口頸部を有する缶蓋を、缶底と缶胴が一体成形された缶体の缶胴の上端開口部に巻き締め固着した、2ピース缶によるネジ付き缶を示すものであって、何れも口頸部が金属薄板から成形されたネジ付き缶であるという点で共通している。
【0018】
そのようなネジ付き缶の口頸部に装着されるキャップ1について、金属薄板製のシェル(キャップ本体)には、円板形の天板部11の周縁から垂下する円筒形のスカート部12の上部に、スカート部12の上部を補強すると共にキャップ1に指を掛けて回転させる際に指が滑ることを防止するために、細かい多数の縦溝からなるローレット部12aが全周に設けられている。(なお、細かい縦溝のローレット部に変えて幅の広い凹凸形状の滑り止めにしても良い。)
【0019】
スカート部12は、その中央部分がネジ形成予定部分12bとなっていて、キャップ1をネジ付き缶の口頸部2に装着する際に、キャップ1を口頸部2に被せて上方から押さえ付けながら、天板部11の周縁部からローレット部12aまでの間の部分を内方に向かって窄ませると共に、ネジ形成予定部分12bを口頸部2のネジ形成部分23のネジ谷部にロールで側方から押し付けて変形させることで、ネジ形成予定部分12bに口頸部2のネジと螺合するネジが形成されることとなる。
【0020】
スカート部12のネジ形成予定部分12bの下方には、板厚を薄くした弱化線12cが刻まれており、該弱化線12cよりも下方がピルファープルーフ用のリング部分12dとなっていて、キャップ1をネジ付き缶の口頸部に被せてロールの押し付けでキャップ1にネジ成形加工する際に、該リング部分12dの下端部を口頸部の小径筒部に絞り込ませることで、ピルファープルーフ用のリング部分12dは口頸部2に係止固定されることとなる。
【0021】
そのようにピルファープルーフ機能が付与されたキャップ1では、ネジ付き缶の口頸部2に装着されたキャップ1を開栓のために回転させると、弱化線12cが破断されて、スカート部12の下端に設けられたピルファープルーフ用のリング部分12dが口頸部2の側に残ることとなる。なお、ピルファープルーフのための具体的な構造については、板厚を薄くした弱化線の破断によるものに限らず、例えば、スリットと破断しやすい連結片との組み合わせ構造にしても良いし、開栓するとリング部分全体が破断されるような構造としても良い。
【0022】
ところで、上記のようなキャップ1の天板部11の内面(裏面)に付設される密封用のライナー13については、キャップ1の天板部11の内面に溶融状態で射出された合成樹脂を型押しする周知の型押成形法により一体的に成形されるもので、弾性変形が可能な周知の合成樹脂材からなるライナー13は、本実施形態では、その中央部が円板状の薄肉な平坦部14に形成され、その周辺部が環状の平坦面16を挟んで同心的に配置された2個の環状リブ15,17に形成されている。
【0023】
図2は、キャップ1をネジ付き缶の口頸部2に被せただけの状態での口頸部2のカール部21とライナー13との位置関係を示すもので、上方から押し付けられることなく弾性変形していないライナー13の2個の環状リブ15,17は、内側環状リブ15の外側壁15aと外側環状リブ17の内側壁17aとが、環状平坦面16を頂部として縦断面で山型となるように、それぞれ対称的に傾斜したものとなっていて、各環状リブ15,17は何れも半径方向で適度な厚みを有するものである。
【0024】
キャップ1を口頸部2に被せただけの状態では、ライナー13の各環状リブ15,17は、カール部21のカール中心Oから見て、外側環状リブ17が半径方向外側に位置し、内側環状リブ15が半径方向内側に位置していて、外側環状リブ17の内側壁17aのみがカール部21と接触した状態で、各環状リブ15,17と環状平坦面16によりカール部21が上方両側から包囲されるようになっている。
【0025】
なお、内側環状リブ15の外側壁15aと外側環状リブ17の内側壁17aのそれぞれの傾斜角度については、何れも垂直方向(キャップの軸線方向)に対して約30°の角度(即ち、内側環状リブ15の外側壁15aと外側環状リブ17の内側壁17aとの夾角は約60°)であり、一方、外側環状リブ17の外側壁17bは垂直方向に延び、内側環状リブ15の内側壁15bについては、型押成型法でライナー13を成形するときに型離れを良くするように、垂直方向から約3°程の僅かな角度で下方且つ外方に向かって傾斜している。
【0026】
図3は、弾性変形していないライナー13について、そのままの状態でカール部21の頂部をライナー13の環状平坦面16に接触させた仮想の状態を示すもので、本実施形態では、外側環状リブ17の方が内側環状リブ15よりもカール部21と大きくオーバーラップするようにしており、外側環状リブ17とカール部21のオーバーラップ部分Aの下端が、カール部21のカール中心Oよりも下方に位置するように、各環状リブ15,17の下端から環状平坦面16までの高さhを、カール部21の高さ(カール外径)の50%以上としている。
【0027】
図4は、そのようなライナー13が付設されたキャップ1をネジ付き缶の口頸部2に装着した状態を示すもので、図2に示すようなキャップ1をネジ付き缶の口頸部2に被せた状態から、上方から最大で1274〜1372N程の垂直荷重をキャップ1に加えながら、キャップ1の天板部11の周縁部からローレット部12aまでの間の部分を内方に向かって窄ませ、スカート部12のネジ形成予定部12bを口頸部2のネジ形成部分23に合わせて変形させてキャップ1にネジを形成すると共に、図示していないが、リング部分12dの下端部を口頸部2の小径筒部25に絞り込ませている。
【0028】
そのようなキャップ1を装着状態において、ライナー13の外側環状リブ17と口頸部2のカール部21との密着部分の下端は、カール部21のカール中心Oよりも下方に位置しており、ライナー13は、その内側環状リブ15よりも外側環状リブ17の方でより強くカール部21と密着していて、容器内の内圧によりキャップ1の天板部11が外方に膨らんだ状態となっても、外側環状リブ17とカール部21との密着部分により密封性を充分に確保することができるようになっている。
【0029】
なお、ライナー13を、図3に示すように、仮想状態での外側環状リブ17とカール部21のオーバーラップ部分Aの下端がカール中心Oよりも下方に位置するようなものとしていることで、図4に示すように、キャップ1を口頸部2に装着したときに、外側環状リブ17とカール部21の密着部分の下端を、カール部21のカール中心Oよりも下方に確実に位置させることができる。
【0030】
また、図3に示すように外側環状リブ17とカール部21のオーバーラップ部分Aの容積が大きくなることで、カール部21と外側環状リブ17との横方向からの密着力が増加するため、キャップ1を口頸部2に装着させる際の上方からの押圧力を軽減させることもできて、キャップ1の装着の際に口頸部2のカール部21が扁平に潰れてしまうことを防止することができる。
【0031】
しかしながら、ライナー13は、必ずしも図3に示すような外側環状リブ17とカール部21のオーバーラップ部分Aの下端がカール中心Oよりも下方に位置するようなものとする必要はなく、キャップ1を口頸部2に装着した状態で、結果的に外側環状リブ17とカール部21との密着部分の下端がカール中心Oよりも下方に位置していれば良いのであって、そのようにキャップ装着状態での外側環状リブ17とカール部21の密着面積を確保できる限りにおいては、オーバーラップ部分Aの下端をカール中心Oよりも上方に位置させた方が、ライナー13に使用する樹脂の量を少なくすることができる。
【0032】
上記のようにネジ付き缶の口頸部2に装着される本実施形態のキャップ1の具体的な実施例とその比較例とについて更に説明する。
【0033】
実施例1として、内面側にエポキシ−フェノール樹脂を塗布した板厚0.23mmのアルミニウム合金板(A3105−H34)によりキャップ1のシェルを一体成形して、そのスカート部12の外径を28.4mm、高さを17.7mmとした。キャップ1の天板部11内面に付設される密封用のライナー13は、低密度ポリエチレンとエチレン−プロピレン共重合体合成ゴムのブレンド材から形成し、内側環状リブ15及び外側環状リブ17の高さ(各環状リブ15,17の下端から環状平坦面16までの高さ)を1.6mmとし、キャップ1をネジ付き缶の口頸部2に被せたときの内側環状リブ15の外側壁15aとカール部21との最小隙間を0.12mmとした。
【0034】
上記のようなキャップ1を、12μmの厚さを有するポリエステル製フィルムを両面に熱融着させた厚さ0.315mmのアルミニウム合金板(3004−H191)から成形されたネジ付き缶のカール部21の外径を2.5mmにした口頸部2に装着したところ、キャップ1を開けるときの開栓トルクは、0.88N・mであり、10個の缶にコーラを充填して倒置した状態で55℃の恒温室に1ヶ月間貯蔵しても漏れは発生しなかった。
【0035】
また、上記の実施例1とは密封用ライナー13の内側環状リブ15の高さ(内側環状リブ15の下端から環状平坦面16までの高さ)を0.6mmに変更しただけの実施例2についても同様の試験をしたところ、実施例1と同様の性能を示した。
【0036】
さらに、上記の実施例1とは密封用ライナー13の内側環状リブ15の高さ(内側環状リブ15の下端から環状平坦面16までの高さ)を0.55mmに変更し、外側環状リブ17の高さ(外側環状リブ17の下端から環状平坦面16までの高さ)を1.55mmに変更した実施例3について、カール部21の外径を2.4mmにした口頸部2に装着して、外側環状リブ17とカール部21の密着部分の下端をカール部21のカール中心Oよりも下方に位置させた場合についても、同様の試験をしたところ、実施例1及び2と同様の性能を示した。
【0037】
上記の各実施例に対する比較例として、密封用ライナー13の内側環状リブ15及び外側環状リブ17の高さ(各環状リブ15,17の下端から環状平坦面16までの高さ)を1mmに変更して、キャップ1をネジ付き缶の口頸部2に被せたときに外側環状リブ17だけでなく内側環状リブ15もカール部21と接触するように変更した比較例について、同様の試験をしたところ、キャップ1を開けるときの開栓トルクは、1.03N・mであり、コーラを充填した10個の缶のうちの3個の缶で漏れが発生した。
【0038】
以上に説明したような本実施形態のネジ付き缶用キャップの密封ライーナー構造によれば、カール部21に当接するライナー13の内側環状リブ15の外側壁15aと外側環状リブ17の内側壁17aとがそれぞれ傾斜していることにより、上方から最大で1274〜1372N程の垂直荷重を加えながらキャップ1をネジ付き缶の口頸部2に装着させるときに、そのような大きな垂直荷重が水平方向にも分散するように作用して、カール部21が扁平に潰れて変形するのを回避することができる。
【0039】
また、キャップ1を口頸部2に被せただけの状態でライナー13の外側環状リブ17のみがカール部21と接触するようになっていることにより、開封や再密閉の際には、内側環状リブ15と外側環状リブ17の両方を同じようにカール部21に接触させた場合と比べて、キャップ1の開閉(回転)を小さい力(小さな回転トルク)で円滑に行うことができ、しかも、キャップ1を口頸部2に装着したときには、内側環状リブ15よりも外側環状リブ17の方がより強くカール部21と密着するため、容器内の内圧によりキャップ1の天板部11が外方に膨らんだ状態となっても、外側環状リブ17とカール部21との密着が強いことで密封性を充分に確保することができる。
【0040】
また、本実施形態では、ライナー13を、図3に示すように、各環状リブ15,17の下端から環状平坦面16までの高さhをカール部21の高さの50%以上として、弾性変形していないライナー13の環状平坦面16にカール部21の上端を接触させた仮想の状態で、外側環状リブ17とカール部21のオーバーラップ部分Aの下端がカール部21のカール中心Oよりも下方に位置するようにしていることで、図4に示すように、キャップ1を口頸部2に装着したときに、外側環状リブ17とカール部21の密着部分の下端を確実にカール部21のカール中心Oよりも下方に位置させることができる。
【0041】
さらに、そのような構成としていることで、外側環状リブ17とカール部21のオーバーラップ部分Aの容積が大きくなり、カール部21に対する外側環状リブ17の横方向からの圧着力が大きくなることから、キャップ1を口頸部2に装着するときに、カール部21が扁平に潰れてしまうことを防止するために上方からの大きな荷重を軽減したとしても、カール部21と外側環状リブ17との確実な密着を得ることができる。
【0042】
なお、上記の点について、外側環状リブ17の下端から環状平坦面16までの高さhをカール部21の高さの50%以下(例えば、47.9%)として、弾性変形していないライナー13の環状平坦面16にカール部21の上端を接触させた仮想の状態で、外側環状リブ17とカール部21のオーバーラップ部分Aの下端がカール部21のカール中心Oよりも上方に位置するようにしても、キャップ1を口頸部2に装着したときに、キャップ1の天板部11の周縁部からローレット部12aまでの間の部分を内方に向かって窄ませることで、外側環状リブ17とカール部21の密着部分の下端がカール部21のカール中心Oよりも下方に位置するようになっていれば、外側環状リブ17とカール部21の密着面積を充分に確保することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したような本発明のネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造によれば、ネジ付き缶の口頸部にキャップを装着するに際して、口頸部上端のカール部を変形させるようなことなく、また、カール部として曲面に形成された口頸部上端との間の密封性を充分に確保することができて、しかも、開封や再密閉の際におけるキャップの開閉を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造の一実施形態について、密封ライナーを付設したネジ付き缶用キャップと、該キャップが装着されるネジ付き缶の口頸部とを示す部分断面側面図。
【図2】図1に示したキャップをネジ付き缶の口頸部に被せただけの状態でのキャップのライナーと口頸部のカール部との位置関係を示す拡大断面図。
【図3】図1に示したキャップのライナーとネジ付き缶の口頸部のカール部とについて、弾性変形していないライナーの環状平坦面にカール部の頂部を接触させた仮想の状態を示す拡大断面説明図。
【図4】図1に示したキャップをネジ付き缶の口頸部に装着した状態でのキャップのライナーと口頸部のカール部との位置関係を示す拡大断面図。
【図5】図1に示したキャップの装着対象となるネジ付き缶の各例(A),(B),(C)を示す側面図。
【符号の説明】
1 キャップ
2 口頸部
11 (キャップの)天板部
12 (キャップの)スカート部
12d (スカート部の)ピルファープルーフ用のリング部分
13 (キャップの)ライナー
15 (ライナーの)内側環状リブ
15a 内側環状リブの外側壁
16 (ライナーの)環状平坦面
17 (ライナーの)外側環状リブ
17a 外側環状リブの内側壁
21 (口頸部の)カール部
22 (口頸部の)傾斜壁
23 (口頸部の)ネジ形成部分
25 (口頸部の)小径筒部
O カール部のカール中心
A 外側環状リブとカール部のオーバーラップ部分

Claims (4)

  1. 天板部の周縁から下方に円筒形のスカート部を垂下させた金属薄板製のシェルと、該シェルの天板部内面に付設される樹脂製のライナーとからなり、金属薄板から成形され上端にカール部が形成されたネジ付き口頸部に対して装着されるネジ付き缶用のキャップにおいて、弾性変形が可能な樹脂製のライナーが、環状の平坦面を挟んで同心的に配置された2個の環状リブを有するものであって、内側環状リブの外側壁と外側環状リブの内側壁は、その間の環状平坦面を頂部として縦断面で山型となるようにそれぞれ傾斜しており、キャップをネジ付き缶の口頸部に被せた状態では、口頸部のカール部のカール中心から半径方向内側に内側環状リブが位置し、半径方向外側に外側環状リブが位置して、外側環状リブの内側壁のみがカール部と接触し、キャップをネジ付き缶の口頸部に装着した状態では、外側環状リブとカール部の密着部分の下端が、カール部のカール中心よりも下方に位置するように構成されていることを特徴とするネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造。
  2. キャップをネジ付き缶の口頸部に被せて、そのままライナーを弾性変形させないで、口頸部のカール部上端をライナーの環状平坦面に接触させた仮想の状態では、外側環状リブとカール部のオーバーラップ部分の下端が、カール部のカール中心よりも下方に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造。
  3. キャップを装着するネジ付き缶の口頸部が、合成樹脂被膜で被覆された厚さが0.1〜0.4mmの金属薄板からの成形により、少なくとも、上端開口縁に沿った外巻きのカール部と、該カール部から下方且つ外方に延びる傾斜壁と、該傾斜壁から下方に延びるネジ形成部分とが一体成形されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造。
  4. キャップのスカート部の下端にピルファープルーフ用のリング部分が形成され、該リング部分の下端部を絞り込ませるための小径筒部が口頸部に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造。
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