JP6546946B2 - キャップ付きボトル - Google Patents
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Description
前記外周凹状屈曲部は、前記外向き湾曲部より半径方向内方に凹状に屈曲しており、
前記キャップ内に設けられた密封材が前記天頂折り返し部の前記外周側円弧部から前記外周筒部の外周面に密接させられているとともに、前記キャップのスカート部の周方向に形成された複数のベントホールが前記密封材より缶軸方向下方で、前記ねじ部より缶軸方向上方に位置している。
したがって、天頂折り返し部からカール部外周面にかけてライナに堅固に密着し、その密封性を向上させることができる。
(第1実施形態)
図1〜図58は、口部の外周部にねじ部を有するボトル缶の第1実施形態を示している。
このボトル缶10は、アルミニウム又はアルミニウム合金の薄板金属からなり、図1に示すように、有底円筒状の胴部11と、胴部11の上端で半径方向内方に屈曲するように縮径された肩部12と、肩部12から缶軸方向の上方に向けて漸次縮径するテーパ筒部13と、テーパ筒部13の上端に連続する口部14とにより形成されている。また、口部14は、テーパ筒部13の上端に形成された膨出部15と、膨出部15の上端に連続するねじ部16と、ねじ部16の上端から上方に向かうにしたがって漸次縮径する縮径部17と、縮径部17の上端で開口端部を半径方向外側に折り返した状態に形成されたカール部18とを有している。そして、この口部14に、図2(a)に示すようにキャップ材3が被せられ、キャップ材3の天面部31内面のライナ40がカール部18に圧接され、ねじ部16に沿ってキャップ材3の円筒状のスカート部33がねじ加工され、そのスカート部33の下端部が膨出部15に係止されることにより、キャップ30が成形され、口部14が密封される(図2(b)参照)。以下の説明においては、図1に示す向きで上下方向を定めるものとする。
また、外周筒部24の外周面の缶軸方向長さ(天頂折り返し部23の上面から外周凹屈曲部25までの長さ)Lは、後述するライナが密着するシール部分の長さとして0.7mm以上確保するために、1.0mm以上であることが好ましい。好ましくは、1.5mm以上2.0mm以下がよい。
スカート部33の下端部には、周方向に断続的にスリット36が形成されており、このスリット36を介してスカート部33が筒上部33aと筒下部33bとに分けられるとともに、スリット36の間に形成される複数のブリッジ37によって、筒上部33aと筒下部33bとが連結した形状とされる。
そして、図5(a)に示すように、テーパ筒部13の上端より若干上方位置から円筒部5を再度拡径した後に、その拡径部分の下端部を除き、上方部分を再度縮径するなどにより、ねじ加工する前の筒状部6を形成する。次いで、この筒状部6にねじ加工を施して、図5(b)に示すようにねじ部16を形成する。このねじ部16が形成された状態では、ねじ部16の上に、上方に向かうにしたがって漸次縮径する縮径部17、及び、その上に連なり缶軸方向に沿うストレートの開口筒部8が形成されている。そして、その開口筒部8を半径方向外方に折り返してカール部18を形成する(図5(c))。
次に、上部押しつぶし工程では、成形ツール52として、図3(a)に二点鎖線で示すように、上部折り返し部28により形成される開口部内に挿入される内側ロール52Cと、予備カール部19の半径方向外方に配置した外側ロール52Dとを用いて予備カール部19の上部を加工する。この場合、内側ロール52Cは、その缶軸方向の高さは予備カール部19の高さよりも大きく、これにより、予備カール部19の全体を内周側から支持する。これに対して、外側ロール52Dの下端は、予備カール部19の缶軸方向の途中位置に配置される。そして、両ロール52C,52Dを相互に接近させることにより、予備カール部19の内周部を内側ロール52Cにより支持しながら、外周部の上部を半径方向外方から外側ロール52Dにより板厚方向に押しつぶしながら両ロール52C,52Dの間に挟持することにより、図6(b)に示すように、予備カール部19の下部はそのままにして、上部の半径方向厚さを小さくする。これにより、外側ロール52Dで押圧された部分には、外周側円弧部23b、外周筒部24、外周凹状屈曲部25、外周側上向き屈曲部26aが形成され、その下方に、外周側下向き屈曲部26bが残される。
このキャッピングヘッド70は、キャップ押さえ61を備えたプレッシャーブロック62と、ROロール(ロールオンロール)としての第1ロール63と、PPロール(ピルファープルーフロール)としての第2ロール64とを備えている。プレッシャーブロック62は下端部が筒状に形成されており、その内側に配置されるキャップ押さえ61との間で缶軸方向に相対移動可能であり、キャップ押さえ61との間にばね65が設けられている。また、第1ロール63及び第2ロール64はプレッシャーブロック62の周囲を旋回可能かつ缶軸方向に移動可能に支持されている。
このようにキャッピングされることで、キャップ30内のライナ40が、ボトル缶10の口部14に押し付けられ、内部を密封する。
したがって、天頂折り返し部23から外周筒部24にかけてライナ40に堅固に密着し、その密封性を向上させることができる。
前述したように、特許文献1記載のボトル缶のカール部ではシール切れのおそれがある。この特許文献1ではカール部のサイドでシールする構造としているため、そのサイド面から天頂の間の屈曲部でシール部が薄肉になり、シール切れが生じ易い。これに対して、本実施形態のボトル缶10のカール部18では、天頂折り返し部23が真上に向けられているため、キャップ30のライナ40のシール部43も厚肉に形成しておくことが可能であり、天頂折り返し部23の食い込みによるライナ切れが生じにくくなる。
このようなシール構造において、外周筒部24の外周面にライナ40が密着するシール部分の長さは0.7mm以上であることが好ましい。このため、外周筒部24の外周面の長さLは、1.0mm以上であるとよい。好ましくは、1.5mm以上2.0mm以下がよい。長すぎると、無駄な材料を使用することになり、また、キャップ材3の高さが一定の場合、所定のねじ巻き数やねじピッチが得られなくなるおそれがある。
前述の実施形態では、カール部18は、予備カール部19の上部の外周部を半径方向内方に押しつぶして形成したが、図9及び図10に示すように、予備カール部19の内周部も半径方向外方に押しつぶすことにより、さらに上部を薄肉にしたカール部81を形成してもよい。
この実施形態のカール部81は、縮径部17の上端の内周側下向き屈曲部21に連続して内周側上向き屈曲部82が形成されることにより、これら内周側下向き屈曲部21と内周側上向き屈曲部82とにより半径方向内方に向けて凸となるように湾曲する内向き湾曲部83が形成され、該内向き湾曲部83の上端から缶軸方向上方に向けて屈曲する内周凹状屈曲部84と、該内周凹状屈曲部84の上端からほぼ円筒状の内周筒部85とが連続して形成され、その内周筒部85の上端に天頂折り返し部86が形成されている。この天頂折り返し部86に、第1実施形態と同様に、外周筒部24、外周凹状屈曲部25、外向き湾曲部26が連続して形成される。
つまり、このカール部81は、その下部に対して、上部の内周部及び外周部の両方が半径方向に押しつぶされている。このため、天頂折り返し部86は、内周側円弧部86aと外周側円弧部86bとがほぼ同じ曲率半径Rに形成され、厚み(内周筒部85の内周面から外周筒部24の外周面までの距離)W2も小さく形成されている。曲率半径Rは0.4mm以上1.2mm以下の曲率半径に形成されている。この実施形態では、カール部81の半径方向に沿う厚さを缶軸方向の途中位置から下方部分に比べて上方部分を小さくする段部は、外周側と内周側との両方に設けられており、外周部側の外周凹状屈曲部25と、内周部側の内周凹状屈曲部85とにより形成される。
キャップ30のシール部43は、天頂折り返し部86から外周筒部24にかけて密着するが、第1実施形態と比べて、天頂折り返し部86の内周側円弧部86aも曲率半径が小さいので、天頂折り返し部86がより強固に食い込んで密着する。
さらに、前述した第1実施形態及び第2実施形態のカール部の形状の場合、マキシキャップ(登録商標)等の金属製キャップ(例えば、実開昭58−161843号公報、国際公開第2007/122971号公報等に開示の金属製キャップ)を巻き締めることも可能である。
このキャップ材100は、図11から図13に示すように、アルミニウム又はアルミニウム合金の薄板金属からなり、円板状の天面部101と、天面部101の外周縁から垂直下方に延びるスカート部103と、スカート部103の下縁の一部を面方向に延長するように突出するタブ104と、天面部101の内面からスカート部103の上端部内面にかけて形成されたシール材105とを有しており、天面部101及びスカート部103の外側表面に、スカート部103の下縁におけるタブ104の両側縁からスカート部103、天面部101にわたって一対のスコア106が形成されている。タブ104は、開封時につまむことにより操作されるリング部107と、リング部107とスカート部103との間を連結する連結部38とから形成され、連結部108が所定の幅でスカート部103の下縁に直交する方向に延びている。リング部107は合成樹脂によって形成される場合もある。
そして、ボトル缶90のカール部81にキャップ材100を被せた後、プレッシャーブロック95によって天面部101を上方から缶軸方向に押圧してシール材105を圧縮した状態で、爪96をスカート部103の高さ方向の途中位置からスカート部103を半径方向内方に矢印で示すように押圧しながら下降させることにより、カール部81の下部の外周面、つまり外向き湾曲部26の外周面に倣わせるようにキャップ材100のスカート部103を変形させつつ、スカート部103の下端部を外向き湾曲部26の外周側下向き屈曲部26bに引っ掛けるように巻締める。
また、巻締め時に爪96がキャップ102のスカート部103を押圧しながら下降することから、スカート部103には引っ張り力が作用し、天頂折り返し部86から外向き湾曲部26にかけてシール部106が堅固に密着する。
また、この金属製キャップ102が巻締められるカール部としては、第1実施形態のものとは逆に、図4及び図15に示すように、予備カール部19の外周面は、変形させずに、上部の内周部のみを半径方向に押しつぶして変形させたカール部110も適用することができる。
このカール部110は、内周部のみに段部が形成されており、縮径部17の上端の内周側下向き屈曲部21に、内周側上向き屈曲部82、内周凹状屈曲部(段部)84、内周筒部85が連続して形成され、その内周筒部85の上端に天頂折り返し部111が形成され、天頂折り返し部111の下端に外周壁部29が形成され、外周壁部29の下端に外周側下向き屈曲部26bが形成される。
また、天頂折り返し部111は、内周側円弧部111aよりも外周側円弧部111bが大きい曲率半径に形成されている。
そして、このカール部110にキャップ材100を被せて、図12(b)に鎖線で示す巻締め装置によって巻締めると、キャップ材100のスカート部103が外周側下向き屈曲部26bに倣って巻き込まれ、シール部106が天頂折り返し部111から外周壁部29、外周側下向き屈曲部26bに圧接させられ、図14に示す状態となる。
4 中間成形体
5 円筒部
6 筒状部
8 小筒部,開口筒部
10,90 ボトル缶
14 口部
15 膨出部
16 ねじ部
17 縮径部
18,81,110 カール部
19 予備カール部
21 内周側下向き屈曲部
22,85 内周筒部
23,86,111 天頂折り返し部
23a,86a,111a 内周側円弧部
23b,86b,111b 外周側円弧部
24 外周筒部
25 外周凹状屈曲部(段部)
26 外向き湾曲部
26a 外周側上向き屈曲部
26b 外周側下向き屈曲部
28 上部折り返し部
29 外周壁部
30,102 キャップ
31,101 天面部
31a 絞り部
33,103 スカート部
38 キャップねじ部
40 ライナ
41 密封層
42 摺動層
43,106 シール部
62,95 プレッシャーブロック
63 第1ロール
64 第2ロール
65 ばね
70 キャッピングヘッド
82 内周側上向き屈曲部
83 内向き湾曲部
84 内周凹状屈曲部(段部)
85 内周筒部
96 爪
102 キャップ
104 タブ
105 シール材
106 スコア
Claims (1)
- 口部に、膨出部と、該膨出部の上端に連続するねじ部と、該ねじ部の上端から缶軸方向上方に向けて漸次縮径する縮径部と、該縮径部の上端で開口端部を半径方向外側に折り返した状態に形成されたカール部とを有するボトル缶と、該ボトル缶に被着され、前記ねじ部に沿ってキャップねじ部が形成されたキャップと、を有するキャップ付きボトルであって、前記カール部は、缶軸方向に沿う縦断面において、前記縮径部の上端で屈曲する内周側屈曲部と、該内周側屈曲部より上方で半径方向外方に折り返され缶軸方向上方に向けて凸となる天頂折り返し部と、該天頂折り返し部の外周側円弧部より缶軸方向下方に向けて延びる外周筒部と、前記外周筒部の下端で屈曲する外周凹状屈曲部と、該外周凹状屈曲部の外周端から半径方向外方に向けて凸となるように湾曲する外向き湾曲部とを有しており、
前記外周凹状屈曲部は、前記外向き湾曲部より半径方向内方に凹状に屈曲しており、
前記キャップ内に設けられた密封材が前記天頂折り返し部の前記外周側円弧部から前記外周筒部の外周面に密接させられているとともに、前記キャップのスカート部の周方向に形成された複数のベントホールが前記密封材より缶軸方向下方で、前記ねじ部より缶軸方向上方に位置していることを特徴とするキャップ付きボトル。
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