JP5095053B2 - 耐衝撃性に優れた合成樹脂製複合容器蓋 - Google Patents

耐衝撃性に優れた合成樹脂製複合容器蓋 Download PDF

Info

Publication number
JP5095053B2
JP5095053B2 JP2001136248A JP2001136248A JP5095053B2 JP 5095053 B2 JP5095053 B2 JP 5095053B2 JP 2001136248 A JP2001136248 A JP 2001136248A JP 2001136248 A JP2001136248 A JP 2001136248A JP 5095053 B2 JP5095053 B2 JP 5095053B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
top plate
container mouth
lid
container
inner ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001136248A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002332056A (ja
Inventor
榮規 村上
修 石井
洋 雫石
洋一 辻口
恭典 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Closures Co Ltd
Original Assignee
Nippon Closures Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Closures Co Ltd filed Critical Nippon Closures Co Ltd
Priority to JP2001136248A priority Critical patent/JP5095053B2/ja
Publication of JP2002332056A publication Critical patent/JP2002332056A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5095053B2 publication Critical patent/JP5095053B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Closures For Containers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中栓と上蓋とのツーピース製の複合容器蓋に関するものであり、より詳細には、容器口部に嵌合固定される合成樹脂製の中栓と、容器口部に嵌合固定された合成樹脂製の中栓を覆うように容器口部の外面に螺子締結される合成樹脂製の上蓋とから成る複合容器蓋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のような複合容器蓋は、例えば飲料用の容器のキャップとして広く使用されている。このような複合容器蓋において、中栓は、容器口部をシールするものであり、天板と、天板の下面に形成されたインナーリングとから形成されており、このインナーリングが容器口部内に嵌め込まれ、その外壁面が容器口部の内面と密着することにより、容器口部のシールが行われる。
また、上記複合容器蓋において、上蓋は、頂板部と、頂板部の外周縁端部から下方に延びている筒状のスカート壁とから形成されており、スカート壁の内面には、容器口部の外面と螺子係合する螺条が設けられている。上記の中栓は、上蓋内に保持され、上蓋を容器口部に被せて旋回して閉栓することにより、中栓のインナーリングが容器口部内に嵌め込まれ、中栓の天板のインナーリングよりも外方部分が、上蓋の頂板部の下面と容器口部の上端面との間にサンドイッチされて、該中栓は容器口部にしっかりと保持される。即ち、この状態で、中栓のインナーリングの外壁面が容器口部内面に密着することにより、容器口部がシールされる。
【0003】
このような複合容器蓋として、中栓の天板の上面周縁部に扁平状突部が設けられているものが知られている。例えば、特許第2943048号公報の添付図面には、中栓(密封用パッキン9)の天板の上面周縁部に扁平状突部(分割片14)が形成されている複合容器蓋が開示されている。
かかる先行技術によれば、上蓋のスカート壁(周壁2)の下端にタンパーエビデントバンド(ピルファープルーフバンド8)を備えた複合容器蓋において、上記のような扁平状突部14を設けることにより、容器口部に装着された状態で、中栓の天板上面と上蓋の頂板部下面との間に空気溜りを形成し、このような空気溜りによって、上蓋を開栓する際に、中栓9の天板上面中央部と上蓋の頂板部1の下面中央部との密着が防止される。即ち、開栓に際して、上蓋と中栓との共回りを防止して、開栓の初期でのシールブレークが生じないようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来公知の複合容器蓋は、耐衝撃性が低く、例えば落下衝撃などによりシール性が損なわれ易いという問題があった。
即ち、この種の複合容器蓋では、中栓のインナーリングが容器口部内に嵌め込まれ、インナーリングの外壁面が容器口部の内面に密着することにより容器口部がシールされる。従って、インナーリングが容器口部内にスムーズに嵌め込まれ且つその外壁面が容器口部内面にフィットして密着するように、中栓は、可撓性のプラスチック材料で形成されている。このため、容器の落下等により、上蓋に衝撃が加わると、その衝撃力が中栓に伝わり、この衝撃力によってインナーリングにズレ乃至変形を生じ、この結果、インナーリングの外壁面と容器口部の内面との密着性が損なわれ、シール性が損なわれてしまうものと考えられる。
【0005】
例えば、前記先行技術の複合容器蓋では、扁平状突部14の内径は、中栓のインナーリング(中足11)の付け根部内径よりもかなり小さく設定されている。このため、容器口部に装着された閉栓状態において、インナーリング11の上方に対応する部分では、中栓9の天板の上面と上蓋の頂板部(天板1)の下面とが接触するような構造となっている。従って、このような構造では、上蓋に加わった衝撃力が直接インナーリング11に伝達され、インナーリング11のズレ乃至変形が容易に生じ、インナーリング11の外壁面と容器口部の内面との密着性が損なわれ、この結果、容易にシールブレークを生じてしまい、十分な耐衝撃性を示さない。
【0006】
従って、本発明の目的は、容器口部に嵌合固定される合成樹脂製の中栓と、容器口部に嵌合固定された中栓を覆うように容器口部の外面に螺子固定される合成樹脂製の上蓋とから成る複合容器蓋において、衝撃が加えられた場合にも、良好なシール性が保持される耐衝撃性に優れた複合容器蓋を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、容器口部に嵌合固定される合成樹脂製の中栓と、容器口部に嵌合固定された合成樹脂製の中栓を覆うように容器口部の外面に螺子締結される合成樹脂製の上蓋とから成り、前記中栓は、天板と、天板の外周縁から間隔をおいて且つ天板下面に形成されたインナーリングとから形成され、前記インナーリングの外壁面が容器口部内に嵌め込まれて容器口部の内面に密着して容器口部をシールすると共に、前記上蓋は、頂板部と、頂板部の外周縁端部から下方に延びており且つ容器口部の外面と螺子係合する螺条を備えたスカート壁とから形成され、前記中栓の天板の前記インナーリングよりも外方部分を前記上蓋の頂板部の下面と容器口部の上端面との間に挟んで、前記中栓を容器口部に保持固定する複合容器蓋において、前記中栓の天板の上面周縁部及び/又は前記上蓋の頂板部の下面周縁部には、先端にフラットな面を有する扁平状突部が周方向に形成されており、この扁平状突部の先端面の内径は、前記インナーリングの付け根部の外径よりも大きく、容器口部に装着された状態において、インナーリングの内壁面付け根部の上方に対応する部分及びインナーリングの外壁面付け根部の上方に対応する部分では、天板上面と頂板部下面とが離隔しており、前記中栓の天板の外周縁は、容器口部に嵌め込まれた状態で、上蓋のスカート壁内面とは離隔しており、前記中栓の天板の上面の周縁部には、該天板の外周縁に向かってテーパ状に下方に傾斜した傾斜面が形成されていることを特徴とする複合容器蓋が提供される。
【0008】
即ち、本発明の複合容器蓋では、中栓の天板の上面周縁部及び/又は前記上蓋の頂板部の下面周縁部に設けられた扁平状突部は、その先端面の内径が前記インナーリングの付け根部の内径よりも(好ましくは外径よりも)大きい。この結果、容器口部に嵌め込まれた中栓のインナーリングの内壁面付け根部の上方に対応する部分、好ましくは、外壁面付け根部の上方に対応する部分では、天板上面と頂板部下面とが離隔しており、両者の間に空隙部が形成されている。
このような構造を有する本発明の複合容器蓋は、容器口部に嵌め込まれた状態(閉栓状態)において、容器の落下等により、上蓋に衝撃力が加わったとしても、中栓のインナーリングの上方部分では、天板上面と頂板部下面とが離隔しており、両者の間に空隙が形成されているため、インナーリングへの衝撃力の伝達が有効に緩和され、この結果、衝撃力によるインナーリングのズレ乃至変形が有効に防止され、シールブレークを有効に回避することができ、極めて優れた耐衝撃性を示す。
【0009】
また、上述した中栓は、可撓性の高い比較的軟質のプラスチック材料で形成されているため、容器口部内に嵌め込んでいくと、天板の中央部分(インナーリングの内側部分)が上方に膨らむドーミングを生じることがある。このようなドーミングを生じた場合には特に、落下衝撃等による衝撃力によって、中栓のインナーリングは容易に変形してしまい、容易にシールブレークが生じてしまうおそれがある。
しかるに、上述した本発明では、容器口部に嵌め込まれた中栓のインナーリングの内壁面付け根部の上方に対応する部分、特に好ましくは、外壁面付け根部の上方に対応する部分では、天板上面と頂板部下面とが離隔して、一定の大きさの空隙部が形成されている。従って、ドーミングが生じたとしても、落下衝撃等による衝撃力は、インナーリング付け根部に直接加わらず、上記空隙部によって有効に緩和されるため、インナーリングのズレ乃至変形が有効に防止され、シールブレークを有効に防止することができる。
このように、本発明の複合容器蓋は、ドーミングが生じた場合にも、優れた耐衝撃性を示す。
【0010】
【発明の実施形態】
本発明を、以下、添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の複合容器蓋の半断面側面図であり、
図2は、図1の複合容器蓋が容器口部に装着されている閉栓状態を示す半断面側面図であり、
図3は、図1の複合容器蓋における中栓を示す図であり、図3中、(A)は上面図、(B)は半断面側面図及び(C)は底面図を示し、
図4は、図1の複合容器蓋における上蓋を示す図であり、図4中、(A)は上面図、(B)は半断面側面図及び(C)は底面図を示し、
図5は、図2の複合容器蓋の要部を拡大して示す断面図であり、
図6は、図1の複合容器蓋の閉栓状態において、中栓にドーミングが生じている状態を示す部分拡大断面図であり、
図7は、本発明の複合容器蓋の他の例における閉栓状態を示す半断面側面図である。
【0011】
図1及び図2において、本発明の複合容器蓋は、中栓1と上蓋2とから成り、中栓1は、外面に螺条51を備えた容器口部50内に嵌め込まれるものであり、上蓋2内に保持され、一方、上蓋2は、容器口部50内に嵌め込まれた中栓1を覆うようにして、容器口部50に螺子締結され、これにより、閉栓状態が形成され、容器口部50がシールされる。
【0012】
このような複合容器蓋を構成する中栓1及び上蓋2は、それ自体公知の合成樹脂、例えば、ポリエチレン、アイソタクティクポリプロピレン、エチレン−ポリプロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂や、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、ABS樹脂或いはポリカーボネート等の一体成形によって形成されるが、特に中栓1は、比較的軟質で可撓性の高い材料で形成され、上蓋2は、比較的硬質で、強度の高い剛性材料で形成される。
【0013】
図1、図2並びに図3(A)、(B)、(C)を参照して、中栓1は、円形状の天板5と、天板5の外周縁5aから間隔をおいて且つ天板5の下面に形成されたインナーリング7とから形成されている。
インナーリング7の外壁面7aは、外方に膨らんだ形状を有しており、これにより、インナーリング7が容器口部50内に嵌め込まれた時、その外壁面7aは、容器口部50の内面にぴったりと密着し、且つ天板5のインナーリング7よりも外側の下面が容器口部50の上端面50aに密着して、容器口部50がシールされるようになっている。
また、天板5のインナーリング7よりも内側の上面部分には、複数の共回り防止用のリブ8が周方向に配置されており、更に天板5の中心部分には、成形時の樹脂の射出ゲートによる小径の凹部9が形成されている。
【0014】
一方、図1、図2並びに図4(A)、(B)、(C)を参照して、上蓋2は、円形状の頂板部10と、頂板部10の外周縁端部から下方に延びている筒状のスカート壁12とから形成されている。
頂板部10の中心部分には、成形時の樹脂の射出ゲートによる小径の凹部14が形成されており、また、スカート壁12の内面には、容器口部50の外面に設けられている螺条51と螺子係合する螺条15が形成されており、螺条15の上方には、環状突起17が形成されている。更に、スカート壁12の外周面には、上蓋2を手で旋回するときの滑り止め用のローレット18が設けられている。
【0015】
かかる複合容器蓋においては、環状突起17により、上蓋2内に中栓1が保持され、図1に示す状態で、容器口部50上に上蓋2を被せ、上蓋2を閉栓方向に旋回していくことにより、上蓋2が降下して容器口部50の外面に螺子締結され、上蓋2に押圧されて、中栓1は容器口部50内に嵌め込まれ、図2に示す閉栓状態となる。このとき、中栓1の天板5の上面に形成されている複数のリブ8により、中栓1の天板5の上面と上蓋2の頂板部10の下面との完全密着が防止され、中栓1の共回りが有効に防止される。即ち、上蓋2の閉栓方向への旋回にしたがって中栓1が共回りすると、インナーリング7が変形した状態で容器口部50内に嵌め込まれてしまい、インナーリング7の外壁面7aと容器口部50の内面との密着が損なわれ、シール性が低下するおそれがある。このため、上記のリブ8により、中栓1の共回りが防止されるようになっている。
【0016】
更に、図2の状態において、上蓋2を開栓方向に旋回すると、上蓋2の上昇に伴い、中栓1の天板5の外周縁5aの下側が、上蓋2のスカート壁12の内面に設けられた環状突起17と当接し、これにより、中栓1は押し上げられ、上蓋2と共に中栓1も容器口部50から取り除かれて開栓が完了する。
尚、上述した構造の複合容器蓋では、図2のような閉栓状態で、シュリンクフィルム(図示せず)により、上蓋2が容器口部50に包装され、市販に供される。一般の需要者は、このシュリンクフィルムを引裂いて上記の開栓作業を行うものである。
【0017】
図1乃至図4から明らかな通り、中栓1の天板5の上面周縁部に、先端にフラットな面を有する第1の扁平状突部20が周方向に形成されており、更に、上蓋2の頂板部10の下面周縁部にも、先端にフラットな面を有する第2の扁平状突部22が周方向に形成されており、閉栓状態においては、これらの扁平状突部20,22のフラットな先端面同士が圧接し、中栓1の天板頂板部5の周縁部分は、容器口部50の上端面50a上に密接保持される。
本発明においては、図5に示されている様に、これらの扁平状突部20,22は、何れも、その先端面の内径D1、D2が、インナーリング7の付け根部の外径d1よりも大きく設定されており、従って、閉栓状態においては、インナーリング7の外壁面7aの付け根部の上方に対応する部分Xでは、天板5の上面と頂板部10の下面とが離隔しており、両者の間に空隙が形成されている。
【0018】
即ち、本発明によれば、上記の部分Xで、天板5の上面と頂板部10の下面とが離隔して空隙が形成されていることから、落下等により、閉栓状態で上蓋2に衝撃力が加わった場合にも、この衝撃力は、中栓1の上記部分Xに直接伝達されることがないため、インナーリング7への衝撃力の伝達が有効に緩和され、この結果、インナーリング7のズレ乃至変形が有効に防止され、インナーリング7の外壁面7aと容器口部50の内面との密着性が損なわれず、シールブレークを有効に回避することが可能となる。
【0019】
また、容器内圧力の上昇、或いは上蓋2の締め過ぎ等により、中栓1の天板5のインナーリング7よりも内側の領域(以下、単に中央部と呼ぶ)が外側に膨らんだ状態に変形すること(ドーミング)がある。特に、中栓1は可撓性の材料で形成されているため、このようなドーミングを生じ易い。一般に、このようなドーミングが生じた状態では、耐衝撃性が低下し、落下衝撃等によりインナーリング7が容易にズレたり変形したりしてしまい、シールブレークを生じてしまう。
しかるに、本発明では、中栓1の天板5の中央部分にドーミングが生じた場合にも、優れた耐衝撃性を示し、落下衝撃等によるシールブレークの発生を有効に防止することができる。
即ち、閉栓状態において、ドーミングが発生した状態を示す図6を参照すると、本発明の複合容器蓋では、インナーリング7の外壁面7aの付け根部の上方に対応する部分Xでは、ドーミングが生じた場合にも、天板5の上面と頂板部10の下面とが離隔しており、一定の大きさの空隙を確保することができる。この結果、ドーミングが発生していない状態と同様にして、落下衝撃等によるシールブレークの発生を有効に防止することができる。
【0020】
上述した本発明において、満足すべき耐衝撃性を確保するためには、閉栓状態において、インナーリング7の外壁面7aの付け根部の上方に対応する部分Xでの、天板5の上面と頂板部10の下面との間隔p(図5参照)が0.5mm以上、特に0.5乃至1.5mmの範囲となるように、扁平状突部20,22の高さを設定しておくことが好ましい。即ち、扁平状突部20,22の高さが小さく、間隔pが上記範囲よりも小さくなると、上蓋2に加えられた衝撃力のインナーリング7への伝達を有効に緩和することが困難となり、耐衝撃性の向上効果が不十分となるおそれがあり、特にドーミング発生時での耐衝撃性が不満足となるおそれがある。また、扁平状突部20,22の高さが大きく、間隔pが上記範囲よりも大きくなっても、耐衝撃性の更なる向上は認められず、むしろ、上蓋2のハイト(スカート壁12の高さ)が必要以上に高くなってしまい、樹脂量の増大など、経済的な面で不利となる。
【0021】
また、本発明においては、上記の様に、扁平状突部20,22の先端面の内径D1、D2が、インナーリング7の付け根部の外径d1よりも大きく設定されていることが最も好適であるが、これら内径D1、D2を多少小さくすることもできる。但し、内径D1、D2は、少なくともインナーリング7の付け根部の内径d2よりも大きくすることが必須である。即ち、閉栓状態において、インナーリング7の内壁面7bの付け根部の上方に対応する部分Y(図5参照)で、天板5の上面と頂板部10の下面とが離隔していれば、前記の部分Xで両者が接触していたとしても、上蓋2に加えられた衝撃力のインナーリング7への伝達をある程度緩和することができ、ある程度の耐衝撃性の向上効果が発現するが、部分Yで両者が接触していると、耐衝撃性の向上効果は全く認められないからである。
【0022】
更に、上述した扁平状突部20,22は、閉栓状態において、容器口部50の上端面50a上に位置するように形成されていることが好ましく、例えば、図5を参照して、その先端面の内径D1、D2は、容器口部50の上端面50aの中心径Q1以下であることが好ましい。即ち、D1、D2が、Q1よりも大きいと、天板5の下面を容器口部上端面50aに圧接することができず、シール性が低下するおそれがある。また、扁平状突部20,22の先端面の外径D1’、D2’は、閉栓状態において中栓1をしっかりと保持し、且つ上蓋2に加えられた衝撃力を容器口部50の上端面50aで吸収するために、該上端面50aの外径Q2程度であることが好ましい。
【0023】
本発明において、中栓1における第1の扁平状突部20及び上蓋2における第2の扁平状突部22は、図3(A)や図4(C)に示されているように、上述した完全なリングとなっていることが最も好適であるが、例えば、径方向に延びており、且つ同じ高さを有する複数のリブを、小間隔でリング状に配置することにより、扁平状突部20,22とすることもできる。
更に、閉栓状態において、インナーリング7の内壁面7bの付け根部の上方に対応する部分Y、或いは外壁面7aの付け根部の上方に対応する部分Xで、天板5の上面と頂板部10の下面とが離隔して、適当な高さの空隙が形成される限りにおいて、第1の扁平状突部20或いは第2の扁平状突部22の何れか一方を省略することもできる。
【0024】
また、本発明によれば、図1、図2、図4(A)及び図5に示されているように、上蓋2の頂板部10の上面周縁部10aは、中央部分10bよりも高く形成されており、閉栓状態において、インナーリング7の外壁面7a上よりも外方に位置する部分、特に、インナーリング7の外壁面7aの付け根部の上方に対応する部分Xの近傍に、段差25が形成されていることが好ましい。
上蓋2の締め込みを強くすること等により、上蓋2の頂板部10も上方に膨らんだ状態に変形することがある。このようなドーミングが頂板部10に生じると、容器の落下等により、インナーリング7の外壁面7aの付け根部の上方に対応する部分X上において、上蓋2に直接衝撃力が加わる可能性が極めて高くなる。しかし、上記のような段差25を形成しておくと、頂板部10にドーミングが生じたとしても、この部分X上の頂板部10の上面には、凹部が形成される。従って、この部分X上において、頂板部10の上面に他の物体が直接接触して衝撃力が加えられることが有効に回避することができ、この結果、その下方に位置するインナーリング7の外壁面7aに大きな衝撃力が加えられることが防止され、そのズレや変形によるシールブレークを有効に回避することができるのである。
【0025】
本発明においては、中栓1の天板5の径をスカート壁12の付け根部分近傍の径よりも小さくし、図2及び図5から明らかな通り、閉栓状態において、中栓1の天板5の外周縁を、上蓋2のスカート壁12の内面と離隔させることが好適である。即ち、閉栓状態において、容器が落下したりすると、上蓋2の角部(頂板部10とスカート壁12との接続部分)に直接衝撃力が加わるおそれが極めて高い。しかるに、天板5の外周縁を、スカート壁12の内面と離隔させることにより、このような衝撃力が直接中栓1に伝達することが有効に回避され、落下衝撃等によるインナーリング7のズレや変形を一層有効に防止でき、耐衝撃性の向上に極めて有利である。
【0026】
また、中栓1の天板5の下面には、インナーリング7とは間隔をおいて、下方に延びている小突起30を周方向に形成し、この小突起30とインナーリング7との間の空間に、容器口部50が嵌め込まれるようにすることが耐衝撃性を更に向上させる上で有利である。即ち、上蓋2の角部に衝撃力が加わり、この衝撃力が天板5の外周縁5aに加わったとしても、この小突起30により、インナーリング7への衝撃力の伝達を有効に防止することができる。
【0027】
更に、中栓1の天板5の上面の周縁部、即ち、第1の扁平状突部20の外方部分には、天板1の外周縁5aに向かってテーパ状に下方に傾斜した傾斜面32が形成されていることが好適である。このような傾斜面32を形成することにより、上蓋2の角部と中栓1の天板5の上面の周縁部との間に空隙部が形成され、上蓋2の角部に直接加えられた衝撃力の中栓1への伝達を緩和させることができ、耐衝撃性を一層向上させることができる。また、中栓1への衝撃力の伝達を緩和させるに十分な大きさの空隙部を形成させるために、この傾斜面32の傾斜角θ(図5参照)は、10度以上であることが好ましい。
【0028】
上述した形状の中栓1では、天板5の周縁部の下面は、小突起30よりも外側部分において下方に屈曲していることが好適である。即ち、天板5の径をスカート壁12の付け根部分近傍の径よりも小さくし、閉栓状態において、天板5の外周縁5aがスカート壁12の内面と離隔するようにした場合には、天板5と、スカート壁12の内面に設けられている環状突起17との係合力が低下する。従って、中栓1は、可撓性の比較的高いプラスチック材料で形成されているため、その係合力が低下すると、上蓋2を開栓したとき、天板5の周縁部が捲れ上がってしまい、環状突起17が天板5の外周縁5aをすり抜け、上蓋2のみが容器口部50から取り除かれ、中栓1は、容器口部50に嵌め込まれたまま残ってしまうおそれがある。しかるに、上記のように、天板5の周縁部の下面を屈曲させておくことにより、天板5の周縁部の捲れ上がりが防止され、環状突起17のすり抜けを有効に回避することができる。
【0029】
上述した本発明においては、閉栓状態において、上蓋2がシュリンクフィルムにより包装されて容器口部50に固定されるタイプの複合容器蓋を例にとって説明したが、上蓋5にタンパーエビデントバンド(TEバンド)が設けられているタイプの複合容器蓋にも、本発明を適用することは勿論可能である。
図7には、このようなTEバンドを備えたタイプの複合容器蓋の閉栓状態を示した。
即ち、図7の複合容器蓋では、上蓋2のスカート壁12の下端に、破断可能なブリッジ35を介してTEバンド37が設けられており、TEバンド37の内面には、容器口部50の外面の螺条51よりも下方に形成されている顎部52の下面と係合するフラップ片等の係合突起40が設けられている。上蓋2を開栓方向に旋回させて上昇させると、係合突起40が顎部52の下面と係合し、これによりTEバンド37の上昇が制限される。従って、スカート壁12のみが上昇し、ブリッジ35が破断し、上蓋2は、TEバンド37が切り離された状態で容器口部50から取り外される。従って、TEバンド37が切り離されていることにより、上蓋2が開栓された事実を認識することができる。
図7の複合容器蓋は、上記のようなTEバンド37が設けられている点を除けば、上蓋2及び中栓1の構造乃至形状は、図1乃至6に示した複合容器蓋と全く同じである。従って、このようなTEバンド37を備えた複合容器蓋においても、優れた耐衝撃性を得ることができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、中栓の天板の上面周縁部及び/又は前記上蓋の頂板部の下面周縁部に、先端がフラットな扁平状突部を周方向に設け、その先端面の内径を、インナーリングの付け根部の内径、特に外径よりも大きくすることにより、耐衝撃性を向上させることができる。即ち、容器口部に嵌め込まれた中栓のインナーリングの内壁面付け根部の上方に対応する部分、特に外壁面付け根部の上方に対応する部分では、天板上面と頂板部下面とが離隔しており、両者の間に空隙部が形成される。この結果、上蓋に衝撃力が加わったとしても、その衝撃力のインナーリングへの伝達が有効に緩和され、衝撃力によるインナーリングのズレや変形が有効に防止され、密封性を有効に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合容器蓋の半断面側面図。
【図2】図1の複合容器蓋が容器口部に装着されている閉栓状態を示す半断面側面図。
【図3】図1の複合容器蓋における中栓を示す図であり、図3中、(A)は上面図、(B)は半断面側面図及び(C)は底面図を示す。
【図4】図1の複合容器蓋における上蓋を示す図であり、図4中、(A)は上面図、(B)は半断面側面図及び(C)は底面図を示す。
【図5】図2の複合容器蓋の要部を拡大して示す断面図。
【図6】図1の複合容器蓋の閉栓状態において、中栓にドーミングが生じている状態を示す部分拡大断面図。
【図7】本発明の複合容器蓋の他の例における閉栓状態を示す半断面側面図。
【符号の説明】
1:中栓
2:上蓋
5:中栓の天板
7:インナーリング
8:共回り防止用リブ
10:上蓋の頂板部
12:スカート壁
17:環状突起
20:第1の扁平状突部
22:第2の扁平状突部
25:段差
30:小突起
32:傾斜面
35:ブリッジ
37:TEバンド
50:容器口部

Claims (6)

  1. 容器口部に嵌合固定される合成樹脂製の中栓と、容器口部に嵌合固定された合成樹脂製の中栓を覆うように容器口部の外面に螺子締結される合成樹脂製の上蓋とから成り、前記中栓は、天板と、天板の外周縁から間隔をおいて且つ天板下面に形成されたインナーリングとから形成され、前記インナーリングの外壁面が容器口部内に嵌め込まれて容器口部の内面に密着して容器口部をシールすると共に、前記上蓋は、頂板部と、頂板部の外周縁端部から下方に延びており且つ容器口部の外面と螺子係合する螺条を備えたスカート壁とから形成され、前記中栓の天板の前記インナーリングよりも外方部分を前記上蓋の頂板部の下面と容器口部の上端面との間に挟んで、前記中栓を容器口部に保持固定する複合容器蓋において、
    前記中栓の天板の上面周縁部及び/又は前記上蓋の頂板部の下面周縁部には、先端にフラットな面を有する扁平状突部が周方向に形成されており、この扁平状突部の先端面の内径は、前記インナーリングの付け根部の外径よりも大きく、容器口部に装着された状態において、インナーリングの内壁面付け根部の上方に対応する部分及びインナーリングの外壁面付け根部の上方に対応する部分では、天板上面と頂板部下面とが離隔しており、
    前記中栓の天板の外周縁は、容器口部に嵌め込まれた状態で、上蓋のスカート壁内面とは離隔しており、
    前記中栓の天板の上面の周縁部には、該天板の外周縁に向かってテーパ状に下方に傾斜した傾斜面が形成されていることを特徴とする複合容器蓋。
  2. 前記中栓の天板の下面には、前記インナーリングとは間隔をおいて、下方に延びている小突起が周方向に形成されており、該小突起とインナーリングとの間の空間に容器口部が嵌め込まれる請求項1に記載の複合容器蓋。
  3. 前記中栓の天板の下面は、前記小突起よりも外側部分において下方に屈曲している請求項2に記載の複合容器蓋。
  4. 前記傾斜面の傾斜角θは、10度以上である請求項1乃至3の何れかに記載の複合容器蓋。
  5. 前記扁平状突部により、容器口部に装着された状態において、インナーリングの外壁面付け根部の上方に対応する部分では、天板上面と頂板部下面との間隔が、0.5mm以上に設定されている請求項1乃至4の何れかに記載の複合容器蓋。
  6. 前記扁平状突部は、中栓の天板の上面周縁部と前記上蓋の頂板部の下面周縁部との両方に形成されている請求項1乃至5の何れかに記載の複合容器蓋。
JP2001136248A 2001-05-07 2001-05-07 耐衝撃性に優れた合成樹脂製複合容器蓋 Expired - Fee Related JP5095053B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001136248A JP5095053B2 (ja) 2001-05-07 2001-05-07 耐衝撃性に優れた合成樹脂製複合容器蓋

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001136248A JP5095053B2 (ja) 2001-05-07 2001-05-07 耐衝撃性に優れた合成樹脂製複合容器蓋

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002332056A JP2002332056A (ja) 2002-11-22
JP5095053B2 true JP5095053B2 (ja) 2012-12-12

Family

ID=18983565

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001136248A Expired - Fee Related JP5095053B2 (ja) 2001-05-07 2001-05-07 耐衝撃性に優れた合成樹脂製複合容器蓋

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5095053B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4594687B2 (ja) * 2004-06-11 2010-12-08 日本クラウンコルク株式会社 金属薄板製シェルと合成樹脂製パッキンとから構成された容器蓋
JP5317387B2 (ja) * 2005-09-20 2013-10-16 日本クロージャー株式会社 中栓、中栓付複合容器蓋及びワンピースキャップ
JP5171011B2 (ja) * 2006-11-02 2013-03-27 日本クラウンコルク株式会社 中栓付きキャップ
JP5194150B2 (ja) * 2011-07-14 2013-05-08 ゴールド工業株式会社 容器
JP6188200B2 (ja) * 2013-05-31 2017-08-30 株式会社吉野工業所 密閉容器

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5420051Y2 (ja) * 1973-10-04 1979-07-21
JPS5645329Y2 (ja) * 1977-04-07 1981-10-23
JPS5743212U (ja) * 1980-08-21 1982-03-09
JPH0531078Y2 (ja) * 1986-04-28 1993-08-10
JP4327924B2 (ja) * 1997-11-22 2009-09-09 日本山村硝子株式会社 ピルファープルーフキャップ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002332056A (ja) 2002-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6779672B2 (en) Synthetic resin container closure
JP3990807B2 (ja) プラスチックキャップ
AU2016202319B2 (en) Synthetic resin cap, synthetic resin cap liner, closure device and beverage-contained closure device
US6260722B1 (en) Cap and container assembly
JP5095053B2 (ja) 耐衝撃性に優れた合成樹脂製複合容器蓋
JP2001139053A (ja) ネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造
JP7347938B2 (ja) 樹脂製容器口部とプラスチックキャップとの組み合わせ
JP5317387B2 (ja) 中栓、中栓付複合容器蓋及びワンピースキャップ
JP6932705B2 (ja) 樹脂製キャップ
JP4533597B2 (ja) 耐内圧性とラベル貼付性とに優れたプラスチックキャップ
JP6655741B1 (ja) キャップ
JP2022176541A (ja) 螺子キャップ
JP2000079954A (ja) 合成樹脂製容器蓋
JP4028041B2 (ja) 合成樹脂製キャップ及び閉止装置
JP2006224996A (ja) ライナー付プラスチックキャップ
WO2021060252A1 (ja) キャップ
JP4925158B2 (ja) キャップ用樹脂製ライナーの構造
JP4460933B2 (ja) 中栓付きキャップ
WO2020179607A1 (ja) 合成樹脂製キャップ
JP3524975B2 (ja) 開封明示機能を有するキャップ
JP3500191B2 (ja) ボトルの密封構造
JP4379859B2 (ja) キャップ
JP4383791B2 (ja) ベント機能を有するキャップ
US20070012646A1 (en) Vessel cap
JP4309175B2 (ja) プラスチックキャップ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101228

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110228

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110823

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111124

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120110

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20120330

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120919

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150928

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees