JP7030503B2 - キャップ付きボトル缶 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に開示のボトル缶(ボトル型缶)では、開口部の切断端部を外側に二重以上に折り畳みながら巻き込むようにして外巻きのカール部が形成されており、そのカール部にキャップが装着されている。この場合、カール部の頂部がライナー(シール部)に食い込むように密接している。
また、特許文献3に開示のボトル缶でも、カール部は、外周面に缶軸方向に沿う円筒面状の平面部が形成されており、ライナーの密封層がカール部の天頂部から平面部にかけて圧接されている。また、この特許文献3では、キャップのライナーが摺動層と密封層との二層構造とされており、ボトル缶のカール部にキャップが装着されると、ライナーの密封層がカール部に圧接されるようになっている。
これら特許文献2及び特許文献3記載のボトル缶では、ライナーがカール部の天頂部から外周面の平面部にかけた広い範囲で密接するとともに、カール部の天頂部と外周面の平面部との間の屈曲部がライナーに食い込むため、高い密封性を確保することができる。
特許文献1や2に記載のボトル缶では、レトルト殺菌された場合に、十分な落下強度を得られにくい。また、開栓トルクも大きくなる傾向にある。
特許文献3に開示のボトル缶では、レトルト殺菌された場合でも、十分な落下強度と低い開栓トルクとを達成しているが、炭酸飲料用には不十分である。
炭酸飲料が充填される場合、自動販売機で缶が落下した際に内圧が急上昇するため、さらなる落下強度の向上が求められている。
密封性が高いキャップは一般に開栓のためのトルクが大きくなって開けづらくなるが、キャップ本体の天面部に接する面が摺動層によって形成され、開栓時にキャップ本体とライナーとが摺動するので、密封性が高いにもかかわらず開栓も容易である。
また、レトルト殺菌時に密封層は、軟化するのでボトル缶のカール部を食い込ませ得る柔軟性を有する。一方、内容物が炭酸飲料の場合、熱殺菌工程がないので、カール部を強固に密封層に食い込ませるのが難しい。そこで本発明では、密封層に突条部を形成しており、キャップ天面の外周端を絞り成形することにより、突条部がカール部の外周側下部まで到達するので、高い面圧が得られ、落下強度特性が飛躍的に向上する。
カール部の天頂部からカール部の外周側の広い範囲にライナーが密接することにより、密封性をより高めることができる。
第1実施形態のライナー付きキャップ1は、図1に示すように、例えば直径38mm口径(ボトル側ねじ部35の外径が36mm~38mm)のアルミニウム又はアルミニウム合金製(金属製)のボトル缶3の口金部33に装着されて密栓するピルファープルーフキャップとなるものである。
このライナー付きキャップ1は、アルミニウム又はアルミニウム合金板材をカップ状に成形することにより、天面部4とその天面部4の周縁から略垂下する円筒部5とを形成してなるキャップ本体6と、そのキャップ本体6の内面に設けたライナー2とを有する。
このキャップ本体6に挿入されるライナー2は、キャップ本体6の天面部4の内面と摺動する摺動層21と、この摺動層21に積層された密封層22との二層構造とされている。摺動層21は、密封層22よりも高い硬度を有し、ポリプロピレン樹脂等によりほぼ均一厚さの円板状に形成されている。密封層22は、柔軟なエラストマー樹脂等で形成され、ボトル缶3の口金部33に装着されたときに後述のカール部37に当接してボトル缶3内部を密封するシール機能を有している。
この突条部25は、突出方向の先端に向かうにしたがってわずかに拡径するように、缶軸方向に対して傾斜して設けられている。その内周の傾斜面25aとシール部24の表面とのなす角度θは55°~85°が好適である。また、突条部25の突出高さH1は、後述するようにボトル缶3のカール部37にキャップ1を装着したときに、カール部37の外周側下部に密接し得る寸法とされ、例えば1.3mm~2.5mmに形成される。
また、ベントホール12の上側開口端部12aの先端は、図2及び図3に示すように、挿入された際のライナー2の外周縁よりも半径方向内方に位置されているとともに、下側開口端部12bの先端と半径方向で同位置又はその先端よりもわずかに半径方向内方に位置している。
このキャッピングヘッド70は、キャップ押さえ61を備えたプレッシャーブロック62と、ねじ部成形ロールとしての第1ロール63と、ピルファープルーフロールとしての第2ロール64とを備えている。プレッシャーブロック62は下端部が筒状に形成されており、その内側に配置されるキャップ押さえ61との間で缶軸方向に相対移動可能であり、キャップ押さえ61との間にばね65が設けられている。また、第1ロール63及び第2ロール64はプレッシャーブロック62の周囲を旋回可能かつ缶軸方向に移動可能に支持されている。
一方、カール部37とキャップ1の密封層22とが広い範囲で密接していると、開栓トルクが高くなるおそれがあるが、本実施形態のキャップ1は、キャップ本体6に摺動層21が接しているので、開栓時にキャップ本体6と摺動層21とが摺動することにより、開栓トルクの増大を抑制することができる。
第2実施形態では、キャップ100のライナー2における密封層22に、シール部24の外周縁から缶軸を通る縦断面で三角形状をなす突条部27が設けられている。この突条部27は、第1実施形態の突条部25に比べて突出高さH2が高く、また、傾斜面27aのシール部24表面に対する角度θも大きく形成されている。この角度θは、60°~90°が好適である。また、突条部27の先端から摺動層21表面までの外周面も、わずかではあるが、突出方向の先端に向かうにしたがって漸次拡径するように傾斜している。突条部27の突出高さH2は1.5mm~2.7mmが好ましい。
この実施形態のキャップ付きボトル缶110では、ライナー2のシール部24がカール部37に広い範囲で密接して、優れた密封性を発揮することができ、また、摺動層21が設けられていることにより、開栓トルクも低くすることができる。
これにより、密封性をより向上させることができる。
カール部37として、カール端部44が缶軸方向の下方に向けて設けられているものを例示したが、本発明のキャップが装着されるボトル缶のカール部としては、特許文献1記載のように開口部の切断端部を二重以上に折り畳んで巻き込むようにした外巻きのカール部、開口部の切断端部を上端で丸く折り返して縦断面を円筒状に形成したカール部、などにも適用することができる。
その場合、カール部の外周側下部は、缶軸方向に対して斜め下向きに凸となる屈曲部(特許文献1記載のカール部における外周下部の屈曲部)を介してほぼ傾斜面状のカール端部が連続するもの、あるいは、上端で折り返されて下向きとなった切断端部により形成され、この屈曲部又は切断端部もしくは切断端部の近傍にライナーの突条部が密接する。カール部に下部屈曲部が形成されている場合は、ライナーの突条部は、少なくとも下部屈曲部の上端(外周筒部との接続端)を超える位置までは密接しているとよい。
また、カール部の外周筒部は、実施形態では、ほぼ缶軸方向に沿う円筒状に形成されているが、必ずしもストレートの筒状でなくてもよく、半径方向に緩やかに膨出する凸面に形成されていてもよい。また、缶軸方向の先端からから缶底方向に向かうにしたがって漸次縮径する、あるいは、漸次拡径するように、缶軸方向に対してわずかに傾斜していてもよい。
また、比較例として、図14(a)(b)(c)で示す各キャップ101,102,103を装着したボトル缶も作製した。ボトル缶のカール部104,106は図14(a)(c)では、前述した実施形態と同様の形状であるが、図14(b)では、特許文献1記載のように二重に折り畳んだカール部105とした。これら比較例のキャップ101~103において、ライナー107,108,109はいずれもキャップ本体内にモールド成形することによって形成されている。また、図14(a)、(b)のキャップ101,103は、カール部104,106の内側に配置される突条110,112と、カール部104,106の外側に配置される突条111,113とが形成されている。図14(c)のキャップ103は、カール部106の内側に配置される突条114のみが形成されているが、カール部106には接触していない。
・ボトル缶のねじ山外径:36mm~38mm
・カール部外径:33.0mm~33.8mm
・スカート部(膨出部34)外径:37mm~39mm
・缶高さ:128mm~132mm
・絞り部(4a)の深さ:1.4mm~1.8mm
・ねじ山高さ:0.65mm(10缶を周方向の3箇所で測定した平均値)
・首部(膨出部34の下方部分)肉厚:0.300mm~0.34mm
・壁部(胴部31の最薄部)肉厚:0.120mm~0.130mm
・缶重量:19.5g~20.5g
・キャップ外径38mm
・内外面塗装した厚さ0.25mmのアルミニウム合金製のキャップ本体
・摺動層は、厚さ0.5mmのポリプロピレン製のシート樹脂をキャップ本体に挿入し、密封層はシール部24の厚さ0.8mm、突条部25の突出高さH1の寸法は、2.4mmとした。
開栓トルクは、開栓時にキャップが回り始める際のトルク(第1トルク)と、その後にブリッジが破断される際のトルク(第2トルク)を室温で10缶測定し、平均値を求めた。
傾斜落下試験は、水平面から10°傾けた鋼板の上に、各種の高さからキャップを下向きにしてボトル缶を10缶落下させ、漏れの有無を確認した。漏れの有無は、落下試験の前後の重量を測定し、その差が20mg以上となった場合を漏れ缶とし、その数を表に記載した。
これらの結果を表1に示す。表中、「-」は実施しなかったことを示す。
2 ライナー
3 ボトル缶
4 天面部
4a 絞り部
5 円筒部
6 キャップ本体
7 スリット
7a ブリッジ
8 筒上部
9 筒下部
11 ナール凹部
12 ベントホール
12a 上側開口端部
12b 下側開口端部
21 摺動層
22 密封層
24 シール部
25,27 突条部
27a 傾斜面
31 胴部
33 口金部
34 膨出部
35 ボトル側ねじ部
36 テーパ部
37 カール部
38 キャップ側ねじ部
41 内周側屈曲部
42 天頂屈曲部
43 外周筒部
44 カール端部
44a 先端角部
45 円弧接続部
62 プレッシャーブロック
10,110,130,150 キャップ付きボトル缶
Claims (2)
- 開口端部にカール部を有するボトル缶の前記カール部にライナー付きキャップを装着してなるキャップ付きボトル缶であって、
前記キャップは、その天面部の内面に設けられ、前記天面部の内面に接触する摺動層と、前記カール部に接触する密封層とが積層されてなるライナーとを有し、
前記ライナーの前記密封層の外周縁部に、突条部が周方向に沿って設けられており、
前記ライナーは、前記密封層が前記カール部の天頂部に圧接されるとともに、前記突条部が前記カール部の外周面から該カール部の外周側下部まで隙間なく密接していることを特徴とするキャップ付きボトル缶。 - 前記ライナーは、前記カール部の天頂部から前記カール部の高さの3/4までの範囲にわたって当接していることを特徴とする請求項1記載のキャップ付きボトル缶。
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