JP4925158B2 - キャップ用樹脂製ライナーの構造 - Google Patents

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本発明は、キャップの天板部下面に付設される密封用の樹脂製ライナーに関し、特に、容器口部の内面側に当接する環状突起が一体的に形成され、該環状突起の内面から半径方向内方に延びる複数の補強凸部が一体的に形成されていて、金属製のロールオンキャップに使用する密封用ライナーとして好適な、キャップ用樹脂製ライナーの構造に関する。
容器の口部に装着されるキャップで、密封用の樹脂製ライナーが天板部下面に付設されたキャップについて、金属製のロールオンキャップでは、キャッピング装置(キャッパー)によるロールオン成形によりキャップを容器口部に装着する際に、金属製のキャップの天板部周縁部にかしめ加工(絞り加工)を施すことで、図3に示すように、キャップ1の天板部21とスカート部22の接続部分に段部24を形成して、容器口部1の外面側(カール部11の外面側)にライナー3(外側環状突起33)を強く押し付けることで、容器口部1(カール部11)とライナー3との密着を強化して密封性を向上させる、ということが従来から行なわれている(例えば、下記の特許文献1など参照)。
一方、下記の特許文献2には、ライナー付きアルミ王冠において、プラスチックライナー(ポリエチレンライナー)の外周部に設けられたシール部に対して、中央部から外方向へ放射状に複数個の補強隆条を設けることにより、補強隆条による補強作用でシール部の変形を抑えて、シール部の変形によるシール性能(密封性)の低下を防止する、ということが開示されている。
特開2001−139053号公報 特開昭51−94380号公報
ところで、上記のようにキャップの天板部周縁部にかしめ加工を施して、容器口部の外面側にライナーを強く押し付けることで、充分な密封性を確保しようとする場合には、かしめ加工時にキャップだけでなく容器にも大きな応力が加わることで、ボトル型缶のような壁厚の薄い金属製の容器では、口頸部や胴部で座屈を生じる虞がある。また、ライナーの圧縮変形をキャップにより固定的に維持した状態で、ライナーと容器口部との密着面積を大きくしているため、ライナーと容器口部との接触摩擦が大きくなり、キャップを開栓・閉栓する際の回動トルクが大きくなって、キャップの開栓性が悪化することとなる。さらに、キャップによりライナーの圧縮変形を維持しているため、落下等の衝撃によりキャップが変形した場合には、容器口部とライナーとの密着状態が変化して密封性が低下するような虞がある。
なお、かしめ加工が施されるキャップのライナーには、低密度ポリエチレンを主体としてエラストマー等を混合した樹脂で、デュロメーターD硬さ(JIS K 7215D )では約7〜42程度、JIS−A硬度(JIS K 6235A ) では30〜90程度の硬さの樹脂が従来から主として使用されている。すなわち、ライナーの樹脂が軟らか過ぎると、ライナーの材料強度が弱くなって、ライナーの成形加工時には、成形安定性が劣り、キャップの開栓・閉栓時には、容器口部との接触摩擦によりライナーが摩耗し易くなる。一方、ライナーの樹脂が硬過ぎると、ライナーを圧縮変形させ難くなって、キャップのかしめ加工によりライナーを圧縮変形させる際に、打栓荷重が大きくなって容器の座屈が発生し易くなる。
そこで、ライナーに硬質の樹脂を使用しても容器が座屈しないように、キャップをかしめ加工してライナーを圧縮変形させるようなことなく、しかも、ライナーによる密封性を充分なものとするために、容器口部の内面側でのライナーによる密封性を向上させるということが考えられる。なお、容器口部の内面側にライナーの環状突起を当接させる場合には、キャップを容器口部に装着した状態で、ライナーの環状突起は、その基部(突起の付け根の部分)の付近を支点として内方に変形することで、容器口部に弾性的に当接することとなるが、この場合の樹脂の変形は、キャップのかしめ加工により外方から固定的に押圧される場合のような圧縮変形ではなく、キャップとは自由な状態で復元する弾性変形である。
そのようにライナーの環状突起を容器口部の内面側に弾性的に当接させる場合、充分な密封性を確保するためには、ライナーの環状突起を容器口部に強く当接させ、且つ、確実に密着させることが必要である。しかしながら、ライナーの樹脂を硬くすると、環状突起の基部で樹脂が硬くて変形し難いため、環状突起は大きい反力で容器口部に強く当接するものの、その反面、容器口部の形状に対して柔軟に対応できないため、環状突起と容器口部の形状や位置合わせの精度が厳密でないと、容器口部に確実に密着させるのが難しくなる。その逆に、ライナーの樹脂を軟らかくすると、容器口部との密着性は確実になるものの、環状突起の基部が変形し易いことで、反力が小さくなって容器口部に強く当接しないという問題がある。
本発明は、上記のような問題の解消を課題とするものであり、具体的には、キャップの天板部下面に付設される密封用の樹脂製ライナーの構造について、キャップのかしめ加工によりライナーを容器口部に押し付けるようなことなく、容器口部の内面側でライナーによる密封性を充分に確保できるようにすることを課題とするものである。
本発明は、上記のような課題を解決するために、金属製のネジ付き缶の容器口部に装着される金属製のロールオンキャップで、開口端付近がカール部に形成された容器口部に対してロールオン成形によりキャップを装着する際にキャップの天板部周縁部にかしめ加工を施さないようなキャップの天板部下面に付設される密封用の樹脂製ライナーにおいて、容器口部の内面側に当接する環状突起が、その基部側から端部側に向けて半径方向外方に拡がって傾斜するように一体的に形成され、該環状突起が半径方向内方に変形するのを抑えるための複数の補強凸部が、それぞれ該環状突起の内面から半径方向内方に延びるように一体的に形成されていると共に、開口端付近の内面側が内方に膨出する曲面となっている容器口部に対して、該環状突起の端部の外径が、容器口部の最小内径よりも大きくなっていて、容器口部にキャップを装着した状態で、該環状突起が、容器口部の最小内径部の高さよりも下方にまで突出しており、該環状突起の内面から延びる補強凸部が、容器口部の最小内径部の高さと略同じ高さまで下方に突出していることにより、該環状突起の基部側では、補強凸部により内側から支持された状態で容器口部に強く当接され、該環状突起の端部側では、補強凸部には支持されないフリーな状態となっていることを特徴とするものである。
上記のような本発明の樹脂製ライナーの構造によれば、容器口部の内面側に当接する環状突起は、その基部(上部)側で、補強凸部により内側(ライナーの中心側)から支持された状態となり、その端部(下部)側で、補強凸部には支持されないフリーな状態となっている。そのため、環状突起の各部で樹脂の硬さが同じであっても、環状突起の基部では、補強凸部の支持により変形し難くなっているため、環状突起を大きな反力で容器口部に強く当接させることができる。一方、環状突起の端部では、補強凸部による支持がなく変形し易い状態となっているため、この部分が容易に変形することで、容器口部と樹脂製ライナーの形状や位置合わせの精度が厳密でなくても、環状突起を容器口部の内面側に確実に密着させることができる。その結果、ライナーの環状突起を、容器口部の内面側に強く当接させ、且つ、確実に密着させることができて、容器口部の内面側でのライナーによる密封性を充分に確保することができる。
また、上記のような本発明の樹脂製ライナーの構造によれば、金属製のロールオンキャップにおいて上記のように容器口部の内面側において充分な密封性が得られることで、従来のように、キャップの天板部周縁部にかしめ加工を施して、ライナーを圧縮変形させた状態で、容器口部の外面側に強く押し付けることにより、容器口部の外面側での密封性を向上させるというような必要がない。そのため、キャップの天板部周縁部にかしめ加工を施さないことで、かしめ加工に起因して発生する容器の座屈を考慮することなく、ライナーの樹脂材料として従来よりも硬質の樹脂を使用することができる。その結果、ライナーの樹脂材料の選択範囲が拡がり、そのうちの安価な樹脂材料を使用することで、材料コストを削減することができる。
なお、環状突起の内面から半径方向内方に延びる複数の補強凸部を一体的に形成することで、環状突起が変形するの補強凸部の支持によって防止するということは、上記の特許文献2(特開昭51−94380号公報)にも開示されているが、該引用文献中に開示されたものは、環状突起(シール部)と補強凸部(補強隆条)とを同じ高さで下方に突出させたものであり、環状突起(シール部)の全体を補強凸部(補強隆条)により支持しているものであって、本発明のように環状突起の基部側だけを補強凸部で支持しているものではなく、また、開口端付近の内面側が内方に膨出する曲面となっている容器口部に対してキャップを装着した状態で、環状突起の端部が、容器口部の最小内径部よりも下方且つ外方に突出し、補強凸部が、容器口部の最小内径部と略同じ高さまで下方に突出しているようなものではない。
金属製のネジ付き缶の容器口部に装着される金属製のロールオンキャップで、開口端付近がカール部に形成された容器口部に対してロールオン成形によりキャップを装着する際にキャップの天板部周縁部にかしめ加工を施さないようなキャップの天板部下面に付設される密封用の樹脂製ライナーについて、キャップのかしめ加工によりライナーを容器口部に押し付けるようなことなく、容器口部の内面側でライナーによる密封性を充分に確保できるようにするという目的を、最良の形態として以下の実施例に具体的に示すように、容器口部の内面側に当接する環状突起を、その基部側から端部側に向けて半径方向外方に拡がって傾斜するように一体的に形成し、該環状突起が半径方向内方に変形するのを抑えるための複数の補強凸部を、それぞれ該環状突起の内面から半径方向内方に延びるように一体的に形成すると共に、開口端付近の内面側が内方に膨出する曲面となっている容器口部に対して、該環状突起の端部の外径を、容器口部の最小内径よりも大きくして、容器口部にキャップを装着した状態で、該環状突起を、容器口部の最小内径部の高さよりも下方にまで突出させ、該環状突起の内面から延びる補強凸部を、容器口部の最小内径部の高さと略同じ高さまで下方に突出させることにより、該環状突起の基部側では、補強凸部により内側から支持された状態で容器口部に強く当接させ、該環状突起の端部側では、補強凸部には支持されないフリーな状態にする、ということで実現した。
本実施例では、密封用の樹脂製ライナーが付設されるキャップは、金属製のロールオンキャップであり、周知のキャッピング装置(キャッパー)によるロールオン成形により、金属製の缶容器(ボトル型缶等)の容器口部に装着されるものであって、図1に示すように、開口端付近が外巻きのカール部11に形成されて、周壁にネジ13が形成された容器口部(口頸部)1に対して、容器口部1のネジ13に合わせてネジ23が形成された状態で、キャップ2が装着されている。
このキャップ2の天板部21の下面(内面)側には、密封用の樹脂製ライナー3が一体的に付設されており、略円板状のライナー3の周辺部には、環状の平坦面32を挟んで同心的に内側の環状突起31と外側の環状突起33とが一体的に形成されていて、容器口部1にキャップ2を装着した状態で、容器口部1の開口端に形成された外巻きのカール部11に対して、内側環状突起31がカール部11の内面側に当接し、環状平坦面32がカール部11の頂面に当接し、外側環状突起33がカール部11の外面側に当接するようになっている。
容器口部1のカール部11の内面側に当接する内側環状突起31は、その基部(付け根)から端部(先端)に向けて半径方向(キャップの半径方向)外方に拡がるように全体が傾斜しており、この内側環状突起31の端部での外径(外面の直径)は、カール部11の最小内径部11aの直径よりも大きくなっている。そして、容器口部1にキャップ2を装着した状態で、容器口部1のカール部11の内面側に対して、内側環状突起31は、カール部11の最小内径部11aの高さよりも下方にまで長く突出して、カール部11の最小内径部11aよりも少し下方までカール部11の内面側に密着している。
そのように内側環状突起31が形成されたライナー3には、更に、内側環状突起31の内面から半径方向(キャップ半径方向)内方に延びるように補強凸部34が一体的に形成されており、この補強凸部34は、図2に示すように、ライナー3の中心部から放射状に複数本(本実施例では8本)形成されていて、各補強凸部34の内端部分同士が一体的に接続され、各補強凸部34の外端部分が内側環状突起31の内面に一体的に接続されている。
このように各補強凸部34が放射状に形成されてライナー3の中心部で互いに接続されていることで、内側環状突起31が容器口部に当接した際には、内側環状突起31から各補強凸部34に作用する半径方向内方への力が、それぞれの補強凸部34とは反対側にある補強凸部34に相互に作用することとなる。そのため、ライナー3の樹脂量を削減するために各補強凸部34の幅を小さくした場合でも、内側環状突起31が内方に変形するのを効果的に抑えることができる。
この補強凸部34の下方への突出量(上下方向の高さ)については、下方に長く突出する内側環状突起31に対して、その途中の高さまで補強凸部34は下方に突出しており、具体的には、図1に示すように、容器口部1にキャップ2を装着した状態で、ライナー1の内側環状突起31が、カール部11の最小内径部11aの高さよりも下方にまで長く突出するのに対して、補強凸部34は、カール部11の最小内径部11aの高さと略同じ高さまで突出している。
なお、キャップの天板部下面側に付設される樹脂製のライナーでは、既に述べたように、低密度ポリエチレンを主体としてエラストマー等を混合した樹脂で、デュロメーターD硬さ(JIS K 7215D )で約7〜42程度の硬さの樹脂が従来から一般的に使用されているが、上記のような構造を備えた本実施例の樹脂製ライナーでは、デュロメーターD硬さ(JIS K 7215D )で50を超える硬質の樹脂を使用している。
そして、そのような硬質樹脂によるライナーが付設された金属製のロールオンキャップについて、本実施例では、金属製の缶容器(ボトル型缶等)の容器口部にロールオン成形によりキャップを装着する際に、キャップの天板部周縁部にかしめ加工を施さないようにしている。
上記のような本実施例のキャップ用樹脂製ライナーの具体例について以下に示す。
アルミニウム合金板(JIS 3105-H34) から製造された外径が約28mmのピルファープルーフキャップ用の金属製キャップ(シェル)に対して、その天板部下面に、デュロメータD硬さ(JIS K 7215)が60の低密度ポリエチレン樹脂(株式会社 日本化学研究所製ポリマーD)を使用して、内側環状突起と外側環状突起(及びその間の環状平坦部)と補強凸部とを備えた樹脂製ライナーを付設した。
略円板状のライナーの基板部(内側環状突起、外側環状突起、環状平坦部、補強凸部等が形成されていない部分)の厚さは約0.5mmである。
外側環状突起は、天板部に対して略垂直な状態で下方に突出しており、外径は約25.8mm、厚さ(キャップ半径方向の幅)は約0.5mm、突出量(キャップの天板部下面から下方に突出する垂直方向の高さ)は約2.7mmである。
内側環状突起は、基部から端部に向けて半径方向(キャップ半径方向)外方に傾斜した状態で下方に突出しており、垂直面に対して、内面の傾斜角度は約15°、外面の傾斜角度は約9°となっている。基部での内径は約16.4mm、厚さ(キャップ半径方向の幅)は平均で約1.1mm、突出量(キャップ天板部から下方に突出する垂直方向の高さ)は約3.5mmである。
外側環状突起と内側環状突起との間の環状平坦部の巾(キャップ半径方向の長さ)は約2.0mmである。
補強凸部は、ライナーの中央部で互いに接続するように放射状に8本形成されており、突出量(キャップ天板部下面から下方に突出する垂直方向の高さ)は約1.7mm、厚さ(半径方向に直交する方向の幅)は約1.0mmである。
上記のような樹脂製ライナーが付設されたキャップについては、キャッピング装置(キャッパー)によるロールオン成形により、キャップの天板部周縁部にかしめ加工を施さない状態で、金属製ボトル型缶の容器口部(外径が約28mmでネジ部が形成された口頸部)に装着した。
なお、上記のような具体例を含む本実施例のライナー構造では、内側環状突起の突出量は、2〜5mm(好ましくは3〜4mm)の範囲とするのが良く、突出量がこの範囲未満であると、内側環状突起を容器口部の内面側に当接させる際に、内側環状突起の半径方向内方への変形量が小さくなるため、内側環状突起を容器口部に嵌入し難くなる。一方、突出量がこの範囲を超えると、使用する材料が増加してコストアップを招くだけでなく、容器口部に嵌入する際の摩擦抵抗が大きくなって、やはり内側環状突起を容器口部に嵌入し難くなる。
また、内側環状突起の厚さは、0.5〜1.5mmの範囲とするのが良く、厚さがこの範囲未満であると、内側環状突起を容器口部の内面側に当接させた時に、口部内面に当接する圧力を充分に確保できなくなる虞がある。一方、厚さがこの範囲を超えると、使用する材料が増加してコストアップを招くだけでなく、容器口部に嵌入する際の内側環状突起の半径方向内方への変形に必要な圧力が大きくなり過ぎて、内側環状突起を容器口部に嵌入し難くなる。
また、容器口部の内面側に当接する位置での内側環状突起の外径(外面の直径)は、キャップを容器口部に装着される前の状態で、内側環状突起が当接する位置での容器口部の内径よりも0.1〜1.0mm大きくなるように形成するのが良く、それにより、容器口部の内面側に内側環状突起が適切な圧力で当接して、良好な密封性を確保することができる。この範囲未満では、当接圧力が小さくて、充分な密封性が得られないことがあり、一方、この範囲を超えると、内側環状突起を容器口部に嵌入し難くなる。
さらに、本実施例では、容器口部の内面側に当接する内側環状突起だけでなく、容器口部の外面側に当接する外側環状突起を、半径方向外方に変形可能なように設けているが、この外側環状突起の突出量は、1〜5mm(好ましくは2〜4mm)の範囲とするのが良く、突出量がこの範囲未満であると、外側環状突起を容器口部の外面側に当接させる際に、外側環状突起の半径方向外方への変形量が小さくなるため、外側環状突起を容器口部の外面側に嵌合し難くなる。一方、突出量がこの範囲を超えると、使用する材料が増加してコストアップを招くだけでなく、外側環状突起の半径方向外方への変形量が大きくなって、容器口部の外面側での当接圧力を充分に確保できなくなる虞がある。
また、外側環状突起の厚さは0.2〜1.0mmの範囲とするのが良く、厚さがこの範囲未満であると、外側環状突起が容器口部の外面側に当接した時に、容器口部の外面側での当接圧力を充分に確保できなくなる虞がある。一方、厚さがこの範囲を超えると、使用する材料が増加してコストアップを招くだけでなく、外側環状突起を半径方向外方に変形させるのに必要な圧力が大きくなって、外側環状突起を容器口部の外面側に嵌合し難くなる。
また、容器口部の外面側に当接する位置での外側環状突起の内径(内面の直径)は、キャップを容器口部に装着される前の状態で、外側環状突起が当接する位置での容器口部の外径よりも0.1〜1.0mm小さくなるように形成するのが良く、それにより、容器口部の外面側に外側環状突起が適切な圧力で当接して、良好な密封性を確保することができる。この範囲未満では、当接圧力が小さくて、充分な密封性が得られないことがあり、一方、この範囲を超えると、外側環状突起を容器口部に嵌合し難くなる。
上記のような本実施例のキャップ用樹脂製ライナーの構造によれば、ライナーの内側環状突起は、その基部側で、補強凸部により支持された状態となり、その端部側で、補強凸部には支持されないフリーな状態となる。そのため、内側環状突起の各部で樹脂自体の硬さは同じであっても、内側環状突起の基部側では、補強凸部の支持により変形し難くなるため、内側環状突起を大きな反力で容器口部の内面側に強く当接させることができる。
そのように補強凸部の支持により内側環状突起を容器口部の内面側に強く当接させることができると共に、内側環状突起の端部側では、補強凸部による支持がなく変形し易い状態となっているため、この部分が容易に変形することで、容器口部とライナーの形状や位置合わせの精度が厳密なものでなくても、内側環状突起を容器口部の内面側に確実に密着させることができる。その結果、ライナーの内側環状突起を、容器口部の内面側に強く当接させ、且つ、確実に密着させることができて、容器口部の内面側でのライナーによる密封性を充分に確保することができる。
すなわち、本実施例では、具体的には、図1に示すように、容器口部1の開口端付近が外巻きのカール部11に形成されて、このカール部11の内面側は内方に膨出する曲面となっており、一方、カール部11の内面側に当接するライナー3の内側環状突起31は、その基部側から端部側に向けて半径方向外方に拡がるように傾斜していて、内側環状突起31の端部の外径(外面の直径)が、カール部11の最小内径部11aの直径よりも大きくなっている。そして、容器口部1にキャップ2が装着された状態で、ライナー3の内側環状突起31は、カール部11の最小内径部11aの高さよりも下方にまで長く突出して、最小内径部11aよりも少し下方までカール部11と密着するようになっている。
そのような構造において、内側環状突起31が全体的に変形し難いものであると、カール部11の最小内径部11aよりも下方まで嵌入させて密着させるということは困難であるが、本実施例では、カール部11の最小内径部11aよりも下方にまで突出する内側環状突起31に対して、内側環状突起31を内側から支持する補強凸部34は、カール部11の最小内径部11aの高さと略同じ高さまでしか突出していないため、容器口部1にキャップ2を装着する際に、内側環状突起31の端部側は、補強凸部34とはフリーな状態で容易に変形することとなり、そのため、内側環状突起31をカール部11の最小内径部11aよりも下方まで容易に嵌入させて、カール部11の内面側に良好に密着させることができる。しかも、容器口部1にキャップ2を装着した状態では、内側環状突起31は、その基部が補強凸部34に支持されて変形し難いことから、大きい反力でカール部11の内面側に強く当接することとなる。
さらに、本実施例では、容器口部の内面側で良好な密封性が得られるものの、図1に示すように、樹脂製のライナー3には、容器口部の内面側に当接する内側環状突起31だけでなく、容器口部の外面側に当接する外側環状突起33も形成しており、それによって、容器内圧の増加によりキャップの天板部が上方に膨出するように変形したような場合でも、外側環状突起33が、ライナー3の中央部の膨出に連れて内方に変形し、容器口部の外面側(カール部11の外面側)に強く密着することで、ライナー3による密封性が低下するのを一層確実に防止することができる。特に、従来よりも硬質の樹脂を用いることで、このような効果を高めることができる。
また、本実施例では、容器口部の内面側で良好な密封性が得られることで、キャップの天板部の周縁部にかしめ加工を施してライナー(外側環状突起)を容器口部の外面側(カール部の外面側)に強く押し付けるというような必要性はなく、そのため、キャップのかしめ加工時に起きる不都合を考慮することなく、ライナーの樹脂材料として従来よりも硬質の樹脂を使用することができる。その結果、ライナーの樹脂材料の選択範囲を拡げることができて、そのうちの安価な樹脂材料を選択的に使用することで、材料コストを削減することができる。
なお、本実施例では、デュロメータD硬さ(JIS K 7215)が50以上という硬質の樹脂をライナーに使用しているが、そのように硬質の樹脂を使用することで、ライナーの耐クリープ性が向上して、長期間にわたり良好な密封性を維持することができる。また、容器口部との当接部分でのライナーの局部的な変形が小さい(ライナーへの容器口部の食い込みが小さい)ため、キャップ開閉時に、両者の当接部分での摩擦抵抗が小さく(滑り易く)なり、キャップの回動トルクが低く抑えられて、キャップの開閉性が向上する。さらに、落下等の衝撃があってもライナーの樹脂が硬質で変形し難いことから、落下等の衝撃によりライナーが変形して密封性が低下するのを好適に防止することができる。
以上、本発明のキャップ用樹脂製ライナーの構造について一実施例により説明したが、本発明は、上記のような具体的な実施例にのみ限定されるものではなく、例えば、キャップが装着される容器については、開口端付近が断面略円形の外巻きカール部に形成された容器に限らず、開口部の切断端部をカール部の内側に巻き込んで3重や4重に折り畳んだようなカール部や、外巻きカール部の外周面を平面状に押し潰したようなカール部等、種々の形状のカール部を有する容器に対しても適用可能なものである。
また、ライナーの樹脂材料については、適宜の硬度の樹脂を選択的に利用しても良いものであり、ライナーの具体的な構造について、上記の実施例では、ライナーの中心部から放射状に補強凸部を形成しているが、必ずしも補強凸部を内側環状突起の内面からライナーの中心部にまで延ばさなくても良く、また、上記の実施例では、容器口部の内面側に当接する環状突起(内側環状突起)だけでなく、容器口部の外面側に当接する環状突起(外側環状突起)も形成しているが、場合によっては外面側の環状突起(外側環状突起)は省略しても良い等、適宜に設計変更可能なものであることはいうまでもない。
本発明のキャップ用樹脂製ライナーの構造の一実施例について、容器口部にキャップが装着されている状態でのライナーの要部の構造を示す部分拡大断面図。 図1に示したライナーの全体を下方から見た状態を示す下面図。 従来例について、容器口部にキャップが装着されている状態でのライナーの要部の構造を示す部分拡大断面図。
符号の説明
1 容器口部
2 キャップ
3 ライナー
11 (容器口部の)カール部
11a (カール部の)最小内径部
21 (キャップの)天板部
31 (ライナーの)内側環状突起
32 (ライナーの)環状平坦面
33 (ライナーの)外側環状突起
34 (ライナーの)補強凸部

Claims (4)

  1. 金属製のネジ付き缶の容器口部に装着される金属製のロールオンキャップで、開口端付近がカール部に形成された容器口部に対してロールオン成形によりキャップを装着する際にキャップの天板部周縁部にかしめ加工を施さないようなキャップの天板部下面に付設される密封用の樹脂製ライナーにおいて、容器口部の内面側に当接する環状突起が、その基部側から端部側に向けて半径方向外方に拡がって傾斜するように一体的に形成され、該環状突起が半径方向内方に変形するのを抑えるための複数の補強凸部が、それぞれ該環状突起の内面から半径方向内方に延びるように一体的に形成されていると共に、開口端付近の内面側が内方に膨出する曲面となっている容器口部に対して、該環状突起の端部の外径が、容器口部の最小内径よりも大きくなっていて、容器口部にキャップを装着した状態で、該環状突起が、容器口部の最小内径部の高さよりも下方にまで突出しており、該環状突起の内面から延びる補強凸部が、容器口部の最小内径部の高さと略同じ高さまで下方に突出していることにより、該環状突起の基部側では、補強凸部により内側から支持された状態で容器口部に強く当接され、該環状突起の端部側では、補強凸部には支持されないフリーな状態となっていることを特徴とするキャップ用樹脂製ライナーの構造。
  2. 複数の補強凸部が、ライナーの中心部から放射状に形成されていて、各補強凸部の内端部分同士が一体的に接続され、各補強凸部の外端部分が環状突起の内面に一体的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ用樹脂製ライナーの構造。
  3. 樹脂製ライナーには、間隔を置いて同心的に外側環状突起と内側環状突起とが一体的に形成されていて、容器口部の内面側に内側環状突起が当接し、容器口部の外面側に外側環状突起が当接することを特徴とする請求項1又は2に記載のキャップ用樹脂製ライナーの構造。
  4. 樹脂製ライナーが、デュロメーターD硬さ(JIS K 7215D )で50を超える硬質の樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のキャップ用樹脂製ライナーの構造。
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